JPH07111434B2 - 抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子の製造方法 - Google Patents

抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子の製造方法

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JPH07111434B2
JPH07111434B2 JP62268069A JP26806987A JPH07111434B2 JP H07111434 B2 JPH07111434 B2 JP H07111434B2 JP 62268069 A JP62268069 A JP 62268069A JP 26806987 A JP26806987 A JP 26806987A JP H07111434 B2 JPH07111434 B2 JP H07111434B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は免疫学的な測定試薬の製造方法に関し、更に詳
しくは抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子の製造
方法に関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
従来、担体粒子に物理吸着あるいは共有結合の形成によ
り抗体または抗原などの免疫学的活性物質を固定化した
担体粒子(以下固定化担体粒子と略す)と血清や尿等の
被検体中の対応する抗原又は抗体との間における抗原抗
体反応による凝集反応あるいは凝集阻止反応を観察する
ことにより、被検体中の対応する抗原または抗体を測定
する免疫学的測定方法が知られている。上記固定化担体
粒子を用いる測定方法は被検体中に含まれる微量成分を
迅速に、高精度でかつ簡便に測定できるため広く利用さ
れている。
古くは上記固定化担体粒子と被検体とを反応板上で混合
し、抗原抗体反応に基づく凝集もしくは凝集阻止反応を
行ない凝集像を肉眼で判定して被検体中の対応する抗原
又は抗体を定性的に測定していた。近年上記凝集反応物
を光学的に測定する事により被検体中の抗原又は抗体を
定量的に測定することが可能となつた。
この様な固定化担体粒子を用いた免疫学的測定方法にお
いて最も重要な事は、固定化担体粒子の粒子径の均一性
である。
抗体又は抗原を固定化する際に担体粒子と混合する過程
において以下の現象が起こる。すなわち、抗体又は抗原
がある担体粒子の表面に固定化されていく過程で、粒子
表面には未だ未固定の部分が残つていて、固定化された
抗体又は抗原はさらに担体粒子表面に吸着あるいは共有
結合が可能であるため、他の担体粒子の未固定の部分が
接触すると、そこでも吸着あるいは共有結合が生じ、結
局、抗体又は抗原が架橋剤の役割をはたして、担体粒子
の凝集が起こる。この様に担体粒子同志が凝集する固定
化条件下では均一な粒子径を有する固定化担体粒子を得
ることができず粒子径に分布が生じる。粒子径の分布が
広がると特に定量的な測定方法において定量性が損われ
るのみならず、定性的な測定方法においても凝集の有無
の差が減少し判定が困難となる。さらにはかかる固定化
条件下で同一の凝集粒子径の分布を持つ固定化担体粒子
を再現よく製造することが困難となる。
従来固定化する方法としては担体粒子の懸濁液に、抗体
又は抗原の溶液を加え直ちに攪拌混合する方法が行なわ
れていた。この方法においては抗体又は抗原の添加量を
担体粒子の固定化可能な表面積に比較して多く使用し、
混合時に各担体粒子表面をすみやかに抗体又は抗原で覆
い、上記担体粒子同志の凝集反応を抑制する必要があ
る。さらには短時間内に攪拌混合する必要がある為に、
固定化の量を増加すると混合が不充分となり得られる固
定化担体粒子の凝集が増加するので、大量に製造する場
合は固定化を何度も繰り返す操作が必要となる。
上記とは逆に抗体又は抗原の溶液に担体粒子の懸濁液を
添加する方法では、先に添加された粒子が多くの抗体又
は抗原を固定化し、添加が進むと溶液中の未固定の抗体
又は抗原量が減少して、添加終了直前の担体粒子は凝集
粒子を形成しやすくなる欠点を有する。従つて、この方
法では添加を一層迅速に行なう必要がある。以上の如く
従来の抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子の製造
方法においては、固定化担体粒子が凝集粒子を形成しや
すい問題があつた。この為、従来法は大量生産に不適当
で、又、製造ごとに得られる試薬の特性を一定に保つ事
が困難であつた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは固定化時の不溶性担体粒子の凝集を抑制
し、一定性能の免疫学的測定試薬を大量に得る方法を鋭
意研究して来た。
その結果、本発明者らは詳しくは後述するが抗体又は抗
原を固定化した不溶性担体粒子を製造するに際し、単位
時間当たりの抗体又は抗原の量と不溶性担体粒子の量と
の割合が一定となるように、抗体又は抗原を含む液流と
不溶性担体粒子を含む懸濁液流との少なくとも二液流
を、極めて短い時間の内に混合が達成される条件下に合
流させることにより固定化時の不溶性担体粒子の凝集が
抑制でき、一定性能の免疫学的測定試薬を大量製造しう
る事を見出した。
そして、この製造方法によれば実験室的な試験管スケー
ルで得た固定化条件が、そのまま工業的規模での大量生
産時の固定化条件として利用できるメリツトがあること
を見出し本発明を完成させ、ここに提案するに至った。
即ち、本発明は、単位時間当たりの抗体又は抗原の量と
不溶性担体粒子の量との割合が一定となるように、抗体
又は抗原を含む液流と不溶性担体粒子を含む懸濁液流と
の少なくとも二液流を、瞬時に混合が達成される条件下
に合流させることを特徴とする抗体又は抗原を固定化し
た不溶性担体粒子の製造方法である。
更に、本発明を好適に行う実施の態様として、上記の抗
体又は抗原を固定した不溶性担体粒子の製造するに際
し、供給口を複数有し取り出し口を唯一有する混合器を
用い、不溶性担体粒子含有懸濁液と抗体又は抗原含有溶
液とをそれぞれ別個に供給口から供給し、両者を瞬時に
混合し、均一流とした後取り出し口から採取することを
特徴とする抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子の
製造方法を提供する。
本発明において、不溶性担体粒子に固定化される抗体又
は抗原は特に限定的でなく、公知のものが使用できる。
好適に使用できる代表的なものを例示すれば、例えばヒ
トアルブミン,抗ヒトアルブミン抗体,ヒトイムノグロ
ブリンG(ヒトIgG),抗ヒトIgG抗体,ヒトイムノグロ
ブリンA(ヒトIgA),抗ヒトIgA抗体,ヒトイムノグロ
ブリンM(ヒトIgM),抗ヒトIgM抗体,ヒトイムノグロ
ブリンE(ヒトIgE),抗ヒトIgE抗体,ヒトC−反応性
蛋白質(ヒトCRP),抗ヒトCRP抗体,アルフアフエトプ
ロテイン(AFP),抗AFP抗体,癌胎児性抗原(CEA),
抗CEA抗体,ヒト繊毛性ゴナドトロビン(HCG),抗HCG
抗体,インシユリン,抗インシユリン抗体,B型肝炎表面
抗原(HBS),抗HBS抗体,補体Clq、抗Clq抗体,補体
C3,抗C3抗体,補体C4,抗C4抗体,フイブリノーゲン分
解産物(FDP),抗FDP抗体,変性ヒトγ−ブロブリン,
リウマチ因子等である。
不溶性担体粒子としては固定化,保存,及び測定を行な
う時に用いられる液体媒体に実質的に不溶性の不溶性担
体粒子であり、詳しくは後述するが平均粒子径10μm程
度以下の微粒子が好適に用いられる。
これらの粒子はすでに抗原抗体反応に使用されるものが
種々知られていて、本発明にあつてもこれらの公知の微
粒子が特に限定されず使用できる。特に好適に使用され
るものを例示すると例えば、ポリスチレン,スチレン−
ブタジエン共重合体,スチレン−メタクリル酸共重合
体,ポリグリシルメタクリレート,アクロレイン−エチ
レングリコールジメタクリレート共重合体の様な乳化重
合により得られる有機高分子ラテツクス等の有機高分子
物質の微粒子、あるいはシリカ,シリカ−アルミナ,ア
ルミナの様な無機酸化物又は該無機酸化物等にシランカ
ツプリング処理等の操作で官能基を導入した無機粒子さ
らにはヒトO型赤血球,ヒツジ赤血球等の生物由来の粒
子等である。
上記不溶性担体粒子の粒子径については、粒子径が大き
い場合、凝集にともなう粒子径の変化量は大きいが凝集
反応速度が遅く、粒子径が小さいとブラウン運動性が活
発で凝集反応速度は速いが一次粒子径が小さいために凝
集反応にともなう粒子径の変化量が小さい。この為に凝
集反応に用いられる不溶性担体粒子の平均粒子径は10μ
m程度以下、好ましくは0.05〜5.0μmの不溶性担体粒
子が好適に用いられる。
被検体中の抗原又は抗体を光学的測定方法で定量する場
合、測定に用いる光線の波長は反応の進行にともなう透
過光又は散乱光の変化が比較的大きく感度に優れ、かつ
検体中に通常共存する乳ビ,ヘモグロビン,ビリルビン
等の干渉が比較的少ない400〜1000nm好ましくは500〜95
0nmの範囲の波長が好適に使用される。光学的に測定す
る場合は使用する光線の波長を勘案して使用する粒子径
を選べば良く、平均粒子径0.05〜0.5μmの不溶性担体
粒子が特に好適に使用される。
本発明において、抗体又は抗原を不溶性担体粒子に固定
化する方法は、物理的吸着,化学的共有結合の形成のい
ずれでも良いが、物理的吸着能が比較的高い蛋白質例え
ば抗体や高分子量蛋白質の固定化には物理的吸着が好適
に用いられる。一方、物理的吸着能に劣る親水性の高い
蛋白質、及び低分子量抗原等を固定化する場合、又は脱
着を避けたい場合には化学的共有結合の形成を行なうと
良い。化学的共有結合についてはすでに多くの方法が提
案されており、固定化する抗体の特性に合わせ公知の方
法から固定化方法を選択すると良い。
一般には、分散媒中に溶解又は懸濁させた抗体又は抗原
と不溶性担体粒子を懸濁させた分散媒及び必要に応じて
架橋剤等の夫々の液流を合流混合すればよい。架橋剤と
してはグルタルアルデヒド,1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等の公知の
ものが使用できる。
抗体又は抗原を不溶性担体粒子に固定化する際の分散媒
は特に限定的ではなく公知のものが使用されるが、上記
の架橋剤を使用する場合には分散媒中の成分が架橋剤と
反応しない分散媒を用いる必要がある。好適に使用され
る分散媒としてはグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液,
トリス−塩酸緩衝液,塩化アンモニウム−アンモニア緩
衝液,リン酸緩衝液等の緩衝液が好適に使用される。固
定化する際の不溶性担体粒子の分散媒中の濃度は特に限
定されるものではないが、一般には抗体又は抗原と混合
された時点で0.05重量%以上、好ましくは0.2〜2.0重量
%となる様に選ぶのが好適である。抗体又は抗原の濃度
も特に限定されるものではないが、一般には不溶性担体
粒子と混合された時点で0.0005重量%以上、好ましくは
0.002〜0.2重量%となる様に選ぶのが好適である。不溶
性担体粒子と抗体又は抗原の濃度比は不溶性担体粒子の
粒子径,固定化可能な表面積の割合及び抗体又は抗原の
種類、並びに固定化する為に混合する際の不溶性担体粒
子の分散液と抗体又は抗原溶解液との液量等を種々勘案
して決定すれば良い。
本発明においては、好適な実施の態様として、供給口を
複数有し取り出し口を唯一有する混合器を用いるのが便
利である。すなわち少なくとも2個の供給口から、それ
ぞれ別個に、不溶性担体粒子の分散液及び抗体又は抗原
の溶解液を、両液中に夫々存在する不溶性担体粒子の量
と該不溶性担体粒子に担持させるに必要な抗体又は抗原
の量となるように供給し、これらの供給液流を瞬時に均
一に混合し、取出口より採取する方法がある。上記の機
能を有する混合器として例えば、Y字状に管を組み合わ
せた混合器、及びT字状に管を組み合わせた混合器が挙
げられる。本発明の混合器においては混合部の断面積を
考慮すると一層効果的である。混合部の断面積が、供給
される液の流量に対して、あまり広いと、液の流速が小
さくなり異なる液の合流時に液流の乱れが生じ難く、充
分混合が得られず本発明による混合器の効果が発揮でき
がたくなる。このため、本発明による混合器の混合部に
おける断面積は、一般に5cm2程度以下とするのが良
い。本発明において混合部の断面積とは、上記Y字管及
びT字管の場合、第1図及び第2図のS1,S2に示す位置
の断面積である。さらに好ましくは断面積S1,S2を各々
0.2cm2以下として混合器を設計すれば良い。
第3図には本発明の一態様として2重管構造を有する混
合器の管径に垂直な方向の断面を示した。上記混合器は
内管4と外管5より成り、内管4の一端が供給口2とな
り例えば不溶性担体粒子の分散液を供給する。一方、例
えば抗体の溶解液を内管4と外管5との間隙に供給す
る。このため外管5の一部を封じ供給口1を設ければ良
い。外管5の他端には取出口3を設ける。この際、第3
図に示した如く管径を小さくしても良い。
上記混合器について混合部の断面積は上記混合器の管径
に水平な方向の断面を示した第4図におけるS1,S2に相
当する。
また、1本の管の中間に取出口用の穴を設け、両端を供
給口とした混合器でも良い。
さらには供給口を3個以上設け、うち2個の供給口は不
溶性担体及び抗体又は抗原の溶解液の供給に用いる。残
りの供給口より例えば架橋剤の溶解液又は固定化担体粒
子の希釈用の緩衝液等を供給しても良い。
本発明における混合器は、その混合部にじやま板等の混
合を促進する構造を持たせても良い。
本発明において、液の供給速度は限定的ではない。又、
異なる液を2つの供給口より断続的に供給しても、異な
る液における不溶性担体粒子の供給量と抗体又は抗原の
供給量との割合が実質的に一定とすれば本発明の効果が
得られる。一般的には、混合部の断面積を小さくし液の
供給速度を速くすることにより、異なる液が充分混合さ
れるため、固定化担体粒子の凝集の発生が抑制される。
本発明において、混合器に液を供給する方法としては例
えば混合器と各液の入つた注射器とをゴム管等で各々接
続し、液を圧入すればよい。また混合後の固定化担体粒
子を取り出す方法としては取出口よりゴム管等で受器に
導けば良い。受器側を減圧に保持した場合は、供給側か
ら圧入する必要はなく自動的に供給,混合が可能とな
る。
本発明において、混合器の材質は特に限定はされない
が、使用する液に溶解する成分を含む材質は好ましくな
い。好適に使用できる代表的なものを例示すれば、例え
ば、ポリスチレン,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポ
リカーボネート,ポリ塩化ビニル,ポリエチレンテレフ
タレート,ポリメタクリル酸メチル,テフロン等の合成
樹脂,シリコンゴム,ウレタンゴム等の合成ゴム,ガラ
ス,及びステンレス,アルミ等の金属等である。
上記混合器と接続する管及び注射器等の材質も同様のも
のを使用すれば良い。
なお混合器の供給口、取出口、混合部等の形状及び寸法
は、混合する不溶性担体,及び抗体又は抗原の種類,濃
度,供給量,等を勘案し決定すれば良い。
〔作用及び効果〕
本発明の混合器は不溶性担体分散液と抗体又は抗原の溶
解液とをそれぞれ別個の供給口から供給し、両者を混合
後、取出口から採取することを特徴とする。
本発明による抗体又は抗原を固定化した不溶性担体粒子
の製造方法と従来法とを比較すると、本発明による製造
方法により得られる固定化担体粒子は凝集が少なく、か
つくり返し製造ごとに得られる固定化担体粒子の特性が
均一で、かつ大量に製造出来、工業的に極めて有効な方
法である。この原因につき本発明者らは、混合器内の両
液の合流部分において上記2液の混合が極めて短時間の
うちに均一に混合される為と考える。これに対し上記2
液のうちの一方に他方の液を添加する従来の方法は、本
発明の方法と比較して2液が均一混合するのに多くの時
間を必要とし、結果として不溶性担体粒子への抗体又は
抗原の固定化状態が粒子ごとに不均一となり、粒子表面
が抗体又は抗原で充分覆われない粒子が発生しやすくな
る。この粒子は抗体又は抗原をさらに固定化できる為
に、他の粒子上に固定化した抗体又は抗原を固定化し、
結果として凝集粒子を発生しやすくする。
さらには、くり返し同一の混合状態を再現する事が困難
であり、製造ごとに固定化担体粒子の特性が変動しやす
くなる。
〔実施例〕
以下、実施例によりさらに本発明を詳細に説明するが本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 (a)変性ヒトγ−グロブリン固定化ラテツクス分散液
の調製平均粒子径が0.131μmのポリスチレンンラテツ
クス粒子(担体粒子)を0.05Mグリシン−水酸化ナトリ
ウム緩衝液PH8.5(以下緩衝液A)で希釈し、ラテツク
ス濃度が1重量%の分散液を調製した。次いで、ヒト血
清から塩析処理により分画したヒトγ−グロブリンを、
生理食塩水及び水に対して透析した後、さらに緩衝液A
に対して透析した。得られたヒトγ−グロブリン溶液を
緩衝液Aで希釈して蛋白濃度を10mg/mlに調製した。次
いで、ヒトγ−グロブリン溶液を60℃,30分加熱し、変
性ヒトγ−グロブリン溶液を得た。
混合器として、内径2mmのガラス管をT字型に連結した
T字管(S1,S2はおよそ0.03cm2)を製作した。
ガラス製注射器で上記ラテツクス分散液を1mlの目盛り
の位置まで採取し、シリコンゴム製のチユーブを用いて
該T字管の一端に連結した。同様に変性ヒトγ−グロブ
リン溶液1mlをガラス製注射器で採取し、該T字管の他
の一端に接続した。接続位置は、ラテツクス分散液及び
変性ヒトγ−グロブリン溶液の供給口の間の角度が180
°取出口と各々の供給口との間の角度が90°となる様に
配置した。なお、注射器の先端からT字管の混合部まで
の距離は各々20mmとした。ラテツクス分散液及び変性ヒ
トγ−グロブリン溶液を以下の〜の条件で混合器に
等量供給した。
1mlずつを一括供給した。
0.5mlずつ2回に分割して供給した。
0.2mlずつ5回に分割して供給した。
0.05mlずつ20回に分割して供給した。
いずれの条件においても特に攪拌や混合は行なわなかつ
た。取出口にプラスチツク製の遠心チユーブを置き、得
られた反応物を採取した。次いで、遠心分離し上清を除
去した後、沈澱にウシ血清アルブミン(以下BSAと略
す)を0.05重量%の濃度で添加した緩衝液Aを加え再分
散し、さらに緩衝液Aを加えてラテツクス濃度を0.05重
量%に調製し、変性ヒトγ−グロブリン固定化ラテツク
ス分散液(免疫学的測定試薬)を得た。
(b)吸光度の測定 光路長10mmの光学セルを用い、波長600nmにおける測定
試薬の吸光度を測定した。前記各種変性ヒトγ−グロブ
リン固定化ラテツクス分散液の吸光度は、条件の場合
0.69,条件の場合0.70,条件の場合0.70,条件の場
合0.71を示し、混合条件が変わつても得られる吸光度の
変化は認められなかつた。尚、原料に用いたラテツクス
を緩衝液Aで0.05重量%に希釈した分散液は吸光度0.60
を示した。ところで、吸光度0.70を粒子径に換算すると
およそ0.14μmに相当する。
(c)免疫学的測定試薬の評価 免疫学的活性物質として変性ヒトγ−グロブリン(抗
原)を固定化した前記試薬は、リウマチ因子(抗体)の
検出試薬として用いることができる。
この検出試薬1滴と各種のリウマチ因子陽性血清又は陰
性血清1滴とをガラス板上で混合し、10分後にラテツク
ス粒子の凝集状態を肉眼で判定した。結果を第1表に示
した。
本発明による測定試薬においては供給条件による試薬特
性の差異が認められなかつた。
又、陰性血清に対してはいずれの試薬も(−)を示し非
特異的凝集反応を起こさなかつた。
比較例1 (a)変性ヒトγ−グロブリン固定化ラテツクス分散液
の調製 実施例1と同一のラテツクス分散液1mlをガラス製試験
管に採取した。実施例1と同一の変性ヒトγ−グロブリ
ン溶液をガラス製注射器で採取し、ラテツクス分散液に
対し以下の(1)〜(4)の条件で添加した。
(1)1mlを一括添加した。
(2)0.5mlずつ2回に分割して添加した。
(3)0.2mlずつ5回に分割して添加した。
(4)0.05mlずつ20回に分割して添加した。
分割して添加する場合は添加ごとに試験管の内容物を試
験管ミキサーで混合した。
次いで遠心分離し上清を除去した後、実施例1と同様に
して0.05重量%の変性ヒトγ−グロブリン固定化ラテツ
クス分散液を調製した。
(b)吸光度の測定 得られた変性ヒトγ−グロブリン固定化ラテツクス分散
液の吸光度を実施例1と同様に測定した。吸光度は添加
条件により大きく変化し、条件(1)で得られた分散液
では0.75,条件(2)では0.81,条件(3)では1.20,条
件(4)では1.78と分割回数が増加するにともない吸光
度が増加した。
なお、吸光度1.78を粒子径に換算するとおよそ0.24μm
に相当し、実施例1と比較して固定化時に凝集粒子が発
生しやすい事を示した。
(c)免疫学的測定試薬の評価 実施例1と同様に上記試薬を評価した。得られた結果を
第2表に示した。
第2表から明かな如く、本発明による混合器を使用しな
い場合は、添加条件により得られる試薬の特性が大きく
変化した。添加の分割回数が最も多く条件(4)で得た
試薬は陰性血清に対しても凝集し、臨床上好ましくない
非特異凝集を示したものと考えられた。
上記のごとく、本発明による混合器を用いて担体粒子に
免疫活性物質を添加した場合は、供給条件による試薬特
性の差異が認められなかつた。これに対し混合器を用い
ずに担体粒子に免疫活性物質を添加した場合は添加条件
により試薬特性が大きく変化した。
さらに実施例1の供給条件及び比較例1の添加条件
(1)の方法で、各々10回試薬を調製した。得られた試
薬の吸光度の平均値で、標準偏差値を除して得た変動係
数は実施例1の場合1.5%であり、比較例1の場合5.8%
となつた。比較例1の場合、添加する変性ヒトγ−グロ
ブリンの添加条件及び添加された後の拡散を試薬調製ご
とに完全に再現する事が極めて困難であることを示し
た。
実施例2 (a)抗ヒトCRP抗体固定化ラテツクス分散液の調製 ヒトC−反応性蛋白質(以下ヒトCRP)をヤギに免疫し
て得た抗ヒトCRP血清から塩析処理により抗ヒトCRP抗体
を分画した。
次いで、抗ヒトCRP抗体を0.05M塩化アンモニウム−アン
モニア緩衝液(以下緩衝液B)で希釈して、蛋白濃度が
2mg/mlの抗ヒトCRP抗体溶液を調製した。
緩衝液Aに代えて緩衝液Bを、変性ヒトγ−グロブリン
に代えて抗ヒトCRP抗体を用い、実施例1の供給条件
〜に代えて以下の及びの供給条件を用いる以外は
実施例1と同様にして抗ヒトCRP抗体感作ラテツクス分
散液を調製した。なお混合器は実施例1と同一の混合器
を用いた。
ラテツクス分散液及び抗ヒトCRP抗体溶液各2mlずつ
を一括して供給した。
ラテツクス分散液及び抗ヒトCRP抗体溶液各5mlずつ
を一括して供給した。
取出口より反応物を試験管にとり、37℃に加温して2時
間静置した。次いで、各反応物2mlをプラスチツク製の
遠心チユーブに移し遠心分離し、上清を除去した。得ら
れた沈澱に、BSAを2mg/mlの濃度で含む緩衝液Bを2ml加
え再分散した。次いで37℃に加温して2時間静置した。
この操作により、担体粒子表面で抗体が吸着しなかつた
部分に上記BSAを吸着せしめて担体粒子の非特異的な凝
集を防止した。
次いで、1回目の遠心分離操作で残留した未吸着の抗体
及び余剰のBSAを除去する目的で再び遠心分離を行な
い、上清を除去した。得られた沈澱に緩衝液Bを加え再
分散し、ラテツクス濃度を0.05重量%に調製し、抗ヒト
CRP抗体固定化ラテツクス分散液(免疫学的測定試薬)
を得た。
(b)吸光度の測定 実施例1と同様にして、得られた固定化ラテツクス分散
液の吸光度を測定した。得られた吸光度は条件,と
もに0.75であつた。なお、吸光度0.75を粒子径に換算す
るとおよそ0.14μmに相当し、後述する比較例に比して
明らかに凝集粒子の発生が抑制された。
(c)免疫学的測定試薬の評価 免疫学的活性物質として抗ヒトCRP抗体を固定化した上
記試薬は、ヒトCRPの定量試薬として用いることができ
る。
日立製作所製U−3200型自記分光光度計の測光部に、温
度調節器及びマグネツト式攪拌装置を取り付けた装置に
より吸光度を測定した。光路長10mmのガラス製光学セル
に上記試薬2mlを分注し、円筒状の攪拌子を入れ、測光
部に挿入し、37℃に保温した。
次いで、該攪拌装置により該容器中の試薬を攪拌しつ
つ、検体20μlを添加した。添加と同時に吸光度の測定
を開始した。吸光度の測定は580nmの波長の光線を用い
て行なつた。なお、攪拌は検体添加10秒後に停止した。
測定に用いた検体はヒトCRP濃度240mg/dlの精製ヒトCRP
溶液をヒトCRPを吸収処理して実質的にヒトCRPを含まな
い状態としたヒトCRP不含血清により希釈して、ヒトCRP
濃度が1.0,2.0,3.0,4.0,5.0,6.0mg/dlとなるように調製
した。
得られた吸光度のうち、検体添加1分後と2分後の吸光
度より1分間の吸光度の差すなわち吸光度の増加速度を
求めた。この結果を第3表に示す。
比較例2 実施例2の混合器を用いる方法にかえて、抗ヒトCRP抗
体溶液を試験管にあらかじめ採取しておき、ガラス製注
射器でラテツクス分散液を一括添加する以外は実施例2
と同様にして、抗ヒトCRP抗体固定化ラテツクス分散液
を調製した。
ラテツクス分散液の添加条件は以下の(5),(6)の
条件によつた。
(5)抗ヒトCRP抗体溶液2mlにラテツクス分散液2mlを
一括添加した。
(6)抗ヒトCRP抗体溶液5mlにラテツクス分散液5mlを
一括添加した。
添加後試験管ミキサーで混合し、37℃に加温して2時間
静置した。次いで、実施例2と同様に操作して抗ヒトCR
P抗体固定化ラテツクス分散液を得た。
(b)吸光度の測定 実施例1と同様にして、得られた固定化ラテツクス分散
液の吸光度を測定した。得られた吸光度は条件(5)で
0.80,条件(6)で1.10であつた。吸光度0.80及び1.10
を粒子径に換算するとそれぞれおよそ0.15μm及び0.17
μmに相当する。
(c)免疫学的測定試薬の評価 実施例2と同様にして上記試薬を評価した。得られた結
果を第4表に示した。
上記実施例2並びに比較例2の免疫学的測定試薬として
の評価の結果を図に示した。
第5図は横軸が検体中のCRP(抗原)濃度を示し、縦軸
は各試薬における吸光度増加速度を示す。実施例2の条
件,の結果を各々(○)及び(△)で示し、比較例
2の条件(5),(6)の結果を各々(●)及び(▲)
で示した。プロットした各点を直線で結び検量線を得
た。図中、直線1は実施例2の条件,の検量線を示
し、直線2及び直線3は各々比較例2の条件(5),
(6)の検量線を示す。
第3表,第4表及び第5図から明らかな如く、本発明に
よる混合器を用いた場合、供給する液量により得られる
免疫学的測定試薬の特性は変化しないが、本発明による
混合器を用いない場合は固定化する液量により免疫学的
測定試薬の特性が大きく変化する。比較例で得た試薬の
場合、固定化する液量の増加にともない検量線の上限が
低下する傾向が認められた。又、上記の吸光度測定の結
果から固定化する液量が増加すると、固定化ラテツクス
担体粒子の凝集度が増す傾向が認められた。
以上の結果より従来法においては、得られる試薬量を増
すためには、1回当りの固定化量を増す方法は好ましく
なく、固定化の回数を増す事が必要となる。一方本発明
による方法においては、1回当りの固定化量を増しても
同一性能の試薬が得られる特徴がある。
実施例3 (a)抗ヒトCRP抗体固定化ラテツクス分散液の調製 混合器として内径2mmのポリプロピレン製Y字管(S1が
およそ0.05m2)を用い、25ml用ポリプロピレン製注射器
2ケとウレタンゴム製チユーブで連結した。注射器に
は、あらかじめ実施例2と同一の抗体溶液及びラテツク
ス分散液を各々25mlずつ採取しておき、一括して混合器
に供給し、取出口より反応物50mlをプラスチツク製遠心
チユーブに取り、37℃に加温して2時間静置した。次い
で、高速遠心時に起りやすい、担体粒子の圧着を防止す
る目的でウシ血清アルブミン(BSA)0.01gを添加し、遠
心分離を行なう。上清を除去した後、沈澱にBSAを2mg/m
l含む緩衝液Bを50mlを加え再分散した。次いで、37℃
に加温して2時間静置した。再び遠心分離を行ない上清
を除去した後、緩衝液Bを加え再分散し、ラテツクス濃
度を0.05重量%に調製した。
(b)吸光度の測定 実施例1と同様にして、得られた固定化ラテツクス分散
液の吸光度を測定したところ0.76であり、実施例2と一
致した。
(c)免疫学的測定試薬の評価 実施例2と同一の方法で評価した。吸光度増加速度はCR
T濃度が0,1.0,2.0,3.0,4.0,5.0,6.0(mg/dl)に対しそ
れぞれ0,31,61,93,123,154,180(10-3/mm)となり、実
施例2と同一の試薬特性を示した。
実施例4 (a)抗ヒトCRP抗体固定化ラテツクス分散液の調製 混合器として内径1cmのポリプロピレン製Y字管(S1が
およそ1.1cm2)を用い、1用分液ロート2ケと連結し
た。分液ロートにはあらかじめ実施例2と同一の抗体溶
液及びラテツクス分散液を各1ずつ採取しておき、分
液ロートに窒素で圧をかけながら一括して供給した。得
られた固定化ラテツクス分散液を50ml容量のプラスチツ
ク製遠心チユーブに分注し、実施例3と同様にして抗ヒ
トCRP抗体固定化ラテツクス分散液を得た。
(b)及び(c)吸光度の測定及び免疫学的測定試薬の
評価 実施例1と同様に吸光度を測定したところ得られた試薬
の吸光度は0.76で実施例2及び3と一致した。
実施例2と同様に免疫学的測定試薬の評価を行なつた。
吸光度増加速度はCRP濃度が0,1.0,2.0,3.0,4.0,5.0,6.0
(mg/dl)に対しそれぞれ0,30,60,92,121,150,178,(10
-3/mm)となり、実施例2と同一の試薬特性を示した。
実施例5 (a)共有結合を形成する担体粒子の合成 反応性の高いエポキシ基を側鎖に有するグリシジルメタ
クリレート(以下GMA)95g,メタクリル酸(以下MA)3g,
エチレングリコールジメタクリレート(以下EGDM)2gを
水1.4l,過硫酸カリ0.4gとともに、70℃水媒体中でソー
プフリー乳化重合を行ない、平均粒子径0.25μmのラテ
ツクス粒子を得た。ラテツクス粒子を透析等で精製した
後、表面層のエポキシ基とのみ反応するε−アミノカプ
ロン酸との反応を行ない、表面層のエポキシ基を定量し
たところ1.4×10-4mol/g−ラテツクスを示した。次い
で、5%ラテツクス分散液50mlとジエチレントリアミン
2mol/lの水溶液50mlとを混合後、透析等で精製しアミノ
化ラテツクス粒子を得た。窒素分析の結果4.5×10-4mol
/g−ラテツクスの窒素が検出された。この窒素量から反
応したジエチレントリアミン量を求めると表面層のエポ
キシ基濃度の1.07倍に相当した。
(b)共有結合の形成による免疫活性物質の固定化 上記アミノ化ラテツクス分散液を0.015mol/lのリン酸緩
衝液PH=7.4(以下緩衝液Cと略す)で希釈し、1重量
%に調製した。グルタルアルデヒド水溶液(70重量%)
を水で希釈して7×10-3mol/lに調製した。正常ウサギ
血清よりカラム処理等で精製して得たウサギIgGを緩衝
液Cで希釈して1mg/mlに調製した。内径2mmのガラス管
を十字型に組み合せて混合器を製作した。次いで、ガラ
ス製注射器3本に上記で調製したアミノ化ラテツクス分
散液25ml,グルタルアルデヒド水溶液25ml,ウサギIgG水
溶液5mlをそれぞれ採取した後、混合器と各注射器とを
シリコンゴム管で連結した。
上記各液を各液ともに一定供給速度となる様にして10秒
間で供給した。得られた固定化担体粒子は分散安定で、
ウサギIgGを60mg/g固定化していた。
比較例3 実施例4で調製したアミノ化ラテツクス分散液25mlをビ
ーカーに取り、磁性攪拌子で攪拌しつつ、上記実施例4
で調製したグルタルアルデヒド水溶液25mlを10秒間にわ
たり一定速度で添加した。添加終了後、ラテツクス粒子
が凝集し沈澱を形成した。さらに、実施例4で調製した
ウシIgG溶液を5ml添加したが、得られたウサギIgG固定
化担体粒子は凝集塊を形成し、免疫学的測定試薬として
不適当であつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の混合器の一態様であるY字状に管を
組み合わせた混合器の断面を示す。供給口1及び2と取
出口3より構成される。S1,S2は混合部の図中に示され
た位置の断面積を示す。 第2図は、本発明の混合器の1態様であるT字状に管を
組み合わせた混合器の断面を示す。供給口1及び2と取
出口3より構成される。S1,S2は混合部の図中に示され
た位置の断面積を示す。 第3図は、本発明の混合器の1態様である内管4と外管
5から成る2重管構造を有する混合器の垂直断面を示
す。供給口1及び2と取出口3より構成される。 第4図は、第3図に示した2重管のAA′部における水平
断面を示し、S1,S2は混合部の図中に示された位置の断
面積を示す。 第5図は、横軸が被検体中のヒトCRP(抗原)の濃度を
示し、縦軸は抗ヒトCRP抗体を固定化したラテツクス分
散液(免疫学的測定試薬)の凝集反応時における波長58
0nmの1分間の吸光度増加量、すなわち、吸光度増加速
度を示す。図中(○)及び(△)は本発明の混合器を用
いた実施態様の場合(実施例2)を示し、直線1はその
検量線を示す。図(●)及び(▲)は混合器を用いない
従来法を用いた場合(比較例2)を示し、直線2及び3
は各々の検量線を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】単位時間当たりの抗体又は抗原の量と不溶
    性担体粒子の量との割合が一定となるように、抗体又は
    抗原を含む液流と不溶性担体粒子を含む懸濁液流との少
    なくとも二液流を、瞬時に混合が達成される条件下に合
    流させることを特徴とする抗体又は抗原を固定化した不
    溶性担体粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】特許請求範囲第一項記載の抗体又は抗原を
    固定した不溶性担体粒子を製造するに際し、供給口を複
    数有し取り出し口を唯一有する混合器を用い、不溶性担
    体粒子含有懸濁液と抗体又は抗原含有液とをそれぞれ別
    個に供給口から供給し、両者を瞬時に混合し、均一流と
    した後取り出し口から採取することを特徴とする抗体又
    は抗原を固定化した不溶性担体粒子の製造方法。
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