JPH075678B2 - 含フッ素共重合体の製造方法 - Google Patents

含フッ素共重合体の製造方法

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JPH075678B2
JPH075678B2 JP63097980A JP9798088A JPH075678B2 JP H075678 B2 JPH075678 B2 JP H075678B2 JP 63097980 A JP63097980 A JP 63097980A JP 9798088 A JP9798088 A JP 9798088A JP H075678 B2 JPH075678 B2 JP H075678B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、フッ素樹脂塗料の原料などとして有用なカル
ボキシル基を含有する含フッ素共重合体の製造法、特に
ハロゲンイオン発生量の少ない製造法に関する。
〔従来の技術およびその課題〕
カルボキシル基を有するビニルエーテルとフルオロオレ
フィンを共重合させると、カルボキシル基を有するフッ
素樹脂を製造することができるが、カルボキシル基を有
するビニルエーテルは合成が困難である。たとえば、ヒ
ドロキシアルキルビニルエーテルと二塩基性酸無水物を
反応させて(ハーフエステル化)カルボキシル基を有す
るビニルエーテルを合成しようとしても、カルボキシル
基とビニル基が反応して分子内で環化してしまい、目的
物をうることができない。
したがって、カルボキシル基を含有する含フッ素共重合
体は、たとえばヒドロキシル基を含有するビニルエーテ
ルとフルオロオレフィンとの共重合体を製造し、ついで
共重合体に含有させるヒドロキシル基と二塩基性酸無水
物を反応(ハーフエステル化)させる方法(特公昭61-4
9323号公報参照)によってえている。しかし、この方法
では共重合ののちハーフエステル化を行なうので、共重
合の溶媒として二塩基性酸無水物と反応する安価なアル
コール類などを使用し難いという問題がある。
本発明者らは、カルボキシル基を含有するビニルエーテ
ルの製法について鋭意検討した結果、ヒドロキシルアル
キルビニルエーテルと二塩基性酸無水物を反応させる
際、塩基性化合物を系内に存在させておくと分子内環化
反応が生じず、えられたビニルエーテルのカルボキシル
基が塩基性化合物の塩の形をとることにより安定性が向
上し、しかもフルオロオレフィンと共重合させるばあい
に収率が格段に向上することを見出した。
ところで含フッ素重合体を含有する電着塗装用組成物
は、従来のアクリル系樹脂を含有するものに比して耐薬
品性、、耐候性などに著しく優れた塗膜を与えることが
知られている(たとえば特開昭62-59676号公報、特開昭
62-127362号公報)。
しかしながら、含フッ素重合体を有する組成物を用いて
電着を行なうばあい、ハロゲンイオンの存在により種々
の問題が生じている。
たとえば、本発明者らの研究によれば、電着における電
着塗装用組成物中のハロゲンイオンの影響としてはつぎ
のようなものがあげられる。
(1)陽極金属の溶出 この点については、被塗装物が陽極となるアニオン系電
着塗装用組成物のばあいに大きな影響を与え、特に被塗
装物がアルミニウムのばあいは、フッ素イオンではAl2O
3+6HF→2AlF3+3H2O+112kcal/molという反応が生
じ、アルマイト層が破壊されて致命的な欠陥が生ずる。
(2)電着塗装用組成物の安定性の低下 ハロゲンイオンによる塩折作用によって含フッ素重合体
の水溶性や水分散性が損なわれ、保存安定性が低下す
る。
(3)比電導度の上昇 比電導度の上昇によりクーロン収率が低下するほか、高
電着電圧のため塗膜欠陥が生ずる。
こうした影響は他のハロゲンイオンでも生ずるが、フッ
素イオンがもっとも大きな影響を与える。
一方、前記カルボキシル基含有ビニルエーテルモノマー
組成物とフルオロオレフィンとの共重合反応では、どう
してもハロゲンイオンが発生してしまう。そこで、その
共重合反応を鋭意検討したところ、後述するようにビニ
ルエーテルモノマー組成物中のビニルエーテル(Ia)ま
たは(Ib)を(II)の特定量とすることにより、ハロゲ
ンイオンの発生を極力抑えることができ、しかも高収率
で含フッ素共重合体をうることができることを見出し、
本発明を完成するに至った。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、かかる課題を解決するためになされたもので
あり、 式(Ia): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)OM (Ia) (式中、R1は炭素原子数2〜10の2価の脂肪族基、R2
2価の有機基、Mはアルカリ金属である)で表わされる
ビニルエーテル(以下、ビニルエーテル(Ia)という)
または式(Ib): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)O ・HY (Ib) (式中、R1およびR2は前記と同じ、Yはチッ素原子また
はリン原子を含有する化合物であって、そのpKaが6〜1
2である1官能性の塩基性化合物である)で表わされる
ビニルエーテル(以下ビニルエーテル(Ib)という。た
だし、以下、(Ia)と(Ib)を合わせて(I)というば
あいもある)と、式(II): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)OH (II) (式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わされる遊離の
カルボキシル基を有するビニルエーテル(以下、ビニル
エーテル(II)という)とからなり、ビニルエーテル
(I)がビニルエーテル(II)の1〜50モル%、好まし
くは5〜50モル%含有されてなるビニルエーテルモノマ
ー組成物をフルオロオレフィンと共重合させることを特
徴とする含フッ素共重合体のハロゲンイオン発生量の少
ない製造法に関するものである。
[好ましい実施態様] 本発明で用いるビニルエーテルモノマー組成物は、前記
のごとく、ビニルエーテル(II)単独使用のばあいに比
して各段に保存安定性が向上している。その理由は、安
定なビニルエーテル(I)を(II)の1モル%以上、特
に5モル%以上共存させることにより、ビニルエーテル
(II)の環化を促進するH の系内濃度が低下するため
であると推定される。
ビニルエーテルモノマー組成物のうち、ビニルエーテル
(I)は、 式: CH2=CHOR1OH (式中、R1は前記と同じ)で表わされるヒドロキシアル
キルビニルエーテル、 式: (式中、R2は前記と同じ)で表わされる二塩基性酸無水
物、 および アルカリ金属化合物またはチッ素原子もしくはリン原
子を含有する化合物であってそのpKa(水中25℃におけ
る酸解離指数)が6〜12の1官能性の塩基性化合物(以
下、両者を区別しないときは単に塩基という)を反応
させることによりえられる。
この製法の原料であるヒドロキシアルキルビニルエーテ
ルの具体例としては、4−ヒドロキシブチルビニルエー
テル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒド
ロキシ−n−プロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ
−iso−プロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2
−メチルエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−1,1
−シメチルエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシシク
ロヘキシルビニルエーテル、3−ヒドロキシシクロヘキ
シルビニルエーテル、2−ヒドロキシシクロヘキシルビ
ニルエーテル、4−ヒドロキシベンゾオキシビニルなど
をあげることができる。
二塩基性酸無水物およびビニルエーテル(I)または
(II)に含有されるR2としては、式(i): CHX1 pCX2 2 q (i) 〔式中、X1は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキ
ル基、X2は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
基、pおよびqは0または1〜11の整数(ただし、同時
に0であることはない)を示す〕で表わされる基、式
(ii): CH2 rCX3=CHs (ii) 〔式中、rは0または1〜3の整数、sは1〜3の整
数、X3は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基
を示す〕で表わされる基、式(iii): 〔式中、R7はCHX4 t基(ただし、X4は水素原子また
は炭素原子数1〜3のアルキル基、tは1〜4の整数で
ある)、 −CH2CH=CHCH2−基、 で表わされる基、 式(iv): 〔式中、R8はCHX5 u基(ただし、Xは水素原子また
は炭素原子数1〜3のアルキル基、uは3〜4の整数で
ある)またはCX6=CX7 v基(ただし、X6およびX7
同一または異なり水素原子または炭素原子数1〜3のア
ルキル基、vは2〜3の整数である)を示す〕で表わさ
れる基、式(v): −C(=CH2)−CH2− (v) で表わされる基または式(vi): で表わされる基などをあげることができる。
二塩基性酸無水物の具体例としては、無水マレイン酸、
無水コハク酸、無水メチルコハク酸、無水フタル酸、無
水アジピン酸、無水グルタル酸、無水グルタコン酸、無
水イタコン酸、無水1,8−ナフタル酸、無水シトラコン
酸、無水1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水4−
メチル−1,2−ヘキサンジカルボン酸、無水cis−4−シ
クロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、無水1−シクロヘ
キセン−1,2−ジカルボン酸、シクロペンタジエンと無
水マレイン酸のディールスーアンダー反応による付加物
などをあげることができる。
一般に、ヒドロキシル化合物と二塩基性酸無水物との反
応は塩基性触媒の存在下に、次式に従って進行する。
このばあい、90%以上の収率で目的物をうるには高々0.
5モル%(二塩基性酸無水物基準)の塩基を使用すれば
充分である。しかしながら、本発明者らの研究によれば
ヒドロキシル化合物としてカチオン反応性に富むヒドロ
キシルビニルエーテルを使用するばあい、反応は後述す
るごとく、塩基が存在しなければ目的物がえられず、ま
た0.5モル%程度では目的物の収率は低く、しかも安定
性がわるいため重合用モノマーとして適さない。
しかし、前記の塩基を1モル%以上存在させることに
より収率は90%を超え、しかもえられる生成物も安定と
なり、収率の低下は防ぐことができる。その理由は、塩
基がカルボキシル基とビニル基の反応を防ぎ、かつ前
記したごとく生成したビニルエーテル(II)の環化を防
いでいるものと考えられる。なお、塩基はカルボキシ
ル基と化学量論的に反応するが、前記のごとく反応系内
に酸無水物に対して1モル%以上存在すればよく、そ
のばあいビニルエーテル(I)と(II)の混合物がえら
れる。
また、モノマー組成物はビニルエーテル(I)と(II)
との混合物に塩基を加え、ビニルエーテル(II)と反
応させることによってもえられる。後添加する塩基は
反応の際に存在させた塩基と同一でも異なっていてもよ
い。このばあいもビニルエーテル(II)のカルボキシル
基と塩基とは化学量論的に反応する。
塩基としては前記のごとくアルカリ金属化合物と特定
の1官能性の塩基性化合物が用いられる。
アルカリ金属化合物としては、Li,KまたはNaの化合物が
好ましく、たとえば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチ
ラート、カリウムメチラートなどがあげられる。
特定の1官能性の塩基性化合物は、前記のごとくチッ素
原子またはリン原子を含有する化合物であって、そのpK
aが6〜12、好ましくは8〜11の塩基性化合物である。p
Kaがこの範囲にあるものは塩形成能が高く、ビニルエー
テル(II)の安定化作用が大きい。すなわち、二塩基性
酸無水物のカルボン酸よりも高いpKaを有するものが
高い塩形成能を有し、特に対応するカルボン酸よりも3
〜8高いpKaを有するものが好ましい。好適な1官能性
の塩基性化合物としてはアンモニア、アミン類、フォス
フィン類などがあげられる。アミン類の具体例として
は、たとえばメチルアミン、エチルアミン、n−プロピ
ルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、sec−ブチルアミン、1,2−ジメチルプ
ロピルアミン、2−エチルヘキシルアミン、トリデシル
アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プ
ロピルアミン、ジ−イソプロピルアミン、ジブチルアミ
ン、ジ−イソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、
ジ−2−エチルヘキシルアミン、トリメチルアミン、ト
リエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n
−ブチルアミン、N−メチルブチルアミン、N−エチル
ブチルアミン、N,N−ジメチルエチルアミン、N,N−ジメ
チルイソプロピルアミン、N,N−ジメチルテトラデシル
アミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、2−メト
キシエチルアミン、3−エトキシエチルアミン、シクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、ベンジルアミン、N,N−
ジメチルベンジルアミン、4−メトキシフェニルエチル
アミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、イソプロパノールアミン、ジメチル
エタノールアミン、ピロリジン、ピペリジン、1−メチ
ルピペリジン、4−メチルピペリジン、モルホリンなど
があげられる。
フォスフィン類の具体例としては、たとえばトリメチル
フォスフィン、トリエチルフォスフィン、トリプロピル
フォスフィン、トリブチルフォスフィン、トリオクチル
フォスフィン、トリラウリルフォスフィン、トリステア
リルフォスフィン、ジメチルフォスフィン、ジエチルフ
ォスフィン、ジブチルフォスフィン、ジオクチルフォス
フィン、ジラウリルフォスフィンのごときジ−もしくは
トリアルキルフォスフィン類;トリス(3−ヒドロキシ
プロピル)フォスフィン、トリス(2−シアノエチル)
フォスフィン、トリス(2−メトキシエチル)フォスフ
ィン、トリス(2−クロロエチル)フォスフィン、トリ
ス(2−メトキシカルボニル)フォスフィン、トリス
(2−(2−ジメチルアミノエトキシ)カルボニル)フ
ォスフィン、トリス(2−エトキシカルボニル)フォス
フィン、ビス(3−ヒドロキシプロピル)フォスフィ
ン、ビス(2−シアノエチル)フォスフィンのごときジ
−もしくはトリ−置換アルキルフォスフィン類;ジシク
ロペンチルフォスフィン、ジシクロヘキシルフォスフィ
ン、トリシクロペンチルフォスフィン、トリシクロヘキ
シルフォスフィンのごとき脂環式フォスフィン類;トリ
フェニルフォスフィン、トリス(4−メチルフェニル)
フォスフィン、ジフェニルフォスフィン、ビス(4−メ
チルフェニル)フォスフィンのごときジ−もしくはトリ
アリールフォスフィン類;トリベンジルフォスフィン、
トリフェネチルフォスフィン、ジベンジルフォスフィ
ン、ジフェネチルフォスフィンのごときジ−もしくはト
リ−アラルキルフォスフィン類;テトラメチレンフォス
フィン、テトラメチレン−メチル−フォスフィンなどの
環内にリン原子を有するフォスフィン類;ジフェニルメ
チルフォスフィン、ジフェニルエチルフォスフィン、フ
ェニルジエチルフォスフィンのごときリン原子に互いに
異なる2種または3種の有機基が結合したフォスフィン
類などがあげられる。特に第3級アミンが好ましい。
反応温度は、通常−80〜100℃、好ましくは20〜50℃で
ある。溶媒は、通常使用するが、使用しなくても実施で
きる。溶媒は、二塩基性酸無水物と反応するアルコール
類を除き使用することができるが、アセトン、メチルエ
チルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類
が、原料の反応性の低下、反応混合物の着色などをもた
らさないので好ましい。塩基の使用量は、前記の二
塩基性酸無水物に対して、通常0.01〜1.2、好ましくは
0.05〜1.0(ただし、モル比)である。
本発明の製造法は、かかるビニルエーテルモノマー組成
物とフルオロオレフィンを共重合させる際に、ビニルエ
ーテルモノマー組成物中のビニルエーテル(I)をビニ
ルエーテル(II)の1〜50モル%、好ましくは5〜50モ
ル%とに特徴がある。
ビニルエーテル(I)が(II)の50モル%を超えると、
モノマー組成物自体の安定性は問題ないがハロゲンイオ
ンの発生量が大きくなり、その塩折効果によりたとえば
水性塗料などの水性液にしたばあい安定性に劣る。電着
塗料として使用するばあいは、さらに前記のごとき悪影
響を与える。
一方、1モル%未満のばあいは、ハロゲンイオンの発生
量は抑えられるが、ビニルエーテル組成物の安定性がわ
るく、収率の低下をきたすのみならず、その分解物によ
って塗膜性能(ワキやハジキなど)が低下する。さらに
電着塗料のばあいに雑イオン(酢酸イオンなど)の増加
につながる。
本発明の製造法によれば、生成共重合体中のフッ素イオ
ンを500ppm以下、フッ素イオンと塩素イオンの合計量を
1500ppm以下に抑えることができ、収率も90%以上に維
持することができる。
共重合系は、基本的にビニルモノマー組成物、フルオロ
オレフィン、溶媒、重合開始剤からなる。重合方法とし
ては乳化重合、懸濁重合、溶液重合などを採用すること
ができる。
重合温度は開始剤や溶媒の種類に応じて適宜変更するこ
とができるが、通常−20〜150℃、好ましくは、5〜95
℃である。反応圧力も適宜選択可能であるが、通常0〜
50kg/cm2Gである。
フルオロオレフィンとしては、たとえばテトラフルオロ
エチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオ
ロプロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニルなどをあげることができる。
本発明において、ビニルエーテル(I)、(II)とフル
オロオレフィンの反応モル比は、通常、ビニルエーテル
/フルオロオレフィン=0.1〜80/20〜99.9である。
水溶性塗料として含フッ素共重合体を使用するばあい、
この共重合体の水溶性を良好にするうえで、ビニルエー
テル(I)、(II)は5〜60モル%含有されていること
が好ましく、これのカルボキシル基は30%以上中和され
ていることがさらに好ましい(電着塗装のばあい)。中
和に用いる化合物としては前記塩基で例示したものが
あげられる。
含フッ素共重合体を有機溶剤に溶解し、いわゆる溶剤型
塗料として使用するばあい、ビニルエーテル(I)、
(II)の含有量は、基材との密着性の点で1〜15モル%
が好ましく、顔料分散性の点で2〜10モル%が好まし
い。
前記含フッ素共重合体には、ビニルエーテルとフルオロ
オレフィンのほかに、他種のエチレン性不飽和化合物を
含フッ素共重合体に対し80モル%以下の量比で含有させ
ることができる。他種のエチレン性不飽和化合物として
は、たとえば式: CH2=CH−OC=O)kR3 (式中、R3は炭素原子数1〜17の脂肪族基、炭素原子数
3〜17の脂環式基、炭素原子数1〜20のフルオロアルキ
ル基、炭素原子数1〜17の水酸基含有脂肪族基、炭素原
子数3〜17の水酸基含有脂環式基または炭素原子数6〜
20の水酸基含有芳香族基、kは0または1を示す)で表
わされるアルキルビニルエーテルまたはビニルエステル
があげられ、具体例としては、たとえばメチルビニルエ
ーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエ
ーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニ
ルエーテル、イソブチルビニルエーテル、t−ブチルビ
ニルエーテル、n−ペンテンビニルエーテル、n−ヘキ
シルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、2
−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニ
ルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニ
ルエーテル、2,2,2−トリフルオロエチルビニルエーテ
ル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルビニルエーテ
ル、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンテルビニル
エーテル、2,2,3,3,4,4,4−ヘプタフルオロブチルビニ
ルエーテル、酢酸ビニルエステル、プロピオン酸ビニル
エステル、酢酸ビニルエステル、ピバリン酸ビニルエス
テル、カプロン酸ビニルエステル、ラウリン酸ビニルエ
ステル、バーサチック酸ビニルエステル、シクロヘキサ
ンカルボン酸ビニルエステル、4−ヒドロキシブチルビ
ニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、
3−ヒドロキシ−n−プロピルビニルエーテル、2−ヒ
ドロキシ−iso−プロピルビニルエーテル、2−ヒドロ
キシ−2−メチルエチルビニルエーテル、2−ヒドロキ
シ−1,1−ジメチルエチルビニルエーテル、4−ヒドロ
キシシクロヘキシルビニルエーテル、3−ヒドロキシシ
クロヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシシクロヘ
キシルビニルエーテル、4−ヒドロキシベンゾオキシビ
ニルなどがあげられる。
さらに式: CH2=CX8C(=O)O)mR9 (式中、X8は水素原子、塩素原子、フッ素原子、メチル
基またはトリフルオロメチル基、R9は水素原子、塩素原
子、炭素原子数1〜17の脂肪族基、ヒドロキシル基を有
する炭素原子数1〜17の脂肪族基、炭素原子数3〜17の
脂環式基または炭素原子数1〜20のフルオロアルキル
基、mは0または1を示す)で表わされる化合物があげ
られ、具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、イソブテン、スチレン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、イソブチルアクリレート、メチルアクリレート、
エチルメタクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプ
ロピルα−フルオロアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7−ドデカフルオロペンチルα−トリフルオロメチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9,10,10,11,11,12,12,13,13,14,14,15,15,
15−ノナコサフルオロペンタデシルアクリレート、2−
ヒドロキシプロピルα−クロロアクリレート、オクチル
α−クロロアクリレート、オクタデシルアククリレート
などがあげられる。
また、式: CH2=CHCH2X9 (式中、X9は炭素原子、水酸基または炭素原子数1〜8
の脂肪族オキシ基を示す)で表わされる化合物も使用で
き、具体例としてはたとえばアリルアルコール、アリル
クロライド、アリルメチルエーテル、アリルイソプロピ
ルエーテル、アリルオクチルエーテルなどがあげられ
る。
また要すれば、共重合時に少量の多価金属(たとえばM
g、Ca、Zn、Alなど)または多官能性のチッ素原子もし
くはリン原子含有化合物(たとえばアルキルジアミン、
アルキルトリアミンなどのポリアミン類、アルキルジフ
ォスフィン、アルキルトリフォスフィンなどのポリフォ
スフィン類)とビニルエーテル(II)との塩からなるジ
ビニルエーテルやトリビニルエーテルなどを共重合成分
として存在させることもでき、このばあいは部分ゲル化
により艶消しなどの用途に用いることができる。
重合溶媒としては、トリクロロトリフルオロエタン、ジ
クロロテトラフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどの
エステル類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素
類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノー
ルなどのアルコール類、エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブ、モノグライム、ジグライムなどのグリコールエ
ーテル類、水などをあげることができる。
重合開始剤としては、たとえば過硫酸塩(過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウムなど)、過硫酸塩と亜硫酸塩
(亜硫酸カリウム、亜硫酸ナトリウムなど)または酸性
亜硫酸塩(酸性亜硫酸カリウム、酸性亜硫酸ナトリウム
など)からなるレドックス系開始剤、有機過酸化物(ジ
イソプロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチル
パーオキシブチレート、ベンゾイルパーオキサイド、イ
ソブチリルパーオキサイドなど)、アゾ化合物(アゾビ
スイソブチロニトリルなど)などをあげることができ
る。開始剤の使用量は、通常使用する全単量体に対し0.
001〜5重量%、好ましくは0.05〜2.0重量%である。
本発明の製造法の操作方式は、回分式、連続式、半連続
式のいずれでもよい。
つぎに本発明の実施例に基づいて説明するが、本発明は
かかる実施例のみに限定されるものではない。
参考例1 1000mlのフラスコに無水1,2−シクロヘキサンジカルボ
ン酸(酸無水物)405g(2.63モル)およびアセトン40g
からなる溶液を入れ、トリエチルアミン(塩基:pKa=1
0.72)2.63g(0.28モル)を添加し、磁気攪拌機で5分
間攪拌した。
この混合物を氷水で0〜10℃になるように冷却しなが
ら、ヒドロキシブチルビニルエーテル305g(2.63モル)
を2g/分の割合で滴下した。
反応混合物についてフーリエ変換核磁気共鳴分析(FT-N
MR、13C、テトラメチルシラン標準)を行ない、下記の
本発明のビニルエーテル(I)(以下、cHHEM塩とい
う)と対応する遊離のビニルエーテル(II)(以下、cH
HEMという)がほぼ10/85(モル比)での収率で生成して
いることを確認した。各炭素原子(a〜mの符号を付
す)のケミカルシフトを示す。
のケミカルシフトを示す。
δ(ppm)=85.6(a)、151.5(b)、67.2(c)、2
5.3-25.6(d)、62.8(e)、173.3(f)、42.9
(g)、27.4(h)、24.4(i)、43.5(j)、176.2
(k)、44.9(i)、9.1(m) 参考性2 参考例1のトリエチルアミン量を第1表に示す量に変更
したほかは参考例1と同様の手順でcHHEM塩とcHHEMとか
らなるモノマー組成物を製造した。FT-NMRで分析した収
率を第1表に示す。
さらに、えられた反応生成物の20℃および−20℃で保存
したときの分解率(%)を13C−NMRによって調べた。
結果を第1表に併記する。
参考例3 参考例2の実験番号2の条件でえられた反応生成物(cH
HEM塩/cHHEM=0.1/84.9:モル比)に第2表に示す塩基を
加えてcHHEMをcHHEM塩に変換し、参考例2と同様にして
分解率を調べた。結果を第2表に示す。
第2表から明らかなように、pKaが6未満の塩基性化合
物ではその塩基性が弱いためcHHEMの安定化への寄与が
小さいことがわかる。
実施例1 攪拌機を備えた容積800mlのガラス製オートクレーブに
モノグライム160gを仕込み、液体チッ素で固化後、脱気
した。
その後、クロロトリフルオロエチレン(以下、CTFEとい
う)を128.2g仕込み、系内を65℃に加熱した。つぎに、
別途参考例1でえたビニルエーテルモノマー組成物(cH
HEM塩/cHHEM=10/85、モル比)72.83g、ヒドロキシブチ
ルビニルエーテル(以下、HBVEという)49.9g、炭素原
子数10のアルキル基を有するカルボン酸のビニルエステ
ル[シエル化学社製のベオバ10(以下、VAという)]6
1.4gおよびアゾビスイソブチロニトリル(以下、AIBNと
いう)1.64gを混合し、液体チッソで固化後脱気したモ
ノマー混合物を4時間かけて連続して仕込んだ。系内温
度は65℃に維持した。仕込み終了後、65℃で16時間反応
を続け、カルボキシル基含有含フッ素共重合体をえた。
収量は451gで共重合体濃度は64.3%であった(収率、9
8.9%。理論共重合体濃度65%とした)。
えられた共重合体中のフッ素イオンと塩素イオンの濃度
を測定した。
重合体中のフッ素イオン濃度:220ppm 重合体中の塩素イオン濃度:351ppm (ハロゲンイオン含量の測定法) 含フッ素重合体1.0gをメチルイソブチルケトン100gに溶
解し、イオン交換水100gを入れ、300ccの分液ロートで
よく振ってから分液し、イオンクロマト法によって水相
中のフッ素イオンおよび塩素イオン濃度を測定した。な
お、イオン含量は重合体に対する値である。
実施例2〜5および比較例1〜2 第3表に示す重合系で実施例1と同様にして共重合を行
ない、それぞれ含フッ素共重合体をえた。それらの収量
および共重合体濃度を第3表に示す。
なお、第3表中、EVEはエチルビニルエーテルを、コハ
ク酸HEMは を、コハク酸HEM塩はそのトリエチルアミン塩を示す。
〔発明の効果〕 本発明の製造法によれば、高い収率を維持しつつハロゲ
ンイオンの発生量を抑えることができ、したがってえら
れる共重合体を用いた水性塗料、とくに電着塗料は安定
性も塗装性能も良好で、形成される塗膜も均質で高性能
のものとなる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(Ia): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)OM (Ia) (式中、R1は炭素原子数2〜10の2価の脂肪族基、R2
    2価の有機基、Mはアルカリ金属である)で表わされる
    ビニルエーテル、または式(Ib): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)O ・HY (I
    b) (式中、R1およびR2は前記と同じ、Yはチッ素原子また
    はリン原子を含有する化合物であって、そのpKaが6〜1
    2である1官能性の塩基性化合物である)で表わされる
    ビニルエーテルと、式(II): CH2=CHOR1OC(=O)R2C(=O)OH (II) (式中、R1およびR2は前記と同じ)で表わされるビニル
    エーテルとからなり、式(Ia)で表わされるビニルエー
    テルまたは式(Ib)で表わされるビニルエーテルが式
    (II)で表わされるビニルエーテルの1〜50モル%含有
    されてなるビニルエーテルモノマー組成物をフルオロオ
    レフィンと共重合させることを特徴とするハロゲンイオ
    ン発生量の少ない含フッ素共重合体の製造方法。
  2. 【請求項2】アルカリ金属がNa、KまたはLiである請求
    項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】塩基性化合物がpKa8〜11のものである請求
    項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】塩基性化合物がアンモニア、アミン類また
    はフォスフィン類である請求項1記載の製造法。
  5. 【請求項5】塩基性化合物が第3アミン類である請求項
    4記載の製造法。
  6. 【請求項6】R2が2価の炭化水素基である請求項1記載
    の製造法。
  7. 【請求項7】R2が式(i) CHX1 pCX2 2 q (i) [式中、X1は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキ
    ル基、X2は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル
    基、pおよびqは0または1〜11の整数(ただし、同時
    に0であることはない)を示す]で表わされる基、式
    (ii): CH2 rCX3=CHs (ii) [式中、rは0または1〜3の整数、sは1〜3の整
    数、X3は水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基
    を示す]で表わされる基、式(iii): [式中、R7はCHX4 t基(ただし、X4は水素原子また
    は炭素原子数1〜3のアルキル基、tは1〜4の整数で
    ある)、 −CH2CH=CHCH2−基、 で表わされる基、 式(iv): [式中、R8はCHX5 u基(ただし、Xは水素原子また
    は炭素原子数1〜3のアルキル基、uは3〜4の整数で
    ある)またはCX6=CX7 v基(ただし、X6およびX7
    同一または異なり水素原子または炭素原子数1〜3のア
    ルキル基、vは2〜3の整数である)を示す]で表わさ
    れる基、式(v): −C(=CH2)−CH2− (v) で表わされる基または式(vi): で表わされる基である請求項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】フルオロオレフィンがテトラフルオロエチ
    レン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプ
    ロピレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデンお
    よびフッ化ビニルよりなる群から選ばれたものである請
    求項1記載の製造法。
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