JPH07240630A - 周波数逓倍回路及び周波数ミキサ回路 - Google Patents

周波数逓倍回路及び周波数ミキサ回路

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JPH07240630A
JPH07240630A JP6052976A JP5297694A JPH07240630A JP H07240630 A JPH07240630 A JP H07240630A JP 6052976 A JP6052976 A JP 6052976A JP 5297694 A JP5297694 A JP 5297694A JP H07240630 A JPH07240630 A JP H07240630A
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transistor
differential
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 MOS集積回路化に好適な構成の周波数逓倍
回路及び周波数ミキサ回路を提供する。 【構成】 ほぼ等値の定電流源I0で駆動される2つの差
動対(M1,M2)(M3,M4)において、M1とM3の出力端同士及び
M2とM4の出力端同士をそれぞれ共通接続して差動出力対
を構成し、M1とM4の入力端間及びM2とM3の入力端間にそ
れぞれほぼ等値のオフセット電圧VKを介在させ、VRF
M1の入力端には直接印加しM4の入力端にはVKに重畳して
印加し、VLO をM3の入力端には直接印加しM2の入力端に
はVKに重畳して印加する。差動出力電流には積VRFVLO
含まれるので、2周波の和と差の成分が得られ、周波数
ミキサ回路となっている。またVRF=VLO とすれば周波数
逓倍回路となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、周波数逓倍回路及び周
波数ミキサ回路に係り、特にMOS集積回路化に好適な
構成の周波数逓倍回路及びミキサ回路に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路化に好適な周波数逓倍回
路としては、従来、例えば図8に示すバイポーラトラン
ジスタ構成のものが知られている。これは、本発明者
(木村)が先に出願したものである(特開平4−795
04号公報)。以下、概要を説明する。
【0003】図8において、(Q1、Q2)と(Q3、
Q4)の差動対は、それぞれ等値の定電流源I0 で駆動
されるが、各差動対はそれぞれ能力の異なるバイポーラ
トランジスタで構成される。即ちQ1とQ2及びQ3と
Q4のエミッタサイズ比は、Q2:Q1=Q3:Q4=
1:K(K>1)である。なお、Kは発明者(木村)の
イニシャルを採ったものである。
【0004】この2つの差動対の相互間において、Q1
とQ3及びQ2とQ4は、それぞれ入力端が共通接続さ
れ入力信号VINが印加される差動入力端を構成してい
る。Q1とQ4及びQ2とQ3は、それぞれ出力端が共
通接続され出力信号VOUTを送出する差動出力端を構
成している。なお、一方の出力端(Q1とQ4の共通接
続出力端)には、a{(K−1)/(K+1)}I0
る定電流源が接続されている。これは、動作電圧を適宜
なものにするためである。
【0005】以上の構成において、αF をトランジスタ
の直流増幅率とすれば、各トランジスタのコレクタ電流
(IC1、IC2、IC3、IC4)は、数式1で示される。但
し、数式1において、VT は、ボルツマン定数kと絶対
温度Tと単位電子電荷qとを用いて、VT =kT/qと
表され、VK はこのVT を用いて数式2のように表せ
る。
【0006】
【数1】
【0007】
【数2】VK =VT lnK
【0008】数式1から、IC1−IC2(=ΔI1 )は数
式3、IC3−IC4(=ΔI2 )は数式4となるので、差
動出力電流ΔIは数式5と求まる。
【0009】
【数3】
【0010】
【数4】
【0011】
【数5】
【0012】そして、tanhxは数式6のように級数展開
できるので、これを用いて差動出力電流を展開すると数
式7となり、入力信号VINの2乗項が含まれる。
【0013】
【数6】tanhx=x−(1/3)x3 ……
【0014】
【数7】
【0015】そこで、入力信号VINを数式8とおくと、
入力信号VINの2乗項は数式9と求まり周波数が2逓倍
されることが解る。
【0016】
【数8】VIN=|VIN|cos(2πft)
【0017】
【数9】
【0018】次に、周波数ミキサ回路は、ギルバートセ
ルを用いたものが知られており、これはバイポーラ集積
回路上に構成されるが、これをMOS集積回路上に構成
するとすれば図9に示すようになる。図9において、こ
の周波数ミキサ回路は、入力端子対(1、2)間に2組
の差動対トランジスタ{(M11、M12)、(M1
3、M14)}を配置し、また入力端子対(3、4)間
に前記2組の差動対トランジスタそれぞれを駆動する1
個の差動対トランジスタ(M15、M16)を配置し、
この1個の差動対トランジスタを1つの定電流源I00
駆動するようにしたものである。
【0019】即ち、2組の差動対トランジスタ{(M1
1、M12)、(M13、M14)}では、一方のトラ
ンジスタ(M11、M13)のドレイン同士及び他方の
トランジスタ(M12、M14)のドレイン同士がそれ
ぞれ共通接続され、差動対トランジスタ(M11、M1
2)の一方のトランジスタM11のゲートと差動対トラ
ンジスタ(M13、M14)の他方のトランジスタM1
4のゲートとが共通に入力端子対(1、2)の一方の入
力端子1に接続され、差動対トランジスタ(M11、M
12)の他方のトランジスタM12のゲートと差動対ト
ランジスタ(M13、M14)の一方のトランジスタM
13のゲートとが共通に入力端子対(1、2)の他方の
入力端子2に接続される。
【0020】そして、1つの差動対トランジスタ(M1
5、M16)では、一方のトランジスタM15は、ドレ
インが差動対トランジスタ(M11、M12)のソース
に接続され、ゲートが入力端子対(3、4)の一方の入
力端子3に接続され、また他方のトランジスタM16
は、ドレインが差動対トランジスタ(M13、M14)
のソースに接続され、ゲートが入力端子対(3、4)の
一方の入力端子4に接続される。入力端子対(1、2)
間には第2の交流信号(電圧VLo)が印加され、入力端
子対(3、4)間には第1の交流信号(電圧VRF)が印
加される。
【0021】以下、図9に示す回路が周波数ミキサ回路
として動作することを示す。図9において、トランジス
タ(M11、M12、M13、M14)のゲート幅Wと
ゲート長Lの比(W/L)はそれぞれ等しく(W/L)
1 とし、またトランジスタのモビリティをμn 、単位面
積当たりのゲート酸化膜容量をCOXとすると、トランス
コンダクタンスパラメータβ1 は数式10とおけるの
で、スレッショルド電圧をVT 、ゲート・ソース間電圧
をVGSi(i=11〜14)とすると、ドレイン電流(I
d11、Id12、Id13、Id14)は、数式11〜同14となる。
【0022】
【数10】
【0023】
【数11】Id11 =β1(VGS11−VT)2
【0024】
【数12】Id12 =β1(VGS12−VT)2
【0025】
【数13】Id13 =β1(VGS13−VT)2
【0026】
【数14】Id14 =β1(VGS14−VT)2
【0027】ここで、Id15、Id16、I00、 VLOは数式1
5〜同18とおける。
【0028】
【数15】Id11 +Id12 =Id15
【0029】
【数16】Id13 +Id14 =Id16
【0030】
【数17】Id15 +Id16 =I00
【0031】
【数18】VGS11−VGS12=VGS14−VGS13=VLO
【0032】次いで、M15、M16のゲート幅とゲー
ト長の比を(W/L)2 とすると、トランスコンダクタ
ンスパラメータβ2 は数式19とおけるので、ドレイン
電流Id15、同Id16 は、数式11〜同14と同様に表記
でき数式20,同21のようになる。また、第1の交流
信号(電圧VRF)は数式22で示される。
【0033】
【数19】
【0034】
【数20】Id15 =β2(VGS15−VT)2
【0035】
【数21】Id16 =β2(VGS16−VT)2
【0036】
【数22】VGS15−VGS16=VRF
【0037】数式17、同20〜同22を解いてIVRF
=Id15 −Id16 を求めると、数式23となるので、I
d15 、Id16 は数式24、同25のように求まる。
【0038】
【数23】
【0039】
【数24】Id15 =(1/2)(I00+IVRF)
【0040】
【数25】Id16 =(1/2)(I00−IVRF)
【0041】また、IVLO を数式26のようにおくと、
入力電圧VLOは数式27のように表せる。
【0042】
【数26】
【0043】
【数27】
【0044】そうすると、ΔI=I31−I32は、数式2
8のようになる。
【0045】
【数28】
【0046】そして、数式28において、|VLo|《√
(I00/β1 )とすれば、ΔIは、数式29のように近
似できる。
【0047】
【数29】ΔI≒(1/I00)IVRF ・IVLO
【0048】ここで、IVLO は、入力電圧VLOに対する
定電流源I00/2で駆動される差動増幅器の差動出力電
流に相当する。またIVRF は、数式23に示すように入
力電圧VRFに対する定電流源I00で駆動される差動増幅
器の差動出力電流を表す。
【0049】従って、IVLO は入力電圧VLOにほぼ比例
し、IVRF は入力電圧VRFにほぼ比例するので、入力電
圧VRF及び同VLOが小さければ、図9に示す回路は乗算
器となる。
【0050】また、数式28を更に級数展開すると、Δ
Iは数式30となるので、入力電圧VLO、同VRFそれぞ
れの2次以上の項を無視すると、数式31が得られる。
【0051】
【数30】
【0052】
【数31】
【0053】ここで、入力電圧VLO、同VRFを数式3
2、同33のようにおいて両者の積をとると、数式34
に示すように、2周波の和と差の成分が得られる。
【0054】
【数32】VLO=|VLO|cos 2πfLO
【0055】
【数33】VRF=|VRF|cos 2πfRF
【0056】
【数34】VLO・VRF=(1/2)|VLO||VRF
[cos {2π(fLO+fRF)t}+cos {2π(fLO
RF)t}]
【0057】そして、I31、I32は、差動電流であるの
で、数式35、同36と表すことができ、それぞれ±
(1/2)ΔIを含む。従って、図9に示すギルバート
セルは周波数ミキサ回路となっているのである。
【0058】
【数35】I31=(1/2)(I00+ΔI)
【0059】
【数36】I32=(1/2)(I00−ΔI)
【0060】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の周波数
逓倍回路は、低電圧動作が可能であるが、差動対の一方
のトランジスタのエミッタサイズをK倍(K>1)とし
ているので、トランジスタサイズが大きくなり、周波数
特性が劣化するという問題がある。
【0061】また、周波数ミキサ回路をギルバートセル
を用いて図9に示すように構成すると、縦積み回路とな
るので、電源電圧が高くなる。また、素子数が多いの
で、NF(雑音指数)が劣化し、回路電流も増加する。
更に、乗算器特性は、入力電圧(VL0、VRF)が共に小
さい時にのみ近似しているので、大入力での動作ではエ
ミッタ抵抗の値を操作して対応するので3次歪が生ずる
等の問題がある。
【0062】本発明の目的は、MOS集積回路化に好適
な構成であって、低電圧動作が可能で、かつ、高周波数
動作が可能な周波数逓倍回路及び周波数ミキサ回路を提
供することにある。
【0063】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の周波数逓倍回路及び周波数ミキサ回路は次
の如き構成を有する。即ち、第1発明の周波数逓倍回路
または周波数ミキサ回路は、一方のトランジスタの入力
端に交流信号または第1交流信号が印加され、他方のト
ランジスタの入力端に前記交流信号または第2交流信号
がオフセット電圧に重畳して印加される差動対; で構
成されることを特徴とするものである。
【0064】第2発明の周波数逓倍回路または周波数ミ
キサ回路は、1つの差動対と; 交流信号、または、第
1交流信号と第2交流信号の和信号または差信号を入力
としこの差動対の2つのトランジスタの入力端間にオフ
セット電圧を形成する回路であって、一方のトランジス
タの入力端に入力信号を出力し、他方のトランジスタの
入力端に入力信号を当該オフセット電圧に重畳して出力
するオフセット電圧形成回路と; を備えたことを特徴
とするものである。
【0065】第3発明の周波数逓倍回路は、ほぼ等値の
定電流源で駆動される2つの差動対であって、この2つ
の差動対の相互間で、各差動対の一方のトランジスタの
出力端同士及び他方のトランジスタの出力端同士をそれ
ぞれ共通接続して差動出力対を構成し、各差動対の一方
のトランジスタと他方のトランジスタとの入力端間それ
ぞれにほぼ等値のオフセット電圧が出力端を共通接続し
たトランジスタの入力端側の極性を同じくして形成さ
れ、それぞれの入力端間における一方の入力端に交流信
号が印加され他方の入力端に交流信号がオフセット電圧
に重畳されて印加される; ことを特徴とするものであ
る。
【0066】第4発明の周波数逓倍回路は、ほぼ等値の
定電流源で駆動される2つの差動対であって、この2つ
の差動対の相互間で、各差動対の一方のトランジスタの
出力端同士及び他方のトランジスタの出力端同士をそれ
ぞれ共通接続して差動出力対を構成する2つの差動対
と; 前記各差動対の一方のトランジスタと他方のトラ
ンジスタとの入力端間それぞれに出力端を共通接続した
トランジスタの入力端側の極性を同じくしてほぼ等値の
オフセット電圧を形成する回路であって、それぞれの入
力端間における一方の入力端には入力信号を出力し、他
方の入力端には入力信号を当該オフセット電圧に重畳し
て出力する2つのオフセット電圧形成回路と; を備え
たことを特徴とするものである。
【0067】なお、第4発明の周波数逓倍回路におい
て; 前記2つのオフセット電圧形成回路は、それぞれ
の入力端間に交流信号が印加される場合と、一方の回路
の入力端に交流信号が印加され、他方の回路の入力端は
交流的に接地される場合とがある。
【0068】第5発明の周波数ミキサ回路は、ほぼ等値
の定電流源で駆動される2つの差動対であって、この2
つの差動対の相互間で、各差動対の一方のトランジスタ
の出力端同士及び他方のトランジスタの出力端同士をそ
れぞれ共通接続して差動出力対を構成し、各差動対の一
方のトランジスタと他方のトランジスタとの入力端間そ
れぞれにほぼ等値のオフセット電圧が出力端を共通接続
したトランジスタの入力端側の極性を同じくして形成さ
れ、一方の入力端間における一方の入力端に第1交流信
号が印加され他方の入力端に第1交流信号がオフセット
電圧に重畳されて印加され、他方の入力端間における一
方の入力端に第2交流信号が印加され他方の入力端に第
2交流信号がオフセット電圧に重畳されて印加される;
ことを特徴とするものである。
【0069】第6発明の周波数ミキサ回路は、ほぼ等値
の定電流源で駆動される2つの差動対であって、この2
つの差動対の相互間で、各差動対の一方のトランジスタ
の出力端同士及び他方のトランジスタの出力端同士をそ
れぞれ共通接続して差動出力対を構成する2つの差動対
と; 前記各差動対の一方のトランジスタと他方のトラ
ンジスタとの入力端間それぞれに出力端を共通接続した
トランジスタの入力端側の極性を同じくしてほぼ等値の
オフセット電圧を形成する回路であって、それぞれの入
力端間における一方の入力端には入力信号を出力し、他
方の入力端には入力信号を当該オフセット電圧に重畳し
て出力する2つのオフセット電圧形成回路と; を備え
たことを特徴とするものである。
【0070】なお、第6発明の周波数ミキサ回路におい
て; 2つのオフセット電圧形成回路は、一方の回路が
第1交流信号を入力とし他方の回路が第2交流信号を入
力とする場合と、一方の回路が第1交流信号と第2交流
信号との和信号または差信号を入力とし他方の回路の入
力端は交流的に接地される場合とがある。
【0071】また、前記オフセット電圧は、オフセット
電圧形成回路を構成する2つのトランジスタ自体の電圧
差で形成される場合と、オフセット電圧形成回路を構成
する1つのトランジスタの電流源側に介在させた抵抗に
よる電圧降下により形成される場合とがある。
【0072】
【作用】次に、前記の如く構成される本発明の周波数逓
倍回路及び周波数ミキサ回路の作用を説明する。本発明
の周波数逓倍回路及び周波数ミキサ回路は、交流入力信
号が1種類であるか2種類であるかの相違があるのみ
で、両回路とも同一構成であって、1つの差動対の両入
力端の直流バイアス電圧を異ならせて2乗特性を実現し
たものと、2つの差動対の出力端をたすきがけ接続して
差動出力対を構成すると共に、入力端をオフセット電圧
を介してたすきがけ接続して2乗特性を実現したものと
からなる。
【0073】本発明の周波数逓倍回路及び周波数ミキサ
回路は、MOSトランジスタで構成されるが、差動対が
2個の場合もいわゆる横一列に配置する構成であるので
原理的に低電圧動作が可能で、また最小単位のトランジ
スタを用いるので回路規模は増大せず高周波動作が可能
である。
【0074】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例に係る周波数逓倍回路
を示す。この周波数逓倍回路は、ほぼ等値の定電流源I
0 で駆動される2つの差動対{(M1、M2)(M3、
M4)}で構成されるが、この2つの差動対の相互間
で、出力端(ドレイン)をたすきがけ接続して、即ち、
M1とM4の出力端(ドレイン)同士及びM2とM3の
出力端(ドレイン)同士をそれぞれ共通接続して差動出
力対を構成し、また入力端(ゲート)をほぼ等値のオフ
セット電圧VK を介してたすきがけ接続して、即ち、M
1とM3の入力端(ゲート)間及びM2とM4の入力端
(ゲート)間にほぼ等値のオフセット電圧VK を出力端
を共通接続したトランジスタの入力端側の極性を同じく
して介在させてある。
【0075】従って、図1の例ではM1とM4の入力端
間に入力信号(電圧V1 )が印加されるデイファレンシ
ャルタイプであるが、M2とM3の入力端にはこの入力
信号がオフセット電圧VK に重畳されて印加されること
になる。なお、オフセット電圧VK は、電池を用いて発
生しても良いが、図4や図5に示すようにトランジスタ
を用いて発生しても良い。
【0076】以上の構成において、差動対(M1、M
2)の差動出力電流ΔI1 は数式37と求まり、数式3
8と表記できる。
【0077】
【数37】
【0078】
【数38】ΔI1 =I0 sgn(V1 −VK) (|V1
−VK |≧√(I0 /β))
【0079】同様に、差動対(M3、M4)の差動出力
電流ΔI2 は数式39と求まり、数式40と表記でき
る。
【0080】
【数39】
【0081】
【数40】ΔI2 =I0 sgn(V1 +VK) (|V1
+VK |≧√(I0 /β))
【0082】従って、2つの差動対をたすきがけして得
られる差動出力電流ΔIは数式41と表せるが、数式3
7は次の数式42で近似できる。このときの近似誤差
は、入力電圧範囲が、|V1 −VK |≦√(I0 /β)
の範囲においては3%以内である。同様に、数式39は
次の数式43で近似できる。
【0083】
【数41】ΔI=ΔI1 −ΔI2
【0084】
【数42】
【0085】
【数43】
【0086】即ち、数式42及び同43から明らかなよ
うに、入力電圧V1 の2乗の項が含まれているので、図
1の回路は2逓倍回路となっているのである。この周波
数逓倍回路の伝達特性を図2に、トランスコンダクタン
ス特性を図3に示してある。
【0087】なお、図1の周波数逓倍回路は、M1とM
4の一方の入力端に交流信号を印加し、他方の入力端を
交流的に接地するシングルタイプとしても使用できるこ
とは言うまでもない。
【0088】次に、図1の構成にオフセット電圧形成回
路及び出力回路を付加した周波数逓倍回路の具体的な構
成例を図4及び図5に示す。まず、図4において、M5
とM6及びM7とM8はそれぞれオフセット電圧形成回
路を構成し、M9とM10は出力回路を構成するアクテ
ィブロードである。
【0089】本実施例でのオフセット電圧形成回路は、
異なる電流値で駆動される2つのトランジスタで構成さ
れ、この2つのトランジスタの電圧差でオフセット電圧
Kを形成するものである。即ち、M5とM8はI00
駆動電流とし、M6とM7はKI00を駆動電流としてソ
ースフォロア動作をするトランジスタであるが、M5と
M6及びM7とM8はそれぞれ入力端を共通接続して入
力信号(電圧V1 )が印加され、M5のソースにはM3
の入力端(ゲート)が接続され、M6のソースにはM1
の入力端(ゲート)が接続され、M7のソースにはM4
の入力端(ゲート)が接続され、M8のソースにはM2
の入力端(ゲート)が接続される。
【0090】従って、M1とM3の入力端間にはM5と
M6の電圧差(オフセット電圧)が印加され、M4とM
2の入力端間にはM8とM7の電圧差(オフセット電
圧)が印加される。そして、入力信号は、M1とM4の
入力端にはそのまま印加されるが、M3とM2の入力端
にはオフセット電圧に重畳されて印加される。
【0091】なお2つのトランジスタの電圧差でオフセ
ット電圧を形成する方法としては、駆動電流値を異なら
せる方法の他に、駆動電流値は同じにして2つのトラン
ジスタの能力(これはゲート長とゲート幅の比で規定さ
れる)を異ならせる方法、駆動電流値と能力の双方を異
ならせる方法(ハイブリッド方式)等が考えられる。特
に、ハイブリッド方式では、チップサイズを重視するか
電流の低減を重視するか等の重み付けに従いパラメータ
を選択できるので設計の柔軟性に優れ、回路規模の縮小
化を容易にする利点がある。
【0092】また図5はオフセット電圧発生回路を1つ
のトランジスタ(M11、M12)で構成し、それぞれ
のソースに挿入した抵抗R1 の電圧降下でオフセット電
圧を形成した例を示す。M11とM12はそれぞれほぼ
等値の定電流源I00で駆動されソースフォロア動作をす
るが、M11のソースに挿入した抵抗R1 のソース側が
M3の入力端に接続され電流源側がM1の入力端にそれ
ぞれ接続される。同様に、M12のソースに挿入した抵
抗R1 のソース側がM2の入力端に接続され電流源側が
M4の入力端にそれぞれ接続される。
【0093】なお、図4及び図5に示す周波数逓倍回路
でも、シングルタイプの使用ができることは言うまでも
ない。
【0094】次いで図6は、本発明の一実施例に係る周
波数ミキサ回路を示す。この周波数ミキサ回路は、定電
流源I0 で駆動される1つの差動対(M1、M2)で構
成され、M1の入力端(ゲート)には第1交流信号(電
圧VRF)が印加され、M2の入力端(ゲート)には第2
交流信号(電圧VLO)がオフセット電圧VK に重畳され
て印加される。
【0095】以上の構成において、M1とM2が飽和領
域で動作しているとすると、ドレイン電流Id1は数式4
4、ドレイン電流Id2は数式45と表すことができ、両
電流の和が定電流源I0 である(数式46)。
【0096】
【数44】Id1=β(VGS1 −VT)2
【0097】
【数45】Id2=β(VGS2 −VT)2
【0098】
【数46】Id1+Id2=I0
【0099】また差動入力電圧Vinは、数式47と表せ
るので、数式44〜同47から差動出力電流ΔI1 は、
入力電圧の範囲に応じて数式48〜同50と求まる。但
し、数式48〜同50において、Vμは、Vμ=√(I
0 /β)である。
【0100】
【数47】VRF−VLO−VK =Vin
【0101】
【数48】
【0102】
【数49】
【0103】
【数50】
【0104】そして、数式48は次の数式51で近似で
きる。
【0105】
【数51】
【0106】数式51は、MOSトランジスタの2乗則
である数式44、同45から求まる数式48に対し入力
電圧が|Vin|≦Vμの範囲内では誤差は3%以内に納
まっている。そして、MOSトランジスタの電流特性を
ショックレーの方程式で示されるSPICEモデルを用
いたシミュレーション値と比較すると、数式48とSP
ICEシミュレーション値との関係よりも数式51とS
PICEシミュレーション値との関係の方が良い近似関
係になっている。因に、SPICEシミュレーション値
も数式48に対し入力電圧が|Vin|≦Vμの範囲内で
は誤差は3%以内に納まっている。
【0107】従って、数式51は、差動対の入出力特性
を表す近似式としては非常に良いレベルにあると言え
る。この数式51を展開すると数式52となる。
【0108】
【数52】
【0109】この数式51には、VRFとVLOの積VRF
LOが含まれるので、数式32、同33、同34によっ
て、2周波の和と差の成分が得られる。ここで、Id1
d2は差動電流であるから、Id1は数式53、Id2は数
式54と表される。それぞれ、±(1/2)ΔI1 を含
んでいる。従って、ΔI1 、あるいは、Id1、Id2を電
圧変換すれば、周波数ミキサ回路となるのである。
【0110】
【数53】Id1=(I0 +ΔI1 )/2
【0111】
【数54】Id2=(I0 −ΔI1 )/2
【0112】なお、オフセット電圧VK は、前述したよ
うに、入力端(ゲート)を共通接続した2つのトランジ
スタの電圧差、または、1つのトランジスタのソースに
介在させた抵抗の電圧降下を使用できるが、この場合に
は、トランジスタへの入力信号は、第1交流信号と第2
交流信号との和信号または差信号とすれば良い。
【0113】そして、以上の説明から明らかなように、
RF=VLOとすれば、周波数定倍回路となる。
【0114】次いで図7は、本発明の他の実施例に係る
周波数ミキサ回路を示す。この周波数ミキサ回路は、ほ
ぼ等値の定電流源I0 で駆動される2つの差動対{(M
1、M2)(M3、M4)}で構成され、この2つの差
動対の相互間で、M1とM3の出力端(ドレイン)同士
及びM2とM4の出力端(ドレイン)同士をそれぞれ共
通接続して差動出力対を構成すると共に、M1とM4の
入力端(ゲート)間及びM2とM3の入力端(ゲート)
間にそれぞれほぼ等値のオフセット電圧VK が出力端同
士を共通接続したトランジスタの入力端の極性を同一に
して形成されている。以上の構成は図1の構成と実質同
一である。
【0115】この周波数ミキサ回路は、第1交流信号
(電圧VRF)がM1の入力端に印加されM4の入力端に
オフセット電圧VK に重畳されて印加され、第2交流信
号(電圧VLO)がM3の入力端に印加されM2の入力端
にオフセット電圧VK に重畳されて印加される。
【0116】以上の構成において、差動出力電流ΔIは
数式55と求まる。
【0117】
【数55】
【0118】この数式55には、VRFとVLOの積VRF
LOが含まれるので、数式32、同33、同34によっ
て、2周波の和と差の成分が得られる。ここで、I1
2 は差動電流であるから、I1 は数式56、I2 は数
式57と表される。それぞれ、±(1/2)ΔIを含ん
でいる。従って、ΔI、あるいは、I1 、I2 を電圧変
換すれば、周波数ミキサ回路となるのである。
【0119】
【数56】I1 =I0 +ΔI/2
【0120】
【数57】I2 =I0 −ΔI/2
【0121】図6及び図7の構成では、共に第1交流信
号と第2交流信号とを別々の入力端に印加しているので
2信号間は分離されており、また差動対を構成するトラ
ンジスタは最小寸法で構成できるので、高周波特性の劣
化は少ない。入力電圧範囲は、MOSトランジスタで
は、√(β/I0)と√(βI0)=gm とのかねあいを考
慮して任意に定めることができる。この点がバイポーラ
トランジスタと本質的に異なる点である。
【0122】また、図7の構成において、信号入力端を
1つとし、その信号入力端に第1交流信号と第2交流信
号の和信号または差信号を印加しても良い。更に、その
1つの信号入力端に1種類の交流信号を印加すれば、周
波数逓倍回路となる。オフセット電圧の形成方法は前述
した。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の周波数逓
倍回路及び周波数ミキサ回路は、交流入力信号が1種類
であるか2種類であるかの相違があるのみで、両回路と
も同一構成であって、1つの差動対の両入力端の直流バ
イアス電圧を異ならせて2乗特性を実現したものと、2
つの差動対の出力端をたすきがけ接続して差動出力対を
構成すると共に、入力端をオフセット電圧を介してたす
きがけ接続して2乗特性を実現したものとからなる。
【0124】従って、本発明の周波数逓倍回路及び周波
数ミキサ回路は、MOSトランジスタで構成されるが、
差動対が2個の場合もいわゆる横一列に配置する構成で
あるので原理的に低電圧動作が可能で、また最小単位の
トランジスタを用いるので回路規模は増大せず高周波動
作が可能であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る周波数逓倍回路の回
路図である。
【図2】本発明の周波数逓倍回路の伝達特性図である。
【図3】本発明の周波数逓倍回路のトランスコンダクタ
ンス特性図である。
【図4】本発明の第2実施例に係る周波数逓倍回路の回
路図である。
【図5】本発明の第3実施例に係る周波数逓倍回路の回
路図である。
【図6】本発明の第1実施例に係る周波数ミキサ回路の
回路図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る周波数ミキサ回路の
回路図である。
【図8】従来の周波数逓倍回路の回路図である。
【図9】ギルバートセルで構成した周波数ミキサ回路の
回路図である。
【符号の説明】
0 定電流源 M1〜M16 MOSトランジスタ V1 ,VLO,VRF 入力電圧

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方のトランジスタの入力端に交流信号
    または第1交流信号が印加され、他方のトランジスタの
    入力端に前記交流信号または第2交流信号がオフセット
    電圧に重畳して印加される差動対; で構成されること
    を特徴とする周波数逓倍回路または周波数ミキサ回路。
  2. 【請求項2】 1つの差動対と; 交流信号、または、
    第1交流信号と第2交流信号の和信号または差信号を入
    力としこの差動対の2つのトランジスタの入力端間にオ
    フセット電圧を形成する回路であって、一方のトランジ
    スタの入力端に入力信号を出力し、他方のトランジスタ
    の入力端に入力信号を当該オフセット電圧に重畳して出
    力するオフセット電圧形成回路と; を備えたことを特
    徴とする周波数逓倍回路または周波数ミキサ回路。
  3. 【請求項3】 ほぼ等値の定電流源で駆動される2つの
    差動対であって、この2つの差動対の相互間で、各差動
    対の一方のトランジスタの出力端同士及び他方のトラン
    ジスタの出力端同士をそれぞれ共通接続して差動出力対
    を構成し、各差動対の一方のトランジスタと他方のトラ
    ンジスタとの入力端間それぞれにほぼ等値のオフセット
    電圧が出力端を共通接続したトランジスタの入力端側の
    極性を同じくして形成され、それぞれの入力端間におけ
    る一方の入力端に交流信号が印加され他方の入力端に交
    流信号がオフセット電圧に重畳されて印加される; こ
    とを特徴とする周波数逓倍回路。
  4. 【請求項4】 ほぼ等値の定電流源で駆動される2つの
    差動対であって、この2つの差動対の相互間で、各差動
    対の一方のトランジスタの出力端同士及び他方のトラン
    ジスタの出力端同士をそれぞれ共通接続して差動出力対
    を構成する2つの差動対と; 前記各差動対の一方のト
    ランジスタと他方のトランジスタとの入力端間それぞれ
    に出力端を共通接続したトランジスタの入力端側の極性
    を同じくしてほぼ等値のオフセット電圧を形成する2つ
    の回路であって、その2つの回路それぞれの入力端に交
    流信号が印加され、または、一方の回路の入力端に交流
    信号が印加され他方の入力端は交流的に接地され、前記
    それぞれの入力端間における一方の入力端には入力信号
    を出力し、他方の入力端には入力信号を当該オフセット
    電圧に重畳して出力する2つのオフセット電圧形成回路
    と; を備えたことを特徴とする周波数逓倍回路。
  5. 【請求項5】 ほぼ等値の定電流源で駆動される2つの
    差動対であって、この2つの差動対の相互間で、各差動
    対の一方のトランジスタの出力端同士及び他方のトラン
    ジスタの出力端同士をそれぞれ共通接続して差動出力対
    を構成し、各差動対の一方のトランジスタと他方のトラ
    ンジスタとの入力端間それぞれにほぼ等値のオフセット
    電圧が出力端を共通接続したトランジスタの入力端側の
    極性を同じくして形成され、一方の入力端間における一
    方の入力端に第1交流信号が印加され他方の入力端に第
    1交流信号がオフセット電圧に重畳されて印加され、他
    方の入力端間における一方の入力端に第2交流信号が印
    加され他方の入力端に第2交流信号がオフセット電圧に
    重畳されて印加される; ことを特徴とする周波数ミキ
    サ回路。
  6. 【請求項6】 ほぼ等値の定電流源で駆動される2つの
    差動対であって、この2つの差動対の相互間で、各差動
    対の一方のトランジスタの出力端同士及び他方のトラン
    ジスタの出力端同士をそれぞれ共通接続して差動出力対
    を構成する2つの差動対と; 前記各差動対の一方のト
    ランジスタと他方のトランジスタとの入力端間それぞれ
    に出力端を共通接続したトランジスタの入力端側の極性
    を同じくしてほぼ等値のオフセット電圧を形成する2つ
    の回路であって、その2つの回路の一方の回路が第1交
    流信号を入力とし、他方の回路が第2交流信号を入力と
    する、または、一方の回路が第1交流信号と第2の交流
    信号との和信号または差信号を入力とし、他方の回路の
    入力端は交流的に接地され、前記それぞれの入力端間に
    おける一方の入力端には入力信号を出力し、他方の入力
    端には入力信号を当該オフセット電圧に重畳して出力す
    る2つのオフセット電圧形成回路と; を備えたことを
    特徴とする周波数ミキサ回路。
  7. 【請求項7】 請求項2、同4、同6の何れかに記載の
    周波数逓倍回路または周波数ミキサ回路において; 前
    記オフセット電圧形成回路は、入力端が共通接続され異
    値の電流で駆動される2つのトランジスタで構成され、
    または、入力端が共通接続されほぼ等値の電流で駆動さ
    れる2つのトランジスタであって能力が異なるもので構
    成され、または、入力端が共通接続され異値の電流で駆
    動される2つのトランジスタであって能力が異なるもの
    で構成され; 前記オフセット電圧は、当該2つのトラ
    ンジスタ自体の電圧差で形成される; ことを特徴とす
    る周波数逓倍回路または周波数ミキサ回路。
  8. 【請求項8】 請求項2、同4、同6の何れかに記載の
    周波数逓倍回路または周波数ミキサ回路において; 前
    記オフセット電圧形成回路は、1つのトランジスタで構
    成され; 前記オフセット電圧は、この1つのトランジ
    スタの電流源側に介在させた抵抗による電圧降下により
    形成される; ことを特徴とする周波数逓倍回路または
    周波数ミキサ回路。
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