JPH07112978B2 - 抗腫瘍剤 - Google Patents

抗腫瘍剤

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JPH07112978B2
JPH07112978B2 JP20420287A JP20420287A JPH07112978B2 JP H07112978 B2 JPH07112978 B2 JP H07112978B2 JP 20420287 A JP20420287 A JP 20420287A JP 20420287 A JP20420287 A JP 20420287A JP H07112978 B2 JPH07112978 B2 JP H07112978B2
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chloroform
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敏明 松崎
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、抗腫瘍剤に関する。
〔従来の技術〕
従来、抗腫瘍剤としては、植物性分から得られるビンク
リスチンや合成品のシスプラスチン及び微生物由来のプ
レオマイシン等が一般に良く知られている。これらの薬
剤は、抗腫瘍効果は高いにもかかわらず、正常細胞に対
する細胞毒性や急性毒性なども極めて強いものである。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、生体に対する急性毒性を示さずに抗腫瘍効果
を示す化合物を提供するものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者等は、種々の植物体中に含まれる生理活性物質
を探索し、それらの薬効について検討したところ、ナス
科ニコチアナ属の有機溶媒抽出物が抗腫瘍作用を示すこ
とを知り、本発明を完成するに至った。
この発明の抗腫瘍剤は、式(1)で示される庶糖エステ
ル一種あるいは二種以上を有効成分として含有すること
を特徴とする抗腫瘍剤である。
(式中、R1、R2、R3は炭素数3〜8の分岐または直鎖の
アシル基を表し、R4はアセチル基または水素を表す。) 前記式(1)で示される化合物は、ナス科ニコチアナ属
植物の葉・花・茎部に含まれている。特に、野生種のた
ばこ植物に多量に含まれている。式(1)で示される化
合物は、ニコチアナ属植物をクロロホルム、酢酸エチ
ル、アセトン、メタノールなどの有機溶媒に浸せきして
抽出した後、抽出物を濃縮して得た樹脂画分をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー、次いで高速液体クロマト
グラフィーにより順次分離して得られる。以下、製造例
によりこの発明を詳細に説明する。
〔式(1)で示される化合物の製造例〕 ニコチアナ グルチノーザ(Nicotiana Glutinosa)の
生葉4Kgをクロロホルム20に約2〜3分間浸せきして
クロロホルム可溶の葉面樹脂成分を抽出する。こうして
得た抽出液をろ紙でろ過し、ろ液をロータリーエバポレ
ーターで35℃下に濃縮し、葉面樹脂44gを得た。この葉
面樹脂の全量を少量のクロロホルムに溶解し、シリカゲ
ルカラムクロマトグラフィーを行った。カラム(カラム
径×高さ=40mm×300mm)にワコーゲルC200(商品名)
をつめ、クロロホルム、クロロホルム:アセトン(1:
1)、アセトン、メタノール各1で順次溶出し、4画
分(画分1〜画分4)を得た。上記画分中、画分2を濃
縮したのち再度シリカゲルカラムクロマトグラフィー
(カラム径×高さ=40mm×300mm、ワコーゲルC300を使
用)にかけ、クロロホルム、クロロホルム:アセトン
(7:3)、クロロホルム:アセトン(4:6)、アセトン各
300mlで順次溶出し、100mlずつ分取して12の画分(画分
1〜画分12)を得た。上記12の画分のうち画分4及び画
分7をそれぞれ濃縮したのち、以下に示した装置・操作
条件で高速液体クロマトグラフィーを行い、画分4より
物質M1(以下、M1と略記する。)9g、画分7より物質M2
(以下、M2と略記する。)5gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件 カラム;シリカゲル型カラム(山村化学社製YMC SIL A0
24) 溶媒;クロロホルム:アセトン(1:1) 流量;1.5ml/分 M1のリテンションタイムは12分で、M2のリテンションタ
イムは19分であった。また、M1及びM2は順相の薄層プレ
ート(メルク社製Art5642)を用いた薄層クロマトグラ
フィーでは、それぞれ1スポットを示し、M1のRf値は0.
42,M2のRf値は0.29であった。M1及びM2は、それぞれ下
記にそのデータを示すように13C−NMR,IRによる分析及
びアルカリ分解して調べた結果から、庶糖と低級脂肪酸
のエステル化合物であることが判明した。13 C−NMR(δppm,重クロロホルム中) 庶糖炭素のケミカルシフト; M1;60.6,61.6,64.3,68.5,69.1,70.6,71.4,72.0,79.3,8
2.6,89.7,104.2 M2;60.9,61,7,64.2,68.8,69.6,71.0,71.5,73.4,77.2,8
1.5,88.8,104.7 IR(cm-1); M1;3450,1748 M2;3450,1748 M1及びM2の低級脂肪酸のモル組成比は表−1に示すとお
りであった。表−1中、炭素記号に付した数字は脂肪酸
の炭素数を表す。
M1には酢酸が存在し、M2には酢酸が存在していなかっ
た。
さらに、M1とM2化学構造を調べるためにD2OとH2Oを用い
た同位体効果による13C−NMRの測定からそれぞれのエス
テルの位置を決定した。その結果M1では、グルコースの
6位、フラクトースの1,4,6位に由来する炭素シグナル
が、M2ではグルコースの6位、フラクトースの1,3,4,6
位に由来する炭素のシグナルが二重線に分離することか
ら、M1は(2,3,4−トリ−O−アシル)−α−D−グル
コピラノシル−(3−O−アセチル)−β−D−フラク
トフラノシド、M2は(2,3,4−トリ−O−アシル)−α
−D−グルコピラノシル−β−D−フラクトフラノシド
であると同定された。
次ぎに、M1及びM2を別々にそれぞれ下記の条件で、高速
液体クロマトグラフィーを数回繰り返して行い、M1から
化合物1,2,3,4,5及び6をそれぞれ0.2,0.4,1.2,1.0,2.0
及び2.0gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件 カラム;YMC A314,ODS型 溶媒;メタノール:アセトニトリル:水=8:2:1.5 流量;0.8ml/分 化合物1〜6のリテンションタイムはそれぞれ9,11,13,
15,18,21分であった。
また、M2から化合物7,8,9,10,11及び12をそれぞれ0.1,
0.3,0.3,1.5,0.6及び0.5gを得た。
高速液体クロマトグラフィーの条件 カラム;YMC A314,ODS型 溶媒;メタノール:アセトニトリル:水=8:2:2 流量;1.0ml/分 化合物7〜12のリテンションタイムはそれぞれ11,13,1
6,18,25,34分であった。
上記化合物1〜12において、前記式(1)中R1,R2,R3
炭素数の和、R4の種類及び脂肪酸の組成比率は表−2に
示すとおりであった。脂肪酸の組成比率は、それぞれの
化合物について、加水分解後の脂肪酸組成及び加水分解
前のTMS化物のガスクロマトグラフィー面積比より算出
した。
すなわち、加水分解後の脂肪酸組成は、化合物No.1〜12
のそれぞれについて1mgをサンプル管にとり、1NKOH80%
メタノール溶液に溶解し、100℃、15分間加水分解し
た。この加水分解物に4℃下、6NHClを加えた後、エチ
ルエーテルを添加し、沈殿物を沈殿させた後、該エーテ
ル液をガスクロマトグラフィー(カラム;フェーズドシ
リカキャピラリーunisole 400,ガスクロ工業社製、60〜
150℃の4℃/min昇温)で分析した。
次に、TMS化物については、化合物No.1〜12のそれぞれ
についてBSTFAでトリメチルシリル化した後、ガスクロ
マトグラフィー(カラム;フェーズドシリカキャピラリ
ー、OV−1,ヒューレットパッカード社製、290℃)で分
析した。
〔投与量,投与方法〕 この発明の庶糖エステルを抗腫瘍剤として用いる場合、
静脈内注射、皮下注射、経口カプセル等の方法で投与さ
れ、投与量は成人に対し、水溶剤(注射)では5〜100m
g/Kg体重、経口剤では20〜500mg/Kg体重の範囲である。
また、投与剤の形態は、製薬上許容しうる賦形剤又は溶
剤との混和により常法で製剤した散剤、顆粒、錠剤、カ
プセル、注射液、局所用剤等いずれでもよい。
〔作用・効果〕
この発明の抗腫瘍剤は、以下の実施例から明らかなよう
に、ザルコーマ180細胞及びシリアンハムスター肺細胞
由来のNG100腫瘍細胞に対して優れた細胞増殖阻止作用
を示し、抗腫瘍剤として有用である。
〔実施例〕
以下本発明を実施例について更に詳細に説明する。
(I) ザルコーマ180を用いる試験 前記製造例を全く同様にして製造したM1,M2及び化合物
1〜12を被験物質として用いた。被験物質M1,M2及び化
合物1〜12は少量のジメチルスルホキシド(DMSOと略
す)に溶解後0.5%カルボキシメチルセルロース生理食
塩水溶液に懸濁して準備した。なおDMSOの最終濃度は3
%以下とした。試験動物として5週令のICR−JCLマウス
を1検体当たり6匹、対照用に6匹を用いた。投与方法
としては、ザルコーマ180細胞1×107個/0.05ml Hanks
液をマウスの腹腔内に移植し、その1日後から1日1回
づつ5日間にわたり被験物懸濁液0.5ml(投与量として
は、被験物質100mg/Kg)を各々腹腔内に投与した。対照
区は、試料化合物がなく、0.5%カルボキシメチルセル
ロース生理食塩水のみを投与した。細胞移植後、7日目
にマウスを屠殺した。腹水を採取し、3,000rpmで5分間
遠心し、沈澱した腫瘍細胞の容積を測定した。各々の被
験物質について腫瘍抑制率〔={1−(処理区細胞総容
積÷対照区細胞総容積)}×100(%)〕を求めた。結
果は表−3に示すとおりであった。
表−3から明らかなように、化合物1〜12、及びM1,M2
いずれもザルコーマ180細胞に対して阻害効果が認めら
れた。
(II) NG 100腫瘍細胞増殖抑制試験 前記製造例と全く同様にして製造したM1,M2及び化合物
1〜12を被験物質として用いた。被験物質M1,M2及び化
合物1〜12を少量のジメチルスルホキシドに溶解し、こ
れに10%牛胎仔血清を加えたイーグルの最小必須培値で
所定濃度に希釈し、径60mmのプラスチックシャーレに分
注した。これにシリアンハムスター肺細胞(授乳期)由
来のNG100腫瘍細胞を200個播種し、炭酸ガス雰囲気下37
℃、7日間培養した。メタノール固定後、ギムザ染色を
して出現したコロニー数を計測した。上記で測定した試
料の各濃度に対するコロニー数をプロットし、このグラ
フから対照(試料化合物が無い場合)におけるNG100腫
瘍細胞のコロニー数(100%とする)の50%に相当する
試料化合物の濃度をED50として求めた。その結果を表−
4に示した。
表−4から明らかなように、化合物1〜12及びM1,M2
ずれもNG100腫瘍細胞に対して阻害効果が認められた。
〔急性毒性試験〕 マウスを用いて経口投与により急性毒性試験を行った。
(1) 被験物質;前記製造例と全く同様にして製造し
たM1,M2及び化合物1〜12を被験物質として用いた。被
験物質は、オリーブ油に溶解して用いるが、溶解しにく
いため溶解助剤としてジメチルスルフォキシド(DMSO)
を用いた。被験物質各1000mgを0.35mlのDMSOに溶解し、
これにオリーブ油を加え5.0mlの被験物質溶液(検体)
を調整した。また対照として被験物質を含まない0.35ml
のDMSOを含むオリーブ油5.0mlを調整した。
(2) 試験物質;10週齢の雌のICR−SLCマウス(SPF
動物)を1検体当たり6匹、対照用に6匹を用いた。
(3) 投与方法・量;各検体をマウス体重10g当たり
0.1mlの割合で胃ゾンデを用いて強制的に投与した。投
与は2回行い、1回目の投与後2週間目に2回目の投与
を行った。マウス1匹当たりの投与量は4000mg/Kgであ
った。
(4) 検査;投与後13日間飼育観察を続け、14日目に
屠殺解剖して肉眼所見をとった。
(5) 試験結果;投与後供試動物に死亡はなく生存率
100%であり、一般状態にも異常は認められなかった。
また解剖時の剖見所見でも特に異常は認められなかっ
た。従って、被験物質の最小致死量は4000mg/Kgより高
い値であると推定され、急性経口毒性に関しては厚生省
の基準によれば極めて安全性の高い物質であり、普通薬
に属する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示される化合物を有効性分とし
    て含有する抗腫瘍剤 (式中、R1、R2、R3は炭素数3〜8の分岐または直鎖の
    アシル基を表し、R4はアセチル基または水素を表す。)
JP20420287A 1987-08-19 1987-08-19 抗腫瘍剤 Expired - Lifetime JPH07112978B2 (ja)

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