JPH07330978A - エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物

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JPH07330978A
JPH07330978A JP6155341A JP15534194A JPH07330978A JP H07330978 A JPH07330978 A JP H07330978A JP 6155341 A JP6155341 A JP 6155341A JP 15534194 A JP15534194 A JP 15534194A JP H07330978 A JPH07330978 A JP H07330978A
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air bag
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bag cover
parts
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JP6155341A
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Masakatsu Suetsugu
正克 末次
Toshiaki Suzuki
利明 鈴木
Masatoshi Isono
正敏 磯野
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Air Bags (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a)メルトフローレート(230℃,2.16
kg荷重)20〜200g/10分のポリプロピレン20
〜80重量%と、(b)ムーニー粘度(ML1+4,10
0℃)50以上のエチレン系共重合体ゴム80〜20重
量%と、前記成分(a)と(b)の合計100重量部に
対して、(c)鉱油系軟化剤1〜200重量部と(d)
脂肪酸系滑剤0.2 〜2.0 重量部とを含有してなるエアー
バッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物。 【効果】 本発明のエアーバッグカバー材用オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物はオレフィン系樹脂組成
物を材料とし、成形性、生産性、制振性に優れ、エアー
バッグカバーとした時カバー破壊時の飛散物を発生しな
い。さらに、柔軟性があり、極低温においても脆化がな
く広い温度範囲において確実に作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に安全装置として
搭載されるエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物に関する。さらに詳しくいえば、
車両の衝突の際に瞬時に膨脹して運転手あるいは助手席
搭乗者を保護するエアーバッグを収納するためにステア
リングホイールやインストルパネル部分に装着され、作
動時には瞬間的に破壊されるが搭乗者を傷付ける破片を
生じず、車内装着に適した表面特性、制振性及び低温で
の破断伸度に優れたエアーバッグカバー材用オレフィン
系熱可塑性エラストマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】車両の衝突の際に運転手
あるいは助手席搭乗者を保護するエアーバッグシステム
は、衝突を感知する装置とエアーバッグ装置からなる。
後者のエアーバッグ装置はエアーバッグ、エアーバッグ
を膨脹させるガスを発生させる装置、およびそれらを収
納するカバーからなり、カバーは運転手前方のステアリ
ングホイールや助手席前方のインストルパネル部分に取
付けられる。
【0003】衝突事故で感知装置が作動すると、ガス発
生器から瞬間的にガスが発生し、エアーバッグ内を充満
したガスの圧力で、収納カバーに予め設けた薄肉部分等
が破壊されて、搭乗者の全面にエアーバッグが膨脹放出
して、搭乗者を座席側に拘束しステアリングホイール等
の操縦装置、フロントガラス、計器盤等への衝突による
負傷事故を防止あるいは軽減することができる。
【0004】エアーバッグカバー材に要求される特性と
しては、衝突時のエアーバッグ内のガス圧で瞬間的に確
実に破砕されること、破砕の際に搭乗者を傷付ける破片
を生じないこと、車内に装着するにふさわしい外観特性
を有すること、車体から伝達される振動を軽減する制振
性を備えていること等が挙げられる。
【0005】エアーバッグ収納カバーについては、従来
その構造あるいは材質が種々提案されているが、破砕時
の破片の飛散を防止する目的では、通常補強材が使用さ
れている。例えば、発泡ポリウレタン等の材料の破断想
定部分以外にネット等の補強材を埋め込んでカバー全体
を形成するものがあるが(特開昭50-127336 号、特開昭
55-110643 号等)、破断想定部分のみを除くカバー全体
に精度よく補強材を埋め込むための製造工程が複雑であ
り、生産効率が低く、コストが高くなるという問題があ
る。
【0006】そこで、エアーバッグ装置に必要な強度と
形状を保持し得るコア層(内層)と、柔らかくソフト感
を与え得る表層とからなる二層タイプの収納カバーが提
案されている。例えば、オレフィン系ゴムを含有するコ
ア層と熱可塑性樹脂の表層とからなるもの(特開平2-22
0946号)、オレフィン系樹脂のコア層とスチレン系ゴム
を主要成分とする表層とからなるもの(特開平3-189252
号)、オレフィン系エラストマーとその表層材料よりも
引っ張り強度の大きいエラストマーまたは樹脂のコア層
からなるもの(特開平4-15145 号)、ポリウレタン系熱
可塑性エラストマーのコア層とスチレン系またはオレフ
ィン系熱可塑性エラストマーの表層からなるもの(特開
平5-286399号)等がある。
【0007】いずれも作動時の破断を確実に行なうため
に破断部分を薄肉化したり、外層内部あるいは内層に溝
あるいはスリットを設けたものであり、一体成形により
製造されるので、補強材を埋め込んだものに比べて生産
効率が向上し、破砕性、外観、触感も良好であり、強度
の調整も容易に行なえるという利点がある。しかしなが
ら、2種以上の素材を用いてコア層および表層の二層成
形を行なう必要があるため、生産性には依然問題を有し
ており、また両層の物性が異なることから成形時あるい
は長期間の使用により変形やひび割れが発生するという
問題もある。
【0008】そこで、近年、補強材を使用しない単層タ
イプのカバーも提案されている。例えば、ポリエステル
系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリアミド系
等の各種熱可塑性エラストマーからなり、表面部におけ
るエアーバッグの作動時に破断すべき部分に沿って薄肉
部を形成すると共に、その表面部の薄肉部に近い部分が
薄く外周部が厚くなるように厚さを変化させてなるもの
(特開平4-151348号)、カバーの構成材料がJIS A
硬度(JIS K6301 )が70以上、曲げ弾性率(JIS K720
3 )が5000kg/cm2 以下のオレフィン系及び/又はスチ
レン系熱可塑性エラストマーからなるもの(特開平4-31
4648号)、さらに、脆弱な構造(スリット、溝、薄肉部
など)の破断予定部分を有する、水素添加スチレン−共
役ジエン重合体(SEBS)とゴム用可塑剤(パラフィ
ン系オイル)とオレフィン系樹脂(ポリプロピレン)と
添加剤(酸化防止剤など)からなるJIS A硬度(JI
S K6301 )が60〜85の熱可塑性エラストマーの射出
成形体(特開平5-38996 号)等がある。
【0009】これらの組成物のうち、スチレン系の熱可
塑性エラストマー(スチレン−ブタジエンブロック共重
合体水素添加物,SEBS)を使用したものではSEB
Sがミクロ相分離構造を形成しやすく、スチレン成分が
ロッド状のラメラ構造をとる傾向がある。このため、射
出成形時にスチレンラメラの配向が縦方向と横方向にア
ンバランスとなり、機械的物性に差が生じやすく、均一
破壊が起こりにくいと考えられる。さらにこのSEBS
を使用した組成物では制振性の指標となる力学損失正接
(tanδ)の分散ピークが室温付近に存在せず、制振
性が不充分である。また、前記特開平4-314648号には、
密度0.9 の非架橋型エチレンプロピレンゴム−ポリプロ
ピレン−ポリエチレンベースオレフィン系熱可塑性樹脂
組成物を使用したカバーが開示されているが、成形性お
よび低温特性が不充分である。
【0010】従って、本発明の目的は、基本的に成形の
容易なポリオレフィン系の単一組成物からなる材料を使
用して、作動時には確実にカバーが破壊され、かつ破片
が飛散しないエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を提供することにある。また、
本発明の他の目的は、外観性、風合い、制振性、触感
(柔軟性)などの表面特性に優れ、寒冷地から熱帯地ま
での広い範囲の温度条件下で使用可能な耐候性を有し、
低温物性、特に低温での破断伸度に優れたエアーバッグ
カバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を
提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、成
形性に優れ、エアーバッグカバー材を効率よく生産で
き、使用後にリサイクルが可能なオレフィン系熱可塑性
エラストマー組成物を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ポリプロ
ピレンおよびオレフィン系エラストマーからなるエアー
バッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組
成物について、鋭意研究を重ねた結果、ポリプロピレン
とエチレン系共重合体ゴムからなる組成物は、成形時に
おける配向が小さく均一な破壊開裂が可能であり、また
制振性の指標となる力学損失正接(tanδ)の分散ピ
ークが室温付近に存在し制振性が良好であることを見出
し、さらに、ポリプロピレンとして高流動性のもの、エ
チレン系共重合体ゴムとして高分子量のものを用い、鉱
油系軟化剤および脂肪酸系滑剤を添加配合した熱可塑性
エラストマー組成物、特にエチレン系共重合体ゴムに予
め鉱油系軟化剤を配合混練した組成物をポリプロピレン
および脂肪酸系滑剤と混練した組成物を使用することに
より、前記課題が解決されることを確認し本発明を完成
するに至った。
【0012】
【発明の構成】すなわち、本発明は以下のエアーバッグ
カバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を
提供する。 1) (a)メルトフローレート(230℃,2.16kg荷
重)20〜200g/10分のポリプロピレン20〜8
0重量%と、(b)ムーニー粘度(ML1+4 ,100
℃)50以上のエチレン系共重合体ゴム80〜20重量
%と、前記成分(a)と(b)の合計100重量部に対
して(c)鉱油系軟化剤1〜200重量部と(d)脂肪
酸系滑剤0.2 〜2.0 重量部とを含有してなるエアーバッ
グカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物。 2) (b)成分のエチレン系共重合体ゴムに(c)成
分の鉱油系軟化剤を予め配合混練した油展組成物に
(a)成分のポリプロピレンと(d)成分の脂肪酸系滑
剤とを混練して得られる前記1に記載のエアーバッグカ
バー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
【0013】3) (a)成分と(b)成分との配合割
合が、(a)25〜70重量%、(b)75〜30重量
%であり、(c)成分の配合量が成分(a)と(b)の
合計100重量部に対して10〜120重量部である前
記1または前記2に記載のエアーバッグカバー材用オレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物。 4) JIS A硬度(JIS K6301 )が80以上、曲げ
弾性率(JIS K7203 )が500〜2500kg/cm2 であ
る前記1乃至3のいずれかに記載のエアーバッグカバー
材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
【0014】
【組成物の成分】以下、本発明のエアーバッグカバー材
用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物について説
明する。本発明のエアーバッグカバー材用オレフィン系
熱可塑性エラストマー組成物は(a)ポリプロピレン
と、(b)エチレン系共重合体ゴムと、(c)鉱油系軟
化剤と、(d)脂肪酸系滑剤とを含有する。
【0015】(a)成分のポリプロピレンは、アイソタ
チックポリプロピレン、またはポリプロピレンとエチレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1等のα−オレフィンとの
ランダムあるいはブロック共重合体であってポリプロピ
レンが結晶部分を構成するものである。メルトフローレ
ート(MFR)(230℃,2.16kg荷重)は20g/1
0分以上のものであり、20〜200g/10分のもの
が好ましい。MFRが20g/10分未満のものを用い
た場合、成形性が悪化する。
【0016】本発明で使用される(b)成分のエチレン
系共重合体ゴムとは、エチレンを主成分とする無定型ラ
ンダムな弾性共重合体であり、例えばエチレン−プロピ
レン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−1−ブテン共
重合体ゴム(EBR)、エチレン−プロピレン−非共役
ジエン共重合体ゴム(EPDM)のようなゴムが挙げら
れる。
【0017】ここで、EPDMの非共役ジエンモノマー
は炭素数5〜20の非共役ジエンであり、例えば1,4
−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキ
サジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエンお
よび1,4−オクタジエンや、例えば1,4−シクロヘ
キサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエ
ンなどの環状ジエン、例えば5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メ
タリル−5−ノルボルネンおよび2−イソプロペニル−
5−ノルボルネンなどのアルケニルノルボルネン等が挙
げられる。上記ゴムの中ではEPRおよびEPDMが好
ましく、特に耐熱性、引張特性および反発弾性が優れた
組成物を与える点から非共役ジエンとしてエチリデンノ
ルボルネンを用いたEPDMが好ましい。
【0018】EPDMを構成するコモノマーの割合は、
エチレン含有率が50〜80重量%、好ましくは55〜
70重量%、プロピレン含有率が20〜50重量%、好
ましくは25〜40重量%、ジエン化合物含有率が1〜
20重量%、好ましくは2〜10重量%である。ヨウ素
価は3〜70が好ましい。また、ムーニー粘度(ML
1+4 ,100℃)は50以上であり、100以上が好ま
しい。ムーニー粘度が50未満の低分子量のEPDMで
はオイル(鉱油系軟化剤)の抱き込み性が悪くなるでの
好ましくない。
【0019】(c)成分の鉱油系軟化剤は、ゴムをロー
ル加工する際、ゴムの分子間作用力を弱め、加工を容易
にすると共に、カーボンブラック、ホワイトカーボン等
の分散を助け、また熱可塑性エラストマーの流動性およ
び柔軟性を改善する。具体例としては、パラフィン系、
ナフテン系、芳香族系等の石油系軟化剤、重合した高沸
点強芳香族系オイル、流動パラフィン、ホワイトオイル
などが挙げられる。これらの中でも、石油系軟化剤が好
ましい。(c)成分を配合することにより、成形性が向
上するのみでなく、エアーバッグ収納用カバーの風合
い、触感、柔軟性、さらには低温物性も向上する。
【0020】(d)成分の脂肪酸系滑剤は加工成形時の
剥離性を向上させるものであり、具体的にはステアリン
酸アミド、エルカ酸アミド、オレイン酸アミド、メチレ
ンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミドお
よびこれらの混合物、または含有物があり、成形加工温
度等の使用条件により選択することができる。これらの
中では特にエルカ酸アミドが好ましい。
【0021】本発明では上記した成分以外にも、所望に
より他の成分を配合することができる。例えばカーボン
ブラックを添加することにより着色と同時に良好な耐候
性を得ることができる。また、炭酸カルシウム、タル
ク、カオリン、マイカ、ガラス繊維、合成繊維などのフ
ィラーを加えることによって成形時の寸法安定性、離型
性等を向上させることができる。さらに、紫外線吸収
剤、加工助剤、熱安定剤、光安定剤、難燃剤、帯電防止
剤、造核剤等成形用樹脂組成物の分野で使用されている
添加剤を通常の割合で適宜配合することができる。
【0022】
【各成分の配合割合】各成分の配合割合は、まず(a)
ポリプロピレンと(b)エチレン系共重合体ゴムとの割
合は(a)成分が20〜80重量%、好ましくは25〜
70重量%で、成分(b)が80〜20重量%、好まし
くは75〜30重量%である。(c)鉱油系軟化剤の配
合量は、前記成分(a)と(b)との合計100重量部
に対して、1〜200重量部、好ましくは10〜120
重量部である。また(d)脂肪酸系滑剤の配合量は、前
記成分(a)と(b)との合計100重量部に対して、
0.2 〜2.0 重量部である。
【0023】成分(a)(ポリプロピレン)が20重量
%未満だと(成分(b)(エチレン系共重合体ゴム)が
80重量%を超えると)、得られる熱可塑性エラストマ
ーの流動性が低くなるため成形性が低下し、反対に成分
(a)が80重量%を超えると(成分(b)が20重量
%未満だと)機械的強度が高くなりすぎ、カバーの破壊
想定部分の厚みを薄くする必要があり成形加工が困難と
なり、また光沢が発生するなど外観がプラスチックライ
クとなり、触感も悪化する。
【0024】成分(c)(鉱油系軟化剤)の配合量が1
重量部未満だと配合による効果が表われず、200重量
部を超えると成形物が変形したり、成形後に滲出(ブリ
ードアウト)が発生したり、耐候性が悪化するので好ま
しくない。
【0025】また、成分(d)(脂肪酸系滑剤)の配合
量が0.2 重量部未満だと配合による効果が表われず、2.
0 重量部を超えるとブリードアウトし、離型性も悪化す
る。
【0026】
【組成物の製造方法】本発明のエアーバッグカバー材用
オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、各成分を
上記の割合で、また、その他の添加剤を適宜使用して配
合混練することにより製造することができるが、配合混
練の操作手順を工夫することによって、製造プロセスが
簡略化されると共に、一層好ましい物性を有する組成物
を得ることができる。すなわち、混練は通常は一括して
配合することにより行なうことができるが、本発明にお
いては予め(b)エチレン系共重合体ゴムに(c)鉱油
系軟化剤を配合混練した油展物を調製し、これに(a)
ポリプロピレンおよび(d)脂肪酸系滑剤を配合混練す
ることが好ましい。
【0027】エチレン系共重合体ゴムと鉱油系軟化剤を
別個の成分として配合する場合には、鉱油系軟化剤の貯
蔵用タンク、ポンプ、予熱装置等の設備が必要となる
が、油展物を使用する場合には組成物の混練時間が短縮
できることや(別個の成分として配合した場合の約2/
3の時間で混練できる。)、エチレン系共重合体ゴムお
よび鉱油系軟化剤の分散性を高めることができ、物性が
向上するだけでなく、生産性の向上、コストの節減が可
能となる。具体的には、例えば、エチレン系共重合体ゴ
ムと鉱油系軟化剤をニーダーにて混練後、または予めE
PDMと鉱油系軟化剤を所定の割合で含有させた油展E
PDMを調製後、ポリプロピレン等の成分を二軸押出機
およびホットカッターを用いる方法、あるいはニーダー
またはバンバリーミキサーで混練後、フィーダールーダ
ー、単軸押出機およびホットカッターを用いる方法によ
り製造することができる。
【0028】エアーバッグカバー材用として利用される
本発明のオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物は、
JIS A硬度(JIS K6301 )として80以上、曲げ弾
性率(JIS K7203 )として500〜2500kg/cm2
ものが特に好ましい。硬度が低いと変形を起こしやすく
保形性に劣り、また曲げ弾性率が高くなるとエアーバッ
グ膨脹の際のカバー開裂破壊が困難となる。
【0029】本発明のエアーバッグカバー材用オレフィ
ン系熱可塑性エラストマー組成物をエアーバッグ収納用
カバーに成形する方法としては、通常行なわれている方
法でよく、例えばエアーバッグの作動時に破断部分とな
る薄肉部を内面が例えばH字状の凹部となるような金型
を使用して、射出成形などの一般的な成形法により成形
する。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明は下記の記載により限定
されるものではない。なお、各実施例および比較例にお
いて、樹脂原料および添加剤としては、以下のものを使
用した。
【0031】(a)ポリプロピレン(PP):MFR
(230℃,2.16荷重)80g/10分、 (b)エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体
(EPDM):プロピレン含量28重量%,ヨウ素価1
5,ムーニー粘度(ML1+4 、100℃)320。 (c)鉱油軟化剤(オイル):パラフィン系鉱物油(P
W−380,出光(株)製)。 (d)脂肪酸系滑剤(滑剤):脂肪酸アミド系滑剤(ス
ラクトールWB−16,Schill and Seilacher社製)。 (e)スチレン−ブタジエンブロック共重合体水素添加
物(SEBS):スチレン含量30重量%,MFR(2
30℃,2.16荷重)10g/10分。
【0032】実施例1 (a)ポリプロピレン(PP)30重量部、(b)エチ
レン系共重合体ゴム(EPDM)70重量部、(c)鉱
油系軟化剤(オイル)52重量部および(d)脂肪酸系
滑剤(滑剤)0.5 重量部をニーダーにて混練後、樹脂温
度220℃で二軸押出機にて溶融混練しホットカッター
で切断してオレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を
得た。この組成物を成形して物性測定用のサンプルを作
成し、エアーバッグカバー材の指標となる物性(MF
R、JIS A硬度、破断強度(TB)、引裂強度(T
R)、アイゾット衝撃強度、破断伸度、曲げ弾性率、制
振性、成形性)を測定した。各成分の配合割合と共に測
定結果を表1に示す。
【0033】実施例2 (b)EPDMと(c)オイルを予めニーダーにて溶融
温度200℃で20分間混練し、オイルを含有した油展
EPDMとしたこと以外は実施例1と同様の方法でエア
ーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー
組成物を得た。この組成物を成形して物性測定用のサン
プルを作成し、各物性を測定した。各成分の配合割合と
共に、結果を表1に示す。
【0034】実施例3 (a)PPを50重量部、(b)EPDMを50重量
部、(c)オイル39重量部としたこと以外は実施例2
と同様にしてエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を得た。この組成物から物性測
定用のサンプル作成し、各物性を測定した。各成分の配
合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0035】実施例4 (a)PPを70重量部、(b)EPDMを30重量
部、(c)オイル21重量部としたこと以外は実施例2
と同様の方法でエアーバッグカバー材用オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を得た。この組成物から物性
測定用のサンプルを作成し、各物性を測定した。各成分
の配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0036】実施例5 (c)オイルを成分(a)と(b)の合計100重量部
に対して83重量部としたこと以外は実施例1と同様の
方法で溶融混練し、ホットカッターで切断してエアーバ
ッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
物を得た。この組成物を物性測定用のサンプルに成形
し、各物性を測定した。各成分の配合割合と共に測定結
果を表1に示す。
【0037】比較例1 (a)PPを10重量部、(b)EPDMを90部、
(c)オイルを68重量部としたこと以外は実施例2と
同様の方法でエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可
塑性エラストマー組成物を得た。この組成物から物性測
定用のサンプルを作成し、各物性を測定した。各成分の
配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0038】比較例2 (a)PPを88重量部、(b)EPDMを12重量
部、(c)オイルを9重量部としたこと以外は実施例2
と同様の方法でエアーバッグカバー材用オレフィン系熱
可塑性エラストマー組成物を得た。この組成物を物性測
定用のサンプルに成形し、各物性を測定した。各成分の
配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0039】比較例3 (a)PPを30重量部、ゴム成分として(e)SEB
Sを70重量部、(d)滑剤を0.5 重量部をニーダーに
て混練後、樹脂温度220℃で二軸押出機にて溶融混練
し、ホットカターで切断してエアーバッグカバー材用オ
レフィン系熱可塑性エラストマー組成物を得た。この組
成物を物性測定用のサンプルに成形し、各物性を測定し
た。各成分の配合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0040】比較例4 (c)成分のオイル添加しないこと以外は実施例2と同
様の方法でエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物を得た。この組成物から物性測定
用のサンプルを作成し、各物性を測定した。各成分の配
合割合と共に測定結果を表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1に示した各物性の測定および評価方法
は以下のとおりである。 (1) MFR(g/10分):230℃,2.16kg荷重で測
定。 (2) JIS A硬度:JIS K6301 により測定。 (3) 破断強度(TB)(kg/cm2 ):JIS K6301 に
より測定。 (4) 引裂強度(TR)(kg/cm2 ):ASTM D624-54
により測定。 (5) アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm2 ):JIS
K6301 (ノッチ付)により測定(−40℃および−50
℃)し、破壊の有無を観察した。 NB:破壊せず、 ×:破壊。 (6) 破断伸度(%):JIS K6301 により測定(−40℃
および23℃)。 (7) 曲げ弾性率(kg/cm2 ):JIS K7203 により測
定。
【0043】(8) 制振性:固体粘弾性測定装置により、
−150℃〜200℃の範囲で5℃毎に1ヘルツ(H
z)の定周波を組成物に与え、各温度における貯蔵弾性
率および損失弾性率を測定し、その値より算出した力学
損失正接(tanδ)と温度により得た分散カーブによ
り以下の基準で評価した。 ○:tanδの分散カーブが−5〜30℃の温度範囲に
あるもの、 ×:tanδの分散カーブが−5〜30℃の温度範囲外
にあるもの。
【0044】(9) 成形性:220℃における高速剪断時
に測定(キャピラリーレオメーター(東洋精機製作所
製)により剪断速度1000/秒にて測定)した粘度に
より、成形性を以下の基準で評価した。 ◎:900poise 以下、 ○:900poise を超え1200poise 以下、 △:1200poise を超え1500poise 以下、 ×:1500poise を超えるもの。
【0045】表1より明らかなように、EPDMの割合
が多いと(比較例1)曲げ弾性率は良好であるが流動性
が低くなるため成形性、生産性に劣り、一方PPの割合
が多いと(比較例2)曲げ弾性率、破断強度および引裂
強度が高くなるため作動時の瞬間的な破壊性が問題とな
り、かつ低温物性(アイゾット衝撃強度:−40℃,−
50℃)および制振性が劣り好ましくない。ゴム成分と
してSEBSを用いると(比較例3)、低温物性および
制振性に劣り、また鉱油系軟化剤を加えていないもので
は(比較例4)低温物性および成形性に劣り好ましくな
い。これに対して本発明のエアーバッグカバー材用オレ
フィン系熱可塑性エラストマー組成物は(実施例1〜
5)は引裂強度が低く、破断伸度、曲げ弾性率、流動性
等の物性バランスに優れ、特に低温物性および制振性に
優れた物性を示している。特に、EPDMに鉱油系軟化
剤を予め配合混練した油展物をポリプロピレンと滑剤に
配合混練したものは(実施例2)は、これら成分を一括
して混練したもの(実施例1)よりも物性が向上してい
る。
【0046】
【発明の効果】本発明のエアーバッグカバー材用オレフ
ィン系熱可塑性エラストマー組成物は、メルトフローレ
ート(230℃,2.16kg荷重)が20〜200g/10
分の高流動性ポリプロピレンと、ムーニー粘度(ML
1+4 ,100℃)が50以上の高分子量エチレン系共重
合体と、鉱油系軟化剤と、脂肪酸系滑剤とを配合、混練
した組成物である。本発明のエアーバッグカバー材用組
成物はオレフィン系系熱可塑性樹脂組成物のみを使用す
るものであり、これにより作成したエアーバッグカバー
は作動時には確実に破壊され、ネットなどの補助材を使
用しなくても破片が飛び散らず、広い温度範囲において
確実に作動し、柔軟性も保ち、表面性、成形性に優れ、
−50℃という低温においても脆化はみられず温度適応
性にも優れている。また、従来のスチレン系熱可塑性エ
ラストマー(SEBS等)を用いたものに比べて使用頻
度の高い温度域(10〜25℃)での制振性に優れるほ
か、オレフィン系樹脂組成物を使用しているため効率良
く生産でき、また使用後のリサイクルも可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年6月22日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】 従って、本発明の目的は、基本的に成形
の容易なポリオレフィン系の組成物からなる材料を使用
して、作動時には確実にカバーが破壊され、かつ破片が
飛散しないエアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑
性エラストマー組成物を提供することにある。また、本
発明の他の目的は、外観性、風合い、制振性、触感(柔
軟性)などの表面特性に優れ、寒冷地から熱帯地までの
広い範囲の温度条件下で使用可能な耐候性を有し、低温
物性、特に低温での破断伸度に優れたエアーバッグカバ
ー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物を提供
することにある。さらに、本発明の他の目的は、成形性
に優れ、エアーバッグカバー材を効率よく生産でき、使
用後にリサイクルが可能なオレフィン系熱可塑性エラス
トマー組成物を提供することにある。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】
【表1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】 表1に示した各物性の測定および評価方
法は以下のとおりである。 (1)MFR(g/10分):230℃,2.16kg
荷重で測定。 (2)JIS A硬度:JIS K6301により測
定。 (3)破断強度(TB)(kg/cm):JIS K
6301により測定。 (4)引裂強度(TR)(kg/cm):ASTM D
624−54により測定。 (5)アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm):J
IS K6301(ノッチ付)により測定(−40℃お
よび−50℃)し、破壊の有無を観察した。 NB:破壊せず、 ×:破壊。 (6)破断伸度(%):JIS K6301により測定
(−40℃および23℃)。 (7)曲げ弾性率(kg/cm):JIS K720
3により測定。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)メルトフローレート(230℃,
    2.16kg荷重)20〜200g/10分のポリプロピレン
    20〜80重量%と、(b)ムーニー粘度(ML1+4
    100℃)50以上のエチレン系共重合体ゴム80〜2
    0重量%と、前記成分(a)と(b)の合計100重量
    部に対して(c)鉱油系軟化剤1〜200重量部と
    (d)脂肪酸系滑剤0.2 〜2.0 重量部とを含有してなる
    エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラスト
    マー組成物。
  2. 【請求項2】 (b)成分のエチレン系共重合体ゴムに
    (c)成分の鉱油系軟化剤を予め配合混練した油展組成
    物に(a)成分のポリプロピレンと(d)成分の脂肪酸
    系滑剤とを混練して得られる請求項1に記載のエアーバ
    ッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成
    物。
  3. 【請求項3】 (a)成分と(b)成分との配合割合
    が、(a)25〜70重量%、(b)75〜30重量%
    であり、(c)成分の配合量が成分(a)と(b)の合
    計100重量部に対して10〜120重量部である請求
    項1または請求項2に記載のエアーバッグカバー材用オ
    レフィン系熱可塑性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 JIS A硬度(JIS K6301 )が80以
    上、曲げ弾性率(JIS K7203 )が500〜2500kg/
    cm2 である請求項1乃至3のいずれかの項に記載のエア
    ーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー
    組成物。
JP6155341A 1994-06-14 1994-06-14 エアーバッグカバー材用オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物 Pending JPH07330978A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009221484A (ja) * 1997-03-07 2009-10-01 Dow Global Technologies Inc 改善された摩耗抵抗、摩擦係数、および熱生強度を有するエラストマー組成物

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JP2009221484A (ja) * 1997-03-07 2009-10-01 Dow Global Technologies Inc 改善された摩耗抵抗、摩擦係数、および熱生強度を有するエラストマー組成物

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