JPH0736837B2 - 医療用材料 - Google Patents

医療用材料

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JPH0736837B2
JPH0736837B2 JP2167546A JP16754690A JPH0736837B2 JP H0736837 B2 JPH0736837 B2 JP H0736837B2 JP 2167546 A JP2167546 A JP 2167546A JP 16754690 A JP16754690 A JP 16754690A JP H0736837 B2 JPH0736837 B2 JP H0736837B2
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【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野] 本発明は、医療用材料に関するものである。詳しく述べ
ると本発明は、安定して高い生体適合性を示す医療用材
料に関するものである。 [従来の技術] 従来より、人工臓器等の血液や生体組織と接触する部分
を有する医療用器具が製造され、使用されてきている
が、これらの医療用器具を構成する材料を選択する際に
生体適合性は重要な問題となる。この生体適合性は使用
される医療用器具の表面性状が重要な要因となる。一
方、医療用器具としての物性も大切であることは言うま
でもない、従って、医療用器具として適切な物性を有す
る材料を選択し、その表面性状を改質することが医療用
材料として応用する場合には有効であると考えられる。
このような観点から種々の表面改質法が提案されてい
る。そのひとつに、反応性末端を有する脂溶性ビタミン
あるいは脂肪酸マクロマーの該反応性末端を基材に結合
させたものがある。(特開昭63−130069号公報) [発明が解決しようとする課題] これは、基材の医療用材料としての物性を遺憾なく発揮
させつつ、その表面に生体適合性を付与したという点で
画期的なものであってが、十分な生体適合性が得られた
とは言えず、生体適合性の安定および向上については改
良の余地があった。 従って、本発明は前述の課題を解決した新規な医療用材
料を提供することを目的とする。 また、本発明は長期間にわたり安定して優れた生体適合
性を示す医療用材料を提供することを目的とする。 [課題を解決するための手段] 上記の課題を解決するため、本発明は、高級アルコール
および/または高級アルコールマクロマーが基材に直接
または重合体を介して結合することを特徴とする医療用
材料を提供する。さらに、前記高級アルコールがオレイ
ルアルコールであるのが好ましい。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の医療用材料は、高級アルコールおよび/または
高級アルコールマクロマーが基材に直接または重合体を
介して結合しているので、高級アルコールによる優れた
生体適合性が得られる。さらに、高級アルコールの水酸
基と、基材または重合体の官能基とが反応してエーテル
結合してなることにより、脂肪酸の反応性末端であるカ
ルボキシル基と、基材または重合体の官能基との反応に
よるエステル結合したものよりも結合が強固で、ゆえに
高級アルコールの遊離がなく、長時間にわたって安定し
た生体適合性を示すものである。 更に、高級アルコールマクロマーを作製する場合、高級
アルコールの水酸基を用いるため、分子鎖(スペーサ
ー)を付加重合により、副反応が起こしにくい条件で容
易に結合することができる。 また、高級アルコールマクロマーを用いたものであれ
ば、高級アルコールと基材または重合体との間の分子鎖
(スペーサー)の存在によって血小板粘着の抑制効果が
期待させるのでより高い生体適合性が付与され、分子鎖
長も容易に制御でき、安定した分子鎖の運動性が期待て
きる。 本発明における高級アルコールとしては、一価アルコー
ルが分子鎖長の調整および医療用材料の作製上好まし
い。また、不飽和アルコールが、抗血栓性の点から好ま
しい。すなわち、高級アルコールとしては、オレイルア
ルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコー
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール等が挙げ
られる。特に、オレイルアルコールは血液との適合性の
面から好ましい。 本発明においては、生体適合性、特に血液適合性を向上
させるために、高級アルコールはスペーサ、好ましくは
親水性スペーサを介して、前記高級アルコールマクロマ
ーとして結合されても良い。 なお、「マクロマー」とは、一般的に重合性の官能基を
末端に有するポリマーを意味するものであるが、本明細
書においては、さらに広義に反応性官能基を末端に有す
るものを意味するものとする。 前記スペーサとして具体的には、両末端に反応性の高い
官能基を有するアルキレングリコール類が挙げられ、ポ
リエチレングリコールジアミン、ポリプロピレングリコ
ールジアミン、ポリテトラメチレングリコールジアミン
が好ましい。 たとえば、スペーサがアルキレングリコール骨格を有す
るものである場合には、その重合度は、アルキレンの種
類にもよるが、約1〜100程度であることが好ましい。
また、とくにアルキレングリコールとしては、ポリエチ
レングリコールおよびポリプロピレングリコールが望ま
しく、重合度20〜90のポリエチレングリコール、重合度
10〜50のポリプロピレングリコールが特に好ましい。 本発明の重合体は、分子量500〜500,000、好ましくは5,
000〜30,000、より好ましくは10,000〜100,000の重合体
であり、高級アルコールおよび/または高級アルコール
マクロマーと結合可能であり、後述する基材と結合可能
である官能基を備える重合体である。重合体の分子量が
この範囲にあると基材との結合部が少なくても、基材表
面に対する処理面積は大きいため、重合体の効果は十分
発揮される。具体的には、分子量が500未満の低分子量
では、効率良く基材表面全体を覆うことが難しく、500,
000超の高分子量では高分子の溶解性が低下し、基材表
面との反応性も低下するため用いにくくなる。 また、重合体は更に共重合体が好ましい。2種類以上の
単量体を用いるため、各単量体の特徴を生かすことがで
きる。例えば、共重合体への高級アルコールおよび/ま
たは高級アルコールマクロマー結合量及び共重合体と基
材の結合量等の設定が可能となる。 共重合体の有する官能基としては、エポキシ基、カルボ
キシル基、アルデヒド基、アミノ基等が挙げられる。エ
ポキシ基を有する共重合体の原料単量体としては、(メ
タ)アクリル酸系グリシジルエステル、ビニル系グリシ
ジルエステルが好ましく、カルボキシル基を有する原料
単体としては、(メタ)アクリル酸、酢酸ビニルが好ま
しい。 本発明に用いる基材としては、代表的なものとしてセル
ロースおよびその誘導体があり、その他ポリビニルアル
コール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、エチレンビニ
ルアルコール系共重合体、エチレン酢酸ビニル系共重合
体の部分ケン化物、ポリアクリル酸またはポリメタクリ
ル酸およびそれらの共重合体、ポリヒドロキシエチルメ
タクリレート、キチン、キトサン、コラーゲン、ポリア
クリルアミド等を使用することができる。 基材は、各種の成形体、例えばシート状、チューブ状
(中空糸状も含む)、繊維状等の形状として用いられ
る。 本発明の医療用材料の製造方法は、特に限定されない
が、下記の方法を用いるのが好ましい。すなわち、高級
アルコールおよび/または高級アルコールマクロマーの
官能基と重合体の官能基の一部とを共有結合させる工程
と、該重合体の官能基の一部と基材の官能基とを共有結
合させる工程とを有する。これらの工程は同時に行って
も良いし、任意の順序で行っても良い。 例えば、末端にアミノ基を有する高級アルコールおよび
/または高級アルコールマクロマーを用いると、エポキ
シ基を有する重合体と、高級アルコールマクロマーと
は、前記重合体の有するエポキシ基を介してグラフト共
重合体とし、あるいは、エポキシ基とカルボキシル基と
を有する共重合体と、高級アルコールおよび/または高
級アルコールマクロマーとは、重合体のカルボキシル基
を介してグラフト共重合体として高分子誘導体を得る。 前記反応は、公知の一般的な合成反応を用いれば良い。
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。 (オレイルアルコールマクロマーの合成) オレイルアルコールにアルカリ触媒下、エチレンオキサ
イドを付加させることによって得られる。ポリエチレン
グリコールモノオレイルエーテル(平均分子量:4268)2
0.00g、トリエチルアミン1.90gをジオキサン50mlに溶解
した。これに、p−トルエンスルホニルクロリド1.85g
のジオキサン10ml溶液をゆっくり滴下し、60℃で2時間
反応させた。反応生成物は、アセトン200mlを加え溶解
した後、0℃に冷却し、目的生成物を沈澱させることに
より精製を行った。次に、上記生成物6.50gのDMF30ml溶
液に、フタルイミドカリウム0.55gを加え、90℃で2時
間反応させた。反応生成物は、アセトン60mlを加え溶解
した後、0℃に冷却し、目的生成物を沈澱させることに
よって精製を行った。次に、その生成物6.00gのエタノ
ール30ml溶液にヒドラジン水和物1.00gを加え、還流下
で2時間反応させた。反応生成物はアセトン60mlを加え
溶解した後、0℃に冷却し、目的物を沈澱させることに
よって、精製を行ない、末端にアミノ基を有するオレイ
ルアルコールマクロマー5.20gを得た。 (共重合体の合成) ガラス製重合管に重合開始剤として、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.15重量部、メタクリル酸メチル7.5重量
部、メタクリル酸グリシジルエステル15重量部、3−メ
タクリロキシプロピルトリス(メトキシエトキシ)シラ
ン(チッソ(株))6重量部、メタクリル酸1.5重量部
を仕込み、この重量管を液体窒素中で冷却固化して真空
ポンプで脱気、窒素置換、脱気を繰り返した後密封し
た。これを所定温度で、所定時間、恒温槽中で加熱し
た。その後、冷却して開封し、内容物をテトラヒドロフ
ランに溶解し、メタノールに再沈澱することにより、白
色の重合体を得た。 同様にして、メタクリル酸を含まない共重合体の合成も
行った。 これらの共重合体をメチルエチルケトンに溶解し、臭化
エチルトリメチルアンモニウムを触媒、クリスタルバイ
オレットを指示薬として、0.01Nの過塩素酸/酢酸溶液
で滴定することによってエポキシ当量を求め、そしてグ
リシジルメタクリレイト組成を求めた(第1表)。 A:MMA/GMA/MPTMS/MA=7.5/15/6/1.5(重量比) B:MMA/GMA/MPTMS=7.5/15/7.5(重量比) MMA:メチルメタクリレート GMA:グリシジルメタクリレート MPTMS:3-メタクリロキシプロピルトリス(メトキシエト
キシ)シラン MA:メタクリル酸 (オレイルアルコールマクロマーとの共重合体の反応) 前記共重合体No.1の4.00g、ジシクロヘキシルカルボジ
イミド0.718gおよび四塩化炭素/アセトニトリル(1対
1容量比)の混合溶媒100mlをフラスコにいれ、室温で
窒素気流下60分攪拌した後、前記オレイルアルコールマ
クロマー9.92gの四塩化炭素/アセトニトリル(1対1
容量比)20ml溶液を徐々に滴下し、その後室温で60分攪
拌させた後、さらに60℃で60分間攪拌した。反応内容物
を室温まで冷却後、内容物をガラスフィルターにて濾過
し、濾液の溶媒を軽く留去したところ、黄色の高粘性の
粗生成物が得られた。 得られた粗生成物にメタノール200mlを加え、室温で約3
0分間、固まりがなくなるまで攪拌した後、遠心分離を
行い、上澄みをデカンテーションにより除いた。同様な
操作を更に2回行った後、真空乾燥を行ったところ8.75
gの高分子誘導体が得られた。 (高分子誘導体の再生セルロース膜への結合) 再生セルロースの表面に前記した高分子誘導体を以下の
ようにして結合させた。 まず、水酸化ナトリウム0.5(W/V)%水溶液100ml中
に、再生セルロース膜(膜厚0.2mm)0.3gを30分間浸漬
した。次に、前記高分子誘導体の0.5(W/V)%のアセト
ン溶液中に、該セルロース膜を浸漬し、室温下で24時間
反応させた。反応終了後、再生セルロース膜を取り出
し、アセトン、エタノール、蒸留水の順に充分に洗浄し
て本発明である医療用材料の実施例としての試料1とし
た。 (比較例1および2) ピリジン0.04gを乾燥ジオキサン30mlに加え、次にリノ
ール酸0.90gをこの混合液を用いてフラスコに入れ、窒
素気流下、80℃で30分間攪拌した。更に、このフラスコ
に前記した共重合体No.2の3.00gを乾燥ジオキサン70ml
に溶解した溶液を添加した後、80℃で6時間攪拌した。
反応内容物を室温まで冷却後、溶媒を軽く留去したとこ
ろ、うすい褐色の高粘性の粗生成物が得られた。この粗
生成物にメタノール100mlを加え、室温で約30分間(固
まりがなくなるまで)攪拌した後、遠心分離を行い、上
澄みをデカンテーションにより除いた。同様な操作を更
に2回行った後、真空乾燥を行ったところ、3.05gの高
分子誘導体が得られた。この高分子誘導体を実施例と同
じ方法で再生セルロース膜に結合させて、これを比較例
1(試料2)とした。 なお、未処理の再生セルロース膜を比較例2(試料3)
とした。 (評価試験1) 実施例および比較例1および2を用いて、以下に示すMa
yer原法により補体価の変化を測定した。その結果を第
2表に示す。 各試料を生理食塩水中にあらかじめ浸漬し、吸着平衡状
態にする。各試料の表面の水分を軽く取り除き、1試料
20cm2の小片とし、これをプラスチック採血管に入れ、
成犬血清1mlを加える。37℃で3時間保持して活性化し
た後、補体価CH50(50%溶血法による補体価)の変化を
測定し消費率を算出した。 試 料 CH50の消費率(%) 実施例 (試料1) 13.5 比較例1(試料2) 14.2 比較例2(試料3) 35.7 第2表 第2表から本発明の医療用材料は、未処理のものと比べ
ても、血清中の補体価CH50の減少が非常に少ないことが
明らかである。 (評価試験2) 3.8%クエン酸ナトリウム(採血量に対して、1/9容)を
収容したポリプロピレン製シリンジを用いて、健常人の
静脈血を採血し、これをポリプロピレン製試験管に管壁
を伝わらせて静かに移し、800r.p.m.で5分間遠心し、
上澄みの多血小板血漿(PRP)を採取し、3.8%クエン酸
ナトリウム希釈液(乳酸リンゲルに対し1/10容)にて希
釈して血小板浮遊液を調整した。この血小板浮遊液の血
小板数は66000個/mm2であった。 この血小板浮遊液0.2mlを、実施例及び比較例1、2の
試料(1cm2)に個々にのせ、2mmの厚みをもたせ、室温
下で30分間接触させた。所定時間経過後、各試料を3.8
%クエン酸ナトリウム希釈液にて軽く洗浄し、次に2.5
%グルタールアルデヒド/乳酸リンゲル溶液中に試料を
一昼夜冷所保存して固定した。さらに、3.8%クエン酸
ナトリウム希釈液にて軽く洗浄後、エタノール系列で段
階脱水し(50%,60%,70%,80%,90%,95%,100%,100
%のそれぞれエタノール溶液中で10分間順々に処理す
る。)、風乾し、走査型電子顕微鏡(JSM−840,日本電
子製)にて観察した。評価法は、0.07mm2に付着した血
小板数とその形態変化をみた。形態変化は下記の3種に
分類した。 I型:血小板正常形態である円盤形から球状化して3〜
4本の偽足を出したもので、材料面との粘着が比較的弱
いと考えられるもの。 II型:数本以上の偽足を伸ばして、偽足の半分まで胞体
を拡げたもので、材料面に強く粘着したものと思われる
もの。 III型:偽足の長さの半分以上に薄い胞体を拡げたもの
が、ほぼ完全に胞体を拡張して類円系を呈し、材料面に
完全に粘着したと思われるもの。 試験結果を第3表に示す。 第3表から本発明の医療用材料は未処理のもの、更に脂
肪酸を固定したものと比べても抗血栓性が良好であるこ
とが明らかである。 [発明の効果] 以上、詳述したように、本発明の医療用材料は、高級ア
ルコールを用いるため、反応時の副反応及び分解が起こ
りにくいため、医療用材料として安定して作製できるば
かりでなく、高級アルコールおよび/または高級アルコ
ールマクロマーが基材に直接または重合体を介して結合
しているので、補体系の活性化を抑制し、長時間にわた
って安定した生体適合性が基材に付与される。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高級アルコールおよび/または高級アルコ
    ールマクロマーが基材に直接または重合体を介して結合
    することを特徴とする医療用材料。
  2. 【請求項2】前記高級アルコールがオレイルアルコール
    である請求項(1)に記載の医療用材料。
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