JPH0731496A - 血管透過性因子の製造方法 - Google Patents

血管透過性因子の製造方法

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JPH0731496A
JPH0731496A JP20018193A JP20018193A JPH0731496A JP H0731496 A JPH0731496 A JP H0731496A JP 20018193 A JP20018193 A JP 20018193A JP 20018193 A JP20018193 A JP 20018193A JP H0731496 A JPH0731496 A JP H0731496A
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JP
Japan
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vascular permeability
permeability factor
yeast
factor
yivpf
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JP20018193A
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Inventor
Shinichi Kondo
伸一 近藤
Tomoe Matsumoto
友恵 松本
Toshiaki Segawa
俊章 瀬川
Iwao Omori
巌 大森
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細胞が微量産生し、製薬、医薬として有望な
血管透過性因子を短時間、大量、安価に生産する製造方
法を提供する。 【構成】 血管透過性因子を発現するプラスミドで形質
転換した酵母を培養し産生させるこ。 【効果】 本発明は、従来単離精製に多大な時間、労
力、資源を要していた血管透過性因子を、短時間、大
量、安価に生産することを可能とし、血管透過性因子の
製薬、医薬への応用の道を開くものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、細胞が微量産生する血
管透過性因子の製造方法に関するもので、本発明によれ
ば、従来単離精製に多大な時間、労力、資源を要してい
た血管透過性因子を、短時間、大量、安価に生産するこ
とが可能になり、製薬、医薬業界で広く利用されるもの
である。
【0002】
【従来の技術】血管透過性因子(Vascular Permeability
Factor = VPF)または血管内皮細胞増殖因子(Vascular
Endothelial Growth Factor = VEGF)と呼ばれている蛋
白は、血管に於ける物質の透過性を昂進させる生理活
性、および血管内壁を構成する細胞である血管内皮細胞
の増殖を促進させる生理活性を持つものとして知られて
いる(Ferrara,N.et al.,Endocrine Reviews 13:18-32,
1992)。これらの生理活性を持つことから血管透過性因
子は臨床上有用な効果をもたらすのではないかと提案さ
れている(U.S.P. 4456550)。また当該因子が広範な種類
の腫瘍に於て産生されており、それらは血清中に分泌さ
れ、いわゆる腫瘍の診断物質としての有用性も、本発明
者らは見いだしている(特願平5-36156)。
【0003】この血管透過性因子は染色体上の単一の遺
伝子から転写されたRNAが様々な形の編集(alternative
splicing)を受けることによって、例えばヒトの場合4
種類の長さの蛋白が生成されると考えられている。それ
ぞれの蛋白はアミノ末端側にシグナル配列という細胞外
への分泌シグナルを持ち、それにより細胞外へ輸送され
る。細胞外へ輸送された蛋白はシグナル配列が切断除去
されており、最終的に生成されるタンパク質はアミノ酸
残基数にして、121、165、189、206の4種
あり、それらのアミノ酸配列は同一(短い蛋白はながい
蛋白のアミノ酸の一部がブロック的に欠落したもの)で
あることが見出されている(特開平2-282398、特表平4-
505705、特表平5-501350)。合成された蛋白はジスルフ
ィド結合によって2つの分子が結合され、2量体を形成
し、この2量体が生理活性を持つ血管透過性因子本体で
あることも明らかにされている(Ferrara,N.et al.,Endo
crine Reviews 13:18-32, 1992)。
【0004】血管透過性因子は様々な培養細胞の培養上
清から分離精製されている。しかしながらその方法は煩
雑であり、収量も極めて少ないと言わざるを得ない。例
えば、ウシの脳下垂体小嚢由来の細胞を培養して、その
培養上清から精製した例では、6Lの上清から最終的に
4μg(Ferrara,N.,et al.,Methods in Enzymology 19
8:391-405,1991)、モルモットのLine 10 腫瘍細胞の培
養上清では1Lから1μg以下(Connoly,D.T. et al.,J
ournal of Clinical Investigation 84:1470-1478, 198
9)、マウスMeth A腫瘍細胞の上清では10Lから5μg
(ClaussM. et al., J. of Experimental Medicine 172:
1535-1545, 1990)、と極めて少量しか得られていない。
また、動物細胞の試験管内培養は培地が高価であるこ
と、また細胞の増殖には長時間を要することなど、経済
的、時間的効率面でも問題がある方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のような状況に於
て、本発明者らは、生理的に活性な血管透過性因子を、
より経済的に、迅速に製造する方法を確立するべく研究
を行ったのである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、活性型ヒト血管透過性因子の遺伝子(cDNA)の
分泌シグナルペプチドをそのままにして、あるいはそれ
を酵母のα因子の分泌シグナルを含むプレプロ領域で置
き換えて、酵母に導入し、該酵母を培養することによっ
て、2量体を形成した活性のある血管透過性因子を産生
させることが出来ることを見出し本発明を完成した。す
なわち本発明は、下記4発明からなるものである。 1.血管内皮細胞に対する特異的細胞増殖促進活性をも
有する血管透過性因子を発現するプラスミドで形質転換
した酵母を培養し産生させることを特徴とする血管透過
性因子の製造方法に関する発明。 2.血管内皮細胞に対する特異的細胞増殖促進活性をも
有する血管透過性因子を発現するプラスミドで形質転換
された酵母サッカロミセスに関する発明。 3.酵母α因子のプレプロ領域DNAと血管内皮細胞に
対する特異的細胞増殖促進活性をも有する血管透過性因
子のシグナルペプチドを含まないコード領域DNAとを
同じコドン読み枠で結合したDNA断片に関する発明。 4.酵母α因子のプレプロ領域DNAと血管内皮細胞に
対する特異的細胞増殖促進活性をも有する血管透過性因
子のシグナルペプチドを含まないコード領域DNAとを
同じコドン読み枠で結合したDNA断片または血管透過
性因子のシグナルペプチドを含んだコード領域DNA断
片を含むプラスミドで形質転換された酵母サッカロミセ
スに関する発明。
【0007】
【作用】本発明によれば、動物細胞よりはるかに培養が
容易で経済的である酵母により血管透過性因子を迅速に
かつ経済的に製造することができ、しかも酵母の培養は
長い歴史を持ち経験や施設の蓄積が大きいためスケール
アップも容易であり、産業上の大量需要に応える生産へ
の適応も可能にするものである。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (a)ヒト血管透過性遺伝子導入酵母の作成 ヒト前骨髄性白血病細胞HL60から単離したヒト血管
透過性因子のcDNAを市販品の酵母Saccharomyces cerevi
siae由来のGal1転写プロモーターの下流につないだ。そ
の際ヒト血管透過性因子のシグナル配列を含むコード領
域全体をつないだもの(pIVPF)、及びヒト血管透過性因
子のシグナル配列を酵母性因子αのプレプロ領域配列で
置き換えたもの(pαVPF)の2種類を作成した。図1に
pαVPFの組換過程の概略を示した。すなわち、酵母MAT
α遺伝子のプレプロ領域とα因子のペプチドとの間に制
限酵素SacI認識配列を導入し(上段)、ヒト血管透過性
因子遺伝子のシグナルペプチドと成熟蛋白、すなわちシ
グナルペプチドを除いた当該因子のコード領域DNAを
コードしている領域との間にも同じく制限酵素SacI認識
配列を導入した(中段)。MATαのプレプロ領域とヒト
血管透過性因子の成熟蛋白領域とを制限酵素SacI認識配
列を介して結合させ、その融合蛋白が正しい遺伝コドン
で読まれかつKEX2エンドペプチダーゼで切断されるよう
に遺伝子を組替えた(下段)。これらのDNA断片を酵母
2μプラスミド由来の複製起点配列を含む環状DNAに結
合し、市販品の酵母Saccharomyces cerevisiae INVSc2
に酢酸リチウム法(Lundblad,V. Current protocols:13.
7.1.-13.7.2.,1989)で導入した。pIVPF、およびpαVPF
が導入された酵母をそれぞれYIVPF、YαVPFとして単離
した。それぞれの酵母はウラシル要求性がなくなったほ
かは、親酵母と同一の特性を有している。また、それぞ
れの形質転換酵母は工業技術院生命工学工業技術研究所
に寄託した。受託番号はP−13731とP−1373
0である。
【0009】(b)ヒト血管透過性因子の培地中への分泌 上に述べたYIVPF、YαVPFならびに対照としてヒト血管
透過性因子のcDNAを含まない環状DNAのみを導入したYC
を以下の条件で培養した。酵母窒素ベース(Yast Nitrog
en Base(YNB))−硫安2%−カザミノ酸0.5%−ヒスチ
ジン80mg/lを基本培地として、前培養ではラフィノ
ース2%を添加して使用した。それぞれの酵母を、10
mlの前述の前培養培地で30℃48時間振盪培養した。
次にその培養液6mlを600mlの同培地に接種し、30
℃48時間振とう培養した。その培養液から酵母細胞を
常温で遠心分離によって回収し、回収した細胞をYNB−
硫安2%−カザミノ酸0.5%−ヒスチジン80mg/l−
ガラクトース5%の培地12Lに再接種した。本培地は
ガラクトースを含み、GAl1転写プロモーター下流に導入
したヒト血管透過性因子遺伝子の発現を誘導する。12
Lの培地は3Lの三角フラスコ4本に分け30℃で攪拌
培養を行った。
【0010】再接種後のYIVPF酵母の細胞増殖の様子をO
D600で、またヒト血管透過性因子の培地への分泌を、以
下に記載の抗ヒト血管透過性因子抗体を用いた酵素免疫
測定法により、ペルオキシダーゼの酵素反応をOD
490で、それぞれ再接種後6日目まで測定し、その結果
を図2に示した。細胞数は再接種後2日で約22ODに達
し、以降その密度を保った。一方培地中に放出されたヒ
ト血管透過性因子の量も再接種後2日で最大値に達し、
以降5日目まで同レベルを維持し6日目に減少に転じ
た。従って培養の日数は、上記条件で再接種した後、2
から5日が適当と考えられた。 酵素免疫測定法 別途調製した抗VPF IgG を96穴のプラスチックプレート
に吸着させ2 % bovineserum alubumin (BSA) でコート
し、これを測定プレートとした。各穴に測定サンプルを
入れ、室温で2時間置いた後、穴をphosphate buffered
saline (PBS)で6回洗浄する。これにペルオキシダー
ゼで標識した抗体を加え、室温で1時間置いた後、穴を
PBSで9回洗浄する。この後各穴に酵素基質を加え反応
させ発色を測定することによってサンプル中のVPF を測
定した。なお、標準線は別の方法でunit数を求めた粗VP
F を段階希釈して、それぞれのELISAでの測定値から求
めた。
【0011】(c)培地中に産生されたヒト血管透過性因
子の確認 同様の条件で培養したYIVPF,YαVPF,YCの培養液にヒト
血管透過性因子が含まれているかどうかを確認した。そ
れぞれの培養上清を段階希釈して10μL−0.001
μLまでの範囲で上述のヒト血管透過性因子の酵素免疫
測定法を用いて調べた結果を図3に示す。その結果YαV
PFの培養上清はYIVPFの培養上清の約10倍の抗ヒト血
管透過性因子抗体に反応する物質を含んでいた。一方対
照のYCの培養上清には全く反応する物質は検出されず、
YIVPFならびにYαVPFの培養上清中に見いだされる抗体
反応性物質は導入されたヒト血管透過性因子遺伝子由来
のものであることが示された。
【0012】血管透過性因子は、2つのポリペプチドが
ジスルフィド結合によって2量体を形成したものである
ことが示されている(Ferrara,N.et al.,Endocrine Revi
ews13:18-32, 1992)。そこで酵母細胞によって産生され
たヒト血管透過性因子も2量体を形成していないと活性
を保持した血管透過性因子としての機能は期待できな
い。そこでこの点に検討を加えるためにYIVPF,YαVPF,Y
Cの培養上清に2倍量のアセトンを加え、遠心分離で不
溶化した成分を回収し、ジスルフィド結合の還元剤であ
る2-メルカプトエタノールの存在下、非存在下でそれぞ
れSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動を行い、泳動
後ゲルからナイロン膜にサンプルを転写し、それを抗ヒ
ト血管透過性因子抗体で検出するという、いわゆるウエ
スタンブロットの手法で産生された物質を解析した結果
を図4に示す。対照であるYCには全く何も検出されなか
った(レーン1、4)。YIVPFでは非還元条件では分子
量マーカー30キロダルトンから46キロダルトンの間
に(レーン2)、還元条件では分子量マーカー14キロ
ダルトンから20キロダルトンの間に(レーン5)検出
された。またYαVPFでは非還元条件で分子量マーカー3
0キロダルトンから46キロダルトンの間と分子量マー
カー14キロダルトンから20キロダルトンの間の両方
に(レーン3)、還元条件では分子量マーカー14キロ
ダルトンから20キロダルトンの間に(レーン6)検出
された。
【0013】以上の結果を要約すると以下のようにな
る。 細胞外分泌シグナルがヒト血管透過性因子のものであ
るYIVPF、酵母α因子由来であるものYαVPF,共に、導入
した遺伝子由来のヒト血管透過性因子を培地中に分泌す
ることが示された。 培地への分泌量はYαVPFがYIVPFの約10倍高いこと
が示唆された。 YIVPFでは産生されたヒト血管透過性因子が完全に2
量体を形成していることが示唆されたのに対して、YαV
PFでは2量体を形成しているものと形成していないもの
とが培地中に混在していることが示唆された。
【0014】上述の知見は、付加された細胞外分泌
シグナルの影響によって物質の産生量、産生様態が影響
を受けることを示唆する知見として注目に値する。報告
によるとα因子のプレプロ領域はKEX2と呼ばれるエンド
ペプチダーゼによって切断されることが知られており(J
ulius,D. et al., Cell 37:1075-1089,1984)、単なる分
泌性タンパク質の細胞外移行とは異なった点がある。こ
うした細胞外分泌に関わる機構の違いが、物質の産生量
や分子の集合状態に影響を与えることが予想される。
【0015】(d)培養液からのヒト血管透過性因子の精
製 YIVPFまたはYαVPFを上記条件で培養し、その培養上清
からヒト血管透過性因子を以下の方法で精製した。培養
の終了した培養液12Lから遠心分離で酵母を除去し、
さらに同上清を0.45μmのフィルターに通して浮遊物を
除去した。次に分画分子量10000の限外濾過膜(日本ミ
リポアリミテッド製PLGC10000)を用いて試料を最終的
に12Lから50mLまで濃縮した。濃縮した試料を1
0mM酢酸緩衝液(pH5.2)-0.1M塩化ナトリウムに対して透
析した。
【0016】透析した試料を(強)陽イオン交換カラム
クロマトグラフィーに供した。陽イオン交換クロマトグ
ラフィーカラム(東ソー製TSK-SP650)を10mM酢酸緩
衝液(pH5.2)-0.1M 塩化ナトリウムで予め平衡化してお
き、透析の終了した試料を流した。カラムに吸着しなか
った成分を10mM酢酸緩衝液(pH5.2)-0.1M 塩化ナトリ
ウムで充分に洗い流した後、塩化ナトリウム濃度0.1M-
2.1Mのリニアグラジエントをかけた10mM酢酸緩衝液(pH
5.2)で、カラムに吸着した物質を溶出させた。溶出液を
フラクションコレクタで分画し、それぞれの分画に含ま
れるヒト血管透過性因子を上述の酵素免疫測定法で調べ
た。
【0017】酵素免疫測定法で陽性となった分画に硫安
を添加し、飽和条件で硫安沈澱を行い試料を回収した。
沈澱を0.2mlの10mM酢酸緩衝液(pH5.2)-0.1M 塩化ナト
リウムに再溶解し、ゲル濾過カラムクロマトグラフィー
に供した。ゲル濾過カラム(ファルマシア製Superdex-7
5)を予め10mM酢酸緩衝液(pH5.2)-0.1M 塩化ナトリウ
ムで平衡化しておき、再溶解した試料をカラムに供し
た。一定速度でカラムに通液し、溶出液をフラクション
コレクタで分画し、それぞれの分画に含まれるヒト血管
透過性因子を上述の酵素免疫測定法で調べた。
【0018】酵素免疫測定法で陽性となった分画の一部
を取り、レムリーの方法に従いSDS15%ポリアクリル
アミドゲル電気泳動で解析した(Laemmli,U.K.,Nature 2
27:680-685,1970)。すなわち、YIVPF、YαVPFの培養上
清から調製したそれぞれの試料に対し、ジスルフィド結
合の還元剤である2-メルカプトエタノールの存在下で
(レーン1:YIVPF, 2:YαVPF)、または非存在下で(レ
ーン4:YIVPF, 5:YαVPF)電気泳動し終了後ゲルを銀染
色で染色した結果を図5に示す。YIVPF,YαVPFの試料共
に非還元条件では分子量マーカー30キロダルトンから
46キロダルトンの間に単一のバンドが、還元条件では
分子量マーカー14キロダルトンから20キロダルトン
の間に単一のバンドが、それぞれ観察された。このこと
から、ジスルフィド結合で2量体を形成しているヒト血
管透過性因子が精製されていることが示された。
【0019】(e)ヒト血管透過性因子の活性 精製した物質がヒト血管透過性因子としての生理活性を
保持しているかどうかを血管透過性因子の生理活性の一
つである血管内皮細胞に対する増殖促進活性で確認した
(Ferrara,N.,and Henzel,W.J.,Biochem.Biophys.Res.Co
mmun.161:851,1989)。培養ヒト血管内皮細胞の生理活性
の確認を以下の様にして行った。12穴の培養プレート
にヒトさい帯由来血管内皮細胞(HUVEC、クラボウ)を104
個まき、アッセイ培地(RPMI1640 45% - DMEM 45% - 牛
胎児血清10% - ウシインシュリン10 mg/l - ヒトトラン
スフェリン 5 mg/l - 0.01 mM 2-メルカプトエタノール
-0.01 mM 2-アミノエタノール - 10 nM 亜セレン酸ナ
トリウム)1 mLに、様々な量(0-125μl)の精製した酵
母産生ヒト血管透過性因子溶液を添加して、37℃ 5 %2
酸化炭素条件下で培養し、培養5日後の細胞数を比較し
た結果を図6に示す。YIVPF(A),YαVPF(B)共に添加量依
存的に細胞の増殖が促進された。このことから精製した
酵母産生ヒト血管透過性因子は生理活性を保持したもの
であることが示された。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は血管透過
性因子製造に於て、従来動物細胞の培養上清からごく微
量精製されるに過ぎなかった当該物質を、酵母を用いて
活性を保持した形で培地中に産生せしめ、それを精製す
る方法を示したものである。これにより以下の効果が期
待できる。
【0021】1、従来の方法では動物の細胞を培養する
ことによって原材料を得ていたため、少量の精製物を得
るために経済的に多大な出費を必要としたが、本方法に
より酵母に大量に産生させることが出来るようになった
ため遥かに簡単に安価に製造出来るようになった。
【0022】2、また酵母細胞は動物細胞に比べて遥か
に増殖が活発なため、従来長期間かかって細胞培養を行
い原材料を調達していたものに対して、極めて短期間で
目的を達することができるようになった。
【0023】3、酵母の培養は産業上応用の歴史も古
く、その蓄積された技術、知識によって産業スケールへ
の技術応用が容易である。従って本方法を用いれば将来
発生するであろう産業上の需要を満たすことが容易に行
える。
【図面の簡単な説明】
【図1】血管透過性因子細胞外分泌シグナルの遺伝子組
換えの概略を示す図である。
【図2】遺伝子組換酵母YIVPFの細胞増殖と培地中への
血管透過性因子の産生を示した図である。図中○印は酵
母の細胞増殖量を示し、□印は血管透過性因子の産生量
を示す。
【図3】培地中に産生された血管透過性因子の量を段階
希釈をかけて酵素免疫測定法で測定した図である。□印
はYC、△印はYIVPF、及びマル印はYαVPFを示す。
【図4】培養液をアセトン沈澱し、2-メルカプトエタノ
ールの存在下(+)、非存在下(-)に試料をウエスタン
ブロットで解析した図であり、それぞれのレーンは、レ
ーン1:YC(-) 、レーン2:YIVPF(-)、レーン3:YαV
PF(-)、レーン4:YC(+)、レーン5:YIVPF(+)、レーン
6:YαVPF(+)である。
【図5】YIVPF,YαVPF培養上清から精製した血管透過性
因子をSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で解析し
た図であり、レーン1(YIVPF)、2(YαVPF)は2−メルカ
プトエタノールの非存在下、レーン4(YIVPF)、5(YαVP
F)は存在下で処理したものであり、レーン3は分子量マ
ーカーである。
【図6】YIVPF,YαVPF培養上清から精製した血管透過性
因子の血管内皮細胞への増殖促進効果を調べた図であ
り、 (A)はYIVPFより精製した試料、(B)はYαVPFより精
製した試料で試験した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:865) (C12N 1/19 C12R 1:865) (72)発明者 大森 巌 茨城県つくば市大久保2番東亞合成化学工 業株式会社つくば研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 血管内皮細胞に対する特異的細胞増殖促
    進活性をも有する血管透過性因子を発現するプラスミド
    で形質転換した酵母を培養し産生させることを特徴とす
    る血管透過性因子の製造方法
  2. 【請求項2】 血管内皮細胞に対する特異的細胞増殖促
    進活性をも有する血管透過性因子を発現するプラスミド
    で形質転換された酵母サッカロミセス。
  3. 【請求項3】 酵母α因子のプレプロ領域DNAと血管
    内皮細胞に対する特異的細胞増殖促進活性をも有する血
    管透過性因子のシグナルペプチドを含まないコード領域
    DNAとを同じコドン読み枠で結合したDNA断片。
  4. 【請求項4】 請求項3のDNA断片または血管内皮細
    胞に対する特異的細胞増殖促進活性をも有する血管透過
    性因子のシグナルペプチドを含んだコード領域DNA断
    片を含むプラスミドで形質転換された酵母サッカロミセ
    ス。
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