JPH0730335B2 - ピツチの製造方法 - Google Patents

ピツチの製造方法

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JPH0730335B2
JPH0730335B2 JP30408686A JP30408686A JPH0730335B2 JP H0730335 B2 JPH0730335 B2 JP H0730335B2 JP 30408686 A JP30408686 A JP 30408686A JP 30408686 A JP30408686 A JP 30408686A JP H0730335 B2 JPH0730335 B2 JP H0730335B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、熱重合ピッチの製造方法に関し、更に詳しく
は、炭素繊維の製造原料として好適な紡糸用熱重合ピッ
チの製造方法に関する。
従来技術とその問題点 炭素繊維原料としての光学的に等方性のピッチは、不融
且つ不溶である為紡糸時の曳糸性を阻害するとされてい
るキノリン不溶分(QI成分)を含まず、且つ紡糸後の不
融化処理を円滑に行ない得る為高軟化点を有することが
必要である。従って、従来から、重質油又はピッチから
QI成分を過等の手段により除去した後、これを蒸留す
るか又はQI成分及び異方性成分が生成しない条件下に熱
処理することにより高軟化点のピッチを得ている。しか
しながら、これらの方法で得られた熱処理ピッチの軟化
点は、高温度での不融化処理における紡糸繊維の融着を
完全に防止する程度には改善され得ない。
本発明者等は、上記の如き従来技術の問題点に鑑みて、
研究を進めた結果、加熱装置及び攪拌装置を備えた反応
器において、一次QI成分を除去した重質油又はピッチに
酸素又はオゾンを含有する気体を吹込みつつ熱処理を行
なう場合には、紡糸用ピッチとして優れた性質を備えた
ピッチが得られることを見出した(特開昭61−28020
号)。但し、この方法では、工業的規模までスケールア
ップを行なった場合、以下のような問題点を生ずること
が判明した。
(イ)加熱機構が巨大となるため、設備費が大きくな
る。
(ロ)局所的な過熱を生じて、生成した紡糸用ピッチに
紡糸を阻害する過重合物を形成する場合がある。
(ハ)酸素又はオゾンを含有する気体とピッチとの接触
により重合反応が促進されるが、反応の進行に伴ってピ
ッチの粘度が上昇するに従って、通常の攪拌羽根による
攪拌操作では、気体の分散が不良となり、また、反応器
が大きくなる程気体の均一分散が困難となる。その結
果、得られる紡糸用ピッチの性質が不均一となり、紡糸
性も低下する。
(ニ)酸素又はオゾンを含有する気体とピッチとの接触
が不充分であれば、反応の進行も遅くなり、所望のピッ
チの製造に長時間を要することになる。
(ホ)一般に、紡糸工程は、極めて複雑且つ微妙な条件
制御を必要とするので、使用するピッチも、限られた範
囲内の物性に調整する必要があるが、バッチ式の反応装
置によりその様な調整を行なうことは、極めて困難であ
る。
問題点を解決する為の手段 本発明者は、上記先願の明細書(特開昭61−28020号公
報)に開示された発明の利点を生かしつつ、その改善を
行なうべく種々研究を進めた結果、従来高粘度のプラス
チック製造用として使用されているいわゆる高粘度リア
クターを反応器として使用する場合には、先願発明方法
に比してより短時間の反応でより優れた性質を備えた紡
糸用ピッチが得られることを見出した。即ち、本発明
は、熱重合ピッチを製造するに際し、一軸又は二軸の高
粘度リアクターを使用して、該リアクター内の原料ピッ
チ中及び/又は該リアクターに入る原料ピッチ中に酸素
又はオゾンを含有する気体を吹きこみつつ、該リアクタ
ー内での原料ピッチの表面更新を促進して低沸点成分を
分離除去させつつ原料ピッチを熱重合させることを特徴
とするピッチの製造方法を提供するものである。
本発明方法で使用する原料ピッチとしては、石油蒸留残
渣、ナフサ熱分解残渣、エチレンボトム油、石炭液化
油、コールタール等の石油系及び石炭系の重質油並びに
これらの重質油を蒸留することにより沸点200℃未満の
低沸点成分を除去したものを包含する。本発明方法の実
施に際しては、まず、原料ピッチから、過等の手段に
より一次QI成分等の固形分を際去した後、所定の温度で
溶解し、高粘度リアクターに導入する。
高粘度リアクターは、横型の本体内に一つ又は二つの回
転軸上に多数の円板状その他の種々の形状の攪拌翼を備
えており、軸の回転に伴って、これらの攪拌翼が、一端
側から導入された原料ピッチを薄い膜状に分離切断して
表面に持ち上げ、低沸点成分の飛散を促進して、重合反
応を促進させつつ、他端側出口に向けて送る。。高粘度
リアクターとしては、原料ピッチと空気又はオゾンを含
有する気体との接触を良好に行なわしめるものであれ
ば、特に限定されないが、底部に気体の吹込みノズルを
備え、頂部にはガス抜き出し用のノズルを備えた形式の
ものを使用する。吹込みノズルは、リアクターの軸方向
に複数個設け、気体を均一に分散させることが好まし
い。或いは、効率の低下を容認するのであれば、高粘度
リアクターに入る原料ピッチ中に該気体を吹込んでも良
い。或いは更に、両方の気体吹込み方法を併用しても良
い。また、反応を減圧下に行なう場合には、真空ポンプ
を接続する。高粘度リアクターの具体例としては、三菱
重工業(株)製の「横型二軸高粘度リアクター(HV
R)」、三菱重工業(株)製の「セルフクリーニング型
リアクター(SCR)」、(株)日立製作所製の「日立メ
ガネ翼式高粘度液処理機」等が挙げられる。
反応時には、高粘度リアクター内部を熱媒体により100
〜400℃程度に加熱し、原料ピッチとこれに吹きこんだ
酸素又はオゾンを含有する気体とを接触させつつ、攪拌
を行なう。酸素又はオゾン含有気体としては、空気、酸
素富化空気、酸素、オゾン含有空気、オゾン含有酸素等
が例示される。これら気体の使用量は、原料ピッチの性
状、熱処理温度及び時間等により異なるが、通常原料ピ
ッチ1kg当り酸素又はオゾンとして0.04〜2.0/分程
度、より好ましくは0.1〜0.6/分程度である。熱処理
温度が100℃未満の場合には、重合反応速度が低下する
ので好ましくなく、一方400℃を上回る場合には、発火
及び爆発の危険性があり、また過度の重合を生ずること
がある。
所定時間高粘度リアクター内に滞留した製品ピッチは、
原料ピッチ導入部とは反対側の底部からリアクター外に
取出される。
発明の効果 本発明によれば、以下のような顕著な効果が得られる。
(1)反応は、攪拌翼の枚数が多い程又回転数が大きい
程促進されるので、攪拌翼の枚数及び回転数にもよる
が、反応時間は、通常の反応缶の場合に比して1/3〜1/8
程度に短縮される。
(2)反応を減圧下に行なう場合には、収率は減少する
ものの、製品ピッチ中の軽質分の量が低減して、紡糸時
のノズル汚れ等のトラブルのより少ないピッチが得られ
る。
(3)空気等の気体とピッチとの接触効率が飛躍的に向
上するので、気体の吹込み量が、通常の反応缶を使用す
る場合に比して、数分の一乃至数十分の一程度まで低減
され、廃ガス処理等のコストが減少する。
(4)本発明方法により熱重合ピッチ中に形成される等
方性QI成分は、特開昭61−28020号に開示された方法に
より得られる等方性QI成分と同様に、酸素分子により架
橋重合した三次元的構造を有する高分子であり、可融且
つ可溶である。即ち、この等方性QI成分自体は、高分子
であるにも拘らず、ピッチの溶融時に(QS成分)と互い
に溶解する性質(相溶性)を有しているので、両者は分
離することなく、均一な流体の如き挙動を示す。従っ
て、本発明熱重合ピッチを溶融紡糸する場合には、等方
性QI成分は、紡糸に対する障害とはならない。
(5)熱重合ピッチの軟化点が高いので、紡糸繊維の不
融化が容易である。
(6)得られるピッチの物性は、均質であり、曳糸性に
優れている。
実 施 例 以下実施例及び比較例を示し、本発明の特徴とするとこ
ろをより一層明らかにする。
実施例1 軟化点60℃、ベンゼン不溶成分(BI成分)13.5%のコー
ルタールピッチを溶解し、メッシュフィルターで過
し、ピッチ中の一次QI成分等の固形分を除去して原料ピ
ッチを調製した後、250℃に加熱し、熱媒体により加熱
される横型高粘度リアクターに供給ポンプにより供給し
た。高粘度リアクターは、長さ200mmで、2本の軸上に6
0枚の円板型攪拌翼(円板の径60mm)を備えており、そ
の底部には軸方向に4箇の気体吹込み孔が設けられてい
た。反応条件は、下記の通りであり、製品ピッチの軟化
点は、275.2℃、BI=80.8%、QI=34.1%、収率は、55
%であった。
第 1 表 温度(℃) 330 時間(分) 30(平均滞留) 圧力(トール) 30 空気量(ピッチ1kg当り) 1.5l/分 回転数(rpm) 100 得られたピッチを樹脂に埋め込み、偏光顕微鏡で観察し
たところ、全面にわたり等方性であり、メソフェイスは
存在しないことが確認された。
上記で得られた製品ピッチを溶融温度340℃、巻取り速
度500m/分で連続紡糸して、ピッチ繊維を得た後、これ
を空気中2℃/分の速度で300℃まで昇温させ、同温度
に2.5時間保持して不融化処理した。かくして得られた
不融化ピッチ繊維を窒素雰囲気中50℃/分の速度で昇温
し、1000℃で3分間保持して炭素繊維とした。得られた
糸径の異なる2種の炭素繊維の物性を下記に示す。
第 2 表 糸径(μm) 18.53 11.88 強度(kg/mm2) 74.39 108.94 弾性率(t/mm2) 3.58 4.22 伸び(%) 2.09 2.58 実施例2 高粘度リアクターの攪拌翼の回転数を変化させた以外
は、実施例1と同様にして製品ピッチを得た。回転数と
ピッチの軟化点との関係を第3表に示す。尚、第3表に
は、実施例1(回転数100)の結果をも併せて示す。
第 3 表 回転数(rpm) 軟化点(℃) 40 235.2 70 251.7 100 275.2 140 302.5 実施例3 反応時の減圧度を変化させた以外は、実施例1と同様に
して製品ピッチを得た。減圧度と製品ピッチの軟化点及
び製品ピッチの収率との関係を第4表に示す。尚、第4
表には、実施例1(30トール)の結果をも併せて示す。
第 4 表 減圧度(トール) 軟化点(℃) 収率(%) 5 301.0 51.5 10 285.0 53.0 30 275.2 55.0 100 257.3 59.0 760(常圧) 185.0 68.0 比較例1 加熱装置及び攪拌機を備えた通常の重合缶(内径180mm
×385mm、内容積135l)において、実施例1と同様の原
料ピッチを使用し、下部ノズルから空気を吹き込みつ
つ、下記第5表に示す条件下に回分法により反応を行な
ったところ、軟化点=280.5℃、BI=78.5%、QI=39.5
%の製品ピッチを収率60%で得た。実施例1では30分間
であった反応時間が、本比較例では500分間にも達し
た。
第 5 表 温度(℃) 330 時間(分) 500 圧力 常圧 空気量(原料ピッチ1kg当り) 6.2/分 回転数(rpm) 250

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱重合ピッチを製造するに際し、一軸又は
    二軸の高粘度リアクターを使用して、該リアクター内の
    原料ピッチ中及び/又は該リアクターに入る原料ピッチ
    中に酸素又はオゾンを含有する気体を吹きこみつつ、該
    リアクター内での原料ピッチの表面更新を促進して低沸
    点成分を分離除去させつつ原料ピッチを熱重合させるこ
    とを特徴とするピッチの製造方法。
JP30408686A 1986-12-19 1986-12-19 ピツチの製造方法 Expired - Lifetime JPH0730335B2 (ja)

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