JPH072505A - ヒドロキシアパタイトの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシアパタイトの製造方法

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JPH072505A
JPH072505A JP5167286A JP16728693A JPH072505A JP H072505 A JPH072505 A JP H072505A JP 5167286 A JP5167286 A JP 5167286A JP 16728693 A JP16728693 A JP 16728693A JP H072505 A JPH072505 A JP H072505A
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JP
Japan
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solution
aqueous solution
reaction
calcium salt
hydroxyapatite
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JP5167286A
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Hideaki Ito
秀明 伊藤
Hajime Kakihara
肇 垣原
Hiroshi Kono
博 河野
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Japan Steel Works Ltd
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Japan Steel Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶性の良好なヒドロキシアパタイトを効
率よく製造する。 【構成】 カルシウム塩溶液Aとリン酸塩溶液Bと
を、温度、pHを一定に保ったアルカリ性水溶液C中
に、Ca/P=1.65〜1.70の割合で徐々に加え
る。 【効果】 結晶性が良好で均質なヒドロキシアパタイ
トを得ることができ、また製造効率にも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、骨補綴材料や吸着材
料などに使用されるヒドロキシアパタイトの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】ヒドロキシアパタイトは、骨中の無機質
成分とほぼ同じ組成を有し、生体内に埋め込むことによ
り、それ自身が骨へと転化し、また、周囲の自家骨と化
学的に結合して、一体化する。この性質を利用して、金
属製の構造体の表面にヒドロキシアパタイトを被覆した
骨代替材料やヒドロキシアパタイト焼結体による骨補綴
材料の研究が進められている。また、この他にヒドロキ
シアパタイトの優れた吸着特性を利用して、アミノ酸や
タンパク質を分離するための液体クロマトグラフィー用
カラム充填材としての応用も進められている。上記した
分野などに使用されるヒドロキシアパタイトの製造法
は、乾式法、水熱法、固体−水系法、湿式法に大別され
る。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】乾式法は、Ca
3(PO4)2のようなリン酸カルシウムとCaOとを混
合し、水蒸気の存在下で1000℃以上の高温で反応さ
せる方法であり、簡便でしかも結晶性の良いヒドロキシ
アパタイトが得られるが、得られる結晶の均一性に問題
がある。また、水熱法は、CaHPO4やアラゴナイト
を原料とし、オートクレーブ中で数百気圧下、200℃
以上に加熱し、大きな単結晶を得る方法であるが、高圧
耐熱容器が必要であり、また、結晶の育成に長時間を要
するという問題がある。また固体−水系法は、CaHP
O4・2H2Oをアルカリ水溶液中で加水分解する方法で
あり、原料として用いるCaHPO4・2H2Oの粉末形
状が、ヒドロキシアパタイト粉末粒子に継承される。さ
らに湿式法は、Ca(OH)2や他のカルシウム塩水溶
液と、H3PO4やリン酸塩水溶液との接触により、ヒド
ロキシアパタイトの沈澱を生じる方法であり、非常に微
細な粉末が得られる。
【0004】しかし、上記した方法による湿式法や固体
−水系法では、得られるヒドロキシアパタイトCa/P
比を化学量論組成の1.67にすることは困難であり、
得られたヒドロキシアパタイト粉末のX線回折ピークも
ブロードであり、結晶性の低いものしか得られない。
また、固体−水系法の方法は主に、原料を混合した溶液
をpH一定で数時間加温する方法が採られ、湿式法は、
カルシウム源の水溶液にリン源の水溶液を徐々に滴下す
る方法が採られているが、これらの方法では、反応の初
期と終期では、溶液中のカルシウム、リン酸イオンの濃
度が異なり、生成するヒドロキシアパタイトの組成が異
なる原因となる。これの均一化を図るためには、長い時
間の熟成あるいは煮沸などの操作が必要であり、製造効
率を低下させる原因となっている。本発明は、上記事情
を背景としてなされたものであり、均質性、結晶性に優
れたヒドロキシアパタイトを得ることができ、しかも製
造効率にも優れているヒドロキシアパタイトの製造方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【問題点を解決するための手段】上記問題点を解決する
ため、本願発明のヒドロキシアパタイトの製造方法は、
反応溶液であるカルシウム塩溶液とリン酸塩溶液とを、
温度、pHを調節したアルカリ性水溶液中に、Ca/P
=1.65〜1.70の割合で徐々に加えてヒドロキシ
アパタイトを晶出させることを特徴とする。
【0006】このときのカルシウム塩としては、硝酸カ
ルシウム、塩化カルシウム、蟻酸カルシウム、酢酸カル
シウムなどを用いることができ、リン酸塩としては、リ
ン酸アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸
二水素アンモニウムやこれらのアンモニウムをナトリウ
ム、カリウムで置換したリン酸塩を用いることができ
る。アルカリ性水溶液は、それぞれの原料に応じて、硝
酸アンモニウム、塩化ナトリウム、酢酸カリウムなどが
用いられる。
【0007】なお、カルシウム塩溶液とリン酸塩溶液と
は、別々の容器に収容し、これを別々に、滴下などによ
ってアルカリ性溶液に徐々に加えることができる。要
は、アルカリ性溶液に加える前にカルシウム塩とリン酸
塩との反応が進行せず、アルカリ溶液中でゆっくりと反
応するものであればよい。なお、両反応溶液を加える速
度は、一定とするのが望ましい。また、アルカリ性水溶
液は、各反応溶液の含有物と同種のカルシウム塩とリン
酸塩とが反応することによって得られる水溶性物質とす
るのが望ましく、さらに、温度、pHを一定に調節し、
またそのイオン濃度を反応期間中、一定になるように調
整するのが望ましい。
【0008】
【作用】従来のように、カルシウム塩水溶液にリン酸水
溶液を混合する方法では、pHを一定に調節した場合で
も、混合初期にはカルシウムイオン濃度が高く、終期で
は低くなるため、得られるヒドロキシアパタイト中の均
質性が良くない。また、混合したリン酸塩は即座に周囲
のカルシウム塩と反応するため、結晶性の悪い、微細な
結晶が得られる。これに対し、本願発明では、反応槽内
にカルシウムやリンを含まない溶液を用意し、pHを調
節した、この溶液にカルシウム塩水溶液とリン酸塩水溶
液とを滴下などにより徐々に加える方法をとった。アル
カリ水溶液中に加えられたそれぞれの塩は、溶液中で、
もう一方の塩と比較的ゆっくりと反応してヒドロキシア
パタイトの沈澱を生ずる。この際にアルカリ水溶液は撹
拌するのが望ましい。
【0009】なお、すでに溶液中に結晶核が存在する場
合は、その核の結晶を成長させながら核上に沈着する。
この時、反応液中に徐々に加えられるカルシウム塩とリ
ン酸塩の量がCa/P比で1.65〜1.70となるよ
うに塩濃度や滴下速度を調節することで、化学量論比組
成のヒドロキシアパタイトが得られる。アルカリ性水溶
液としては、カルシウム塩とリン酸塩との反応により生
成する水溶性の物質を用いると、反応の初期と終期と
で、反応液中のイオン種が同じとなる。また、カルシウ
ム塩とリン酸塩とを反応液中に加えるにつれて、反応液
のpHが変動するが、ヒドロキシアパタイト沈澱の生成
条件を等しくするために、アンモニア水、水酸化ナトリ
ウム水溶液などの滴下により、pHを調節する。また、
沈澱条件を全く同一のものとすることは、あらかじめ反
応液中に、沈澱反応の進行にともない生成する塩と同濃
度の塩をあらかじめ溶解させておくことにより達成され
る。
【0010】例えば、アンモニア水でpHを調節しなが
ら硝酸カルシウムとリン酸水素二アンモニウムからヒド
ロキシアパタイトを合成する場合、反応式は次式のよう
に書ける。 10Ca(NO3)2+6(NH4)2HPO4+8NH4OH→Ca10(PO4)6(OH)2+
20NH4NO3+6H2O すなわち、1モル/リットルの硝酸カルシウム溶液1リット
ルと0.6モル/リットルのリン酸水素二アンモニウム1リ
ットルとアンモニア水から、2モルの硝酸アンモニウム
と0.6モルの水が生じる。 0.6モルの水は約11
mlであり、また、通常に市販されている28%アンモ
ニア水を用いると反応に必要なアンモニア水は46ml
であるから、反応後のトータルの水溶液は約2.06リ
ットルで、硝酸アンモニウムの濃度は、誤差範囲内で1
モル/リットルとなる。
【0011】したがって反応容器内に、あらかじめ1モ
ル/リットルの硝酸アンモニウムを溶解させておき、上記の
ようなカルシウムとリンの濃度比が1.65〜1.70
になるように調整した水溶液を、pHを一定に保ちつつ
一定量づつ加えていくと、水溶液中に含まれるイオンの
濃度はほとんど変化することがない。このようにして得
られたヒドロキシアパタイトは、均質であり、非常にシ
ャープなX線回折ピークを与える。また、比較的大きな
結晶粒子であり、ろ過、洗浄操作が容易に行える。
【0012】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づき
説明する。 実施例1 第1図に示す装置は、ヒドロキシアパタイトの製造装置
であり、恒温槽1内に反応槽2が配置されている。反応
槽2内には、槽内に収容した溶液を撹拌する撹拌機3と
容器のpHを測定し、結果を出力するpHメーター4が
配置されており、pHメーター4の出力は、変換器5を
介してpH調整用溶液の定量ポンプ6cに入力されてい
る。
【0013】また、容器7aにカルシウム塩溶液、容器
7bにリン酸塩溶液、容器7cにpH調整用溶液が収容
されており、各容器7a,7b,7cに接続された供給
管8a,8b,8cは、それぞれ定量ポンプ6a,6
b,6cを介して、前記反応槽2内に先端口が臨ませて
ある。なお、カルシウム塩溶液として硝酸カルシウム
0.75モルを含むA溶液1500ml、リン酸塩溶液
としてリン酸水素二アンモニウム0.45モルを含むB
溶液1500ml、アルカリ性水溶液として硝酸アンモ
ニウム0.75を含むC溶液1500mlをそれぞれ調
製し、また、pH調製用のアルカリ源として28%アン
モニア水をD溶液として用意し、それぞれを容器7a〜
7cに収容した。
【0014】次に、C溶液のpHが常に一定となるよう
に、pHメーター4の出力により定量ポンプ6cを調整
して、D溶液を適時滴下しながら、A,B両溶液を定量
ポンプで2.5時間かけてC溶液中に滴下し、沈澱生成
物を得た。このとき、C溶液の温度は80℃に保った。
このときC溶液は撹拌機3で撹拌されている。さらに溶
液の滴下終了後、30分間撹拌を続けた後、沈殿物生成
物のろ過、洗浄を行い、60℃で乾燥させた。得られた
沈澱生成物粉末を走査電子顕微鏡で観察したところ、柱
状結晶の集合体であり、球形に近い形状をしている。こ
の粉末を1300℃まで加熱しても、ヒドロキシアパタ
イトは分解せず、単一相のままであり非常に安定した結
晶が得られた。
【0015】比較例1 次に、比較例としてカルシウム塩溶液とリン酸塩溶液と
を直接混合して反応させる方法を説明する。カルシウム
塩として、酢酸カルシウム0.75モルを含むE溶液1
500ml、リン酸塩として、リン酸水素二アンモニウ
ム0.45モルを含むF溶液1500mlをそれぞれ調
製し、また、pH調製用のアルカリ源として、28%ア
ンモニア水をG溶液として用意した。
【0016】E溶液のpHが常に一定となるように、E
溶液中にG溶液を適時滴下しながら、F溶液を定量ポン
プで2.5時間かけてE溶液中に滴下し、沈澱生成物を
得た。このとき、E溶液の温度は80℃に保った。 溶
液の滴下終了後、24時間撹拌を続けた後、ろ過、洗浄
を行い、60℃で乾燥させた。得られた沈澱生成物を走
査電子顕微鏡で観察したところ、微細な結晶が凝集し
て、大きな二次粒子を形成しており、この粉末を130
0℃まで加熱したところ、Ca3(PO4)2相がX線回
折により観察された。
【0017】上記実施例および比較例で合成されたヒド
ロキシアパタイトをX線回折し、その結果を第2図に示
した。実施例の結晶の回折結果は、ピークが非常にシャ
ープであり、化学量論比組成に従った、非常に結晶性に
優れたヒドロキシアパタイトが得られているが明らかで
ある。また、比較例では、製造後、さらに24時間熟成
を行っているが、それにも拘らずピークはブロードであ
り、結晶性に劣っていた。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明のヒドロ
キシアパタイトの製造方法によれば、反応溶液のイオン
濃度を常に一定に保ち、同一条件下で沈澱反応を進める
ことにより、非常に結晶性の高い、均質なヒドロキシア
パタイトを合成することができる。また、アルカリ性水
溶液を、各反応溶液の含有物と同種のカルシウム塩とリ
ン酸塩とが反応することによって得られる水溶性物質と
すれば、反応の初期から終期に至るまでイオン種が同一
となり、均質な結晶が得られる。また、カルシウム塩と
リン酸との反応期間中、アルカリ性水溶液のイオン濃度
が一定になるように調整すれば、生成されるヒドロキシ
アパタイトの結晶性がさらに向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は、本発明の一実施例に用いられる製造
装置の概略図である。
【図2】第2図は、本発明の実施例、比較例により合成
したヒドロキシアパタイトのX線回折結果を示す。
【符号の説明】
1 恒温槽 2 反応槽 3 撹拌機 4 pHメーター 5 変換器 6a 定量ポンプ 6b 定量ポンプ 6c 定量ポンプ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応溶液であるカルシウム塩溶液とリン
    酸塩溶液とを、温度、pHを調節したアルカリ性水溶液
    中に、Ca/P=1.65〜1.70の割合で徐々に加
    えてヒドロキシアパタイトを晶出させることを特徴とす
    るヒドロキシアパタイトの製造方法
  2. 【請求項2】 アルカリ性水溶液が、各反応溶液の含有
    物と同種のカルシウム塩とリン酸塩とが反応することに
    よって得られる水溶性物質であることを特徴とする請求
    項1記載のヒドロキシアパタイトの製造方法
  3. 【請求項3】 カルシウム塩とリン酸との反応期間中、
    アルカリ性水溶液のイオン濃度が一定になるように調整
    されていることを特徴とする請求項1または2項記載の
    ヒドロキシアパタイトの製造方法
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