JPH0729865B2 - セメント系硬化物の塩害防止方法 - Google Patents

セメント系硬化物の塩害防止方法

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JPH0729865B2 JP16631786A JP16631786A JPH0729865B2 JP H0729865 B2 JPH0729865 B2 JP H0729865B2 JP 16631786 A JP16631786 A JP 16631786A JP 16631786 A JP16631786 A JP 16631786A JP H0729865 B2 JPH0729865 B2 JP H0729865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、腐食性金属材料が埋め込まれたセメント系硬
化物の塩害防止方法の改良に関する。
鉄筋コンクリートは、屋外で長期間使用されると、その
コンクリート表面にクラックが発生したり、内部の鉄筋
に発錆が起ることがよく知られている。この鉄筋の腐食
は、コンクリートの中性化が起ると、外部から浸入する
水と酸素によって生起するが、コンクリート中に塩分が
含まれている場合には、コンクリートが未だアルカリ性
に保たれていても、鉄筋表面の不働態皮膜が破壊され、
鉄筋に孔食現象が生起する。この塩分を含有する鉄筋コ
ンクリートの鉄筋腐食に原因するコンクリートの劣化は
一般に塩害を呼ばれ、これを防ぐ方法の改良が望まれて
いる。
(従来の技術) 塩分を含む鉄筋コンクリートの鉄筋の腐食を防ぐ方法と
しては、コンクリート配合時に亜硝酸カルシウム等の防
錆剤を添加したり、或いは、硬化後の鉄筋コンクリート
に、その表面から亜硝酸カルシウム水溶液等防錆剤水溶
液を含浸させる方法が知られている。
上記コンクリートに含浸した亜硝酸塩の溶出を防ぐこと
により塩害防止の持続性を向上させる改良方法として、
セメントを上塗りする方法が特開昭60-204683号公報及
び特開昭60-231478号公報に示されている。また、エマ
ルジョン塗料を上塗りする方法も特開昭60-108385号公
報に示されている。
(発明が解決しようとする問題点) コンクリート表面から含浸した防錆剤は、短時間に乾燥
し難く、特に亜硝酸カルシウム等亜硝酸塩の水溶液を防
錆剤とする場合には、吸湿性が高いために乾燥が遅く、
結露現象を起すこともある。工期を短縮して能率を高め
るためには、未乾燥のコンクリート表面に対して接着性
を示すセメントペーストを上塗り材として用いるのが簡
便であるが、セメントペーストの硬化物は透水性を有す
るために、防錆材の溶出を完全に防止できず、また、セ
メントペースト硬化物の表面から外来塩分が浸入するこ
ともあり、上記特開昭60-204683号及び同60-231478号に
提案の方法では、防錆剤含浸の効果を充分に発現させ難
い。
これに対し、特開昭60-108385号公報に記載のエマルジ
ョン塗料を塗布する方法は、それによる塗膜はモルタル
よりも透水性が低く、外来塩分も表面から浸入し難い
が、コンクリート表面が充分に乾燥していない内に塗布
すると、コンクリート表面と塗膜との密着性に欠け、塗
膜にふくれ、クラック、剥離等が起り易いので、塗布前
コンクリートの充分な乾燥を要し、施工を短期間に完了
させ難い。
(問題点を解決するための手段) 本発明の腐食性金属材料が埋め込まれたセメント系硬化
物の塩害防止方法は、該セメント系硬化物にその表面か
ら防錆剤の水溶液を含浸させ、更にその表面に湿潤面接
着性エポキシ樹脂を含有する塗材で被覆で施すことを特
徴とする。
本発明の方法が適用されるセメント系材料は、鉄製、鋼
製等の線状、棒状、柱状等腐食性金属材料が補強剤とし
て埋め込まれたセメント、モルタル、コンクリートの硬
化物である。これら硬化物としては、打設直後のものか
ら打設後使用により劣化の起っているものまで全て適用
し得る。
本発明の方法に用いられる防錆剤は水溶性のものであっ
て、亜硝酸塩、クロム酸塩等破壊された不働態皮膜を再
生する働きをするアノード型防錆剤、或いは、炭酸塩、
りん酸塩等難溶性塩類皮膜を形成する働きをするカソー
ド型防錆剤が例示される。
本発明の方法に用いられる湿潤面接着性エポキシ樹脂
は、通常の、例えば、ビスフェノールAとエピクロルヒ
ドリンとの縮合物等エポキシ基含有成分と水親和性硬化
剤との配合物である。好ましい硬化剤としては、ポリア
ミドアミン、たとえば合成ダイマー酸とジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンベン
タミンなどのポリアミンとの縮合反応によりつくられた
もの、また長鎖脂肪族アミン、たとえばポリエーテルジ
アミン、ペンタエチレンヘキサミン、ステアリルアミ
ン、キシレンジアミン等が挙げられる。また、水置換剤
としてアミン塩界面活性剤も併用することができる。こ
れらポリアミドポリアミンの使用量としては、エポキシ
基に対し活性水素原子がモル比で1.6〜2.4となる如き量
が好ましい。その他特開昭49-93497号公報に記載の乾性
油脂肪酸の2量体又は3量体とポリアミンとの縮合体、
特開昭49-93496号公報に記載の変性芳香族アミン、商品
名チオコールLP−3(東レチオコール社製)等ポリチオ
ール類等も硬化剤として使用することができる。
本発明に用いられる上記湿潤面接着性エポキシ樹脂を含
有する塗材としては、上記エポキシ樹脂単独物の他、本
発明の目的が達成される限り、これに更に任意の成分、
例えば、充填材等を加えたものも差支えない。充填材の
例としては、焼石膏、ポルトランドセメント、活性アル
ミナ、シリカアルミナ、炭酸カルシウム、ベントナイ
ト、アスベスト等が挙げられる。
本発明のセメント系硬化物の塩害防止方法は、上記腐食
性金属材料が埋込まれたセメント系硬化物を対象とし、
その表面から上記防錆剤の水溶液をセメント硬化物中に
含浸させ、好ましくは、この水溶液の乾燥を待たずに、
直接その表面に上記エポキシ樹脂を含有する塗材の被覆
を施す方法である。上記塗材の被覆は、通常の方法、例
えば塗布法によって容易に行なうことができる。
(作用) 上記エポキシ樹脂含有塗材は、コンクリートの被塗面が
防錆剤水溶液によって湿潤していても、湿潤下強力な接
着力を有するから、防錆剤水溶液の含浸後、その乾燥を
底待たずに、上記エポキシ樹脂による塗布を行うことが
できる。この塗布されたエポキシ樹脂は、その硬化反応
によって固化し、コンクリート表面上に固着した塗膜を
形成し、この塗膜は非透水性を示す。
特に、エポキシ樹脂の硬化剤にポリアミドポリアミンを
使用すると、接着特性が良好であり、また、充填材に、
水と反応する焼石膏、ポルトランドセメント、活性アル
ミナ、シリカアルミナ等を用いると、更に接着特性が向
上する。
実施例 (イ)モルタル供試体の作成 (A)腐食試験用供試体 4×4×16cmの型枠の長軸方向の中央に直径1cm、長さ1
5cmのみがき棒鋼(JIS G3108に規定するSGD−3)をス
ペーサーを用いてセットし、ポルトランドセメント1:豊
浦産標準砂2:水0.65の配合比に混練したモルタルを打設
した。2日後に脱型し、打設後14日目迄20℃の水中養
生、更に28日目迄20℃相対湿度60%の室内で、空気中養
生を行なうことにより供試体(A)を得た。
(B)付着力試験用供試体 20×20×3cmの型枠に、腐食試験用供試体と同一配合の
モルタルを打設し、同様にして養生を行なうことにより
供試体(B)を得た。付着試験には、打込み上面を使用
する。
(C)塩分浸透量測定用供試体 10×10×10cmの型枠に、腐食試験用供試体と同様にして
モルタルを打設し養生を行なうことにより供試体(C)
を得た。
(ロ)試験方法 付着力試験 上記供試体(B)の表面に、上塗り材を塗布した後、14
日間20℃の室内の養生し、4×4cmの鋼製治具をエポキ
シ接着剤で固着させ、建築研究所式引張り試験により付
着力を測定する。
塩分浸透性試験 上記供試体(C)の表面に、上塗り材を塗布した後、14
日間20℃の室内で養生し、その後、20℃3%の食塩水中
に4日浸漬し次いで50℃の空気中で3日乾燥することを
1サイクルとし、10サイクルまで繰り返す。次いで打ち
込み側面の中央部分から、直径3cm、深さ5cmのコアを取
り、深さ毎に切り出し、粉砕、硝酸分解を行ない、硝酸
銀滴定により全塩分量を求める。
腐食試験 塩分浸透性試験と同様にして、食塩水中に浸漬後、乾燥
するサイクルを10サイクルまで繰り返した後、温度60℃
相対湿度100%の雰囲気に24時間放置し、次いで温度20
℃相対湿度60%の雰囲気に24時間以上放置することを1
サイクルとし、20サイクルまで繰り返した。終了後モル
タルを割裂し、内部鉄筋を取り出し、腐食面積の割合、
腐食減量を測定する。
(ハ)実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂(シエル化学(株)
製、商品名エピコート828)を50重量部と、可撓性エポ
キシ樹脂(旭電化工業(株)製、商品名EP−4000)50重
量部と、硬化剤の変性芳香族アミン(旭電化工業(株)
製、商品名EH−651)60重量部とを均一に混合すること
により、湿潤面接着用エポキシ樹脂接着剤を用意した。
別途、亜硝酸カルシウムの30重量%水溶液を用意し、こ
れに上記供試体(A)、(B)及び(C)を1時間浸漬
した後取り出した。重量測定により、亜硝酸カルシウム
水溶液は、850g/m2含浸したことを認めた。上記取り出
し後1時間放置し、次いでその表面に上記湿潤面接着性
エポキシ樹脂を1mmの厚さに塗布し、室温に24時間放置
することにより、モルタル供試体の表面にエポキシ樹脂
の硬化塗膜を形成させた。
次いで、上記試験法により、供試体(A)については、
腐食試験を、供試体(B)については付着力試験を、そ
して供試体(C)については塩分浸透性試験を夫々行な
い、第1表に記載の結果を得た。
比較例1 亜硝酸カルシウム水溶液の含浸処理をせず、上塗り材を
施さない他は実施例1と同様にして塩分浸透量、腐食面
積の割合及び腐食減量を測定して第1表記載の結果を得
た。
比較例2 亜硝酸カルシウム水溶液の含浸処理をしない他は、実施
例1と同様にして試験を行ない、第1表記載の結果を得
た。
比較例3 湿潤面接着用エポキシ樹脂による被覆を施さない他は、
実施例1と同様にして試験を行ない、第1表記載の結果
を得た。
比較例4及び5 湿潤面接着用エポキシ樹脂の代りに、比較例4としてセ
メントモルタルを用い、また比較例5として亜硝酸カル
シウム含浸処理後24時間経過したときに溶液型アクリル
樹脂塗料を用いて被覆を施した他は、夫々実施例1と同
様にして試験を行ない第1表記載の結果を得た。
第1表に於いて、腐食面積の割合は、鉄筋の全表面積に
対し、試験後腐食が起こった面積をパーセントで表わ
し、また、腐食減量は、試験前鉄筋の重量に対し、試験
後生じた錆を取り除いた鉄筋重量を試験前重量から差し
引いた値をパーセントで示す。
上記実施例1の結果と比較例1−5の結果を対比する
と、湿潤面接着性エポキシ樹脂は、亜硝酸カルシウム水
溶液で漏れているコンクリート表面に対して、アクリル
樹脂塗料、モルタル等によっては達成されない大きな付
着力で被覆を形成し、また、その塩分浸透の防止効果も
著大であって、鉄筋の防錆効果が著しく優れることが認
められる。
実施例2 上記腐食試験用供試体(A)の代りに、モルタル配合の
際混練水として3%の食塩水を用いた他は、供試体
(A)のつくり方と同様にして作成した供試体が用いら
れた。
この供試体を亜硝酸カルシウムの30重量%水溶液に1時
間浸漬することにより、供試体に820g/m2の亜硝酸カル
シウム水溶液を含浸させた。液から取り出して1時間
後、湿潤状態にあるこのモルタル供試体の表面にエポキ
シ樹脂(コニシ(株)製、商品名ボンドE−200)を1mm
厚に塗布し、7日間20℃の室内空気中養生を行なった。
次いで実施例(ロ)の腐食試験と同様にして、腐食試験
を行なったところ、鉄筋の腐食面積の割合は3%、腐食
減量は0%であった。
比較例6 亜硝酸カルシウム水溶液の含浸を行なわなかった他は、
実施例2と同様の試験を行なったところ、腐食面積の割
合は56%、腐食減量は0.13%であった。
上記実施例2と比較例6とを対比すると、塩分含有モル
タルに対しても、含浸させた亜硝酸カルシウムは、湿潤
面接着性エポキシ樹脂の被覆によってその防錆効果が維
持されることが認められる。
(発明の効果) 本発明によると、鉄筋等腐食性金属材料が埋め込まれた
セメント系材料硬化物に対して、亜硝酸カルシウム等防
錆剤水溶液の含浸による防錆効果を効率よく維持させる
ことができ、また、含浸した防錆剤が乾燥する前に非浸
透水性被覆を施すことができるから、施工の能率も高
い。更に、塩分含有のセメント系材料硬化物に対しての
みならず、当初は塩分を含まないセメント系材料硬化物
に対しても外来塩分の浸入が防止されるから、防錆効果
を著しく高めることができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腐食性金属材料が埋め込まれたセメント系
    硬化物に、該硬化物の表面から防錆剤水溶液を含浸さ
    せ、更にその表面に湿潤面接着性エポキシ樹脂を含有す
    る塗材で被覆を施すことを特徴とする腐食性金属材料が
    埋め込まれたセメント系硬化物の塩害防止方法。
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