JPH0733646A - 皮膚貼付薬シート - Google Patents

皮膚貼付薬シート

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JPH0733646A
JPH0733646A JP18281393A JP18281393A JPH0733646A JP H0733646 A JPH0733646 A JP H0733646A JP 18281393 A JP18281393 A JP 18281393A JP 18281393 A JP18281393 A JP 18281393A JP H0733646 A JPH0733646 A JP H0733646A
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JP
Japan
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skin patch
soft
drug
sheet
adhesive layer
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Application number
JP18281393A
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English (en)
Inventor
Akira Iida
明 飯田
Tomohiro Miki
朝博 三木
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Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚の動きに対する追随性および薬剤移行防
止性にすぐれ、高機械的強度を有し、剥離後に皮膚に粘
着剤が移行せず、安価である皮膚貼付薬シートを提供す
ること。 【構成】 基材シート上に薬剤を含有した粘着剤層が設
けられてなる皮膚貼付薬シートであって、該基材シート
が厚さ30〜200 μmの軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと
厚さ3〜30μmの軟質フッ素樹脂層とが接着剤層を介し
て積層され、該軟質フッ素樹脂層上に薬剤を含有した粘
着剤層が形成されたことを特徴とする皮膚貼付薬シー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚貼付薬シートに関
する。さらに詳しくは、たとえば肘、膝、肩などのとく
に皮膚の動きに対して追随性が要求される部位などに好
適に使用しうる皮膚貼付薬シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、皮膚貼付薬シートの基材シートに
は、ポリ塩化ビニルなどの塩化ビニル系樹脂が用いられ
ている。
【0003】しかしながら、前記塩化ビニル系樹脂から
なる基材シートは、確かに柔軟性および皮膚の動きに対
する追随性を有するものではあるが、薬剤を含有した粘
着剤との接着性に劣り、該薬剤の浸透拡散性が大きいば
あいには、薬剤が基材シートへ移行し、基材シートを膨
潤劣化させるだけではなく、治療効果までもが低下する
という問題がある。
【0004】そこで、前記問題を解決するために、基材
シートと薬剤を含有した粘着剤とのあいだに薬剤の移行
防止層としてポリエチレンテレフタレートやアルミニウ
ム箔を用いることが試みられているが、これらからなる
移行防止層は柔軟性(伸び)がなく、実用に適したもの
ではない。
【0005】また、前記薬剤の移行防止層としてポリク
ロロトリフルオロエチレンからなるフィルムを用いるこ
とが提案されているが(特開平2-237915号公報)、かか
る共重合体からなるフィルムは、皮膚貼付薬シートに用
いるには柔軟性が不充分であり、また薬剤を含有した粘
着剤と該フィルムとの接着力が小さく、剥離したのち皮
膚に粘着剤が移行するという欠点を有する。
【0006】さらに、前記薬剤の移行防止層としてフッ
素処理を施したポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフィンフィルムを用いることが提案されているが
(特開平2-290811号公報)、かかるポリオレフィンフィ
ルムは、形成されたフッ素処理層が薄く、また処理密度
が低いため、薬剤の移行防止効果が不充分であるという
欠点を有する。
【0007】また、前記のほかにも、薬剤の移行防止効
果を発現しうる軟質フッ素樹脂を基材シートに用いるこ
とも試みられているが、かかる基材シートは、皮膚貼付
薬シートに用いるには柔軟性が不充分であり、さらに高
価であるという問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者ら
は、前記従来技術に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、特定
の厚さの軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと軟質フッ素樹
脂層とが積層された基材シートを用いたばあいには、皮
膚の動きに対する追随性にすぐれ、基材シートと薬剤を
含有した粘着剤層との接着性がすぐれることから剥離し
たのちに皮膚に粘着剤が移行せず、また基材シートへの
薬剤移行防止性にもすぐれ、さらに高機械的強度を有
し、安価である皮膚貼付薬シートがえられることを見出
し、本発明を完成するにいたった。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は基材
シート上に薬剤を含有した粘着剤層が設けられてなる皮
膚貼付薬シートであって、該基材シートが厚さ30〜200
μmの軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと厚さ3〜30μm
の軟質フッ素樹脂層とが接着剤層を介して積層され、該
軟質フッ素樹脂層上に薬剤を含有した粘着剤層が形成さ
れたことを特徴とする皮膚貼付薬シートに関する。
【0010】
【作用および実施例】本発明の皮膚貼付薬シートは、前
記したように、基材シート上に薬剤を含有した粘着剤層
が設けられてなる皮膚貼付薬シートであって、該基材シ
ートが厚さ30〜200 μmの軟質塩化ビニル系樹脂フィル
ムと厚さ3〜30μmの軟質フッ素樹脂層とが接着剤層を
介して積層され、該軟質フッ素樹脂層上に薬剤を含有し
た粘着剤層が形成されたことを特徴とするものである。
【0011】本発明に用いられる基材シートは、軟質塩
化ビニル系樹脂フィルム上に薄い軟質フッ素樹脂層が設
けられたものであるので、高価なフッ素樹脂の使用量が
非常に少なく、安価であり、しかも軟質塩化ビニル系樹
脂が有する柔軟性が生かされた皮膚貼付薬シートがえら
れる。
【0012】前記基材シートを構成する軟質塩化ビニル
系樹脂フィルムは、すぐれた柔軟性を有するものであ
り、かかる軟質塩化ビニル系樹脂フィルムに用いられる
塩化ビニル系樹脂としては、たとえば塩化ビニル単独重
合体、塩化ビニルを50重量%以上含有する共重合体をは
じめ、塩化ビニル系樹脂と、相溶性を呈するブレンド用
樹脂、たとえば塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの少なくとも
1種との混合物でもよい。該混合物中のブレンド用樹脂
の割合は少量であることが好ましく、通常50重量%以
下、なかんづく30重量%以下であることが好ましい。
【0013】前記塩化ビニル系樹脂の平均重合度は、あ
まりにも小さいばあいには、えられる軟質塩化ビニル系
樹脂フィルムの機械的強度が不足するようになる傾向が
あり、またあまりにも大きいばあいには、溶融粘度が高
くなりすぎて加工しにくくなる傾向があるので、通常60
0 〜3000程度、なかんづく800 〜2000程度であることが
好ましい。
【0014】前記塩化ビニル系樹脂に、たとえば安定
剤、キレート化剤、可塑剤などを適宜添加したのち、た
とえばロールなどを用いて130 〜200 ℃程度で混練し、
押出成形することによって軟質塩化ビニル系樹脂フィル
ムをうることができる。
【0015】前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの厚さ
は、30〜200 μm、好ましくは50〜140 μmである。か
かる軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの厚さが30μm未満
であるばあいには、えられる基材シートの機械的強度が
不充分となり、また200 μmをこえるばあいには、基材
シートの柔軟性が不充分となる。
【0016】また、前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
は、その柔軟性がすぐれる点および機械的強度が充分で
あるという点からショアーD硬度30〜60、なかんづく35
〜50を有するものが好ましい。
【0017】前記基材シートを構成する軟質フッ素樹脂
層は、粘着剤層中の薬剤が基材フィルムへ移行するのを
防止する作用を有するものであり、かかる軟質フッ素樹
脂層に用いられる軟質フッ素樹脂としては、たとえば含
フッ素弾性共重合体とフッ化ビニリデンモノマーとをグ
ラフト共重合してえられる共重合体などがあげられる。
【0018】前記含フッ素弾性共重合体としては、たと
えばフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペンコポリ
マー、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロペン−テ
トラフルオロエチレンターポリマー、フッ化ビニリデン
−クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフル
オロエチレン−プロピレンコポリマー、テトラフルオロ
エチレンと含フッ素ビニルエーテルとのコポリマーなど
があげられるが、本発明はかかる例示のみに限定される
ものではない。
【0019】なお、前記含フッ素弾性共重合体は、たと
えば分子内に二重結合およびペルオキシ基を有する不飽
和ペルオキシドを用いて各モノマー成分を共重合させた
のち、n−ヘキサンなどで洗浄して未反応の不飽和ペル
オキシドを除去するなどしてうることができる。
【0020】また、前記含フッ素弾性共重合体として
は、えられる軟質フッ素樹脂が室温で充分な柔軟性を有
するという点からガラス転移温度が室温以下、なかんづ
く0℃程度以下のものが好ましい。
【0021】前記含フッ素弾性共重合体とフッ化ビニリ
デンモノマーとを通常の方法でグラフト共重合すること
によって軟質フッ素樹脂をうることができるが、該含フ
ッ素弾性共重合体とフッ化ビニリデンモノマーとの配合
割合は、含フッ素弾性共重合体100 部(重量部、以下同
様)に対してフッ化ビニリデンモノマー30〜80部、なか
んづく40〜70部であることが好ましい。かかるフッ化ビ
ニリデンモノマーの配合量が30部未満であるばあいに
は、えられる軟質フッ素樹脂を後述する極性溶媒に溶解
させたものを前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルム上に塗
布して軟質フッ素樹脂層を形成しようとする際に、該極
性溶媒による軟質フッ素樹脂の溶解が困難となってゲル
状となる傾向があり、また80部をこえるばあいには、え
られる基材フィルムの柔軟性が不充分となる傾向があ
る。
【0022】前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと軟質
フッ素樹脂層とを、接着剤層を介して積層することによ
って基材シートをうることができる。
【0023】前記基材シートをうる方法には、とくに限
定がなく、通常の加工方法を用いることができるが、た
とえば以下に示す方法などを採用することができる。
【0024】まず、前記軟質フッ素樹脂を極性溶媒に溶
解させた樹脂溶液を、たとえばポリエチレンで表面処理
が施された離型紙上に塗布し、乾燥して軟質フッ素樹脂
層を形成させたのち(キャスティング法)、この離型紙
の表面に設けられた軟質フッ素樹脂層面に接着剤を塗布
して接着剤層を形成させ、ある程度乾燥させてから前記
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと積層し(ドライラミネ
ーション)、これから離型紙を剥離することにより、基
材シートがえられる。
【0025】前記軟質フッ素樹脂を溶解させる極性溶媒
としては、たとえばN,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリド
ン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンなどがあ
げられるが、これらのなかでは、経済性を考慮すると
N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチル
アセトアミドが好ましい。
【0026】また、前記極性溶媒を用いたフッ素樹脂溶
液の濃度は、100 〜300 g/リットル、なかんづく150
〜250 g/リットルであることが好ましい。かかるフッ
素樹脂溶液の濃度が100 g/リットル未満であるばあい
には、該フッ素樹脂溶液を塗布し、乾燥する際に、蒸発
させる溶媒量が多く不経済となる傾向があり、また300
g/リットルをこえるばあいには、該フッ素樹脂溶液の
粘度が上昇し、塗布する際に展開が困難となる傾向があ
る。
【0027】前記軟質フッ素樹脂層を形成するための乾
燥温度は、50〜150 ℃、なかんづく70〜120 ℃であるこ
とが好ましい。かかる乾燥温度が50℃よりも低いばあい
には、乾燥に長時間を要するだけでなく、形成される軟
質フッ素樹脂層に白化が生じるようになる傾向があり、
また150 ℃よりも高いばあいには、用いるフッ素樹脂溶
液の突沸現象によって形成される軟質フッ素樹脂層の表
面平滑性が劣るようになる傾向がある。
【0028】なお、前記軟質フッ素樹脂層の厚さは、3
〜30μm、好ましくは5〜25μmとなるようにする。か
かる軟質フッ素樹脂層の厚さが3μm未満であるばあい
には、薬剤移行防止性が低下するようになり、また30μ
mをこえるばあいには、えられる基材シートの柔軟性が
不充分となるようになる。
【0029】前記接着剤層に用いられる接着剤は、前記
軟質塩化ビニル系樹脂フィルムと軟質フッ素樹脂層とを
接着しうるものであればよく、とくに限定がないが、た
とえばNB−91B(共同薬品(株)製)などのアクリル
系接着剤、N−3110、N−3113、N−5111(以上、日本
ポリウレタン(株)製)などのポリウレタン系接着剤、
H−7031L(日立化成ポリマー(株)製)などのポリエ
ステル系接着剤などがあげられ、用いる軟質塩化ビニル
系樹脂フィルムおよび軟質フッ素樹脂の種類などに応じ
て適宜選択して用いることができる。
【0030】また、前記接着剤層を形成するための乾燥
温度は、あまりにも低いばあいには、溶融状態の接着剤
が残留して接着力が不足するようになる傾向があり、ま
たあまりにも高いばあいには、接着剤や軟質フッ素樹
脂、離型紙の熱劣化が生じるようになる傾向があるの
で、50〜180 ℃程度、なかんづく80〜150 ℃程度である
ことが好ましい。
【0031】かくしてえられた基材シートの軟質フッ素
樹脂層上に薬剤を含有した粘着剤層を設けることによっ
て本発明の皮膚貼付薬シートをうることができる。
【0032】前記粘着剤層に用いられる粘着剤として
は、たとえばゴムおよび/または合成樹脂を主成分とす
る単独重合体系や共重合体系の粘着剤などがあげられ
る。
【0033】かかる粘着剤としては、たとえばガラス転
移温度が−70〜−10℃、なかんづく−60〜−25℃の範囲
内にあるものが好ましい。かかる粘着剤のガラス転移温
度が−10℃よりも高いばあいには、粘着剤が硬く、粘着
剤中での薬剤の拡散移動性が低下するとともに、皮膚と
の接着性にも劣るようになる傾向がある。またかかる粘
着剤のガラス転移温度が−70℃よりも低いばあいには、
粘着剤が柔かく、凝集性に劣るようになり、経日保形性
が劣るとともに、皮膚面から皮膚貼付薬シートを剥離す
る際に、皮膚に粘着剤が移行し、物理的な刺激を与える
ようになる傾向がある。
【0034】前記粘着剤の代表例としては、たとえばス
チレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体ゴム、
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエンゴム、ブテンゴム、イソプレ
ンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、天然ゴム、合成
イソプレンゴムなどのゴムおよび/またはポリ(メタ)
アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、
ポリエステル、ポリアミド、エチレン性共重合体などの
合成樹脂などを主成分とするものがあげられ、これらの
なかから適宜選択して用いることができる。なお、これ
らにたとえば粘着付与性樹脂や液状ゴム、軟化剤などの
配合剤を添加してガラス転移温度が前記範囲内に含まれ
るように調整することができる。
【0035】前記粘着剤に含有される薬剤は、経皮吸収
によって生体内に吸収投与されうるものであればとくに
限定はなく、たとえば消炎鎮痛剤、催眠鎮静剤、精神安
定剤、抗高血圧剤、降圧利尿剤、抗生物質、麻酔剤、抗
菌性物質、抗真菌物質、ビタミン剤、抗てんかん剤、冠
血管拡張剤、抗ヒスタミン剤、鎮咳剤、性ホルモン、抗
うつ剤、脳循環改善剤、制吐剤、抗潰瘍剤、ポリペプチ
ドなどの生体医薬などのなかから、目的に応じて適宜選
択して用いることができる。なお、本発明においては、
これらの薬剤のなかでも、保存中に揮散や昇華しやすい
ナンドロロンデカノエート(ステロイド系消炎鎮痛
剤)、ニトログリセリン、プロパチルニトレート、イソ
ソルビドジニトレート(以上、冠血管拡張剤)、サリチ
ル酸、サリチル酸メチル、l−メントール(以上、消炎
鎮痛剤)などを用いたばあいであっても、顕著に薬剤の
損失を防止することができる。
【0036】また、前記粘着剤層中の薬剤の含有量は、
薬剤や粘着剤の種類、治療すべき疾患の状態などによっ
て異なるので一概には決定することができないが、通常
粘着剤層中に1〜3000μg/cm2 程度、なかんづく5〜
1000μg/cm2 程度の範囲内で適宜決定することが好ま
しい。
【0037】前記薬剤を含有した粘着剤層を基材シート
上に設ける方法には、とくに限定がなく、たとえばポリ
エチレンで表面処理が施された離型紙上に薬剤を含有し
た粘着剤を塗布したのち、軟質フッ素樹脂層面が接する
ように基材シートを貼付し、離型紙を剥離する方法など
を採用することができる。
【0038】なお、前記薬剤を含有した粘着剤層の厚さ
は、あまりにも小さいばあいには、皮膚との接着性に劣
る傾向があり、またあまりにも大きいばあいには、粘着
剤層の凝集力が弱くなり、皮膚に貼付したのち剥離する
ときに皮膚上に粘着剤が移行する傾向があるので、通常
5〜500 μm程度、なかんづく10〜300 μm程度である
ことが好ましい。
【0039】本発明の皮膚貼付薬シートは、軟質塩化ビ
ニル系樹脂フィルムと軟質フッ素樹脂層とが接着剤を介
して積層された基材シートの軟質フッ素樹脂層上に、薬
剤を含有した粘着剤層が設けられたものであるが、本発
明においては、該基材シートと薬剤を含有した粘着剤層
との接着性をさらに向上せしめるために、軟質フッ素樹
脂層と薬剤を含有した粘着剤層とのあいだに飽和ポリエ
ステル系樹脂からなるプライマー層を設けることが好ま
しい。
【0040】前記飽和ポリエステル系樹脂としては、た
とえばテレフタル酸、イソフタル酸またはこれらの混合
物などの芳香族ジカルボン酸、該芳香族ジカルボン酸お
よびたとえばアジピン酸、セバチン酸またはこれらの混
合物などの脂肪族ジカルボン酸の混合物などと、たとえ
ばエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,
4−シクロヘキサンジオールまたはこれらの混合物など
の飽和脂肪族ジオールなどとを、通常の方法によって縮
合重合してえられる樹脂などがあげられる。
【0041】本発明においては、前記飽和ポリエステル
系樹脂は、充分な強度を有する皮膜を形成しうるという
点から5000〜40000 程度、なかんづく10000 〜30000 程
度の重量平均分子量を有するものが好ましい。
【0042】前記飽和ポリエステル系樹脂を用いてプラ
イマー層を形成する方法には、とくに限定がなく、たと
えば該飽和ポリエステル系樹脂をたとえばトルエン、酢
酸エチル、キシレン、ベンゼン、メチルエチルケトン、
アセトンなどの有機溶剤に溶解したものを、基材シート
の軟質フッ素樹脂層上に塗布したのち乾燥する方法など
を採用することができる。
【0043】かくして形成されたプライマー層の厚さ
は、あまりにも小さいばあいには、かかるプライマー層
を用いたことによる接着性の向上が望めなくなる傾向が
あり、またあまりにも大きいばあいには、粘着剤層中に
含有された薬剤がプライマー層に吸収されて薬剤の有す
る効能が充分に発現されなくなる傾向があるので、通常
1〜20μm程度、なかんづく3〜15μm程度であること
が好ましい。
【0044】なお、前記プライマー層を軟質フッ素樹脂
層上に設けたばあいには、かかるプライマー層上にたと
えば前記した方法によって薬剤を含有した粘着剤層を設
ければよい。
【0045】かくして本発明の皮膚貼付薬シートがえら
れるが、該皮膚貼付薬シートの薬剤が含有された粘着剤
層表面を、たとえばシリコーン系やフッ素系の通常の離
型剤で処理されたセパレータにて被覆し、使用時までそ
の表面を保護することが好ましい。
【0046】つぎに、本発明の皮膚貼付薬シートを実施
例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる
実施例のみに限定されるものではない。
【0047】実施例1 30リットル容のステンレス製オートクレーブに水15kg、
過硫酸カリウム30g、パーフルオロオクタン酸アンモニ
ウム40gおよびt−ブチルペルオキシアリルカーボネー
ト30gを投入し、排気後、フッ化ビニリデンモノマー3.
8 kgおよびクロロトリフルオロエチレンモノマー2.3 kg
を仕込み、撹拌しながら51℃で19時間重合反応を行な
い、反応終了時に撹拌の回転数をあげてポリマーを析出
させ、粉末状の共重合体をえた。これを水洗および乾燥
したのち、n−ヘキサンにて洗浄し、未反応のt−ブチ
ルペルオキシアリルカーボネートを除去し、再度乾燥し
て含フッ素弾性共重合体(ガラス転移温度−20℃)5kg
をえた。
【0048】えられた含フッ素弾性共重合体200 gおよ
びフロンガスR113 1500gをステンレス製オートクレー
ブに投入し、排気後、フッ化ビニリデンモノマー100 g
を仕込み(含フッ素弾性共重合体100 部に対してフッ化
ビニリデンモノマー50部)、98℃で22時間共重合反応を
行ない、グラフト共重合体をえた。これを溶媒と分離
後、水洗および乾燥を行なって白色粉末状の軟質フッ素
樹脂250 gをえた。
【0049】つぎに、えられた軟質フッ素樹脂200 gに
N,N−ジメチルホルムアミド1リットルを加えて撹拌
し、溶解させて軟質フッ素樹脂溶液とした。えられた軟
質フッ素樹脂溶液をポリエチレンで表面処理された離型
紙上にリバースコーターを用いて塗布し、100 ℃で乾燥
させて厚さ20μmの軟質フッ素樹脂層(フィルム)を形
成した。
【0050】この軟質フッ素樹脂フィルム上に接着剤
(NB−91B)をグラビヤコーターを用いて乾燥後の厚
さが10μmとなるように塗布し、120 ℃で乾燥したの
ち、軟質塩化ビニル系樹脂フィルム(厚さ100 μm、シ
ョアーD硬度35)と貼りあわせて接着し、積層シートを
えた。そして、この積層シートから離型紙を剥離して基
材シートをえた。
【0051】なお、前記軟質塩化ビニル系樹脂フィルム
は、ポリ塩化ビニル(平均重合度1300)100 部にカルシ
ウム−亜鉛系安定剤2部、リン系キレート化剤0.5 部、
エポキシ化大豆油3部およびポリエステル系可塑剤(重
量平均分子量2500)50部を180 ℃の2本ロールにて混
練、混合し、押出成形してえられたものである。
【0052】つぎに、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体(カリフレックスTR1107、シェル化
学(株)製)30部にテルペン系樹脂(YSレジン、ヤス
ハラケミカル(株)製)35部、流動パラフィン10部およ
びl−メントール5部を混合して薬剤を含有した粘着剤
を調製した。
【0053】この薬剤を含有した粘着剤をポリエチレン
で表面処理された離型紙上に押出機を用いて150 ℃で溶
融塗布し、前記基材シートの軟質フッ素樹脂フィルム面
を貼りあわせたのち、離型紙を剥離して皮膚貼付薬シー
トをえた。
【0054】えられた皮膚貼付薬シートの特性として柔
軟性、薬剤移行防止性、基材シートと粘着剤層との接着
性および機械的強度を以下の方法にしたがって調べた。
その結果を表1に示す。
【0055】(イ)柔軟性(皮膚の動きに対する追随
性) 皮膚貼付薬シート(8cm×5cm)を被験者の肩に貼付
し、24時間日常生活を行なったのちの状態を調べ、以下
の評価基準に基づいて評価した。
【0056】(評価基準) A:はがれや浮きがまったく認められない。 B:部分的にわずかに浮いている。 C:全体が少し浮いている。 D:全体が浮き、一部はがれている。 E:全体的にはがれがいちじるしい。
【0057】(ロ)薬剤移行防止性 皮膚貼付薬シート(8cm×5cm)をアルミニウム箔で密
封し、40℃で6カ月間放置したのち、粘着剤層を基材シ
ートから剥離してかかる粘着剤層中の薬剤の濃度をガス
クロマトグラフィーにて測定し、放置前の粘着剤層中の
薬剤に対する放置後の粘着剤層中に残留している薬剤の
割合を求め、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0058】(評価基準) A:90%以上である。 B:80%以上、90%未満である。 C:70%以上、80%未満である。 D:60%以上、70%未満である。 E:60%未満である。
【0059】(ハ)基材シートと粘着剤層との接着性 皮膚貼付薬シート(8cm×5cm)を被験者の皮膚上に貼
付し、1時間後に剥離したときの皮膚への接着剤の移行
状態を調べ、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0060】(評価基準) A:粘着剤がまったく移行していない。 B:ほんのわずかに粘着剤が移行している。 C:部分的に少し粘着剤が移行している。 D:全体的に粘着剤が移行している。 E:全体的に粘着剤の移行がいちじるしい。
【0061】(ニ)機械的強度 短冊状の皮膚貼付薬シート(幅2cm、長さ8cm)を室温
で引張速度200 mm/分で引張り、破壊強度(kg)を測定
した。なお、本発明においては、破壊強度が5kg以上の
皮膚貼付薬シートを、実用上好ましいものとする。
【0062】実施例2 実施例1において、えられた基材シートの軟質フッ素樹
脂フィルム上に、飽和ポリエステル系樹脂(バイロン30
SS、東洋紡績(株)製、樹脂固形分濃度30重量%、重量
平均分子量22000 )を乾燥後の厚さが10μmとなるよう
に塗布し、120℃で乾燥してプライマー層を設けたの
ち、このプライマー層面を薬剤を含有した粘着剤が塗布
された面と貼りあわせたほかは、実施例1と同様にして
皮膚貼付薬シートをえた。
【0063】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0064】実施例3〜5 実施例2において、軟質フッ素樹脂をうる際に、含フッ
素弾性共重合体100 部に対してフッ化ビニリデンモノマ
ー30部(実施例3)、70部(実施例4)または90部(実
施例5)を用いたほかは、実施例2と同様にして皮膚貼
付薬シートをえた。
【0065】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0066】実施例6および7 実施例2において、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの厚
さを50μm(実施例6)または150 μm(実施例7)に
変更したほかは、実施例2と同様にして皮膚貼付薬シー
トをえた。
【0067】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0068】実施例8および9 実施例2において、軟質フッ素樹脂層の厚さを5μm
(実施例8)または25μm(実施例9)に変更したほか
は、実施例2と同様にして皮膚貼付薬シートをえた。
【0069】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0070】実施例10〜12 実施例2において、プライマー層の厚さを5μm(実施
例10)、15μm(実施例11)または40μm(実施例12)
に変更したほかは、実施例2と同様にして皮膚貼付薬シ
ートをえた。
【0071】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0072】比較例1および2 実施例2において、軟質塩化ビニル系樹脂フィルムの厚
さを20μm(比較例1)または300 μm(比較例2)に
変更したほかは、実施例2と同様にして皮膚貼付薬シー
トをえた。
【0073】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0074】比較例3および4 実施例2において、軟質フッ素樹脂層の厚さを2μm
(比較例3)または50μm(比較例4)に変更したほか
は、実施例2と同様にして皮膚貼付薬シートをえた。
【0075】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0076】比較例5 実施例1において、基材シートとして実施例1で用いた
軟質塩化ビニル系樹脂フィルム(厚さ100 μm)のみを
用いたほかは、実施例1と同様にして皮膚貼付薬シート
をえた。
【0077】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0078】比較例6 実施例2において、基材シートとしてポリエチレンテレ
フタレートフィルム(ルミラー東レ(株)製、厚さ50μ
m)の片面にコロナ放電処理を施したものを用い、かか
るコロナ放電処理面にプライマー層を設けたほかは、実
施例2と同様にして皮膚貼付薬シートをえた。
【0079】えられた皮膚貼付薬シートの特性を実施例
1と同様にして調べた。その結果を表1に示す。
【0080】
【表1】
【0081】表1に示された結果から、実施例1〜12で
えられた皮膚貼付薬シートは、比較例1〜6でえられた
皮膚貼付薬シートとは異なり、柔軟性、基材シートへの
薬剤移行防止性、基材シートと粘着剤層との接着性に同
時にすぐれ、また実用上好ましい高機械強度をも併せて
有するものであることがわかる。
【0082】さらに表1に示された結果から、プライマ
ー層が設けられた実施例2〜12でえられた皮膚貼付薬シ
ートは、実施例1でえられた皮膚貼付薬シートと比べて
とくに基材シートと粘着剤層との接着性にすぐれたもの
であることがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明の皮膚貼付薬シートは、柔軟性、
基材シートと薬剤を含有した粘着剤層との接着性および
基材シートへの薬剤移行防止性に同時にすぐれ、さらに
高機械的強度をも併せて有するものであるので、たとえ
ば肘、膝、肩などのとくに皮膚の動きに対して追随性が
要求される部位などに好適に使用することができ、また
剥離後に皮膚に粘着剤が移行しないという効果を奏す
る。
【0084】さらに、本発明の皮膚貼付薬シートは、高
価なフッ素樹脂の使用量が非常に少ないので、従来のシ
ートと比較してきわめて安価なものである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上に薬剤を含有した粘着剤層
    が設けられてなる皮膚貼付薬シートであって、該基材シ
    ートが厚さ30〜200 μmの軟質塩化ビニル系樹脂フィル
    ムと厚さ3〜30μmの軟質フッ素樹脂層とが接着剤層を
    介して積層され、該軟質フッ素樹脂層上に薬剤を含有し
    た粘着剤層が形成されたことを特徴とする皮膚貼付薬シ
    ート。
  2. 【請求項2】 軟質フッ素樹脂がガラス転移温度が室温
    以下の含フッ素弾性共重合体100 重量部に対してフッ化
    ビニリデンモノマー30〜80重量部をグラフト共重合して
    なる共重合体である請求項1記載の皮膚貼付薬シート。
  3. 【請求項3】 軟質塩化ビニル系樹脂フィルムがショア
    ーD硬度30〜60を有するものである請求項1または2記
    載の皮膚貼付薬シート。
  4. 【請求項4】 軟質フッ素樹脂層と粘着剤層とのあいだ
    に飽和ポリエステル系樹脂からなるプライマー層が設け
    られた請求項1、2または3記載の皮膚貼付薬シート。
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