JPH07251246A - 連続鋳造方法 - Google Patents

連続鋳造方法

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JPH07251246A
JPH07251246A JP4345094A JP4345094A JPH07251246A JP H07251246 A JPH07251246 A JP H07251246A JP 4345094 A JP4345094 A JP 4345094A JP 4345094 A JP4345094 A JP 4345094A JP H07251246 A JPH07251246 A JP H07251246A
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謙一 柳
Junkichi Yoneda
順吉 米田
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耕一 平田
Hiroshi Nakajima
宏 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鋳片の内部割れや中心偏析を抑制して製品品
質の向上を図った連続鋳造方法を提供する。 【構成】 循環する一対のベルト11,12とベルト1
1,12に同調して循環する一対のサイドダム16,1
7とで鋳型部18を形成すると共に鋳型部18の下方に
圧延ロール対26〜35を複数組列設し、鋳型部18に
溶鋼31を注入してその鋳型部外周を冷却して中心部に
未凝固部33が存在する筒殻状の凝固殻を有する鋳片3
4を引抜きながら圧延ロール対26〜35で鋳片板厚を
漸減させるように順次圧下して所望板厚の鋼板を製造す
る際に、鋳片34を鋳型部18から5mm/min以上の一定
の鋳造速度で引抜きながらその凝固殻厚が6〜20mmの
領域で圧下すると共に圧下完了後に未凝固部厚を3mm以
上確保するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄い鋼板などの帯板を
溶湯からインラインで連続鋳造する連続鋳造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図5に従来の連続鋳造方法を表す概略、
図6に従来の別の連続鋳造方法を表す鋳造装置の概略、
図7に従来の連続鋳造方法による鋳造状態を表す鋳片の
断面を示してある。
【0003】従来の一般的な連続鋳造方法は、図5に示
すように、鋳型101内に注入ノズル102から溶鋼1
03を注入し、この鋳型101を図示しない冷却装置に
よって冷却する。冷却によって外周部が凝固して凝固殻
が生成され、この凝固殻を生成しながら複数のガイドロ
ール104等によって鋳片105を連続的に引抜いてい
く。そして、この引抜かれた鋳片105を別途圧延して
所望の板厚の鋼板を製造していく。この従来の一般的な
連続鋳造方法にあっては、鋳片105の厚さが注入ノズ
ル102の内径の大きさによって決まるため、薄い鋼板
を製造するためにはこの注入ノズル102の内径を小さ
くする方がよい。ところが、注入ノズル102の内径を
小さくすると、鋳片105の引抜きが困難となってしま
うという問題がある。
【0004】また、従来の別の連続鋳造方法は、図5に
示すように、所望の鋳片(鋼板)の厚さとおおよそ等し
い間隔をあけて無端の金属ベルト201,202を対向
して設置し、この各金属ベルト201,202をそれぞ
れプーリ203,204に掛け回して循環駆動自在に支
持する。そして、この金属ベルト201,202が対向
する鋳型空間内に臨むようにフラット型の注入ノズル2
05を設けると共に、この鋳型空間の両側に冷却装置2
06,207を設置する。更に、鋳型空間の下方に一対
の引抜きロール208,209を設置する。この鋳造装
置を用い、注入ノズル205から鋳型空間に溶鋼を注入
し、この鋳型空間内の溶鋼を冷却装置206,207に
よって冷却し、その外周部を凝固させて凝固殻を生成し
ながら引抜きロール208,209によって鋳片210
を連続的に引抜いていく。
【0005】この従来の連続鋳造方法にあっても薄い鋼
板を製造するために、無端の金属ベルト201,202
は比較的狭い間隔で接近して対向しており、注入ノズル
205の内径を所望の鋳片の厚さより小さくしなければ
ならない。そのため、注入ノズル205の内径を小さく
することで、この注入ノズル205の先端部が溶鋼の凝
固などによって詰まりが生じ易いという問題があった。
【0006】そこで、上述した各従来の連続鋳造方法の
問題点を解決するために、中心部が未凝固状態にある筒
殻状の凝固殻(鋳片)を鋳型から引抜きながらその凝固
に合わせて漸次圧下して鋳片の板厚を調整し、所望板厚
の鋳片を製造する鋳造方法が、例えば、特開昭59−7
464号公報に開示されたものとして提案されている。
【0007】この特開昭59−7464号公報に開示さ
れた連続鋳造方法の具体的な装置は前述した図6を用い
て説明したものとほぼ同様の構成をなし、対向する金属
ベルト201,202によって形成された鋳型空間の下
方に一対の圧延ロールを複数組設置し、対向するロール
同士の間隔を漸次小さくなるように、且つ、鋳片の引抜
き方向に並んだ圧延ロールの間隔が一定となるように設
定してある。
【0008】従って、このような連続鋳造方法にあって
は、鋳型空間の下方に複数の圧延ロール対を設置して対
向する金属ベルトの間隔を十分に確保することで、注入
ノズルの閉塞の抑制、鋳片内に含まれる非金属介在物の
低減、鋳片表面に生じる局所的凹みの低減等を図ること
ができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、中心部が未
凝固状態にある鋳片を漸次圧下して所望板厚の鋳片を連
続製造する方法の最大のポイントは以下に示すことにあ
る。 (1)凝固不均一に伴って生ずる含有元素の偏析(中心
偏析)が発生せずに、所望の薄肉鋳片を連続鋳造するこ
とができる。 (2)圧下時に鋳片の変形に起因する鋳片の内部割れが
発生せずに、あるいは発生しても無害の大きさで所望の
薄肉鋳片を連続鋳造することができる。
【0010】ところが、前述した特開昭59−7464
号公報に開示された連続鋳造方法にあっては、上述した
連続製造方法の最大のポイントを十分に満足することは
できず、種々の問題がある。
【0011】鋳型空間から引抜かれて中心部が未凝固状
態にある鋳片は複数組の圧延ロールによって漸次圧下さ
れて所望板厚に連続製造されるが、このとき、図5に示
すように、この鋳片301は中心部の未凝固部301a
と外側の凝固殻301bとからなっており、両者の境界
は樹枝状の凝固殻301cを有してその凝固晶間には凝
固進行上含有元素(C,Si,Mn,S・・・)が集中
し易くなっている。また、中心部が未凝固状態の鋳片3
01はこれを漸次圧下する圧延ロール対302と303
との間にて未凝固部301a、即ち溶鋼が内圧を受けて
膨れ、バルジングを起こしてしまう。
【0012】そのため、このような状態で鋳片301を
下方に引抜くと、内圧を受けてバルジングを起こした部
分が圧延ロール対303によって圧下されたときに、凝
固殻301bに作用する力は外表面側が引張りから圧縮
へ、内表面側は逆に圧縮から引張りへとそれぞれ変化す
る。これによって未凝固部301aと凝固殻301bと
の間の樹枝状の境界部分301cが開口され、凝固殻3
01bに亀裂が生じてしまい、この亀裂内に含有元素が
進入して内部割れが発生してしまうという問題があっ
た。また、未凝固部301aに点在する含有元素(C,
Si,Mn,S・・・)は凝固殻301bが成長するに
つれて次第に中心部へ集中し、中心偏析301dが形成
される。
【0013】このような内部割れ並びに中心偏析が鋳片
の品質を低下させる最大の要因であり、この発生には多
くの鋳造条件、例えば、鋳造速度や圧下率、圧延ロール
の個数及びその配置方法などが複雑に関係しており、中
心部が未凝固状態にある鋳片を圧下して鋼板を連続製造
する際の最大の課題であり、その適切な技術や諸条件が
確立されていないのが現状である。
【0014】本発明はこのような問題を解決するもので
あって、鋳片の内部割れや中心偏析を抑制して製品品質
の向上を図った連続鋳造方法を提供することを目的とす
るものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの本発明の連続鋳造方法は、所定の間隔をあけて対向
設置されて循環する一対のベルトと該一対のベルトの相
互間の両端縁に設置された一対のサイドダムとで鋳型部
を形成すると共に、該鋳型部の鋳片引抜き方向前側に一
対のロールよりなる圧延ロール対を複数組列設し、前記
鋳型部に溶湯を注入してその鋳型部壁に接して冷却され
中心部が未凝固の筒殻状の鋳片を鋳型部から引抜きなが
ら前記圧延ロール対で該鋳片板厚を漸減させるように順
次圧下して溶湯から直接所望板厚の帯板を製造する連続
鋳造方法において、前記鋳片を前記鋳型部から一定の鋳
造速度で引抜きながらその凝固殻厚が6〜20mmの領域
で圧下すると共に、圧下完了後に未凝固部厚を3mm以上
確保するようにしたことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明の連続鋳造方法は、請求項1
記載の連続鋳造方法において、中心部が未凝固の鋳片に
対する圧延ロール対当たりの圧下量を1〜6mmとするこ
とを特徴とするものである。
【0017】また、本発明の連続鋳造方法は、請求項1
記載の連続鋳造方法において、圧延ロール対を2500
mmの範囲に5〜10組設置すると共にその設置間隔を1
90mm以下とすることを特徴とするものである。
【0018】更に、本発明の連続鋳造方法は、所定の間
隔をあけて対向設置されて循環する一対のベルトと該一
対のベルトの相互間の両端縁に設置されて前記一対のベ
ルトに同調して循環する一対のサイドダムとで鋳型部を
形成すると共に、該鋳型部の鋳片引抜き方向前側に一対
のロールよりなる圧延ロール対を複数組列設し、前記鋳
型部に溶鋼を注入してその鋳型部壁に接して冷却され中
心部が未凝固の筒殻状の鋳片を鋳型部から引抜きながら
前記圧延ロール対で該鋳片板厚を漸減させるように順次
圧下して溶鋼から直接所望板厚の鋼板を製造する連続鋳
造方法において、前記鋳片を前記鋳型部から5mm/min以
上の鋳造速度で引抜きながらその凝固殻厚が6〜20mm
の領域で圧下すると共に、圧下完了後に未凝固部厚を3
mm以上確保するようにしたことを特徴とするものであ
る。
【0019】
【作用】中心部が未凝固状態にある筒殻状の鋳片を引抜
きながら複数の圧延ロール対で順次圧下する際に、鋳片
を鋳型部から一定の鋳造速度でその凝固殻厚を6〜20
mmの領域で圧下すると共に、圧下完了後に中心部の未凝
固部厚を3mm以上確保するようにしたことで、鋳片は一
定の速度にて引抜かれて凝固殻の成長度合に応じて圧下
時期が適切に選定されることとなり、中心偏析の発生が
効果的に抑制される。
【0020】また、未凝固の鋳片に対する圧延ロール対
当たりの圧下量を1〜6mmとすることで、適切な圧下量
に選定されて凝固殻に作用する引張力及び圧縮力が低減
されて内部割れの発生が抑制されると共に、未凝固部厚
と凝固殻との樹枝状晶間の含有元素の押出が抑えられて
中心偏析の発生も抑制される。
【0021】また、圧延ロール対を2500mmの範囲に
5〜10組設置すると共にその設置間隔を190mm以下
とすることで、鋳片のバルジングをできるだけ小さくし
て内部割れの発生が抑制されると共に、適正な凝固殻厚
を有する鋳片に対して適正な圧下率で圧延され、内部割
れや中心偏析が抑制される。
【0022】更に、中心部が未凝固状態にある筒殻状の
鋳片を引抜きながら複数の圧延ロール対で順次圧下する
際に、鋳片を鋳型部から5mm/min以上の鋳造速度で引抜
きながらその凝固殻厚が6〜20mmの領域で圧下すると
共に、圧下完了後に未凝固部厚を3mm以上確保するよう
にしたことで、鋳片は適切な速度にて引抜かれて中心偏
析の発生が効果的に抑制される。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。
【0024】図1に本発明の一実施例に係る連続鋳造方
法を実施するための鋳造装置の概略、図2に本実施例の
連続鋳造装置の要部(図1のII−II)断面、図3に本実
施例の連続鋳造方法により製造された鋳片の表面からの
板厚比に対する炭素の偏析比を表すグラフ、図4に本実
施例の連続鋳造方法により製造された鋳片の凝固殻厚に
対する内部割れ長さを表すグラフを示してある。
【0025】図1及び図2に示すように、本実施例の連
続鋳造方法を実施するための鋳造装置10において、所
望の鋳片(鋼板)の厚さとおおよそ等しい間隔をあけて
無端の金属ベルト11,12が対向して設置され、この
各金属ベルト11,12はそれぞれ3つのプーリ13,
14,15に掛け回して循環駆動自在に支持されてい
る。また、各金属ベルト11,12の両端縁にはこの各
金属ベルト11,12と同調して循環駆動自在なサイド
ダム16,17が設けられており、この金属ベルト1
1,12及びサイドダム16,17によって鋳型部18
が形成されている。そして、鋳型部18の上方には内部
に溶鋼を有するタンディッシュ19が設置されており、
このタンディッシュ19には下端部が鋳型部18内に臨
むようなフラット型の注入ノズル20が接続されてい
る。また、鋳型部18の両側には冷却装置21,22が
設置されている。
【0026】更に、鋳型部18の下方には引抜きのため
の3組のガイドロール23,24,25が設けられると
共に、一対のロールよりなる圧延ロール対26〜35が
複数組列設されている。そして、この圧延ロール対26
〜35において、対向するロール同士の間隔は下方に漸
次小さくなるように設定されると共に、鋳片の引抜き方
向に並んだ圧延ロール対26〜35の間隔はほぼ一定と
なるように設定されている。
【0027】従って、本実施例の連続鋳造方法を実施す
るための鋳造装置10を用いて鋼板を連続鋳造するに
は、金属ベルト11,12をサイドダム16,17と共
に循環駆動している状態で、タンディッシュ19内の溶
鋼31を注入ノズル20から鋳型部18内に注入し、こ
の鋳型部18内の溶鋼31を冷却装置21,22によっ
て冷却する。すると、溶鋼31は鋳型部18内で冷却さ
れ、外周部が凝固して筒殻状の凝固殻32を生成し、そ
の凝固殻32の内部には未凝固部33存在する凝固途中
の鋳片34となる。そして、ガイドロール23,24,
25によってこの凝固途中の鋳片34を連続的に引抜き
ながら、複数組の圧延ロール対26〜35によりこの鋳
片34の板厚を漸減させるように順次圧下することで、
所望の板厚の鋼板を製造することができる。
【0028】本実施例では、上述した連続鋳造過程で以
下に説明する鋳造条件を設定している。即ち、筒殻状の
凝固殻32の中心部に未凝固部33が存在する鋳片34
を引抜きながら複数の圧延ロール対26〜35で順次圧
下する際に、鋳片34を鋳型部18から一定の鋳造速
度、例えば、3mm/min、4mm/min、あるいは5mm/min以
上の鋳造速度で引抜いてその凝固殻厚を6〜20mmに成
長した領域で圧下すると共に、圧下完了後に中心部の未
凝固部厚を3mm以上確保するようにしている。この場
合、溶鋼31内に平均して点在する含有元素(C,S
i,Mn,S・・・)は凝固殻32の成長につれて次第
に中心部に集中するようになるが、このとき、固層(凝
固殻32)と液層(未凝固部33)との境界に形成され
た樹枝状晶間の含有元素が圧下により押されて中心部に
集まり、偏析が起こり易くなるが、この傾向は凝固殻3
2の厚さが厚いほど、即ち、未凝固部33の厚さが薄い
ほど強く表れる。従って、本実施例では、鋳片34を適
切な一定の鋳造速度にて引抜き、凝固殻32の成長度合
に応じて圧下時期を適切に選定することで、中心偏析の
発生を効果的に抑制している。
【0029】また、凝固殻32の中心部に未凝固部33
が存在する鋳片34を圧延ロール対26〜35で圧下す
る際に、鋳片34に対する圧延ロール対26〜35当た
りの圧下量を1〜6mmと設定している。この場合、固層
(凝固殻32)と液層(未凝固部33)との境界に形成
された樹枝状晶間が圧下に伴う引張力の作用により開口
して内部割れが発生するので、圧下量が大きいほどこの
内部割れも大きくなる。従って、本実施例では、圧下量
を適切に選定することで、凝固殻32に作用する引張力
及び圧縮力を低減して内部割れをできるだけ小さいもの
に抑制すると共に、樹枝状晶間の含有元素の押出を抑え
て中心偏析の発生も抑制している。
【0030】更に、鋳型部18の下方に複数組列設され
た圧延ロール対26〜35を2500mmの範囲に5〜1
0組設置すると共にその設置間隔を190mm以下と設定
している。この場合、圧下途中の中心部に未凝固部33
が存在する鋳片34は隣接する圧延ロール対の間にて溶
鋼31の内圧により未凝固部33が膨れ、バルジングを
起こし、このバルジングに比例して内部の樹枝状晶間に
作用する引張力も大きくなっている。従って、本実施例
では、隣接する圧延ロール対26〜35の間隔を適正に
設定することで、鋳片34のバルジングをできるだけ小
さくして内部割れの発生を抑制すると共に、適正な凝固
殻厚を有する鋳片34に対して適正な圧下率で圧延して
内部割れや中心偏析を抑制している。
【0031】なお、筒殻状の凝固殻32の中心部に未凝
固部33が存在する鋳片34を引抜きながら複数の圧延
ロール対26〜35で圧下する際に、鋳片34を鋳型部
18から引抜く一定の鋳造速度は5mm/min以上の速度が
最適であり、これによって中心偏析の発生をより効果的
に抑制できる。
【0032】ここで、図3及び図4を用いて本実施例の
連続鋳造方法による中心偏析並びに内部割れの抑制効果
について説明する。図3に示すグラフは本実施例による
中心偏析の抑制効果を表すグラフであって、本実施例の
連続鋳造方法により製造された鋳片34の板厚比t/t
0 (鋳片34の表面から中心までの深さ)に対する炭素
の偏析比C/C0 (溶鋼31内の炭素の平均値C0 に対
する炭素量Cの割合)を表している。このグラフにおい
て、図3に一点鎖線で示す従来は従来の鋳造方法(図
6参照)によって鋳造した250mm厚のスラブ(圧下な
し)であり、点線で示す従来は本実施例と同様の鋳造
方法によって鋳造したものであるが、70mmで全圧下し
た鋳片であり、実線で示す本実施例は本実施例の鋳造方
法によって鋳造したもので、20mmで全圧下した鋳片で
ある。
【0033】従って、このグラフによれば、従来で
は、板厚全域にわたって負偏析(炭素量が平均値より少
ない)状態であり、且つ、中心部で炭素量が急激に増加
する典型的な中心偏析傾向を示している。また、従来
では、中心部に近づくにつれて負偏析状態となり、製品
の品質上で好ましくない傾向を示している。一方、本実
施例では、板厚全域にわたって炭素の偏析比がほぼC/
0 =1となっており、偏析が発生していないことがわ
かる。
【0034】また、図4に示すグラフは内部割れの抑制
効果を表すグラフであって、本実施例の連続鋳造方法に
より製造された鋳片34の圧下時の凝固殻厚に対する内
部割れ長さを表している。このグラフにおいて、図4に
示す3つの実線はそれぞれ本実施例の連続鋳造方法の圧
下量を4mm、5mm、6mmと変化させたものである。
【0035】このグラフによれば、凝固殻厚が20mm以
内の領域では6mm以下の圧下量/圧延ロール対によって
鋳片の内部割れを防止、あるいは許容値以下に抑制する
ことができる。また、4mm程度の圧下量/圧延ロール対
であれば、凝固殻厚が20mm以上の領域でも鋳片の内部
割れを許容値以下に抑制することができる。
【0036】
【発明の効果】以上、実施例を挙げて詳細に説明したよ
うに本発明の連続鋳造方法によれば、所定の間隔をあけ
て循環する一対のベルトとそのベルトの相互間の両端縁
に設置された一対のサイドダムとで鋳型部を形成すると
共に鋳型部の鋳片引抜き方向前側に圧延ロール対を複数
組列設し、鋳型部に溶湯を注入してその鋳型部壁に接し
て冷却され中心部が未凝固の筒殻状の鋳片を鋳型部から
引抜きながら圧延ロール対で鋳片板厚を漸減させるよう
に順次圧下して所望板厚の帯板を製造する際に、鋳片を
鋳型部から一定の鋳造速度でその凝固殻厚を6〜20mm
の領域で圧下すると共に圧下完了後に中心部の未凝固部
厚を3mm以上確保するようにしたので、鋳片は一定の速
度にて引抜かれて凝固殻の成長度合に応じて圧下時期が
適切に選定されることとなり、中心偏析の発生を抑制す
ることができ、製品品質の向上を図ることができる。
【0037】また、本発明の連続鋳造方法によれば、未
凝固の鋳片に対する圧延ロール対当たりの圧下量を1〜
6mmとしたので、適切な圧下量に選定されて凝固殻に作
用する引張力及び圧縮力を低減することで内部割れの発
生を抑制すると共に未凝固部厚と凝固殻との樹枝状晶間
の含有元素の押出を抑えて中心偏析の発生も抑制するこ
とができる。
【0038】また、本発明の連続鋳造方法によれば、圧
延ロール対を2500mmの範囲に5〜10組設置すると
共にその設置間隔を190mm以下としたので、鋳片のバ
ルジングをできるだけ小さくして内部割れの発生を抑制
すると共に適正な凝固殻厚を有する鋳片に対して適正な
圧下率で圧延して内部割れや中心偏析を抑制することが
できる。
【0039】更に、本発明の連続鋳造方法によれば、中
心部が未凝固状態にある筒殻状の鋳片を引抜きながら複
数の圧延ロール対で順次圧下する際に、鋳片を鋳型部か
ら5mm/min以上の鋳造速度で引抜きながらその凝固殻厚
が6〜20mmの領域で圧下すると共に圧下完了後に未凝
固部厚を3mm以上確保するようにしたので、鋳片は適切
な速度にて引抜かれて中心偏析の発生を効果的に抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る連続鋳造方法を実施す
るための鋳造装置の概略図である。
【図2】本実施例の連続鋳造装置の要部(図1のII−I
I)断面図である。
【図3】本実施例の連続鋳造方法により製造された鋳片
の表面からの板厚比に対する炭素の偏析比を表すグラフ
である。
【図4】本実施例の連続鋳造方法により製造された鋳片
の凝固殻厚に対する内部割れ長さを表すグラフである。
【図5】従来の連続鋳造方法を表す概略図である。
【図6】従来の別の連続鋳造方法を表す鋳造装置の概略
図である。
【図7】従来の連続鋳造方法による鋳造状態を表す鋳片
の断面図である。
【符号の説明】
10 鋳造装置 11,12 ベルト 16,17 サイドダム 18 鋳型部 20 注入ノズル 21,22 冷却装置 23,24,25 ガイドロール 26〜35 圧延ロール 31 溶鋼 32 凝固殻 33 未凝固部 34 鋳片
フロントページの続き (72)発明者 中嶋 宏 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔をあけて対向設置されて循環
    する一対のベルトと該一対のベルトの相互間の両端縁に
    設置された一対のサイドダムとで鋳型部を形成すると共
    に、該鋳型部の鋳片引抜き方向前側に一対のロールより
    なる圧延ロール対を複数組列設し、前記鋳型部に溶湯を
    注入してその鋳型部壁に接して冷却され中心部が未凝固
    の筒殻状の鋳片を鋳型部から引抜きながら前記圧延ロー
    ル対で該鋳片板厚を漸減させるように順次圧下して溶湯
    から直接所望板厚の帯板を製造する連続鋳造方法におい
    て、前記鋳片を前記鋳型部から一定の鋳造速度で引抜き
    ながらその凝固殻厚が6〜20mmの領域で圧下すると共
    に、圧下完了後に未凝固部厚を3mm以上確保するように
    したことを特徴とする連続鋳造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の連続鋳造方法において、
    中心部が未凝固の鋳片に対する圧延ロール対当たりの圧
    下量を1〜6mmとすることを特徴とする連続鋳造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の連続鋳造方法において、
    圧延ロール対を2500mmの範囲に5〜10組設置する
    と共にその設置間隔を190mm以下とすることを特徴と
    する連続鋳造方法。
  4. 【請求項4】 所定の間隔をあけて対向設置されて循環
    する一対のベルトと該一対のベルトの相互間の両端縁に
    設置されて前記一対のベルトに同調して循環する一対の
    サイドダムとで鋳型部を形成すると共に、該鋳型部の鋳
    片引抜き方向前側に一対のロールよりなる圧延ロール対
    を複数組列設し、前記鋳型部に溶鋼を注入してその鋳型
    部壁に接して冷却され中心部が未凝固の筒殻状の鋳片を
    鋳型部から引抜きながら前記圧延ロール対で該鋳片板厚
    を漸減させるように順次圧下して溶鋼から直接所望板厚
    の鋼板を製造する連続鋳造方法において、前記鋳片を前
    記鋳型部から5mm/min以上の鋳造速度で引抜きながらそ
    の凝固殻厚が6〜20mmの領域で圧下すると共に、圧下
    完了後に未凝固部厚を3mm以上確保するようにしたこと
    を特徴とする連続鋳造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110756582A (zh) * 2019-12-03 2020-02-07 宜兴市惠华复合材料有限公司 一种高结合强度复合带材及其制造方法

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