JPH07109442B2 - 静電界防止フィルター - Google Patents

静電界防止フィルター

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JPH07109442B2
JPH07109442B2 JP63080127A JP8012788A JPH07109442B2 JP H07109442 B2 JPH07109442 B2 JP H07109442B2 JP 63080127 A JP63080127 A JP 63080127A JP 8012788 A JP8012788 A JP 8012788A JP H07109442 B2 JPH07109442 B2 JP H07109442B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は静電界防止フィルターに関する。本発明の静電
界防止フィルターは、コンピュータ端末機、ワードプロ
セッサ等に使用されるCRTディスプレイ等のフィルター
として好ましく使用される。
[従来の技術及びその問題点] 近年のコンピュータ等の普及に伴い、CRTディスプレイ
等を長時間使用することが多くなってきている。
CRTディスプレイ等の長時間使用による障害として、先
ず眼精疲労が挙げられる。眼精疲労は、CRTディスプレ
イ等の表面の反射による外光、CRTディスプレイ等の画
面のちらつき等によって起こる。これらの防止のために
ニュートラルデンシティガラス基板(透過率30%〜70
%)等のガラス基板に反射防止膜を設けたフィルターを
CRTディスプレイ等の前面に装着することが行なわれ、
効果を上げている。
CRTディスプレイ等の長時間使用による他の障害とし
て、従来、電磁波によるオペレーターの皮膚や角膜等へ
の障害が問題とされてきた。そこで、その対策として、
従来、基板上に単独、あるいは多層反射防止膜の一部の
層として、ITO(酸化インジウム/酸化スズ)、酸化ス
ズといった抵抗値103Ω/□以下の低抵抗値の導電膜を
形成し、この導電膜からアースを取り出すことにより、
電磁波の除去が行なわれている。
上記のITO、酸化スズ等からなる導電膜は、電磁波の防
止には非常に有効であるが、その屈折率が基板の屈折率
よりも非常に高く、例えば屈折率が最も小さい導電膜で
あるITOの場合でも屈折率は1.9で、この膜の反射率は15
%になり、基板にITO膜のみをコートした場合、フィル
ターとしては使用不可能である。また、光線透過率も高
かった。
またITOや酸化スズ等の導電膜を多層反射防止膜の一部
の層として真空蒸着法によりコートした場合、以下のよ
うな問題点がある。
これらの導電膜は光学膜厚の精度の良いコントロー
ルが難しく、反射防止膜の特性に悪影響を与える。
これらの導電膜を大面積基板へ均一にコートするこ
とが難しい。
これらの導電膜は導電性の安定性に不安があり、特
に水分に対する特性劣化が指摘されている。
導電膜物質がITO、酸化スズ等に限られてるため、
膜構成の設計の自由度が小さい。
これらの導電膜は屈折率のコントロールが難しい。
従って反射防止膜として製作上及び性能上難点をもつIT
Oや酸化スズ等の導電膜を設けた従来のフィルターの代
りに、上記難点のない新規フィルターの開発が望まれて
いた。
[問題点を解決するための手段] 最近の労働衛生研究によれば、CRTディスプレイ等によ
る人体の皮膚や角膜等への障害は、前記の電磁波による
よりも静電界によりもたらされることが明らかになりつ
つある。
そこで、本発明者は、静電界を防止し得る物質を探索し
た結果、前記の難点をもつ抵抗値が103Ω/□以下の導
電膜の代りに、抵抗値が105〜1013Ω/□の範囲にある
誘電体膜を多層反射防止膜の少くとも一層として設けた
場合に、静電界を防止できることを見い出した。
従って本発明は、基板上に多層反射防止膜を形成したア
ース付きフィルターにおいて、前記多層反射防止膜が、
TiO2、Ta2O5、Al2O3及びこれらを一種以上含む混合物か
ら選ばれる、105〜1013Ω/□の抵抗値を有する、少な
くとも1層の誘電体膜層を含むことを特徴とする静電界
防止フィルターにある。
本発明の静電界防止フィルターの静電界防止のメカニズ
ムを述べると以下の通りである。すなわち、CRTディス
プレイ等の前面に印加されているプラスの高電圧により
静電界は発生するが、該静電界に誘引されて、CRTディ
スプレイ等の前に装着されたフィルター上の抵抗値が10
5〜1013Ω/□の誘電体膜層にアースを通じて電子が導
かれ、マイナスの電位が生じ、結果としてCRTディスプ
レイ等の前面のプラスの電位が打ち消されゼロ電位とな
って静電界防止が達成される。
本発明の静電界防止フィルターを構成する反射防止膜に
おいて、前記少なくとも1層の誘電体膜層は、その抵抗
値が105〜1013Ω/□に限定される。その理由は、静電
界防止のみを達成するためには、後述の実施例1〜5に
よっても明らかなように、105Ω/□以上の抵抗値であ
れば良く、また1013Ω/□を超えると、後術の比較例に
よって明らかなように、静電界防止効果が認められなく
なるからである。
本発明のフィルターにおいて静電界防止機能を有し、か
つ多層反射防止膜作成時に膜厚コントロール性、分布の
均一性等にすぐれた誘電体膜層の物質としては、TiO2,T
a2O5,Al2O3及びこれらを1種以上含む混合物等が使用で
き、これらの物質を使用することにより、従来、ITO、
酸化スズ等の導電膜を使用した場合に課題であった膜厚
コントロール、膜構成の設計の自由度、膜物質の耐久性
等の大幅な改良が可能となった。また、これらの物質は
光線透過率が低く、これらの物質から構成された誘電体
膜層も光線透過率が高い。
多層反射防止膜を有する本発明の静電界防止フィルター
の好ましい層構成を示すと以下の通りである。
(1) 多層反射防止膜が2層からなる場合は、基板か
ら外側に向かって第1層が高屈折率層、第2層が低屈折
率層である。
(2) 多層反射防止膜が3層からなる場合は、第1層
が中間屈折率層、第2層が高屈折率層、第3層が低屈折
率層であり、第3層(低屈折率層)の屈折率は基板の屈
折率より低い。
(3) 多層反射防止膜が4層からなる場合は、第1層
が低屈折率層、第2が中間屈折率層、第3層が高屈折率
層、第4層が低屈折率層であり、この場合も第1層及び
第4層(低屈折率層)の屈折率は基板の屈折率より低
い。
そして上記の多層反射防止膜の層構成において、その少
なくとも1層は、105〜1013Ω/□の抵抗値を有する上
で例示したような物質からなる誘電体膜層により構成さ
れている。
なお、成膜手段としては、真空蒸着法、溶液法、スパッ
タ法等が採用される。
本発明のフィルターにおいて、基板としては、ソーダラ
イムガラス、ニュートラルデンシティガラス等のガラス
基板やアクリル樹脂等のプラスチック基板が用いられ
る。特にニュートラルデンシティガラスに反射防止膜を
設けたものは、眼精疲労を防止する能力に特に優れてい
る。
またアースは上記の抵抗値105〜1013Ω/□の誘電体膜
層から取ることが望ましいが、該誘電体膜層の上に設け
られた上層が例えば光学膜厚でλ/4の如く薄い場合は当
該上層からアースを取ることも可能である。これは上層
が絶縁体でも薄く、且つ高電界がかかる場合には通電可
能なためである。
[実施例] 以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるのものではない。
実施例1 先ず、第1図に示したような層構成を有する本実施例の
静電界防止フィルターの製造例を説明する。
屈折率1.53の市販のソーダライムガラス基板4の表面両
面に、3層の反射防止膜1a,1b;2a,2b;及び3a,3bを真空
蒸着法により下記の条件で形成した。
すなわち、ガラス基板4の表面に、フッ化セリウムを、
真空蒸着室の真空度を2×10-5Torr(酸素導入なし)に
して真空蒸着することにより、光学膜厚(nd)が130nm
であるフッ化セリウムからなる第1の層(中間屈折率
層)1aを先ず形成させた。
次に、真空度を1×10-4Torr(酸素導入)にして真空蒸
着することにより、光学膜厚(nd)が260nmである酸化
チタンからなる第2の層(高屈折率層)2aを形成させ
た。この第2の層の抵抗値3×105Ω/□であった。
さらに、真空度を1×10-4Torr(酸素導入)にして真空
蒸着することにより、光学膜厚(nd)が130nmである二
酸化珪素からなる第3の層(低屈折率層)3aを形成させ
た。
次に、ガラス基板4の裏面に、上と同様にして、第1の
層(中間屈折率層)1b、第2の層(高屈折率)2b、第3
の層(低屈折率)3bを形成させた。これらの層1b,2b,3b
では、蒸着物質、光学膜厚等を上記の層1a,2a,3aとそれ
ぞれ同一とした。
その後、第2の層2aからアース5を取り、本実施例の静
電界防止フィルターを得た。実施例1で得たフィルター
の光線透過率は約99%であった。
次に本実施例のフィルターの静電界防止能力を次のよう
にして測定した。すなわち、コンピュータ(日本電気製
PC−980/VX41)に接続されたCRTディスプレイ(日本電
気製PC−KD853)の前面60mmの位置に静電界測定器(シ
シド静電気(株)スタチロン−M)を設置し、CRTディ
スプレイの電源を入れた結果、静電圧は15KVであった。
次にCRTディスプレイと測定器の間で、測定器から30mm
の位置にアースを取った本実施例のフィルターを設置し
て同様のテストを行なった。その結果を第2図に示す。
第2図によれば、本実施例のフィルターを用いると、約
30秒で静電圧は0となり、静電防止能力は非常に優れた
ものであった。
実施例2 実施例1で用いたと同一のソーダライムガラス基板にデ
ィッピング法(液浸塗布法)により、3層反射防止膜を
形成した。
(1) 低屈折率コート剤の作製 テトラエトキシシラン20.8g(0.1mol)とエタノール90g
(1.96mol)の混合液を室温下で撹拌しながら、水5.4g
(0.3mol)、0.1N塩酸2g、エタノール90g(1.96mol)を
滴下した。次に室温にて4時間撹拌して反応させ、12時
間放置して熟成させた。これを目開きが0.5μmのフィ
ルターにて濾過して低屈折率コート剤とした。
(2) 高屈折率コート剤の作成 テトライソプロポキシチタン20g(0.067mol)とエタノ
ール70g(1.2mol)の混合液を室温下で撹拌しながら水2
g(0.11mol)、0.1N塩酸1g、エタノール70g(1.2mol)
を滴下した。次に室温にて4時間撹拌して反応させ、12
時間放置して熟成させた。これを目開き0.5μmのフィ
ルターにて濾過して高屈折率コート剤とした。
(3) 中間屈折率コート剤の作成 テトラエトキシシランのテトラマー6.6g(0.009mol)、
テトライソプロポキシチタン8.5g(0.03mol)とエタノ
ール90g(1.96mol)の混合液を室温下で撹拌しながら水
2g(0.11mol)、0.1N塩酸1g、エタノール90g(1.96mo
l)を滴下した。次に室温にて4時間撹拌して反応さ
せ、12時間放置して熟成させた。これを目開き0.5μm
のフィルターにて濾過して中間屈折率コート剤とした。
(4) 3層反射防止膜の形成 基板を超音波洗浄器にて洗浄、乾燥した後、先ず、上記
(3)で作成した中間屈折率コート剤を使用して15cm/m
inの速度でディップコーティングを行なった。これを20
0℃で10分間乾燥して中間屈折率層用塗膜を形成した。
同様にして上記(2)で作成した高屈折率コート剤、上
記(1)で作成した低屈折率コート剤をそれぞれ20cm/m
in、12cm/minの速度でディップコーティングして、高屈
折率層用塗膜、低屈折率層用塗膜を形成した後、500℃
にて60分焼成した。
焼成後に得られた3層反射防止膜の第1の層である中間
屈折率層は、二酸化珪素と酸化チタンとの混合物からな
る光学膜厚(nd)120nmの膜であり、第2の層である高
屈折率層は酸化チタンからなる光学膜厚(nd)240nm、
抵抗値2×1012Ω/□の膜であり、第3の層である低屈
折率層は二酸化珪素からなる光学膜厚(nd)120nmの膜
であった。
次に第2の層からアースを取り、本実施例のフィルター
を得た。実施例2で得たフィルターの光線透過率は約98
%であった。
得られた本実施例のフィルターの静電界防止能力を実施
例1と同様にして測定した。その結果、第2図に示すよ
うに、実施例1のほぼ同様の静電界防止が認められた。
実施例3 実施例1と同様に真空蒸着法により、ソーダライムガラ
ス基板の表裏両面に4層反射防止膜を形成した。各層の
成膜条件及び成膜後の各層の光学膜厚(nd)の値を示す
と以下の通りである。
第1の層(低屈折率層) 蒸着物質 フッ下マグネシウム 蒸着法の真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 第2の層(中間屈折率層) 蒸着物質 酸化アルミニウム 蒸着時の真空度 1×10-4Torr(酸素導入) 光学膜厚(nd) 130nm 抵抗値 5×1011Ω/□ 第3の層(高屈折率層) 蒸着物質 酸化ジルコニウム 真空度 1×10-4Torr(酸素導入) 光学膜厚(nd) 260nm 第4の層(低屈折率層) 蒸着物質 フッ化マグネシウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 次に上記の第2の層からアースを取り、本実施例のフィ
ルターを得た。実施例3で得たフィルターの光線透過率
は約99%であった。
得られた本実施例のフィルターも第2図に示すように実
施例1のフィルター同等の静電界防止効果を有してい
た。
実施例4 実施例1で同様に真空蒸着法を用いて、ソーダライムガ
ラス基板の表裏両面上に2層反射防止膜を形成した。
各層の成膜条件及び成膜後の各層の光学膜厚(nd)の値
を示すと以下の通りである。
第1の層(高屈折率層) 蒸着物質 酸化タンタル 真空度 1×10-4Torr(酸素導入) 光学膜厚(nd) 260nm 抵抗値 1×1013Ω/□ 第2の層(低屈折率層) 蒸着物質 フッ化マグネシウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 次に第1の層からアースを取り、本実施例のフィルター
を得た。実施例4で得たフィルターの光線透過率は約98
%であった。
得られた本実施例のフィルターも第2図に示すように実
施例1のフィルターと同等の静電界防止効果を有してい
た。
実施例5 実施例1と同様に真空蒸着法により、ソーダライムガラ
ス基板の表裏両面に3層反射防止膜を形成した。
各層の成膜条件及び成膜後の各層の光学膜厚(nd)の値
を示すと以下と通りである。
第1の層(中間屈折率層) 蒸着物質 フッ化セリウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 第2の層(高屈折率層) 蒸着物質 酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合
物 真空度 1×10-4Torr(酸素導入) 光学膜厚(nd) 260nm 抵抗値 3×108Ω/□ 第3の層(低屈折率層) 蒸着物質 フッ化マグネシウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 次に第2の層からアースを取り、本実施例のフィルター
を得た。実施例5で得たフィルターの光線透過率は約99
%であった。
得られた本実施例のフィルターも第2図に示すように実
施例1のフィルター同等の静電界防止効果を有してい
た。
比較例 第1層、第2層及び第3層とも本発明で規定された上限
を超える抵抗値を有する物質の蒸着膜を用いた以外は、
実施例1と同様に真空蒸着法により、ソーダライムガラ
ス基板の表裏両面に3層反射防止膜を形成した。各層の
成膜条件及び成膜後の光学膜厚(nd)の値を示すと以下
の通りである。
第1の層(中間屈折率層) 蒸着物質 フッ化セリウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 第2の層(高屈折率層) 蒸着物質 酸化ジルコニウム 真空度 1×10-4Torr(酸素導入) 光学膜厚(nd) 260nm 第3の層(低屈折率層) 蒸着物質 フッ化マグネシウム 真空度 2×10-5Torr(酸素導入なし) 光学膜厚(nd) 130nm 次に上記の第2層からアースを取り、本比較例のフィル
ターを得た。
得られた本比較例のフィルターは、第2図に示すよう
に、フィルターなしに比べ若干の静電圧低下は認められ
るが、実施例1〜5のフィルターと異なり、静電圧減衰
効果は認められなかった。
[発明の効果] 基板上に設けられた多層反射防止膜の少なくとも1層が
TiO2、Ta2O5、Al2O3及びこれらを1種以上に含む混合物
から選ばれる、105〜1013Ω/□の抵抗値を有する誘電
体膜層からなる本発明の静電界防止フィルターは静電界
防止機能においてすぐれ、かつ光線透過率も高いためCR
Tディスプレイの画面の視認性にすぐれている。
また本発明の静電界防止フィルターを構成する誘電体膜
層を多種の誘電体物質から選択することができ、膜厚の
コントロール、膜設計の自由度、膜物質の耐久性等の改
良が可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1の静電界防止フィルターの層構成を示
す概略図、第2図は実施例1〜5の静電界防止フィルタ
ーの静電界防止機能を示すグラフである。 1a,1b……第1の層(中間屈折率層) 2a,2b……第2の層(高屈折率層) 3a,3b……第3の層(低屈折率層) 4……ソーダライムガラス基板 5……アース

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に多層反射防止膜を形成したアース
    付きフィルターにおいて、前記多層反射防止膜が、Ti
    O2、Ta2O5、Al2O3及びこれらを一種以上含む混合物から
    選ばれる、105〜1013Ω/□の抵抗値を有する誘電体膜
    層を少なくとも1層含むことを特徴とする静電界防止フ
    ィルター。
JP63080127A 1988-03-31 1988-03-31 静電界防止フィルター Expired - Lifetime JPH07109442B2 (ja)

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