JPH0720435B2 - 形質転換酵母におけるグルカゴンの製造方法 - Google Patents

形質転換酵母におけるグルカゴンの製造方法

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JPH0720435B2
JPH0720435B2 JP61009822A JP982286A JPH0720435B2 JP H0720435 B2 JPH0720435 B2 JP H0720435B2 JP 61009822 A JP61009822 A JP 61009822A JP 982286 A JP982286 A JP 982286A JP H0720435 B2 JPH0720435 B2 JP H0720435B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、酵母においてグルカゴンを製造する方法に関
する。
〔従来技術〕
グルカゴンは、ランゲルハンス膵島のα−細胞から分泌
されるポリペプチドホルモンである。これは、次の配列
の29個のアミノ酸からなる単鎖ポリペプチドである。
His-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Tyr-Ser-Lys-Ty
r-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Asp-Phe-Val-Gln-Trp-
Leu-Met-Asn-Thr (I) グルカゴンはその代謝効果のために低血糖の治療に用い
られる。グルカゴンはまた平滑筋における鎖痙作用と胃
酸分泌抑制作用をも示す。
グルカゴンは膵臓抽出物から単離される。屠殺動物の膵
臓からのグルカゴン抽出は複雑な方法であり、多くの膵
臓が必要である。さらにグルカゴンはタンパク質加水分
解による分解を受けやすいので膵臓抽出物からの生成物
は不均質であり、膵臓のグルカゴン含有物の約1/4が得
られるだけである。
ヨーロッパ特許第81302978号からは、グルカゴンの断片
または誘導体は次の一般式で知られている: R1−R2 (II) (式中、R1はHis-Ser-Gln-Gly-Thr-Phe-Thr-Ser-Asp-Ty
r-Ser-Lys-Tyr-Leu-Asp-Ser-Arg-Arg-Ala-Gln-Aspを表
わし、R2はOH、ペプチド鎖‐Phe-Val-Gln-Tvp-Leuもし
くは‐Met-Asn-Thrまたは最後に言及した2つのペプチ
ド鎖と同一であるがただしこれらの2つのペプチド鎖の
アミノ酸1個以上が省略された相当するペプチド鎖を表
わす。) 式IIで表わされる化合物はグルカゴンと同じ鎖痙作用と
同じ胃酸分泌抑制作用を有するが、しかしわずかの代謝
作用を示すかまたは全く示さない。それゆえ、式IIで表
わされる化合物は鎖痙作用または胃酸分泌抑制が所望さ
れる場合のみグルカゴンより優れていると思われる。
式IIで表わされる化合物は、天然グルカゴンからまたは
ペプチド合成で一般に知られているより困難な方法によ
って調製されうる。式IIで表わされる好ましい化合物は
グルカゴン(1−21)である。
本明細書においてグルカゴンの後の括弧内の数字はアミ
ノ酸の数を示す。天然グルカゴンは29個のアミノ酸を有
し、これはグルカゴン(1−29)(または単にグルカゴ
ン)とする。グルカゴン(1−21)は天然産生グルカゴ
ンの最初の21個のアミノ酸残基を含む等である。
本発明の目的は、組換えDNAの技術を用いてグルカゴン
またはその断片もしくは誘導体を調製するためのより有
利な工業的方法を提供するものである。
〔発明の概要〕
本発明は、グルカゴンおよびその誘導体(グルカゴン
(1−21))が、このような産物をコードするDNA配列
で形質転換された酵母株培養液の上清中に均質物質とし
て高収率で表わされるという驚くべき発見に基づく。
本発明の第一の観点によれば、グルカゴンまたはその断
片もしくは誘導体をコードする遺伝子からなる複製可能
な発現ビヒクルを有する酵母株を適当な栄養培地中で培
養し続いて培養培地から発現産物を回収することからな
るグルカゴンまたはその断片もしくは誘導体の高収率産
生法を提供するものである。
グルカゴン(1−29)をコードする遺伝子は合成遺伝子
であるかまたはグルカゴンのCDNAクローンもしくはグル
カゴンのゲノムクローンから誘導されてもよい。
好ましいグルカゴンまたはその断片もしくは誘導体は、
適当な酵母DNA発現ビヒクルに所望産物をコードする合
成遺伝子を挿入し、適当な酵母宿主株を発現ビヒクルで
形質転換し、形質転換微生物を培養した後発現した産物
を培養ブイヨンから回収することにより調製される。
本発明の第二の観点によれば、酵母においてグルカゴン
またはその断片もしくは誘導体の発現をコードする合成
遺伝子からなるDNA配列を提供するものである。
本発明の第三の観点によれば、酵母において安定な維持
をもたらす複製システムおよびグルカゴンまたはその断
片もしくは誘導体をコードするDNA配列からなる複製可
能な発現ビヒクルを提供するものである。
本発明の第四の観点によれば、酵母においてグルカゴン
またはその断片もしくは誘導体を発現しうる複製可能な
発現ビヒクルを含む形質転換酵母株を提供するものであ
る。
適当な酵母宿主を上記の発現ビヒクルで形質転換するこ
とにより所望産物が高収率で産生される。驚くべきこと
に形成されたグルカゴンまたはグルカゴン断片は非常に
均質であり、培養の間に酵母により産生した酵素による
グルカゴンの17番目と18番目の二塩基性アミノ酸列Arg-
Argの開裂は全く見られない。酵母がこのような対にな
った塩基性アミノ酸部位を特異的に開裂するトリプシン
様エンドペプチダーゼを産生することは知られているの
で、このようなことは非常に驚くべきことである。な
お、2個の塩基性アミノ酸から成る部位を特異的に切断
する酵母由来の酵素は、例えばCell Vol.30,p933−943
(1982),Cell Vol.37,p1075−1089(1984)、ヨーロッ
パ特許出願公告EP0,116,201B1等に記載されている。
次に本発明を図面を用いて説明する。第1図はプラスミ
ドpMT290の構築を示す図式、第2図はプラスミドpMT54
4,pKFN6およびpMT612の構築を示す図式、第3図はプラ
スミドpKFN23の構築を示す図式、第4図および第5図は
プラスミドpMT544からの一定配列のインビトロ変異誘導
を示す図式、第6図は純粋な本物のグルカゴン添加前ま
たは添加後の酵母上清のHPLC分折曲線を示し、第7図は
濃縮DEAE漏出液(breakthrough)の調製用分別グラフを
示す。
〔好ましい実施態様の記載〕
上記アミノ酸配列(I)からグルカゴン(1−29)をコ
ードする合成遺伝子、アミノ酸コドン好ましくは酵母に
おけるタンパク質の高発現に用いられるアミノ酸コドン
の使用により幾つかのオリゴヌクレオチドから構築され
た〔ベネッツェン ジエイ.エルら(Bennetzen J.L.et
al),(1982)、ザ ジャーナル オブ バイオロジカ
ル ケミストリィ(The Journal of Biological Chemis
try),257,3026−3031〕。さらに制限酵素識別部位を分
子の適当な部分に入れて遺伝子を特異的に切り出し特性
決定と変異誘発を助けることができる。連結反応および
反応の埋め合わせ(filling in reactions)を妨害する
可能性のある二次構造を避ける試みがなされた。
グルカゴンの断片または誘導体についてコードする合成
遺伝子をグルカゴン(1−29)遺伝子から構築すること
ができる。グルカゴン(1−21)をコードする合成遺伝
子は、グルカゴン(1−29)遺伝子においてグルカゴン
(16−29)に相当する制限断片をグルカゴン(16−21)
に相当する合成DNA断片で置換することにより構築され
る。合成グルカゴン(1−29)遺伝子から他のグルカゴ
ン断片または誘導体をコードする合成遺伝子を調製する
ことまたはこのような産物に対する全遺伝子のオリゴヌ
クレオチド合成によりどのようにしてこのような断片ま
たは誘導体に対する合成遺伝子を調製するかは当業者に
とって明らかであろう。
グルカゴン(1−29)の遺伝子はcDNAグルカゴンクロー
ンから誘導することもできる。ウシ膵臓プレプログルカ
ゴンcDNAを単離し配列する〔エル・シイ・ロペズら(L.
C.Lopez et.al),(1983)、プロシーディング オブ
ナチュラル アカデミィ オブ サイエンス オブ
ユーエスエー(Proc.Natl.Acad.Sci.USA),80,5485−54
89〕。このプレプログルカゴンcDNAは、シグナル・もし
くはプレ−ペプチド、NH2末端ペプチド、グルカゴンお
よび2つのカルボキシ末端グルカゴン様ペプチド(GLP-
1およびGLP-2)をコードする。本発明の目的のためにグ
ルカゴン配列は合成cDNAから切り出され、特異的変異誘
導を位置させることによりThr(29)のコドンの後に停
止コドンを有するようにしてもよい。
発現されたタンパク質をたとえば内在酵素によるインビ
ボ分解に対して保護する機能または発現されたタンパク
質を原形質膜空間へ輸送し最後には細胞壁を通過して培
養培地へ輸送するために必要な情報をもたらす機能を有
する別のタンパク質をコードするDNA列に、所望産物の
遺伝子を融合させてもよい。
遺伝子が融合生成物として発現される場合には、このよ
うな融合産物からグルカゴン部分を分割する手段が提供
されるべきである。このような目的のために、選択的分
割部位を有するアミノ酸配列をコードするコドンを、別
のタンパク質をコードするDNA列と所望産物の遺伝子と
の間に挿入する。別のタンパク質は、形質転換微生物自
体により所望産物の分泌の間に分離される。たとえば2
個の塩基性アミノ酸(たとえばLys-Lys、Arg-Arg、Lys-
ArgまたはArg-Lys)をコードするコドンをグルカゴンの
N-末端に隣接して挿入する場合には、これら塩基性アミ
ノ酸とグルカゴン間のペプチド結合は分泌の間に酵母に
より分割されうる。
別のタンパク質が後に酵素的または化学的手段により余
分なアミノ酸配列を分離するために所望タンパク質のN-
末端に隣接して選択的分割部位を有するならば、所望タ
ンパク質をこの所望タンパク質のN-末端と連結した別の
タンパク質配列とともに分泌することもできる。
分泌のために別のDNA配列はシグナルペプチドをコード
しうる。別のDNA配列はさらにリーダーペプチド配列を
コードしうる。シグナルおよびリーダーペプチドは細胞
から形質発現タンパク質産物が分泌される間に形質転換
微生物により分割除去され、より簡単な所望産物の単離
方法が確保される。酵母に対する非常に好適なリーダー
ペプチド系は酵母MFα1リーダー列またはその一部であ
る〔クリジャン,ジェイ.(Kurjan,J.)およびヘルス
コウィツ,アイ.(Herskowitz,I.),セル(Cell)30
(1982)933-943〕。しかしながら酵母において分泌を
もたらすいかなるシグナル−またはリーダー配列も使用
することができ、本発明は特定の分泌系に限定されるも
のではない。
発現の目的で、プロモーター配列が所望タンパク質産物
に対するDNA配列の上流に位置する。酵母宿主微生物固
有の遺伝子からのプロモーター、すなわちTPI-(トリオ
ースホスフェート異性化酵素)遺伝子プロモーターが用
いられる。所望産物のDNA配列の後には、転写ターミネ
ーター配列、好ましくは宿主酵母微生物固有の遺伝子か
らのターミネーター配列すなわちTPI−遺伝子またはMF
α1−遺伝子のターミネーターが続くであろう。
適当なプロモーター,リーダーおよびターミネーター配
列と融合する所望タンパク質産物をコードするDNA配列
は、酵母において所望タンパク質産物の形質発現のため
の発現ビヒクルに挿入される。
発現ビヒクルは酵母において複製しうるプラスミドまた
は酵母の染色体へ組込まれうるプラスミドである。この
プラスミドは、宿主細胞の生存率または正常増殖に必須
の遺伝子、すなわち細胞分割、細胞壁生合成、タンパク
質合成等をコードする遺伝子を入れることにより宿主微
生物のプラスミド損失に対し安定化されるのが好まし
い。
〔詳細な記載〕
グルカゴン(1−29)合成遺伝子は、連結反応とこれに
続く部分的二重鎖構造の酵素による閉鎖により、幾つか
のオリゴヌクレオチドから構築される。
オリゴヌクレオチドはシリカ支持体においてホスホアミ
ダイト化学(phosphoramidite chemi-stry)を用いて自
動DNA合成機において合成される〔エス.エル.ビュウ
ケージ(S.L.Beaucage)とエム.エイチ.カルサーズ
(M.H.Caruthers)(1981)テトラヒドロン レターズ
(Tetrahydron letters)22,1859−1869)かまたはジ−
およびトリヌクレオチド ブロックに接近するホスホト
リエステルおよびポリスチレン支持体を用いる半自動的
カラム合成により合成される〔エイチ.イトウ(H.It
o),ワイ.イケ(Y.Ike),エス.イカタ(S.Ikata)
およびケイ.イタクラ(K.Itakura)(1982),ヌクレ
イック アシド レス(Nucleic Acids Res.)10,1755
−1769〕。連続的カップリング反応によりより小さい単
位からオリゴヌクレオチドを合成することは当業界では
公知である。グルカゴン(1−29)をコードする合成遺
伝子は次のように合成される: 33mer(I): GAGCACTCTCAGGGTACCTTCACTTCTGACTAC(1) を、13mer(III): ATTTAGAGTAGTC (III) の存在下に33mer(II): TCTAAATACTTGGACTCTAGAAGAGCCCAAGAC(II) と連結すると66-mer(I-II): が得られる。
さらに、73-merが、33-mer(II)の存在下に13-mer(II
I)、16-mer(V): CTTCTAGAGTCCAAGT (V) と44-mer(IV): CCGAAGCTTAGGTGTTCATCAACCATTGGACGAAGTCTTGGGCT(IV)
とを連結することにより合成され、73-mer(III-V-I
V): が得られる。
3′末端が39塩基にわたって相補性である66-mer(I-I
I)と73-mer(III-V-IV)をアニールし、3′−末端を
酵素により延長し、その結果得られる100bpの二重鎖DNA
分子を編入した制限部位とともに次に示す(大文字:化
学合成,小文字:酵素による延長): 合成遺伝子のKpn1−Hind3断片とT4リガーゼを用いてプ
ラスミド(Kpn1とHind3で切断されたpLa C48)に挿入す
る。連結反応を用いてコンピテント大腸菌細胞を形質転
換する。酸度形質転換後、グルカゴン(4−29)に対す
る正しい配列を有する形質転換細胞(pKFN4)が同定さ
れる。
合成グルカゴン(1−3)配列を有する酵母プラスミド
中にグルカゴン(4−29)遺伝子を挿入することにより
グルカゴン(1−29)をコードする合成遺伝子を構築す
る。連結はKpn1−部位で生じる。
グルカゴン(1−21)をコードする合成遺伝子(1−2
1)は、グルカゴン(16−29)に相当するXba1−Hind3断
片をグルカゴン(16−21)に相当する合成Xba1−Hind3
断片に置換することによりグルカゴン(1−29)遺伝子
から構築される: プラスミド構築 グルカゴンの最初の4つのアミノ酸をコードしKpn1位置
で終わる合成オリゴヌクレオチドを、MFα1リーダー配
列の後で酵母ベクターに入れる〔ジェイ.クリジャン
(J.Kurijan)とアイ.ヘルスコウィッツ(I.Herskowit
z)、ストラクチュア オブ ア イースト フェロモ
ン ジーンMFα(Structure of a Yeast pheromone Gen
e MFα):ア ピュータティブ アルファーファクター
プレカーソル コンテインズ フォアタンデム コピ
ーズ オブ マチュア アルファーファクター(A Puta
tive α‐Factor Pre-cusor Dontains four Tandem Cop
ies of mature α‐Factor),セル(Cell)30(1982)
933−943〕。
α−ファクターリーダーの最後のもとからのHind3位置
をカップリングにより破壊する。
カップリングは次のように示される: 得られるプラスミドpMT290は、MFα1リーダーのLys-Ar
g-Glu-Ala-Glu-Alaの後に直ちに置かれたグルカゴン遺
伝子のプロモーター近接部を有し、TPIプロモーター(T
PIp)で制御される。このプラスミドはプラスミドpKFN4
からのグルカゴン(4−29)に対する配列の挿入に適す
る。しかしながらこのプラスミドは転写終結のいかなる
酵母シグナルをも含まない。このような終結部位はクロ
ーンタンパク質の収率を10倍ほど増加すると報告されて
いる〔ジェイ.メローら(J.Mellor et.al)、ジーン
(Gene)24(1983)1-14〕。それゆえ酵母発現ベクター
pMT544においては、pMT409からのα−ファクター転写タ
ーミネーター(MFα1T)配列をグルカゴン挿入部の後
に入れる。
TPIp‐MFα1リーダー・グルカゴン(1-29)‐MFα1T
に対する挿入コードを有するプラスミドpMT544はいまだ
にN−末端Glu-Ala-Glu-Ala延長をコードする配列を含
み、これは我々の構築においては酵母により分子の約1/
3が除去されるだけである。MFα1リーダーのC−末端G
lu-Ala-Glu-AlaをコードするDNA配列は、インビトロの
欠失突然変異誘発によりpMT544から除かれる。得られる
酵母発現プラスミドpKFN6はTPIp‐MFα1リーダー(Glu
-Ala-Glu-Alaを引く)‐グルカゴン(1−29)−MFα1
Tに対する挿入コードを含む。
好ましい構築において、この発現単位は安定で高いコピ
ー数の酵母プラスミドCPOT(ATCCNo.39685)へ移され、
これは増殖培地においてグルコースの存在により単に選
択されるだけである。得られるグルカゴン(1−29)に
対する酵母発現プラスミドはpMT612の番号が付けられ
る。
TPIp‐MFα1リーダー(Glu-Ala-Glu-Alaを引く)−グ
ルカゴン(1−21)−MFα1Tに対する挿入コードを含
むプラスミドは、pKFN6から、グルカゴン(16−21)を
コードするXba1−Hind3断片をグルカゴン(16−29)を
コードする合成Xba1−Hind3断片に置き換えることによ
り構築される。
好ましい構築において、上記発現単位は酵母プラスミド
CPOT(ATCCNo.39685)へ移される。得られるグルカゴン
(1−21)に対する酵母発現プラスミドはpKFN23の番号
が付けられる。
形質転換 プラスミドpMT612は、グルコースにおける増殖に対し選
択することによりトリオースホスフェートイソメラーゼ
(TPI)遺伝子に欠失を有する酵母(S.cerevisiae)株
へ形質転換する。このような株は、一般に、単独炭素源
としてのグルコースでの増殖が不安定であり、ガラクト
ースラクテート培地で非常にゆっくり増殖する。この欠
陥は、TPI遺伝子における突然変異のためであり、これ
は欠失によりまたはこの遺伝子の大部分を酵母(S.cere
visiae)LEU2遺伝子で置き換えることにより得られる。
増殖欠失のために、TPIをコードする遺伝子を含むプラ
スミドに対し強い選択性がある。pMT612はスキゾサッカ
ロマイセスポンベ(Schizo.pombe)TPI遺伝子を有す
る。
プラスミドpMT544を、ロイシンプロトロフィに選択する
選択性により酵母(S.cevevisiae)LEU2突然変異株へ形
質転換する〔エー・ヒンネン(A.Hinnen)、ジェイ.ビ
ィ.ヒックス(J.B.Hichs)およびジィ.アール.フィ
ンク(G.R.Fink)、“トランスフォーメーション オブ
イースト(Transformation of Yeast)”、プロシー
ディング オブ ナチュラル アカデミィ オブ サイ
エンス,75,(1978),1929〕。
プラスミドpKFN23を、グルコース増殖に対する選択性に
よりTPI遺伝子に欠失を有するエス.セレヴィシアエ
(S.cerevisiae)株へ形質転換する。移された株KFN31
は別な用途のために選択される。
プラスミドpMT612を有する形質転換株MT615は、出願人
により、D−3400ゲッチンゲン、グリースバッハストラ
ーセ8のドイチェ サムラング フォン ミクロオルガ
ニスメニン(Deutsche Sammluvg von Mikroorganisme
n)(DSM)に1985年1月10日に寄託され、寄託番号DSM3
184が付された。
株KFN31は、出願人により1985年12月13日にDSMに寄託さ
れ、寄託番号DSM3608が付された。DSMは1977年のブダペ
スト条約により権限を与えられた国際寄託機関であり、
上記条約のそれぞれ9条と11条にしたがって上記寄託物
の永続性と公衆によるこれらの取得を保証するものであ
る。
実験 例1. オリゴデオキシリボヌクレオチド合成 保護されたデオキシリボヌクレオシド3′−p−クロロ
フェニルホスフェートならびに保護されたジ−およびト
リヌクレオチド3′−p−クロロフェニルホスフェート
に記載されているように調製する〔ジィ.アール.ゴッ
フ(G.R.Gough)、ケイ.ジェイ.コリー(K.J.Collie
r)、エイチ.エル.ワイス(H.L.Weith)およびピー.
ティ.ギルハム(P.T.Gilham)(1979)ヌクレイック
アシド リサーチ(Nucleic Acids Research)7,1955−
1964〕。
ピリジンを還流し次いで水素化カルシウムから留出する
ことにより無水物にする。
ホスホトルエステルの接近によりオリゴヌクレオチド合
成に対する支持体は、3′−O−スクシニル基を介して
アミノメチル化1%架橋ポリスチレンビーズ(バッケム
Bachem)と結合する完全に保護されたジオキシリポヌク
レオシドである。
33-mer(I)の合成を、カラム(オムニフィットOmnifi
t,6.5mm内径)に充てんしたDMTr-dABz‐ポリマー3μモ
ルで開始する。HPLCポンプ(コントロンKontron LCポン
プ410)および6個の出口を有する空気作動性回転弁
(レオダインRheodyne5011型)を介した制御装置(コン
トロン プログラマーKontron Programmer200型)を用
いてカラムへ溶媒と反応物を流す。最初のサイクルは、
トリクロロ酢酸の10%クロロホルム溶液でジメトキシト
リチル基を除去し続いてクロロホルムとピリジンで洗浄
することからなる。カップリング反応は、無水ピリジン
中に0.1Mジメトキシトリチル チミジン3′−O−p−
クロロフェニルホスフェート、0.3M 1−メシチレンス
ルホニル−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾールおよび1M
N−メチルイミダゾールを手動により注入することで
行なわれる〔ビー.エス.スプロート(B.S.Sproat)お
よびダブリュ.バンワース(W.Banwarth)(1983)テト
ラヘドロン レターズ(Tetrahadron Letters)24,5771
−5774〕。室温で30分間カップリング後、ポリマーをピ
リジンとクロロホルムで洗う。サイクル時間は85分であ
った。同様な方法で、保護されたジ−およびトリヌクレ
オチド3′−O−p−クロロフェニルホスフェートを、
支持体上で成長するオリゴヌクレオチドに連結する。完
全に保護された33-merを部分的に脱保護化し、37℃で24
時間ピリジン−水(4:1)中の0.5Mテトラメチルグアニ
ジニウム ピリジン−2−アルドキシメートで処理する
ことにより支持体から分割する〔シィ.ビィ.リーセ
(C.B.Reese)、アール,シィ,チトマス(R.C.Titma
s)およびエル.ヤウ(L.Yau)(1978)テトラヘドロン
レターズ,2727−2730〕。24時間55℃にて濃アンモニ
アで処理することにより塩基性保護基を除去する。最後
に、室温で30分間80%酢酸水溶液で処理することにより
ジメトキシトリチル基を除く。記載されているようにC1
8カラム中でHPLCにより33-mer(I)を精製する〔エイ
チ.ジェィ.フリッツ(H.J.Fritz)、アール ベラガ
ジュ(R.Belagaje)、イー.ブラウン(E.Brown)、ア
ール.エイチ.フリッツ(R.H.Fritz)、アール.エ
ー.ジョンズ(R.A.Jones)、アール.ジィ.リーズ
(R.J.Lees)およびエイチ.ジィ.コーラナ(H.J.Khor
ana)(1978)バイオケミストリィ(Biochemistry)、1
7,1257-1267〕。
同様な方法で13-mer(III)、16-mer(V)、44-mer(I
V)が合成され、α−ファクターリーダー配列とグルカ
ゴン(1−29)遺伝子の融合に対する合成グルカゴン
(1−4)リンカーとして2つのオリゴヌクレオチド
(10-merと18-mer)が使用される。33-merII、グルカゴ
ン(1−21)の遺伝子構築に用いられる2個の19-merお
よび26-mer突然変異誘発性欠失プライマーは、自動DNA
合成機(アプライド バイオシステムズApplied Biosys
tems380A型)中でホスホラミジト ケミストリィおよび
市販されている反応物を用いて合成される。
例2. グルカゴン(4-29)をコードする遺伝子の合成オリゴヌ
クレオチドを記載されているように5′‐末端でラベル
する〔ケイ.ノリス(K.Norris)、エフ.ノリス(F.No
rris)、エル.クリスチャンセン(F.Christiansen)お
よびエヌ.フィール(N.Fiil)(1983)ヌクレイック
アシド リサーチ(Nucleic Acids Research)11,5103
−5112〕。
水10μl中のIおよび5′‐32P‐標識化IIのそれぞれ1
0ピコモルとIII20ピコモルの混合物を5分間60℃で加熱
し氷中で急冷する。132mMトリス‐Hcl(pH7.4)10μ
l、20mM MgCl2、2mM ATP、20mM DTT、100μg/mlゼラチ
ンおよび0.5μlT4リガーゼ(200単位)を加える。16℃
で2.5時間連結反応を行ない、ここで約2/3が連結する。
得られる66-mer(I-II)をPAGE変性および緩衝液溶出に
より精製する。
同様に5′‐32P‐標識化V20ピコモルを、16℃にて2.5
時間II25ピコモルの存在下に5′‐32P‐標識化(III)
20ピコモルとIV20ピコモルと連結する。得られる73-mer
(III-V-IV)をPAGE変性および緩衝液溶出により精製す
る。
9μlの50mMトリス‐HCl(pH7.8)、5mM MgCl2、10mM
DTTおよび50μg/mlゼラチン中の(I-II)および(III-V
-IV)それぞれ2ピコモルを80℃にて3分間加熱し、次
いで30分間かけて45℃まで冷却する。45℃で15分間アニ
ーリングした後、反応混合物を16℃まで冷却し1μl dN
TP-mix(dATP,dCTP,dGTP,dTTPそれぞれ5mM)と1μl DN
AポリメラーゼI、クレノウフラグメント(3.5単位)を
加える。反応における充てんが16℃で60分間進められ、
次いでフェノール抽出により単離され、エタノールで析
出される。DNAはKpn1とHind3を消化し、プラスミドpLaC
48(独自のKpn1とHind3部位を有するpBR322の誘導体)
からの大きなKpn1-Hind3断片と連結する。
連結混合物をアンピリシン耐性を選択するコンピテント
大腸菌細胞へ形質転換させる。制限酵素分析(Xba1、Kp
n1およびHind3)およびDNA配列〔エー・マキサム(A・
Maxam)およびダブリュ・ギルバート(W.Gilbert)(19
80)メソード エンザイモール(Methods Enzymol-)6
5,499−560〕により、合成グルカゴン(4−29)遺伝子
を含むプラスミドpKFN4を有するコロニーが同定され
た。
実施例3 グルカゴン(1−29)の発現に対する酵母プラスミドの
構築 プラスミドp285を制限酵素Xba1で切断し、次いでクレノ
ウポリメラーゼとデオキシリボヌクレオチドトリホスフ
ェートで処理することによりブラントエンドする。フェ
ノールで抽出しエタノールで析出させ再懸濁後、DNAをH
ind3で切断し10.5kb断片を単離する。この断片は、TPI
プロモーター〔ティ.アルバー(T.Alber)とジィ,カ
ワサキ(G.Kawasaki)、ジャーナル オブ モレキュラ
ー アプライド ジェネト(J.Mol.Applied.Genet.)、
1(1982),419−434〕とMFα1リーダー配列を有す
る。p285の構築は米国特許出願S.N.547,748(1983年11
月1日)に記載されている。p285は挿入TPIp‐MFα1リ
ーダーB−C−A−TPITを有し、酵母株Z33(ATCCNo.20
681)で寄託される。プラスミドpBoe15(kpn1部位を含
む合成Hinc2,Hind3挿入部を備えたpUC8の誘導体)を制
限酵素Nde1で切断し、上述のようにクレノウポリメラー
ゼを用いてブラント−エンドし、Kpn1で切断し、最後に
0.3kbの断片を単離する。上述したように調製された合
成グルカゴン(1−4)リンカーを用いて、pUC8挿入部
のKpn1部位をMFα1リーダー配列の263位のHind3部位と
接続することにより、これら2つの断片を連結する。多
重コピーの挿入を避けるために、リンカーを連結前にホ
スホリル化しない。MFα1リーダーの最後の固有Hind3
部位はリンカーによって改質されない。連結混合物をア
ミピシリン耐性要求大腸菌へ形質転換する。
所望の制限パターンを含むプラスミド、pMT290(第1
図)が得られる。
グルカゴン(1−29)をコードする完全な遺伝子および
遺伝子に続く転写終結配列をも含む発現プラスミドを得
るために、pMT290からの6.5kb Xho1−Kpn1断片をpMT409
(0.7kb Xba1−BamH1欠失を有するpMT183)からの5.1kb
Hind3−Xbho断片およびpKFN4からのグルカゴン(4−2
9)をコードする合成kpn1−Hind3断片と連結する。プラ
スミドpMT183は2.1kb Sph1−BamH3挿入部を含むYEP13の
誘導体である。挿入部はスキゾサッカロマイセス ポン
ベ(Schizzosaccharomycespombe)からのアルコールデ
ヒドロゲナーゼプロモーターの制御下にエス・セレヴィ
シアエ(S.cerevisiae)のMFα1遺伝子の発現をコード
する。そのBamH3隣接部における挿入部はまた転写終結
を特定するMFα1遺伝子からの配列をも含む。連結混合
物をアンピシリン耐性を選択する大腸菌へ形質転換す
る。得られるプラスミドの1つ、pMT544(第2図)はグ
ルカゴン(1−29)の発現をコードする予想された制限
パターンを示すが、まだN-末端Glu-Ala-Glu-Ala伸展部
をコードする配列をも有する。Glu-Ala-Glu-Alaをコー
ドする配列をインビトロ変異誘発によりpMT544から除く
とpKFN6が得られる。pMT544をグルカゴン遺伝子におけ
る固有のXba1部位で切断することにより直線化する。Ex
o IIIヌクレアーゼ処理により得られた二重鎖DNAの3′
−末端から5′−モノヌクレオチドを除去する。Exo II
Iヌクレアーゼ処理を23℃で行ないこの条件下で線状プ
ラスミドの各3′−末端から約250個のヌクレオチドが
除かれる〔エル・グオ(L.Guo)およびアール・ダブリ
ュユー・(R.WU.)(1983),メソード イン エンザ
イモロジィ(Methods in Enzymology)100,60−96〕。
キナーゼ化26-mer変異誘発性欠失プライマーd(CTTTGG
ATAAAAGACACTCTCAAGGT)を突然変異位置までアニールす
る(第4図)。クレノウポリメラーゼを用いた充てんと
T4リガーゼを用いた連結により二重鎖環状DNAが作られ
る。グルカゴン遺伝子における最初のXba1部位はクレノ
ウ充てんとそれに続く連結により破壊される。大腸菌
(MT172)の形質転換後、5′‐32P‐標識化26mer欠失
変異誘発性プライマーを用いてコロニーハイブリッド法
により突然変異体が同定される。8個の突然変異体から
のプラスミドをKpn1+Pst1消化により分析し、これによ
り12個の塩基の予想された欠失が確認される。8個の突
然変異体のうち3個は“純粋な”突然変異体であるがこ
れらからのプラスミドはそれにもかかわらず再度大腸菌
(MT172)へ形質転換される。
pMT544からの4.4kb BamH1−Xho1および0.9kb BamH1−Xp
n1断片(グルカゴン(4−29)遺伝子を含む)を12bp欠
失を有する2つのプラスミドからの6.6kb Xho1−Kpn1断
片と連結することにより、グルカゴン遺伝子における破
壊されたXba1部位を再構築する(第5図参照)。
2つの連結混合物を形質転換に使用する〔大腸菌(MT17
2)と形質転換細胞から単離されたプラスミドをXba1部
位(Xba1+EcoR1消化)の存在についてスクリーニング
する〕。4個のプラスミドからのXba1−Sall断片のDNA
配列決定により欠失を確認する〔エイ・マクサム(A.Ma
xam)とダブリュ・ギルバート(W.Gilbert)(1980)メ
ソード イン エンザイモロジィ(Methods in Enzymol
ogy)65,499−560〕。別の用途のために1つのプラスミ
ド、pKFN6が選択される。
TPIp‐MFα1リーダー(Glu-Ala-Glu-Alaを引く)−グ
ルカゴン(1−29)−MFα1Tを含むpKFN6からの2.1kb B
amH1-Sph1(部分)断片を、エス・ポンベ(S.pombe)を
含むプラスミドCPOTの約11kb BamH1-Sph1断片に連結す
る。連結混合物をアンピシリン耐性選択性大腸菌へ形質
転換する。得られたプラスミドはpMT612であった(第2
図参照)。
例4. グルカゴン(1−21)の発現に対する酵母プラスミドの
構築両方ともpKFN6からの0.9kb BamH1-Hind3断片と11kb
Xba1-BamH1段片をグルカゴン(16−21)をコードする
合成の19bp Hind3-Xba1断片に連結する(上記参照)。
連結混合物をアンピシリン耐性選択性大腸菌(MT172)
へ形質転換する。12個の形質転換体からのプラスミドを
BamH1+Xbal1消化により分析する。プラスミドの1つか
らの2.1kb BamH1-Sph1(部分)断片をエス・ポンベTPI
遺伝子を含むプラスミドCPOTからのほぼ11kb BamH1-Sph
1断片と連結する。連結混合物をアンピシリン耐性選択
性大腸菌(MT172)へ形質転換する。
制限酵素分析(BamH1+Xba1およびHind3+Pst1)および
0.7kb32P‐標識化Sal1-Sph1断片のDNA配列決定により、
合成グルカゴン(1−21)含有プラスミドpKFN23を有す
るコロニーが同定される。
例5. 酵母株MT556におけるグルカゴン(1−29)の発現 エス・セルヴィシアエ株362(leu2)をO.D.600が2.1に
なるまでYPD培地〔シャーマンら(Sherman et.al.)、
メソード イン イースト ジェネティックス(Method
s in Yeast Genetics)、コールド スプリング ハー
バー ラボラトリイ(Cold Spring Harbor Laborator
y),1981〕で増殖する。培養液100mlを遠心分離により
採取し、水10mlで洗い、再度遠心分離し、(1.2Mソルビ
トール、25mM Na2EDTA pH=8.0、6.7mg/mlジチオトレイ
トール)10mlに再懸濁する。懸濁液を30℃で15分間イン
キュベートし、遠心分離し、細胞を(1.2Mソルビトー
ル、10mM Na2EDTA、0.1Mクエン酸ナトリウムpH=5.8、2
mgノボザイムNovozym 234)の10mlに再懸濁する。懸濁
液を30℃で30分間インキュベートし、細胞を遠心分離に
より集め、1.2Mソルビトール10mlとCAS(1.2Myソルビト
ール、10mM CaCl2、10mMトリス(トリス=トリス(ヒド
ロキシメチル)−アミノメタン)pH=7.5)10ml中で洗
い、CAS2mlに再懸濁する。形質転換のためにCAS−再懸
濁細胞0.1mlをほぼ1μgのプラスミドpMT544と混合
し、室温で15分間放置する。(20%ポリエチレングリコ
ール4000、10mMCaCl2、10mMトリスpH=7.5)の1mlを加
え、混合物をさらに30分間室温で放置する。混合物を遠
心分離し、ペレットをSOS(1.2Mソルビトール、33%v/v
YPD、6.7mMCaCl2、14μg/mlロイシン)の0.1ml中に再懸
濁させ、30℃で2時間インキュベートする。次いで懸濁
液を遠心分離し、ペレットを1.2Mソルビトール0.5ml中
に再懸濁させる。寒天上層〔シャーマンらのSC培地(メ
ソード イン イースト ジェネティックス,コールド
スプリング ハーバー ラボラトリィ,1981)、ロイ
シンを排除し、1.2Mソルビトール+2.5%寒天を含むも
の〕6mlを52℃で加え、この懸濁液を同種の寒天固化ソ
ルビトール含有培地を含むプレートの上面に注入する。
30℃にて3日後形質転換コロニーを選び、再単離し、液
状培養を開始するのに使用する。このような形質転換体
の1つMT556(=MT362/pMT544)をさらに特性決定のた
めに選択する。
株MT566を、ロイシンを含まない合成の完全培地SC(シ
ャーマンら、メソード インイーストジャネティック
ス、コールド スプリング ハーバー ラボラトリィ、
1981)で増殖する。2lの流れ防止フラスコ中の1培養
液を30℃で攪拌してO.D.600nm7〜10までとなるようにす
る。次いで培養物を遠心分離し、さらに別の分析のため
に上清を除く。
抗グルカゴン血清K−6248を用いたラジオイムノアッセ
イによりMT556からの上清中でグルカゴン様免疫活性(G
LI)を測定する〔ヘデイング エル.ジィ.(Heding
L.G.)、(1983)ハンドブック オブ エクスペリメン
タル ファルマコロジィ(Handbook of Experimental P
harmacology)、グルカゴンI;ピィ.ジェイ.レフェブ
レ(P.J.Lefebvre)編、スプリンガー フェアラーク
(Springer Verlag)pp189−202〕。この抗体はグルカ
ゴン分子の中心にある配列を識別する。
形質転換酵母細胞における免疫活性グルカゴン(1−2
9)の発現レベルは177ナノモル/l上清である。
GLI−ペプチドをMT556上清から回収する。上清800mlへ
125I‐グルカゴントレーサーと96%エタノールをアルコ
ール濃度5%(v/v)が得られるまで添加する。上清を
セプ‐パック(Sep-Pak) カラム(ウォーターズWater
s)で濃縮し、上清533mlに相当する濃縮液の2/3を抗グ
ルカゴンイムノソルベントカラムで精製する。
抗グルカゴンカラムからの溶出液を、10μウォーターズ
ミクロボンドパック(μBondopak)C−18カラム(3.
9×300mm)中HPLCで分別する。A緩衝液およびB緩衝液
は、それぞれ0.1%TFA(H2O)と0.07%TFA(MeCN)であ
る。カラムを25%B(流速:1.5ml/分)で平衡化し、ペ
プチドをMeCNの直線状勾配(1%/分)で溶出し、276n
mで検出する。
GLIに相当するピークが膵臓グルカゴン1−29標準物と
同じ領域で溶出する。この分画を濃縮し、再度溶解し、
アミノ酸配列分析を施す。単離されたペプチドの配列分
析をガスフェーズセクエンサー(Gas Phase Sequence
r)で行なう〔モーディ,エイ・ジェイ・(Moody,A.
J.)、チム,エル・(Thim.L)、ヴァルベルデ.アイ.
(Valverde,I.)フェデレーション オブ ヨーロピア
ン バイオケミカル ソサイアティーズ レター(FEBS
Lett.),172(1984),142−148〕。
次の結果が得られた: 配列決定結果から発現産物は3つのペプチドからなるこ
とがわかる: Glu-Ala-Glu-Ala-グルカゴン(1-29) 33% Glu-Ala-グルカゴン(1-29)および 33% グルカゴン(1-29) 33% 3つのペプチドは示唆した相対量で存在する。
さらにArg-Arg配列はすべての3つのペプチドで損なわ
れていないこともわかる。
例6. 酵母株MT615におけるグルカゴン(1-29)の発現 エス・セレヴィシアエ(S.cerevisiae)株MT501(E2-7B
×E11-3C(a/α,Δti/Δtpi,pep4-3/pep4-3))を、次
の修正を伴なって例4で記載したようにpTM612で形質転
換する:1)形質転換前に株MT501をYPGaL(1%バクト酵
母抽出物、2%バクトペプトン、2%ガラクトース、1
%ラクテート)でO.D.600が0.6になるまで増殖する。
2)SOS溶液はYPDの代わりにYPGaLを含む。1つの形質
転換体MT615(=MT501/pMT612)をさらに特性決定のた
めに選択する。株MT615をMT556について記載したように
ただしYPD培地(シャーマンら、メソード インイース
ト ジェネティックス,コールド スプリング ハーバ
ー ラボラトリィ,1981)で、O.D.600が15になるまで増
殖する。
グルカゴンをMT615上清から単離する。2回単離を行な
う。最初に、上清からのペプチドをメルク(Merck)C18
のカラムに結合し、60%エタノールで溶出し、次いでウ
ォーターズ(Weters)HPLC SPイオン交換体中で分別す
る。この方法では、SP上での分離のためにC18溶出液の
調製の間トレーサーとして用いる125I‐グルカゴンが定
量的に析出するために、部分的に成功するだけである。
第二の方法は、MT615上清液中のペプチドをSPセファデ
ックスに結合し、逆相HPLCにより溶出し分別することで
ある。抗グルカゴン血清K6248およびK5563(これはグル
カゴンのC末端部分を識別する)を用いて〔ヘディング
エル・ジィ・(Heding L.G.)、(1983)ハンドブッ
ク オブ エクスペリメンタル ファルマコロジィ(Ha
ndbook of Experimental Pharmacology)、グルカゴン
I:ピィ.ジェイ.レフェブレ編、スプリンカー フェア
ラーク,pp189-202〕、PIA〔ヘディンツ,エル.ジィ.
(1971)、ラジオロジカル ディターミネーション オ
ブ パンクレアティック アンド ガット グルカゴン
イン プラズマ(Radiological determination of pa
ncreatic and gut gulcagon in plasma)、ダイアベト
ロギア(Diabetologia)7,10-19〕により測定される。
単離1125 I‐豚グルカゴンを900mlのMT615(バッチ1)へ加
え、800mlを次のようにして分別する。試料を5%エタ
ノール溶液に調製し、メルク リクロプレップ(Merck
Lichroprep)C18(25-40μ)の4.8×1.5cmカラムへ約20
0ml/hrで加える。25ミリモル/l・ギ酸アンモニウム、pH
3.5中の5%エタノールおよび同じ緩衝液中の15%エタ
ノール50mlでカラムを洗浄した後、保持されたペプチド
をエタノールの60%ギ酸アンモニウム溶液で溶出する。
粗ペプチドを水で希釈する(イオン強度および有機溶媒
%の両方ともを減じるため)と、125I‐グルカゴンの塊
を含む多量の析出物が形成される。これはpH3−5でのS
Pイオン交換剤の計画的使用を予め排除する。析出物をp
H9.0で溶解し、pH4.0で再度沈でんさせる。ウォーター
ズDEAEイオン交換体中で分別するために、試料を20%ア
セトニトリル中の2.5ミリモル/l・ギ酸アンモニウムpH
7.5に溶かす。試料を施こすと125I‐グルカゴンが結合
しない。それゆえ、DEAEカラムからの漏出液を減圧下に
濃縮し、ヌクレオシル(Nucleosil)5μC18の250×4.6
mmカラム上で逆相HPLCによりペプチドを分別する。
単離2. SPセファデックスC25(適当な特性を有する他のイオン
交換体を使用してもよい)2gを200mlのMT615(バッチ
2)(pHを4.3に調整)へ加え、懸濁液を室温で20分間
攪拌する。SPセファデックスを直径2.5cmのガラス製ク
ロマトグラフィカラム中で去し、25ミリモル/l・ギ酸
アンモニウム、pH3.5の50mlで洗い、結合したペプチド
を500ミリモル/l・ギ酸アンモニウムpH8.4で溶出する。
ヌクレオシルC18の250×4.6mmカラム中で逆相HPLCによ
りこの溶出液からグルカゴンを単離する。
分別の間のグルカゴン様免疫活性(GLI)の分布を、グ
ルカゴン11-15およびグルカゴンのC-末端部を識別する
抗体(それぞれK6248およびK5563)を用いてRIAにより
測定する。
分別におけるHPLC“グルカゴン”の量はHPLCにより評価
される。使用される方法は、グルカゴンを加えることな
く試料を分析し、次いで内部標準グルカゴンを加えて
“グルカゴン”を同定することである。次いで、“グル
カゴン”のUVピークを、試料中のHPLC“グルカゴン”の
量を算定するのに用いる。ピーク高さの算定に対する基
線は“グルカゴン”ピークと隣接するU.V.トレースであ
る。グルカゴン1mg(290ナノモル)/mlが270nmで2.0cm
-1の吸収率を有すると仮定された。
結果 MT615,バッチ1およびバッチ2におけるHPLC“グルカゴ
ン”とGLIの含有量を第1表に示す。
未処理MT615上清(バッチ1)単独のHPLC分析曲線(上
側図)および3μgグルカゴン添加後のHPLC分析曲線
(下側図)を第6図に示す。カラムは、25%アセトニト
リル中の100ミリモル/l・ギ酸アンモニウム、pH3.5で1.
0ml/分にて平衡化されたマーチュレイ‐ナゲル ヌクレ
オシル(Macherey-Nagel Nucleosil)5ミクロンC18、2
50×4.6mmである。2分後、試料をギ酸アンモニウム中
のアセトニリル勾配液で溶出する(3分間25%から30
%、次いで35分間30%から40%)。流出液のUV吸収率を
フルスケール0.08A単位で280nmにて測定する。HPLC“グ
ルカゴン”は上側図にハッチされる。ペプチドピーク
(Rt20.38)がグルカゴンの添加により増加することが
わかり、この物質がHPLC“グルカゴン”ではないかと思
われる。
濃縮されたDEAE漏出液の調製用分別を第7図に示す。HP
LC分離を第6図のように行なうが、ただしU.V.吸収率は
280nm、フルスケール1.28A単位で測定する。上側図は濃
縮DEAE漏出液の調製用HPLC分離を示し、下側図は画分に
おけるGLIの分布を示す。カラムからの流出液を減圧下
に減少させ、凍結乾燥し、GLI分析のために60%エタノ
ール中の0.1%酢酸に溶かす。“グルカゴン"Rt20.51が
完全に配列し、グルカゴンであることがわかる。
分別の間にMT615、バッチ1からの125I‐グルカゴン、H
PLC“グルカゴン”およびGLIの回収を第2表に示し、バ
ッチ2からのHPLC“グルカゴン”の回収を第3表に示
す。
酵母構築物MT615が250-1000ナノモル/l(HPLCで判定さ
れるように)の範囲でグルカゴンを産生することがわか
る。
第3表 MT615,バッチ2からの“グルカゴン”の回収試料 HPLCグルカゴン(nmol) 出発物質(200ml) 192 SP液(215ml) 40(21%)a SP溶出液(18ml) 117(61%) HPLC-C18(1ml) 118(61%) a)“グルカゴン”は非常に低いピークで、定量するの
が難しい。
例7. 酵母株KFN31におけるグルカゴン(1-21)の発現 エス.セレヴィシアエ(S.cerevisiae)株MT663(2/
α,Δtpi/Δtpi,pep4-3/pep4-3)を、例6で記載のよ
うにpKFN23で形質転換する。1つの形質転換体KFN31
(=MT663/pKFN23)をさらに特定決定のために選択す
る。株KFN31をMT613について記載したように(例6参
照)増殖しO.D.600=15とする。
発現レベル 酵母上清中のグルカゴン(1-21)の量を次の方法により
HPLC分析で測定する: 溶媒A:H2O中のトリフロロ酢酸(TFA)0.1%v/v 溶媒B:アセトニトリル(MeCN)中のTFA0.07%v/v カラム:RP-C18ノボ‐パック(Novo-pak) ,5μ,4.6×1
50mm(ウォーターズ) 流 速:1.5ml/分 検 出:280nmにおけるUV-吸収率 溶出方法:0-2 分:10%B/90%Aで平均的溶出 2-22分:10%B/90%Aから 30%B/70%Aへ1%MeCN/分 に相当しながら勾配溶出 標準品:合成グルカゴン(1-21) (ノボ インダストリィA/S) 上記HPLC法において、グルカゴン(1-21)は保持時間1
7.36分で溶出する。異なった量の酵母株KFN31上清を注
入することにより、グルカゴン(1-21)に発現レベルを
測定する:0.88μmol/l(“HPLC"-グルカゴン(1-2
1))。
グルカゴン(1-21)の精製 リクロプレプLichroprep RP-18(メルク,商品.9303)
のカラム(1×9cm)を、60%(v/v)エタノール含有50
mM NH4HCO330mlで洗う。次いでカラムを5%(v/v)エ
タノール含有50mM NH4HCO3で平衡化する。96%エタノー
ル23.5mlを上清450mlへ加え、混合物を一晩カラムへポ
ンプ注入する(流速25ml/h)。
カラムを0.1M NaCl15mlで次いでH2O15mlで洗い、ペプチ
ド物質を60%(v/v)エタノール含有NH4HCO3 50mMで溶
出する。3mlの分画を集める。ペプチド物質が分画No.6
と7に溶出し、これら分画をプールし、減圧遠心分離
〔サバント バキューム セントリフェージ(Savant v
acuum centrifuge)〕により1mlまで濃縮してエタノー
ルを除去する。25mM HEPES緩衝液(pH=7.4)1mlをこの
濃縮液へ加え、これを予め25mM HEPES緩衝液(pH=7.
4)10mlで平衡化した抗‐グルカゴンセファロースカラ
ム(1.5×2.5cm)へ施こす。施用後、カラムを室温で30
分間放置し、その後25mM HEPES緩衝液(pH=7.4)10ml
で洗う。ペプチド物質を20%(v/v)酢酸で溶出し、溶
出液のpHをNH4OHで7.0に調節する。
先きの工程からの溶出液を減圧回転により500μlまで
濃縮し、グルカゴン(1-21)を上述の方法を用いて逆相
HPLCによりさらに精製する。試料をそれぞれ100μl容
量の5つのアリコートに分ける。保持時間17.36分に相
当するピークとして溶出するペプチド物質を集める。ペ
プチド物質を減圧遠心分離により乾燥し、0.1%(v/v)
酢酸100μlに再溶解する。グルカゴン(1-21)の全収
率は85%である。
特性決定 精製されたグルカゴン(1-21)は、アミノ酸分析〔チ
ム,エル.(Thim,L.)およびモーディ,エイ.ジェ
イ.(Moody,A.J.),バイオキミカエ バイオフィジカ
アクタ(Biochim.Biophys.Acta)703(1982)134-14
1〕およびアミノ酸配列分析〔モーディ,エイ.ジェ
イ.,チム.エル、およびヴァルベルデ,アイ.,フェデレ
ーション オブ ヨーロピアン バイオケミカル ソサ
イアティーズ レターズ(FEBSLett.),172(1984)、1
42-148〕により特性決定を行なう。結果をそれぞれ第4
表および第5表に示す。
【図面の簡単な説明】 第1図はプラスミドpMT290の構築を示す図式、 第2図はプラスミドpMT544,pKFN6およびpMT612の構築を
示す面式、 第3図はプラスミドpKFN23の構築を示す図式、 第4図および第5図はプラスミドpMT544からの一定の配
列のインビトロ突然変異誘発を示す図式、 第6図は純粋な真生グルカゴン添加前および後の酵母上
清のHPLC分析曲線を示し、 第7図は濃縮DEAE漏出液の調製用分別グラフを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 99:34 (72)発明者 モーゲンス トリア ハンセン デンマーク国,デーコー‐3650 エルステ イケ,ビンケルバイ 21 (72)発明者 アリステア ジエイムズ モーデイ デンマーク国,デーコー‐2840 ホルテ, セラレド,スロツバイ 6‐8 (56)参考文献 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,Vol.80,P.5485−5489

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グルカゴンの発現をコードする遺伝子を含
    んで成る複製可能な発現ビヒクルを含有する形質転換酵
    母を適当な栄養培地中で培養し、次に発現生成物を回収
    することを特徴とする、酵母においてグルカゴンを製造
    する方法。
  2. 【請求項2】グルカゴンの発現をコードする前記遺伝子
    が合成遺伝子である、請求項1に記載の方法。
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