JPH07316406A - 難燃性ポリエステル系樹脂組成物 - Google Patents

難燃性ポリエステル系樹脂組成物

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JPH07316406A
JPH07316406A JP13243294A JP13243294A JPH07316406A JP H07316406 A JPH07316406 A JP H07316406A JP 13243294 A JP13243294 A JP 13243294A JP 13243294 A JP13243294 A JP 13243294A JP H07316406 A JPH07316406 A JP H07316406A
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JP
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flame
polyester resin
resin composition
retardant
flame retardant
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JP13243294A
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Shuichi Kanao
修一 金尾
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Kuraray Co Ltd
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Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステル系樹脂、有機ハロゲン系難燃剤
及び硫化亜鉛を含有し、必要に応じて更に難燃助剤及び
/又はガラス繊維を含有する難燃性ポリエステル系樹脂
組成物、並びに該難燃性ポリエステル系樹脂組成物から
なる成形品。 【効果】 本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物か
らは、ポリエステル系樹脂が本来有する種々の優れた特
性をそのまま備えていて、引張強さや衝撃強さに代表さ
れる機械的性質に優れ、耐アーク性等の電気的特性にも
優れる難燃性の良好な各種の成形品を得ることができ、
特に信頼性および耐久性に優れる電子/電気部品を製造
するのに適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性ポリエステル系
樹脂組成物およびそれからなる成形品に関する。詳細に
は、機械的性質に優れ、しかも耐アーク性に代表される
電気的特性に優れる難燃性のポリエステル系樹脂成形品
およびそのための樹脂組成物に関するものであり、本発
明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物は電気/電子部
品、自動車部品、機械部品、その他の広範な用途に極め
て有効に使用することができ、特に電気/電子部品に用
いるのに適している。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレートやポリブチ
レンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂は、耐熱
性、耐溶剤性、電気的性質、成形性などに優れており、
それらの特性を活かして、単独でまたはガラス繊維など
の充填材や各種の添加剤などを配合して、電気/電子部
品、自動車部品、機械部品などの種々の用途に広く用い
られている。そして、電気/電子部品などでは、他の製
品と同様に難燃性の成形品が近年ますます求められてい
るが、ポリエステル系樹脂は難燃剤や難燃助剤の添加に
よって容易に難燃化できることから、難燃剤や難燃助剤
を含有するポリエステル系樹脂組成物を用いて電気部品
や電子部品などの成形品を製造することが広く行われる
ようになっている。
【0003】しかしながら、難燃剤や難燃助剤を含有す
るポリエステル系樹脂成形品は、難燃性は良好であるも
のの、アーク放電により炭化路を形成し易く、連続した
アーク放電に対する耐性(耐アーク性)などの電気的特
性に劣り、そのため電気部品や電子部品などの成形品で
は種々のトラブルを発生し易く信頼性に欠け、電気的特
性の改善が強く求められている。
【0004】そのため、難燃剤を含有するポリエステル
系樹脂の耐アーク性などを改善するためにタルクや酸化
チタンなどを添加することが従来提案されているが(特
開昭51−127149号公報、特開昭52−5875
2号公報など)、タルクや酸化チタンの添加によって耐
アーク性の改善効果を得るには、大量(通常10重量%
以上)の添加が必要であり、少量では耐アーク性の改善
効果がほとんど得られない。そして、耐アーク性を改善
するためにタルクや酸化チタンを大量に添加した場合
は、引張強さや耐衝撃性で代表される機械的性質が著し
く低下し、成形品の靭性が失われて、耐久性のある成形
品が得らないという欠点を生ずる。しかも、タルクや酸
化チタンを大量に添加することによる比重の増加によっ
て製品重量の増加や色相の悪化などの不都合が避けられ
ず、充分に満足のゆく解決法とはなっていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ポリ
エステル系樹脂が本来有する上記した種々の優れた特性
を備えており、特に機械的性質に優れていて高い靭性を
有し、しかも耐アーク性などの電気的特性にも優れる難
燃性のポリエステル系樹脂成形品、特に電気/電子部品
の製造に有効に使用することのできる難燃性ポリエステ
ル系樹脂組成物、および該組成物からなる難燃性のポリ
エステル系樹脂成形品を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者が上記した目的
を達成すべく鋭意検討を行ったところ、有機ハロゲン系
難燃剤を含有するポリエステル系樹脂組成物に対して硫
化亜鉛を添加すると、少量の添加で耐アーク性などの電
気的特性の改善された難燃性のポリエステル系樹脂組成
物および成形品が得られること、しかもそこで得られた
成形品は、引張強さや衝撃強さで代表される機械的性質
に優れ、高い靭性を有していることを見出した。更に、
本発明者は、硫化亜鉛の場合は、少量の添加でそのよう
な電気的特性の改善が達成されるので、大量の添加に伴
う製品重量の増加や色相の悪化などを招かないという効
果も達成できること、しかしながら大量に添加しても引
張強さや耐衝撃性などの機械的性質の低下がないので、
大量の添加も可能であり何らさしつかえがないことを見
出し、それらの発見に基づいて本発明を完成した。
【0007】したがって、本発明は、ポリエステル系樹
脂、有機ハロゲン系難燃剤および硫化亜鉛を含有するこ
とを特徴とする難燃性ポリエステル系樹脂組成物であ
る。そして本発明は、上記の難燃性ポリエステル系樹脂
組成物から得られた成形品を包含する。
【0008】本発明では、ポリエステル系樹脂として熱
溶融成形が可能な熱可塑性ポリエステル樹脂のいずれも
が使用でき、特に制限されない。そのうちでも、テレフ
タル酸、イソフタル酸またはそれらのエステル形成性誘
導体から主としてなるジカルボン酸成分と炭素数2〜1
0のジオール成分から主としてなるジオールとの反応に
より得られるポリエステル樹脂が好ましく、その場合の
炭素数2〜10のジオール成分の好ましい例としてはエ
チレングリコール、1,4−ブタンジオールおよび/ま
たはシクロヘキサンジメタノールなどを挙げることがで
きる。
【0009】より具体的には、ポリエステル系樹脂とし
ては、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、ポリブチレ
ンテレフタレート系樹脂、ポリシクロヘキサンジメチレ
ンテレフタレート系樹脂などのポリエステル系樹脂が好
ましく、これらのうちでもポリエチレンテレフタレート
系樹脂およびポリブチレンテレフタレート系樹脂の少な
くとも一方を使用するのがより好ましく、ポリブチレン
テレフタレート系樹脂を用いるのが特に好ましい。
【0010】本発明で好ましく用いられるポリブチレン
テレフタレート系樹脂(以下「PBT系樹脂」という)
としては、ポリエステル樹脂を構成する酸成分の少なく
とも70モル%がテレフタル酸またはそのエステル形成
性誘導体からなり、かつジオール成分の少なくとも70
モル%が1,4−ブタンジオールからなるポリエステル
樹脂であるのがよく、かかるPBT系樹脂は30モル%
以下の範囲であれば他の共重合酸成分および/または他
の共重合ジオール成分からなる共重合単位を有すること
ができる。
【0011】また、本発明で好ましく用いられるポリエ
チレンテレフタレート系樹脂(以下「PET系樹脂」と
いう)としては、ポリエステル樹脂を構成する酸成分の
少なくとも70モル%がテレフタル酸またはそのエステ
ル形成性誘導体からなり、かつジオール成分の少なくと
も70モル%がエチレングリコールからなるポリエステ
ル樹脂であるのがよく、かかるPET系樹脂は30モル
%以下の範囲であれば他の共重合酸成分および/または
他の共重合ジオール成分からなる共重合単位を有するこ
とができる。
【0012】上記したPBT系樹脂およびPET系樹脂
において30モル%以下の範囲で用いられる他の共重合
酸成分の例としては、イソフタル酸、ジフェニルジカル
ボン酸、ナフタレン−1,4−ジカルボン酸等の芳香族
ジカルボン酸;アジピン酸、セバシン酸、マゼライン
酸、コハク酸、シュウ酸等の脂肪族ジカルボン酸;β−
オキシエトキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸等のオキ
シカルボン酸;またはそれらのエステル形成性誘導体な
どを挙げることができ、それらの共重合酸成分は1種の
みを用いてもまたは2種以上を用いてもよい。
【0013】また、上記したPBT系樹脂およびPET
系樹脂において30モル%以下の範囲で用いることので
きる共重合ジオール成分の例としては、エチレングリコ
ール(PBT系樹脂の場合)、プロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール(PET系樹脂の場合)、ネオ
ペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、3−
メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、1,9−ノナンジオール、2−メチル−1,
8−オクタンジオール、デカメチレンジオールなどの炭
素数2〜10の脂肪族ジオール;シクロヘキサンジオー
ルなどの脂環式ジオール;ビスフェノールA、ビスフェ
ノールS等の芳香族ジオール;ポリエチレングリコー
ル、ポリトリメチレングリコール、ポリテトラメチレン
グリコール等のポリアルキレングリコールなどを挙げる
ことができ、これらの共重合ジオール成分は1種のみを
用いてもまたは2種以上を用いてもよい。
【0014】本発明で用いるポリエステル系樹脂の製法
は特に制限されず、ジカルボン酸成分とジオール成分と
を用いて、熱可塑性ポリエステル系樹脂の製造に従来か
ら採用されている公知のエステル交換反応または直接エ
ステル化反応によって製造されたもののいずれもが使用
できる。
【0015】本発明で用いるPBT系樹脂、PET系樹
脂、またはその他のポリエステル系樹脂としては、フェ
ノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)混合溶媒
を用いて30℃で測定したときの固有粘度が0.5〜
1.5dl/gの範囲にあるものが好ましく、0.8〜
1.1dl/gの範囲にあるものより好ましい。固有粘
度が0.5dl/g未満のポリエステル系樹脂を用いる
と、得られる成形品の靭性が不足し易く、一方固有粘度
が1.5dl/gを超えるポリエステル系樹脂を用いる
と、成形時の溶融粘度が高くなり過ぎて成形加工性が低
下し、特に射出成形による場合は成形が困難になる傾向
がある。
【0016】本発明のポリエステル系樹脂組成物で用い
る有機ハロゲン系難燃剤の種類は特に制限されず、ポリ
エステル系樹脂に対して従来用いられている公知の有機
ハロゲン系難燃剤のいずれもが使用できる。有機ハロゲ
ン系難燃剤は臭素系化合物であっても塩素系化合物であ
ってもよく、臭素系化合物が好ましく用いられる。有機
ハロゲン系難燃剤の具体例としては、臭素化ポリカーボ
ネート、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化アクリル樹脂、
臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレンなどの臭素化
重合体;デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモ
ベンゼン、テトラブロモ無水フタル酸、トリブロモフェ
ノール、ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、ポリジ
ブロモフェニレンオキサイド、ビス(ペンタブロモフェ
ノキシ)エタン、エチレンビステトラブロモフタルイミ
ド、臭素化スチレン、テトラブロモビスフェノールS、
テトラブロモビスフェノールSのビス(2,3−ジブロ
モプロピルエーテル)等の臭素化芳香族化合物;テトラ
ブロモビスフェノールA、テトラブロモビスフェノール
Aとフェノールの混合物、テトラブロモビスフェノール
Aのエポキシ化物、テトラブロモビスフェノールA・エ
チルエーテルオリゴマー、テトラブロモビスフェノール
A・ビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、テト
ラブロモビスフェノールA・ビス(アリルエーテル)、
テトラブロモビスフェノールA・2−ヒドロキシエチル
エーテル、テトラブロモビスフェノールAのカーボネー
トオリゴマー等の臭素化ビスフェノールAまたはその誘
導体などを挙げることができ、これらのうちで、臭素化
ポリカーボネート、臭素化フェノキシ樹脂、臭素化ポリ
スチレン、臭素化アクリル樹脂、デカブロモジフェニル
エーテルなどが難燃性および安全性の点から好ましい。
有機ハロゲン系難燃剤は単独で使用してもまたは2種以
上を併用してもよい。
【0017】本発明のポリエステル系樹脂組成物では、
有機ハロゲン系難燃剤の含有量は、ポリエステル系樹脂
100重量部に対して1〜50重量部であるのが好まし
く、15〜30重量部がより好ましい。有機ハロゲン系
難燃剤の含有量が1重量部未満であると十分な難燃化効
果が得られにくくなり、一方50重量部を超すと成形品
の力学的性能の低下や有害な揮発性成分の量の増加を招
き易くなる。
【0018】また必須ではないが、本発明のポリエステ
ル系樹脂組成物では、有機ハロゲン系難燃剤と共に難燃
助剤を併用するのがポリエステル系樹脂組成物や成形品
に一層良好な難燃性を付与する点から好ましい。その場
合の難燃助剤としてはアンチモン化合物が好ましく用い
られ、具体例としては三酸化アンチモン、四酸化アンチ
モン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムなど
のアンチモン酸塩などを挙げることができ、これらのア
ンチモン化合物は単独で使用してもまたは2種以上を併
用してもよい。有機ハロゲン系難燃剤と共に難燃助剤を
併用する場合は、ポリエステル系樹脂100重量部に対
して難燃助剤を1〜30重量部の割合で含有させるのが
好ましく、3〜20重量部がより好ましい。難燃助剤の
含有量が多すぎると、得られる成形品の機械的性能が低
下する傾向がある。
【0019】そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物では、難燃助剤として上記したアンチモン化合物と共
に酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄などの他の難
燃助剤を併用しても良好な効果が得られる。また、本発
明のポリエステル系樹脂組成物において、難燃助剤を使
用しない場合は、ガラス繊維などの無機充填剤を有機ハ
ロゲン系難燃剤と共に含有させておくのが難燃性をより
良好にする点から好ましい。
【0020】そして、本発明のポリエステル系樹脂組成
物は、有機ハロゲン系難燃剤と共に硫化亜鉛を必須成分
として含有する。硫化亜鉛の種類、製法などは特に制限
されずいずれも使用できる。入手のし易さ、ポリエステ
ル系樹脂組成物の成形性などの点から粒径が0.05〜
10μmの範囲の硫化亜鉛を使用するのが好ましい。本
発明では表面処理してない硫化亜鉛および表面処理した
硫化亜鉛のいずれもが使用できる。表面処理した硫化亜
鉛を使用する場合は、本発明の目的を損なわない範囲内
で、例えばアミノシラン系化合物、エポキシシラン系化
合物、チタネート系化合物など表面処理剤で表面処理し
たものを使用することができる。
【0021】本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
における硫化亜鉛の含有量は、ポリエステル系樹脂組成
物の全重量に基づいて1〜30重量%であるのが好まし
く、3〜20重量%がより好ましく、4〜15重量%が
更に好ましい。硫化亜鉛の含有量が1重量%未満である
と成形品の耐アーク性などの電気的特性が十分に改善さ
れず、一方30重量%を超えると成形品の機械的性質の
低下、製品重量の増加、色相の低下などを生じ易くな
る。
【0022】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、必
要に応じて更にガラス繊維を含有することができ、ガラ
ス繊維を含有する本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組
成物からは機械的性質に一層優れる成形品を得ることが
できる。本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物中に
ガラス繊維を含有させる場合は、ポリエステル系樹脂組
成物の全重量に基づいて80重量%以下にするのがよ
く、50重量%以下がより好ましい。ガラス繊維の含有
量が80重量%を超えるとポリエステル系樹脂組成物の
溶融流動性などが低下し、成形が困難になり易い。
【0023】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、上
記した成分の他に、必要に応じて従来公知の各種の添加
物や成分、例えば、表面処理を施したまたは施してない
各種の充填剤(例えばガラスビーズ、ガラスフレーク、
ガラスパウダー、ガラスバルーン、硫酸バリウム、硫酸
カルシウム、ベントナイト、セリサイト、ゼオライト、
雲母、ネフェリンシナイト、タルク、アタルパルジャイ
ト、ウォラストナイト、PMF、フェライト、珪酸カル
シウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、酸化亜鉛、二硫化モリブデン、黒鉛、石膏、石英、
石英ガラスなど)、滑剤、離型剤、酸化防止剤、結晶核
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、染料や顔料等の着色
剤、可塑剤、熱可塑性エラストマー類、他の熱可塑性樹
脂などの1種または2種以上を含有することができる。
【0024】本発明のポリエステル系樹脂組成物の調製
法は特に制限されず、熱可塑性樹脂組成物を調製するの
に用いられる既知の方法のいずれもが採用でき、例え
ば、充分に乾燥したチップ状のポリエステル系樹脂に、
有機ハロゲン系難燃剤、硫化亜鉛、および必要に応じて
難燃助剤、ガラス繊維、その他の添加剤や成分を添加し
て、予めタンブラーやヘンシェルミキサーのような混合
機で均一に混合した後、単軸または2軸押出機に供給し
て溶融混練してから押出し、切断して、ペレットやその
他の形状の樹脂組成物を調製することができる。
【0025】本発明のポリエステル系樹脂組成物は、ポ
リエステル系樹脂に対して一般に用いられている成形方
法や成形装置を用いて成形することができる。例えば、
射出成形、押出成形、プレス成形、ブロー成形、カレン
ダー成形などの任意の成形法によって成形することがで
き、それによって電気部品、電子部品、機械部品、自動
車部品、パイプ、シート、フイルム、日用品などの任意
の形状および用途の成形品を製造することができ、特に
射出成形などによって電気部品や電子部品等を製造する
のに適している。
【0026】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。
以下の実施例および比較例において、試験片の作製、引
張強さおよび衝撃強さの測定、耐アーク性および難燃性
の評価は次のようにして行った。
【0027】試験片の作製:各実施例または比較例のポ
リエステル系樹脂組成物のペレットを成形材料として用
いて、日精樹脂工業製の80トン射出成形機を使用し
て、PBT樹脂ではシリンダー温度260℃および金型
温度70℃の条件下で、またPET樹脂ではシリンダー
温度280℃および金型温度120℃の条件下で、引張
強さ測定用のJIS 1号試験片、衝撃強さ測定用の棒
(断面13.0mm×3.1mm、長さ63.5m
m)、耐アーク性評価用の円盤(直径100mm、厚さ
3.2mm)および難燃性評価用の試験片(縦127m
m×横12.7mm×厚さ0.8mm)をそれぞれ作製
した。
【0028】試験片の引張強さの測定:上記で作製した
JIS 1号試験片を用いてJIS K7113の方法に
準じてその引張強さを測定した。
【0029】衝撃強さの測定:上記で作成した衝撃強さ
測定用の棒を用いて、JIS K7110の方法に準じ
て、切り欠き(ノッチ)のある場合および切り欠き(ノ
ッチ)のない場合の両方のIZOD衝撃強さを測定し
た。
【0030】耐アーク性の評価:上記で作製した耐アー
ク性評価用の円盤を用いて、ASTM D495の方法
に準じてその耐アーク性の評価を行った。
【0031】難燃性の評価:上記で作製した難燃性評価
用の試験片を用いて、UL−94の方法(垂直燃焼試
験)に準じて難燃性の評価を行った。
【0032】《実施例 1》極限粘度が0.85dl/
gのPBT樹脂[(株)クラレ製「KL263F」)1
00重量部に対して、臭素化ポリカーボネート(グレー
トレース社製「BC−58」)18重量部および三酸化
アンチモン(日本精鉱製「パトックスL」)6重量部を
配合すると共に、硫化亜鉛(SACHTLEBEN CHEMIE GMBH社
製「サクトリス HD−S」)をPBT樹脂組成物の全
重量に基づいて5重量%の割合の割合で加えて、二軸押
出機(日本製鋼所製,φ44mm)に供給して、250
℃で溶融混練した後口金から押出し、冷却後切断して直
径2mm、長さ3mmのペレットを製造した。このペレ
ットを使用して、各試験片を上記のようにして作製し、
上記の方法でその引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性およ
び難燃性の測定または評価を行った。その結果を下記の
表1に示す。
【0033】《比較例 1》硫化亜鉛を用いなかった以
外は実施例1と同様にしてPBT樹脂組成物のペレット
を製造し、そのペレットを用いて試験片を作製して、そ
の引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性および難燃性の測定
または評価を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0034】《比較例 2〜5》硫化亜鉛5重量部の代
わりに、タルク(林化成社製「ミクロンホワイト#50
00S」)または酸化チタン(石原産業社製「タイペー
ク CR−50」)を5重量部または15重量部用いた
以外は実施例1と同様にしてPBT樹脂組成物のペレッ
トを製造し、そのペレットを用いて試験片を作製して、
その引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性および難燃性の測
定または評価を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0035】《実施例 2〜3》臭素化ポリカーボネー
ト、三酸化アンチモンおよび/または硫化亜鉛の配合量
を下記の表2に示すように変えた以外は実施例1と同様
にしてPBT樹脂組成物のペレットを製造し、そのペレ
ットを用いて試験片を作製して、その引張強さ、衝撃強
さ、耐アーク性および難燃性の測定または評価を行っ
た。その結果を下記の表2に示す。
【0036】《実施例 4〜6》有機ハロゲン系難燃剤
として臭素化ポリカーボネートの代わりに臭素化フェノ
キシ樹脂[東都化成(株)製「YPB−43C」または
デカブロモジフェニルエーテル(東ソー社製「110
R」)を表2に示す割合で配合し、三酸化アンチモンの
配合量を表2に示す量として、実施例1と同様にしてP
BT樹脂組成物のペレットを製造し、そのペレットを用
いて試験片を作製して、その引張強さ、衝撃強さ、耐ア
ーク性および難燃性の測定または評価を行った。その結
果を表2に示す。
【0037】《実施例 7》三酸化アンチモン(難燃助
剤)を配合せずに、その代わりにガラス繊維[日本電気
硝子(株)製「ECS−03T−187」]をPBT樹
脂組成物の全重量に基づいて6重量%の割合で配合し、
それ以外は実施例1と同様にしてPBT樹脂組成物のペ
レットを製造し、そのペレットを用いて試験片を作製し
て、その引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性および難燃性
の測定または評価を行った。その結果を表2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】上記の表1および表2の結果から、有機ハ
ロゲン系難燃剤と共に硫化亜鉛を含有する実施例1〜7
の難燃性PBT樹脂組成物から得られた成形品は、引張
強さおよび衝撃強さで代表される機械的性質および難燃
性に優れ、しかも有機ハロゲン系難燃剤を含有している
にも拘わらず、耐アーク性が良好で電気的特性にも優れ
ることがわかる。
【0041】それに対して、硫化亜鉛を含有しない比較
例1の難燃性PBT樹脂組成物は耐アーク性が不良であ
って電気的特性が劣ることがわかる。また、比較例2お
よび比較例3の結果からは、有機ハロゲン系難燃剤を含
有するPBT樹脂組成物に対して、タルクまたは酸化チ
タンからなる従来の耐アーク性改善剤を少量含有させて
も耐アーク性が改善されないことが、更に比較例4およ
び比較例5の結果からは、タルクまたは酸化チタンを多
量に配合した場合は耐アーク性は改善されるものの、引
張強さ、衝撃強さなどの機械的性質が大幅に低下するこ
とがわかる。
【0042】更に、実施例7の結果からは、本発明では
三酸化アンチモンなどの難燃助剤は必ずしも必須ではな
く、難燃助剤を用いなくても難燃性、機械的性質および
耐アーク性に優れたPBT樹脂組成物の成形品が得られ
ること、そして難燃助剤を用いない場合はガラス繊維を
配合するのが好ましいことがわかる。
【0043】《実施例 8〜9》ガラス繊維[日本電気
硝子(株)製「ECS−03T−187」]をPBT樹
脂組成物の全重量に基づいて更に15重量%(実施例
8)または30重量%(実施例9)含有させた以外は実
施例1と同様にしてPBT樹脂組成物のペレットを製造
し、そのペレットを用いて試験片を作製して、その引張
強さ、引張伸び、耐アーク性、耐高電圧トラッキング性
および難燃性の測定または評価を行った。その結果を下
記の表3に示す。
【0044】《比較例 6〜9》硫化亜鉛5重量部の代
わりに、比較例1〜3で用いたのと同じタルクまたは比
較例4〜5で用いたのと同じ酸化チタンを5重量部また
は15重量部用いた以外は実施例9と同様にしてPBT
樹脂組成物のペレットを製造し、そのペレットを用いて
試験片を作製して、その引張強さ、衝撃強さ、耐アーク
性および難燃性の測定または評価を行った。その結果を
下記の表3に示す。
【0045】
【表3】
【0046】上記の表3の結果から、有機ハロゲン系難
燃剤および硫化亜鉛と共に更にガラス繊維を含有する実
施例8〜9のPBT樹脂組成物から得られた成形品は、
難燃性に優れ、しかも引張強さおよび切欠き付き衝撃強
さ(ノッチ付き衝撃強さ)が大幅に向上していること、
そして有機ハロゲン系難燃剤を含有していても耐アーク
性が良好で電気的特性に優れることがわかる。
【0047】一方、比較例6〜比較例7および比較例8
〜比較例9の結果からは、PBT樹脂に対して有機ハロ
ゲン系難燃剤、難燃助剤およびガラス繊維と共に少量の
タルクまたは酸化チタンを配合したのでは耐アーク性が
向上しないこと、そして多量のタルクまたは酸化チタン
を配合すると耐アーク性は向上するものの引張強さ、衝
撃強さなどの機械的性質が大幅に低下することがわか
る。
【0048】《実施例10および比較例10〜14》P
BT樹脂の代わりに極限粘度が0.7dl/gのPET
樹脂[(株)クラレ製「クラペット KL226R」)
を使用し、更にペレット製造時の溶融混練温度を280
℃にした以外は、上記した実施例1および比較例1〜5
のそれぞれと同様にして、PET樹脂組成物のペレット
を製造し、そのペレットを用いて試験片を作製して、そ
の引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性および難燃性の測定
または評価を行った。その結果を表4に示す。
【0049】《実施例 11〜16》PBT樹脂の代わ
りに実施例10で使用したのと同じPET樹脂を使用
し、更にペレット製造時の溶融混練温度を280℃にし
た以外は、実施例2〜7のそれぞれと同様にして、PE
T樹脂組成物のペレットを製造し、そのペレットを用い
て試験片を作製して、その引張強さ、衝撃強さ、耐アー
ク性および難燃性の測定または評価を行った。その結果
を表5に示す。
【0050】
【表4】
【0051】
【表5】
【0052】上記の表4および表5の結果から、有機ハ
ロゲン系難燃剤と共に硫化亜鉛を含有する実施例10〜
16の本発明の難燃性PET樹脂組成物から得られた成
形品は、実施例1〜7の難燃性PBT樹脂組成物から得
られた成形品と同様に、引張強さおよび衝撃強さで代表
される機械的性質および難燃性に優れ、しかも有機ハロ
ゲン系難燃剤を含有しているにも拘わらず、耐アーク性
が良好で電気的特性に優れていることがわかる。
【0053】一方、硫化亜鉛を含有しない比較例10の
難燃性PET樹脂組成物は耐アーク性が不良であって電
気的特性が劣ること、少量のタルクまたは酸化チタンを
含有する比較例11および比較例12の難燃性PET樹
脂組成物からは耐アーク性の劣った成形品しか得られな
いこと、またタルクまたは酸化チタンを多量に含有する
比較例13および比較例14の難燃性PET樹脂組成物
から得られた成形品では耐アーク性は向上するものの、
引張強さ、衝撃強さなどの機械的性質が大幅に低下する
ことがわかる。
【0054】また実施例16の結果から、本発明では三
酸化アンチモンなどの難燃助剤は必ずしも必須ではな
く、有機ハロゲン系難燃剤および硫化亜鉛を含有し、難
燃助剤を含まないPET樹脂組成物からでも、難燃性、
機械的性質および耐アーク性などの電気的特性に優れた
成形品が得られること、そして難燃助剤を用いない場合
はガラス繊維を含有させるのが好ましいことがわかる。
【0055】《実施例17〜18および比較例15〜1
8》PBT樹脂の代わりに実施例10で使用したのと同
じPET樹脂を使用し、ペレット製造時の溶融混練温度
を280℃にした以外は、実施例8〜9および比較例6
〜9のそれぞれと同様にして、PET樹脂組成物のペレ
ットを製造し、そのペレットを用いて試験片を作製し
て、その引張強さ、衝撃強さ、耐アーク性および難燃性
の測定または評価を行った。その結果を表6に示す。
【0056】
【表6】
【0057】上記の表6の結果から、有機ハロゲン系難
燃剤および硫化亜鉛と共に更にガラス繊維を含有する実
施例17〜18のPET樹脂組成物から得られた成形品
は、難燃性に優れ、しかも引張強さおよび切欠き付き衝
撃強さ(ノッチ付き衝撃強さ)が大幅に向上しているこ
と、そして有機ハロゲン系難燃剤を含有しているにも拘
わらず耐アーク性が良好で電気的特性にも優れることが
わかる。
【0058】一方、比較例15〜16および比較例17
〜18の結果からは、PET樹脂に対して有機ハロゲン
系難燃剤、難燃助剤およびガラス繊維と共に少量のタル
クまたは酸化チタンを含有させたのでは耐アーク性が向
上しないこと、そして多量のタルクまたは酸化チタンを
含有させると耐アーク性は向上するものの引張強さ、衝
撃強さなどの機械的性質が大幅に低下することがわか
る。
【0059】
【発明の効果】有機ハロゲン系難燃剤と共に硫化亜鉛を
含有する本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物を用
いた場合には、ポリエステル系樹脂本来の優れた諸特性
を備え、引張強さや衝撃強さに代表される機械的性質に
優れていて高い靭性を有し、しかも耐アーク性などの電
気的特性にも優れる難燃性の良好な成形品を得ることが
できる。そのため、本発明の難燃性ポリエステル系樹脂
組成物は、電気/電子部品、自動車部品、機械部品、そ
の他の広範な用途に極めて有効に使用することができ、
特に電気/電子部品として適しており、信頼性および耐
久性に優れる製品を得ることができる。
【0060】更に、本発明の難燃性ポリエステル系樹脂
組成物では硫化亜鉛を少量含有させるだけで、上記した
ような電気的特性の改善を図ることができるので、大量
の添加に伴う製品重量の増加や色相の悪化などを招かな
い。しかし、本発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物
では硫化亜鉛を大量に含有していても引張強さや耐衝撃
性などの機械的性質の低下がなく、硫化亜鉛を大量に含
有させることも可能である。また、有機ハロゲン系難燃
剤および硫化亜鉛と共にさらにガラス繊維を含有する本
発明の難燃性ポリエステル系樹脂組成物からは、上記し
た良好な難燃性および耐アーク性などの優れた特性と共
に、引張強さなどの機械的性質において一層優れた成形
品を製造することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系樹脂、有機ハロゲン系難
    燃剤および硫化亜鉛を含有することを特徴とする難燃性
    ポリエステル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 樹脂組成物の全重量に基づいて硫化亜鉛
    を1〜30重量%含有する請求項1の難燃性ポリエステ
    ル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 難燃助剤および/またはガラス繊維を更
    に含有する請求項1または2の難燃性ポリエステル系樹
    脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の難燃性ポ
    リエステル系樹脂組成物から得られた成形品。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016132772A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物及び成形品
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