JPH0734075A - 石炭ガス化炉スラグ流下監視方法及び装置 - Google Patents

石炭ガス化炉スラグ流下監視方法及び装置

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JPH0734075A
JPH0734075A JP17907993A JP17907993A JPH0734075A JP H0734075 A JPH0734075 A JP H0734075A JP 17907993 A JP17907993 A JP 17907993A JP 17907993 A JP17907993 A JP 17907993A JP H0734075 A JPH0734075 A JP H0734075A
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栄次 木田
Shuntaro Koyama
俊太郎 小山
Fumihiko Hanayama
文彦 花山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 温度検出や撮像などによるスラグ状態の監視
により生じる問題を回避し、スラグの状態を正確に監視
し、スラグ流下停止、スラグ排出孔閉塞及びスラグ排出
孔破壊等の状況をそれらが発生する以前に検知して未然
に防ぐ。 【構成】 シンク21の冷却水4の上方にはシンク21
内の冷却水4に滴下するスラグ10の着水のときに発す
る音や振動を検出する音波検出器30が設けられてい
る。制御器33は加熱によりスラグ10の流下を促進す
るスラグタップバーナ15等の操作機器に接続してい
る。スラグ10着水時の音や振動の大きさ、周波数の経
時変化から、滴下するスラグ10の量や温度が推測でき
るので、スラグ10の閉塞が生じる危険のあるスラグ1
0着水時の音や振動の大きさや周波数の経時変化パター
ンを予め制御器33に設定しておき、この変化パターン
になったときに制御器33はスラグタップバーナ15の
起動等の処置を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、噴流層石炭ガス化装置
等、石炭を代表とする固体炭素質原料をガス化炉内でを
高温下で処理する一方、灰分を溶融させて有害成分が溶
出しにくいスラグとして系外に取出す装置において、ス
ラグの状態を監視しスラグ排出孔の閉塞を防止する石炭
ガス化炉スラグ流下監視方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭は豊富な埋蔵量を持つ有用なエネル
ギー源であるが、アルミナ、シリカ等を主成分とする十
数%の灰分やCr等の有害金属を含むため、その処理法
が難しくその利用範囲を狭めていた。しかし噴流層石炭
ガス化装置等では、石炭を高温下で処理し灰分を溶融さ
せ、有害成分が溶出しにくいスラグとして系外に取出す
ことができる。このため、利用分野が大幅に広がり、特
に発電用の燃料として、あるいは産業用の原料として使
用が有望視されている。
【0003】従来型の噴流層石炭ガス化炉の系統図を図
11に示す。この装置ではライン5を用いて微粉炭を搬
送し、酸素含有ガス及び蒸気をそれぞれライン6及びラ
イン7を用いて高温のガス化炉1内に噴入し、ガス化部
2で部分燃焼させる構成である。この部分燃焼で生成す
るガスをガス化炉1内を通し、頂部の排出孔及びライン
8を通って下流の脱塵、脱硫などを行なうガス精製工程
に送り、発電用に用いる場合にはガスタービンに送る。
なお、ガス精製工程は図11において省略している。
【0004】一方、上述の部分燃焼にともない副産物と
して石炭中の灰分は溶融してスラグ10になる。このス
ラグ10をガス化炉1の下方に設けたスラグ排出孔3に
沿って流下させ、その下方に空間部40を隔てて満たし
た冷却水4内に落下させて、水砕、冷却したのちに排出
口9から排出する。
【0005】上述の部分燃焼は通常原料灰の溶融温度よ
り約100℃高い1500〜1700℃程度の高温下で行われる。
このような温度で燃焼するのは次のような配慮に基づく
ものである。すなわち、冷ガス効率(石炭発熱量に対す
る生成ガス発熱量の割合)を向上させるためにはCO2
等の非発熱物質の生成原因となる過剰な酸素の供給量を
抑える必要があり、そのため部分燃焼温度も比較的低温
とされることが望ましい一方、該温度が低くなり過ぎる
とスラグ10が固化し、このスラグ10の流下・回収が
困難になる。これによって噴流層石炭ガス化装置でスラ
グを安定に排出できなければ、ガス化炉内で石炭を安定
にガス化できず、連続して運転できない。
【0006】このような理由から部分燃焼温度はスラグ
10の溶融化にとって十分高温に保たれているが、冷却
水4は一般に100℃以下の低温であるため、従来装置で
はなお以下の問題を避けられない。
【0007】図12は従来のスラグ排出孔部分の拡大断
面図である。同図に示すように、スラグ10はスラグ排
出孔3の上部(以下、「スラグ排出孔上部」と呼ぶ)1
2では溶融状態にある。一方、スラグ排出孔3の下部
(以下、スラグ排出孔下部と呼ぶ)11では下方の低温
冷却水4の影響により輻射等で熱をとられたり、あるい
はスラグ排出孔上部12からスラグ排出孔下部11に移
動する間の放熱(この点は、装置が大型化するほど顕著
になる)等により温度が低下し、これによりスラグ排出
孔3に沿って流出するスラグ10がスラグ排出孔下部1
1の近傍で固化する危険性が増大する。これを解消する
ためガス化部(部分燃焼部)2の温度を上昇させる試み
がなされているが、そのためには前述したように非発熱
物質の増加要因となる酸素を増量させる必要があり、そ
の結果、冷ガス効率が低下する問題を生じる。更に、こ
の場合にはガス化部2の材質をより高温に耐えるものに
しなければならない問題もある。
【0008】この他、ガス化に関する一般的な問題とし
て、石炭はその性質上同一名の炭種でも採掘場所が異な
れば均一な成分(灰分)でない場合が多く、そのため、
例えスラグ排出孔3の温度を一定に保っていても、スラ
グ10の流れが変化し安定したスラグの排出ができない
問題もある。さらにスラグ温度やガス化温度は高温であ
るため、これを直接熱電対により測定することは困難で
ある。その対策として、放射温度計より測定することも
考えられが、この場合には黒度(輻射率)の限定が困難
なため正確な計測が難しくなる問題がある。
【0009】以上のような問題から、これまでに、スラ
グ流下を安定させるために、様々なスラグ流下監視装
置、またはスラグ閉塞防止装置などが提案されている。
以下、これらについて説明する。
【0010】実開昭60−161151号公報では、ス
ラグ排出孔の下部壁内側に温度検出計を設け、その検出
値と別途算出される断熱火炎温度との比較情報を基に選
択適用を可能とされるスラグ流下促進手段を設けること
により、冷ガス効率を低下させることなく生成スラグを
安定に排出しようとする技術が開示されている。
【0011】特開平1−24893号公報では、石炭ガ
ス化炉のスラグ排出孔を放射温度計で撮像することで得
られた温度分布を画像処理することにより、スラグ排出
孔の破壊、スラグ流下停止、スラグ排出孔閉塞等の状況
を、それらが発生する以前に検知してスラグ排出孔の正
確な監視を図る技術が開示されている。
【0012】特開平1−24894号公報では、石炭ガ
ス化炉のスラグ排出孔から滴下するスラグを撮像し、得
られた画像を処理することにより、スラグ流下状態及び
炉の状態を正確に診断し監視する技術が開示されてい
る。
【0013】実開平3−70256号公報では、スラグ
の輝度を計る光センサの出力により、石炭ガス化炉のス
ラグ排出孔下方に設けられたスラグタップバーナを起動
させ、スラグ排出孔の閉塞を未然に防止する技術が開示
されている。
【0014】特開昭60−88091号公報では、流下
するスラグをビデオカメラなどで写して画像処理を行な
い、スラグの流下量などを計測してスラグタップ孔が閉
塞するのを監視する技術が開示されている。
【0015】特開平2−115611号公報では、流下
するスラグの光量を検出する光センサを設けてスラグ流
下口の閉塞を察知し、スラグランスを作動させるなどす
る技術が開示されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】図13に示すものは、
上記の従来技術のうち、実開昭60−161151号公
報に記載された方法で、温度計によるスラグ流下監視装
置を設けたものである。この装置のように、温度による
監視では、スラグの温度から粘度等の性状は推定できて
も、スラグ流下量、冷却後の状態等は分らない。また、
スラグ流下状態を監視しようとしてスラグの温度を計測
しても前述したように炭種の性状が変化すればスラグの
温度を直接計測してもスラグの流下状況を監視すること
ができない。さらに、スラグが温度計を覆ってしまえば
正確な温度を計測できない。そのうえ、このような状態
で温度計による計測値を信用して酸化剤の供給量を増加
すればガス化効率を低下させるばかりでなくガス化炉を
破損する危険性も生じてしまう。また、スラグ流下監視
装置で最も重要となるスラグ閉塞が起る直前の状態では
当然スラグの粘性が上がっているため、温度計への付着
量も多くなってくるので、温度計測値へ信頼度は更に低
くなる。
【0017】また、直接スラグの温度を計測しないで空
間部40のガス温度を測定する場合でもチャー、クリン
カ及びスラグ等が付着し正確な温度を測定できなくな
る。
【0018】スラグの流下状態を安定させるためにはス
ラグ排出孔3部分のスラグ温度をできる限り高くするこ
とが望ましい。しかし工業的に使用する白金系の熱電対
では1700℃以上の高温での温度計測は長期使用ができな
いし、また例え1650℃で長時間使用した場合には誤差を
多く含むことになり、信頼性がなくなる。
【0019】上述のようにスラグ流下時の温度は1500〜
1700℃程度である。この温度を測定するためには通常熱
電対に保護管を取り付けるが、この保護管はアルミナ等
スラグの成分を含むためかかる温度中ではスラグに溶融
されるので、このような環境下で長時間使用できる保護
管は未だ開発されていないのが現状である。
【0020】また、特開平1−24893号、特開平1
−24894号、実開平3−70256号、特開昭60
−88091号公報に開示の技術は、赤外光、画像並び
に光を測定対象とする差異はあるものの、何れの監視装
置も撮像によりスラグの温度または形状を検知するもの
である。これら撮像によるスラグ流下監視装置の例を図
14に示す。これらの装置では石炭ガス化炉内のスラ
グ、チャー及びクリンカ等の汚れにより、のぞき窓43
が覆われる場合には、解像度が低下し、監視能力を落ち
る。従って、解像度を保とうとしてもガス化炉は数十気
圧の高圧容器内にあり、ガス化炉内にはCO、H2等可
燃性でしかも毒性が強いガスで充満されている。このた
め、のぞき窓43の清掃などのメンテナンスを容易にか
つ安全に行うことができない。さらに、赤外測定装置あ
るいは画像処理装置は一般に高価である。
【0021】また、撮像によるスラグ監視装置では、の
ぞき窓43に耐圧ガラスを用いる。のぞき窓43のくも
りを防ぐために、チャー等を吹飛ばす目的でアスピレー
タ45を設置し窒素ガス等を用いてのぞき窓43の洗浄
及び汚れを防止している。この窒素ガスは空間部40の
スラグ排出孔3を冷却しスラグ10の粘性を高くして、
スラグ排出孔3の閉塞の原因になり、温度維持のために
酸素量を増加させれば冷ガス効率が低下する。また、の
ぞき窓43にスラグもしくはクリンカが入った場合、運
転中に取出すことはできないため、スラグの監視はでき
なくなる。さらに窒素ガスの使用量を増加させるので生
成ガス中の窒素濃度を増加させ、生成ガスの発熱量の低
下を招き、かつ、運転費も増える。
【0022】特開平2−115611号に開示の技術に
おいても、光センサはのぞき窓を介して受光せねばなら
ず、上述の撮像によりスラグの温度または形状を検知す
る技術と同様の問題を生じる。
【0023】本発明の目的は、温度検出や撮像などによ
るスラグ状態の監視により生じるこのような問題を回避
し、スラグの状態を正確に監視し、スラグ流下停止、ス
ラグ排出孔閉塞及びスラグ排出孔破壊等の状況をそれら
が発生する以前に検知して未然に防ぐことができるスラ
グ流下監視方法及びその装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めの本発明は、石炭ガス化炉中で燃焼される石炭の灰分
が溶融して生じるスラグを前記石炭ガス化炉からこの石
炭ガス化炉の底部の下方に設けられたシンク内の冷却水
中に滴下させる工程と、この滴下するスラグが前記冷却
水に着水するときに発する音及び/又は振動を検出する
工程とを備えた石炭ガス化炉スラグ流下監視方法であ
る。
【0025】石炭を燃焼する石炭ガス化炉と、この石炭
ガス化炉底部に穿たれ前記燃焼により石炭の灰分が溶融
して生じるスラグが滴下するスラグ排出孔と、前記石炭
ガス化炉底部の下方に設けられ冷却水が満たされたシン
クと、このシンク内の冷却水に滴下する前記スラグの着
水のときに発する音及び/又は振動を検出する装置とを
備えた石炭ガス化炉スラグ流下監視装置も本発明とす
る。
【0026】石炭を燃焼する石炭ガス化炉と、この石炭
ガス化炉底部に穿たれ前記燃焼により石炭の灰分が溶融
して生じるスラグが滴下するスラグ排出孔と、前記石炭
ガス化炉底部の下方に設けられ冷却水が満たされたシン
クと、このシンク内の冷却水に滴下された前記スラグを
破砕するクラッシャーと、このクラッシャーの破砕時に
発する音及び/又は振動を検出する装置とを備えた石炭
ガス化炉スラグ流下監視装置も本発明とする。
【0027】前記石炭ガス化炉内の前記スラグの流下の
促進を促すスラグ流下促進装置と、前記音及び/又は振
動を検出する装置により検出される音及び/又は振動が
予め設定されたパターンとなったときは前記スラグ流下
促進装置の運転開始又は前記スラグ流下の更なる促進を
このスラグ流下促進装置に指示する制御装置とを備えた
前記の何れかの石炭ガス化炉スラグ流下監視装置も本発
明とする。
【0028】
【作用】上記の構成によれば、冷却水に滴下するスラグ
の着水のときに発する音及び/又は振動を検出すること
でスラグの状態を監視するから、従来のようにスラグの
温度検出や撮像などによりスラグの状態を監視すること
による上述の問題を回避してスラグの状態を正確に監視
することができる。
【0029】クラッシャーを備えた前記の装置の場合
は、クラッシャーの破砕時に発する音及び/又は振動を
検出することでスラグの状態を監視するから、従来のよ
うにスラグの温度検出や撮像などによりスラグの状態を
監視することによる上述の問題を回避してスラグの状態
を正確に監視することができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説
明する。図1は本発明の第1の実施例である石炭ガス化
炉スラグ流下監視装置を備えたガス化炉の系統図であ
る。同図において、図11と同符号の部材は図11を参
照して既に説明した従来例と同様の部材ゆえ、説明を省
略する。第1の実施例においては、シンク21の冷却水
4の上方には音波検出器30が設けられている。この音
波検出器30は、シンク21内の冷却水4にスラグ排出
孔3から滴下するスラグ10の着水のときに発する音や
振動を検出するためのものである。また、本実施例の石
炭ガス化炉スラグ流下監視装置は増幅器31、周波数分
布測定器32、制御器33を備えている。但し、増幅器
31及び周波数分布測定器32は、ノイズを除去して各
周波数域でのスラグ流下状態を分析するために設置する
もので、音波検出器30のみでもスラグの流下状況を監
視することはできる。従って、増幅器31及び周波数分
布測定器32を設けない構成としてもよい。
【0031】低温のスラグ10がスラグ排出孔3から流
下して数十℃の冷却水4に着水するとき、スラグ10の
表面で冷却水4がスラグ10を急冷し水が蒸発する。こ
れらの音や衝撃波を検出するための音波検出器30は、
冷却水4のシンク21の空間部40の壁面に設けてい
る。この音波検出器30の信号を増幅するための増幅器
31は音波検出器30に配線している。増幅器31から
の信号を測定するための周波数分布測定器32は増幅器
31に配線している。さらに、周波数分布測定器32に
制御器33を配線し、この制御器33は空間部40の壁
面に設けたスラグタップバーナ15及びライン7に設け
たスチーム流量調節弁13等の操作機器に接続してい
る。スラグタップバーナ15は加熱によりスラグ10の
流下を促進するためのものである。
【0032】スラグ10の流下状態は燃料に用いる石炭
種の溶融温度により異なる。しかしスラグ10は高温の
方が粘度が低く流下状態はスムーズであることは言うま
でもない。本発明者等の実験によれば、スラグ10の性
状及び流下状態の変化によるスラグ着水音または振動の
変化は図6〜10に示すようになった。図6〜10は、
スラグ10着水時の音または振動の大きさや周波数の経
時変化を示すグラフ図である。同図に明らかなように、
スラグ流下量が減少する場合、冷却水4の沸騰量も減る
ため、音や振動の大きさは小さくなって、周波数は若干
低くなる(図6参照)。スラグ10の温度が低くなる場
合、冷却水4の沸騰量は少なくなり、音または振動の大
きさは若干小さくなり、周波数は低くなる(図7参
照)。石炭の組成を変化させてスラグ10の粘度が高く
なる場合、音または振動の大きさは僅かに小さくなり、
周波数は低くなる(図8参照)。次に着水後のスラグ1
0の形状について、スラグ10の着水音または振動は以
下のようになった。まず、スラグ10がチップ状の場
合、スラグ10が着水後、熱応力により破断される音ま
たは振動が検出され、パルス状の音または振動を周波数
分布測定器32により確認できる。この音または振動は
スラグ着水音または振動よりも高く大きいため、山形の
波形が現れる(図9参照)。また、線状のスラグの場合
には、前述の山形波形は現れない(図10参照)。
【0033】次に、スラグ10の着水音または振動の大
きさ及び周波数がどの程度になった場合、ガス化運転条
件の変更またはスラグタップバーナ15の起動等の処置
を行なうのが適切かを、実験結果から得られたデータに
より説明する。例えば、太平洋炭の場合、1500℃で冷却
水4に着水するときに発せられる音または振動の周波数
は5〜10kHzであった。また1450℃の場合はほぼ5kHz
以下であった。このため、スラグ排出孔3が閉塞するの
を防ぐための処置は、スラグ温度の低下条件からは周波
数5kHz以下になったときに行う必要がある。
【0034】また、音や振動の大きさについては、本発
明者らが用いた実験装置ににおいては、ほぼ−10dB以下
になったときスラグ流下量が減少し始め、ほぼ−30dBで
停止したため、−30dB以下に音や振動の大きさが低下し
たとき、スラグ排出孔3が閉塞するのを防ぐための処置
を行う必要があった。かかる値は個々の石炭ガス化炉の
特性により異なる。
【0035】このように、スラグ10着水時の音や振動
の大きさや周波数の経時変化から、滴下するスラグ10
の量や温度が推測できるので、制御器33にはスラグ1
0の閉塞が生じる危険のあるスラグ10着水時の音や振
動の大きさ、周波数の経時変化パターンを予め制御器3
3に設定しておき、この変化パターンになったときに、
バルブ13によるガス化運転条件の変更またはスラグタ
ップバーナ15の起動等の処置を行なう。
【0036】次に、本実施例の作用について説明する。
上述の構成で図6を参照して説明した従来例と同じ方法
で石炭をガス化すると、スラグ10はスラグ排出孔3か
ら流下して冷却水4に着水する。このとき、スラグ10
の温度は1000〜1500℃である。スラグ10は冷却水4で
急冷され、スラグ着水音や衝撃波を発生し、これが空間
部40の壁面に伝搬し、音や振動となって現れる。この
音または振動を音波検出器30で検出し、増幅器31で
増幅し、周波数分布測定器32で分析し、予め設定され
たスラグ10着水時の音や振動の大きさや周波数の経時
変化パターンとなったときに制御器33でスラグタップ
バーナ15等を操作し、スラグ10の温度を上昇させ、
スラグ10の流下促進を図る。このように、本実施例で
は、スラグ10の流下状態の監視をスラグ10着水時の
音や振動により行なうものであるため、スラグ10の温
度検出や撮像などによるスラグ10の状態の監視により
生じる従来の問題を回避し、スラグ10の状態を正確に
監視し、スラグ流下停止、スラグ排出孔3の閉塞及びス
ラグ排出孔3の破壊等の状況をそれらが発生する以前に
検知して未然に防ぐことができる。
【0037】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。図2は、この第2の実施例である石炭ガス化炉ス
ラグ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面図
である。この実施例では音波検出器30に防水処置を施
し、直接冷却水4の中に水没させる構成としている。そ
の他の点については第1の実施例の場合と同様であり、
説明を省略する。音波検出器30を水没させたために、
音波検出器30の温度は100℃以下になり、音波検出器
30の耐熱性を考慮せずにすむため、低コスト化でき
る。また、冷却水4の中にあることで、冷却水4のシン
ク21の空間部40の壁面を介さずに、直接水中の音や
振動を計測できるうえに、チャー、スラグ及びクリンカ
などの付着の心配もなく信頼性が向上する。
【0038】つづいて、本発明の第3の実施例について
説明する。図3は、この第3の実施例である石炭ガス化
炉スラグ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断
面図である。本実施例では、第2の実施例と同様に音波
検出器30に防水処置を施し、冷却水4の中に水没させ
る構成である。しかも冷却水供給ノズル41を音波検出
器30の正面に配置している。その他の点については第
1の実施例の場合と同様であり、説明を省略する。この
ような構成としたため、冷却水4を供給するたびに図3
中矢示で示すように冷却水を音波検出器30に吹き付け
て音波検出器30を洗浄することができ、メンテナンス
フリーとなり、信頼性も向上する。
【0039】さらに、本発明の第4の実施例について説
明する。図4は、この第4の実施例である石炭ガス化炉
スラグ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面
図である。この実施例では音波検出器30を水没させる
かあるいは空間部40に設置する。本実施例は音波検出
器30の取付け部にボール弁41を設け音波検出器30
をガス化炉を停止することなく取替えることができるよ
うにしたものである。図4では音波検出器30を水没さ
せた例で示している。その他の点については第1の実施
例の場合と同様であり、説明を省略する。このような構
成としたため、熱等による破損及び汚れ等でメンテナン
スが必要な場合でも、ガス化炉の運転を中断する必要が
なくなる。
【0040】最後に、本発明の第5の実施例について説
明する。図5は、この第5の実施例である石炭ガス化炉
スラグ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面
図である。この実施例では冷却水4のシンク21にクラ
ッシャー34を設置している石炭ガス化炉に第2の実施
例たるスラグ流下監視装置を設置したものである。な
お、クラッシャー34は、細い糸状のスラグ及び大きな
スラグを粉砕するために設置されたものであり、例え
ば、実開平2−90641号公報などに開示されてい
る。その他の構成は第2の実施例と同様であるため説明
を省略する。本実施例では、スラグ10が回転するクラ
ッシャー34の歯に破砕される。クラッシャー34によ
る破砕音等は音波検出器30で検出できる。破砕音等を
周波数分布測定器32で測定した場合、破砕音は10〜20
kHzの周波数域に現れる。破砕音等が検出されていると
きはスラグ10が流下していることの確認になる。した
がって、この10〜20kHzの周波数域が検出されなくなっ
た場合などに、制御器33でスラグタップバーナ15等
を操作し、スラグ10の温度を上昇させるようにすれば
よい。
【0041】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、上述のと
おり冷却水に滴下するスラグの着水のときに発する音及
び/又は振動を検出することでスラグの状態を監視する
から、従来のようにスラグの温度検出や撮像などにより
スラグの状態を監視することによる前述の問題を回避し
てスラグの状態を正確に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である石炭ガス化炉スラ
グ流下監視装置を備えたガス化炉の系統図である。
【図2】本発明の第2の実施例である石炭ガス化炉スラ
グ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面図で
ある。
【図3】本発明の第3の実施例である石炭ガス化炉スラ
グ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面図で
ある。
【図4】本発明の第4の実施例である石炭ガス化炉スラ
グ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面図で
ある。
【図5】本発明の第5の実施例である石炭ガス化炉スラ
グ流下監視装置を備えたガス化炉の一部分の立断面図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施例においてスラグの着水時
の音または振動の大きさや周波数の経時変化を示すグラ
フ図である。
【図7】本発明の第1の実施例においてスラグの着水時
の音または振動の大きさや周波数の経時変化を示すグラ
フ図である。
【図8】本発明の第1の実施例においてスラグの着水時
の音または振動の大きさや周波数の経時変化を示すグラ
フ図である。
【図9】本発明の第1の実施例においてスラグの着水時
の音または振動の大きさや周波数の経時変化を示すグラ
フ図である。
【図10】本発明の第1の実施例においてスラグの着水
時の音または振動の大きさや周波数の経時変化を示すグ
ラフ図である。
【図11】従来の噴流層石炭ガス化炉の系統図である。
【図12】従来の噴流層石炭ガス化炉のスラグ排出孔部
分の拡大断面図である。
【図13】従来の温度計によるスラグ流下監視装置を備
えたガス化炉の系統図である。
【図14】従来の撮像によるスラグ流下監視装置を備え
たガス化炉の一部分の立断面図である。
【符号の説明】
1 ガス化炉 2 ガス化部(部分燃焼部) 3 スラグ排出孔 4 冷却水 5 微粉炭供給ライン 6 酸素含有ガス供給ライン 7 スチーム供給ライン 8 ガス排出ライン 9 排出口 10 スラグ 11 スラグ排出孔下部 12 スラグ排出孔上部 13 スチーム流量調節弁 14 熱電対 15 スラグタップバーナ 16 温度計 17 ガス流量調節弁 18 ガス抜出しライン 19 温度検出計 20 フラックス供給ライン 21 シンク 24 制御装置 25 スチーム流量調節装置 26 高温部分燃焼ガス抜出し弁開度調節装置 27 バーナ点・消火制御装置 28 フラックス剤添加装置 29 燃料供給調節弁 30 音波検出器 31 増幅器 32 周波数分布測定器 33 制御器 34 クラッシャー 40 空間部 41 冷却水供給ノズル 42 ボール弁 43 のぞき窓 44 撮像装置 45 アスピレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 俊太郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 花山 文彦 千葉県袖ヶ浦市中袖3−1 石炭利用水素 製造技術研究組合 運転研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石炭ガス化炉中で燃焼される石炭の灰分
    が溶融して生じるスラグを前記石炭ガス化炉からこの石
    炭ガス化炉の底部の下方に設けられたシンク内の冷却水
    中に滴下させる工程と、この滴下するスラグが前記冷却
    水に着水するときに発する音及び/又は振動を検出する
    工程とを備えた石炭ガス化炉スラグ流下監視方法。
  2. 【請求項2】 石炭を燃焼する石炭ガス化炉と、この石
    炭ガス化炉底部に穿たれ前記燃焼により石炭の灰分が溶
    融して生じるスラグが滴下するスラグ排出孔と、前記石
    炭ガス化炉底部の下方に設けられ冷却水が満たされたシ
    ンクと、このシンク内の冷却水に滴下する前記スラグの
    着水のときに発する音及び/又は振動を検出する装置と
    を備えた石炭ガス化炉スラグ流下監視装置。
  3. 【請求項3】 石炭を燃焼する石炭ガス化炉と、この石
    炭ガス化炉底部に穿たれ前記燃焼により石炭の灰分が溶
    融して生じるスラグが滴下するスラグ排出孔と、前記石
    炭ガス化炉底部の下方に設けられ冷却水が満たされたシ
    ンクと、このシンク内の冷却水に滴下された前記スラグ
    を破砕するクラッシャーと、このクラッシャーの破砕時
    に発する音及び/又は振動を検出する装置とを備えた石
    炭ガス化炉スラグ流下監視装置。
  4. 【請求項4】 前記石炭ガス化炉内の前記スラグの流下
    の促進を促すスラグ流下促進装置と、前記音及び/又は
    振動を検出する装置により検出される音及び/又は振動
    が予め設定されたパターンとなったときは前記スラグ流
    下促進装置の運転開始又は前記スラグ流下の更なる促進
    をこのスラグ流下促進装置に指示する制御装置とを備え
    た請求項2項又は3項の何れかに記載の石炭ガス化炉ス
    ラグ流下監視装置。
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