JPH07173231A - 耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法および製造装置 - Google Patents

耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法および製造装置

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JPH07173231A
JPH07173231A JP34527093A JP34527093A JPH07173231A JP H07173231 A JPH07173231 A JP H07173231A JP 34527093 A JP34527093 A JP 34527093A JP 34527093 A JP34527093 A JP 34527093A JP H07173231 A JPH07173231 A JP H07173231A
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JP
Japan
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reactor
styrene
polymerization
rubber
rubber component
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Application number
JP34527093A
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English (en)
Inventor
Hirotaka Miyata
浩隆 宮田
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゴム含量の異なる耐衝撃性スチレン系樹脂を
効率よく製造するとともに、ゴム相粒子の粒子径とその
分布をコントロールする。 【構成】 スチレンと非スチレン系ゴム成分とを含む混
合液を、直列に接続され、かつ完全混合型反応器で構成
された予備反応器2及び第1の反応器4で順次重合し、
ゴム成分を転相させる。第2の反応器7にスチレンを供
給して重合し、前記第1の反応器4及び第2の反応器7
からの重合液を合流させて後重合反応器9,11で重合
することにより、反応器内に残存する旧銘柄の樹脂を置
換し、ゴム含量が異なる樹脂を製造する。第1の反応器
へ異種のゴム成分を含む混合液を供給したり、第2の反
応器へスチレンと非スチレン系ゴム成分とを含む重合性
液体を供給することにより、粒子径が異なる二峰性ゴム
相を生成させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の成形品を得る上
で有用な耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】耐衝撃性スチレン系樹脂の製造プロセス
として、経済的に有利な連続塊状重合法が、現在の主流
のプロセスとなっている。また、主に完全混合型反応器
やプラグフロー型反応器などで構成された連続塊状重合
法プロセスについては、品質設計、生産性などの観点か
ら、数多くのプロセスが提案されている。この中で、ゴ
ム粒子として転相させる反応器として、ポリマーへの転
化率が低い領域で均一な撹拌が可能な完全混合型反応器
が採用される場合が多い。
【0003】一方、耐衝撃性スチレン系樹脂は、用途に
応じて、その耐衝撃性、成形加工性、剛性などの特性に
関して種々の特性値を有するグレードが製造されてい
る。上記要求特性に応じた耐衝撃性スチレン系樹脂は、
ゴム含量を調整して重合する場合が多い。すなわち、一
旦、耐衝撃性スチレン系樹脂を製造した後、同一の装置
を用いて、スチレン系単量体に対するゴム成分の含量が
異なる混合液を反応器に供給することにより、ゴム含量
の異なるグレードを製造している。そのため、複数の反
応器を直列に接続した1つの製造プロセスにおいて、ゴ
ム含量、ゴム成分や分子量の異なる耐衝撃性スチレン系
樹脂を製造するには、反応器などに残存している前銘柄
(前グレード)の重合液を新銘柄(新グレード)の重合
液に置換する必要がある。
【0004】しかし、ゴム成分を含有する重合液は粘性
が高い。そのため、重合液の置換や交換には、長時間を
要し、スチレン系樹脂のゴム含量を効率よく調整できな
い。また、置換操作により前銘柄の重合液が新銘柄の重
合液に混入するので、中間の性状を有したオフグレード
が大量に発生する。さらに、スチレン系単量体とゴム成
分を含む混合液の溶解槽も、銘柄変更のたびに濃度調整
または洗浄と置換操作が必要である。このようなこと
は、高粘性重合物を工学的に処理する連続塊状重合プロ
セスにおいて特に大きな問題となる。
【0005】一方、ゴム成分の存在下、スチレン系単量
体をゴム成分にグラフトしつつ耐衝撃性スチレン系樹脂
を製造する場合、ゴム粒子径が製品の光沢と衝撃強度に
大きな影響を及ぼすため、ゴム成分をいかに均一にかつ
微細粒子化して分散するかが技術的に重要である。
【0006】しかし、銘柄変更によりゴム含量やゴム成
分の種類が変化すると、転相時のスチレン系単量体の重
合転化率も変化するので、ゴム粒子径の制御が非常に困
難となる。特に、低ゴム含量の耐衝撃性スチレン系樹脂
を製造する場合、撹拌回転数を下げることが必要とされ
ているものの、この場合には、均一な撹拌が困難とな
り、反応器内にポリマースケールが付着し、連続運転が
できなくなる。また、転相現象も不安定となり、ゴム粒
子径の制御がさらに困難となる。
【0007】前記ゴム粒子を含むスチレン系樹脂におい
て、光沢と衝撃強度との間には相反する関係が認めら
れ、ゴム粒子径が小さくなると光沢は向上するものの、
衝撃強度が低下する。また、ブタジエンゴムはスチレン
−ブタジエンゴムよりも微粒子化が困難であるため、一
般に、ブタジエンゴムを含む耐衝撃性スチレン系樹脂は
光沢が小さい。
【0008】光沢と耐衝撃性とを両立させるため、小粒
子径と大粒子径のゴムで構成された二峰性の粒度分布を
有する耐衝撃性スチレン系樹脂が提案されている。例え
ば、特開昭59−1519号公報、特開昭63−241
053号公報、特開平1−261444号公報、特開平
4−25518号公報および特開平4−88006号公
報には、小粒子径のゴム相を含む耐衝撃性スチレン系樹
脂と大粒子径のゴム相を含む耐衝撃性スチレン系樹脂と
を混合し、ゴム相が二峰性粒度分布を有する耐衝撃性ス
チレン系樹脂を製造する方法が開示されている。特開平
4−80203号公報には、転相したゴム粒子を含む重
合液を、翼やローターを備えた粒子分散機へ供給し、所
定のインターバルで前記分散機を高速および低速で交互
に運転し、二峰性粒度分布を有するゴム相を含む耐衝撃
性スチレン系樹脂の製造方法が開示されている。
【0009】特開平3−199212号公報には、ゴム
成分を含む原料溶液を第1の反応器へ供給してゴム成分
を粒子化し、この重合液を第1の反応器と直列に接続さ
れた第2の反応器へ供給するとともに、スチレン−ブタ
ジエンブロックゴムを第2の反応器へ供給して粒子化
し、二峰性粒度分布を有する耐衝撃性スチレン系樹脂を
製造する方法が開示されている。さらに、特開平3−1
03414号公報には、並列に接続したプラグフロー型
反応器を用いて、それぞれ小粒子系と大粒子径のゴム粒
子を調製し、二峰性粒度分布を有する耐衝撃性スチレン
系樹脂を製造する方法が開示されている。
【0010】しかし、スチレン−ブタジエンゴムなどの
スチレン単位を含むゴム成分を用いる場合よりも、ブタ
ジエンゴムなどの非スチレン系ゴム成分を用いる場合に
は、ゴム粒子の粒子径を小さくすることが困難である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、ゴム含量を容易に調整できる耐衝撃性スチレン系樹
脂の製造方法および製造装置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、ゴム成分の種類やゴ
ム含量が異なる耐衝撃性スチレン系樹脂を製造しても、
ゴム粒子径を制御できる耐衝撃性スチレン系樹脂の製造
方法および製造装置を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、ゴム粒子径を
さらに精度よく制御できる耐衝撃性スチレン系樹脂の製
造方法および製造方法を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、非スチレン系ゴム成
分を用いてゴム粒子の粒子径を小さくして、光沢および
耐衝撃性の双方の特性に優れた成形品を得る上で有用な
耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法および製造装置を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため耐衝撃性スチレン系樹脂の製造について
鋭意検討した結果、次のような知見を得ることにより本
発明を完成した。
【0016】(1)ゴム成分が転相した後の重合液とス
チレン系単量体の重合液とを合流させて、後重合反応器
へ供給すると、ゴム成分とスチレン系単量体とを含む混
合液の組成を代えることなく、前記混合物とスチレン系
単量体との供給割合を調整することにより、スチレン系
樹脂のゴム含量を容易かつ効率よく調整できること、
(2)予備重合過程を経て重合し、ゴム成分をゴム粒子
に転相すると、ゴム粒子径を制御できること、(3)予
備重合液を転相させて重合する反応器において、非スチ
レン系ゴム成分と共存させて、スチレン系単量体とスチ
レン単位を含むゴム成分との混合液を供給して重合する
と、非スチレン系ゴム成分の転相粒子径を小さくでき、
かつゴム粒子径をコントロールできること、および
(4)スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成分との混
合液を重合した重合液と、スチレン系単量体とスチレン
単位を含むゴム成分との重合性液体を重合した重合液と
を合流させて重合すると、粒子径がコントロールされた
二峰性の粒度分布を有するゴム粒子を含む耐衝撃性スチ
レン系樹脂が得られること。
【0017】すなわち、本発明の方法では、スチレン系
単量体とゴム成分とを含む混合液を予備反応器で重合
し、前記予備反応器と直列に接続された第1の反応器で
予備反応器からの重合液を重合するとともに、第2の反
応器で、少なくともスチレン系単量体を含む重合性液体
を重合し、第1の反応器および第2の反応器からの重合
液を後重合反応器で重合することにより、耐衝撃性スチ
レン系樹脂を製造する。
【0018】前記の製造方法では、スチレン系単量体な
どの重合成分を連続的に重合反応に供することによりス
チレン系樹脂を連続的に製造してもよい。また、予備反
応器および第1の反応器は完全混合型反応器で構成して
もよく、後重合反応器は複数の完全混合型反応器又は複
数のプラグフロー型反応器で構成されていてもよい。
【0019】また、第1の反応器では、スチレン系単量
体と、予備反応器へ供給されるゴム成分とは異種のゴム
成分とを含む混合液を供給することにより、予備反応器
からの重合液の存在下で重合してもよい。この方法で
は、二峰性の粒度分布を有するスチレン系樹脂を得るこ
とができる。
【0020】本発明の他の方法では、スチレン系単量体
と非スチレン系ゴム成分とを含む混合液を予備反応器及
び第1の反応器で順次重合するとともに、スチレン系単
量体と、スチレン単位を有するゴム成分(スチレン系ゴ
ム成分)とを含む重合性液体を第2の反応器で重合する
ことにより、耐衝撃性スチレン系樹脂を製造してもよ
い。この方法においても、予備反応器からの重合液の存
在下、スチレン系単量体と、スチレン単位を有するゴム
成分とを含む混合液を第1の反応器で重合してもよい。
このような方法では、ゴム粒子の粒子径が異なる二峰性
の粒度分布を有するスチレン系樹脂を得ることができ
る。大粒子ゴムの粒子径と小粒子ゴムの粒子径との差
は、0.5μm以下であってもよい。なお、非スチレン
系ゴム成分にはブタジエンゴムなどが含まれ、スチレン
単位を有するゴム成分にはスチレン−ブタジエンゴムな
どが含まれる。これらのプロセスにおいて、予備反応
器、第1の反応器および第2の反応器は完全混合型反応
器で構成されていてもよい。
【0021】さらに、本発明の製造装置は、スチレン系
単量体とゴム成分とを含む混合液を予備重合するための
予備反応器と、この反応器に対して直列に接続され、か
つ予備反応器からの重合液を重合するための第1の反応
器と、少なくともスチレン系単量体を含む重合性液体を
重合するための第2の反応器と、前記第1の反応器およ
び第2の反応器からの重合液の重合転化率を高めるため
の後重合反応器とを備えている。
【0022】以下に、必要に応じて添付図面を参照しつ
つ、本発明をより詳細に説明する。
【0023】図1は本発明の装置およびプロセスの一例
を示す概略構成図である。
【0024】この製造プロセスは、連続塊状重合プロセ
スを構成しており、スチレン系単量体とゴム成分を含む
混合液を、供給ライン1を通じて予備反応器2へ連続的
に供給して予備重合し、この予備反応器2からの予備重
合液を、接続ライン3を通じて第1の反応器4へ連続的
に供給して重合している。前記予備反応器2と第1の反
応器4とは、直列に接続されているとともに、完全混合
型の反応器で構成されている。また、前記第1の反応器
2では予備重合液の重合転化率を高め、ゴム成分を転相
させて重合している。
【0025】さらに、スチレン系単量体を、供給ライン
6を通じて、完全混合型反応器で構成されていてもよい
第2の反応器7へ連続的に供給して予備重合している。
前記第1の反応器4および第2の反応器7からの重合液
は、それぞれ接続ライン5,8を通じて、完全混合型の
反応器で構成された後重合反応器9に連続的に供給され
る。合流した重合液は後重合反応器9で重合されるとと
もに、接続ライン10を通じて、後続する後重合反応器
11へ供給され、重合転化率を高めながら重合される。
高度に重合された重合液は、後重合反応器11から供給
ライン12を通じて精製などの後処理工程に供される。
【0026】このような方法では、予備反応器2および
第1の反応器4で重合転化率を順次高めることにより、
ゴム成分を転相して分散粒子に転換させながら重合でき
るとともに、予備反応器2および第1の反応器4が完全
混合型反応器で構成されているので、ゴム相の粒子サイ
ズをコントロールできる。また、前記予備反応器2およ
び第1の反応器4に対して独立し、かつ並列に設けられ
た第2の反応器7において、スチレン系単量体を予備重
合できる。
【0027】そのため、予備反応器2へ供給される混合
液中のゴム成分の含量を調整することなく、第1の反応
器4からの重合液と第2の反応器7からスチレン系単量
体の重合液との割合を調整しつつ後重合反応器9,11
へ供給して合流させることにより、ゴム含量の異なるス
チレン系樹脂を製造できる。また、ゴム成分を含むスチ
レン系単量体の重合度は、スチレン系単量体単独の場合
に比べて、小さい場合が多い。そのため、予備反応器2
へ供給する混合液と、第2の反応器7へ供給するスチレ
ン系単量体との割合を調整するだけで、耐衝撃性スチレ
ン系樹脂の分子量分布および平均重合度を容易にコント
ロールでき、得られたスチレン系樹脂の成形性などの加
工性を改善できる。
【0028】さらに、第2の反応器7からのスチレン系
単量体の重合液を後重合反応器9,11へ供給すること
により、後重合反応器9,11などに残存する重合液を
効率よく置換でき、スチレン系樹脂のゴム含量を短時間
内に調整できる。すなわち、耐衝撃性スチレン系樹脂を
製造した後、ゴム含量の異なるスチレン系樹脂を連続的
に製造しても、前記第1の反応器4からの重合液と第2
の反応器7からの重合液とを合流させて、後続する後重
合反応器9,11で順次重合することにより、後重合反
応器9,11や接続ライン10に残存する粘度の高い重
合液を、新たなグレードの合流液により効率よく置換で
き、オフグレードのスチレン系樹脂の生成量を低減でき
る。
【0029】なお、スチレン系樹脂を製造した後、新銘
柄のスチレン系樹脂を製造する場合、混合液中のゴム含
量を代えて製造する場合が多い。
【0030】図2は本発明の装置およびプロセスの他の
例を示す概略構成図である。なお、図1の製造装置と同
一の要素には同一符号を付して説明する。
【0031】この例では、複数の後重合反応器が、撹拌
機を備えた塔式反応器21と、この反応器に直列に接続
されたスタティックミキサー型反応器22とで構成され
ている点を除き、前記図1に示すプロセスと基本的に同
じである。
【0032】このような方法では、予備反応器、第1の
反応器などの攪拌効率および剪断速度などに応じて、平
均粒子径0.1〜5μm、好ましくは0.3〜3μm程
度のゴム相を含むスチレン系樹脂を製造できる。なお、
ゴム相の平均粒子径は、例えば、樹脂と有機溶媒との混
合液を用い、光散乱法により体積平均粒子径として測定
できる。
【0033】なお、第2の反応器には、少量であれば、
ゴム成分を含むスチレン系単量体を供給してもよい。こ
の場合、第2の反応器へ供給されるゴム成分の含有量
は、後段の後重合反応器における重合液の置換効率を損
わない範囲で選択でき、例えば、予備反応器へ供給され
るゴム成分の含有量の0〜1/2、好ましくは0〜1/
4、さらに好ましくは0〜1/10程度である。なお、
第2の反応器へゴム成分を含む重合性液体を供給する場
合、第2の反応器は、好ましくは完全混合型反応器で構
成される。
【0034】ゴム含量、重合度や分子量分布などを効率
よく調整するため、好ましい方法において、第2の反応
器へは、ゴム成分を含まないスチレン系単量体が供給さ
れる。このような方法では、同じ重合転化率において
は、第2の反応器からの重合液の粘度が小さいので、後
段の後重合反応器における重合液を短時間内に効率よく
置換でき、スチレン系樹脂のゴム含量などを容易に調整
できる。
【0035】また、前記予備反応器および第1の反応器
に供給される混合液中のゴム成分は、非スチレン系ゴム
成分、スチレン単位を含むスチレン系ゴム成分のいずれ
であってもよい。なお、ポリブタジエンなどの非スチレ
ン系ゴム成分は、転相したゴム粒子径が大きくなり易
く、スチレン−ブタジエンゴムなどのスチレン系ゴム成
分は、前記非スチレン系ゴム成分に比べて転相したゴム
粒子径が小さくなり易い。一方、予備重合とゴム相への
転相重合とを組合せると、単一の重合系で重合させる場
合に比べてゴム粒子径が小さくなる。そのため、非スチ
レン系ゴム成分を含むスチレン系単量体は、予備反応器
で予備重合し、第1の反応器でゴム成分をゴム粒子に転
相するのが好ましい。
【0036】さらに、前記第1の反応器には、スチレン
系単量体、スチレン系単量体とゴム成分を含む混合液を
供給してもよい。図3は本発明の装置およびプロセスの
さらに他の例を示す概略構成図である。
【0037】この例では、第1の反応器32には、予備
反応器2から接続ライン3を通じて供給される予備重合
液に加えて、供給ライン31を通じて、予備反応器2へ
供給される重合液のゴム成分とは種類の異なるゴム成分
とスチレン系単量体とを含む混合液が供給される点を除
いて、図1に示すプロセスと基本的に同じである。
【0038】図4は本発明の装置およびプロセスの他の
例を示す概略構成図である。
【0039】この例では、第1の反応器42には、予備
反応器2からの予備重合液に加えて、供給ライン41を
通じて、予備反応器2へ供給される混合液のゴム成分と
は種類の異なるゴム成分とスチレン系単量体とを含む混
合液が供給される点を除いて、図2に示すプロセスと基
本的に同じである。
【0040】図3及び図4のプロセスでは、予備反応器
2からの予備重合液の存在下、第1の反応器32,42
において予備重合液のゴム成分とは異なる種類のゴム成
分とスチレン系単量体とを含む混合液を重合できる。
【0041】予備反応器と第1の反応器とに、それぞれ
異種のゴム成分を含む混合液を供給して重合する方法、
すなわち、予備反応器へ供給されるゴム成分とは異種の
ゴム成分とスチレン系単量体とを含む混合液を第1の反
応器へ供給して重合する方法では、予備反応器からの予
備重合液の存在下、異種のゴム成分を含む混合液を重合
でき、粒度分布において2つのピークを有する二峰性の
ゴム粒子を効率よく生成させることができ、成形品の光
沢および耐衝撃性を改善できる。さらに、ゴム成分の転
相前の予備重合液の存在下で重合できるので、ゴム相へ
転相した粒子、特に非スチレン系ゴム成分の転相ゴム粒
子の粗大化を防止できる。しかも、第2の反応器からの
重合液を利用して、スチレン系樹脂のゴム含量を効率よ
く調整できる。
【0042】好ましい方法においては、スチレン系単量
体と、非スチレン系ゴム成分又はスチレン系ゴム成分と
を含む混合液を予備反応器および第1の反応器において
順次重合するとともに、第1の反応器に、スチレン系単
量体と、スチレン系ゴム成分又は非スチレン系ゴム成分
とを含む混合液を供給して重合する。
【0043】この方法においては、第1の反応器におい
て、予備反応器からの非スチレン系ゴム成分又はスチレ
ン系ゴム成分を含む予備重合液の存在下、スチレン系ゴ
ム成分又は非スチレン系ゴム成分を含む混合液を重合で
きるので、スチレン系ゴム成分として非スチレン系ゴム
成分の単位と同一又は類似した単位を含むゴム成分(例
えば、非スチレン系ゴム成分としてブダジエンゴムを用
いる場合には、スチレン−ブタジエンゴム)を用いる
と、各ゴム成分の親和性に起因するためか、ゴム相粒
子、特に非スチレン系ゴム成分の転相ゴム粒子の粗大化
を防止できるとともに、ゴム相に転相したスチレン系ゴ
ムの粒子径を小さくでき、各ゴム相の粒度分布がシャー
プで、しかも、大粒子ゴム相と小粒子ゴム相との粒子径
が近接し、粒子径の差を小さくできる。そのため、光沢
および耐衝撃性に優れる成形品を得る上で有用なスチレ
ン系樹脂を製造できる。
【0044】このような方法で得られたスチレン系樹脂
は、(A)平均粒子径0.1〜1μm、好ましくは0.
2〜0.8μm(例えば、0.3〜0.7μm)程度の
小粒子ゴム相と、(B)平均ゴム粒子径0.5〜5μ
m、好ましくは0.7〜2.5μm(例えば、0.8〜
1.5μm)程度の大粒子ゴム相とを含む場合が多い。
【0045】さらに、本発明の方法においては、互いに
直列に接続された前記予備反応器及び第1の反応器に対
して独立し、かつ並列に接続された第2の反応器を利用
して、粒子径がコントロールされ、粒度分布において複
数のピークを有するゴム粒子を含むスチレン系樹脂を得
ることができる。
【0046】例えば、図1又は図2に示すプロセスにお
いて、スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成分とを含
む混合液を予備反応器2及び第1の反応器4で順次重合
するとともに、スチレン系単量体とスチレン系ゴム成分
とを含む重合性液体を第2の反応器7で重合し、後重合
反応器9,11,21,22において合流した重合液の
重合度を高めると、二峰性粒度分布を有するゴム粒子を
含むスチレン系樹脂を得ることができる。
【0047】すなわち、ポリブタジエンなどの非スチレ
ン系ゴム成分は、スチレン−ブタジエンゴムなどのスチ
レン系ゴム成分に比べて、転相によりゴム相の粒子径が
大きくなり易いこと、スチレン系ゴム成分においてスチ
レン含量が多くなるにつれて、ゴム相の粒子径が小さく
なり易い。このことを利用して、非スチレン系ゴム成分
で構成された大粒子径のゴム相と、スチレン系ゴム成分
で構成された小粒子径のゴム相とを含むスチレン系樹脂
を製造できる。その際、予備反応器、第1の反応器およ
び第2の反応器を完全混合型反応器で構成すると、それ
ぞれのゴム相の粒子径をさらに精度よくコントロールで
きる。
【0048】さらに、図3又は図4に示すプロセスにお
いて、予備反応器2へスチレン系単量体と非スチレン系
ゴム成分とを含む混合液を供給して予備反応器2及び第
1の反応器32,42で順次重合するとともに、第1の
反応器32,42へ、スチレン系単量体とスチレン系ゴ
ム成分とを含む混合液を供給して重合し、第2の反応器
7,42へスチレン系単量体とスチレン系ゴム成分とを
含む重合性液体を供給して重合する方法によっても、二
峰性粒度分布を有するゴム粒子を含むスチレン系樹脂を
得ることができる。
【0049】これらの方法においては、前記図3及び図
4に示す方法に加えて、第1の反応器からの重合液(非
スチレン系ゴム成分、スチレン系ゴム成分およびスチレ
ン系単量体の重合液)と、第2の反応器からの重合液
(非スチレン系ゴム成分およびスチレン系単量体の重合
液)とを合流させて後重合反応器で重合し、重合転化率
を高めることができる。そのため、前記と同様に、スチ
レン系ゴム成分として非スチレン系ゴム成分の単位と同
一又は類似した単位を含むゴム成分を用いると、各ゴム
成分の親和性に起因するためか、大粒子ゴム相と小粒子
ゴム相との粒子径の差をさらに小さくでき、光沢および
耐衝撃性に優れる成形品を得る上で有用なスチレン系樹
脂を製造できる。
【0050】このような方法は、非スチレン系ゴム成分
で構成された大粒子ゴムの粒子径と、スチレン系ゴム成
分で構成された小粒子ゴムの粒子径との差が、0.5μ
m以下、好ましくは0.05〜0.5μm、さらに好ま
しくは0.1〜0.4μm程度である耐衝撃性スチレン
系樹脂を製造でき、光沢および耐衝撃強度の双方の特性
に優れる成形品が得られるという特色がある。
【0051】第2の反応器へスチレン系ゴム成分とスチ
レン系単量体との混合物を供給する方法により得られた
スチレン系樹脂において、前記ゴム成分は、(A)平均
粒子径0.1〜0.8μm、好ましくは0.2〜0.7
μm程度の小粒子と、(B)平均粒子径0.5〜2.0
μm、好ましくは0.6〜1.8μm程度の大粒子とに
分散されている場合が多い。小粒子の平均粒子径が0.
1μm未満では衝撃強度が低下し、0.8μmを越える
と光沢が低下し、大粒子の平均粒子径が0.5μm未満
では衝撃強度が低下し、2.0μmを越えると光沢およ
び衝撃強度のいがれか一方の特性が低下する。なお、ゴ
ム成分の分散粒子の粒度分布において、単一のピークを
有する場合には、耐衝撃性、剛性および光沢のいずれか
の特性が低下し易い。
【0052】本発明のプロセスにおいて、予備反応器及
び/又は第1の反応器は、1つの反応器に限らず複数の
反応器で構成してもよい。また、反応器の形式は特に制
限されないが、ゴム成分とスチレン系単量体とを含む混
合液を完全混合しながら、転相したゴム相の粒子径を制
御するため、予備反応器及び第1の反応器は完全混合型
反応器で構成されているのが好ましい。
【0053】完全混合型の反応器は、スチレン系単量体
とゴム成分とを含む混合液を略均一な混合状態を維持し
ながら攪拌できればよく、撹拌翼としては、例えばアン
カー翼、ダブルヘリカル型翼、スクリュー型翼などが使
用できる。ゴム成分を効率よく分散するため、第1の反
応器は、ダブルヘリカル型翼(例えば、ダブルヘリカル
リボン型撹拌翼)又はスクリュー型撹拌翼を備えている
のが好ましい。
【0054】また、第2の反応器も1つに限らず複数の
反応器で構成してもよい。ゴム成分が供給されない場
合、第2の反応器の形式は特に制限ず、完全混合型反応
器やプラグフロー型反応器などで構成できる。プラグフ
ロー型反応器は、可動部を有することなく複数のスタテ
ィクミキシングエレメントが内部に固定して内蔵された
スタティクミキサー型、緩かな撹拌が可能な撹拌機付き
塔式反応器などから選択できる。ゴム成分が供給される
場合、第2の反応器は、上記と同様の理由から、完全混
合型反応器で構成されているのが好ましい。
【0055】なお、第1の反応器へゴム成分とスチレン
系単量体との混合液を供給して重合したり、第2の反応
器へゴム成分とスチレン系単量体との重合性液体を供給
して重合する場合、第1の反応器及び/又は第2の反応
器の数に応じて、粒度分布において複数のピークを有す
る転相ゴム粒子を含むスチレン系樹脂を得ることができ
る。
【0056】さらに、後続する後重合反応器の種類は特
に制限されないが、完全混合型反応器又はプラグフロー
型反応器で構成されている場合が多い。後重合反応器は
重合転化率を順次高めるため、複数の完全混合型反応器
又は複数のプラグフロー型反応器で構成されているのが
好ましい。後重合反応器の数は、重合転化率を順次高め
ることができる限り特に制限されず、反応器の種類など
に応じて、通常1〜10基程度の範囲から適当に選択で
きる。例えば、完全混合型反応器の数は1〜5基程度で
あり、プラグフロー型反応器がスタティクミキサー型反
応器である場合には、2〜7基程度である場合が多い。
また、他のプラグフロー型反応器の数は2〜5基程度で
ある場合が多い。
【0057】前記スチレン系単量体には、例えば、スチ
レン、アルキル置換スチレン(例えば、o−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、2,
4−ジメチルスチレン、p−エチルスチレン、p−t−
ブチルスチレンなど)、α−アルキル置換スチレン(例
えば、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレンなど)、ハロゲン化スチレン(例えば、o−クロ
ロスチレン、p−クロロスチレンなど)などが含まれ
る。好ましいスチレン系単量体には、例えば、スチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、特にス
チレンが含まれる。これらのスチレン系単量体は、一種
又は二種以上混合して使用できる。
【0058】スチレン系単量体には、必要に応じて、例
えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリ
ル酸ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル、(メ
タ)アクリル酸、無水マレイン酸、アクリロニトリルな
どの共重合可能な単量体を添加してもよい。
【0059】ゴム成分には、例えば、ポリブタジエンゴ
ム、ブタジエン−イソプレンゴム、ブタジエン−アクリ
ロニトリル共重合体、エチレン−ブロピレンゴム、イソ
プレンゴム、アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重
合体などのスチレン単位を含まない非スチレン系ゴム成
分;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジ
エンブロック共重合体などのスチレン単位を含むスチレ
ン系ゴム成分が含まれる。これらのゴム成分は重合プロ
セスの種類に応じて一種又は二種以上使用できる。
【0060】ゴム成分としては、所望するスチレン系樹
脂の特性に応じて選択でき、例えば、ブタジエン単位を
含む重合体(例えば、ポリブタジエンなど)を用いる場
合が多い。ブタジエン単位を含むゴム成分は、シス−
1,4構造含有率の高いハイシスブタジエン単位を含む
重合体であってもよく、シス−1,4構造含有率の低い
ローシスブタジエン単位を含む重合体であってもよい。
また、ゴム成分の分子量は耐衝撃性スチレン系樹脂の特
性に応じて選択でき、例えば、ポリスチレン換算で1×
104 〜100×104 程度、ゴム成分の25℃での5
重量%スチレン溶液粘度は、例えば、15〜2000c
ps程度である場合が多い。
【0061】好ましい非スチレン系ゴム成分にはブタジ
エンゴムなどが含まれ、スチレン単位を有するゴム成分
にはスチレン−ブタジエンゴムなどが含まれる。
【0062】反応器へ仕込む混合液や重合性液体などの
原料におけるゴム成分の含有量は、耐衝撃性スチレン系
樹脂の特性に応じて広い範囲で選択でき、例えば、1〜
25重量%、好ましくは2〜20重量%、さらに好まし
くは3〜15重量%程度である。
【0063】なお、第2の反応器へスチレン系単量体を
供給し、第1の反応器と第2の反応器からの重合液を合
流させてゴム含量を効率よく調整する場合、予備反応器
へ供給する混合液中のゴム成分の含有量は、例えば、5
〜25重量%、好ましくは7〜15重量%程度である場
合が多い。スチレン系樹脂のゴム含量を効率よく調整す
る場合、第1の反応器からの重合液と第2の反応器から
の重合液との流量割合は、スチレン系樹脂のゴム含量や
特性などに応じて広い範囲で選択できる。例えば、連続
的に混合液やスチレン系単量体を供給しながら重合する
場合、第1の反応器からの重合液の流量1kg/hrに
対して、第2の反応器からの重合液の流量は0.1〜5
kg/hr、好ましくは0.25〜3kg/hr、好ま
しくは0.3〜2kg/hr程度である。また、成形品
の光沢および耐衝撃性を高めるためには、前記混合液に
おける非スチレン系ゴム成分およびスチレン系ゴム成分
の含有量は、5〜15重量%程度である場合が多い。
【0064】ゴム成分を含む場合、前記混合液や重合性
液体は、スチレン系単量体とゴム成分とを含む均一な溶
液として反応器へ供給する場合が多い。
【0065】前記スチレン系単量体を含む混合液や重合
性液体は、重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサ
イド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、ジクミルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、アゾビスイソブチロニトリルなど
を含んでいる場合が多いが、熱重合させる場合には必ず
しも必要ではない。
【0066】前記各混合液や重合性液体には、必要に応
じて、ベンゼン、エチルベンゼン、トルエン、キシレン
などの溶剤、ミネラルオイルなどの反応に不活性な溶媒
を添加してもよい。溶媒を添加すると、混合液や重合性
液体の粘度を調整でき、ゴム成分の粒子径をコントロー
ルし易くなる場合がある。溶媒の添加量は、例えば、ス
チレン系単量体100重量部に対して、30重量部以
下、好ましくは1〜20重量部程度である。また、混合
液や重合性液体には、必要に応じて、分子量調整剤、酸
化防止剤、滑剤、可塑剤などを添加してもよい。
【0067】なお、図3及び図4に示す連続プロセスに
よりスチレン系樹脂を製造する場合、前記反応器への混
合液や重合性液体の供給速度は、非スチレン系ゴム成分
とスチレン系ゴム成分との割合、ゴム成分とスチレン系
単量体との割合、ゴム転相粒子径などに応じて適当に選
択できる。
【0068】前記ゴム成分を含む混合液や重合性液体の
重合過程において、ゴム成分は、重合反応の進行に伴な
って、分散粒子に転換、すなわちゴム相に転相する。重
合工程におけるスチレン系単量体の重合転化率は、特に
制限されず、例えば、予備反応器では、予備重合により
ゴム成分の転相を抑制できる範囲、例えば、5〜30
%、好ましくは7〜20%程度、第1の反応器では、ゴ
ム成分を転相可能な範囲、例えば、10〜50%、好ま
しくは15〜30%程度である。また、第2の反応器に
スチレン系単量体を供給して重合する場合、第2の反応
器での重合転化率は、例えば、7〜40%、好ましくは
10〜30%程度である。さらに、第2の反応器にスチ
レン系単量体とゴム成分を含む重合性液体を供給して重
合する場合にも、第2の反応器での重合転化率は、上記
と同様である場合が多い。そして、後続する後重合反応
器で高い重合転化率まで重合することにより、耐衝撃性
スチレン系樹脂が生成する。
【0069】重合は、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの
不活性ガス雰囲気下、攪拌しながら、例えば、50〜2
00℃程度で行なうことができ、熱重合させる場合に
は、通常、100℃以上の温度で行なう場合が多い。
【0070】塊状重合においては、重合反応終了後、公
知の方法、例えば加熱下で減圧脱気処理するストリッピ
ングなどの方法により、未反応単量体や必要に応じて溶
媒を回収することにより、耐衝撃性スチレン系樹脂を得
ることができる。なお、スチレン系樹脂は、溶融流動状
態の樹脂を慣用の方法で冷却固化しつつ、ペレタイザー
によりペレットサイズに切断してもよい。
【0071】これらの製造プロセスは、セミバッチ式で
行なってもよいが、生産効率を高めるため、予備反応
器、第1の反応器および第2の反応器へ前記混合液や重
合性液体などを連続的に供給して重合し、前記第1の反
応器からの重合液と第2の反応器からの重合液とを後続
する後重合反応器へ連続的に供給して順次重合転化率を
高める連続式、特に連続塊状重合法により重合するのが
好ましい。
【0072】前記重合により得られたゴム変性スチレン
系樹脂において、ゴム成分の含有量は、前記混合液や重
合性液体中のゴム成分の総含有量に略対応し、例えば、
1〜25重量%、好ましくは2〜20重量%、さらに好
ましくは3〜15重量%程度である。
【0073】耐衝撃性スチレン系樹脂には、必要に応じ
て、熱、光、酸素に対する安定剤(例えば、酸化防止
剤、紫外線吸収剤など)、難燃剤、可塑剤、滑剤、離型
剤、帯電防止剤、着色剤、充填剤などの添加剤を添加し
てもよい。
【0074】本発明の方法により得られた耐衝撃性スチ
レン系樹脂は、種々の成形品、例えば、日用品、掃除
機、冷蔵庫、洗濯機、扇風機、ラジオ、テレビなどの家
庭用電気器具、電子機器のハウジング、車両用内外装部
品などの広範囲の用途に利用できる。
【0075】
【発明の効果】本発明の方法および装置では、互いに直
列に接続された予備反応器と第1の反応器とで順次重合
して、前記第1の反応器からの重合液と第2の反応器か
らの重合液とを合流させることにより、スチレン系樹脂
のゴム含量を容易かつ効率よく調整できる。また、前記
重合液の合流により、前段での重合液を新たな重合液で
効率よく置換でき、ゴム含量やゴム成分の種類が異なる
各種の銘柄の耐衝撃性スチレン系樹脂を効率よく製造で
きるとともに、予備反応器と第1の反応器とで順次重合
することにより、ゴム粒子径を制御できる。
【0076】また、第1の反応器へゴム成分とスチレン
系単量体とを含む混合液を供給して重合すると、耐衝撃
性スチレン系樹脂のゴム粒子径を精度よく制御できると
共に、二峰性粒度分布を有するゴム相粒子を含むスチレ
ン系樹脂を製造できる。さらに、非スチレン系ゴム成分
の共存下、スチレン系ゴム成分を含む重合系で重合する
ことにより、ゴム粒子の粒子径を小さくでき、光沢及び
耐衝撃性の双方の特性に優れた成形品を得る上で有用な
耐衝撃性スチレン系樹脂を製造方法できる。
【0077】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、ゴム粒子径および置換時間は、次の
ようにして調べた。
【0078】(1)ゴム粒子径 樹脂試料0.2gをメチルエチルケトン/アセトン=1
/1(v/v)の混合溶媒10mlと混合し、粒子径ア
ナライザーを用いて光散乱法により体積平均粒子径を測
定した。
【0079】(2)置換時間 特定のゴム含量の耐衝撃性スチレン系樹脂を製造した
後、ゴム含量の異なる混合液を供給して重合し、新銘柄
の耐衝撃性スチレン系樹脂を製造する場合、新銘柄のス
チレン系樹脂中のゴム含量が、目標ゴム含量±0.2重
量%の管理幅内に到達するまでの時間を置換時間とし
た。
【0080】実施例1 図1に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン9重量%、スチレン88重量%、エチルベンゼン3
重量%からなる混合液を、10Kg/hrの供給速度
で、ダブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器
に供給し、130℃で転化率15重量%まで重合した。
予備反応器からの重合液を第1の反応器に送液し、13
0℃で転化率22重量%まで高め、ゴム成分を転相させ
た。
【0081】一方、第2の反応器にスチレンを14Kg
/hrの供給速度で送液し、135℃で転化率25重量
%まで重合させた。第1の反応器と第2の反応器からの
重合液を後段の後重合反応器に送液して重合することに
より、最終反応器での転化率を90重量%に高めた。
【0082】上記のようにしてスチレン系樹脂を製造し
た後、図1に示す装置の第2の反応器にスチレンを9K
g/hrの供給速度で送液する以外、上記と同様にして
重合した。その結果、最初の重合により生成し、かつ装
置内に残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換
時間は、8時間であり、ゴム含量を短時間内に調整でき
た。
【0083】実施例2 実施例1の方法により重合して新銘柄のスチレン系樹脂
を製造した後、図1に示す装置の第2反応器にスチレン
を4Kg/hrの供給速度で送液する以外、実施例1と
同様に重合したところ、装置内に残存する樹脂が新たな
樹脂に置換するまでの置換時間は8時間であり、スチレ
ンの供給量が少なくても、ゴム含量を短時間内に効率よ
く調整できた。
【0084】実施例3 図1に示す反応器で構成された装置を用い、スチレン−
ブタジエンゴム9重量%、スチレン88重量%、エチル
ベンゼン3重量%からなる混合液を、供給速度10kg
/hrで、ダブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備
反応器に供給し、125℃で転化率10重量%まで重合
した。予備反応器からの重合液を第1の反応器に送液
し、135℃で転化率24重量%まで高め、ゴム成分を
転相させた。一方、第2の反応器にスチレンを14kg
/hrの供給速度で送液し、135℃で転化率25重量
%まで重合させた。
【0085】第1の反応器と第2の反応器からの重合液
を後段の後重合反応器に送液し、最終反応器での転化率
を90重量%に高めた。
【0086】スチレン系樹脂を製造した後、図1に示す
装置の第2反応器にスチレンを4kg/hrの供給速度
で送液する以外、上記と同様に重合したところ、装置内
に残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換時間
は8時間であり、ゴム含量を短時間内に調整できた。
【0087】実施例4 図2に示す反応器で構成された装置を用いる以外、実施
例1と同様にして重合した。そして、スチレン系樹脂を
製造した後、図2に示す装置の第2反応器にスチレンを
4kg/hrの供給速度で送液する以外、上記と同様に
して重合したところ、装置内に残存する樹脂が新たな樹
脂に置換するまでの置換時間は5時間であり、ゴム含量
を短時間内に調整できた。
【0088】実施例5 図3に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン9重量%、スチレン88重量%、エチルベンゼン3
重量%からなる混合液を、8kg/hrの供給速度で、
ダブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器に供
給し、130℃で転化率15重量%まで重合した。予備
反応器からの重合液を第1の反応器に送液するととも
に、スチレン−ブタジエンゴム9重量%、スチレン88
重量%、エチルベンゼン3重量%からなる混合液を、2
kg/hrの供給速度で、第1の反応器に送液し、13
0℃で転化率25重量%まで高め、ゴム成分を転相させ
た。一方、第2の反応器にスチレンを14kg/hrの
供給速度で送液し、135℃で転化率25重量%重合さ
せた。第1の反応器と第2反応器からの重合液を後段の
後重合反応器に送液し、最終反応器での転化率を90重
量%に高めた。
【0089】スチレン系樹脂を製造した後、図3に示す
装置の第2反応器にスチレンを4kg/hrの供給速度
で送液する以外、上記と同様にして重合したところ、装
置内に残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換
時間は8時間であり、ゴム含量を短時間内に調整でき
た。
【0090】実施例6 図4に示す反応器で構成された装置を用い、スチレン−
ポリブタジエンゴム9重量%、スチレン88重量%、エ
チルベンゼン3重量%からなる混合液を、供給速度8k
g/hrで、ダブルヘリカル翼を装着した完全混合型予
備反応器に供給し、125℃で転化率10重量%まで重
合した。予備反応器からの重合液を第1の反応器に送液
するとともに、ポリブタジエン9重量%、スチレン88
重量%、エチルベンゼン3重量%からなる混合液を、供
給速度2kg/hrで第1の反応器に送液し、130℃
で転化率25重量%まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0091】一方、第2の反応器にスチレンを14kg
/hrで送液し、135℃で転化率25重量%重合させ
た。第1の反応器と第2の反応器からの重合液を後段の
後重合反応器に送液し、最終反応器での転化率を90重
量%に高めた。
【0092】スチレン系樹脂を製造した後、図4に示す
装置の第2の反応器にスチレンを4kg/hrの供給速
度で送液する以外、上記と同様にして重合したところ、
装置内に残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置
換時間は5時間であり、ゴム含量を短時間内に調整でき
た。
【0093】比較例1 図5に示す反応器で構成された装置、すなわち4つの完
全混合型の反応器51,52,53,54が直列に接続
された装置を用いた。ポリブタジエン3.7重量%、ス
チレン94.3重量%、エチルベンゼン2重量%からな
る混合液を、供給速度10kg/hrで、ダブルヘリカ
ル翼を装着した完全混合型予備反応器51に供給し、1
25℃で転化率10重量%まで重合させた。
【0094】予備反応器51からの重合液を第1の反応
器52に送液し、125℃で転化率17重量%まで高
め、ゴム成分を転相させた。第1の反応器52からの重
合液を後段の後重合反応器53,54に送液し、最終反
応器での転化率を90重量%に高めた。
【0095】スチレン系樹脂を製造した後、図5に示す
装置の予備反応器へ、ポリブタジエン4.7重量%、ス
チレン93.3重量%、エチルベンゼン2重量%からな
る混合液を供給速度10kg/hrで供給し、125℃
で転化率10重量%まで重合させた。予後反応器からの
重合液を第1の反応器に送液し、127℃で転化率19
重量%まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0096】第1の反応器からの重合液を後段の後重合
反応器に送液し、最終反応器での転化率を90重量%に
高めた。そして、装置内に残存する樹脂が新たな樹脂に
置換するまでの置換時間を調べたところ、12時間であ
り、ゴム含量を調整するのに長時間を要した。
【0097】比較例2 比較例1の方法により重合して新銘柄のスチレン系樹脂
を製造した後、図5に示す装置の完全混合型予備反応器
51に、ポリブタジエン6.4重量%、スチレン91.
6重量%、エチルベンゼン2重量%からなる混合液を、
供給速度10kg/hrで供給し、125℃で転化率1
0重量%まで重合させた。
【0098】予備反応器51からの重合液を第1の反応
器52に送液し、128℃で転化率21重量%まで高
め、ゴム成分を転相させた。第1の反応器52からの重
合液を後段の後重合反応器53,54に送液し、最終反
応器での転化率を90重量%に高めた。そして、装置内
に残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換時間
を調べたところ、13時間であり、ゴム含量を調整する
のに長時間を要した。
【0099】比較例3 図6に示す反応器で構成された装置、すなわち2つの完
全混合型反応器61,62と、撹拌機付きの塔式反応器
63と、スタディックミキサー型反応器64とが直列に
接続された装置を用いた。
【0100】ポリブタジエン3.7重量%、スチレン9
4.3重量%、エチルベンゼン2重量%からなる混合液
を、供給速度10kg/hrで、ダブルヘリカル翼を装
着した完全混合型予備反応器61に供給し、125℃で
転化率10重量%まで重合させた。予備反応器61から
の重合液を第1の反応器62に送液し、125℃で転化
率17重量%まで高め、ゴム成分を転相させた。第1の
反応器62からの重合液を後段の反応器63,64に送
液し、最終反応器での転化率を90重量%に高めた。
【0101】上記のようにして耐衝撃性スチレン系樹脂
を製造した後、図6に示す装置の予備反応器61へ、ポ
リブタジエン6.4重量%、スチレン91.6重量%、
エチルベンゼン2重量%からなる混合液を、供給速度1
0kg/hrで供給し、125℃で転化率10重量%ま
で重合させた。予備反応器61からの重合液を第1の反
応器62に送液し、128℃で転化率21重量%まで高
め、ゴム成分を転相させた。第1の反応器62からの重
合液を後段の反応器63,64に送液し、最終反応器で
の転化率を90重量%に高めた。そして、装置内に残存
する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換時間を調べ
たところ11時間であり、ゴム含量の調整に長時間を要
した。
【0102】なお、実施例1〜6および比較例1〜3に
おける重合条件および得られたスチレン系樹脂の特性を
表1および表2に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】 表1及び表2から明らかなように、実施例1〜7の方法
では、スチレン系樹脂のゴム含量が高くても、装置内に
残存する樹脂が新たな樹脂に置換するまでの置換時間を
短縮でき、スチレン系樹脂のゴム含量を効率よく調整で
きる。また、第1の反応器へゴム成分とスチレン系単量
体とを含む混合液を供給することにより二峰性のゴム相
粒子径を有するスチレン系樹脂を製造できる。
【0105】実施例7 図1に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン8重量%、スチレン90重量%、エチルベンゼン2
重量%からなる混合液を、供給速度10kg/hrで、
ダブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器に供
給し、130℃で重合し、予備反応器からの重合液を第
1の反応器に送液し、130℃で重合し転化率20重量
%まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0106】一方、第2の反応器に、スチレン−ブタジ
エンゴム8重量%、スチレン90重量%、エチルベンゼ
ン2重量%からなる混合液を、供給速度8kg/hrで
供給し、135℃で重合した。第1の反応器および第2
の反応器からの重合液を、後続する後重合反応器へ送液
し、最終反応器での重合転化率を90%に高めた。
【0107】実施例8 予備反応器および第2の反応器への原料溶液の送液量
を、それぞれ4kg/hrおよび6kg/hrとする以
外、実施例1と同様にして重合し、耐衝撃性スチレン系
樹脂を製造した。
【0108】実施例9 図1に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン6重量%、スチレン92重量%、エチルベンゼン2
重量%からなる混合液を、供給速度3kg/hrで、ダ
ブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器に供給
し、130℃で重合し、予備反応器からの重合液を第1
の反応器に送液し、130℃で重合し転化率20重量%
まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0109】一方、第2の反応器に、スチレン−ブタジ
エンゴム6重量%、スチレン92重量%、エチルベンゼ
ン2重量%からなる混合液を、供給速度7kg/hrで
供給し、135℃で重合した。第1の反応器および第2
の反応器からの重合液を、後続する後重合反応器へ送液
し、最終反応器での重合転化率を90%に高めた。
【0110】実施例10 図2に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン8重量%、スチレン90重量%、エチルベンゼン2
重量%からなる混合液を、供給速度2kg/hrで、ダ
ブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器に供給
し、130℃で重合した。予備反応器からの重合液を第
1の反応器に送液するとともに、第1の反応器へ、スチ
レン−ブタジエンゴム8重量%、スチレン90重量%、
エチルベンゼン2重量%からなる混合液を、供給速度1
kg/hrで供給し、130℃で重合し、転化率20重
量%まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0111】一方、第2の反応器に、スチレン−ブタジ
エンゴム8重量%、スチレン90重量%、エチルベンゼ
ン2重量%からなる混合液を、供給速度7kg/hrで
供給し、135℃で重合した。第1の反応器および第2
の反応器からの重合液を、後続する後重合反応器へ送液
し、最終反応器での重合転化率を90%に高めた。
【0112】実施例11 予備反応器および第2の反応器への原料溶液の送液量
を、それぞれ3kg/hrおよび6kg/hrとする以
外、実施例10と同様にして重合し、耐衝撃性スチレン
系樹脂を製造した。
【0113】実施例12 予備反応器および第2の反応器への原料溶液の送液量
を、それぞれ2kg/hrおよび6kg/hrとする以
外、実施例10と同様にして重合し、耐衝撃性スチレン
系樹脂を製造した。
【0114】実施例13 予備反応器、第1の反応器および第2の反応器への原料
溶液の送液量を、それぞれ3kg/hr、2kg/hr
および5kg/hrとする以外、実施例10と同様にし
て重合し、耐衝撃性スチレン系樹脂を製造した。
【0115】実施例14 第1の反応器および第2の反応器への原料溶液の送液量
を、それぞれ3kg/hrおよび4kg/hrとする以
外、実施例13と同様にして重合し、耐衝撃性スチレン
系樹脂を製造した。
【0116】実施例15 図2に示す反応器で構成された装置を用い、ポリブタジ
エン6重量%、スチレン92重量%、エチルベンゼン2
重量%からなる混合液を、供給速度3kg/hrで、ダ
ブルヘリカル翼を装着した完全混合型予備反応器に供給
し、130℃で重合した。予備反応器からの重合液を第
1の反応器に送液するとともに、第1の反応器へ、スチ
レン−ブタジエンゴム6重量%、スチレン92重量%、
エチルベンゼン2重量%からなる混合液を、供給速度4
kg/hrで供給し、130℃で重合し、転化率20重
量%まで高め、ゴム成分を転相させた。
【0117】一方、第2の反応器に、スチレン−ブタジ
エンゴム6重量%、スチレン92重量%、エチルベンゼ
ン2重量%からなる混合液を、供給速度3kg/hrで
供給し、135℃で重合した。第1の反応器および第2
の反応器からの重合液を、後続する後重合反応器へ送液
し、最終反応器での重合転化率を90%に高めた。
【0118】比較例4 図5に示す反応器で構成された装置、すなわち4つの完
全混合型の反応器51,52,53,54が直列に接続
された装置を用いた。なお、予備反応器を第1の反応器
51として用いた。ポリブタジエン8重量%、スチレン
90重量%、エチルベンゼン2重量%からなる混合液
を、供給速度2kg/hrで、ダブルヘリカル翼を装着
した完全混合型の第1の反応器51に供給し、130℃
で転化率20重量%まで重合させ、ゴム成分を転相させ
た。
【0119】一方、第1の反応器51からの重合液を第
2の反応器52へ送液ながら、第2の反応器52に、ス
チレン−ブタジエンゴム8重量%、スチレン90重量
%、エチルベンゼン2重量%からなる混合液を、供給速
度8kg/hrで送液し、135℃で重合させた。
【0120】第1の反応器51と第2の反応器52から
の重合液を後段の後重合反応器53,54に送液し、最
終反応器での転化率を90重量%に高めた。
【0121】比較例5 図5に示す装置の第1の反応器51へ、ポリブタジエン
6重量%、スチレン92重量%、エチルベンゼン2重量
%からなる混合液を、供給速度4kg/hrで供給し、
第2の反応器52へ、スチレン−ブタジエンゴム6重量
%、スチレン92重量%、エチルベンゼン2重量%から
なる混合液を、供給速度6kg/hrで送液して重合す
る以外、比較例4と同様にして、スチレン系樹脂を製造
した。
【0122】比較例6 図6に示す反応器で構成された装置、すなわち2つの完
全混合型反応器(第1の反応器および第2の反応器)6
1,62と、撹拌機付きの塔式反応器63と、スタディ
ックミキサー型反応器64とが直列に接続された装置を
用いる以外、比較例4と同様にして、スチレン系樹脂を
製造した。
【0123】比較例7 第1の反応器および第2の反応器への混合液供給速度
を、それぞれ4kg/hrおよび6kg/hrとする以
外、比較例6と同様にして、スチレン系樹脂を製造し
た。
【0124】比較例8 図7に示す装置、すなわち、図1に示す装置において予
備反応器を備えていない装置を用いた。この装置は、第
1の反応器71と第2の反応器72とが並列に設けら
れ、2つの後重合反応器73,74が前記第1の反応器
71に対して直列に接続されている。そして、図7に示
す装置を用いる以外、比較例5と同様にして、スチレン
系樹脂を製造した。
【0125】重合条件および得られたスチレン系樹脂の
特性を表3および表4に示す。
【0126】
【表3】
【0127】
【表4】 表3および表4から明らかなように、実施例7〜15の
方法によれば、耐衝撃性スチレン系樹脂のゴム粒子径を
精度よく制御できる。さらに、非スチレン系ゴム成分の
共存下、スチレン系ゴム成分を含む重合系で重合するこ
とにより、ゴム粒子の粒子径を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の装置の一例を示す概略構成図で
ある。
【図2】図2は本発明の装置の他の例を示す概略構成図
である。
【図3】図3は本発明の装置のさらに他の例を示す概略
構成図である。
【図4】図4は本発明の装置の他の例を示す概略構成図
である。
【図5】図5は比較例1,2,4および5で用いた装置
を示す概略構成図である。
【図6】図6は比較例3,6および7で用いた装置を示
す概略構成図である。
【図7】図7は比較例8で用いた装置を示す概略構成図
である。
【符号の説明】
2…予備反応器 4,32,42…第1の反応器 7…第2の反応器 9,11,21,22…後重合反応器

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン系単量体とゴム成分とを含む混
    合液を予備反応器で重合し、前記予備反応器と直列に接
    続された第1の反応器で予備反応器からの重合液を重合
    するとともに、第2の反応器で、少なくともスチレン系
    単量体を含む重合性液体を重合し、前記第1の反応器お
    よび第2の反応器からの重合液を、後重合反応器で重合
    する耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 スチレン系単量体とゴム成分を含む混合
    液を予備反応器および第1の反応器へ連続的に供給して
    重合するとともに、少なくともスチレン系単量体を含む
    重合性液体を第2の反応器へ連続的に供給して重合し、
    第1の反応器および第2の反応器からの重合液を後重合
    反応器へ連続的に供給して重合する請求項1記載の耐衝
    撃性スチレン系樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 予備反応器および第1の反応器が完全混
    合型反応器で構成され、後重合反応器が複数の完全混合
    型反応器又は複数のプラグフロー型反応器で構成されて
    いる請求項1記載の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 予備反応器からの重合液の存在下、スチ
    レン系単量体と、予備反応器へ供給されるゴム成分とは
    異種のゴム成分とを含む混合液を第1の反応器へ供給し
    て重合する請求項1記載の耐衝撃性スチレン系樹脂の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成
    分又はスチレン単位を有するゴム成分とを含む溶液を完
    全混合型予備反応器及び完全混合型第1の反応器へ連続
    的に供給して順次重合してゴム成分をゴム相を転相させ
    るとともに、スチレン系単量体を第2の反応器へ連続的
    に供給して重合し、前記第1の反応器および第2の反応
    器からの重合液を後重合反応器へ連続的に供給して重合
    する塊状連続重合法により、耐衝撃性スチレン系樹脂を
    製造する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成
    分とを含む混合液を予備反応器及び第1の反応器で順次
    重合するとともに、スチレン系単量体と、スチレン単位
    を有するゴム成分とを含む重合性液体を第2の反応器で
    重合する請求項1記載の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成
    分とを含む混合液を予備反応器で重合し、予備反応器か
    らの予備重合液の存在下、スチレン系単量体と、スチレ
    ン単位を有するゴム成分とを含む混合液を第1の反応器
    で重合するとともに、スチレン系単量体と、スチレン単
    位を有するゴム成分とを含む重合性液体を第2の反応器
    で重合する請求項1又は6記載の耐衝撃性スチレン系樹
    脂の製造方法。
  8. 【請求項8】 非スチレン系ゴム成分で構成された大粒
    子ゴムの粒子径と、スチレン単位を有するゴム成分で構
    成された小粒子ゴムの粒子径との差が、0.5μm以下
    である請求項6記載の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 スチレン系単量体と非スチレン系ゴム成
    分とを含む溶液を完全混合型予備反応器及び完全混合型
    第1の反応器に連続的に供給して順次重合してゴム成分
    をゴム相に転相させるとともに、スチレン系単量体と、
    スチレン単位を有するゴム成分とを含む溶液を第2の反
    応器で重合し、前記第1の反応器および第2の反応器か
    らの重合液を後重合反応器へ連続的に供給して重合する
    塊状連続重合法により、非スチレン系ゴム成分で構成さ
    れた大粒子ゴムの粒子径と、スチレン単位を有するゴム
    成分で構成された小粒子ゴムの粒子径との差が、0.1
    〜0.5μmである耐衝撃性スチレン系樹脂を製造する
    請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 非スチレン系ゴム成分がブタジエンゴ
    ムであり、スチレン単位を有するゴム成分がスチレン−
    ブタジエンゴムである請求項6〜9のいずれかの項に記
    載の耐衝撃性スチレン系樹脂の製造方法。
  11. 【請求項11】 予備反応器、第1の反応器および第2
    の反応器が完全混合型反応器で構成され、後重合反応器
    が複数の完全混合型反応器又は複数のプラグフロー型反
    応器で構成されている請求項6記載の耐衝撃性スチレン
    系樹脂の製造方法。
  12. 【請求項12】 スチレン系単量体とゴム成分とを含む
    混合液を予備重合するための予備反応器と、この反応器
    に対して直列に接続され、かつ予備反応器からの重合液
    を重合するための第1の反応器と、少なくともスチレン
    系単量体を含む重合性液体を重合するための第2の反応
    器と、前記第1の反応器および第2の反応器からの重合
    液の重合転化率を高めるための後重合反応器とを備えて
    いる耐衝撃性スチレン系樹脂の製造装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2000169528A (ja) * 1998-12-11 2000-06-20 Mitsui Chemicals Inc ビニル化合物変性オレフィン重合体
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WO2021211832A1 (en) * 2020-04-15 2021-10-21 Fina Technology, Inc. Methods for production of high impact polystyrene having an improved rubber morphology

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