JPH1121696A - 部分めっきの施された樹脂製品及びその製造方法 - Google Patents

部分めっきの施された樹脂製品及びその製造方法

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JPH1121696A
JPH1121696A JP18138597A JP18138597A JPH1121696A JP H1121696 A JPH1121696 A JP H1121696A JP 18138597 A JP18138597 A JP 18138597A JP 18138597 A JP18138597 A JP 18138597A JP H1121696 A JPH1121696 A JP H1121696A
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JP
Japan
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plating
layer
electroplating
groove
electroless plating
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Application number
JP18138597A
Other languages
English (en)
Inventor
Yorio Shimoda
頼雄 霜田
Yoshiji Suzuki
佳司 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】部分めっきの施された樹脂製品を得るに際し、
外観品質の向上、製造コストの低減、製品形状及びめっ
き形状の自由度の増大、金型の簡素化を図る。 【解決手段】簡素な構成よりなる金型を用いて、ABS
樹脂製のプレート本体3を成形する。次に、めっきの必
要な部分と不要な部分との境界部分にレーザー加工を施
すことにより、断面略V字状の条溝6を環状に形成す
る。その後、エッチング加工を施し、触媒核を付与す
る。条溝6に対応する部分にはエッチング痕16が形成
されず、触媒核も付与されない。そして、無電解めっき
を施すことにより条溝6を除くプレート本体3の表面
に、無電解めっき層7を形成する。また、電気めっきを
施すことにより電気めっき層8を形成する。そして、め
っき層4の形成された部分を電鋳マスクで被覆し、スプ
レー塗装を施し塗膜層5を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂製の基材の表
面のうち、めっきを必要とする部分にのみ部分的にめっ
きが施された樹脂製品及びその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の技術として、2つの技術
が知られている。第1の技術は、樹脂製の基材の表面の
うち、めっきを必要とする部分と、めっきを必要としな
い部分との境界線部分に、環状又は環状の一部をなすよ
うにレジスト塗装を施すものである。この技術において
は、前記基材表面に、まず無電解めっきが施される。こ
のとき、レジスト塗膜層上には、無電解めっき層は形成
されない。換言すれば、レジスト塗膜層を除くすべての
部分には、無電解めっき層が形成される。
【0003】次に、無電解めっき層の形成された基材を
電気めっきに供する。すなわち、同基材を、所定の電気
めっき液に浸漬し、めっきを必要とする部分を電気的に
導通させる。すると、めっきを必要としない部分に形成
された無電解めっき層は、電気めっき液等によって溶解
される。また、めっきを必要とする部分においては、無
電解めっき層の表面に、電気めっき層が形成される。こ
のようにして、基材上には、めっきを必要とする部分に
おいてのみ、無電解めっき層及び電気めっき層が形成さ
れる。つまり、上記工程を経ることにより、いわゆる部
分めっきの施された樹脂製品が得られるのである。
【0004】ところが、上記レジスト塗装を施す技術に
おいては、レジスト塗装工程が別途必要になるため、作
業工数の増大を招いていた。また、電気めっき工程にお
いて、非めっき部分の電気的導通を完全に遮断すること
が困難であり、めっきむらが生じやすいという問題があ
った。また、めっき部分と非めっき部分との境界部分の
見切りがはっきりとせず、外観品質の向上を図ることが
困難であった。
【0005】また、第2の技術は、例えば特開昭55−
152195号公報及び特開昭52−50937号公報
等において提案されたものである。すなわち、上記レジ
スト塗装に代えて、環状又は環状の一部をなすように断
面略V字状の条溝を形成するものである。かかる技術に
おいては、断面略V字状の条溝は、金型を用いた基材成
形時において、同時に形成されるものであるため、工程
数の増大を招くこともない。また、めっき部分と非めっ
き部分との境界部分の見切りがはっきりとしており、外
観品質の向上を図ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
2の従来技術においては、断面略V字状の条溝を金型に
より形成していたため、次に記すような問題があった。
すなわち、図3(b)に示すように、金型51の成形面
に対し、条溝に対応する微細かつ精度の高い凸条55を
形成しなければならず、金型加工が非常に困難であり、
金型51に要するコストの増大を招いていた。また、か
かる凸条55は、使用により摩耗するものであるため、
耐久性の面でも問題があった。さらに、同一形状の基材
に対し、異なっためっき部分を形成ようとした場合に
は、複数の金型を用いなければならなず、汎用性に乏し
いものとなっていた。
【0007】併せて、同図に示すように、金型51のパ
ーティングラインとの関係で、条溝に対応する部分がア
ンダーカット形状になる場合には、固定型52及び可動
型53に加えて、スライド型56,57等を別途用いる
必要があった。その結果、金型51の複雑化を招いた
り、形状の自由度が少ないものとなってしまうといった
問題があった。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、部分めっきの施された
樹脂製品を得るに際し、外観品質の向上を図ることがで
き、製造コストの低減、製品形状及びめっき形状の自由
度の増大、並びに基材成形用の金型の簡素化を図ること
のできる部分めっきの施された樹脂製品及びその製造方
法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明においては、樹脂製の基材の
表面のうち、めっきを必要とする部分とめっきを必要と
しない部分との境界線部分に、条溝を、環状をなすよう
に形成し、前記基材に無電解めっきを施した後、めっき
を必要とする部分に電気めっきを施すことにより、前記
基材の表面のうち、めっきを必要とする部分にのみめっ
き層を形成した樹脂製品であって、前記条溝は、レーザ
ー加工により形成されたものであることをその要旨とし
ている。
【0010】また、請求項2に記載の発明では、樹脂製
の基材の表面のうち、めっきを必要とする部分とめっき
を必要としない部分との境界線部分に、環状をなすよう
にレーザー加工により条溝を形成する条溝形成工程と、
前記基材の表面の前記条溝を除く部分にエッチングを施
すエッチング工程と、前記エッチングの施された部位に
触媒核を付与する触媒核付与工程と、前記基材の表面の
前記条溝を除く部分に無電解めっき層を形成する無電解
めっき工程と、前記無電解めっき工程を経た前記基材に
形成された前記無電解めっき層のうち、めっきの必要な
部分を電気的に導通させて、前記無電解めっき層上のめ
っきの必要な部分に電気めっき層を形成する電気めっき
工程とを備えた部分めっきの施された樹脂製品の製造方
法をその要旨としている。
【0011】さらに、請求項3に記載の発明では、請求
項2に記載の部分めっきの施された樹脂製品の製造方法
において、前記電気めっき工程の後に、電気めっき層の
形成された部位をマスクにて被覆し、露出部分に対し、
塗装を施す塗装工程を設けたことをその要旨としてい
る。
【0012】併せて、請求項4に記載の発明では、請求
項2又は3に記載の部分めっきの施された樹脂製品の製
造方法において、前記条溝の深さは、0.5mm以上で
あることをその要旨としている。
【0013】(作用)上記各発明によれば、樹脂製の基
材の表面のうち、めっきを必要とする部分とめっきを必
要としない部分との境界線部分に、環状又は環状の一部
をなすようにレーザー加工により条溝が形成される。
【0014】このようにレーザー加工により条溝が形成
されることで、単に形状的に溝が形成されるのみなら
ず、条溝の表面部分は、化学的に分解している。このた
め、その後のエッチング工程においても、条溝に対応す
る基材表面は浸食されにくく、触媒核も形成されにくい
ものとなる。そのため、当該条溝には、無電解めっき層
は形成されない。つまり、基材表面の条溝を除く部分に
は、無電解めっき層が形成されることとなる。
【0015】そして、その後の電気めっき工程において
は、めっき溶液等により、めっきを必要としない部分に
おける無電解めっきが溶解される。また、これととも
に、めっきを必要とする部分にのみ、無電解めっきの施
された上から電気めっきが施される。これにより、めっ
きの必要な部分にのみめっき層が形成された樹脂製品が
得られる。
【0016】さて、本発明によれば、金型成形時に条溝
を形成していた従来技術と同様、条溝がめっき部分と非
めっき部分との境界部分となり、該境界部分の見切りが
はっきりとしたものとなる。なお、特に、請求項4に記
載の発明によれば、条溝の深さが0.5mm以上である
ため、上記作用がより確実に奏される。
【0017】さらに、各発明では、条溝は、金型により
形成されるものではないため、金型に対し、条溝を形成
するための凸条を設ける必要がない。そのため、金型の
加工が容易になり、その分簡素なものとなる。また、凸
条の摩耗を懸念する必要もない。さらに、金型とは無関
係に、任意の部位に条溝を形成することが可能となる。
【0018】併せて、請求項3に記載の発明によれば、
電気めっき工程の後に、電気めっき層の形成された部位
がマスクにて被覆され、露出部分に対し、塗装が施され
る。従って、塗装部分とめっき層部分との見切り外観が
さらに向上する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した一実施
の形態を図面に基づいて説明する。図1,2に示すよう
に、樹脂製品としてのプレート1は円板状をなし、その
正面側(図2の左側面)には、凹部2が形成されてい
る。本実施の形態におけるプレート1は、ABS樹脂製
の基材としてのプレート本体3と、部分的に形成された
めっき層4と、プレート本体3の表面において、前記め
っき層4を除く部位に形成された塗膜層5(図2におい
て網目模様を付した部分)とから構成されている。すな
わち、前記プレート1の側面には、断面略V字状をなす
条溝6が環状に形成されている。この条溝6により囲ま
れた部分に前記めっき層4が形成されているのである。
【0020】図1に示すように、前記めっき層4は、無
電解めっき層7と、電気めっき層8とからなっている。
本実施の形態において、無電解めっき層7はニッケルに
より、厚さ「0.3〜0.4μm」程度に形成されてい
る。また、電気めっき層8は、銅、ニッケル及びクロム
の3種類の金属により厚さ「20〜50μm」程度に形
成され、例えばニッケルよりなるストライクめっき層、
銅めっき層、半光沢ニッケルめっき層、光沢ニッケルめ
っき層及びクロムめっき層(いずれも図示せず)の順よ
りなる各種金属により形成されている。
【0021】また、無電解めっき層7を構成する際のめ
っき溶液について説明すると、無電解めっき溶液は、硫
酸ニッケル26g/L、エチレンジアミン90g/L、
次亜リン酸ナトリウム11g/L等を含有している。
【0022】さらに、上記電気めっき層8を構成する各
金属めっきを形成する際の各種めっき溶液について説明
すると、前記ストライクめっき層を形成する際のめっき
溶液は、硫酸ニッケル250g/L、塩化ニッケル30
g/L及び硼酸30g/Lを含有している。銅めっき層
を形成する際のめっき溶液は、硫酸銅200g/L、硫
酸50g/L、塩酸0.01g/L及び微量の光沢剤を
含有している。さらに、半光沢ニッケルめっき層を形成
する際のめっき溶液は、硫酸ニッケル280g/L、塩
化ニッケル45g/L、硼酸40g/L及び微量の光沢
剤を含有している。併せて、光沢ニッケルめっき層を形
成する際のめっき溶液は、硫酸ニッケル240g/L、
塩化ニッケル45g/L、硼酸30g/L並びに微量の
光沢剤及び添加剤を含有している。加えて、クロムめっ
き層を形成する際のめっき溶液は、無水クロム酸250
g/L、ケイフッ化ナトリウム10g/L、硫酸1g/
Lを含有している。
【0023】さらに、前記条溝6のサイズについては、
例えば幅Wが「0.7mm」、深さDが「1.2mm」
に形成されている。但し、幅Wは、特に限定されるもの
ではないが、加工上の制限から「0.3mm」以上が好
ましく、意匠性の向上を図る意味で「1.0mm」以下
が好ましい。また、深さDについては、「0.5mm」
以上である必要がある。さらに、深さDについては、
「0.9mm」以上であることがより好ましく、「1.
2mm」以上がなお一層好ましい。本実施の形態におい
て、条溝6は、レーザー加工により形成されている。
【0024】次に、上記のように構成されてなるプレー
ト1の製造方法について説明する。まず、プレート本体
3の成形に際しては、図3(a)に示すような金型11
が用いられる。すなわち、金型11は、固定型12及び
該固定型12に対し接離可能に設けられた可動型13を
備えており、これら両型12,13の成形面によりプレ
ート本体3を形成するためのキャビティ14が構成され
ている。ここで、参考のために再度従来の金型51につ
いて説明すると、図3(b)に示すように、従来の金型
51は、固定型52及び可動型53を備えているととも
に、スライド型56,57をも有していた。これは、条
溝を基材の成形と同時に作製する必要があったため、条
溝に対応する凸条55を金型51に一体的に形成する必
要があるが、凸条55がアンダーカット形状になってお
り、構成上1つの固定型52及び1つの可動型53のみ
では構成できなかったためである。このように、本実施
の形態では、金型11は、その構成において、非常に簡
素なものとなっている。
【0025】そして、公知の射出成形法により、前記キ
ャビティ14内に、溶融されたABS樹脂を射出し、充
填する。樹脂が冷却され、固化されたならば、両型1
2,13を開き、プレート本体3を取り出す。このよう
にして、図4に示すように、正面側のほぼ中央に凹部2
の形成されたプレート本体3が得られる。
【0026】続いて、上記のプレート本体3に対しレー
ザー加工を施す。すなわち、図5に示すように、めっき
層4と、塗膜層5との境界部分にレーザー加工装置(例
えば株式会社精電舎製)15を用いて、所定の走査速度
(例えば1m/分)、所定の出力(例えば25W)でも
ってレーザー光線を照射する。すると、レーザー光線が
照射された部位は、断面略V字状に抉られるとともに、
ABS樹脂が化学分解を起こす。より詳しくは、ABS
樹脂のブタジエン成分の2重結合が解裂分解し、分子量
低下が起こる。そして、このようなレーザー加工を施す
ことにより、プレート本体3の側面には、上述した断面
略V字状の条溝6が環状に形成される。
【0027】次に、条溝6の形成されたプレート本体3
に、エッチング加工を施す。すなわち、酸、アルカリ脱
脂後、クロム酸400g/L、硫酸200ml/Lを含
有してなるエッチング溶液(約70℃)に7〜15分間
浸漬する。これにより、図6に示すように、プレート本
体3の表面の前記条溝6を除く部分に無数のエッチング
痕16が形成される。ここで、条溝6にエッチング痕1
6が形成されないのは、条溝6内にエッチング溶液が浸
入しにくいこと、及び、上記化学的な変化により、条溝
6の部分はエッチング溶液に侵されにくくなっているこ
と等が考えられる。
【0028】さらに、上記エッチング工程を経たプレー
ト本体3を中和処理した後、キャタリスト工程へ供す
る。ここで、キャタリスト工程とは、上記エッチング痕
16に無電解めっき用の触媒核17を付与する工程であ
る。本実施の形態では、塩化パラジウム0.2g/L、
塩化第一錫50g/L、錫酸ソーダ5g/L、塩酸35
0ml/Lを含有してなるキャタリスト液(約30℃)
中に、プレート本体3が1〜5分浸漬される。これによ
り、図7に示すように、前記エッチング痕16には、触
媒核17が付与される。
【0029】次いで、エッチング痕16に触媒核17が
付与されたプレート本体3を無電解めっき溶液中に浸漬
し、無電解めっきを施す。このとき、図8に示すよう
に、条溝6に対応する部分のプレート本体3の表面にお
いては、エッチングが施されず、かつ、触媒核17も付
与されないため、めっきは成長せず、無電解めっき層7
は形成されない。換言すれば、プレート本体3表面の条
溝6が形成された部分を除くすべての部分には、無電解
めっき層7が形成される。
【0030】さらに、図9に示すように、無電解めっき
層7の形成されたプレート本体3を電気めっきに供す
る。より詳しく説明すると、この電気めっき工程は、ス
トライクめっき工程、銅めっき工程、半光沢ニッケルめ
っき工程、光沢ニッケルめっき工程及びクロムめっき工
程等の複数の工程よりなる。すなわち、同プレート本体
3を、前述した所定の各電気めっき溶液に複数回浸漬す
るとともに、そのめっき溶液中においてめっきを必要と
する部分を電気的に導通させる。
【0031】すると、めっきを必要としない部分に形成
された無電解めっき層7は、電気めっき溶液によって溶
解される(図9の右側)。また、めっきを必要とする部
分においては、無電解めっき層7の表面に、前述した多
層構造をなす電気めっき層8が形成される。このように
して、めっきを必要とする部分においてのみ無電解めっ
き層7及び電気めっき層8(めっき層4)の形成された
プレート本体3が得られる。
【0032】その後、図10に示すように、めっき層4
の形成された部分を、電鋳マスク18で被覆する。この
電鋳マスク18で被覆されない部分は露出しており、該
露出部分に向けて、スプレー塗装を施す。この塗装によ
り、塗膜の必要な箇所には塗膜層5が形成される。な
お、図中、無電解めっき層7、電気めっき層8、塗膜層
5、条溝6、エッチング痕16等については、説明の便
宜上、実際よりも大きく描かれているものもある。
【0033】そして、塗膜層5が形成された後、電鋳マ
スク18の被覆を解除することにより、図2に示すよう
な最終的な樹脂製品たるプレート1が得られる。次に、
本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0034】・本実施の形態によれば、樹脂製のプレー
ト本体3の表面のうち、めっきを必要とする部分とめっ
きを必要としない部分との境界線部分に、環状の条溝6
がレーザー加工により形成される。このようにレーザー
加工により条溝6が形成されることで、単に形状的に溝
が形成されるのみならず、条溝6の表面部分は、化学的
に分解している。このため、その後、当該部分は、エッ
チングが施されず、触媒核も付与されず、そのため、無
電解めっき層7は形成されない。従って、その後の電気
めっき工程において、めっき溶液により、めっきを必要
としない部分における無電解めっき層7が溶解され、こ
れとともに、めっきを必要とする部分にのみ、電気めっ
き層8が形成される。そのため、めっきの必要な部分に
のみ、部分的にめっきを施すことができる。
【0035】・また、本実施の形態によれば、金型成形
時に条溝を形成していた従来技術と同様、条溝6がめっ
き部分と非めっき部分との境界部分となり、該境界部分
の見切りがはっきりとしたものとなる。特に、本実施の
形態によれば、条溝6の深さが「1.2mm」と比較的
深いため、上記作用効果がより確実に奏される。
【0036】・加えて、本実施の形態によれば、電気め
っき工程の後に、電気めっき層8の形成された部位が電
鋳マスク18で被覆され、露出部分に対し、塗装が施さ
れる。従って、塗膜層5とめっき層4との境界部分の見
切り外観の向上を図ることができる。
【0037】・さらに、本実施の形態では、条溝6は、
金型により形成されるものではないため、金型11に対
し、条溝6を形成するための凸条を設ける必要がない。
そのため、金型11の加工が容易になり、その分簡素化
を図ることができる。また、従来凸条を形成することに
より必要となっていたスライド金型等も不要となること
から、かかる点でも金型11の簡素化を図ることができ
る。その結果、コストの飛躍的な低減を図ることができ
る。
【0038】・また、凸条の摩耗を懸念する必要もな
い。その結果、金型11の耐久性の向上をも図ることが
できる。 ・併せて、金型11とは無関係に、レーザー加工により
任意の部位に条溝6を形成することができる。その結
果、製品形状及びめっき形状の自由度の増大を図ること
ができる。
【0039】尚、本発明は前記実施の形態に限定される
ものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成の一
部を適宜に変更して次のように実施することもできる。 (1)前記実施の形態では、円板状のプレート1に本発
明を具体化したが、例えば、車両用のフロントグリル、
ドアミラーブラケット用アウタカバー、車両用のバック
パネル、車両用のルーバ、車両用のピラーガーニッシ
ュ、車両用のクォータベント、マークプレート等に具体
化してもよい。また、上記の樹脂製品に限定されるもの
ではなく、部分的にめっき層を有するその他の樹脂製品
に本発明を具体化してもよい。
【0040】また、塗膜層を有しないものに具体化して
もよい。 (2)前記実施の形態では、基材を構成する樹脂素材と
して、ABS樹脂を採用したが、その外にも例えばポリ
プロピレン、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、
ポリスルフォン、ポリエステル等の各種樹脂素材を用い
てもよい。
【0041】(3)前記実施の形態では、無電解めっき
層7をニッケルにより形成したが、その外にも銅等によ
り形成してもよい。また、前記実施の形態では、電気め
っき層8を、銅、ニッケル及びクロムの3種類の金属に
より、多層構造をなすように形成したが、これら以外の
金属を用いてもよいし、また、多層構造としない場合に
具体化してもよい。
【0042】(4)前記実施の形態において、ストライ
クめっき層を形成する前段階において、所定の溶液(例
えばアンモニア水溶液等)を用いて、めっきの不必要な
部分の無電解めっき層7を溶解するようにしてもよい。
この場合には、その後の電気めっき工程において、めっ
き溶液中に不要な無電解めっき層7が溶解することが防
止され、該めっき溶液の汚染を未然に防止することがで
きる。
【0043】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の部分めっ
きの施された樹脂製品及びその製造方法によれば、部分
めっきの施された樹脂製品を得るに際し、外観品質の向
上を図ることができ、製造コストの低減、製品形状及び
めっき形状の自由度の増大、並びに基材成形用の金型の
簡素化を図ることができるという従来にはない優れた効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を具体化した一実施の形態における部分
めっきの施されたプレートの拡大断面図であって、図2
のA−A線断面図。
【図2】プレートを示す斜視図。
【図3】(a)は本実施の形態の金型を示す断面図であ
り、(b)は従来技術における金型を示す断面図。
【図4】プレート本体を示す斜視図。
【図5】プレート本体にレーザー加工を施している状態
を示す斜視図。
【図6】プレート本体をエッチング加工した状態を示す
拡大断面図。
【図7】触媒核を付与した状態を示す拡大断面図。
【図8】無電解めっきを施した状態を示す拡大断面図。
【図9】電気めっきを施した状態を示す拡大断面図。
【図10】塗装を施した状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1…樹脂製品としてのプレート、3…基材としてのプレ
ート本体、4…めっき層、5…塗膜層、6…条溝、7…
無電解めっき層、8…電気めっき層、11…金型、15
…レーザー加工装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂製の基材の表面のうち、めっきを必
    要とする部分とめっきを必要としない部分との境界線部
    分に、条溝を、環状をなすように形成し、前記基材に無
    電解めっきを施した後、めっきを必要とする部分に電気
    めっきを施すことにより、前記基材の表面のうち、めっ
    きを必要とする部分にのみめっき層を形成した樹脂製品
    であって、 前記条溝は、レーザー加工により形成されたものである
    ことを特徴とする部分めっきの施された樹脂製品。
  2. 【請求項2】 樹脂製の基材の表面のうち、めっきを必
    要とする部分とめっきを必要としない部分との境界線部
    分に、環状をなすようにレーザー加工により条溝を形成
    する条溝形成工程と、 前記基材の表面の前記条溝を除く部分にエッチングを施
    すエッチング工程と、 前記エッチングの施された部位に触媒核を付与する触媒
    核付与工程と、 前記基材の表面の前記条溝を除く部分に無電解めっき層
    を形成する無電解めっき工程と、 前記無電解めっき工程を経た前記基材に形成された前記
    無電解めっき層のうち、めっきの必要な部分を電気的に
    導通させて、前記無電解めっき層上のめっきの必要な部
    分に電気めっき層を形成する電気めっき工程とを備えた
    ことを特徴とする部分めっきの施された樹脂製品の製造
    方法。
  3. 【請求項3】 前記電気めっき工程の後に、電気めっき
    層の形成された部位をマスクにて被覆し、露出部分に対
    し、塗装を施す塗装工程を設けたことを特徴とする請求
    項2に記載の部分めっきの施された樹脂製品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記条溝の深さは、0.5mm以上であ
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の部分めっき
    の施された樹脂製品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101121388B1 (ko) * 2008-12-22 2012-03-09 윤숙규 부분도금제품의 제조방법 및 이에 의해 제조된 부분도금제품
WO2015108247A1 (ko) * 2014-01-20 2015-07-23 주식회사 부광피엘 합성수지제품 도금 방법
JP2016165831A (ja) * 2015-03-09 2016-09-15 トリニティ工業株式会社 加飾部品の製造方法、レーザ加飾装置

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