JPH07254373A - カラー受像管及びその製造方法 - Google Patents
カラー受像管及びその製造方法Info
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- JPH07254373A JPH07254373A JP7002142A JP214295A JPH07254373A JP H07254373 A JPH07254373 A JP H07254373A JP 7002142 A JP7002142 A JP 7002142A JP 214295 A JP214295 A JP 214295A JP H07254373 A JPH07254373 A JP H07254373A
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- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01J—ELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/14—Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes
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- H01J9/00—Apparatus or processes specially adapted for the manufacture, installation, removal, maintenance of electric discharge tubes, discharge lamps, or parts thereof; Recovery of material from discharge tubes or lamps
- H01J9/02—Manufacture of electrodes or electrode systems
- H01J9/14—Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes
- H01J9/142—Manufacture of electrodes or electrode systems of non-emitting electrodes of shadow-masks for colour television tubes
- H01J9/146—Surface treatment, e.g. blackening, coating
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 シャドウマスクのドーミングによるピュリテ
ィードリフトを改善し、エミッションライフの劣化の少
ないカラー受像管を提供する。 【構成】 酸化タングステン及び/または酸化ビスマス
の微粒子と、リン酸アルミニウムを含有するバインダー
とを含む被膜をシャドウマスクの電子銃側に設けたカラ
ー受像管。
ィードリフトを改善し、エミッションライフの劣化の少
ないカラー受像管を提供する。 【構成】 酸化タングステン及び/または酸化ビスマス
の微粒子と、リン酸アルミニウムを含有するバインダー
とを含む被膜をシャドウマスクの電子銃側に設けたカラ
ー受像管。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー受像管に関し、
特にカラー受像管に用いられるシャドウマスクの改良に
かかるものである。
特にカラー受像管に用いられるシャドウマスクの改良に
かかるものである。
【0002】
【従来の技術】カラー受像管のシャドウマスクは、多数
の開孔を有している。この開孔は、蛍光体層と幾何学的
に一対一の関係にあるように設計される。このような開
孔は、電子銃から射出された電子ビームを、この開孔と
幾何学的に一対一の関係にある蛍光体層のみに射突する
ように通過させる機能を有するもので、別名色選別電極
と呼ばれている。
の開孔を有している。この開孔は、蛍光体層と幾何学的
に一対一の関係にあるように設計される。このような開
孔は、電子銃から射出された電子ビームを、この開孔と
幾何学的に一対一の関係にある蛍光体層のみに射突する
ように通過させる機能を有するもので、別名色選別電極
と呼ばれている。
【0003】通常、カラー受像管を動作させた場合にお
いて、電子銃から射出された全電子ビームのうち、シャ
ドウマスクの開孔を通過して蛍光面に到達するのは全体
の15%ないし20%程度であり、残りの80%ないし
85%はシャドウマスク表面に射突する。この結果、電
子ビームの運動エネルギーは熱エネルギーに変換され、
シャドウマスクは80℃程度まで加熱される。一般に、
シャドウマスクに用いられている素材は、板厚0.1m
mないし0.3mmの鉄の冷間圧延材で、その熱膨張係
数は、20℃ないし100℃で12×10-6/℃であ
る。シャドウマスクは、上述のような加熱により、いわ
ゆるドーミングと呼ばれる熱膨張を起こす。このような
熱膨張によりシャドウマスクの開孔と蛍光体層の幾何学
的位置ズレが起こる。これにより、開孔を通過した電子
ビームの一部が、他の色の蛍光体層に射突して、色純度
劣化(ピュリティードリフト)が発生するようになる。
いて、電子銃から射出された全電子ビームのうち、シャ
ドウマスクの開孔を通過して蛍光面に到達するのは全体
の15%ないし20%程度であり、残りの80%ないし
85%はシャドウマスク表面に射突する。この結果、電
子ビームの運動エネルギーは熱エネルギーに変換され、
シャドウマスクは80℃程度まで加熱される。一般に、
シャドウマスクに用いられている素材は、板厚0.1m
mないし0.3mmの鉄の冷間圧延材で、その熱膨張係
数は、20℃ないし100℃で12×10-6/℃であ
る。シャドウマスクは、上述のような加熱により、いわ
ゆるドーミングと呼ばれる熱膨張を起こす。このような
熱膨張によりシャドウマスクの開孔と蛍光体層の幾何学
的位置ズレが起こる。これにより、開孔を通過した電子
ビームの一部が、他の色の蛍光体層に射突して、色純度
劣化(ピュリティードリフト)が発生するようになる。
【0004】このようなドーミング現象による色純度劣
化の激しいカラー受像管を改善するために、従来より、
熱膨張係数が鉄の約1/10の鉄−ニッケル合金、例え
ばアンバー材をシャドウマスク材として使用すること
が、特公昭42−25446号公報などにより提案され
ている。しかし、アンバー材は素材価格やアニール後の
降伏点強度が高く、マスク成形の歩留まりが悪いことな
どにより、鉄マスクを使用したカラー受像管に比較して
価格が非常に高価になってしまう。
化の激しいカラー受像管を改善するために、従来より、
熱膨張係数が鉄の約1/10の鉄−ニッケル合金、例え
ばアンバー材をシャドウマスク材として使用すること
が、特公昭42−25446号公報などにより提案され
ている。しかし、アンバー材は素材価格やアニール後の
降伏点強度が高く、マスク成形の歩留まりが悪いことな
どにより、鉄マスクを使用したカラー受像管に比較して
価格が非常に高価になってしまう。
【0005】そこで、シャドウマスク表面に被膜を形成
してこの被膜の働きによりドーミングによる色純度劣化
を抑制することが、従来提案されている。従来技術の代
表的な方法を以下に述べる。
してこの被膜の働きによりドーミングによる色純度劣化
を抑制することが、従来提案されている。従来技術の代
表的な方法を以下に述べる。
【0006】第1の方法では、特開昭60−54139
号で提案されているように、シャドウマスクの表面に鉛
ほう酸塩の結晶化ガラスを塗布し、高温加熱処理にて溶
融接合することによりドーミングを抑制する。この方法
によれば、ガラス層に有害物質である鉛が含有されてい
るため、作業環境や環境対策の面から取扱い上注意が必
要となる。
号で提案されているように、シャドウマスクの表面に鉛
ほう酸塩の結晶化ガラスを塗布し、高温加熱処理にて溶
融接合することによりドーミングを抑制する。この方法
によれば、ガラス層に有害物質である鉛が含有されてい
るため、作業環境や環境対策の面から取扱い上注意が必
要となる。
【0007】第2の方法では、特公昭60−14459
号公報で提案されているような、原子番号が70を越え
る重金属物質の粒子を含む塗液を使用する。この方法で
は、この塗液をシャドウマスクの電子ビーム入射側面に
吹き付け塗布し、電子ビーム反射特性を有する被膜を被
着形成する。この公報ではまた、その後、酸化ビスマス
などの重金属微粒子を含む水溶性懸濁液を、シャドウマ
スクの電子ビーム入射側面に吹き付け塗布することが有
効であると記載されている。しかし、シャドウマスクの
ドーミングによる色純度劣化を防止する効果は、酸化ビ
スマスなどの単一要素に依るだけであり、電子ビーム反
射性の被膜を有しないシャドウマスクの場合に比べてそ
の効果が十分でない。
号公報で提案されているような、原子番号が70を越え
る重金属物質の粒子を含む塗液を使用する。この方法で
は、この塗液をシャドウマスクの電子ビーム入射側面に
吹き付け塗布し、電子ビーム反射特性を有する被膜を被
着形成する。この公報ではまた、その後、酸化ビスマス
などの重金属微粒子を含む水溶性懸濁液を、シャドウマ
スクの電子ビーム入射側面に吹き付け塗布することが有
効であると記載されている。しかし、シャドウマスクの
ドーミングによる色純度劣化を防止する効果は、酸化ビ
スマスなどの単一要素に依るだけであり、電子ビーム反
射性の被膜を有しないシャドウマスクの場合に比べてそ
の効果が十分でない。
【0008】第3の方法は、上述の電子ビーム反射以外
に熱伝導や熱輻射効率を高めることによりドーミングを
抑制する方法である。このような方法として、特開平4
−48530号公報では酸化ビスマス、タングステン粒
子、部分黒鉛化炭素粒子を水ガラスと混ぜ、この溶液を
シャドウマスクに塗布し、シャドウマスクの電子ビーム
入射側面に複合的な被膜を形成する方法が提案されてい
る。この方法では目的とする色純度劣化防止効果は比較
的良好である。しかしながら、原材料の粒径が大きいた
め、ボールミル等を用いて平均粒径が例えば約2ミクロ
ンになるまで粉砕撹拌しても、均一な粉砕を行なうこと
は難しい。このため、粉砕した粒子の粒度分布は、シャ
ープになり難い。マスク開孔の形状崩れやマスク開孔の
孔詰まりを防止するために、被着形成層は3μm程度の
厚みに制御しなければ成らないが、粒度分布がシャープ
でなく且つ比重の異なる物質を混合するので、均一に混
じり合わせた塗布液を得ることができない。このような
不均一な塗布液で、スプレー塗布をおこなってもでき
ず、シャドウマスクの被覆を塗膜液にて完全に行うこと
は困難である。
に熱伝導や熱輻射効率を高めることによりドーミングを
抑制する方法である。このような方法として、特開平4
−48530号公報では酸化ビスマス、タングステン粒
子、部分黒鉛化炭素粒子を水ガラスと混ぜ、この溶液を
シャドウマスクに塗布し、シャドウマスクの電子ビーム
入射側面に複合的な被膜を形成する方法が提案されてい
る。この方法では目的とする色純度劣化防止効果は比較
的良好である。しかしながら、原材料の粒径が大きいた
め、ボールミル等を用いて平均粒径が例えば約2ミクロ
ンになるまで粉砕撹拌しても、均一な粉砕を行なうこと
は難しい。このため、粉砕した粒子の粒度分布は、シャ
ープになり難い。マスク開孔の形状崩れやマスク開孔の
孔詰まりを防止するために、被着形成層は3μm程度の
厚みに制御しなければ成らないが、粒度分布がシャープ
でなく且つ比重の異なる物質を混合するので、均一に混
じり合わせた塗布液を得ることができない。このような
不均一な塗布液で、スプレー塗布をおこなってもでき
ず、シャドウマスクの被覆を塗膜液にて完全に行うこと
は困難である。
【0009】また、第4の方法として、非晶質の金属酸
化物等をバインダーとして用い、原子番号の小さい金属
を含有する層を形成することにより熱輻射率向上を図
り、かつ帯電により電子ビーム軌道の静電補正を行なう
ことにより色純度劣化を防止する方法が特開昭62−1
10240号公報に示されている。
化物等をバインダーとして用い、原子番号の小さい金属
を含有する層を形成することにより熱輻射率向上を図
り、かつ帯電により電子ビーム軌道の静電補正を行なう
ことにより色純度劣化を防止する方法が特開昭62−1
10240号公報に示されている。
【0010】以上述べたとおり、従来からシャドウマス
クのドーミングを抑制するために、シャドウマスク表面
に被膜を形成する手段が多数提案されている。このよう
な手段において、カラー受像管製造工程で加えられる温
度では溶融しない物質を塗布する場合には、成膜させる
ために水ガラスや金属アルコキシドをバインダーとして
用いている。
クのドーミングを抑制するために、シャドウマスク表面
に被膜を形成する手段が多数提案されている。このよう
な手段において、カラー受像管製造工程で加えられる温
度では溶融しない物質を塗布する場合には、成膜させる
ために水ガラスや金属アルコキシドをバインダーとして
用いている。
【0011】しかしながら、水ガラスはアルカリ金属を
含有しているために炭酸塩を生じ易い。この炭酸塩は、
製造工程中の熱処理にて炭酸ガスを発生して一部が管内
に吸着しやすい。この吸着された二酸化炭素は、カラー
受像管の動作時に電子ビームの射突などにより脱着して
カソードを被毒し、エミッション特性を劣化させる原因
となる。一方、金属アルコキシドは500℃程度の熱処
理では完全な金属酸化物にならないため、カラー受像管
の動作時に水素ガスが発生する。イオン化した水素は蛍
光面に射突し、蛍光面にイオン焼けを生じ、これに起因
して輝度劣化を生じる。
含有しているために炭酸塩を生じ易い。この炭酸塩は、
製造工程中の熱処理にて炭酸ガスを発生して一部が管内
に吸着しやすい。この吸着された二酸化炭素は、カラー
受像管の動作時に電子ビームの射突などにより脱着して
カソードを被毒し、エミッション特性を劣化させる原因
となる。一方、金属アルコキシドは500℃程度の熱処
理では完全な金属酸化物にならないため、カラー受像管
の動作時に水素ガスが発生する。イオン化した水素は蛍
光面に射突し、蛍光面にイオン焼けを生じ、これに起因
して輝度劣化を生じる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
問題を解決するためになされたもので、即ち、シャドウ
マスクの表面に均一な無機材料よりなる被膜を形成し、
電子ビームの射突によるシャドウマスクの発熱に伴う熱
膨張を緩和して、ドーミングによるピュリティードリフ
トを改善し、且つエミッションライフの劣化の少ないカ
ラー受像管を提供することを目的とする。
問題を解決するためになされたもので、即ち、シャドウ
マスクの表面に均一な無機材料よりなる被膜を形成し、
電子ビームの射突によるシャドウマスクの発熱に伴う熱
膨張を緩和して、ドーミングによるピュリティードリフ
トを改善し、且つエミッションライフの劣化の少ないカ
ラー受像管を提供することを目的とする。
【0013】また、シャドウマスクはカラー受像管の製
造工程中において水によるスプレー洗浄や、封着および
排気の際の加熱にさらされる。従って、シャドウマスク
表面に形成する被膜は、耐水性、耐熱性を有している方
が望ましい。従来提案されているバインダーを用いて耐
水性や耐熱性のある被膜を形成するためには、500℃
以上の熱処理が必要とされ、このことは熱経済上の負担
を大きくする。そこで本発明の他の目的は、このような
耐水性、耐熱性を有する被膜を有するシャドウマスクを
備えたカラー受像管を提供することにある。
造工程中において水によるスプレー洗浄や、封着および
排気の際の加熱にさらされる。従って、シャドウマスク
表面に形成する被膜は、耐水性、耐熱性を有している方
が望ましい。従来提案されているバインダーを用いて耐
水性や耐熱性のある被膜を形成するためには、500℃
以上の熱処理が必要とされ、このことは熱経済上の負担
を大きくする。そこで本発明の他の目的は、このような
耐水性、耐熱性を有する被膜を有するシャドウマスクを
備えたカラー受像管を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の2つの
態様からなる。本発明の第1の態様は、蛍光面と、該蛍
光面の近傍に設けられた多数の開孔を有するシャドウマ
スクと、該シャドウマスクの開孔を通して該蛍光面に電
子ビームを射突する電子銃とを具備するカラー受像管に
おいて、前記シャドウマスクは、その電子銃側に、酸化
タングステン及び/または酸化ビスマスの微粒子と、リ
ン酸アルミニウムを含有するバインダーとを含む被膜を
有することを特徴とするカラー受像管を提供する。
態様からなる。本発明の第1の態様は、蛍光面と、該蛍
光面の近傍に設けられた多数の開孔を有するシャドウマ
スクと、該シャドウマスクの開孔を通して該蛍光面に電
子ビームを射突する電子銃とを具備するカラー受像管に
おいて、前記シャドウマスクは、その電子銃側に、酸化
タングステン及び/または酸化ビスマスの微粒子と、リ
ン酸アルミニウムを含有するバインダーとを含む被膜を
有することを特徴とするカラー受像管を提供する。
【0015】本発明の第2の態様は、蛍光面と、該蛍光
面の近傍に設けられた多数の開孔を有するシャドウマス
クと、該シャドウマスクの開孔を通して該蛍光面に電子
ビームを射突する電子銃とを具備するカラー受像管の製
造方法において、リン酸アルミニウムを含有するバイン
ダー中に、酸化タングステン及び/または酸化ビスマス
の微粒子を分散して懸濁液を調製し、得られた懸濁液
を、前記シャドウマスクの電子銃側の面上に塗布し、得
られた塗布膜を焼成することにより、前記シャドウマス
クの電子銃側に被膜を形成する工程を含むカラー受像管
の製造方法を提供する。
面の近傍に設けられた多数の開孔を有するシャドウマス
クと、該シャドウマスクの開孔を通して該蛍光面に電子
ビームを射突する電子銃とを具備するカラー受像管の製
造方法において、リン酸アルミニウムを含有するバイン
ダー中に、酸化タングステン及び/または酸化ビスマス
の微粒子を分散して懸濁液を調製し、得られた懸濁液
を、前記シャドウマスクの電子銃側の面上に塗布し、得
られた塗布膜を焼成することにより、前記シャドウマス
クの電子銃側に被膜を形成する工程を含むカラー受像管
の製造方法を提供する。
【0016】
【作用】本発明は、カラー受像管に用いられるシャドウ
マスクを改良したものである。本発明に使用されるシャ
ドウマスクは、シャドウマスク基板と、このシャドウマ
スク基板上に形成された酸化タングステン及び/または
酸化ビスマスの微粒子と、リン酸アルミニウムを含有す
るバインダーとを含む被膜とを有する。
マスクを改良したものである。本発明に使用されるシャ
ドウマスクは、シャドウマスク基板と、このシャドウマ
スク基板上に形成された酸化タングステン及び/または
酸化ビスマスの微粒子と、リン酸アルミニウムを含有す
るバインダーとを含む被膜とを有する。
【0017】このような被膜は、例えばリン酸アルミニ
ウムを含有するバインダー中に、酸化タングステン及び
/または酸化ビスマスの微粒子を分散して懸濁液を調製
し、得られた懸濁液を、シャドウマスクの少なくとも一
面上に塗布し、得られた塗布膜を焼成することにより形
成される。得られたシャドウマスクを、その被膜を電子
銃側に向けてフェースプレート上に配置することによ
り、被膜による効果が得られる。
ウムを含有するバインダー中に、酸化タングステン及び
/または酸化ビスマスの微粒子を分散して懸濁液を調製
し、得られた懸濁液を、シャドウマスクの少なくとも一
面上に塗布し、得られた塗布膜を焼成することにより形
成される。得られたシャドウマスクを、その被膜を電子
銃側に向けてフェースプレート上に配置することによ
り、被膜による効果が得られる。
【0018】この被膜に含有されるタングステンおよび
ビスマスは、その原子番号が大きく高い電子反射能力を
有する。また、完全黒色体の熱輻射率を1とすると、酸
化ビスマスは0.80ないし0.85、タングステンは
0.95ないし0.98、三酸化タングステンは0.9
1ないし0.95であり、三酸化タングステンおよび酸
化ビスマスは良好な熱輻射率を有している。よって、高
い電子ビーム反射能力と熱輻射により、シャドウマスク
の温度上昇を大幅に抑制することができ、シャドウマス
クの熱膨張にて生じるピュリティードリフト特性の改善
ができる。
ビスマスは、その原子番号が大きく高い電子反射能力を
有する。また、完全黒色体の熱輻射率を1とすると、酸
化ビスマスは0.80ないし0.85、タングステンは
0.95ないし0.98、三酸化タングステンは0.9
1ないし0.95であり、三酸化タングステンおよび酸
化ビスマスは良好な熱輻射率を有している。よって、高
い電子ビーム反射能力と熱輻射により、シャドウマスク
の温度上昇を大幅に抑制することができ、シャドウマス
クの熱膨張にて生じるピュリティードリフト特性の改善
ができる。
【0019】酸化タングステンの好ましい添加量は、1
5ないし60重量%であり、15%重量%未満である
と、ピュリティードリフト抑制効果が十分に得られず、
60重量%を越えると、膜強度が低下し、剥離し易くな
る傾向がある。
5ないし60重量%であり、15%重量%未満である
と、ピュリティードリフト抑制効果が十分に得られず、
60重量%を越えると、膜強度が低下し、剥離し易くな
る傾向がある。
【0020】また、本発明では上述の電子ビーム反射特
性や熱輻射特性を有する被膜を成膜するバインダーに、
リン酸アルミニウムを用いているため、十分な膜強度を
有する被膜の形成が可能となる。そればかりでなく、リ
ン酸アルミニウムを用いると、カラー受像管を動作させ
た後のガス発生がなく、カソードのガス被毒を防ぎ、さ
らに蛍光面の蛍光体のイオン焼けを防ぐことができる。
即ち、リン酸アルミニウムは、アルカリ金属を含有して
いない水溶性のリン酸塩であり、炭酸塩を生じて動作時
にガスを発生するおそれがない。また、室温では、例え
ば化学式がAl2 O3 ・nP2 O5 ・mH2 O(n=2
ないし5、m=5ないし7)等で表される液体である
が、焼成により化学式が例えばAl2 O3 ・nP2 O5
・mH2 O(n=1ないし2、m=1以下)で表される
固体となるため、堅牢な膜を形成できる。本発明では、
好ましくは、液体としてAl2 O3 ・3P2 O5 ・6H
2 Oが用いられる。
性や熱輻射特性を有する被膜を成膜するバインダーに、
リン酸アルミニウムを用いているため、十分な膜強度を
有する被膜の形成が可能となる。そればかりでなく、リ
ン酸アルミニウムを用いると、カラー受像管を動作させ
た後のガス発生がなく、カソードのガス被毒を防ぎ、さ
らに蛍光面の蛍光体のイオン焼けを防ぐことができる。
即ち、リン酸アルミニウムは、アルカリ金属を含有して
いない水溶性のリン酸塩であり、炭酸塩を生じて動作時
にガスを発生するおそれがない。また、室温では、例え
ば化学式がAl2 O3 ・nP2 O5 ・mH2 O(n=2
ないし5、m=5ないし7)等で表される液体である
が、焼成により化学式が例えばAl2 O3 ・nP2 O5
・mH2 O(n=1ないし2、m=1以下)で表される
固体となるため、堅牢な膜を形成できる。本発明では、
好ましくは、液体としてAl2 O3 ・3P2 O5 ・6H
2 Oが用いられる。
【0021】なお、三酸化タングステンおよび酸化ビス
マスはカラー受像管の製造工程にて加わる室温ないし5
00℃の温度範囲では極めて安定な物質であり、水やア
ルコールに対してほとんど不溶である。よって、成膜後
にこれら粒子が溶出するという問題もほとんど生じな
い。
マスはカラー受像管の製造工程にて加わる室温ないし5
00℃の温度範囲では極めて安定な物質であり、水やア
ルコールに対してほとんど不溶である。よって、成膜後
にこれら粒子が溶出するという問題もほとんど生じな
い。
【0022】また、使用される酸化タングステン及び酸
化ビスマスは、好ましくは各々粒径約0.2ないし2μ
mであり、この範囲では特に懸濁液中の分散性が良好と
なる。
化ビスマスは、好ましくは各々粒径約0.2ないし2μ
mであり、この範囲では特に懸濁液中の分散性が良好と
なる。
【0023】さらに、バインダーに酸化ホウ素を添加す
ると、約200℃の低温焼成で耐水性の膜を得ることが
できる。この酸化ホウ素の添加量は、リン酸アルミニウ
ム中の酸化アルミニウム換算量の10重量%ないし25
重量%が望ましい。10重量%より少ないと目的とする
耐水性の効果が得られず、25重量%より多いと膜強度
が低下するためである。
ると、約200℃の低温焼成で耐水性の膜を得ることが
できる。この酸化ホウ素の添加量は、リン酸アルミニウ
ム中の酸化アルミニウム換算量の10重量%ないし25
重量%が望ましい。10重量%より少ないと目的とする
耐水性の効果が得られず、25重量%より多いと膜強度
が低下するためである。
【0024】上述のようにバインダーにリン酸アルミニ
ウムを用いると比較的強固な膜を形成することができる
が、バインダー自体が酸性であるために、シャドウマス
ク基材と僅かに反応を起こす場合がある。この僅かな反
応は付着力を低下させる原因となる。そこで、このよう
なバインダーとシャドウマスク材との反応が問題となる
場合には、酸化アルミニウムもしくは酸化マグネシウム
粉をフィラーとして添加して被膜を形成することが望ま
しい。これは、バインダー中に含まれる化学量論的に過
剰のリン酸と酸化アルミニウムもしくは酸化マグネシウ
ムの反応によりシャドウマスク基材との反応が減少する
ことで、ガス放出量のさらなる減少ができるものと考え
られる。
ウムを用いると比較的強固な膜を形成することができる
が、バインダー自体が酸性であるために、シャドウマス
ク基材と僅かに反応を起こす場合がある。この僅かな反
応は付着力を低下させる原因となる。そこで、このよう
なバインダーとシャドウマスク材との反応が問題となる
場合には、酸化アルミニウムもしくは酸化マグネシウム
粉をフィラーとして添加して被膜を形成することが望ま
しい。これは、バインダー中に含まれる化学量論的に過
剰のリン酸と酸化アルミニウムもしくは酸化マグネシウ
ムの反応によりシャドウマスク基材との反応が減少する
ことで、ガス放出量のさらなる減少ができるものと考え
られる。
【0025】添加する酸化アルミニウム粉の量は、リン
酸アルミニウムからなるバインダー中の過剰分のリン酸
と化学量論的に同量程度でよい。これは、リン酸アルミ
ニウムが例えば、化学式Al2 O3 ・3P2 O5 ・6H
2 Oで表されているように、酸化アルミニウムに対して
過剰のリン酸を含むことから、この過剰分のリン酸を有
効に用いるためである。酸化アルミニウム粉を添加する
ことにより、過剰のリン酸は例えば化学式Al2 O3 ・
P2 O5 の固体リン酸アルミニウムになるリン酸が増え
るため、膜の付着力が増す。酸化アルミニウムもしくは
酸化マグネシウムの好ましい添加量は、過剰のリン酸分
に対し70ないし140重量%である。70重量%未満
であると、膜の付着力に変化は現れず、140重量%を
越えると成膜した後の粒径を大きくし、シャドウマスク
の孔詰まりや粒子脱落等の問題が発生する傾向がある。
酸アルミニウムからなるバインダー中の過剰分のリン酸
と化学量論的に同量程度でよい。これは、リン酸アルミ
ニウムが例えば、化学式Al2 O3 ・3P2 O5 ・6H
2 Oで表されているように、酸化アルミニウムに対して
過剰のリン酸を含むことから、この過剰分のリン酸を有
効に用いるためである。酸化アルミニウム粉を添加する
ことにより、過剰のリン酸は例えば化学式Al2 O3 ・
P2 O5 の固体リン酸アルミニウムになるリン酸が増え
るため、膜の付着力が増す。酸化アルミニウムもしくは
酸化マグネシウムの好ましい添加量は、過剰のリン酸分
に対し70ないし140重量%である。70重量%未満
であると、膜の付着力に変化は現れず、140重量%を
越えると成膜した後の粒径を大きくし、シャドウマスク
の孔詰まりや粒子脱落等の問題が発生する傾向がある。
【0026】なお、リン酸アルミニウムのバインダーに
添加するものは酸化アルミニウム粉の代わりに酸化マグ
ネシウム粉でもよい。この場合、バインダーに酸化マグ
ネシウムを添加すると直ちに硬化するので、スプレーす
る際に2液混合型スプレー銃を使用し、上述の実施例に
おける塗液より濃度の高い液と酸化マグネシウム懸濁液
を混合塗布することが望ましい。
添加するものは酸化アルミニウム粉の代わりに酸化マグ
ネシウム粉でもよい。この場合、バインダーに酸化マグ
ネシウムを添加すると直ちに硬化するので、スプレーす
る際に2液混合型スプレー銃を使用し、上述の実施例に
おける塗液より濃度の高い液と酸化マグネシウム懸濁液
を混合塗布することが望ましい。
【0027】なお、被膜の厚さは、約2ないし15μm
が好ましく、2μm未満であると、ピュリティードリフ
ト抑制効果が十分に得られず、15μmを越えると、開
孔の孔詰まりが多発し、電子ビームの軌道を遮り、狭く
してしまう傾向がある。
が好ましく、2μm未満であると、ピュリティードリフ
ト抑制効果が十分に得られず、15μmを越えると、開
孔の孔詰まりが多発し、電子ビームの軌道を遮り、狭く
してしまう傾向がある。
【0028】
実施例 1 以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明
する。シャドウマスク式カラー受像管は一般的に、図1
に示すように、矩形状のパネル1と漏斗状のファンネル
2とネック3とからなる外囲器を有している。パネル1
の内面には赤、緑、青に各々発光する蛍光体層4がスト
ライプ状に設けられており、ネック3にはパネル1の水
平軸に沿って一列に配列された赤、緑、青に対応する電
子ビーム5を射突するインライン型電子銃6が内設され
ている。また蛍光体4に近接対抗した位置には、多数の
微細な開孔を有するシャドウマスク7がマスクフレーム
8に支持固定されている。更にマスクフレーム8はホル
ダー9を介してパネル1内面の垂直内壁部に埋め込まれ
たスタッドピン10に係り止めされることによりパネル
内に支持され、マスク7と蛍光体層4との間隔を設計値
に入るよう保持している。そして偏向装置12により電
子ビーム5を偏向走査して画像を再現している。なお、
カラー受像管の構成は上記インライン電子銃、ストライ
プ型蛍光面に限定されるものではなく、シャドウマスク
を有するものであればよい。
する。シャドウマスク式カラー受像管は一般的に、図1
に示すように、矩形状のパネル1と漏斗状のファンネル
2とネック3とからなる外囲器を有している。パネル1
の内面には赤、緑、青に各々発光する蛍光体層4がスト
ライプ状に設けられており、ネック3にはパネル1の水
平軸に沿って一列に配列された赤、緑、青に対応する電
子ビーム5を射突するインライン型電子銃6が内設され
ている。また蛍光体4に近接対抗した位置には、多数の
微細な開孔を有するシャドウマスク7がマスクフレーム
8に支持固定されている。更にマスクフレーム8はホル
ダー9を介してパネル1内面の垂直内壁部に埋め込まれ
たスタッドピン10に係り止めされることによりパネル
内に支持され、マスク7と蛍光体層4との間隔を設計値
に入るよう保持している。そして偏向装置12により電
子ビーム5を偏向走査して画像を再現している。なお、
カラー受像管の構成は上記インライン電子銃、ストライ
プ型蛍光面に限定されるものではなく、シャドウマスク
を有するものであればよい。
【0029】また、シャドウマスク7は、図2にその一
部断面を示すが、多数の開孔7aを有しており、電子銃
側の面で少なくとも開孔7a間の非有孔部に後述する被
膜20が形成されている。
部断面を示すが、多数の開孔7aを有しており、電子銃
側の面で少なくとも開孔7a間の非有孔部に後述する被
膜20が形成されている。
【0030】シャドウマスク7は、フォトエッチングを
用いて平坦なフラットマスクを製造し、その後に所定の
曲面形状に成形加工して製造する。そのため、所定の孔
寸法を有する平坦なフラットマスクは、素材の機械的強
度を下げるため700℃ないし800℃の温度範囲にて
水素還元雰囲気中で焼鈍され、所望の曲率を形成するよ
うプレス成形加工後に成形油を有機溶剤または高温アル
カリ溶液にて脱脂される。その後、二酸化炭素ガスを主
成分とする550ないし650℃の高温ガス雰囲気中を
通すことにより、マスク表面にFe3 O4 を主成分とす
る耐蝕性の黒色酸化膜を形成する。その後、この黒化処
理済みのシャドウマスクの電子銃側表面に本発明の被膜
を形成する。なお、上記黒色酸化膜は耐蝕性を有してお
り、本発明の無機質からなる被膜にピンホール等が生じ
たとしても、熱処理工程中での赤錆の発生を抑制するば
かりでなく、シャドウマスクの表面に比較して微細凹凸
が多く、被膜の密着性を向上させ剥離しにくいものとす
る。
用いて平坦なフラットマスクを製造し、その後に所定の
曲面形状に成形加工して製造する。そのため、所定の孔
寸法を有する平坦なフラットマスクは、素材の機械的強
度を下げるため700℃ないし800℃の温度範囲にて
水素還元雰囲気中で焼鈍され、所望の曲率を形成するよ
うプレス成形加工後に成形油を有機溶剤または高温アル
カリ溶液にて脱脂される。その後、二酸化炭素ガスを主
成分とする550ないし650℃の高温ガス雰囲気中を
通すことにより、マスク表面にFe3 O4 を主成分とす
る耐蝕性の黒色酸化膜を形成する。その後、この黒化処
理済みのシャドウマスクの電子銃側表面に本発明の被膜
を形成する。なお、上記黒色酸化膜は耐蝕性を有してお
り、本発明の無機質からなる被膜にピンホール等が生じ
たとしても、熱処理工程中での赤錆の発生を抑制するば
かりでなく、シャドウマスクの表面に比較して微細凹凸
が多く、被膜の密着性を向上させ剥離しにくいものとす
る。
【0031】次に、本発明の被膜20について詳細に説
明する。まず、化学式Al2 O3 ・3P2 O5 ・6 H2
Oで表される液状のリン酸アルミニウムに水を加えて適
当な粘度に調整した後、三酸化タングステンを主成分と
する酸化タングステン粒子(平均粒径0.5μm)を添
加して懸濁液を作成した。このとき、塗布液中の酸化タ
ングステンとリン酸アルミニウムのバインダーとの比を
表1に示すように変化させた。
明する。まず、化学式Al2 O3 ・3P2 O5 ・6 H2
Oで表される液状のリン酸アルミニウムに水を加えて適
当な粘度に調整した後、三酸化タングステンを主成分と
する酸化タングステン粒子(平均粒径0.5μm)を添
加して懸濁液を作成した。このとき、塗布液中の酸化タ
ングステンとリン酸アルミニウムのバインダーとの比を
表1に示すように変化させた。
【0032】この懸濁液をエアースプレー又はエアレス
スプレー銃を用いて、上述の成形及び黒色酸化膜を形成
したシャドウマスクの電子銃側にスプレー塗布し、所定
厚さの塗膜を形成した。塗液はエタノールや水よりも大
きい粘性率を有していることから、スプレーによる飛散
は小さく、また、シャドウマスクに付着した液の垂れ落
ちもほとんどなかった。なお、膜厚は2ないし15μm
が適当である。2μmより薄いとドーミング抑制効果が
小さくなり、15μmより厚いとシャドウマスクの開孔
の孔詰りが多発してしまうからである。
スプレー銃を用いて、上述の成形及び黒色酸化膜を形成
したシャドウマスクの電子銃側にスプレー塗布し、所定
厚さの塗膜を形成した。塗液はエタノールや水よりも大
きい粘性率を有していることから、スプレーによる飛散
は小さく、また、シャドウマスクに付着した液の垂れ落
ちもほとんどなかった。なお、膜厚は2ないし15μm
が適当である。2μmより薄いとドーミング抑制効果が
小さくなり、15μmより厚いとシャドウマスクの開孔
の孔詰りが多発してしまうからである。
【0033】上記懸濁液の塗布後、炉に入れて乾燥,焼
成させる。このときの焼成条件の一例は、室温から10
0℃まで10分間かけて昇温後1時間維持し、200℃
まで20分間かけて昇温後30分間維持し、10℃/分
の速度で室温まで冷却する。この熱処理の終了した塗膜
は、結合力が強く200℃前後の中温および500℃以
上の高温での特性が優れているため、製造工程中に加え
られる熱によって悪影響を受けることはない。また、耐
水性も有しており、製造工程中の洗浄によって被膜が剥
離することもない。このようにして被膜形成の終了した
シャドウマスクは、被膜側を電子銃側に向けて、次の工
程であるカラーブラウン管の組立工程に供せられる。
成させる。このときの焼成条件の一例は、室温から10
0℃まで10分間かけて昇温後1時間維持し、200℃
まで20分間かけて昇温後30分間維持し、10℃/分
の速度で室温まで冷却する。この熱処理の終了した塗膜
は、結合力が強く200℃前後の中温および500℃以
上の高温での特性が優れているため、製造工程中に加え
られる熱によって悪影響を受けることはない。また、耐
水性も有しており、製造工程中の洗浄によって被膜が剥
離することもない。このようにして被膜形成の終了した
シャドウマスクは、被膜側を電子銃側に向けて、次の工
程であるカラーブラウン管の組立工程に供せられる。
【0034】なお、懸濁液の塗布膜の焼成工程におい
て、好ましい焼成温度は、180〜600℃であり、好
ましい焼成時間は、30〜120分である。また、バイ
ンダーに用いるリン酸アルミニウムがシャドウマスク基
材である鉄と反応して水素が発生すると、せっかく成膜
しても内側から圧力が加わることによりクラックを生じ
たり、付着力低下の原因となる可能性がある。従って基
材とバインダーが反応し易い場合には、リン酸アルミニ
ウムを錯体化させたものをバインダーとして用いること
が望ましい。リン酸アルミニウムのアルミニウムと錯体
を形成させるために有効な試薬は、エタノールアミン等
のアルコールアミン、グリシン、サルコシン、アラニン
等のアミノ酸及びエチレンジアミンが挙げることができ
る。
て、好ましい焼成温度は、180〜600℃であり、好
ましい焼成時間は、30〜120分である。また、バイ
ンダーに用いるリン酸アルミニウムがシャドウマスク基
材である鉄と反応して水素が発生すると、せっかく成膜
しても内側から圧力が加わることによりクラックを生じ
たり、付着力低下の原因となる可能性がある。従って基
材とバインダーが反応し易い場合には、リン酸アルミニ
ウムを錯体化させたものをバインダーとして用いること
が望ましい。リン酸アルミニウムのアルミニウムと錯体
を形成させるために有効な試薬は、エタノールアミン等
のアルコールアミン、グリシン、サルコシン、アラニン
等のアミノ酸及びエチレンジアミンが挙げることができ
る。
【0035】なお、錯体は成膜後に膜中に残存しない物
質がよく、蒸発もしくは分解しやすい低分子量で、バイ
ンダーに溶解する水溶性の物質であるエタノールアミン
がより望ましい。
質がよく、蒸発もしくは分解しやすい低分子量で、バイ
ンダーに溶解する水溶性の物質であるエタノールアミン
がより望ましい。
【0036】以上のようにして作成した25型カラー受
像管のドーミングによる電子ビームの移動量を測定し、
従来のカラー受像管と比較を行なった。測定は、図3に
示すように、幅88mmの帯状の白パターンを画面中心
から水平軸に沿って各々160mm離した位置にアノー
ド電圧を26kV、カソード電流1330μAで表示さ
せ、スイッチを入れた後シャドウマスクが熱膨張するこ
とによって時間と共に移動する電子ビームの最大移動量
を測定点Aにて測定した。測定結果を表1に示す。
像管のドーミングによる電子ビームの移動量を測定し、
従来のカラー受像管と比較を行なった。測定は、図3に
示すように、幅88mmの帯状の白パターンを画面中心
から水平軸に沿って各々160mm離した位置にアノー
ド電圧を26kV、カソード電流1330μAで表示さ
せ、スイッチを入れた後シャドウマスクが熱膨張するこ
とによって時間と共に移動する電子ビームの最大移動量
を測定点Aにて測定した。測定結果を表1に示す。
【0037】なお、カラー受像管の作成前に、シャドウ
マスクの塗布膜について、粘着テープ剥離テストおよび
耐水性を測定した。表1にその結果を示す。ここで、粘
着テープ剥離テストは、塗膜上にセロハンテープ(18
mm×50mm)を張り付け、その上から消しゴムで擦
り、完全に密着させて、その後ただちにテープの一端を
塗膜面に直角に保って瞬間的に引き離して、テープの付
着物を観察することにより行なった。その評価を次のよ
うにして行なった。
マスクの塗布膜について、粘着テープ剥離テストおよび
耐水性を測定した。表1にその結果を示す。ここで、粘
着テープ剥離テストは、塗膜上にセロハンテープ(18
mm×50mm)を張り付け、その上から消しゴムで擦
り、完全に密着させて、その後ただちにテープの一端を
塗膜面に直角に保って瞬間的に引き離して、テープの付
着物を観察することにより行なった。その評価を次のよ
うにして行なった。
【0038】○…テープに何も付着しない。 △…極僅か表層部に付着がある。 ×…表層部にある程度以上付着する。
【0039】また、耐水性試験は、JIS K 540
0に従って行なった。まず、被膜を形成した基板を2時
間浸水し、その後に、被膜が剥離、膨潤、軟化を生じる
か否かを評価した。その評価を次のようにして行なっ
た。
0に従って行なった。まず、被膜を形成した基板を2時
間浸水し、その後に、被膜が剥離、膨潤、軟化を生じる
か否かを評価した。その評価を次のようにして行なっ
た。
【0040】○…しわ、ふくれ、割れ、剥がれ、変色の
いずれも生じない。 △…耐水性試験浴に極少量の脱落物がある。 ×…耐水性試験浴にある程度以上の脱落物がある。
いずれも生じない。 △…耐水性試験浴に極少量の脱落物がある。 ×…耐水性試験浴にある程度以上の脱落物がある。
【0041】表1に示す通り、本実施例のカラー受像管
によるドーミング抑制効果は、対策を施さないカラー受
像管に比較して11ないし35%の改善がみられた。ま
た、長時間使用を行ったときのカソードにおけるエミッ
ションライフ特性の劣化はシャドウマスク表面に被膜を
形成しない無処理の場合と変わらず、管内水素ガスによ
る蛍光体イオン焼けも生じなかった。
によるドーミング抑制効果は、対策を施さないカラー受
像管に比較して11ないし35%の改善がみられた。ま
た、長時間使用を行ったときのカソードにおけるエミッ
ションライフ特性の劣化はシャドウマスク表面に被膜を
形成しない無処理の場合と変わらず、管内水素ガスによ
る蛍光体イオン焼けも生じなかった。
【0042】なお、本実施例では被膜中のフィラーとし
て酸化タングステンを使用したが、電子ビーム移動量に
関しては、酸化ビスマスでも同様の効果が得られる。ま
た、バインダーであるリン酸アルミニウムの錯体形成の
有無は、電子ビームの移動量自体には影響を与えない。
て酸化タングステンを使用したが、電子ビーム移動量に
関しては、酸化ビスマスでも同様の効果が得られる。ま
た、バインダーであるリン酸アルミニウムの錯体形成の
有無は、電子ビームの移動量自体には影響を与えない。
【0043】
【表1】 実施例2 本実施例は、上記実施例1で使用した懸濁液に、酸化ホ
ウ素B2 O3 をリン酸アルミニウム中の酸化アルミニウ
ム換算量の15重量%の割合で添加したものを用いて、
塗布条件、焼成条件を上記実施例1 と同様にして被膜を
形成した。本実施例によるカラー受像管の特性を実施例
1と同様に測定した結果を表2に示す。
ウ素B2 O3 をリン酸アルミニウム中の酸化アルミニウ
ム換算量の15重量%の割合で添加したものを用いて、
塗布条件、焼成条件を上記実施例1 と同様にして被膜を
形成した。本実施例によるカラー受像管の特性を実施例
1と同様に測定した結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】本実施例によるシャドウマスクのピュリテ
ィードリフト抑制効果は、無処理マスクと比較して12
ないし35%の改善がみられた。また、長時間使用を行
った時のカソードにおけるエミッションライフ特性の劣
化はシャドウマスク未処理品で作成したブラウン管と変
わらず、管内水素ガスによる蛍光体イオン焼けも生じな
かった。さらに、約200℃の低温焼成で十分は耐水性
を有する被膜を得ることができた。
ィードリフト抑制効果は、無処理マスクと比較して12
ないし35%の改善がみられた。また、長時間使用を行
った時のカソードにおけるエミッションライフ特性の劣
化はシャドウマスク未処理品で作成したブラウン管と変
わらず、管内水素ガスによる蛍光体イオン焼けも生じな
かった。さらに、約200℃の低温焼成で十分は耐水性
を有する被膜を得ることができた。
【0046】なお、本実施例マスクの電子ビーム移動量
は、酸化ビスマスを用いても同様の結果が得られた。 実施例3 本実施例では、リン酸アルミニウム(Al2 O3 ・3P
2 O5 ・6H2 O)に酸化ホウ素B2 O3 をリン酸アル
ミニウム中の酸化アルミニウム換算量の20%の比率で
添加し、これに水を加えて適当な粘度にした後、さら
に、実施例1と同様に酸化タングステン粒子を変化させ
て懸濁液を作成し、塗布条件、焼成条件を上記実施例と
同様にして被膜を形成した。本実施例によるカラー受像
管の特性を実施例1と同様に測定した結果を表3に示
す。
は、酸化ビスマスを用いても同様の結果が得られた。 実施例3 本実施例では、リン酸アルミニウム(Al2 O3 ・3P
2 O5 ・6H2 O)に酸化ホウ素B2 O3 をリン酸アル
ミニウム中の酸化アルミニウム換算量の20%の比率で
添加し、これに水を加えて適当な粘度にした後、さら
に、実施例1と同様に酸化タングステン粒子を変化させ
て懸濁液を作成し、塗布条件、焼成条件を上記実施例と
同様にして被膜を形成した。本実施例によるカラー受像
管の特性を実施例1と同様に測定した結果を表3に示
す。
【0047】
【表3】
【0048】本実施例によるピュリティードリフト抑制
効果は、無処理マスクと比較して10ないし35%の改
善がみられた。また、長時間使用を行った時のカソード
におけるエミッションライフ特性の劣化はシャドウマス
ク未処理品で作成したブラウン管と変わらず、管内水素
ガスによる蛍光体イオン焼けも生じなかった。なお、本
実施例マスクの電子ビーム移動量は、酸化ビスマスを用
いても同様の結果が得られた。
効果は、無処理マスクと比較して10ないし35%の改
善がみられた。また、長時間使用を行った時のカソード
におけるエミッションライフ特性の劣化はシャドウマス
ク未処理品で作成したブラウン管と変わらず、管内水素
ガスによる蛍光体イオン焼けも生じなかった。なお、本
実施例マスクの電子ビーム移動量は、酸化ビスマスを用
いても同様の結果が得られた。
【0049】このようにして、適量の酸化アルミニウム
を添加し熱処理の終了した塗膜は、上述の粘着テープに
よる剥離試験を行っても剥離することはなかった。ま
た、結合力が強く中温および高温特性が優れているた
め、製造工程中に加えられる熱によって悪影響を受ける
ことはない。そして耐水性も在るため、製造工程中の洗
浄によって剥離することもない。
を添加し熱処理の終了した塗膜は、上述の粘着テープに
よる剥離試験を行っても剥離することはなかった。ま
た、結合力が強く中温および高温特性が優れているた
め、製造工程中に加えられる熱によって悪影響を受ける
ことはない。そして耐水性も在るため、製造工程中の洗
浄によって剥離することもない。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、シャドウマスク式カラ
ー受像管のピュリティードリフトを改善する被膜を比較
的低温で得ることができる。また被膜の付着力が増し、
ガス放出量が減るため、エミッション特性及び耐圧特性
を劣化させることがない。
ー受像管のピュリティードリフトを改善する被膜を比較
的低温で得ることができる。また被膜の付着力が増し、
ガス放出量が減るため、エミッション特性及び耐圧特性
を劣化させることがない。
【図1】 本発明にかかるカラー受像管の全体構成を示
す断面図
す断面図
【図2】 本発明にかかるシャドウマスクの要部を示す
断面図
断面図
【図3】 ピュリティードリフトの測定条件を示すため
の模式図
の模式図
Claims (12)
- 【請求項1】 蛍光面と、該蛍光面の近傍に設けられた
多数の開孔を有するシャドウマスクと、該シャドウマス
クの開孔を通して該蛍光面に電子ビームを射突する電子
銃とを具備するカラー受像管において、前記シャドウマ
スクは、その電子銃側に、酸化タングステン及び/また
は酸化ビスマスの微粒子と、リン酸アルミニウムを含有
するバインダーとを含む被膜を有することを特徴とする
カラー受像管。 - 【請求項2】 前記酸化タングステン及び/または酸化
ビスマス微粒子の含有量は、全被膜重量の15ないし6
0重量%である請求項1に記載のカラー受像管。 - 【請求項3】 前記酸化タングステン及び/または酸化
ビスマス微粒子の直径は、0.2ないし2μmである請
求項1に記載のカラー受像管。 - 【請求項4】 前記リン酸アルミニウムを含有するバイ
ンダーは、さらに酸化ホウ素を含有する請求項1に記載
のカラー受像管。 - 【請求項5】 前記酸化ホウ素は、リン酸アルミニウム
中の酸化アルミニウム換算量の10ないし25重量%で
ある請求項3に記載のカラー受像管。 - 【請求項6】 前記リン酸アルミニウムを含むバインダ
ーは、リン酸アルミニウム中における酸化アルミニウム
に対するリン酸の化学量論的な過剰量について、その7
0ないし140重量%に相当する量の酸化アルミニウム
及び/または酸化マグネシウムさらに含む請求項1に記
載のカラー受像管。 - 【請求項7】 蛍光面と、該蛍光面の近傍に設けられた
多数の開孔を有するシャドウマスクと、該シャドウマス
クの開孔を通して該蛍光面に電子ビームを射突する電子
銃とを具備するカラー受像管の製造方法において、リン
酸アルミニウムを含有するバインダー中に、酸化タング
ステン及び/または酸化ビスマスの微粒子を分散して懸
濁液を調製し、得られた懸濁液を、前記シャドウマスク
の電子銃側の面上に塗布し、得られた塗布膜を焼成する
ことにより、前記シャドウマスクの電子銃側に被膜を形
成する工程を含むカラー受像管の製造方法。 - 【請求項8】 前記酸化タングステン及び/または酸化
ビスマス微粒子の含有量は、全被膜重量の15ないし6
0重量%である請求項7に記載の方法。 - 【請求項9】 前記酸化タングステン及び/または酸化
ビスマス微粒子の直径は、0.2ないし2μmである請
求項7に記載の方法。 - 【請求項10】 前記リン酸アルミニウムを含有するバ
インダーは、さらに酸化ホウ素を含有する請求項7に記
載の方法。 - 【請求項11】 前記酸化ホウ素は、リン酸アルミニウ
ム中の酸化アルミニウム換算量の10ないし25重量%
である請求項10に記載の方法。 - 【請求項12】 前記懸濁液中に、リン酸アルミニウム
中における酸化アルミニウムに対するリン酸の化学量論
的な過剰量について、その70ないし140重量%に相
当する量の酸化アルミニウム及び/または酸化マグネシ
ウムをさらに添加する請求項7に記載の方法。
Priority Applications (9)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7002142A JPH07254373A (ja) | 1994-01-26 | 1995-01-10 | カラー受像管及びその製造方法 |
| MYPI95000134A MY111673A (en) | 1994-01-26 | 1995-01-20 | Color cathode ray tube and method of manufacturing the same |
| TW084100491A TW364144B (en) | 1994-01-26 | 1995-01-20 | Color cathode ray tube and method of manufacturing the same |
| EP95100858A EP0665572B1 (en) | 1994-01-26 | 1995-01-23 | Color cathode ray tube and method of manufacturing the same |
| DE69500399T DE69500399T2 (de) | 1994-01-26 | 1995-01-23 | Farbkathodenstrahlröhre und deren Herstellungsverfahren |
| KR1019950001239A KR0143250B1 (ko) | 1994-01-26 | 1995-01-25 | 칼라 수상관 및 그 제조방법 |
| US08/378,719 US5841223A (en) | 1994-01-26 | 1995-01-25 | Color cathode ray tube and method of manufacturing the same |
| CN95100188A CN1054460C (zh) | 1994-01-26 | 1995-01-26 | 彩色显象管及其制造方法 |
| US09/151,654 US6060112A (en) | 1994-01-26 | 1998-09-11 | Color cathode ray tube and method of manufacturing the same |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP671394 | 1994-01-26 | ||
| JP6-6713 | 1994-01-26 | ||
| JP7002142A JPH07254373A (ja) | 1994-01-26 | 1995-01-10 | カラー受像管及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07254373A true JPH07254373A (ja) | 1995-10-03 |
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