JPH0721007B2 - 低ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法 - Google Patents

低ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法

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JPH0721007B2
JPH0721007B2 JP61118408A JP11840886A JPH0721007B2 JP H0721007 B2 JPH0721007 B2 JP H0721007B2 JP 61118408 A JP61118408 A JP 61118408A JP 11840886 A JP11840886 A JP 11840886A JP H0721007 B2 JPH0721007 B2 JP H0721007B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ダストの除去された高純度透明熱可塑性樹脂
溶液の新規な製造法であり、0.5μm以上のダストを1
万個以下/1g固形樹脂に低減することが容易に達成され
るものである低ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法に
関するものである。
〔従来の技術およびその問題点〕
従来、透明熱可塑性樹脂中の微細なダストを除去する方
法としては、モノマー、触媒、溶剤等の反応原料を精密
濾過したものを用いる方法、製造した樹脂溶液又は製造
した樹脂を溶媒に再溶解した溶液を精密濾過する方法な
どによっている。
この方法は、濾過用に精密フィルターを使用することか
ら、微細なダストを除去するためには極めて精密なフィ
ルターを使用する必要があり、特に樹脂溶液の場合には
粘度が高い分だけ濾過圧損が高くなり、処理量が少なく
なってしまい濾過効率が悪いという欠点があった。又、
当然に濾過フィルターはダストにより閉塞するものであ
り、効率良く濾過精製するためには、濾過フィルターの
交換を頻繁に行う必要があり、濾過処理量も多大であ
り、操作並びに価格の面から改善する方法が求められて
いた。
又、水と実質的に混和しない溶媒を使用してなる透明熱
可塑性樹脂溶液を精製する工程において樹脂溶液と洗浄
水とを分離するために、従来遠心分離法が使用されてい
るが、通常、この遠心分離は樹脂溶液中の未反応モノマ
ー、触媒、その他の不純物を除去するための洗浄用水を
樹脂溶液相から分離することにあり、水相の除去分離は
ある程度なされるが、通常界面は樹脂溶液相側として取
り扱われるものであったために、ダストの低減の効果は
実質的に小さいものであった。また遊離水分の除去の点
において遠心力や分離処理時間においてもダストの除去
が目的ではないので、当然に不十分であり、本発明の効
果は充分に達成されないものであった。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、先にポリカーボネート樹脂溶液のダスト
の低減について、製造工程を徹底的に解析など種々検討
する過程において、樹脂溶液の水洗精製中のダストの分
布が、水相と樹脂溶液相との界面、樹脂溶液相、水相の
順で大幅に減少していることを見出した。これに基づい
てその他の透明熱可塑性樹脂について種々検討した結
果、本発明を完成したものである。
すなわち、本発明は、必要に応じて純水を添加混合して
なる遊離水を含む透明熱可塑性樹脂溶液を遠心分離して
樹脂溶液相と水相とに相分離し、該樹脂溶液相と、樹脂
溶液相と水相との界面相及び水相とを分離することを特
徴とする低ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法であ
り、好ましい実施態様においては、該透明熱可塑性樹脂
が、ポリスチレン樹脂、スチレン・アクリル共重合体、
スチレン・無水マレイン酸共重合体、スチレン・マレイ
ミド共重合体、スチレン・無水マレイン酸・マレイミド
共重合体、アクリル樹脂、アクリル・ポリカーボネート
共重合体、スチレン・ポリカーボネート共重合体、スチ
レン・無水マレイン酸・ポリカーボネート共重合体、ス
チレン・マレイミド・ポリカーボネート共重合体および
スチレン・無水マレイン酸・マレイミド・ポリカーボネ
ート共重合体からなる群から選択された熱可塑性樹脂で
あり、該樹脂溶液の粘度が10〜3,000cP、好ましくは50
〜300cPであり、遠心力500G(Gは重力加速度9.80665m/
s2)以上、好ましくは1,000G以上、特に5,000G以上で遠
心分離するものであり、該遠心分離を連続的に行い分離
処理した液を静置槽に移送して静置して樹脂溶液相と界
面及び水相とを分離するものであり、このようにして該
ダストの低減された透明熱可塑性樹脂溶液中の0.5μm
以上のダスト量が透明熱可塑性樹脂1g当たり1万個以
下、最も好ましい態様においては実質的に0個/1g固形
樹脂である透明熱可塑性樹脂溶液を製造するものであ
る。
以下、本発明の構成について説明する。
本発明の透明熱可塑性樹脂溶液としては、水と実質的に
不混和性の溶媒を使用する溶液重合法による場合のその
溶液又は製造した固形樹脂を同様の水と実質的に混和し
ない溶媒に再溶解したものである。このような溶液とし
ては、通常、溶液の粘度10〜3,000cP、好ましくは50〜3
00cP、樹脂濃度1〜50%、好ましくは10〜25%、透明熱
可塑性樹脂の粘度平均分子量Mv1×103〜200×103である
種々の透明熱可塑性樹脂、具体的には、ポリスチレン樹
脂、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体、スチレン・マレイミド共重合体、スチ
レン・無水マレイン酸・マレイミド共重合体、アクリル
樹脂、アクリル・ポリカーボネート共重合体、スチレン
・ポリカーボネート共重合体、スチレン・無水マレイン
酸・ポリカーボネート共重合体、スチレン・マレイミド
・ポリカーボネート共重合体およびスチレン・無水マレ
イン酸・マレイミド・ポリカーボネート共重合体などが
例示される。
溶媒としては、上記の透明熱可塑性樹脂を溶解し、水と
相分離するものであれば特に限定はないが、水の溶解度
がより小さく、水との比重差が大きいものが好ましく、
脂肪族炭化水素系または芳香族炭化水素系などが使用さ
れ、メチレンクロライド、1,1−ジクロロエタン、クロ
ロベンゼン及びクロロトルエンなどの塩素化された脂肪
族炭化水素または芳香族の炭化水素が例示され、特にメ
チレンクロライドが好ましい。
本発明の純水とは、樹脂溶液中の微細なダストを除去す
るために使用するものであるので、当然にダストは少な
いもの程好ましいものであり、特に精密濾過などにより
低ダスト化したものが当然に好ましい。しかしながら、
遠心分離、相分離操作を多段で行う場合の前段の分離操
作やより完璧なダストの除去が必要でない場合等のとき
は、通常のイオン交換による純水なども通常、ダスト数
が500〜1,000個/1cc以下であるので充分に好適に使用さ
れるものである。
上記の透明熱可塑性樹脂溶液に必要に応じて上記の純水
を混合して遊離水を含む透明熱可塑性樹脂溶液とし、本
発明の遠心分離を行う。
遊離水(分離可能な水分)量は、存在すればダストの低
減化の効果があるが、相分離性の点から、通常0.5%以
上、好ましくは1%以上存在したものであり、特に上限
はないものであるが、経済性からは少量、通常200重量
%以下であり、特に好ましくは、5〜35%の範囲であ
る。
以上の遊離水を含む透明熱可塑性樹脂溶液を遠心分離し
て、樹脂溶液相と水相とに相分離し、樹樹脂溶液と、樹
脂溶液相と水相との界面相及び水相とを分離して低ダス
ト透明熱可塑性樹脂溶液を製造する。
遠心分離は、樹脂溶液相と水相とを従来に比較してより
厳密に相分離させる為に行う。即ち、透明熱可塑性樹脂
溶液に対する遊離水は、水量が多量の場合には、樹脂溶
液相と水相とに一見相分離した如く見えるが、樹脂溶液
相中には、微粒子状の微細な水が分散した形で存在し、
逆に水相中にも、微粒子状に樹脂溶液が分散した形であ
ると推定され、この部分にダストが多量に存在するもの
と推定され、本発明の遠心分離はこの微粒子状に分散し
ている遊離水分を樹脂溶液から効率よく除き、ダストを
低減させるために行うものである。
遠心分離により相分離した樹脂溶液相と水相とは、撹拌
操作などの混合操作がなければ、通常のパイプその他の
撹拌操作のない手段による移送によっても相分離状態が
保たれ、通常の静置により容易に相分離したものとな
る。従って、遠心分離機の稼動効率の向上などから、遠
心分離した液を静置槽に移送して静置し、相分離し、樹
脂溶液相と、樹脂溶液相と水相との界面相及び水相とを
分離することによるのが好ましい。
ここに、遠心分離機としては、通常のもので使用可能で
あるが、処理効率の向上の面から、より高い遠心力、特
に5,000G以上で連続運転の出来るものが好ましい。ま
た、遠心分離並びに相分離操作は、充分な遠心力が使用
可能であれば、一回の操作でよいが、遠心力が不十分な
場合や処理効率の向上その他の点から、この分離操作を
二回以上繰り返すことにより順次にダストを低減させる
方法も好ましいものである。
また、遠心分離により相分離した液を静置するための静
置槽としては通常の容器で充分に使用可能なものであ
る。
〔実施例〕
以下、実施例等によって具体的に説明する。
実施例−1 アクリル樹脂(三菱レイヨン(株)製、品名;PMMA(V
H)、一般用、以下「PMMA」と記す)、ポリスチレン樹
脂(三菱モンサント(株)製、品名;ダイヤレックスHH
102、以下「PS」と記す)、スチレン・メチルメタクリ
レート共重合体(新日鉄化学(株)製、品名;エスチレ
ンMS−600、以下「MS」と記す)、スチレン・無水マレ
イン酸共重合体(積水化成品工場(株)製、品名;ダイ
ラーク232、以下「S−MA」と記す)および末端にスチ
レンをグラフトしたスチレン・ポリカーボネート共重合
体(スチレン含有量20%、以下、「S−PC」と記す)を
用い、それぞれを塩化メチレンに溶解し、濃度15%の溶
液とした。
それぞれの溶液の微粒子数は、第1表の通りであった。
この溶液100gに水100gの比率で超純水(微粒子数2.7個/
1cc)を添加し、0.5分間撹拌混合し、これを遠心分離機
で遠心力G4,700で20分間処理した後、別の容器に移し、
樹脂液相、界面、水相の0.5μm以上のダスト量を調べ
た結果を第1表に示した。尚、PMMA溶液については、相
分離性が劣っていたので、遠心力G9,000で20分間、追加
の遠心分離を行った後の測定である。
微粒子数の測定は、ハイアック/ロイコ製、微粒子カウ
ンターで行った。
又、界面の微粒子数の測定を、樹脂溶液相側から及び水
相側からそれぞれ採取した測定サンプルについて行った
結果から、殆ど全ての微粒子が水相側の界面に存在する
ものであることが見出されるものであった。
尚、表中の微粒子数(*1)は下記による。
微粒子数(*1) ・樹脂溶液:万個/1g透明熱可塑性樹脂. ・界面:万個/1cc界面溶液. ・水相:万個/1cc水相. 又、PMMA溶液の場合には、相分離製不良の為、界面、水
相の微粒子数が過剰計測である可能性がある。
実施例−2 実施例−1のPS,MS,S−MAの樹脂溶液を使用し、樹脂溶
液100gに対して超純水50g混合し、5.0分間撹拌し乳化状
態としたものを使用し、遠心力G9,000、遠心分離機中の
滞留時間を変えて遠心分離操作をする他は同様とした。
結果を第2表に示した。
第2表から、純水を使用して、洗浄、遠心分離した場
合、充分な水との混合状態とし、充分な遠心力、遠心時
間をとれば、樹脂溶液中の微粒子数が実質的に0個/1g
固形樹脂であるものが得られることが理解される。ま
た、遠心力が大きくなるに従い、樹脂溶液相、水相とも
にダスト数が減少し、界面に集中する傾向が見られる。
この傾向及び前記実施例−1の界面の微粒子数の測定か
ら、ダスト(微粒子)の大部分は樹脂溶液中の遊離水や
水相中の遊離樹脂液に多量に付着しており、遠心力の増
加に従いこれらが界面に移行し、それが界面のダスト数
の増加として現れたものと推定される。
〔発明の作用および効果〕
以上、詳細な説明および実施例から明らかな如く、本発
明の低ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法の好ましい
態様においては、 従来精密のフィルターを、樹脂溶液の精製のために実
質的に使用する必要がないので、煩雑な濾過操作が不要
である。
従来の精密フィルターは、純水の製造に必要である
が、これは濾過操作が容易であり、且つその量も樹脂溶
液に比較して少量と出来る。
0.5μm以上のダスト数が1万個/1g固形樹脂以下の樹
脂溶液が容易に得られる。
更に好ましい方法においては、精密フィルターを使用
しても容易に達成されない実質的に0個/1g固形樹脂の
樹脂溶液が得られる。
ものであり、低ダスト化のための操作が容易であり、か
つ経済的であるので、光学用途などの特殊用途に限定さ
れず、通常の透明熱可塑性樹脂材料にも適用可能である
という極めて優れたものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必要に応じて純水を添加混合してなる遊離
    水を含む透明熱可塑性樹脂溶液を遠心分離して樹脂溶液
    相と水相とに分離し、該樹脂溶液相と、樹脂溶液相と水
    相との界面相及び水相とを分離することを特徴とする低
    ダスト透明熱可塑性樹脂溶液の製造法。
  2. 【請求項2】該透明熱可塑性樹脂が、ポリスチレン樹
    脂、スチレン・アクリル共重合体、スチレン・無水マレ
    イン酸共重合体、スチレン・マレイミド共重合体、スチ
    レン・無水マレイン酸・マレイミド共重合体、アクリル
    樹脂、アクリル・ポリカーボネート共重合体、スチレン
    ・ポリカーボネート共重合体、スチレン・無水マレイン
    酸・ポリカーボネート共重合体、スチレン・マレイミド
    ・ポリカーボネート共重合体およびスチレン・無水マレ
    イン酸・マレイミド・ポリカーボネート共重合体からな
    る群から選択された熱可塑性樹脂である特許請求の範囲
    第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】該樹脂溶液の粘度が10〜3,000cpの範囲で
    ある特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  4. 【請求項4】遠心力500G以上で遠心分離する特許請求の
    範囲第1項記載の製造法。
  5. 【請求項5】連続的に遠心分離処理した液を静置槽に移
    送して静置して樹脂溶液相と、樹脂溶液相と水相との界
    面相及び水相とを分離する特許請求の範囲第1項記載の
    製造法。
  6. 【請求項6】該ダストの低減された透明熱可塑性樹脂溶
    液中の0.5μm以上のダスト量が透明熱可塑性樹脂1g当
    り1万個以下である特許請求の範囲第1項記載の製造
    法。
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