JPH0755860B2 - 炭素質無機材料 - Google Patents

炭素質無機材料

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JPH0755860B2
JPH0755860B2 JP1041545A JP4154589A JPH0755860B2 JP H0755860 B2 JPH0755860 B2 JP H0755860B2 JP 1041545 A JP1041545 A JP 1041545A JP 4154589 A JP4154589 A JP 4154589A JP H0755860 B2 JPH0755860 B2 JP H0755860B2
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武民 山村
純一 釘本
敏弘 石川
泰広 塩路
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は機械的強度、耐熱性及び耐摩耗性に優れた炭素
質無機材料に関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 従来より炭素材料は、非酸化性雰囲気下での高温特性、
低い熱膨張係数、耐薬品性、耐候性、耐放射線性、潤滑
性に優れ、かつ、電気伝導性、熱伝導性の制御も容易で
あり、高温構造材料、摩擦材料等として使用されてい
る。
しかし、炭素材料は耐酸化性が低いため酸化性雰囲気中
で高温で使用することは出来ない。また、潤滑性に優れ
ているものの、表面硬度が低いため耐摩耗性はかならず
しも充分なものではなかった。
これらの欠点を改良するため、気相反応法等により、炭
素材料の表面にセラミック等の皮膜層を形成させる方法
が考案されている。しかし、この方法は、皮膜層が薄
く、かつ、剥離し易いため、充分に上記欠点を克服でき
るものではなく、また、特殊な装置を必要とするためコ
ストが高くなる欠点を有していた。
さらに、特開昭60−195076号公報、特開昭60−251175号
公報には、炭素材料に溶融珪素を含浸、反応させ表面及
び内部に炭化珪素を生成させることにより前記欠点を改
善する方法が開示されている。また、特開昭60−255669
号公報には、珪素と共に、チタン又はジルコニウムを含
浸、反応させることにより、炭素材料の内部に炭化珪素
に加え、炭化チタン又は炭化ジルコニウムを生成させる
ことにより前記欠点を改善する方法が開示されている。
しかし、これらの方法で得られた炭素材料は、その成形
体内に金属珪素が残存するため、高温でのクリープ変形
等高温特性が著しく低下し、また、機械的特性もかなら
ずしも優れたものではなかった。
(問題を解決するための手段) 本発明の目的は、上記問題点を解決した新規な炭素質無
機材料の提供にある。
本発明の他の目的は、高温酸化性雰囲気下で劣化の少な
い、耐酸化性炭素質無機材料の提供にある。
本発明の他の目的は、耐摩耗性に優れた炭素質無機材料
の提供にある。
本発明の他の目的は、低温下で製造可能な炭素質無機材
料の提供にある。
本発明の炭素質無機材料は、金属含有多環状芳香族重合
体から得られる無機材料であって、その構成成分は、 i)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
芳香族化合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素
と非晶質炭素、 ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
非晶質炭素、及び iii)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質物
質、及び/又は 実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの固溶体及びMC
1−xからなる粒径が500Å以下の結晶超微粒子と、非
晶質のSiO及びMOとの集合体であり、 構成元素の割合がSi;5〜60重量%、M;0.5〜45重量%、
C;30〜40重量%及びO;0.01〜30重量%であるSi−M−C
−O物質(上記式中、MはTi、Zr及びHfから選択される
少なくとも一種の元素であり、0<x<1、0<y≦
2、0<z≦2である。) よりなる。
以下の説明における「部」は全て重量部であり、「%」
は「重量%」である。
本発明の炭素質無機材料は上記の構成成分i)、ii)及
びiii)からなっており、Si;0.5〜50%、M;0.01〜10
%、C;40〜97%及びO;0.1〜10%から実質的に構成され
ている。
この炭素質無機材料の構成成分である結晶質炭素は500
Å以下の結晶子サイズを有し、1.5Åの分解能を有する
高分解能電子顕微鏡において、繊維軸方向に配向した3.
2Åの(002)面に相当する微細なラティスイメージ像が
観察されうる超微粒子のグラファイト結晶である。
また、構成成分iii)は、このグラファイト微結晶を包
み込むようにして、非常に均一に分布している。
この炭素質無機材料における構成成分i)及びii)の総
和100部に対する構成成分iii)の割合は0.5〜500部であ
り、且つ構成成分i)、ii)の比率は1:0.02〜4であ
る。
構成成分i)及びii)の総和100部に対する構成成分ii
i)の割合が0.5未満の場合は、炭素質無機材料は、ほと
んど炭素マトリックスと変わらず、耐酸化性や耐磨耗性
の向上は望めず、上記割合が500部を越えた場合は、炭
素質無機材料は、炭化珪素マトリックスと変わらず、高
温特性、潤滑性の乏しいものである。
本発明の炭素質無機材料は、 1)結合単位(Si−CH2)、又は結合単位(Si−CH2)と
結合単位(Si−Si)とから主としてなり、珪素の側鎖に
水素原子、低級アルキル基、フェニル基あるいはシリル
基を有し、上記結合単位から主骨格の珪素原子に、M
が、直接又は酸素原子を介して、珪素原子の少なくとも
一部と結合している遷移金属含有有機珪素重合体の珪素
原子の少なくとも一部が、石油系又は石炭系のピッチあ
るいはその熱処理物より得られた多環状芳香族化合物の
芳香族環の炭素と珪素−炭素連結基を介して結合したラ
ンダム共重合体及び、2)石油系又は石炭系のピッチか
ら得られる、メソフェーズ又はメソフェーズと光学的等
方相との両相からなる多環状芳香族化合物(以下、両者
を総称して「メソフェーズ多環状芳香族重合体」と言う
ことがある。)とを、 200〜500℃の範囲の温度で加熱反応及び/又は加熱溶融
して金属含有多環状芳香族重合体を得る第1工程、 金属含有多環状芳香族重合体、又は金属含有多環状芳香
族重合体とその仮焼物微粉末との混合粉末を金型プレ
ス、等方静水圧プレス、ホットプレス等、通常の方法を
用い成形する第2工程、 上記成形体を必要により不融化処理を行った後、真空中
あるいは不活性ガス中で800〜3000℃の温度で焼成し、
無機化する第3工程、 上記工程により得られた炭素質無機材料の空孔に必要に
より金属含有多環状芳香族重合体の融液、又は溶液を含
浸させ、焼成し、無機化する処理を繰り返し行うことに
より高密度化する第4工程よりなる製造方法により提供
される。
なお、高温ホットプレス等により上記第2〜第4工程を
一つの工程として製造することも可能である。
上記各工程について具体的に説明する。
第1工程: 有機珪素重合体とピッチを、不活性ガス中で、好ましく
は250〜500℃の範囲の温度で加熱反応させることにより
前駆重合体1)が調製される。
前駆重合体1)の出発原料の一つである有機珪素重合体
は、例えば、ジメチルジクロロシランと金属ナトリウム
の反応により得られるポリメチルシランを不活性ガス中
で400℃以上に加熱することにより得られる。上記有機
珪素重合体は、結合単位(Si−CH2)、又は結合単位(S
i−CH2)と結合単位(Si−Si)とから主としてなり、結
合単位(Si−CH2)の全数対結合単位(Si−Si)の全数
の比率は1:0〜20の範囲内にある。
この有機珪素重合体の重量平均分子量(M)は、一般
的には300〜1000で、Mが400〜800のものが、優れた
炭素質無機材料を得るための中間原料であるランダム共
重合体2)を調製するために特に好ましい。
前駆重合体1)のもう一つの出発原料であるピッチは、
石油類又は石炭類から得られるピッチで、特に好ましい
ピッチは、石油類の流動接触分解により得られる重質
油、その重質油を蒸留して得た留出成分又は残渣油、さ
らにはこれらの熱処理物である。上記ピッチ中には、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフランなど
の有機溶媒に不溶の成分が5〜98%、特に40〜90%含ま
れていることが好ましく、不溶成分が5%未満のピッチ
を原料として用いた場合、成形体の無機化時の残存率が
低くなり、空孔が残存しやすく、また、結晶化度が低く
なるため、優れた炭素質無機材料が得られず、また、不
溶成分が98%より高い場合には、不溶、不融のコーキン
グ物が生じやすく成形上不利である。
この光学的等方性ピッチの重量平均分子量(M)は、
300〜3000で、融点は70〜200℃である。重量平均分子量
は以下のようにして求めた値である。即ち、ピッチがベ
ンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ク
ロロホルム及びジクロロベンゼン等のゲルパーミュエー
ションクロマトグラフ(GPC)測定用有機溶媒不溶分を
含有しない場合はそのままGPC測定し、ピッチが有機溶
媒不溶分を含有する場合は、温和な条件で水添処理し、
有機溶媒不溶分を有機溶媒可溶な成分に変えて後GPC測
定する。(有機溶媒不溶分を含有する重合体の重量平均
分子量は、上記と同様の処理を施して求めた値であ
る)。
ピッチの使用割合は、有機珪素重合体100部当たり10〜1
900部であることが好ましい。ピッチの使用割合が過度
に小さい場合は、得られる炭素質無機材料中の炭化珪素
成分が多くなり、炭素の持つ潤滑性、非酸化性雰囲気中
での高温特性が失われ、また、その割合が過度に多い場
合は、炭化珪素成分が少なくなり、炭素質無機材料の耐
酸化性、耐摩耗性が低下する。
上記反応の反応温度が過度に低いと、珪素原子と芳香族
炭素の結合が生成しにくくなり、反応温度が過度に高い
と、生成した前駆共重合体1)の分解及び高分子量化が
激しく起こり好ましくない。
ここで言う前駆重合体1)には、有機珪素重合体とピッ
チが珪素−炭素連結基を介して結合した共重合体に加
え、有機珪素重合体及びピッチの各々の重縮合物が含ま
れる。
不活性ガスとしては、窒素、アルゴン等が好適に使用さ
れる。
次に、前駆重合体1)と式MX4で示される遷移金属化合
物とを100〜500℃の範囲の温度で反応させる。
前記MX4において、MはTi、Zr及びHfから選択される少
なくとも一種の元素であり、Xは縮合により、Mが前駆
重合体1)の珪素と直接あるいは酸素原子を介して結合
し得るものであればよく、特に規定はないが、ハロゲン
原子、アルコキシ基又はβ−ジケトンのような錯体形成
基が好ましい。
反応温度が過度に低いと、前駆連合体1)と式MX4との
縮合反応が進行せず、反応温度が過度に高いと、Mを介
した前駆重合体1)の架橋反応が過度に進行しゲル化が
起こったり、前駆重合体1)自体が縮合し高分子量化し
たり、あるいは、場合によってはMX4が揮散して優れた
炭素質無機材料を得るための中間原料であるランダム共
重合体2)が得られない。
一例として、MがTiで、XがOC4H9の場合、反応温度は2
00〜400℃が適している。
この反応によって、前駆重合体1)の珪素原子の少なく
とも一部をMと直接あるいは酸素原子を介して結合させ
たランダム共重合体2)が調製される。Mは前駆重合体
1)の珪素原子に−MX3あるいは−O−MX3のような結合
様式で側鎖状に結合することもできるし、前駆重合体
1)の珪素原子に直接又は酸素を介して架橋した結合様
式もとり得る。
ランダム共重合体2)を調製する方法としては、前述の
方法以外に、有機珪素重合体とMX4を反応させ、得られ
た生成物にピッチをさらに反応させて調製する方法も可
能である。
ランダム共重合体2)中には、結合単位(Si−CH2)及
び結合単位(Si−Si)の総重量に対して遷移金属化合物
の結合単位(M)が0.2%〜35%、特に0.5%〜20%含ま
れていることが好ましい。
第1工程においては最後にランダム共重合体2)とメソ
フェーズ多環状芳香族化合物を加熱反応及び/又は加熱
溶融して、金属含有多環状芳香族重合体3)を調製す
る。
メソフェーズ多環状芳香族化合物は、例えば石油系又は
石炭ピッチを不活性ガス中で300〜500℃に加熱し、生成
する軟質留分を除去しながら縮重合することによって調
製することができる。
上記縮重合反応温度が適度に低いと縮合環の成長が充分
でなく、またその温度が過度に高いとコーキングにより
不溶、不融の生成物が生じる。
上記のメソフェーズ多環状芳香族化合物は、融点が200
〜400℃範囲にあり、また、重量平均分子量が200〜1000
0である。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の中でも、20〜100
%、特に40〜100%の光学的異方性度を有し、2〜60%
のキノリン不溶分並びに30〜100%のベンゼン、トルエ
ン、キシレン又はテトラヒドロフランに対する不溶分を
含むものが、炭素質無機材料の機械的性能を向上させる
ために特に好ましい。
メソフェーズ多環状芳香族化合物の使用割合はランダム
共重合体2)100部当たり5〜1900部であることが好ま
しく、5部未満では、生成物におけるメソフェーズ含有
量が不足するため、高温特性に優れた炭素質無機材料が
得られず、また、1900部より多い場合は、珪素成分の不
足のため耐酸化性、耐磨耗性に優れた炭素質無機材料が
得られない。
ランダム共重合体2)とメソフェーズ多環状芳香族化合
物とを200〜500℃の温度範囲で加熱溶融及び/又は加熱
反応させることにより、ランダム共重合体2)の少なく
とも一部がメソフェーズ多環状芳香族化合物と結合した
金属含有多環状芳香族重合体3)が得られる。ただし、
ここで言う結合とは、珪素と多環状芳香族化合物の炭素
との化学結合及び/又はランダム共重合体2)中の珪素
と化学結合した多環状芳香族環部分とメソフェーズ多環
状芳香族化合物との間のファンデルワールス結合等の物
理的結合を意味する。
上記溶融混合温度が200℃より低いと不融部分が生じ、
系が不均一となり、優れた炭素質無機材料が得られず、
また、溶融混合温度が500℃より高いと縮合反応が激し
く進行し、ブロック状の不融物が生じる場合があり、成
形上不利である。
金属含有多環状芳香族重合体3)を調製する方法として
は、前述の方法以外に、有機珪素重合体とピッチを反応
させ、得られた生成物にメソフェーズピッチとMX4を同
時に又は順次添加し、さらに反応させて調製する方法も
可能である。
金属含有多環状芳香族重合体3)の重量平均分子量は20
0〜11000で、融点が200〜400℃である。
第2工程: 金属含有多環状芳香族重合体3)、又は金属含有多環状
芳香族重合体3)とその仮焼物微粉末との混合粉末を微
粉砕し、通常の炭素材の成形方法を用い成形することが
できる。なお、仮焼は800〜1300℃の範囲の温度で行う
ことができる。
また、成形方法は、成形体の形状、大きさ、用途、生産
性等を考慮し、通常の炭素材の成形方法のうちから任意
に選択することが可能であり、例えば、同じ形のものを
生産性よく製造するには、乾式金型プレス法が、やや複
雑な形状の成形体を得るには等方静水圧加圧成形法(ラ
バープレス成形法)が、金属含有多環状芳香族重合体
3)を溶融し成形する方法としてはホットプレス成形
法、射出成形法及び押出成形法等が挙げられる。
また、金属含有多環状芳香族重合体3)とその仮焼物の
使用割合は成形体の形状、用途、コスト等を勘案して適
宜決定することができる。
第3工程: 上記成形体に必要により不融化処理を施す。
代表的な不融化方法は上記成形体を酸化性雰囲気中で加
熱する方法である。不融化の温度は好ましくは50〜400
℃の範囲の温度である。不融化温度が過度に低いとポリ
マーのはしかけが起こらず、また、この温度が過度に高
いとポリマーが燃焼する。
不融化の目的は、前記成形体を構成するポリマーを三次
元構造の不融・不溶のはしかけ状態にし、次工程の無機
化の際に溶融せず、成形体形状を保持させることにあ
る。不融化の際の酸化性雰囲気を構成するガスとして
は、空気、オゾン、酸素、塩素ガス、臭素ガス、アンモ
ニアガス、及びこれらの混合ガスが挙げられる。
上記とは別の不融化方法として、前記成形体を酸化性雰
囲気あるいは非酸化性雰囲気で、必要に応じて低温加熱
しながら、γ線照射、あるいは電子線照射して不融化す
る方法も採用することができる。
このγ線あるいは電子線を照射する目的は、前記成形体
を構成するポリマーを、さらに重合させることによっ
て、マトリックスが融解し、成形体形状を失うことを防
ぐことにある。
γ線あるいは電子線の照射線量は106〜1010ラッドが適
当である。
照射は真空、不活性ガス雰囲気下、あるいは空気、オゾ
ン、酸素、塩素ガス、臭素ガス、アンモニアガス及びこ
れらの混合ガスのような酸化性ガス雰囲気で行うことが
できる。
照射による不融化は室温で行うこともでき、必要であれ
ば50〜200℃の温度範囲で加熱しながら行うことによっ
て不融化をより短時間で達成させることもできる。
不融化された成形体は、真空あるいは不活性ガス中で、
800〜3000℃の範囲の温度で焼成し、無機化される。
加熱過程において、約700℃から無機化が激しくなり、
約800℃でほぼ無機化が完了するものと推定される。従
って、焼成は、800℃以上の温度で行うことが好まし
い。また、3000℃より高い温度を得るには高価な装置を
必要とするため3000℃より高温での焼成は、コスト面か
らみて実際的でない。
なお、本工程における無機化の昇温速度を極めて遅くす
ることや、成形体保形用の治具、パウダーヘッド等の保
形手段を用いること等により不融化工程を省略すること
もできるし、また第2工程の成形において、高温ホット
プレス法を用いることにより第3工程自体を省略するこ
ともできる。
第4工程: 第3工程で得られた炭素質無機材料は必要により、金属
含有多環状芳香族重合体3)の融液、溶液又はスラリー
を含浸後必要により不融化、焼成し、無機化することに
より炭素質無機材料を高密度化、高強度化することがで
きる。
含浸は、金属多環状芳香族重合体3)の融液、溶液又は
スラリーのいずれを用いてもさしつかえないが、微細な
開気孔への浸透を図るため、この炭素質無機材料に金属
多環状芳香族重合体3)の溶液又はスラリーを含浸後減
圧下で微細気孔への浸透を促進後溶媒を留去しつつ昇温
し、10〜500kg/cm2に加圧することにより、金属多環状
芳香族重合体3)の融液を気孔に充填させる。
金属多環状芳香族重合体3)を含浸した炭素質無機材料
は、第3工程と同様にして、不融化し、焼成し、無機化
することができる。この操作を2〜10回繰り返すことに
より高密度、高強度な炭素質無機材料を得ることができ
る。
尚、前記構成成分iii)におけるSi、M、C、Oの存在
状態は、第3工程及び第4工程における無機化温度によ
り制御することができる。
すなわち、実質的にSi、M、C、Oからなる非晶質を得
たい場合、無機化温度を800〜1000℃とすることが好適
であり、実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの固溶体及
びMC1−x(ただし、0<x<1)からなる粒径500Å
以下の超微粒子及びSiO(ただし、0<y≦2)、MO
(ただし、0<z≦2)からなる非晶質を得たい場合
は、1700℃以上の焼成温度が適している。
また、各集合体の混合系を望む場合は、上記中間温度よ
り適宜選択することができる。
また、本発明の炭素質無機材料中の酸素量は、例えば第
1工程で添加するMX4におけるXの選択、MX4の添加比
率、第3工程及び第4工程における不融化条件により制
御することができる。
(発明の効果) 本発明の炭素質無機材料は、炭素中に非常に均一に分散
し、一体化した炭化珪素,炭化チタン成分を含む。これ
らの成分の存在が、低温における炭素の微結晶化の促
進、炭素の酸化による消耗の抑制、硬度の向上をもたら
している。
従って、この炭素質無機材料は、機械的物性、耐酸化
性、耐摩耗性に優れ、各種のブレーキ類、耐熱構造材料
として優れたものである。
(実施例) 以下実施例によって本発明を説明する。
参考例1(ポリマーIの製法) 5lの三口フラスコに無水キシレン2.5l及びナトリウム40
0gを入れ、窒素ガス気流下でキシレンの沸点まで加熱
し、ジメチルジクロロシラン1lを1時間で滴下した。滴
下終了後、10時間加熱還流し沈澱物を生成させた。沈澱
を濾過し、メタノールついで水で洗浄して、白色粉末の
ポリジメチルシラン420gを得た。
このポリジメチルシラン400gを、ガス導入管、撹拌機、
冷却器及び留出管を備えた3lの三口フラスコに仕込み、
撹拌しながら50ml/分の窒素気流下に420℃で加熱処理し
て、留出受器に350gの無色透明な少し粘性のある液体を
得た。
この液体の数平均分子量は蒸気圧浸透法で測定したとこ
ろ470であった。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、65
0〜900cm-1と1250cm-1にSi−CH3の吸収、2100cm-1にSi
−Hの吸収、1020cm-1付近と1355cm-1のSi−CH2−Siの
吸収、2900cm-1と2950cm-1にC−Hの吸収が認められ、
またこの物質の遠赤外線吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、380cm-1にSi−Siの吸収が認められることから、得
られた液状物質は、主として(Si−CH2)結合単位及び
(Si−Si)結合単位からなり、珪素の側鎖に水素原子及
びメチル基を有する有機珪素重合体であることが判明し
た。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si−CH2)結合単位の全数対(Si
−Si)結合単位の全数の比率がほぼ1:3である重合体で
あることが確認された。
上記有機珪素重合体300gをエタノールで処理して低分子
量物を除去して、数平均分子量が1200の重合体40gを得
た。
この物質の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、上
記と同様の吸収ピークが認められ、この物質は主として
(Si−CH2)結合単位及び(Si−Si)結合単位からな
り、珪素の側鎖に水素原子及びメチル基を有する有機珪
素重合体であることが判明した。
核磁気共鳴分析及び赤外線吸収分析の測定結果から、こ
の有機珪素重合体は(Si−CH2)結合単位の全数対(Si
−Si)結合単位の全数の比率がほぼ7:1である重合体で
あることが確認された。低分子量物を除去して得られた
上記有機珪素重合体を有機珪素重合体Aと呼ぶ。
一方、石油留分のうち、軽油以上の高沸点物をシリカ・
アルミナ系分解触媒の存在下、500℃の温度で流動接触
分解・精留を行い、その搭底より残渣を得た。以下、こ
の残渣をFCCスラリーオイルと呼ぶ。
このFCCスラリーオイルは、元素分析の結果、炭素原子
対水素原子の原子比(C/H)が0.75で、核磁気共鳴分析
による芳香炭素率が0.55であった。
上記FCCスラリーオイル500gを窒素ガス気流下450℃に加
熱し、同温度における留出分を留去後、残渣を200℃に
て熱時濾過を行い、同温度における不融部を除去し、軽
質分除去ピッチ225gを得た。
この軽質分除去ピッチは75%のキシレン不溶分を含む光
学的に等方性のピッチであった。
この軽質分除去ピッチ49gに前記有機珪素重合体A21g及
びキシレン20mlを加え、撹拌しながら昇温し、キシレン
を留去後、400℃で6時間反応させ39gの前駆重合体を得
た。
この前駆重合体は赤外線吸収スペクトル測定の結果、有
機珪素重合体中に存在するSi−H結合(IR:2100cm-1
の減少、及び新たなSi−C(ベンゼン環の炭素)結合
(IR:1135cm-1)の生成が認められることより有機珪素
重合体の珪素原子の一部が多環状芳香族環と直接結合し
た部分を有する共重合体であることがわかった。
前駆重合体39gにテトラオクトキシチタン〔Ti(OC
8H17〕2.75gのキシレン溶液(25%キシレン溶液11
g)を加え、キシレン留去後、340℃で時間反応させ、ラ
ンダム共重合体38gを得た。
この共重合体は、キシレン不溶部を含まず重量平均分子
量は1650、融点は272℃であった。
これと並行して、FCCスラリーオイル400gを、窒素ガス
気流下450℃に加熱し、同温度における留出分を留去
後、残渣を200℃にて熱時濾過を行い、同温度における
不融部を除去し、軽質分除去ピッチ180gを得た。得られ
た軽質分除去ピッチ180gを窒素気流下、反応により生成
する軽質分を除去しながら400℃で7時間縮重合を行
い、熱処理ピッチ85gを得た。
この熱処理ピッチは融点268℃、キシレン不溶分92%、
キノリン不溶分12%を含有しており、研磨面の偏光顕微
鏡観察による光学的異方性が89%のメソフェーズピッチ
であった。
前記ランダム共重合体35gと上記メソフェーズピッチ70g
を混合し、窒素雰囲気下、350℃で一時間溶融加熱し、
均一な状態にある珪素及びチタンを含有した多環状芳香
族重合体を得た。
この重合体は、融点が272℃で、59%のキシレン不溶分
を含んでいた。
参考例2(ポリマーIIの製法) 参考例1で得られた前駆体共重合体39gにテトラキスア
セチルアセトナトジルコニウム5.4gのエタノール−キシ
レン溶液(1.5%)を加え、キシレン及びエタノールを
留去後250℃で1時間重合し39.5gのジルコニウム含有ラ
ンダム共重合体を得た。
この重合体20gと参考例1と同様にして調製したメソフ
ェーズピッチ50gを微粉砕混合し、紡糸筒内で350℃で溶
融させてジルコニウム含有多環状芳香族重合体を得た。
参考例3(ポリマーIIIの製法) 軽質分除去ピッチ及び有機珪素重合体Aの使用量をそれ
ぞれ50g及び50gに変えた以外は参考例1と同様にして、
57gの前駆重合体を得た。
この前駆共重合体40gにハフニウムクロライド7.2gのエ
タノール−キシレン溶液(1.5%)を加え、キシレン及
びエタノールを留去後250℃で1時間重合し43.5gのハフ
ニウム含有ランダム共重合体を得た。
この重合体60gとメソフェーズピッチ40gを320℃で溶融
混合し、ハフニウム含有多環状芳香族重合体を得た。
実施例1 参考例1で得たポリマーIの粉末を窒素気流中で800℃
に昇温し、仮焼体を調製し、これを微粉砕して仮焼体粉
末を得た。この仮焼体粉末に等重量のポリマーIの粉末
を加え、湿式混合して得た造粒粉を、350℃、100kg/cm2
でホットプレスし、直径7cmの円板状成形体を得た。こ
の成形体を炭素粉末のパウダーヘッド中に埋め保形し、
窒素気流中で5℃/hの速度で800℃まで昇温後、さらに1
300℃まで昇温し、無機化した。得られた炭素質無機材
料の嵩密度は1.52g/cm3であった。
この炭素質無機材料をポリマーIの50%キシレンスラリ
ーに浸し、減圧下キシレンを留去しながら350℃に昇
温、その後100kg/cm2に加圧含浸した後、空気中で5℃/
hの速度で300℃まで昇温し、不融化した後1300℃で無機
化した。この含浸、無機化の操作をさらに3回繰り返し
嵩密度1.96g/cm3の材料を得た。この材料の曲げ強度は2
3kg/mm2であった。さらにこの炭素質無機材料をアルゴ
ン中、2500℃で焼成したところ、嵩密度1.99g/cm3、曲
げ強度は28kg/mm2に向上した。また、窒素中、1500℃で
の曲げ強度も29kg/mm2であった。
実施例2 ポリマーIIを用い、実施例1と同様にして得た仮焼体粉
末70%に参考例3で得たポリマーIIIの粉末30%を加
え、実施例1と同様にして成形無機化して嵩密度1.72g/
cm3の 炭素質無機材料を得た。
実施例1と同様に、この材料にポリマーIIの50%キシレ
ンスラリーを含浸し、無機化し、さらにこの含浸、無機
化を3回繰り返し嵩密度2.04g/cm3の炭素質無機材料を
得た。この材料の曲げ強度は28kg/mm2であり、このもの
を空気中、600℃に24時間保持した後でも重量減少、強
度低下は認められなかった。
比較例1 無荷重時の嵩密度が0.15g/cm3の人造黒鉛粉粒体80%に
参考例1の中間生成物であるメソフェーズピッチ20%を
加え、実施例1と同様にして成形、無機化を行い嵩密度
が1.66g/cm3の炭素材を得た。
この炭素材にメソフェーズピッチの含浸、無機化を実施
例1と同様にして4回繰り返し嵩密度が1.92g/cm3の炭
素材を得た。
この炭素材の曲げ強度は5.0kg/mm2であり、このものを
空気中、600℃に24時間保持したところ、20%の重量減
少が認められ、多孔質化した。
比較例2 比較例1で得た嵩密度が1.66g/cm3の炭素材に金属珪素
粉をまぶし、1500℃で溶融含浸し、反応焼結により炭素
−炭化珪素複合材を得た。得られた材料の曲げ強度は8.
2kg/mm2と向上したが、窒素中、1500℃での曲げ強度を
測定したところ、未反応珪素の溶融により変形が生じ、
曲げ強度は3.0kg/mm2に低下した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渋谷 昌樹 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 審査官 小島 隆

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属含有多環状芳香族重合体から得られる
    無機材料であって、その構成成分が、 i)該重合体を構成するメソフェーズ状態にある多環状
    芳香族化合物から導かれる結晶質炭素、又は結晶質炭素
    と非晶質炭素、 ii)該重合体を構成する光学的等方性の多環状芳香族化
    合物から導かれる、無配向状態の結晶質炭素及び/又は
    非晶質炭素、及び iii)Si、M、C及びOから実質的になる非晶質物
    質、及び/又は 実質的にβ−SiC、MC、β−SiCとMCの固溶体及びMC
    1−xからなる粒径が500Å以下の結晶超微粒子と、非
    晶質のSiO及びMOとの集合体であり、 構成元素の割合がSi;5〜60重量%、M;0.5〜45重量%、
    C;30〜40重量%及びO;0.01〜30重量%であるSi−M−C
    −O物質(上記式中、MはTi、Zr及びHfから選択される
    少なくとも一種の元素であり、0<x<1、0<y≦
    2、0<z≦2である。) よりなることを特徴とする炭素質無機材料。
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