JPH0712934B2 - 磁気記録用磁性粉 - Google Patents

磁気記録用磁性粉

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JPH0712934B2
JPH0712934B2 JP21484486A JP21484486A JPH0712934B2 JP H0712934 B2 JPH0712934 B2 JP H0712934B2 JP 21484486 A JP21484486 A JP 21484486A JP 21484486 A JP21484486 A JP 21484486A JP H0712934 B2 JPH0712934 B2 JP H0712934B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は磁気記録用磁性粉に関し、更に詳しくは、高密
度磁気記録媒体用に適する微細な粒子からなる六方晶系
フェライト磁性粉に関するものである。
(従来の技術) 近年、磁気記録に対する高密度化の要求に伴い磁気記録
媒体の厚味方向に磁界を記録する垂直磁気記録方式が注
目されている。このような垂直磁気記録方式において使
用される磁性材料は記録媒体表面に垂直な方向に磁化容
易軸を有することが必要である。
六方晶系で一軸磁化異方性を有するフェライト、例えば
Baフェライト(BaFe12O19)は六角板状の結晶であっ
て、板面に垂直な方向に磁化容易軸を有しており、塗布
膜タイプの垂直磁気記録用磁性材料として上記の要件を
満足するものである。該磁性材料としては適度な保磁力
(Hc、通常300〜2000Oe程度)とできるだけ大きな飽和
磁化(σs,少くとも40emu/g以上)を有している事、及
び磁性粉の平均粒子径は記録波長の関係から0.3μm以
下であり、かつ超常磁性の関係から0.01μm以上の範囲
であることが必要である。この範囲では平均粒子径はノ
イズの関係から小さい方が好ましい。
ところで、Baフェライトは保磁力が5000Oe以上であり、
このままでは磁気記録用磁性材料としては大きすぎるの
で、Feの一部をCo及びTiで置換して、保磁力を低下させ
る方法が提案されている(例えば特開昭55−86103号公
報、特開昭59−175707号公報、IEEE Trans.on Magn.,MA
G−18,16(1982)P.1122など)。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、磁気記録用磁性材料として必要とする保磁力
は、通常300〜2000Oe程度であるが、用いられる磁気記
録用磁性材料の用途等によって要求される保磁力の値は
異るので、各々の用途に合わせて、一定の値の保磁力を
有することが必要である。従って、保磁力を単に低下さ
せるだけでは不充分であり用途に合わせて一定の保磁力
に制御されなければならない。
Feの一部をCo及びTiで置換した公知の磁性粉は、構成元
素の組成比がほぼ同一であっても、保磁力や飽和磁化
は、第1表に示すとうり、全くまちまちである。このこ
とは、Feの一部をCo及びTiで置換したのでは、保磁力の
制御は不充分であることを示唆している。
これを確認する目的で本発明者は、共沈法及び共沈法の
途中の工程で得られた共沈物にフラックスを混入して高
温焼成し、その後でフラックスを水洗除去する共沈−フ
ラックス法を用いてFeの一部をCo及びTiで置換した磁気
記録用六方晶フェライト磁性粉を製造し、これを同一操
作条件下で何回もくり返し、得られた磁性粉の保磁力が
一定の値に制御されているかどうかを試みた。
その結果、同一な操作条件で製造した場合でも得られた
六方晶系フェライトの保磁力、飽和磁化、粒径等は製造
ロット毎にまちまちであり、特に保磁力のバラツキが顕
著であった。
このことは、Feの一部をCo及びTiで置換した六方晶系フ
ェライトの場合、製造工程中の通常の操作では、制御で
きない様な部分的なわずかな条件の不均一性や、製造中
の混入する微少な不純物等によって、保磁力や飽和磁化
が敏感に影響を受けるためであると考えられる。
このことからFeの一部をCo及びTiで置換したのでは、通
常の共沈法や共沈−フラックス法では保磁力の制御は不
可能であることが判明した。
(問題点を解決するための手段) 本発明者等は、従来のこの様な欠点のない垂直磁気記録
用磁性粉を開発すべく鋭意検討した結果、下記の一般組
成式で示される磁気記録用磁性粉が効果的であることを
見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明により一般組成式 FeaCObTicMI dMII eMIII fOg (ここでMIはBa,Sr,Ca及びPbから選択される少なくとも
一種の金属元素を表わし、MIIはCr,In,Tl及びSから選
択される少なくとも一種の元素を表わし、MIIIはSi,Ge,
Sn,Sb,Mo,W,V,Ni,Cu,Zr,P,Te,Bi,Cd,及びAgから選択さ
れる少なくとも一種の元素を表わし、a,b,c,d,e,f及び
gはそれぞれFe,Co,Ti,MI,MII,MIII及びOの原子数で
あり、aは8〜11.8、b及びcは0.05〜2.0、dは0.5〜
3.0及びe及びfは0.001〜3.0の値をとり、gは他の元
素の原子価を満足する酸素の原子数を表わす。)で表わ
され、且つ平均粒子径0.01〜0.3μmであることを特徴
とする磁気記録用磁性粉が提供される。
本発明においては、磁性粉の各成分元素の原子数a〜g
が上記の数値範囲内にあることが必要で、この範囲外で
は磁気記録用磁性粉に適した保磁力や飽和磁化を持った
磁性粉は得られ難い。
好ましい磁性粉の各成分割合は、aは8〜11.8、b及び
cは0.1〜1.5、dは0.8〜2.0及びe及びfは0.005〜2.0
の値をとり、gは他の元素の原子価を満足する酸素の原
子数である。本発明の磁性粉は、製造方法あるいは製造
条件などによっては、得られる磁性粉粒子の結晶が正常
な六角板状を呈していない粒子が混在している場合もあ
るが、該原子数が本発明の範囲内であれば、本発明の目
的を充分に達成することができる。
かかる本発明磁性粉によれば、製造操作条件を同一にし
た場合のロット間の磁性粉特性のバラツキは殆どみられ
ず、磁気記録用磁性粉として具備されていなければなら
ない保磁力を有することはもちろんであり、更に優れた
飽和磁化を有すると共に平均粒径が小さい特徴を有して
いる。このことは、本発明に係る磁性粉が従来のCo及び
Tiを含む磁性粉とは全く異なる機能を具備していること
によるものと考えられる。
本発明による磁性粉は、この分野で公知のいろいろの方
法、例えば、ガラス結晶化法、共沈法、フラックス法、
水熱合成法等によって製造することができる。特に共沈
法及び共沈法の途中の工程で得られた共沈物に水溶性の
フラックスを混入して高温焼成し、その後でフラックス
を水洗除去する共沈−フラックス法に適している。
本発明の磁性粉の製造について、共沈法及び共沈フラッ
クス法を例にして述べると次のとうりである。
すなわち、本発明にかかわる磁性粉を構成する各金属元
素の原料化合物としては酸化物、オキシ水酸化物、水酸
化物、アンモニウム塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、有機
酸塩、ハロゲン化物、アルカリ金属塩等の塩類、遊離
酸、酸無水物、縮合酸等を挙げることができる。
また、イオウの原料物質としては、イオウを含む化合物
であればいずれでもよい。特に水溶性化合物が好まし
い。各金属元素の原料化合物は、水溶液となる様に、水
に混合溶解されることが好ましい。また、アルカリ水溶
液に混合溶解した方が都合がよい場合には、後述のアル
カリ水溶液中に混合溶解される。
一方アルカリ水溶液に用いるアルカリ成分としては、水
溶性のものであればよく、アルカリ金属の水酸化物や炭
酸塩、アンモニア、炭酸アンモニウム等が挙げられる。
例えばNaOH,Na2CO3,NaHCO3,KOH,K2CO3,NH4OH,(NH4)2
CO3等が用いられ、特に水酸化物と炭酸塩の併用が賞用
される。
しかして、上記金属イオン水溶液とアルカリ水溶液とを
混合し、共沈物を生ぜしめる。得られた共沈物は、充分
に水洗した後別する。この様にして得られたケーキ状
ないしスラリー状の共沈物は、共沈法による場合には、
これを乾燥後、600〜1100℃で10分〜30時間高温焼成し
て該当する六方晶系フェライト磁性粉を得る。また共沈
−フラックス法による場合には、水洗された共沈物に水
溶性フラックス(例えば塩化ナトリウムや塩化カリウム
等のハロゲン化アルカリ金属塩、塩化バリウムや塩化ス
トロンチウム等のハロゲン化アルカリ土類金属塩、硫酸
ナトリウム、硫酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリ
ウム、及びこれ等の混合物等)を適当量加えて、あるい
は、金属イオン水溶液とアルカリ水溶液との混合物から
水分を蒸発させてこれを乾燥後、600〜1100℃で10分〜3
0時間高温焼成した後、水溶性フラックスを水または酸
水溶液で洗浄別し、必要に応じ、更に水洗した後、乾
燥して該当する六方晶系フェライト磁性粉を得る。
以上、共沈法及び共沈フラックス法を例にして実態態様
の具体例を示したが、もちろん製造された磁性粉が本発
明にかかわる一般組成式で示される磁性粉であれば、い
かなる方法によって製造してもよい。
(発明の効果) 本発明に係る磁性粉は六方晶C面に磁化容易軸を有する
板状粒子であり、同一の操作条件で製造した場合に、ロ
ット間でのバラツキが非常に少ないばかりでなく、Feの
一部をCo及びTiで置換した公知の磁性粉よりも飽和磁化
が大きいし、平均粒径の小さいものが得られるので磁気
記録用磁性材料として好適である。
以下に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明す
る。なお実施例中の保磁力及び飽和磁化はVSMを用い最
大印加磁場10KOe、測定温度28℃で測定した。平均粒子
径は、透過型電子顕微鏡で得られた写真から400個の粒
子の最大直径を測定し算術平均により算出した。
また、実施例中に示す磁性粉の組成式は、原料調製時の
各元素の原子比を用いている。磁性粉成分中の酸素の表
示については、簡略化のため省略した。
実施例1 BaCl2・2H2O0.55モル、TiCl40.375モル、CoCl2・6H2O0.
375モル、Cr(NO3)3・9H2O0.05モル及びFeCl3・6H2O5.25
モルを10lの蒸留水にこの順に溶解し、これをA液とし
た。NaOH17.5モル、Na2CO34.72モル及びNa2Sio3・9H2O
0.2モルを15lの室温の蒸留水に溶解し、これをB液とし
た。50℃に熱したA液にB液を徐々に加えた後、50℃で
16時間攪拌した。攪拌後のpHは10.2であった。こうして
得られた共沈物を別し水洗した後150℃で乾燥し、880
℃で1.5時間電気炉で焼成した。こうして得られたBa−
フェライトはBa1-1Fe10.5Co0.75Ti0.75Cr0.1Si0.4で示
される。
同様の操作を5回くり返し行い、ロット毎の磁性粉の平
均粒径、保磁力、及び飽和磁化のバラツキを調べる。結
果を第2表に示す。第2表から本発明に係る磁性粉は、
ロット間のバラツキが非常に小さいばかりでなく、比較
例1と較べて平均粒径が小さく、飽和磁化が大きいこと
がわかる。
比較例1 メタケイ酸ナトリウム及び硝酸クロムを除いた他は、実
施例1と全く同様の方法でBa−フェライトを製造した。
得られたBa−フェライトはBa1-1Fe10.5Co0.75Ti0.75
示される。
同様の操作を5回くり返して行い、ロット毎の磁性粉の
平均粒径、保磁力、及び飽和磁化のバラツキを調べた。
結果を第3表に示す。
第3表から公知の磁性粉は、ロット間のバラツキが非常
に大きく、実施例1の本発明の如き、通常の操作では、
保磁力の制御は不可能でてあることがわかる。
実施例2 実施例1で得られた共沈物を別し水洗して得られたケ
ーキ状の共振物スラリーにフラックスとしてNaCl400gを
加え、充分に混合した後水分を蒸発乾固せしめ、これを
870℃で1.5時間電気炉で焼成した。この焼成物を水を用
いて可溶物がなくなるまで洗浄した後、過、乾燥して
実施例1と同様の組成式で示されるBa−フェライトを得
た。
共沈物のケーキを製造する段階から同様の操作を5回く
り返し行い、ロット毎の磁性粉の平均粒径、保磁力及び
飽和磁化のバラツキを調べた。結果を第4表に示す。
第4表から、本発明に係る磁性粉はロット間のバラツキ
の少い、均一な磁性粉が得られることがわかる。
比較例2 比較例1のロット番号C1−1で得られた共沈物を用い
て、実施例2と同様の操作を5回繰り返して行い、ロッ
ト毎の磁性粉の平均粒径、保磁力、及び飽和磁化のバラ
ツキを調べた。結果を第5表に示す。本比較例において
はいずれのロットにおいても同一共沈物を用いたにもか
かわらず、公知の組成を有する磁性粉は、ロット間のバ
ラツキが非常に大きく、本発明の実施例2の如き、通常
の操作では、保磁力の制御は不可能であった。
実施例3 NaOH量を11.0モルとした他は、実施例1と同様にしてA
液及びB液を調製した。
50℃に熱したA液とB液を混合し、これを蒸発皿に入
れ、含水率50%となるまで、充分攪拌しながら水分を蒸
発させた。これを更に、乾燥器で、充分に乾燥した後、
870℃で1.5時間電気炉で焼成した。この焼成物を水を用
いて可溶物がなくなるまで洗浄した後、過、乾燥して
実施例1と同様の組成式で示されるBa−フェライトを得
た。
こうして得られた微粒子粉末は、平均粒径0.083μmの
板状であり、保磁力は、607Oe、飽和磁化は56.5emu/gで
あった。
また同様の操作を5回くり返して実験を行ったところロ
ット毎の磁性粉の平均粒径、及び飽和磁化はいずれも上
記と同一値であり、また保磁力のバラツキは、±1.5%
以内と非常に小さかった。
実施例4〜27 MI成分、MII成分、MIII成分及び組成比を変えた他は、
実施例2と同様の方法によって第6表に示す磁性粉を調
製した。なおMI成分の原料は塩化物を使用し、MII成分
の原料はSはNa2SO4、その他は硝酸塩を使用し、MIII
分の原料としてSiは、メタケイ酸ナトリウムまたは水ガ
ラスをGe,Sn及びSbは塩化物を、Ni,Zr,Te,Bi,Cd,及びAg
は硝酸塩を、Cuは塩化物または水酸化物をMo,W,P,及び
Vはアンモニウム塩を使用した。S,Si,Mo,V,P,及びWの
原料化合物は、アルカリ水溶液中に溶解した。
また、第6表に示す磁性粉の各々について、同一操作に
よる5回の繰り返し実験を行いロット毎の磁性粉の平均
粒径、保磁力、及び飽和磁化のバラツキについても調べ
たが、いずれも、ロット間のバラツキは実施例2と同程
度の範囲であり、非常に小さかった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般組成式で表わされ、且つ平均粒
    径0.01〜0.3μmであることを特徴とする磁気記録用磁
    性粉 FeaCobTicMI dMII eMIII fOg (ここでMIはBa,Sr,Ca及びPbから選択される少なくとも
    一種の金属元素を表わし、MIIはCr,In,Tl及びSから選
    択される少なくとも一種の元素を表わし、MIIIはSi,Ge,
    Sn,Sb,Mo,W,V,Ni,Cu,Zr,P,Te,Bi,Cd,及びAgから選択さ
    れる少なくとも一種の元素を表わし、a,b,c,d,e,f及び
    gはそれぞれFe,Co,Ti,MI,MII,MIII及びOの原子数で
    あり、aは8〜11.8、b及びcは0.05〜2.0、dは0.5〜
    3.0及びe及びfは0.001〜3.0の値をとり、gは他の元
    素の原子価を満足する酸素の原子数である。)。
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