JPH07254367A - 微小多極真空管およびその製造方法 - Google Patents
微小多極真空管およびその製造方法Info
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- JPH07254367A JPH07254367A JP4415994A JP4415994A JPH07254367A JP H07254367 A JPH07254367 A JP H07254367A JP 4415994 A JP4415994 A JP 4415994A JP 4415994 A JP4415994 A JP 4415994A JP H07254367 A JPH07254367 A JP H07254367A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】効率の向上化、アレイ化したときの均一性の向
上化、動作の信頼性向上化、耐久性の向上化を図れる微
小多極真空管およびその製造方法を提供する。 【構成】先端部が尖鋭な凸状のエミッタ部26を有した
エミッタ部材層14の表面上でエミッタ部26の先端部
を除く部分には第1の絶縁層13が設けてあり、この上
にはエミッタ部26を囲む部分がエミッタ部の周面部に
沿った先細りの筒状に形成されてなるゲート電極層21
が設けてある。ゲート電極層21の上には第2の絶縁層
22が設けてあり、この上には、エミッタ部26を囲む
部分がエミッタ部の周面部に沿った先細りの筒状に形成
されてなるアノード電極層が設けてある。エミッタ部2
6の先端から見通せる立体角内には、ゲート電極層21
およびアノード電極層23の前記筒状に形成された部分
の少なくとも先端部内周面がそれぞれ露出状態に位置し
ている。
上化、動作の信頼性向上化、耐久性の向上化を図れる微
小多極真空管およびその製造方法を提供する。 【構成】先端部が尖鋭な凸状のエミッタ部26を有した
エミッタ部材層14の表面上でエミッタ部26の先端部
を除く部分には第1の絶縁層13が設けてあり、この上
にはエミッタ部26を囲む部分がエミッタ部の周面部に
沿った先細りの筒状に形成されてなるゲート電極層21
が設けてある。ゲート電極層21の上には第2の絶縁層
22が設けてあり、この上には、エミッタ部26を囲む
部分がエミッタ部の周面部に沿った先細りの筒状に形成
されてなるアノード電極層が設けてある。エミッタ部2
6の先端から見通せる立体角内には、ゲート電極層21
およびアノード電極層23の前記筒状に形成された部分
の少なくとも先端部内周面がそれぞれ露出状態に位置し
ている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電界放出型の微小多極
真空管およびその製造方法に関する。
真空管およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体スイッチング素子の動作速度は、
固体中におけるキャリアの移動度によって決まるため、
真空中において電子を移動させる3極真空管のそれより
大幅に遅い。現在、半導体スイッチング素子の動作速度
を向上させるべく種々の研究がなされているが、すでに
限界に近付いている。
固体中におけるキャリアの移動度によって決まるため、
真空中において電子を移動させる3極真空管のそれより
大幅に遅い。現在、半導体スイッチング素子の動作速度
を向上させるべく種々の研究がなされているが、すでに
限界に近付いている。
【0003】このような事情から、最近では半導体加工
技術を利用して形成された電界放出型の冷陰極(エミッ
タ)を用いる微小多極真空管の研究が活発に行なわれて
いる。その代表的な例としては、スピント(C.A.Spind
t)らが、Journal of AppliedPhysics, Vol.47,5248(19
76) に記載したものが知られている。
技術を利用して形成された電界放出型の冷陰極(エミッ
タ)を用いる微小多極真空管の研究が活発に行なわれて
いる。その代表的な例としては、スピント(C.A.Spind
t)らが、Journal of AppliedPhysics, Vol.47,5248(19
76) に記載したものが知られている。
【0004】上記文献に記載されているものは、Si単
結晶基板上にSiO2 絶縁層とゲート電極層とを形成し
た後、両層に直径約1.5 μm程度の穴をあけ、この穴の
中に電界放出を行なう円錐状のエミッタを蒸着法によっ
て形成している。具体的には、Si単結晶基板上にSi
O2 絶縁層をCVD法等の堆積法で形成し、その上にM
o層あるいはAl層からなるゲート電極層をスパッタリ
ング法で形成する。そして、両層にエッチングによって
ピンホールをあけた後、基板を回転させながらエミッタ
となる金属、たとえばMoを垂直方向から真空蒸着し、
ゲート電極上にMoが堆積されるにしたがってピンホー
ルの開口端の直径が徐々に小さくなる現象を利用して、
ピンホール内の基板上に円錐型のエミッタを堆積形成す
る。そして、これらエミッタに対向させてアノード電極
を配置して微小多極真空管を完成させるようにしてい
る。
結晶基板上にSiO2 絶縁層とゲート電極層とを形成し
た後、両層に直径約1.5 μm程度の穴をあけ、この穴の
中に電界放出を行なう円錐状のエミッタを蒸着法によっ
て形成している。具体的には、Si単結晶基板上にSi
O2 絶縁層をCVD法等の堆積法で形成し、その上にM
o層あるいはAl層からなるゲート電極層をスパッタリ
ング法で形成する。そして、両層にエッチングによって
ピンホールをあけた後、基板を回転させながらエミッタ
となる金属、たとえばMoを垂直方向から真空蒸着し、
ゲート電極上にMoが堆積されるにしたがってピンホー
ルの開口端の直径が徐々に小さくなる現象を利用して、
ピンホール内の基板上に円錐型のエミッタを堆積形成す
る。そして、これらエミッタに対向させてアノード電極
を配置して微小多極真空管を完成させるようにしてい
る。
【0005】しかし、この方法では、回転蒸着法を利用
して、ピンホール内に円錐状のエミッタを形成している
ため、多数のエミッタを同一基板上に同時に形成したと
き、各エミッタの高さや先端部の形状にばらつきが生じ
易いばかりか、電界放出効率の向上に不可欠なエミッタ
先端部の尖鋭度を上げることが困難であった。
して、ピンホール内に円錐状のエミッタを形成している
ため、多数のエミッタを同一基板上に同時に形成したと
き、各エミッタの高さや先端部の形状にばらつきが生じ
易いばかりか、電界放出効率の向上に不可欠なエミッタ
先端部の尖鋭度を上げることが困難であった。
【0006】一方、他の代表的な例としては、応用物
理、Vol.59,p146(1990) に記載されているように、Si
単結晶基板に対する異方性エッチングを用いて円錐状の
電界放出型エミッタを作製したものも知られている。
理、Vol.59,p146(1990) に記載されているように、Si
単結晶基板に対する異方性エッチングを用いて円錐状の
電界放出型エミッタを作製したものも知られている。
【0007】図5にその作製プロセスおよび構造を示
す。まず、同図(a) に示すように、Si単結晶基板1の
上面にSiN膜2を約 4μmの厚さにスパッタリングで
堆積し、このSiN膜2上に、同図(b) に示すように、
フォトレジスト3を円形に設ける。次に、SF6 を用い
た反応性イオンエッチング法によって異方性エッチング
用のマスク4を作製する。次に、同図(c) に示すよう
に、異方性エッチング液を使ってマスク4の下部をアン
ダーエッチングして、マスク4が付いたままの円錐形状
のエミッタ5を作製する。
す。まず、同図(a) に示すように、Si単結晶基板1の
上面にSiN膜2を約 4μmの厚さにスパッタリングで
堆積し、このSiN膜2上に、同図(b) に示すように、
フォトレジスト3を円形に設ける。次に、SF6 を用い
た反応性イオンエッチング法によって異方性エッチング
用のマスク4を作製する。次に、同図(c) に示すよう
に、異方性エッチング液を使ってマスク4の下部をアン
ダーエッチングして、マスク4が付いたままの円錐形状
のエミッタ5を作製する。
【0008】次に、同図(d) に示すように、SiO2 か
らなる絶縁層6,7とTa等からなる電極層8,9を交
互に2回ずつ蒸着する。電極層8はゲート電極用であ
り、電極層9はアノード電極用である。
らなる絶縁層6,7とTa等からなる電極層8,9を交
互に2回ずつ蒸着する。電極層8はゲート電極用であ
り、電極層9はアノード電極用である。
【0009】最後に、同図(e) に示すように、絶縁層
6,7および電極層8,9におけるマスク4の上方に位
置している部分、マスク4、絶縁層6におけるマスク4
の下方に位置している部分をそれぞれ除去し、続いて異
方性エッチング液および弗酸によってエミッタ5の先端
の最終加工と絶縁層の軽いエッチングを行い、微小多極
真空管を完成させるようにしている。
6,7および電極層8,9におけるマスク4の上方に位
置している部分、マスク4、絶縁層6におけるマスク4
の下方に位置している部分をそれぞれ除去し、続いて異
方性エッチング液および弗酸によってエミッタ5の先端
の最終加工と絶縁層の軽いエッチングを行い、微小多極
真空管を完成させるようにしている。
【0010】この方法では、Si単結晶に対する異方性
エッチング法を用いているので、前述した回転蒸着法に
比較して、エミッタの先端部尖鋭化、形状の均一化をあ
る程度向上させることができる。しかし、アンダーエッ
チング時間の制御が難しいばかりか、マスク4の剥離に
ばらつきが生じ易く、エミッタ先端部の尖鋭度、形状の
均一性、再現性ともに充分なものではなかった。また、
この方法においても、マスク4の存在が障害となり、ゲ
ートをエミッタに十分近付けることができず、しかも電
界放出効率に大きな影響を与えるエミッタ・ゲート間の
距離を正確に設定できない問題があった。アノードにつ
いても同様で、マスク4の存在が障害となり、エミッタ
5に対向する部分にエミッタ5の基定部の径より大きい
孔10を設ける必要がある。このため、アノードにおい
て、エミッタ5から放出された電子流を受ける部分が孔
10の周縁部でエミッタ側に位置するエッジ部に限ら
れ、この部分が熱的損傷を受け易く、耐久性に劣るばか
りか、電子流の一部がゲートに流れ易く、効率が悪いと
いう問題があった。さらに、エミッタ材料には、仕事関
数の値が小さく、物理的・化学的に安定なことが要求さ
れるが、この方法では2つの性質がともに不満足なSi
しかエミッタ材料として用いることができない問題もあ
った。
エッチング法を用いているので、前述した回転蒸着法に
比較して、エミッタの先端部尖鋭化、形状の均一化をあ
る程度向上させることができる。しかし、アンダーエッ
チング時間の制御が難しいばかりか、マスク4の剥離に
ばらつきが生じ易く、エミッタ先端部の尖鋭度、形状の
均一性、再現性ともに充分なものではなかった。また、
この方法においても、マスク4の存在が障害となり、ゲ
ートをエミッタに十分近付けることができず、しかも電
界放出効率に大きな影響を与えるエミッタ・ゲート間の
距離を正確に設定できない問題があった。アノードにつ
いても同様で、マスク4の存在が障害となり、エミッタ
5に対向する部分にエミッタ5の基定部の径より大きい
孔10を設ける必要がある。このため、アノードにおい
て、エミッタ5から放出された電子流を受ける部分が孔
10の周縁部でエミッタ側に位置するエッジ部に限ら
れ、この部分が熱的損傷を受け易く、耐久性に劣るばか
りか、電子流の一部がゲートに流れ易く、効率が悪いと
いう問題があった。さらに、エミッタ材料には、仕事関
数の値が小さく、物理的・化学的に安定なことが要求さ
れるが、この方法では2つの性質がともに不満足なSi
しかエミッタ材料として用いることができない問題もあ
った。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の電
界放出型の微小多極真空管にあっては、エミッタの先端
部尖鋭度を増すことが困難で、電界放出効率を向上させ
ることが困難であったり、エミッタの形状を均一にする
ことが困難であったり、ゲート・エミッタ間の距離を高
精度に設定することが困難であったり、アノードの耐久
性に欠けたり、効率が悪かったり、エミッタ材料が特定
化されたりするなどの問題があった。そこで本発明は、
上述した不具合を解消できる電界放出型の微小多極真空
管およびその製造方法を提供することを目的としてい
る。
界放出型の微小多極真空管にあっては、エミッタの先端
部尖鋭度を増すことが困難で、電界放出効率を向上させ
ることが困難であったり、エミッタの形状を均一にする
ことが困難であったり、ゲート・エミッタ間の距離を高
精度に設定することが困難であったり、アノードの耐久
性に欠けたり、効率が悪かったり、エミッタ材料が特定
化されたりするなどの問題があった。そこで本発明は、
上述した不具合を解消できる電界放出型の微小多極真空
管およびその製造方法を提供することを目的としてい
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る微小多極真空管では、先端部が尖鋭
な凸状のエミッタ部を有するエミッタ部材と、このエミ
ッタ部材の前記エミッタ部が突出している側の表面上で
前記エミッタ部の先端部を除く部分に設けられた第1の
絶縁層と、この第1の絶縁層の上に設けられ、上記第1
の絶縁層を介して前記エミッタ部を囲む部分が上記エミ
ッタ部の周面部に沿った先細りの筒状に形成されてなる
ゲート電極層と、このゲート電極層の上に設けられた第
2の絶縁層と、この第2の絶縁層の上に設けられ、上記
第2の絶縁層、前記ゲート電極層および前記第1の絶縁
層を介して前記エミッタ部を囲む部分が上記エミッタ部
の周面部に沿った先細りの筒状に形成されてなるアノー
ド電極層とを具備し、前記エミッタ部の先端から見通せ
る立体角内に前記ゲート電極層および前記アノード電極
層の前記筒状に形成された部分の少なくとも先端部内周
面がそれぞれ露出状態に位置していることを特徴として
いる。
に、請求項1に係る微小多極真空管では、先端部が尖鋭
な凸状のエミッタ部を有するエミッタ部材と、このエミ
ッタ部材の前記エミッタ部が突出している側の表面上で
前記エミッタ部の先端部を除く部分に設けられた第1の
絶縁層と、この第1の絶縁層の上に設けられ、上記第1
の絶縁層を介して前記エミッタ部を囲む部分が上記エミ
ッタ部の周面部に沿った先細りの筒状に形成されてなる
ゲート電極層と、このゲート電極層の上に設けられた第
2の絶縁層と、この第2の絶縁層の上に設けられ、上記
第2の絶縁層、前記ゲート電極層および前記第1の絶縁
層を介して前記エミッタ部を囲む部分が上記エミッタ部
の周面部に沿った先細りの筒状に形成されてなるアノー
ド電極層とを具備し、前記エミッタ部の先端から見通せ
る立体角内に前記ゲート電極層および前記アノード電極
層の前記筒状に形成された部分の少なくとも先端部内周
面がそれぞれ露出状態に位置していることを特徴として
いる。
【0013】ここで、前記エミッタ部における基部の径
をD1 とし、前記アノード電極層における前記筒状の部
分の先端部内径をD2 としたとき、D2 /D1 ≦0.8 を
満たす関係、特にD2 /D1 <0.5 を満たすことが好ま
しい。
をD1 とし、前記アノード電極層における前記筒状の部
分の先端部内径をD2 としたとき、D2 /D1 ≦0.8 を
満たす関係、特にD2 /D1 <0.5 を満たすことが好ま
しい。
【0014】また、前記エミッタ部材は、仕事関数が小
さく、かつ物理的・化学的に安定な材料で形成された表
材層と上記表材層の構成材料より固有抵抗の大きい材料
で形成された芯材層との複合構成に形成されていること
が好ましい。
さく、かつ物理的・化学的に安定な材料で形成された表
材層と上記表材層の構成材料より固有抵抗の大きい材料
で形成された芯材層との複合構成に形成されていること
が好ましい。
【0015】請求項4に係る微小多極真空管の製造方法
では、補助基板に低部を尖らせた凹部を設ける工程と、
前記凹部の内面を含む前記補助基板の表面に第1の絶縁
層を設ける工程と、前記第1の絶縁層の露出している一
方の面上にエミッタ部材層を形成する工程と、前記補助
基板を除去して前記第1の絶縁層の他方の面を露出させ
る工程と、前記第1の絶縁層の前記他方の面上にゲート
電極層を形成する工程と、前記ゲート電極層の露出して
いる面上に第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の
絶縁層の露出している面上にアノード電極層を形成する
工程と、前記凹部に起因して前記エミッタ部材層に形成
された凸部をエミッタ部とし、前記第1の絶縁層、前記
ゲート電極層、前記第2の絶縁層および前記アノード電
極層の上記エミッタ部を覆っている部分を対象にして、
上記各層が上記エミッタ部の周面部に沿って上記エミッ
タ部を先細の筒状に囲み、かつ上記エミッタ部の先端か
ら見通せる立体角内に上記ゲート電極層および上記アノ
ード電極層の上記筒状部分の少なくとも先端部内周面が
それぞれ露出状態に位置するように上記各層の一部をそ
れぞれ除去する工程とを備えている。
では、補助基板に低部を尖らせた凹部を設ける工程と、
前記凹部の内面を含む前記補助基板の表面に第1の絶縁
層を設ける工程と、前記第1の絶縁層の露出している一
方の面上にエミッタ部材層を形成する工程と、前記補助
基板を除去して前記第1の絶縁層の他方の面を露出させ
る工程と、前記第1の絶縁層の前記他方の面上にゲート
電極層を形成する工程と、前記ゲート電極層の露出して
いる面上に第2の絶縁層を形成する工程と、前記第2の
絶縁層の露出している面上にアノード電極層を形成する
工程と、前記凹部に起因して前記エミッタ部材層に形成
された凸部をエミッタ部とし、前記第1の絶縁層、前記
ゲート電極層、前記第2の絶縁層および前記アノード電
極層の上記エミッタ部を覆っている部分を対象にして、
上記各層が上記エミッタ部の周面部に沿って上記エミッ
タ部を先細の筒状に囲み、かつ上記エミッタ部の先端か
ら見通せる立体角内に上記ゲート電極層および上記アノ
ード電極層の上記筒状部分の少なくとも先端部内周面が
それぞれ露出状態に位置するように上記各層の一部をそ
れぞれ除去する工程とを備えている。
【0016】なお、前記エミッタ部材層を形成する工程
は、前記補助基板の表面上に形成された前記第1の絶縁
層の露出している一方の面上に仕事関数が小さく、かつ
物理的・化学的に安定な材料からなる表材層を形成する
工程と、前記表材層の露出している面上に上記表材層を
構成している材料より固有抵抗の大きい材料からなる芯
材層を形成する工程とを含んでいてもよい。
は、前記補助基板の表面上に形成された前記第1の絶縁
層の露出している一方の面上に仕事関数が小さく、かつ
物理的・化学的に安定な材料からなる表材層を形成する
工程と、前記表材層の露出している面上に上記表材層を
構成している材料より固有抵抗の大きい材料からなる芯
材層を形成する工程とを含んでいてもよい。
【0017】
【作用】請求項1に係る微小多極真空管では、ゲート電
極層におけるエミッタ部を囲んでいる部分を、エミッタ
部の周面部に沿って先細りとなる筒状に形成しているの
で、第1の絶縁層の厚みを調整することによって、ゲー
トをエミッタに十分近付けることができ、しかもゲート
・エミッタ間の距離を正確に設定できるので、電界放出
効率を向上させることが可能となる。また、アノード電
極層についても、エミッタ部を囲んでいる部分を、エミ
ッタ部の周面部に沿って先細りとなる筒状に形成してい
るので、第2の絶縁層の厚みを調整することによって、
ゲート・アノード間距離およびエミッタ・アノード間距
離を正確に設定できる。
極層におけるエミッタ部を囲んでいる部分を、エミッタ
部の周面部に沿って先細りとなる筒状に形成しているの
で、第1の絶縁層の厚みを調整することによって、ゲー
トをエミッタに十分近付けることができ、しかもゲート
・エミッタ間の距離を正確に設定できるので、電界放出
効率を向上させることが可能となる。また、アノード電
極層についても、エミッタ部を囲んでいる部分を、エミ
ッタ部の周面部に沿って先細りとなる筒状に形成してい
るので、第2の絶縁層の厚みを調整することによって、
ゲート・アノード間距離およびエミッタ・アノード間距
離を正確に設定できる。
【0018】また、この場合には、上記形状の採用によ
ってエミッタの先端延長線にアノードを近付けることが
でき、これによってエミッタから放出された電子流を受
ける部分の面積を広くできる。したがって、アノードの
熱破壊を防止でき、耐久性を向上させることができるば
かりか、エミッタから放出された電子流のうち、ゲート
に向かう分の割合を少なくできるので、効率を向上させ
ることができる。
ってエミッタの先端延長線にアノードを近付けることが
でき、これによってエミッタから放出された電子流を受
ける部分の面積を広くできる。したがって、アノードの
熱破壊を防止でき、耐久性を向上させることができるば
かりか、エミッタから放出された電子流のうち、ゲート
に向かう分の割合を少なくできるので、効率を向上させ
ることができる。
【0019】なお、エミッタ部における基部の径をD1
とし、アノード電極層における筒状の部分の先端部内径
をD2 としたとき、D2 /D1 ≦0.8 、好ましくはD2
/D1 <0.5 の関係に設定すると、アノードにおいて電
子流を受ける部分の面積を十分広くすることができ、上
述した効果を一層発揮させることができる。
とし、アノード電極層における筒状の部分の先端部内径
をD2 としたとき、D2 /D1 ≦0.8 、好ましくはD2
/D1 <0.5 の関係に設定すると、アノードにおいて電
子流を受ける部分の面積を十分広くすることができ、上
述した効果を一層発揮させることができる。
【0020】また、エミッタ部材を、仕事関数が小さ
く、かつ物理的・化学的に安定な材料で形成された表材
層と上記表材層の構成材料より固有抵抗の大きい材料で
形成された芯材層との複合構成に形成すると、アレイ化
したときに各微小多極真空管を安定に動作させることが
できる。すなわち、エミッタ部の先端へと流れる電流
は、芯材層および表材層を経由して流れる。芯材層は表
材層より固有抵抗の大きい材料で形成されているので、
アレイ化したときに特定のエミッタ部に電流が集中して
流れようとすると、芯材層における上記特定のエミッタ
部に対応する部分での電圧降下が自動的に大きくなり、
この結果として特定のエミッタ部への電流集中が緩和さ
れる。したがって、各微小多極真空管を安定に動作させ
ることができる。
く、かつ物理的・化学的に安定な材料で形成された表材
層と上記表材層の構成材料より固有抵抗の大きい材料で
形成された芯材層との複合構成に形成すると、アレイ化
したときに各微小多極真空管を安定に動作させることが
できる。すなわち、エミッタ部の先端へと流れる電流
は、芯材層および表材層を経由して流れる。芯材層は表
材層より固有抵抗の大きい材料で形成されているので、
アレイ化したときに特定のエミッタ部に電流が集中して
流れようとすると、芯材層における上記特定のエミッタ
部に対応する部分での電圧降下が自動的に大きくなり、
この結果として特定のエミッタ部への電流集中が緩和さ
れる。したがって、各微小多極真空管を安定に動作させ
ることができる。
【0021】請求項4に係る微小多極真空管の製造方法
では、最初に補助基板に設ける凹部を高精度に設けてお
きさえすれば、エミッタ部を高精度に、かつ尖鋭度よ
く、しかも均一に作製することができる。
では、最初に補助基板に設ける凹部を高精度に設けてお
きさえすれば、エミッタ部を高精度に、かつ尖鋭度よ
く、しかも均一に作製することができる。
【0022】たとえば、補助基板として、Si単結晶基
板を用い、この基板の結晶方位を利用して異方性エッチ
ングを行えば、精度の高い、たとえば逆ピラミッド状の
凹部を形成することができる。そして、上記補助基板の
凹部の内面を含む表面にSiO2 熱酸化膜を形成し、こ
れを第1の絶縁層とする。SiO2 熱酸化膜は、緻密で
膜厚の制御が容易であり、しかも凹部先端部における内
側への成長作用により、SiO2 熱酸化膜で囲まれた逆
ピラミッド状空間の先端部をより尖鋭化させる。
板を用い、この基板の結晶方位を利用して異方性エッチ
ングを行えば、精度の高い、たとえば逆ピラミッド状の
凹部を形成することができる。そして、上記補助基板の
凹部の内面を含む表面にSiO2 熱酸化膜を形成し、こ
れを第1の絶縁層とする。SiO2 熱酸化膜は、緻密で
膜厚の制御が容易であり、しかも凹部先端部における内
側への成長作用により、SiO2 熱酸化膜で囲まれた逆
ピラミッド状空間の先端部をより尖鋭化させる。
【0023】請求項4に係る製造方法にしたがうと、最
終的に、エミッタ部は、先端部が尖鋭化された上述の逆
ピラミッド状空間を埋めるように設けられたエミッタ部
材層で形成されることになる。したがって、高精度で、
かつ尖鋭度が高く、形状の均一なエミッタ部を作製する
ことが可能となる。しかも、仕事関数の値が小さく、物
理的・化学的に安定な材料でエミッタ部を作製すること
ができるので、効率および耐久性を向上させることがで
きる。
終的に、エミッタ部は、先端部が尖鋭化された上述の逆
ピラミッド状空間を埋めるように設けられたエミッタ部
材層で形成されることになる。したがって、高精度で、
かつ尖鋭度が高く、形状の均一なエミッタ部を作製する
ことが可能となる。しかも、仕事関数の値が小さく、物
理的・化学的に安定な材料でエミッタ部を作製すること
ができるので、効率および耐久性を向上させることがで
きる。
【0024】なお、エミッタ部材層を形成する工程にお
いて、補助基板の表面上に形成された第1の絶縁層の露
出している一方の面上に仕事関数が小さく、かつ物理的
・化学的に安定な材料からなる表材層を形成し、続いて
表材層の露出している面上に表材層を構成している材料
より固有抵抗の大きい材料からなる芯材層を形成するよ
うにすると、前述のように各エミッタ部へ流れる電流を
バランスさせる機能を備えたものを製造できる。
いて、補助基板の表面上に形成された第1の絶縁層の露
出している一方の面上に仕事関数が小さく、かつ物理的
・化学的に安定な材料からなる表材層を形成し、続いて
表材層の露出している面上に表材層を構成している材料
より固有抵抗の大きい材料からなる芯材層を形成するよ
うにすると、前述のように各エミッタ部へ流れる電流を
バランスさせる機能を備えたものを製造できる。
【0025】仕事関数が小さく、物理的・化学的に安定
な材料としては、W,Mo,Ta等を挙げることができ
る。これらの材料を使って、たとえばスパッタリング法
で表材層を形成した場合、成膜内の応力が大きいので、
厚膜にすることができないが、芯材層の付加によって、
実質的に緻密で、肉厚の厚いエミッタ部材層を形成する
ことができる。芯材層としては、固有抵抗の大きい材料
としてはルテニウム、カーボン、シリコンなどを用いる
ことができる。
な材料としては、W,Mo,Ta等を挙げることができ
る。これらの材料を使って、たとえばスパッタリング法
で表材層を形成した場合、成膜内の応力が大きいので、
厚膜にすることができないが、芯材層の付加によって、
実質的に緻密で、肉厚の厚いエミッタ部材層を形成する
ことができる。芯材層としては、固有抵抗の大きい材料
としてはルテニウム、カーボン、シリコンなどを用いる
ことができる。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。図1(a) 〜(h) には本発明の一実施例に係る微小多
極真空管の製造プロセスが示されている。同図に基づい
て、この実施例に係る微小多極真空管の製造方法および
構造を説明する。なお、この図では1つの微小多極真空
管を取出して示しているが、実際には複数の微小多極真
空管をアレイ状に配列したものが作られる。
る。図1(a) 〜(h) には本発明の一実施例に係る微小多
極真空管の製造プロセスが示されている。同図に基づい
て、この実施例に係る微小多極真空管の製造方法および
構造を説明する。なお、この図では1つの微小多極真空
管を取出して示しているが、実際には複数の微小多極真
空管をアレイ状に配列したものが作られる。
【0027】まず、図1(a) に示すように補助基板とし
てのSi単結晶基板11を用意し、このSi単結晶基板
11の片側表面に底部を尖らせた凹部12を形成する。
このような凹部12を形成する方法としては、Si単結
晶基板11への異方性エッチングを利用する。すなわ
ち、まず、p型で(100) 結晶面方位のSi単結晶基板1
1上に厚さ0.1 μmのSiO2 熱酸化膜をドライ酸化法
で形成し、この熱酸化膜上にフォトレジストをスピンコ
ート法で塗布する。次に、光ステッパを用いて、フォト
レジスト層にたとえば0.8 μm角の正方形開口部が得ら
れるよう露光、現像等のパターニングを行った後、露出
したSiO2 熱酸化膜をNH4 F・HF混合溶液によっ
てエッチングする。フォトレジストを除去した後、30w
t%KOH水溶液を用いて異方性エッチングを行い、図
1(a) に示すように、深さ0.56μmの逆ピラミッド状の
凹部12をSi単結晶基板11に形成する。
てのSi単結晶基板11を用意し、このSi単結晶基板
11の片側表面に底部を尖らせた凹部12を形成する。
このような凹部12を形成する方法としては、Si単結
晶基板11への異方性エッチングを利用する。すなわ
ち、まず、p型で(100) 結晶面方位のSi単結晶基板1
1上に厚さ0.1 μmのSiO2 熱酸化膜をドライ酸化法
で形成し、この熱酸化膜上にフォトレジストをスピンコ
ート法で塗布する。次に、光ステッパを用いて、フォト
レジスト層にたとえば0.8 μm角の正方形開口部が得ら
れるよう露光、現像等のパターニングを行った後、露出
したSiO2 熱酸化膜をNH4 F・HF混合溶液によっ
てエッチングする。フォトレジストを除去した後、30w
t%KOH水溶液を用いて異方性エッチングを行い、図
1(a) に示すように、深さ0.56μmの逆ピラミッド状の
凹部12をSi単結晶基板11に形成する。
【0028】次に、NH4 F・HF混合溶液を用いて、
残っているSiO2 酸化膜を除去する。次に、図1(b)
に示すように、凹部12の内面を含めてSi単結晶基板
11の表面上にSiO2 熱酸化膜(以後、単に第1の絶
縁層と呼称する。)13を形成する。この実施例では、
厚さ0.2 μmとなるように、第1の絶縁層13をドライ
酸化法で形成した。なお、第1の絶縁層13を形成する
に当たり、CVD法等によりSiO2 を堆積することに
よっても形成できるが、SiO2 熱酸化膜は緻密で厚さ
の制御も容易なうえ、凹部12の内側への成長作用によ
り、SiO2 熱酸化膜で囲まれた逆ピラミッド状空間の
先端部をより尖鋭化させるので好ましい。
残っているSiO2 酸化膜を除去する。次に、図1(b)
に示すように、凹部12の内面を含めてSi単結晶基板
11の表面上にSiO2 熱酸化膜(以後、単に第1の絶
縁層と呼称する。)13を形成する。この実施例では、
厚さ0.2 μmとなるように、第1の絶縁層13をドライ
酸化法で形成した。なお、第1の絶縁層13を形成する
に当たり、CVD法等によりSiO2 を堆積することに
よっても形成できるが、SiO2 熱酸化膜は緻密で厚さ
の制御も容易なうえ、凹部12の内側への成長作用によ
り、SiO2 熱酸化膜で囲まれた逆ピラミッド状空間の
先端部をより尖鋭化させるので好ましい。
【0029】次に、第1の絶縁層13の露出している一
方の面上に、エミッタ部材層14の表層となる表材層1
5を、たとえばW,Mo,Ta等の層で形成する。これ
らの材料は仕事関数の値が小さく、物理的・化学的に安
定している。この実施例では表材層15となる厚さ0.2
μmのW層をスパッタリング法で形成した。次に、表材
層15の上に、エミッタ部材層14の芯材となる芯材層
16を表材層15の構成材より固有抵抗の大きいLu,
C,Si等で表面が平坦となる程度の厚さにスパッタリ
ング法で形成し、この芯材層16の上にITO等の導電
層17をスパッタリング法により、たとえば厚さ1 μm
となるように形成する。なお、この導電層17は芯材層
16の材質によっては省くことができ、その場合には芯
材層16がカソード電極層を兼ねることになる。
方の面上に、エミッタ部材層14の表層となる表材層1
5を、たとえばW,Mo,Ta等の層で形成する。これ
らの材料は仕事関数の値が小さく、物理的・化学的に安
定している。この実施例では表材層15となる厚さ0.2
μmのW層をスパッタリング法で形成した。次に、表材
層15の上に、エミッタ部材層14の芯材となる芯材層
16を表材層15の構成材より固有抵抗の大きいLu,
C,Si等で表面が平坦となる程度の厚さにスパッタリ
ング法で形成し、この芯材層16の上にITO等の導電
層17をスパッタリング法により、たとえば厚さ1 μm
となるように形成する。なお、この導電層17は芯材層
16の材質によっては省くことができ、その場合には芯
材層16がカソード電極層を兼ねることになる。
【0030】一方、図1(c) に示すように、構造基板と
して、背面に厚さ0.4 μmのAl層18をコートした厚
さ 1mmのパイレックスガラス基板19を用意し、この
ガラス基板19と導電層17とを接着する。この接着に
は、たとえば静電接着法を適用することもできる。静電
接着法は、最終的に出来上がった真空管の軽量化や薄型
化に寄与する。
して、背面に厚さ0.4 μmのAl層18をコートした厚
さ 1mmのパイレックスガラス基板19を用意し、この
ガラス基板19と導電層17とを接着する。この接着に
は、たとえば静電接着法を適用することもできる。静電
接着法は、最終的に出来上がった真空管の軽量化や薄型
化に寄与する。
【0031】次に、図1(d) に示すように、ガラス基板
19の背面のAl層18をHNO3・CH3 COOH・
HFの混酸溶液で除去した後、エチレンジアミン・ピロ
カテコール・ピラジンから成る水溶液(エチレンジアミ
ン:ピロカテコール:ピラジン:水=75cc:12g :3mg
:10cc)でSi単結晶基板11のみをエッチング除去
し、第1の絶縁層13の他方の面を露出させる。この第
1の絶縁層13の他方の面の露出によって、表面が第1
の絶縁層13で覆われたピラミッド状の凸部20が突出
したものとなる。このピラミッド状の凸部20内は、前
述したエミッタ部材層14で形成されている。
19の背面のAl層18をHNO3・CH3 COOH・
HFの混酸溶液で除去した後、エチレンジアミン・ピロ
カテコール・ピラジンから成る水溶液(エチレンジアミ
ン:ピロカテコール:ピラジン:水=75cc:12g :3mg
:10cc)でSi単結晶基板11のみをエッチング除去
し、第1の絶縁層13の他方の面を露出させる。この第
1の絶縁層13の他方の面の露出によって、表面が第1
の絶縁層13で覆われたピラミッド状の凸部20が突出
したものとなる。このピラミッド状の凸部20内は、前
述したエミッタ部材層14で形成されている。
【0032】次に、図1(e) に示すように、第1の絶縁
層13の上に凸部20の形状に沿わせて、ゲート電極層
21となる厚さ0.2 μmのW層をスパッタリング法によ
って形成する。その後、ゲート電極層21の上に第2の
絶縁層22となる厚さ0.4 μmのSiO2 膜を電子ビー
ム蒸着法によって形成し、続いて第2の絶縁層22の上
にアノード電極層23となる厚さ0.3 μmのW層をスパ
タリング法によって形成する。続いて、アノード電極層
23の上にフォトレジスト24をスピンコート法で約0.
3 μm厚程度、つまりピラミッド状部分の先端が隠れる
程度の厚さに塗布する。
層13の上に凸部20の形状に沿わせて、ゲート電極層
21となる厚さ0.2 μmのW層をスパッタリング法によ
って形成する。その後、ゲート電極層21の上に第2の
絶縁層22となる厚さ0.4 μmのSiO2 膜を電子ビー
ム蒸着法によって形成し、続いて第2の絶縁層22の上
にアノード電極層23となる厚さ0.3 μmのW層をスパ
タリング法によって形成する。続いて、アノード電極層
23の上にフォトレジスト24をスピンコート法で約0.
3 μm厚程度、つまりピラミッド状部分の先端が隠れる
程度の厚さに塗布する。
【0033】次に、図1(f) に示すように、酸素プラズ
マによるドライエッチングを行い、ピラミッド状部分の
先端部が0.4 μm程現れるように、フォトレジスト24
をエッチング除去する。
マによるドライエッチングを行い、ピラミッド状部分の
先端部が0.4 μm程現れるように、フォトレジスト24
をエッチング除去する。
【0034】次に、図1(g) に示すように、反応性イオ
ンエッチングにより、アノード電極層23におけるピラ
ミッド先端部を構成している部分を除去し、この部分に
開口部25を設ける。
ンエッチングにより、アノード電極層23におけるピラ
ミッド先端部を構成している部分を除去し、この部分に
開口部25を設ける。
【0035】次に、フォトレジスト24を除去した後、
NH4 F・HF混合溶液を用い、第2の絶縁層22で開
口部25の下に位置する部分およびその周辺に位置する
部分を除去する。次に、フォトレジストを再び塗布す
る。そして、ゲート電極層21で開口部25の下に位置
する部分が0.2 μm程度現れるように上記フォトレジス
トを酸素プラズマによるドライエッチングで除去し、第
1の絶縁層13における開口部25の下に位置する部分
を露出させる。
NH4 F・HF混合溶液を用い、第2の絶縁層22で開
口部25の下に位置する部分およびその周辺に位置する
部分を除去する。次に、フォトレジストを再び塗布す
る。そして、ゲート電極層21で開口部25の下に位置
する部分が0.2 μm程度現れるように上記フォトレジス
トを酸素プラズマによるドライエッチングで除去し、第
1の絶縁層13における開口部25の下に位置する部分
を露出させる。
【0036】次に、フォトレジストを除去し、続いてN
H4 F・HF混合溶液を用い、第1の絶縁層13におけ
る露出部分を除去し、図1(h) に示すように、凸部20
内に存在しているピラミッド状のエミッタ部材層14、
つまりエミッタ部26の先端部を露出させる。
H4 F・HF混合溶液を用い、第1の絶縁層13におけ
る露出部分を除去し、図1(h) に示すように、凸部20
内に存在しているピラミッド状のエミッタ部材層14、
つまりエミッタ部26の先端部を露出させる。
【0037】これらの一連の工程によって、先端部が尖
鋭な凸状のエミッタ部26を有するエミッタ部材層14
と、このエミッタ部材層14のエミッタ部26が突出し
ている側の表面上でエミッタ部26の先端部を除く部分
に設けられた第1の絶縁層13と、この第1の絶縁層1
3の上に設けられ、第1の絶縁層13を介してエミッタ
部26を囲む部分がエミッタ部26の周面部に沿った先
細りの筒状に形成されてなるゲート電極層21と、この
ゲート電極層21の上に設けられた第2の絶縁層22
と、この第2の絶縁層22の上に設けられ、第2の絶縁
層22、ゲート電極層21および第1の絶縁層13を介
してエミッタ部26を囲む部分がエミッタ部26の周面
部に沿った先細りの筒状に形成されてなるアノード電極
層23とを備え、エミッタ部26の先端から見通せる立
体角内にゲート電極層21およびアノード電極層23の
前記筒状に形成された部分の少なくとも先端部内周面が
それぞれ露出状態に位置している微小多極真空管が形成
されたことになる。
鋭な凸状のエミッタ部26を有するエミッタ部材層14
と、このエミッタ部材層14のエミッタ部26が突出し
ている側の表面上でエミッタ部26の先端部を除く部分
に設けられた第1の絶縁層13と、この第1の絶縁層1
3の上に設けられ、第1の絶縁層13を介してエミッタ
部26を囲む部分がエミッタ部26の周面部に沿った先
細りの筒状に形成されてなるゲート電極層21と、この
ゲート電極層21の上に設けられた第2の絶縁層22
と、この第2の絶縁層22の上に設けられ、第2の絶縁
層22、ゲート電極層21および第1の絶縁層13を介
してエミッタ部26を囲む部分がエミッタ部26の周面
部に沿った先細りの筒状に形成されてなるアノード電極
層23とを備え、エミッタ部26の先端から見通せる立
体角内にゲート電極層21およびアノード電極層23の
前記筒状に形成された部分の少なくとも先端部内周面が
それぞれ露出状態に位置している微小多極真空管が形成
されたことになる。
【0038】図2には、図1(h) に示す工程を終了した
時点におけるエミッタ部26の近傍を一部切欠した斜視
図が示されている。そして、このようにして形成された
微小多極真空管は、真空雰囲気内に収容されて使用され
る。
時点におけるエミッタ部26の近傍を一部切欠した斜視
図が示されている。そして、このようにして形成された
微小多極真空管は、真空雰囲気内に収容されて使用され
る。
【0039】このように、上記実施例に係る微小多極真
空管では、まず補助基板としてのSi単結晶基板11に
異方性エッチングによって凹部12を形成し、その後に
凹部12を含むSi単結晶基板11の表面にSiO2 熱
酸化膜からなる第1の絶縁層13を形成し、この第1の
絶縁層13の表面上にエミッタ部材層14を形成してい
る。このため、凹部12の形状に応じたエミッタ部26
を再現性良く形成することができる。さらに、上述した
異方性エッチングによる形状再現性は勿論のこと、Si
O2 熱酸化膜からなる第1の絶縁層13による凹部12
の内側空間への成長作用により、先端部が鋭く尖り、か
つ高さの均一性に優れたピラミッド状のエミッタ部26
を安定して形成することができる。したがって、電界放
射効率の向上および各エミッタ部26の電界放射効率の
均一性を向上させることができる。
空管では、まず補助基板としてのSi単結晶基板11に
異方性エッチングによって凹部12を形成し、その後に
凹部12を含むSi単結晶基板11の表面にSiO2 熱
酸化膜からなる第1の絶縁層13を形成し、この第1の
絶縁層13の表面上にエミッタ部材層14を形成してい
る。このため、凹部12の形状に応じたエミッタ部26
を再現性良く形成することができる。さらに、上述した
異方性エッチングによる形状再現性は勿論のこと、Si
O2 熱酸化膜からなる第1の絶縁層13による凹部12
の内側空間への成長作用により、先端部が鋭く尖り、か
つ高さの均一性に優れたピラミッド状のエミッタ部26
を安定して形成することができる。したがって、電界放
射効率の向上および各エミッタ部26の電界放射効率の
均一性を向上させることができる。
【0040】また、ゲート電極層21におけるエミッタ
部26を囲んでいる部分を、エミッタ部26の周面部に
沿って先細りとなる筒状に形成しているので、第1の絶
縁層13の厚みを調整することによって、ゲートをエミ
ッタに十分近付けることができるとともにゲート・エミ
ッタ間の距離を正確に設定できる。このため、電界放出
効率を向上させることが可能となる。
部26を囲んでいる部分を、エミッタ部26の周面部に
沿って先細りとなる筒状に形成しているので、第1の絶
縁層13の厚みを調整することによって、ゲートをエミ
ッタに十分近付けることができるとともにゲート・エミ
ッタ間の距離を正確に設定できる。このため、電界放出
効率を向上させることが可能となる。
【0041】また、アノード電極層23についても、エ
ミッタ部26を囲んでいる部分を、エミッタ部26の周
面部に沿って先細りとなる筒状に形成しているので、第
2の絶縁層22の厚みを調整することによって、ゲート
・アノード間距離およびエミッタ・アノード間距離を正
確に設定できる。
ミッタ部26を囲んでいる部分を、エミッタ部26の周
面部に沿って先細りとなる筒状に形成しているので、第
2の絶縁層22の厚みを調整することによって、ゲート
・アノード間距離およびエミッタ・アノード間距離を正
確に設定できる。
【0042】また、上記形状を採用しているので、エミ
ッタ部26の先端延長線にアノード電極層23を十分に
近付けることができ、これによってエミッタ部26から
放出された電子流を受ける部分の面積を広くできる。し
たがって、アノードの熱破壊を防止でき、耐久性を向上
させることができるばかりか、エミッタから放出された
電子流のうち、ゲートに向かう分の割合を少なくできる
ので、効率を向上させることができる。上述した説明か
ら判るように、アノード電極層23に設けられる開口部
25の径は小さい程よい。その程度としては、図3に示
すように、エミッタ部26における基部の径をD1 と
し、開口部25の内径をD2 としたとき、D2 /D1 ≦
0.8 を満たす関係、特にD2 /D1 <0.5 を満たすこと
が好ましい。
ッタ部26の先端延長線にアノード電極層23を十分に
近付けることができ、これによってエミッタ部26から
放出された電子流を受ける部分の面積を広くできる。し
たがって、アノードの熱破壊を防止でき、耐久性を向上
させることができるばかりか、エミッタから放出された
電子流のうち、ゲートに向かう分の割合を少なくできる
ので、効率を向上させることができる。上述した説明か
ら判るように、アノード電極層23に設けられる開口部
25の径は小さい程よい。その程度としては、図3に示
すように、エミッタ部26における基部の径をD1 と
し、開口部25の内径をD2 としたとき、D2 /D1 ≦
0.8 を満たす関係、特にD2 /D1 <0.5 を満たすこと
が好ましい。
【0043】また、エミッタ部材層14を表材層15と
芯材層16との複合構成としているので、エミッタに要
求される特性を満たす材料の使用が可能となる。すなわ
ち、実施例のように、表材層15として仕事関数が小さ
く、物理的・化学的に安定な材料の使用が可能となる。
また、実施例のように、表材層15の構成材より固有抵
抗の大きい材料で芯材層16を形成すると、この芯材層
16によって各エミッタ部26へ流れる電流をバランス
させることができる。すなわち、アレイ化したときに特
定のエミッタ部26に電流が集中して流れようとする
と、芯材層16における上記特定のエミッタ部に対応す
る部分での電圧降下が自動的に大きくなり、この結果と
して特定のエミッタ部への電流集中が緩和される。した
がって、アレイ化されている各微小多極真空管を安定に
動作させることができるとともに電流集中によって起こ
る熱破壊の発生を防止できる。
芯材層16との複合構成としているので、エミッタに要
求される特性を満たす材料の使用が可能となる。すなわ
ち、実施例のように、表材層15として仕事関数が小さ
く、物理的・化学的に安定な材料の使用が可能となる。
また、実施例のように、表材層15の構成材より固有抵
抗の大きい材料で芯材層16を形成すると、この芯材層
16によって各エミッタ部26へ流れる電流をバランス
させることができる。すなわち、アレイ化したときに特
定のエミッタ部26に電流が集中して流れようとする
と、芯材層16における上記特定のエミッタ部に対応す
る部分での電圧降下が自動的に大きくなり、この結果と
して特定のエミッタ部への電流集中が緩和される。した
がって、アレイ化されている各微小多極真空管を安定に
動作させることができるとともに電流集中によって起こ
る熱破壊の発生を防止できる。
【0044】なお、上述した実施例においては、エミッ
タ部26をピラミッド形に形成しているが、電流容量を
持たせようとするときには、図4に示すように、エミッ
タ部26aを屋根形に形成するとよい。このような形状
は、Si単結晶補助基板に異方性エチング処理を施すと
きに、マスクの開口部形状を長方形に設定することによ
って実現できる。また、第1の絶縁層13とゲート電極
層21との間にボロンを含む半導体層を介在させ、Si
単結晶補助基板をエッチングで除去するときに上記半導
体層をエッチング停止層として使用してもよい。
タ部26をピラミッド形に形成しているが、電流容量を
持たせようとするときには、図4に示すように、エミッ
タ部26aを屋根形に形成するとよい。このような形状
は、Si単結晶補助基板に異方性エチング処理を施すと
きに、マスクの開口部形状を長方形に設定することによ
って実現できる。また、第1の絶縁層13とゲート電極
層21との間にボロンを含む半導体層を介在させ、Si
単結晶補助基板をエッチングで除去するときに上記半導
体層をエッチング停止層として使用してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
電界放出効率が高く、アレイ化したときの均一性を満た
すことができ、アレイ化したときの動作の信頼性および
耐久性を向上させることができる。
電界放出効率が高く、アレイ化したときの均一性を満た
すことができ、アレイ化したときの動作の信頼性および
耐久性を向上させることができる。
【図1】本発明の一実施例に係る微小多極真空管の製造
プロセスを説明するための図
プロセスを説明するための図
【図2】同製造プロセスを経て製造された微小多極真空
管を一部切欠して示す斜視図
管を一部切欠して示す斜視図
【図3】同製造プロセスを経て製造された微小多極真空
管の拡大縦断面図
管の拡大縦断面図
【図4】エミッタ部の別の形状を示す斜視図
【図5】従来の微小多極真空管の製造プロセスの一例を
説明するための図
説明するための図
11…補助基板 12…凹部 13…第1の絶縁層 14…エミッタ部
材層 15…表材層 16…芯材層 17…導電層 20…凸部 21…ゲート電極層 22…第2の絶縁
層 23…アノード電極層 25…開口部 26,26a…エミッタ部
材層 15…表材層 16…芯材層 17…導電層 20…凸部 21…ゲート電極層 22…第2の絶縁
層 23…アノード電極層 25…開口部 26,26a…エミッタ部
Claims (5)
- 【請求項1】先端部が尖鋭な凸状のエミッタ部を有する
エミッタ部材と、このエミッタ部材の前記エミッタ部が
突出している側の表面上で前記エミッタ部の先端部を除
く部分に設けられた第1の絶縁層と、この第1の絶縁層
の上に設けられ、上記第1の絶縁層を介して前記エミッ
タ部を囲む部分が上記エミッタ部の周面部に沿った先細
りの筒状に形成されてなるゲート電極層と、このゲート
電極層の上に設けられた第2の絶縁層と、この第2の絶
縁層の上に設けられ、上記第2の絶縁層、前記ゲート電
極層および前記第1の絶縁層を介して前記エミッタ部を
囲む部分が上記エミッタ部の周面部に沿った先細りの筒
状に形成されてなるアノード電極層とを具備し、前記エ
ミッタ部の先端から見通せる立体角内に前記ゲート電極
層および前記アノード電極層の前記筒状に形成された部
分の少なくとも先端部内周面がそれぞれ露出状態に位置
していることを特徴とする微小多極真空管。 - 【請求項2】前記エミッタ部における基部の径をD1 と
し、前記アノード電極層における前記筒状の部分の先端
部内径をD2 としたとき、D2 /D1 ≦0.8 を満たして
いることを特徴とする請求項1に記載の微小多極真空
管。 - 【請求項3】前記エミッタ部材は、仕事関数が小さく、
かつ物理的・化学的に安定な材料で形成された表材層と
上記表材層の構成材料より固有抵抗の大きい材料で形成
された芯材層との複合構成に形成されていることを特徴
とする請求項1に記載の微小多極真空管。 - 【請求項4】補助基板に低部を尖らせた凹部を設ける工
程と、前記凹部の内面を含む前記補助基板の表面に第1
の絶縁層を設ける工程と、前記第1の絶縁層の露出して
いる一方の面上にエミッタ部材層を形成する工程と、前
記補助基板を除去して前記第1の絶縁層の他方の面を露
出させる工程と、前記第1の絶縁層の前記他方の面上に
ゲート電極層を形成する工程と、前記ゲート電極層の露
出している面上に第2の絶縁層を形成する工程と、前記
第2の絶縁層の露出している面上にアノード電極層を形
成する工程と、前記凹部に起因して前記エミッタ部材層
に形成された凸部をエミッタ部とし、前記第1の絶縁
層、前記ゲート電極層、前記第2の絶縁層および前記ア
ノード電極層の上記エミッタ部を覆っている部分を対象
にして、上記各層が上記エミッタ部の周面部に沿って上
記エミッタ部を先細りの筒状に囲み、かつ上記エミッタ
部の先端から見通せる立体角内に上記ゲート電極層およ
び上記アノード電極層の上記筒状部分の少なくとも先端
部内周面がそれぞれ露出状態に位置するように上記各層
の一部をそれぞれ除去する工程とを具備してなることを
特徴とする3極真空管の製造方法。 - 【請求項5】前記エミッタ部材層を形成する工程は、前
記補助基板の表面上に形成された前記第1の絶縁層の露
出している一方の面上に仕事関数が小さく、かつ物理的
・化学的に安定な材料からなる表材層を形成する工程
と、前記表材層の露出している面上に上記表材層を構成
している材料より固有抵抗の大きい材料からなる芯材層
を形成する工程とを含んでいることを特徴とする請求項
4に記載の微小多極真空管の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4415994A JP3556263B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 微小多極真空管およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4415994A JP3556263B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 微小多極真空管およびその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07254367A true JPH07254367A (ja) | 1995-10-03 |
| JP3556263B2 JP3556263B2 (ja) | 2004-08-18 |
Family
ID=12683837
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4415994A Expired - Fee Related JP3556263B2 (ja) | 1994-03-15 | 1994-03-15 | 微小多極真空管およびその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3556263B2 (ja) |
-
1994
- 1994-03-15 JP JP4415994A patent/JP3556263B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3556263B2 (ja) | 2004-08-18 |
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