JPH07206853A - チオフェン−2,5−ジカルボン酸誘導体の製造法 - Google Patents

チオフェン−2,5−ジカルボン酸誘導体の製造法

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JPH07206853A
JPH07206853A JP756394A JP756394A JPH07206853A JP H07206853 A JPH07206853 A JP H07206853A JP 756394 A JP756394 A JP 756394A JP 756394 A JP756394 A JP 756394A JP H07206853 A JPH07206853 A JP H07206853A
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JP
Japan
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dicarboxylic acid
esterase
sulfothiophene
formula
carboxylic acid
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JP756394A
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Kenta Yano
健太 矢野
Kenji Saito
憲治 齋藤
Ayumi Inoue
歩 井上
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Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ハーフエステル誘導体および3−スルホチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ジエステル誘導体の5位のカルボ
ン酸エステルを優先的に加水分解する能力を有するエス
テラーゼを用いて選択的に加水分解反応を行うことによ
る3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフ
エステル誘導体の製造法。該ハーフエステル誘導体を脱
炭酸させることによる3−スルホチオフェン−2−カル
ボン酸誘導体の製造法。 【効果】3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジエステル誘導体から3−スルホチオフェン−2,5−
ジカルボン酸ハーフエステル誘導体(2−エステル体)
を選択的に製造することができ、該化合物を脱炭酸させ
ることにより、農薬中間体である3−スルファモイルチ
オフェン−2−カルボン酸エステルあるいは甘味料であ
る2,3−チオフェンサッカリンの原料として有用性の
ある3−スルホチオフェン−2−カルボン酸エステル誘
導体が収率よく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農薬中間体である3−
スルファモイルチオフェン−2−カルボン酸エステルあ
るいは甘味料である2,3−チオフェンサッカリンの原
料として有用性のある3−スルホチオフェン−2−カル
ボン酸誘導体の製造方法および該誘導体の製造中間体と
なる3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハー
フエステル誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
3位に置換を有するチオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジエステル誘導体の二つのカルボン酸エステルの一方を
選択的に加水分解し3位に置換を有するチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ハーフエステル誘導体を得る方法
は知られていなかった。本発明者らは、3−スルホチオ
フェン−2,5−ジカルボン酸ジエステル誘導体の5位
のカルボン酸エステルを優先的に加水分解する能力を有
するエステラーゼを用いて選択的に加水分解反応を行い
新規な3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハ
ーフエステル誘導体が得られることを見いだした。また
さらに該ハーフエステル誘導体を脱炭酸させることによ
り農薬中間体である3−スルファモイルチオフェン−2
−カルボン酸エステルあるいは甘味料である2,3−チ
オフェンサッカリンの原料として有用性のある3−スル
ホチオフェン−2−カルボン酸誘導体を得る新規な製法
を見いだし本発明を完成した。
【0003】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、 式(1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
表す。)で表される3−スルホチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸ハーフエステル誘導体、
【0004】式(2) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
表す。)
【0005】で表される3−スルホチオフェン−2,5
−ジカルボン酸ジエステル誘導体の5位のカルボン酸エ
ステルを優先的に加水分解する能力を有するエステラー
ゼを用いて、位置選択的に加水分解することを特徴とす
る式(1)で表される3−スルホチオフェン−2,5−
ジカルボン酸ハーフエステル誘導体の製造方法、
【0006】式(1)で表される3−スルホチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ハーフエステル誘導体を脱炭
酸することを特徴とする式(3) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
表す。)で表される3−スルホチオフェン−2−カルボ
ン酸エステル誘導体の製造方法、を提供するものであ
る。
【0007】まず、式(1)で表される3−スルホチオ
フェン−2−カルボン酸ハーフエステル誘導体の製造方
法について説明する。この反応の原料となる式(2)の
3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジエステ
ル誘導体は例えば後述する製造例1の方法により容易に
得ることができる。
【0008】原料となる式(2)の化合物における置換
基RのC1−C4 のアルキル基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ter
t−ブチル基等があげられる。さらに具体的な化合物と
しては、例えば、3−スルホチオフェン−2,5−ジカ
ルボン酸ジメチルエステル、3−スルホチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ジエチルエステル、3−スルホチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジn-プロピルエステ
ル、3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジn-
ブチルエステル、3−スルホチオフェン−2,5−ジカ
ルボン酸ジi−プロピルエステル、3−スルホチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジi−ブチルエステル、3−
スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジsec−ブチ
ルエステル、3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸ジt-ブチルエステルなどの3−スルホチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ジエステル類およびこれらスルホ
ン酸類のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩ある
いはアンモニウム塩等が例示される。さらに3−スルフ
ァモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルエ
ステル、3−スルファモイルチオフェン−2,5−ジカ
ルボン酸ジエチルエステル、3−スルファモイルチオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジn-プロピルエステル、3
−スルファモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジ
n-ブチルエステル、3−スルファモイルチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ジi−プロピルエステル、3−ス
ルファモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジi−
ブチルエステル、3−スルファモイルチオフェン−2,
5−ジカルボン酸ジsec−ブチルエステル、3−スルフ
ァモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジt-ブチル
エステルなどの3−スルファモイルチオフェン−2,5
−ジカルボン酸ジエステル類が例示される。
【0009】式(2)で表されるチオフェン−2,5−
ジカルボン酸ジエステル誘導体を加水分解するために使
用されるエステラーゼとしては、動物臓器由来のエステ
ラーゼあるいは微生物が生産するエステラーゼを用いる
ことができ、該ジカルボン酸ジエステル誘導体の5位の
カルボン酸エステルを優先的に加水分解する能力を有す
るエステラーゼ(ここでエステラーゼとはリパーゼを含
む広義のエステラーゼを意味する。)であればよく、特
に限定されない。
【0010】かかる加水分解の能力を有するエステラー
ゼを生産する微生物は、特に限定されるものではない
が、このような微生物の具体例としては、シュードモナ
ス(Pseudomonas)属、クロモバクテリウム(Chromobacter
ium)属、アルスロバクター(Arthrobacter)属、アルカリ
ゲネス(Alcaligenes)属、キャンディダ(Candida)属、ア
クロモバクター(Achromobacter)属、ノカルディア(Noca
rdia)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、ト
ルロプシス(Tolulopusis)属、ブレビバクテリウム(Brev
ibacterium)属、バチルス(Bacillus)属、エスケリシア
(Escherichia)属、ミクロコッカス(Micrococus)属、ハ
ンセヌラ(Hansenula)属、ムコール(Mucor)属、リゾプス
属(Rhizopus)に属する微生物があげられる。
【0011】これらの各属に属する代表的な菌株名を下
記に例示するが、本発明に用いられる微生物はこれらの
例示になんら限定されるものではない。 (1)ノカルディア・エリスロポリス(Nocardia erythropo
ris,IFO-12682,IFO-12320),(2) アルスロバクター・シ
ンプレックス(Arthrobacter simplex,IFO-12069),(3)
フラボバクテリウム・アルボレッセンス(Flavobacteriu
m arborescens,IFO- 3750),(4) トルロプシス・キャン
ディダ(Tolulopusis Candida,IFO-0380),(5)ブレビバク
テリウム・アンモニアゲネス(Brevibacterium ammoniag
enes,IFO-12072),(6) バチルス・リケニホルミス(Bacil
lus licheniformis,IFO-12197)(7)バチルス・スフェリ
カ(Bacillus sphaelicus,IFO-3528),(8) エスケリシア
・コリ(Escherichia coli,IFO-3301),(9) ハンセヌラ・
サチェヌス(Hansenulasaturnus,IFO- 0117),(10) ミク
ロコッカス・バリアンス(Micrococus varians,IFO- 376
5),(11) クロモバクテリウム・ビスコサム(Chromobacte
rium viscosum,ATCC-6918),(12)シュードモナス・フル
オレッセンス(Pseudomonas fluorescens,IFO- 3081),(1
3)アルスロバクター・ウレアファシエンス(Arthrobacte
r ureafaciens,ATCC- 7562),(14)アルカリゲネス・フェ
ーカリス(Alcaligenes faecalis,IFO-12669),(15)キャ
ンディダ・ユテリス(Candida utilis,IFO- 0988)(16)ア
クロモバクター・スペシーズ(Achromobacter sp.,ATCC-
21910),(17) ムコール・プシラス(Mucor pusillus,IFO-
9856),(18)リゾプス・キネンシス(Rhizopus chinensi
s,IFO- 4745)
【0012】これらの菌株はいずれもAmerican Type Cu
lure Collection (ATCC)あるいは大阪市の財団法
人醗酵研究所(IFO)に保存され、これらの保存機関
より入手することができる。またこれらの微生物起源の
エステラーゼのなかには市販されているものもあり、容
易に入手することができる。市販エステラーゼの具体例
としては、シュードモナス属のリパーゼ(天野製薬
(株)製)、ムコール属のリパーゼ(リパーゼM−AP
(天野製薬(株)製))、キャンディダ・シリンドラッ
セのリパーゼ(リパーゼMY(名糖産業(株)製))、
アルカリゲネス属のリパーゼ(リパーゼPL(名糖産業
(株)製))、アクロモバクター属のリパーゼ(リパー
ゼAL(名糖産業(株)製))、アルスロバクター属の
リパーゼ(新日本化学工業(株)製)、クロモバクテリ
ウム属のリパーゼ(旭化成工業(株)製)、リゾプス属
のリパーゼ(DACリパーゼ(ダイキン工業(株)
製))などがあげられる。
【0013】また、動物臓器由来のエステラーゼの具体
例としては、豚膵臓由来のパンクレアチンあるいはステ
アプシン、または豚肝臓由来のエステラーゼなどがあげ
られる。
【0014】上記のような微生物起源または動物臓器由
来のエステラーゼにおいて、工業規模での実施時には、
入手のし易さから微生物起源のエステラーゼの使用が好
ましく、中でも選択性の点でシュードモナス(Pseudomon
as)属、ムコール(Mucor)属、クロモバクテリウム(Chrom
obacterium)属、エスケリシア(Escherichia)属、アルス
ロバクター(Arthrobacter)属、アルカリゲネス(Alcalig
enes)属、バチルス(Bacillus)属、ノカルディア(Nocard
ia)属、リゾプス(Rhizopus)属に属する微生物の生産す
るエステラーゼが好ましい。
【0015】使用されるエステラーゼを生産する微生物
の培養は、通常、常法に従って液体培養を行うことによ
り培養液を得る。例えば滅菌した液体培地[かび類、酵
母類用には麦芽エキス、酵母エキス培地(水1リットル
にペプトン5.0g、可溶性デンプン10.0g、麦芽
エキス3.0g、および酵母エキス3.0gを溶解し、
pH6.2とする)、放線菌用には滅菌した液体培地
(水1リットルに可溶性デンプン10.0g、NZアミ
ン(タイプA)2.0g、肉エキス1.0gおよび酵母
エキス1.0gを溶解し、pH7.2とする)、細菌用
には滅菌した液体培地(水1リットルに可溶性デンプン
10.0g、ペプトン5.0gおよび酵母エキス5.0
gを溶解しpH6.8とする)]に微生物を接種し、通
常20〜40℃で1〜3日間往復または振とう培養を行
う。また必要に応じて固体培養を行っても良い。さら
に、このような培養に際し、誘導物質としてオリーブ
油、大豆油などの天然油脂、ポリオキシエチレンソルビ
タンモノオレエートなどの非イオン系界面活性剤を培地
に添加することにより、酵素の生産性を向上させること
もできる。
【0016】本発明の位置選択的加水分解は、上記微生
物を培養した培養液、培養液から分離した菌体、エステ
ラーゼを含有する培養濾液、あるいは各種酵素分離法に
よって菌体または培養濾液から分離した粗製エステラー
ゼ、精製エステラーゼおよびエステラーゼ含有抽出液ま
たは濃縮液、あるいは動物臓器由来のエステラーゼを含
有する水溶液と、式(2)で表されるチオフェン−2,
5−ジカルボン酸ジエステル誘導体とを混合し、撹拌ま
たは振とうすることにより行われる。または固定化菌体
あるいは固定化エステラーゼを使用することもできる。
位置選択的加水分解を行う条件としては、反応温度は1
0〜70℃が適当であり、好熱菌の培養液または好熱菌
の培養により得られた耐熱性エステラーゼでは50〜6
5℃、中温菌の培養液または特に耐熱性を有しないエス
テラーゼでは20〜50℃が好ましい。反応時間は通常
3〜70時間であるが、反応温度を高めたり、酵素量を
増加させるなどにより反応時間の短縮も可能である。反
応中のpHは好アルカリ性菌の培養液やアルカリエステ
ラーゼではpH8〜11、好アルカリ性でない微生物の
培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼではpH
5〜8が好ましい。また、加水分解によって生成するカ
ルボン酸を中和し、反応中のpHを一定に保つために緩
衝液の使用や、反応進行に伴いアルカリ水溶液を滴下す
ることが好ましい。緩衝液としては、リン酸ナトリウ
ム、リン酸カリウムなどの無機酸塩の緩衝液、酢酸ナト
リウム、クエン酸ナトリウムなどの有機酸塩の緩衝液を
あげることができる。基質である式(2)で表されるチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ジエステル誘導体の使
用濃度は反応液に対し、通常0.5〜80重量%であ
る。
【0017】加水分解反応においては、水以外の溶媒使
用は必須ではないが、必要に応じて、例えばテトラヒド
ロフラン、ジオキサン等の脂環式エーテル類、アセト
ン、メチルエチルケトンなどの低級アルキルケトン類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非
プロトン性の極性溶媒などの水と混和性の有機溶媒を併
用することもできる。反応終了後は、必要に応じて反応
液を中和、濃縮した後で、有機溶媒による抽出などの通
常の方法で目的化合物を得ることができる。さらに必要
により、シリカゲルカラムクロマトグラフィーなどの方
法で精製することもできる。
【0018】本発明の方法で得られる具体的な式(1)
の化合物としては、例えば、3−スルホ−2−メトキシ
カルボニルチオフェン−5−カルボン酸、3−スルホ−
2−エトキシカルボニルチオフェン−5−カルボン酸、
3−スルホ−2−n-プロポキシカルボニルチオフェン−
5−カルボン酸、3−スルホ−2−i−プロポキシカル
ボニルチオフェン−5−カルボン酸、3−スルホ−2−
n−ブトキシカルボニルチオフェン−5−カルボン酸、
3−スルホ−2−i−ブトキシカルボニルチオフェン−
5−カルボン酸、3−スルホ−2−sec-ブトキシカルボ
ニルチオフェン−5−カルボン酸、3−スルホ−2−t-
ブトキシカルボニルチオフェン−5−カルボン酸などの
3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエ
ステル類およびこれらスルホン酸類のナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩等が例
示される。さらに3−スルファモイル−2−メトキシカ
ルボニルチオフェン−5−カルボン酸、3−スルファモ
イル−2−エトキシカルボニルチオフェン−5−カルボ
ン酸、3−スルファモイル−2−n-プロポキシカルボニ
ルチオフェン−5−カルボン酸、3−スルファモイル−
2−n-ブトキシカルボニルチオフェン−5−カルボン
酸、3−スルファモイル−2−n-ブトキシカルボニルチ
オフェン−5−カルボン酸、3−スルファモイル−2−
i-ブトキシカルボニルチオフェン−5−カルボン酸、3
−スルファモイル−2−sec-ブトキシカルボニルチオフ
ェン−5−カルボン酸、3−スルファモイル−2−t-ブ
トキシカルボニルチオフェン−5−カルボン酸などの3
−スルファモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハ
ーフエステル類が例示される。
【0019】つぎに、上記の方法で得られる式(1)の
3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエ
ステル類を溶媒中で脱炭酸させ、式(3)の3−スルホ
チオフェン−2−カルボン酸エステル類を製造する方法
について説明する。脱炭酸反応は、通常、溶媒中で、1
00〜250℃に加熱して実施される。脱炭酸反応は、
触媒なしでも進行するが、好ましくは触媒の存在下に行
われる。触媒としては、酸化カルシウム、水酸化カルシ
ウム、塩化鉄、金属銅および塩化銅が例示される。その
使用量は、触媒の種類にもよるが、塩化鉄、金属銅およ
び塩化銅を触媒とする場合その使用量は、3−スルホチ
オフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエステル類に対
して、1〜70重量%であり、酸化カルシウム、水酸化
カルシウムを触媒とする場合は、その使用量は、3−ス
ルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエステル
類に対して、50〜200重量%とすることが好まし
い。
【0020】本発明の脱炭酸反応に用いる溶媒として
は、キノリン、ニトロベンゼンまたはオクタン、デカ
ン、ドデカンおよびオクタデカン等の炭化水素系溶媒、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミドおよびN−メチルピロリドン等のアミド系溶
媒、N,N−ジメチルアニリンおよびN,N−ジメチル
アミノピリジン等の含窒素溶媒類の中から選ばれた溶媒
が例示され、これらは、混合して用いることもできる。
反応終了後、例えば、触媒を濾別した後に反応液を濃縮
し、得られる濃縮液に水を加え、さらに必要により酸を
用いて反応液のpHを調節した後、水と不混和性の有機
溶媒で抽出することにより目的物を得ることができる。
【0021】かかる方法で得られる3−スルホチオフェ
ン−2−カルボン酸エステル類としては、3−スルホ−
2−メトキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−
エトキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−n-プ
ロポキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−i−
プロポキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−n
−ブトキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−i
−ブトキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−se
c-ブトキシカルボニルチオフェン、3−スルホ−2−t-
ブトキシカルボニルチオフェンなどの3−スルホチオフ
ェン−2−カルボン酸エステル類およびこれらスルホン
酸類のナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩あるい
はアンモニウム塩等が例示される。さらに3−スルファ
モイル−2−メトキシカルボニルチオフェン、3−スル
ファモイル−2−エトキシカルボニルチオフェン、3−
スルファモイル−2−n-プロポキシカルボニルチオフェ
ン、3−スルファモイル−2−n-ブトキシカルボニルチ
オフェン、3−スルファモイル−2−n-ブトキシカルボ
ニルチオフェン、3−スルファモイル−2−i-ブトキシ
カルボニルチオフェン、3−スルファモイル−2−sec-
ブトキシカルボニルチオフェン、3−スルファモイル−
2−t-ブトキシカルボニルチオフェンなどの3−スルフ
ァモイルチオフェン−2−カルボン酸エステル類が例示
される。
【0022】
【実施例】下実施例で本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、下
記実施例において式(1)で表されるチオフェン−2,
5−ジカルボン酸ハーフエステル誘導体と、その位置異
性体である化合物との比は、テトラブチルアンモニウム
ブロミドをカウンターイオンとするイオンペア高速液体
クロマトグラフィー(カラム:YMC−ODSA−31
2)で測定した値である。
【0023】製造例1 (3−スルファモイルチオフェン−2,5−ジカルボン
酸ジメチルの製造)チオフェン−2,5−ジカルボン酸
ジメチルを出発原料として、以下の、の工程を経
て、3−スルファモイルチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸ジメチルを得た。
【0024】3−スルホチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジメチルのナトリウム塩の製造 撹拌機、温度計、冷却器を備えた1リットル四ツ口フラ
スコ中に60%無水硫酸144.0g(1.08モル)
を入れ、その中に、2,5−チオフェンジカルボン酸ジ
メチル200.0g(1.0モル)を小量ずつ添加し、
150℃にて約2時間反応させた。その後、約60℃ま
で冷却し、メタノール100g(3.13モル)を徐々
に加えて、約3時間加熱還流させた。その後、室温まで
冷却した後、20%食塩水322g(1.10モル)を
滴下し、析出した析出物を濾別した。水洗した後、乾燥
して287.7gの3−スルホチオフェン−2,5−ジ
カルボン酸ジメチルのナトリウム塩を得た。
【0025】3−スルファモイル−2,5−チオフェ
ンジカルボン酸ジメチルの製造 前記で得られた3−スルホ−2,5−チオフェンジカ
ルボン酸ジメチルのナトリウム塩を塩素化して、3−ク
ロロスルホニルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメ
チルとし、これにアンモニアガスを反応させて3−スル
ファモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチル
を得た。すなわち、撹拌機、温度計、冷却器を備えた1
リットル四ツ口フラスコ中に、1,2−ジクロロエタン
1400gを仕込み、そこへ3−スルホチオフェン−
2,5−ジカルボン酸ジメチルのナトリウム塩286.
7g(0.949モル)を入れ、さらにN,N−ジメチ
ルホルムアミド28gを添加した。60℃まで加熱し、
塩化チオニル297.5g(2.5モル)を1.5時間
かけて添加した後、80℃で8時間加熱した。反応液を
室温まで冷却した後、水500gを添加し、有機層を分
液した。この有機層を冷却し、アンモニアガス45g
(2.65モル)を20〜30℃に保ちながら吹き込ん
だ。析出した塩化アンモニウムを濾別した後、濾液を濃
縮して析出した結晶を濾別し、乾燥して3−スルファモ
イルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチル220
gを得た。
【0026】実施例1 0.2Mリン酸第一カリウム水溶液180gに3N水酸
化ナトリウム水溶液を加え、pH6.0の緩衝液を調製
した。この緩衝液にシュードモナス属エステラーゼ(ア
マノ PS)1.0gを加え、ついで3−スルホチオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルのナトリウム塩1
8.0gを加え、3N水酸化ナトリウム水溶液によりp
H6.0±0.2に制御しながら、35℃で24時間激
しく撹拌した。次いで反応液を0.1N水酸化ナトリウ
ム水溶液により中和し、約半量に濃縮した後、5%塩酸
で弱酸性とし、1,2−ジクロロエタンで抽出した。
1,2−ジクロロエタン層は、無水硫酸ナトリウムで乾
燥後、濃縮して3−スルホチオフェン−2,5−ジカル
ボン酸ジメチルのナトリウム塩と3−スルホチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ハーフエステルの混合物(各々
の含有量は10.4%、89.6%である)15.9g
を得た。前述した高速液体クロマトグラフィーによる位
置異性体の混合比は、2−メチルエステル体/5−メチ
ルエステル体=92.9:7.1であった。カラムクロマトグ
ラフィーによって両者を分離し、それぞれの物性値を測
定した。以下にその測定結果を示す。
【0027】3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸−2−メチルエステル (1)元素分析%(C7572Naとして)分子量2
88.25 計算値 C:29.17、H:1.75、S:22.2
4 実測値 C:29.21、H:1.86、S:22.1
4 (2)赤外吸収スペクトル(KBr、cm-1) 1703、1604、1513、1401、1363、
1274、1053、788 (3)NMRスペクトル(d6−DMSO、TMS) δ:7.39(s,1H)、3.73(s,3H)
【0028】3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボ
ン酸−5−メチルエステル (1)元素分析%(C7572Naとして)分子量2
88.25 計算値 C:29.17、H:1.75、S:22.2
4 実測値 C:29.24、H:1.88、S:22.1
1 (2)赤外吸収スペクトル(KBr、cm-1) 1712、1607、1524、1401、1347、
1229、1053、746 (3)NMRスペクトル(d6−DMSO、TMS) δ:7.71(s,1H)、3.80(s,3H)
【0029】実施例2 3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチル
のナトリウム塩18.0gを基質とし、エステラーゼと
してリゾプス属リパーゼ( DACリパーゼ、ダイキン工
業( 株) 製) を用い、緩衝液のpHを6.5とした以外
は実施例1と同様にして反応を行い、3−スルホチオフ
ェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルのナトリウム塩と
3−スルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエ
ステルの混合物(各々の含有量は15.6%、および8
4.4%である)16.2gを得た。実施例1と同様に
分析した結果、ハーフエステルの位置異性体の混合比
は、2−メチルエステル体/5−メチルエステル体=9
3.8:6.2であった。
【0030】実施例3 0.2Mリン酸第一カリウム水溶液180gに3N水酸
化ナトリウム水溶液を加え、pH7.5の緩衝液を調製
した。この緩衝液にブタ肝臓由来のエステラーゼ(アマ
ノ PLE−A)1.0gを加え、ついで3−スルファ
モイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチル20
gを加え、3N水酸化ナトリウム水溶液によりpH7.
5±0.2に制御しながら、35℃で30時間激しく攪
拌した。ついで反応液を塩酸酸性とし、酢酸エチルで抽
出した。酢酸エチル層を、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、濃縮して3−スルファモイルチオフェン−2,5−
ジカルボン酸ジメチルと3−スルファモイルチオフェン
−2,5−ジカルボン酸ハーフエステルの混合物17.
3g(それぞれの含有量は、9.1%,90.9%であ
る。)を得た。実施例1と同様の条件で分析した結果、
ハーフエステルの位置異性体の混合比は、2−メチルエ
ステル:5−メチルエステル=94.8:5.2であっ
た。カラムクロマトグラフィーにより両者を分離し、3
−スルファモイルチオフェン−2−メトキシカルボニル
−5−カルボン酸15.6gを得た。原料の3−スルフ
ァモイルチオフェン−2,5−ジカルボン酸ジメチルに
対する収率は82.1%であった。
【0031】実施例4 実施例3で得られた3−スルファモイルチオフェン−2
−メトキシカルボニル−5−カルボン酸15g、ニトロ
ベンゼン溶媒250g、銅粉3gを温度計、冷却器を備
えた500ml四ツ口フラスコに仕込み、200℃で2
時間攪拌した。反応終了後、触媒を濾別したのち、減圧
蒸留して溶媒を留去し、固形物を得た。この固形物を水
から再結晶し、3−スルファモイルチオフェン−2−メ
トキシカルボニル10.9g(0.0493モル)を得
た。収率は87.3%であった。尚、得られた化合物3
−スルファモイルチオフェン−2−メトキシカルボニル
の物性値は、Eur.J.Med.Chem.,23,329(1988)に記載の該
化合物の物性値と一致した。
【0032】
【発明の効果】本発明方法により、3−スルホチオフェ
ン−2,5−ジカルボン酸ジエステル誘導体から3−ス
ルホチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエステル
誘導体(2−エステル体)を選択的に製造することがで
き、該化合物を脱炭酸させることにより、農薬中間体で
ある3−スルファモイルチオフェン−2−カルボン酸エ
ステルあるいは甘味料である2,3−チオフェンサッカ
リンの原料として有用性のある3−スルホチオフェン−
2−カルボン酸エステル誘導体が収率よく得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 歩 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
    YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
    表す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸
    ハーフエステル。
  2. 【請求項2】 式(2) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
    YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
    表す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸
    ジエステル誘導体の5位のカルボン酸エステルを優先的
    に加水分解する能力を有するエステラーゼを作用させて
    位置選択的に加水分解することを特徴とする式(1) (式中、R、X、Yは上記と同じものを表す。)で表さ
    れるチオフェン−2,5−ジカルボン酸ハーフエステル
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 XがONaである請求項2記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 Rがメチル基である請求項2または3に
    記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 エステラーゼとして微生物が生産するエ
    ステラーゼまたは動物臓器由来のエステラーゼを用いる
    請求項2〜4に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 エステラーゼとして豚肝臓由来のエステ
    ラーゼを用いる請求項2〜4に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 エステラーゼとしてシュードモナス属由
    来のエステラーゼを用いる請求項2〜4に記載の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 エステラーゼとしてリゾプス属由来のエ
    ステラーゼを用いる請求項2〜4に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 式(1) (式中、Rは炭素数1〜4のアルキル基を表し、XはO
    YまたはNH2を表す。YはH、Na、KまたはNH4を
    表す。)で表されるチオフェン−2,5−ジカルボン酸
    ハーフエステルを溶媒中、脱炭酸させることを特徴とす
    る式(3) (式中、R、X、Yは上記と同じものを表す。)で表さ
    れるチオフェン−2−カルボン酸エステルの製造法。
  10. 【請求項10】ニトロベンゼンを溶媒として用い、銅粉
    の共存下に反応を行う請求項9記載の製造法。
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