JPH0741987A - 樹脂製品の部分めっき方法 - Google Patents

樹脂製品の部分めっき方法

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JPH0741987A
JPH0741987A JP18523793A JP18523793A JPH0741987A JP H0741987 A JPH0741987 A JP H0741987A JP 18523793 A JP18523793 A JP 18523793A JP 18523793 A JP18523793 A JP 18523793A JP H0741987 A JPH0741987 A JP H0741987A
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JP
Japan
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plating
layer
plating layer
electroplating
electroless plating
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Pending
Application number
JP18523793A
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English (en)
Inventor
Mamoru Kato
守 加藤
Yasuhiko Ogisu
康彦 荻巣
Nariyuki Takahashi
成幸 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電気めっき溶液の汚染を極力防止すること及び
めっきの不必要な部分に電気めっき層が形成されること
を確実に防止することを可能とする。 【構成】断面略V字状の条溝11の底部11aを除くグ
リル本体2表面の全部分には無電解めっき層15が形成
される。次に、グリル本体2を電解剥離に供する。この
電解剥離により、めっきの不必要な部分の無電解めっき
層15は全て溶解する。また、電気めっき工程におい
て、最初に、めっきを必要とする部分の無電解めっき層
15の表面にストライクニッケルめっき層が形成され
る。その後、銅めっき工程等の各めっき工程を経ること
により、電気めっき層16が形成される。ストライクニ
ッケルめっき工程以降においては、めっきの不必要な部
分の無電解めっき層15が露出していることがないの
で、各種めっき溶液中に溶解することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂製の基材の表面の
うち、めっきを必要とする部分にのみめっき層が形成さ
れた樹脂製品の部分めっき方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、本件出願人
による特願平5−83603号において提案されたもの
がある。この技術では、例えば図15に示すように、先
ず金型成形により、段差部51に断面略V字状の条溝5
2が環状に形成されたグリル本体53を成形し、そのグ
リル本体53に無電解めっきを施す。このとき、条溝5
2の底部52aにおいては、隙間間隔が狭いため、めっ
きが施されず、これらを除く全部分には無電解めっき層
54が形成される。次に、無電解めっき層54が形成さ
れたグリル本体53を電気めっきに供する。この電気め
っき工程は、詳しくはストライクニッケルめっき工程、
銅めっき工程、ニッケルめっき工程及びクロムめっき工
程等の多段工程からなる。そして、これら一連の電気め
っき工程においては、めっきを必要としない部分に形成
された無電解めっき層54は、各工程の電気めっき液に
よって徐々に溶解されてゆく。一方、めっきを必要とす
る部分においては通電により無電解めっき層54の表面
にストライクニッケルめっき層、銅めっき層、ニッケル
めっき層及びクロムめっき層よりなる電気めっき層55
が順次形成される。このように無電解めっき層54及び
電気めっき層55よりなるめっき層56の形成された部
分を、電鋳マスク57により被覆して露出部分に向けて
塗装を施し、塗膜層58を形成する。
【0003】従って、上記の工程を経ることにより、必
要な部分にのみめっき層56が形成され、そうでない部
分にはグリル本体53上に直接塗膜層58が形成された
フロントグリルが得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術においては、上記の一連の電気めっき工程におい
て、めっきを必要としない部分に形成された無電解めっ
き層54は、各工程の電気めっき液によって徐々に溶解
されてゆくようになっていた。このため、各電気めっき
工程の全てのめっき液が無電解めっき層54を構成して
いた金属イオンにより汚染されてしまっていた。その結
果、汚染されためっき溶液を頻繁に取り替える必要性が
生じ、コストの上昇を招いていた。
【0005】また、電気めっき工程において、例えば銅
めっき層等が厚く形成された段階で、めっきを必要とし
ない箇所に未だ無電解めっき層54が残存しているよう
な場合には、せっかく条溝52により無電解めっき層5
4を分断したにもかかわらず、該銅めっき層と、条溝5
2を隔てた無電解めっき層54とが連結されてしまうお
それがあった。かかる場合には、残存した無電解めっき
層54上に電気めっき層55が形成されてしまい、結果
として所望の部分めっき製品を得ることができなかっ
た。
【0006】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、樹脂基材の表面のう
ち、めっきを必要とする部分にのみめっき層が形成され
た樹脂製品の部分めっき方法において、電気めっき溶液
の汚染を極力防止することが可能で、かつ、めっきの不
必要な部分に電気めっきが形成されることを確実に防止
することの可能な樹脂製品の部分めっき方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、樹脂製の基材の表面のうち、めっきを必
要とする部分にのみめっき層の形成された樹脂製品の部
分めっき方法であって、前記基材の表面のうち、めっき
を必要とする部分とめっきを必要としない部分との境界
線部分に、断面略V字状の条溝を環状又は環状の一部を
なすように形成する条溝形成工程と、前記基材表面の前
記条溝の底部以外の部分に無電解めっき層を形成する無
電解めっき工程と、前記無電解めっき工程を経た前記基
材に形成された前記無電解めっき層のうち、めっきの必
要な部分を電気的に導通させて、前記無電解めっき層上
のめっきの必要な部分に複数の金属めっきよりなる電気
めっき層を形成する電気めっき工程とを備え、かつ、前
記電気めっき工程における、最初の金属めっきを施す際
又はその前後段階に、めっきを必要としない部分の無電
解めっき層を電解剥離することをその要旨としている。
【0008】ここで、最初の金属めっきを施す際という
のは、最初の電気めっきを施すのと同時にという場合
と、最初の電気めっきを施した直後にという場合の両方
を含む意である。
【0009】
【作用】上記の構成によれば、条溝形成工程において、
基材の表面のうち、めっきを必要とする部分とめっきを
必要としない部分との境界線部分に、断面略V字状の条
溝が環状又は環状の一部をなすように形成される。次
に、無電解めっき工程において、基材表面には無電解め
っき層が形成される。この際、条溝の底部には、めっき
溶液が到達しないため、無電解めっき層が形成されな
い。従って、基材表面の条溝の底部以外の部分に無電解
めっき層が形成される。また、電気めっき工程において
は、基材に形成された無電解めっき層のうち、めっきの
必要な部分が電気的に導通されて、無電解めっき層上の
めっきの必要な部分に複数の金属めっきよりなる電気め
っき層が形成される。
【0010】さて、本発明によれば、電気めっき工程に
おける、最初の金属めっきを施す際又はその前後段階に
おいて、めっきを必要としない部分の無電解めっき層が
電解剥離される。このため、それより後の電気めっき工
程における金属めっき溶液中に無電解めっき層が溶解さ
れることがない。また、それより後の電気めっき工程に
おいて、めっきを必要としない部分に無電解めっき層が
露出していることはないので、めっきを必要としない部
分の無電解めっき層上に電気めっき層が形成されること
もない。
【0011】
【実施例】以下、本発明を樹脂製品としての車両用のフ
ロントグリル1に具体化した一実施例を図1〜14に基
づいて説明する。
【0012】車両の前面には、図2に示すようなフロン
トグリル1が装着されるようになっている。図2,3,
7に示すように、このフロントグリル1は、ABS樹脂
製の基材としてのフロントグリル本体(以下、グリル本
体という)2を備えているとともに、その意匠面の一
部、すなわち前面の一部に形成されためっき層3(図3
では網目状に示した部分)と、同めっき層3以外(裏側
の一部を除く)の箇所に塗布形成された塗膜層4とを有
している。より詳細に説明すると、フロントグリル1
は、正面略矩形状の枠5、該枠5内において横方向に延
びる複数の副仕切り板6、枠5内において縦方向に延び
る複数の連結板7、中央部においてマークプレート(図
示せず)を取付けるための取付プレート8及び前記枠5
から取付プレート8に向かって延びる主仕切り板9を有
している。そして、前記枠5の主として正面側部分及び
主仕切り板9の正面側部分には、前記めっき層3が形成
されている。また、副仕切り板6、取付プレート8及び
連結板7の主として正面側部分には、前記塗膜層4が形
成されている。
【0013】図4は主仕切り板9の一部(図3のα部
分)を拡大して示す正面図であり、図5は図4のA−A
線断面図である。これらの図及び図7に示すように、グ
リル本体2の正面側部分において、前記めっき層3と塗
膜層4との境界部分には、枠5及び主仕切り板9から上
下方向に突出する正面側段差部10が環状に形成されて
いる。そして、この正面側段差部10には、断面略V字
状の条溝11が環状(閉曲線状)に形成されている(図
3参照)。また、図6は枠5の裏面側の一部(図3のβ
部分)を拡大して示す裏面図である。同図に示すよう
に、グリル本体2の裏面側部分において、前記めっき層
3とめっき層3が形成されていない部分との境界部分に
は、断面略V字状の条溝13が環状に形成されている
(図3参照)。さらに、グリル本体2の裏面側部分に
は、同裏面方向(車両後部方向)へ突出する電極用突起
14が突出形成されている(図3参照)。
【0014】図7に示すように、前記めっき層3は無電
解めっき層15と、電気めっき層16とからなってい
る。本実施例において、無電解めっき層15はニッケル
により、厚さ「0.3〜0.4μm」程度に形成されて
いる。また、電気めっき層16は、銅、ニッケル及びク
ロム等の金属により厚さ「20〜50μm」程度に形成
され、多層構造をなしている。より詳しくは、電気めっ
き層16は、その下層から、ストライクニッケルめっき
層、銅めっき層、半光沢ニッケルめっき層、光沢ニッケ
ルめっき層及びクロムめっき層(いずれも図示せず)の
順よりなる各種金属めっきにより形成されている。
【0015】また、前記両条溝11,13は、それぞれ
幅Wが「0.5mm」、深さDが「0.5mm」に形成
されている。但し、幅Wは、特に限定されるものではな
いが、加工上の制限から「0.2mm」以上が好まし
く、意匠性の向上を図る意味で「1.0mm」以下が好
ましい。また、深さDについても、特に限定されるもの
ではないが、同じく加工上の制限から「0.2mm」以
上が好ましく、グリル本体2の強度上の制約から「0.
6mm」以下が好ましい。また、幅Wに対する深さDの
比(D/W)も、特に限定されるものではないが、
「1.0」以上が好ましい。
【0016】次に、上記のグリル本体2を成形するため
の金型21について説明する。図9に示すように、金型
21は、固定型22及び可動型23を備えている。そし
て、これら両型22,23によってグリル本体2を成形
するためのキャビティ24が形成されている。但し、可
動型23(又は固定型22)には、前記条溝11,13
を形成するための突起26等が一体的に形成されてい
る。
【0017】さらに、上記電気めっき層16を構成する
各金属めっきを形成する際の各種めっき溶液について説
明する。まず、電気めっき層16の最下層をなすストラ
イクニッケルめっき層を形成する際のめっき溶液は、硫
酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル30g/L及び
硼酸30g/Lを含有している。
【0018】また、銅めっき層を形成する際のめっき溶
液は、硫酸銅200g/L、硫酸50g/L、塩酸0.
01g/L及び微量の光沢剤を含有している。さらに、
半光沢ニッケルめっき層を形成する際のめっき溶液は、
硫酸ニッケル280g/L、塩化ニッケル45g/L、
硼酸40g/L及び微量の光沢剤を含有している。併せ
て、光沢ニッケルめっき層を形成する際のめっき溶液
は、硫酸ニッケル240g/L、塩化ニッケル45g/
L、硼酸30g/L並びに微量の光沢剤及び添加剤を含
有している。加えて、クロムめっき層を形成する際のめ
っき溶液は、無水クロム酸250g/L、ケイフッ化ナ
トリウム10g/L、硫酸1g/Lを含有している。
【0019】前記グリル本体2を、上記各めっき溶液の
間を移動させるに際しては、図8に示すような装置が使
用される。すなわち、同装置においては、各めっき溶液
間を跨ぐ一対のキャリヤ31,32が図の矢印方向へ移
動可能に張架されている。これらのキャリヤ31,32
は電源電極(図示せず)にそれぞれ接続されており、各
キャリヤ31,32には電流がそれぞれ流れるようにな
っているとともに、その電流の交互のオン・オフ切換が
可能となっている。また、各キャリヤ31,32には、
それぞれ導電性素材よりなるハンガー33,34が吊り
下げられている。そして、めっきが施される際におい
て、一方のハンガー33は前記グリル本体2のめっきの
不必要な部分に、他方のハンガー34はめっきの必要な
部分にそれぞれ引っ掛けられ、接触するようになってい
る。
【0020】また、本実施例では、ストライクニッケル
めっき層を形成する前段階において、めっきの不必要な
部分の無電解めっき層15を電気分解するための溶液が
準備されている。この溶液は、塩化ナトリウム50g/
L、塩化ニッケル・6水和物(NiCl2 ・6H2 O)
300g/L及び硼酸25g/Lを含有している。
【0021】次に、上記のフロントグリル1を製造する
に際しての作用及びその効果について説明する。まず、
公知の金型成形法により、前記キャビティ24内に溶融
されたABS樹脂を射出し、充填する(図9参照)。樹
脂が冷却され、固化したならば、両型22,23を開
き、グリル本体2を取り出す。このとき、両型22,2
3は、型開き方向と平行に、すなわち突起26等が抜け
る方向に開かれる。このため、突起26等によって型開
きが阻害されることはなく、グリル本体2を容易に取り
出すことができる。このようにして、所定の箇所に条溝
11,13がそれぞれ環状に形成されたグリル本体2が
得られる。
【0022】続いて、グリル本体2を無電解めっき溶液
中に浸漬し、無電解めっきを施す。このとき、グリル本
体2は前述した装置のハンガー33,34に引っ掛けら
れ、キャリヤー31,32の移動に伴って移動され、ま
ず最初に無電解めっき溶液中に浸漬される。ここで、図
10に示すように、両条溝11,13の底部11a,1
3aにおいては、隙間の間隔が狭いため、めっき溶液が
到達しない(但し、図7及び図10〜13においては、
説明の便宜上、正面側の条溝11のみについて記すが、
裏面側の条溝13についても同様のことがいえる)。従
って、これら底部11a,13aには、めっきが施され
ない。換言すれば、グリル本体2表面の底部11a,1
3aを除くすべての部分には、無電解めっき層15が形
成される。
【0023】次に、図1に示すように、無電解めっき層
15の形成されたグリル本体2を、電解剥離用の溶液中
に浸漬させる。このとき、一方のキャリヤ31には、電
源電極からの電流が流れ、その電流がハンガー33を介
してグリル本体2表面の無電解めっき層15のうちの不
必要な部分に流れる。そして、めっきの不必要な部分に
形成されていた無電解めっき層15は、その電流によっ
て電解剥離され、溶液中に溶解する。また、他方のキャ
リヤ34には、電源電極からの電流が遮断される。この
ため、前記条溝11,13を境界としてめっきの必要な
部分に形成されていた無電解めっき層15は、電解剥離
されることなくそのまま維持される。このため、上記の
電解剥離に供することにより、図11に示すように、グ
リル本体2表面のめっきの必要な部分にのみ無電解めっ
き層15が形成されることとなる。
【0024】続いて、上記のようにめっきの必要な部分
にのみ無電解めっき層15の形成されたグリル本体2
を、ストライクニッケルめっき工程、銅めっき工程、半
光沢ニッケルめっき工程、光沢ニッケルめっき工程及び
クロムめっき工程よりなる電気めっき工程に供する。す
なわち、前記キャリヤ31,32を移動させることによ
り、グリル本体2を、上記各工程用の複数種類の電気め
っき溶液に浸漬するとともに、めっきを必要とする部分
(枠5の主として正面側部分及び主仕切り板9の正面側
部分)を電気的に導通させる。つまり、前記電解剥離と
は異なる他方のキャリヤ32に逆符号の電流が流れ、一
方のキャリヤ31の電流が遮断される。このため、電源
電極からの電流がキャリヤ32及びハンガー34を介し
て前記グリル本体2の裏面側部分に突出形成された前記
電極用突起14の部分に流れることとなる。
【0025】ここで、まず、ストライクニッケルめっき
工程において、無電解めっき層15の形成されたグリル
本体2をストライクニッケルめっき層を形成するための
上記めっき溶液中に所定時間だけ浸漬させるとともに、
めっきを必要とする部分を電気的に導通させる。する
と、めっきを必要としない部分には無電解めっき層15
が存在していないため、何らのめっきも形成されない。
一方、めっきを必要とする部分においては、無電解めっ
き層15の表面に、ストライクニッケルめっき層が比較
的薄く形成される。
【0026】続いて、銅めっき工程、半光沢ニッケルめ
っき工程、光沢ニッケルめっき工程及びクロムめっき工
程において、上記と同様の操作を行う(図1参照)。こ
のとき、めっきを必要としない部分の無電解めっき層1
5は、既に上記電解剥離用の溶液中に溶解されており、
これらの時点では存在していない。このため、ストライ
クニッケルめっき工程以降の各種電気めっき工程におい
ては、各めっき溶液中に無電解めっき層15が溶解され
ることがない。その結果、各めっき溶液が汚染されるの
を未然に防止することができる。
【0027】また、めっきの不必要な部分に無電解めっ
き層15が露出されていることがないので、当然めっき
を必要としない部分の無電解めっき層15上に電気めっ
き層16が形成されることもない。そのため、めっきを
必要としない部分にめっき層3が形成されてしまった
り、条溝11,13間が短絡してしまったりするのを未
然に防止することができる。
【0028】そして、図12に示すように、上記各種工
程よりなる電気めっき工程を経ることにより、前述した
多層構造をなす電気めっき層16が形成される(図の下
側)。このようにして、めっきを必要とする部分におい
てのみ無電解めっき層15及び電気めっき層16(めっ
き層3)の形成されたグリル本体2が形成される。
【0029】その後、図13に示すように、めっき層3
の形成された部分を、電鋳マスク27により被覆する。
すなわち、この電鋳マスク27は、厚さ「数mm」の金
属製の板であって、フロントグリル1の形状に則した形
状をなしている。また、電鋳マスク27には塗膜層4を
形成するのに必要な部分だけ開口した開口部28が適宜
形成されている。この電鋳マスク27の被覆により、開
口部28からは塗膜層4を形成するのに必要な部分が露
出する。
【0030】そして、図14に示すように、その外の露
出部分に向けて、スプレー塗装を施す。この塗装によ
り、塗膜の必要な箇所には塗膜層4が形成される。一
方、電鋳マスク27により覆われた箇所には、塗膜層4
が形成されることはない。
【0031】そして、塗膜層4が形成された後、図7に
示すように、電鋳マスク27の被覆を解除することによ
り、上記のフロントグリル1が得られる。つまり、前記
枠5の主として正面側部分及び主仕切り板9の正面側部
分にめっき層3を有し、副仕切り板6、取付プレート8
及び連結板7の主として正面側部分に塗膜層4を有する
フロントグリル1が得られるのである。
【0032】以上説明したように、本実施例によれば、
上記の無電解めっき層15を形成するに際し、条溝1
1,13の底部11a,13aには、無電解めっき層1
5が形成されない。そして、電気めっき層16を形成す
るに際しては、めっきの必要な部分のみが電気的に導通
されることとなる。そのため、めっきを必要とする部分
においては、無電解めっき層15の表面に、多層構造を
なす電気めっき層16を形成することができる。
【0033】さて、本実施例によれば、電気めっき工程
における、最初の工程たるストライクニッケルめっき工
程の前段階において、めっきを必要としない部分の無電
解めっき層15が電解剥離される。このため、それ以降
の電気めっき工程におけるめっき溶液中に無電解めっき
層15が溶解されることがない。また、それ以降の電気
めっき工程において、めっきを必要としない部分に無電
解めっき層15が露出していることはないので、めっき
を必要としない部分の無電解めっき層15上に電気めっ
き層16が形成されることもない。従って、本実施例に
よれば、ストライクニッケルめっき工程以降の各種工程
におけるめっき溶液中に無電解めっき層15が溶解され
ることがないのである。そのため、各めっき溶液が汚染
されるのを未然に防止することができる。その結果、汚
染のために各めっき溶液を取替えたりする必要がなくな
り、もってコストの低減を図ることができる。
【0034】また、めっきを必要としない部分にめっき
層3が形成されてしまったり、条溝11,13間が短絡
してしまったりするのを未然に防止することができる。
さらに、本実施例では、必要な部分にのみめっき層3を
形成することができる。そのため、塗膜層4を形成する
に際し、プライマー層を介することなく、直接グリル本
体2上に塗膜層4を形成することが可能となる。その結
果、プライマー層を形成する工程が不要となるため、作
業工数の低減及びコストの低減を図ることができる。ま
た、グリル本体2全面に電気めっき層16を形成する必
要がないので、その分のコストの低減をも図ることがで
きる。
【0035】併せて、フロントグリル1においては、そ
の塗膜層4がグリル本体2上に直接形成されている。そ
のため、該部分にはめっき層3及びプライマー層が介在
されていない分だけ、その膜厚が薄く形成される。その
結果、塗膜層4部分の薄肉化を図ることができ、ひいて
は外観品質を向上させることができる。さらに、塗膜層
4及びグリル本体2は共に樹脂材料よりなるので、塗膜
層4をグリル本体2に対して強固に接合させることがで
きる。従って、フロントグリル1の塗膜層4部分におけ
る耐久性能の向上を図ることができる。
【0036】加えて、本実施例では、前記正面側の条溝
11が、塗膜層4とめっき層3との境界部となる。この
ため、境界部の見切り部分が、ジグザグ状ではなく鮮明
に形成される。その結果、見切り線をくっきりと明瞭な
ものとすることができ、ひいては外観品質のさらなる向
上を図ることができる。
【0037】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一部
を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施例では、電気めっき工程の最初のめっき
工程であるストライクニッケルめっき工程の前段階に電
解剥離を行う場合に具体化したが、ストライクニッケル
めっき工程と同時に電解剥離を行う場合に、或いは、同
工程の直後に電解剥離を行う場合に具体化してもよい。
これらの場合には、ストライクニッケルめっき工程にお
けるめっき溶液は汚染されるが、それ以外は前述の実施
例とほぼ同等の効果を奏する。また、ストライクニッケ
ルめっき工程と銅めっき工程との間に電解剥離を行って
もよい。
【0038】(2)前記実施例では、電気めっき工程を
ストライクニッケルめっき工程をはじめとした5つの工
程より構成し、複数の金属めっきよりなる電気めっき層
16を形成するようにしたが、上記電気めっき工程は複
数の工程よりなっていれば、その順序、工程数、めっき
の種類等は特に制限されるものではない。従って、例え
ば、ストライクニッケルめっき工程を省略したり、めっ
き工程の順序を入れ換えたり、或いは別のめっき工程を
導入したりすることも可能である。
【0039】(3)前記実施例では、本発明を車両用の
フロントグリル1に具体化したが、その外にも、車両用
のドアミラーブラケット用アウタカバー、バックパネ
ル、ルーバ、ピラーガーニッシュ、クォータベント、マ
ークプレート等に具体化してもよい。また、上記の樹脂
製品に限定されず、部分的にめっき層を有するその他の
樹脂製品に本発明を具体化してもよい。
【0040】(4)前記実施例では、基材を構成する樹
脂素材をABS樹脂により構成するようにしたが、その
外にも例えばポリプロピレン、ポリフェニレンオキサイ
ド、ポリアミド、ポリスルフォン、ポリエステル等の各
種樹脂素材を用いてもよい。
【0041】(5)前記実施例では、無電解めっき層1
5をニッケルにより形成したが、その外にも銅等により
形成してもよい。 (6)前記実施例では、金型21により、条溝11,1
3を形成するようにしたが、各条溝を、NCカッター、
超音波カッター等により、後加工により形成してもよ
い。
【0042】(7)前記実施例で述べた各めっき溶液の
組成は上記のものに何ら限定されるものではない。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
樹脂基材の表面のうち、めっきを必要とする部分にのみ
めっき層が形成された樹脂製品の部分めっき方法におい
て、電気めっき溶液の汚染を極力防止することができ、
しかも、めっきの不必要な部分に電気めっきが形成され
ることを確実に防止することができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施例において、無電解
めっき工程及び電気めっき工程の各工程の順序を示す工
程図である。
【図2】一実施例におけるフロントグリルを示す正面図
である。
【図3】一実施例において、フロントグリルのめっきが
施された部分を示す図であって、フロントグリルを正面
及び裏面に展開した模式図である。
【図4】一実施例において、フロントグリルの主仕切り
板の一部を拡大して示す正面図である。
【図5】一実施例における図4のA−A線断面図であ
る。
【図6】一実施例において、フロントグリルの枠の一部
を拡大して示す裏面図である。
【図7】一実施例において、図5の要部を拡大して示す
断面図である。
【図8】一実施例において各種めっき工程で用いられる
キャリヤ等を示す斜視図である。
【図9】一実施例において、グリル本体を成形するため
の金型の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】一実施例において、グリル本体に無電解めっ
きを施した状態を示す部分断面図である。
【図11】一実施例において、電解剥離によりめっきの
不必要な部分の無電解めっきを溶解した状態を示すグリ
ル本体の部分断面図である。
【図12】一実施例において、無電解めっき層の形成さ
れたグリル本体に電気めっきを施した状態を示す部分断
面図である。
【図13】一実施例において、グリル本体のめっき層の
形成された部分に電鋳マスクを被覆した状態を示す部分
断面図である。
【図14】一実施例において、グリル本体のめっき層の
形成されていない部分に塗膜層を形成した状態を示す部
分断面図である。
【図15】従来技術におけるフロントグリルの条溝付近
を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのフロントグリル、2…基材として
のグリル本体、3…めっき層、11,13…条溝、11
a,13a…底部、15…無電解めっき層、16…電気
めっき層。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の基材(2)の表面のうち、めっ
    きを必要とする部分にのみめっき層(3)の形成された
    樹脂製品の部分めっき方法であって、 前記基材(2)の表面のうち、めっきを必要とする部分
    とめっきを必要としない部分との境界線部分に、断面略
    V字状の条溝(11,13)を環状又は環状の一部をな
    すように形成する条溝形成工程と、 前記基材(2)表面の前記条溝(11,13)の底部
    (11a,13a)以外の部分に無電解めっき層(1
    5)を形成する無電解めっき工程と、 前記無電解めっき工程を経た前記基材(2)に形成され
    た前記無電解めっき層(15)のうち、めっきの必要な
    部分を電気的に導通させて、前記無電解めっき層(1
    5)上のめっきの必要な部分に複数の金属めっきよりな
    る電気めっき層(16)を形成する電気めっき工程とを
    備え、かつ、前記電気めっき工程における、最初の金属
    めっきを施す際又はその前後段階に、めっきを必要とし
    ない部分の無電解めっき層(15)を電解剥離すること
    を特徴とする樹脂製品の部分めっき方法。
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