JPH0720916B2 - 3−ニトロフタル酸の製造方法 - Google Patents

3−ニトロフタル酸の製造方法

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JPH0720916B2
JPH0720916B2 JP14468988A JP14468988A JPH0720916B2 JP H0720916 B2 JPH0720916 B2 JP H0720916B2 JP 14468988 A JP14468988 A JP 14468988A JP 14468988 A JP14468988 A JP 14468988A JP H0720916 B2 JPH0720916 B2 JP H0720916B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は3−ニトロフタル酸の製造方法に関するもので
ある。更に詳しく述べると1−ニトロナフタリンをCe
(IV)、Mn(III)、Co(III)をそれぞれ単独またはそ
れらの混合物を用いて酸性水溶液中で液相酸化する3−
ニトロフタル酸の製造方法に関する。
3−ニトロフタル酸は顔料、染料等の原料として産業上
重要な化合物である。
<従来の技術> 3−ニトロフタル酸は従来無水フタル酸を濃硫酸と濃硝
酸の混酸または濃硝酸単独でニトロ化して得られている
(公表特許公報昭61−500617号、大有機化学第10巻第16
8頁)。しかしながらこの様なニトロ化では3−ニトロ
フタル酸の他に4−ニトロフタル酸も大量に生成し、3
−ニトロフタル酸は約30%程度の低い選択率でしか得ら
れない。また一般に3−ニトロフタル酸と4−ニトロフ
タル酸の分離はエステル化や両者の溶解度差を利用した
再結晶法により実施されるが完全に分離することは困難
であり、このような方法で高純度の3−ニトロフタル酸
を得るのは反応収率が低いうえに精製収率もかなり低く
なり、工業的に大規模に実施するには不適当である。
また、1−ニトロナフタリンを硝酸や過マンガン酸カリ
ウムまたは重クロム酸カリウムで酸化して3−ニトロフ
タル酸を得る方法も知られている[ベントソンら、Che
m.Ztu.第104巻第349頁(1980年):バイルシュタイン
ら、Ann.第202巻第217頁(1880年):ブラウンら、Ber.
第56巻第2336頁(1923年)]。しかしながらこれらの方
法においても前述の文献中に示されている様に種々の問
題がある。例えば、硝酸による酸化では高温、高圧の条
件が必要であり、装置材料の耐久性も問題となる。ま
た、重クロム酸カリウムを用いる方法は環境保護の観点
から工業的には不適当である。更に、過マンガン酸カリ
ウムを用いた酸化反応では選択性が低く、その再生は容
易ではなく廃液処理も問題となり工業的に酸化剤として
用いるには不適当である。
<発明が解決しようとする問題点> 本発明の目的は、従来の方法では解決できなかった前述
の欠点を解消し、緩和な反応条件で選択性よく反応で
き、生成物の分離や廃水処理等が容易で、作業環境およ
び公害の面においても工学的に有利に3−ニトロフタル
酸を得る方法を提供することにある。
<問題を解決するための手段> 本発明者らは3−ニトロフタル酸を工業的に有利に製造
する方法を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、酸化剤と
してCe(IV)、Mn(III)、Co(III)を用いることによ
り、1−ニトロナフタリが速やかに酸化され、しかも選
択性よく3−ニトロフタル酸を与えることを見出し、更
に検討を重ねて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は1−ニトロナフタリンをCe(IV)、Mn
(III)、Co(III)の中から選ばれる少なくとも1種を
含む酸性水溶液中で液相酸化することを特徴とする3−
ニトロフタル酸の製造方法である。以下に詳しく説明す
る。
本発明において使用される酸化剤としてはCe(IV)、Mn
(III)、Co(III)がそれぞれ単独もしくは同時に用い
られる。それらは、それぞれの反応条件や反応特性など
を考慮して希望に合ったものを選すればよい。これらの
酸化剤の酸性水溶液中における好ましい濃度は、Ce(I
V)およびMn(III)を主たる酸化剤として用いる場合に
は0.1〜10モル/リットル、より好ましくは0.3〜5モル
/リットル、更に好ましくは0.5〜3モル/リットルで
あり、Co(III)を主たる酸化剤として用いる場合には
0.2〜5モル/リットル、より好ましくは0.3〜2モル/
リットルである。濃度が高過ぎると、酸化剤が析出して
スラリーになったり溶液の粘度が高くなったりして攪拌
が不十分になり反応に支障をきたすことが起こりうる。
一方濃度が低過ぎると、酸化力が低下したり反応装置が
大きくなったりして不利である。
またこれらの酸化剤は反応によってCe(III)、Mn(I
I)、Co(II)などに還元されるが、それらは再び酸化
再生して酸化反応に循循使用するのが好好ましい。ま
た、再生方法として電解酸化が好ましい。
本発明における酸化反応温度は40℃以上が好ましく、1
−ニトロナフタリンが液体で存在する60℃以上であれば
より好ましい。反応に際しては本発明の酸化剤に不活性
な溶媒を用いてもよく、その場合には例えばニトロベン
ゼンやクロルベンゼン、ジクロルベンゼンなどの非極性
非プロトン溶媒を用いると好ましい。
本発明においてCe(IV)を単独もしくは主な酸化剤とし
て用いる場合に使用する酸としては、酸化力および選択
率また取扱い性を考慮して好ましくは硝酸、酢酸、メタ
ンスルホン酸の中から選ばれる。その場合の酸の濃度と
しては硝酸の場合、遊離酸として0.5モル/リットル以
上、好ましくは3モル/リットル以上、さらに好ましく
は5モル/リットル以上の濃度で酸化反応を行う。酢酸
の場合、30重量%以上、好ましくは50重量%以上の酸濃
度が用いられ、メタンスルホン酸の場合、2モル/リッ
トル以上好ましくは3.5モル/リットル以上の酸水溶液
が用いられる。Ce(IV)を酸化剤として用いると反応や
電解再生時にセリウム塩のスラリーは存在せず、取扱い
が容易である。
Mn(III)を単独もしくは主な酸化剤として用いる場合
には、使用する酸としては硫酸が好ましく、酸濃度は20
〜60重量%、好ましくは35〜55重量%である。Mn(II
I)は硫酸マンガン(III)の硫酸溶液または懸濁物の形
で使用でき、安価な利点も得られる。
Co(III)を単独もしくは主な酸化剤として用いる場
合、使用する酸としては硝酸または硫酸が好ましく、酸
濃度は硝酸の場合3.5モル/リットル以上、硫酸の場合
は30〜60重量%である。
酸化反応に用いる酸化剤と1−ニトロナフタリンのモル
比は1以上であればよいが1−ニトロナフタリンの転化
率を上げるためには14以上であることが好ましい。酸化
剤は、反応開始時に全量を反応器に投入してもよいが、
選択率や1−ニトロナフタリンの転化率を上げるために
酸化剤を数回に分けて投入するとより好ましい。後者の
場合、バッチ反応で行なっても、複数の反応槽を設けて
連続多段反応で行なってもよい。
反応によって生成した3−ニトロフタル酸は抽出や濾過
などの一般的な方法により容易に分離でき、副生物も少
ないので再結晶等により容易に精製できる。一方、3−
ニトロフタル酸を分離した後の酸化剤を含む酸水溶液
は、好ましくは電解酸化により酸化剤を再生し反応に循
環使用する。こうすることにより酸化剤が効率よく使用
できるのみならず、溶解度分あるいは過飽和状態で酸水
溶液中に溶存している3−ニトロフタル酸もまた循環す
るので、3−ニトロフタル酸の1回当りの溶存による損
失が少なくなり3−ニトロフタル酸の収率が向上する。
<実施例> 次に本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。
実施例1 硝酸第2セリウムアンモニウム1096.5gを硝酸水溶液に
溶解し1リットルとした溶液(Ce(IV)の濃度は2.0モ
ル/リットル、遊離酸としての硝酸濃度は4モル/リッ
トル)を、還流冷却器、攪拌装置を取り付けたガラス容
器に入れ75℃に保持した。これに1−ニトロナフタリン
17.3gを添加し攪拌して約30分間反応させた。反応終了
後、反応生成物を冷却、濾過し、濾過物と濾液を夫々高
速液体クロマトグラフィーを用いて分析し、未反応の1
−ニトロナフタリンおよび生成した3−ニトロフタル酸
を定量した。その結果、1−ニトロナフタリンの転化率
はほぼ100%で反応1−ニトロナフタリン当りの3−ニ
トロフタル酸の選択率は81モル%であった。
濾液を2室型電解槽(陽極、陰極ともに白金メッキチタ
ン電極、隔膜としてフッ素系カチオン交換膜を使用)を
用いて陽極酸化した。得られたCe(IV)濃度2モル/リ
ットル、遊離酸としての硝酸濃度4モル/リットルを含
む硝酸溶液を再び反応に使用したところ、1−ニトロナ
フタリンの転化率100%で反応1−ニトロナフタリン当
りの3−ニトロフタル酸の選択率は79モル%であった。
該操作を更に7回繰り返したところ、最終の操作におい
て反応後の冷却濾過により濾過物として収率83モル%で
3−ニトロフタル酸が得られた。計8回の操作における
平均の3−ニトロフタル酸収率は79モル%であった。
実施例2 硝酸第2セリウムアンモニウム−硝酸水溶液の代わりに
硝酸第2セリウムアンモニウム−75重量%酢酸水溶液
(Ce(IV)の濃度は2.0モル/リットル)を用いた以外
は実施例1と同様の操作を1回行った。その結果、1−
ニトロナフタリンの転化率は100%で反応1−ニトロナ
フタリン当りの3−ニトロフタル酸の選択率は71モル%
であった。
実施例3 1.2モル/リットルの濃度のメタンスルホン酸第1セリ
ウムを含むメタンスルホン酸水溶液(酸として4.5モル
/リットル)2リットルを2室型電解槽(陽極,陰極と
もに白金メッキチタン電極、隔膜としてフッ素系カチオ
ン交換膜を使用)を用いて陽極酸化して得られた1モル
/リットルのCe(IV)を含む水溶液を用いた以外は実施
例1と同様の操作を1回行い67モル%の選択率で3−ニ
トロフタル酸を得た。
実施例4 45重量%の濃度の硫酸に硫酸マンガン(III)を懸濁し
た1リットルの懸濁液(Mn(III)として2モルを含
む)を還流冷却器、攪拌装置を取付けたガラス容器に入
れ85℃に保持した。これに1−ニトロナフタリン17.3g
を添加し攪拌して約30分間反応した。反応生成物をトル
エンで抽出し、トルエン相と水溶液相を夫々高速液体ク
ロマトグラフィーを用いて分析した。その結果1−ニト
ロナフタリンの転化率は100%で反応1−ニトロナフタ
リン当りの選択率は75モル%であった。水溶液を無隔膜
電解槽(陽極、陰極とも鉛電極)を用いて電解し、2モ
ル/リットルのMn(III)を含む懸濁液を得た。該液を
用いて再び反応を行わせた結果、1−ニトロナフタリン
の転化率100%で3−ニトロフタル酸の選択率は76モル
%であった。
実施例5 50重量%の濃度の硫酸に硫酸コバルト(III)1.4モルを
含む水溶液2リットルを還流冷却器、攪拌装置を取付け
たガラス容器に入れ60℃に保持した。これに1−ニトロ
ナフタリン17.3gを添加し攪拌して約30分間反応した。
実施例4と同様に分析した結果、1−ニトロナフタリン
の転化率は98%で3−ニトロフタル酸の選択率は62モル
%であった。
実施例6 実施例3において、先に1−ニトロナフタリンを容器に
仕込み、Ce(IV)を含むメタンスルホン酸水溶液を15分
間隔で3回に分けて加え、合計で1時間反応させた以外
は実施例3と同様に反応、分析を行なった。1−ニトロ
ナフタリンの転化率は100%で3−ニトロフタル酸の選
択率は78モル%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 明 兵庫県姫路市網干区興浜字西沖992番地の 1 日本触媒化学工業株式会社触媒研究所 内 審査官 一色 由美子

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−ニトロナフタリンをCe(IV)、Mn(II
    I)、Co(III)の中から選ばれる少なくとも1種を含む
    酸性水溶液中で液相酸化することを特徴とする3−ニト
    ロフタル酸の製造方法。
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