JPH0759842A - サブチリシンを固定化した医療材料 - Google Patents
サブチリシンを固定化した医療材料Info
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- JPH0759842A JPH0759842A JP5211453A JP21145393A JPH0759842A JP H0759842 A JPH0759842 A JP H0759842A JP 5211453 A JP5211453 A JP 5211453A JP 21145393 A JP21145393 A JP 21145393A JP H0759842 A JPH0759842 A JP H0759842A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 基材表面にサブチリシンを固定化してなる医
療材料。 【効果】 本発明のサブチリシン固定化医療材料は、優
れた抗血栓性が安定に保持されており、血液と接触して
使用される医療用具の材料等に好適である。
療材料。 【効果】 本発明のサブチリシン固定化医療材料は、優
れた抗血栓性が安定に保持されており、血液と接触して
使用される医療用具の材料等に好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗血栓性に優れた医療材
料に関する。
料に関する。
【0002】
【従来の技術】医療材料に抗血栓性を付与する方法とし
て、抗血栓性を有する生理活性物質を基材表面に固定化
する方法が試みられている。固定化され得る生理活性物
質としては、主に次の3種類のものが挙げられる。 血液凝固因子の活性を抑制するもの。 血小板の活性化を抑制するもの。 血栓(フィブリン塊)を溶解するもの。 上記の生理活性物質としてはヘパリン、アンチトロン
ビンIII、トロンボモジュリン等が、上記の生理活性
物質としてはプロスタグランジン、アスピリン、スルフ
ィンピラゾン等が、上記の生理活性物質としてはウロ
キナーゼ、プラスミン等が知られている。
て、抗血栓性を有する生理活性物質を基材表面に固定化
する方法が試みられている。固定化され得る生理活性物
質としては、主に次の3種類のものが挙げられる。 血液凝固因子の活性を抑制するもの。 血小板の活性化を抑制するもの。 血栓(フィブリン塊)を溶解するもの。 上記の生理活性物質としてはヘパリン、アンチトロン
ビンIII、トロンボモジュリン等が、上記の生理活性
物質としてはプロスタグランジン、アスピリン、スルフ
ィンピラゾン等が、上記の生理活性物質としてはウロ
キナーゼ、プラスミン等が知られている。
【0003】上記のように、血栓を溶解する活性(繊
維素溶解活性)を有する生理活性物質を固定化した医療
材料に関しては、例えば、カテーテルの血液接触部位に
ウロキナーゼを固定化したものが報告されている〔「人
工臓器」第10巻第989〜992頁(1981年)参
照〕。
維素溶解活性)を有する生理活性物質を固定化した医療
材料に関しては、例えば、カテーテルの血液接触部位に
ウロキナーゼを固定化したものが報告されている〔「人
工臓器」第10巻第989〜992頁(1981年)参
照〕。
【0004】一方、納豆菌が産生するタンパク分解酵素
であるナットウキナーゼ等のサブチリシンが、血液凝固
の時に生じるフィブリン塊を溶解させる作用を有してい
ることが知られており、このタンパク分解酵素を経口用
血栓溶解剤として医薬用途に使用できることが報告され
ている(特開平1−180834号公報および特開平3
−168082号公報参照)。
であるナットウキナーゼ等のサブチリシンが、血液凝固
の時に生じるフィブリン塊を溶解させる作用を有してい
ることが知られており、このタンパク分解酵素を経口用
血栓溶解剤として医薬用途に使用できることが報告され
ている(特開平1−180834号公報および特開平3
−168082号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】医療材料に抗血栓性を
付与する目的でウロキナーゼを固定化する場合、ウロキ
ナーゼが非常に不安定な酵素であるため、医療材料表面
に固定化する際の処理条件、固定化後の保存条件および
使用条件により容易に繊維素溶解活性が失活してしま
う。また、血液中にはウロキナーゼの活性阻害物質が存
在しているので、血液に触れると短時間でウロキナーゼ
の活性が著しく低下してしまう。このようにウロキナー
ゼを固定化した医療材料は、抗血栓性が安定に保持され
ないという問題点がある。本発明の目的は、優れた抗血
栓性が安定に保持される医療材料を提供することにあ
る。
付与する目的でウロキナーゼを固定化する場合、ウロキ
ナーゼが非常に不安定な酵素であるため、医療材料表面
に固定化する際の処理条件、固定化後の保存条件および
使用条件により容易に繊維素溶解活性が失活してしま
う。また、血液中にはウロキナーゼの活性阻害物質が存
在しているので、血液に触れると短時間でウロキナーゼ
の活性が著しく低下してしまう。このようにウロキナー
ゼを固定化した医療材料は、抗血栓性が安定に保持され
ないという問題点がある。本発明の目的は、優れた抗血
栓性が安定に保持される医療材料を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決すべく鋭意検討した結果、基材表面にサブチリシン
を固定化してなる医療材料が抗血栓性に優れていること
を見出し、本発明を完成させるにいたった。
解決すべく鋭意検討した結果、基材表面にサブチリシン
を固定化してなる医療材料が抗血栓性に優れていること
を見出し、本発明を完成させるにいたった。
【0007】本発明で用いられるサブチリシンは、Baci
llus subtilis(枯草菌)やBacillus amyloliquefacien
s等のBacillus属の細菌が産生する分子量約28000
のタンパク分解酵素で、繊維素溶解活性を有するもので
ある。この酵素は、ズブチリシンと呼ばれることもあ
る。納豆を作るときに用いられる納豆菌も枯草菌の一種
であり、納豆菌から分離される繊維素溶解活性を有する
酵素であるナットウキナーゼも、本発明のサブチリシン
に含まれるものである。サブチリシンは酵素の安定性が
極めて高いため、固定化により酵素の繊維素溶解活性が
失活することは少ない。また、サブチリシンは温度安定
性も高く、37℃の緩衝液中で15日間保存後も、初期
の繊維素溶解活性の50%以上を保持している。サブチ
リシンとしては、サブチリシン分子をそのまま用いても
よいし、化学的あるいは生物学的な合成によりサブチリ
シンのアミノ酸配列を部分的に有し、繊維素溶解活性を
有するペプチドを用いてもよい。
llus subtilis(枯草菌)やBacillus amyloliquefacien
s等のBacillus属の細菌が産生する分子量約28000
のタンパク分解酵素で、繊維素溶解活性を有するもので
ある。この酵素は、ズブチリシンと呼ばれることもあ
る。納豆を作るときに用いられる納豆菌も枯草菌の一種
であり、納豆菌から分離される繊維素溶解活性を有する
酵素であるナットウキナーゼも、本発明のサブチリシン
に含まれるものである。サブチリシンは酵素の安定性が
極めて高いため、固定化により酵素の繊維素溶解活性が
失活することは少ない。また、サブチリシンは温度安定
性も高く、37℃の緩衝液中で15日間保存後も、初期
の繊維素溶解活性の50%以上を保持している。サブチ
リシンとしては、サブチリシン分子をそのまま用いても
よいし、化学的あるいは生物学的な合成によりサブチリ
シンのアミノ酸配列を部分的に有し、繊維素溶解活性を
有するペプチドを用いてもよい。
【0008】ウロキナーゼは、血液中に存在するプラス
ミノーゲンを繊維素溶解活性を有する酵素であるプラス
ミンに転化することにより繊維素溶解活性を発現する
が、血液中にはプラスミンインヒビター等の阻害物質が
存在しており、短時間で繊維素溶解活性が失われるとい
う欠点がある。それに対して、本発明に使用されるサブ
チリシンは、血液中に阻害物質がほとんど存在していな
いため、血液と接触しても繊維素溶解活性の低下はほと
んど見られない。
ミノーゲンを繊維素溶解活性を有する酵素であるプラス
ミンに転化することにより繊維素溶解活性を発現する
が、血液中にはプラスミンインヒビター等の阻害物質が
存在しており、短時間で繊維素溶解活性が失われるとい
う欠点がある。それに対して、本発明に使用されるサブ
チリシンは、血液中に阻害物質がほとんど存在していな
いため、血液と接触しても繊維素溶解活性の低下はほと
んど見られない。
【0009】サブチリシンを固定化する基材としては、
公知の医療用具に使用可能な有機高分子材料および無機
材料等が利用される。有機高分子材料としては、例え
ば、キチン、キトサン、アガロース、セルロース、ポリ
ビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリ
三弗化エチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリスル
ホン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ナイロン、天然ゴム、シリコンゴム等の合成ゴムお
よびこれらの誘導体を挙げることができる。また、無機
材料としては、例えば、ガラス;鉄、ステンレス鋼、チ
タン、アルミニウム等の金属;ヒドロキシアパタイト等
のリン酸化合物を挙げることができる。なかでもセルロ
ース、アガロース、ポリビニルアルコール等からなる多
孔質構造の有機高分子材料を基材として用いると、単位
表面積当たりのサブチリシンの固定化量が増加するので
好ましい。
公知の医療用具に使用可能な有機高分子材料および無機
材料等が利用される。有機高分子材料としては、例え
ば、キチン、キトサン、アガロース、セルロース、ポリ
ビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合
体、ポリウレタン、ポリウレア、ポリ塩化ビニル、ポリ
アクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリ
三弗化エチレン、ポリビニリデンフロライド、ポリスル
ホン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステ
ル、ナイロン、天然ゴム、シリコンゴム等の合成ゴムお
よびこれらの誘導体を挙げることができる。また、無機
材料としては、例えば、ガラス;鉄、ステンレス鋼、チ
タン、アルミニウム等の金属;ヒドロキシアパタイト等
のリン酸化合物を挙げることができる。なかでもセルロ
ース、アガロース、ポリビニルアルコール等からなる多
孔質構造の有機高分子材料を基材として用いると、単位
表面積当たりのサブチリシンの固定化量が増加するので
好ましい。
【0010】基材表面へのサブチリシンの固定化には共
有結合を用いるのが好ましい。共有結合を形成させる方
法としては、固定化酵素やアフィニティクロマトグラフ
ィで通常用いられるような方法を用いることができる。
例えば、基材表面に活性エステル基を導入し、該活性エ
ステル基とサブチリシンを反応させて共有結合させる方
法、基材表面にエポキシ基を導入し、該エポキシ基とサ
ブチリシンを反応させて共有結合させる方法、基材表面
にジアゾ基を導入し、該ジアゾ基とサブチリシンを反応
させて共有結合させる方法、基材表面にシランカップリ
ング剤を介してサブチリシンを固定化する方法等があ
る。サブチリシンはアルカリ性において安定であること
から、アルカリ性の条件下で反応させることが可能な、
エポキシ基とサブチリシンを反応させて固定化する方法
が好ましい。さらに、固定化されたサブチリシンが脱離
しにくいという観点から、基材表面にシランカップリン
グ剤を介してサブチリシンを固定化する方法が好まし
い。
有結合を用いるのが好ましい。共有結合を形成させる方
法としては、固定化酵素やアフィニティクロマトグラフ
ィで通常用いられるような方法を用いることができる。
例えば、基材表面に活性エステル基を導入し、該活性エ
ステル基とサブチリシンを反応させて共有結合させる方
法、基材表面にエポキシ基を導入し、該エポキシ基とサ
ブチリシンを反応させて共有結合させる方法、基材表面
にジアゾ基を導入し、該ジアゾ基とサブチリシンを反応
させて共有結合させる方法、基材表面にシランカップリ
ング剤を介してサブチリシンを固定化する方法等があ
る。サブチリシンはアルカリ性において安定であること
から、アルカリ性の条件下で反応させることが可能な、
エポキシ基とサブチリシンを反応させて固定化する方法
が好ましい。さらに、固定化されたサブチリシンが脱離
しにくいという観点から、基材表面にシランカップリン
グ剤を介してサブチリシンを固定化する方法が好まし
い。
【0011】基材表面にシランカップリング剤を介して
サブチリシンを固定化する場合には、まず基材表面の水
酸基とシランカップリング剤とを反応させて共有結合さ
せた後、乾燥させることによりシランカップリング剤を
架橋させる。次いで、架橋したシランカップリング剤と
サブチリシンを直接共有結合させるか、またはスペーサ
を介して共有結合させる。
サブチリシンを固定化する場合には、まず基材表面の水
酸基とシランカップリング剤とを反応させて共有結合さ
せた後、乾燥させることによりシランカップリング剤を
架橋させる。次いで、架橋したシランカップリング剤と
サブチリシンを直接共有結合させるか、またはスペーサ
を介して共有結合させる。
【0012】基材表面に水酸基を有しない材料を用いる
場合には、公知の酸化処理方法によって水酸基を導入し
てから用いるのが好ましい。酸化処理方法としては、例
えば、酸素ガスを含む気体中でプラズマ処理する方法、
硫酸溶液中または過マンガン酸塩を含む硫酸溶液中で化
学処理する方法等が挙げられる。プラズマ処理する方法
は、医療材料を短時間で大量に処理することができ、さ
らにガス中で処理するために医療材料を清浄に保つこと
ができるため好ましい。化学処理する方法は、複雑な形
状を有するもの、容器内面などのプラズマ処理できない
ものをも処理することができ、適用範囲が広い。一般
に、血液と接触する医療材料は、チューブ、中空糸およ
びボトルなどの複雑な形状をしたものが多く、化学処理
する方法が有利である。
場合には、公知の酸化処理方法によって水酸基を導入し
てから用いるのが好ましい。酸化処理方法としては、例
えば、酸素ガスを含む気体中でプラズマ処理する方法、
硫酸溶液中または過マンガン酸塩を含む硫酸溶液中で化
学処理する方法等が挙げられる。プラズマ処理する方法
は、医療材料を短時間で大量に処理することができ、さ
らにガス中で処理するために医療材料を清浄に保つこと
ができるため好ましい。化学処理する方法は、複雑な形
状を有するもの、容器内面などのプラズマ処理できない
ものをも処理することができ、適用範囲が広い。一般
に、血液と接触する医療材料は、チューブ、中空糸およ
びボトルなどの複雑な形状をしたものが多く、化学処理
する方法が有利である。
【0013】シランカップリング剤としては、少なくと
も2個の加水分解性基およびサブチリシンと直接あるい
はスペーサ等の分子と結合する基を有するシラン化合物
が用いられる。加水分解性基としては、加水分解して水
酸基となる基であり、例えば、アルコキシ基、アシルオ
キシ基およびハロゲン原子等があげられる。この加水分
解性基は、基材表面の水酸基との結合または隣接するシ
ランカップリング剤同士の架橋に用いられるので、その
数は多いほうが好ましい。上記のサブチリシンと直接あ
るいはスペーサ等の分子と結合する官能基としては、例
えば、アルデヒド基、エポキシ基、イソシアネート基、
スクシンイミド基、ジアゾ基、アミノ基、チオール基、
カルボキシル基等を挙げることができる。これらの官能
基のうち、アルデヒド基、エポキシ基、スクシンイミド
基、ジアゾ基は直接サブチリシンと共有結合可能である
が、その他の官能基の場合は、スペーサ等を介してサブ
チリシンを結合させることが可能である。
も2個の加水分解性基およびサブチリシンと直接あるい
はスペーサ等の分子と結合する基を有するシラン化合物
が用いられる。加水分解性基としては、加水分解して水
酸基となる基であり、例えば、アルコキシ基、アシルオ
キシ基およびハロゲン原子等があげられる。この加水分
解性基は、基材表面の水酸基との結合または隣接するシ
ランカップリング剤同士の架橋に用いられるので、その
数は多いほうが好ましい。上記のサブチリシンと直接あ
るいはスペーサ等の分子と結合する官能基としては、例
えば、アルデヒド基、エポキシ基、イソシアネート基、
スクシンイミド基、ジアゾ基、アミノ基、チオール基、
カルボキシル基等を挙げることができる。これらの官能
基のうち、アルデヒド基、エポキシ基、スクシンイミド
基、ジアゾ基は直接サブチリシンと共有結合可能である
が、その他の官能基の場合は、スペーサ等を介してサブ
チリシンを結合させることが可能である。
【0014】シランカップリング剤としては、例えば、
2−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−ア
ミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシランなどを挙げること
ができる。
2−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−ア
ミノエチルアミノプロピル)トリエトキシシラン、3−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシ
アネートプロピルトリエトキシシランなどを挙げること
ができる。
【0015】シランカップリング剤またはシランカップ
リング剤に結合したスペーサの官能基とサブチリシンの
反応は、官能基がエポキシ基である場合にはアルカリ性
(pH9〜12)の条件下で、スクシンイミド基の場合
には中性(pH6〜8)の条件下で反応させるのが好ま
しい。
リング剤に結合したスペーサの官能基とサブチリシンの
反応は、官能基がエポキシ基である場合にはアルカリ性
(pH9〜12)の条件下で、スクシンイミド基の場合
には中性(pH6〜8)の条件下で反応させるのが好ま
しい。
【0016】本発明の医療材料は優れた抗血栓性を有し
ているが、この抗血栓性は血液凝固作用により生成した
フィブリン塊が、繊維素溶解活性を有するサブチリシン
に溶解されることにより発現する。したがって、医療材
料の基材表面に固定化されたサブチリシンの繊維素溶解
活性を測定することにより、該医療材料の抗血栓性を評
価することが可能である。例えば、医療材料のサブチリ
シン固定化部位をフィブリンプレートの上に接触させ、
接触部分のフィブリン分解の有無を目視にて観察する方
法、フィブリンを模倣したペプチド(Boc-Val-Leu-Lys-
MCAまたはBoc-Glu-Lys-Lys-MCA等)の分解活性を測定す
る方法等によって抗血栓性を評価することができる。
ているが、この抗血栓性は血液凝固作用により生成した
フィブリン塊が、繊維素溶解活性を有するサブチリシン
に溶解されることにより発現する。したがって、医療材
料の基材表面に固定化されたサブチリシンの繊維素溶解
活性を測定することにより、該医療材料の抗血栓性を評
価することが可能である。例えば、医療材料のサブチリ
シン固定化部位をフィブリンプレートの上に接触させ、
接触部分のフィブリン分解の有無を目視にて観察する方
法、フィブリンを模倣したペプチド(Boc-Val-Leu-Lys-
MCAまたはBoc-Glu-Lys-Lys-MCA等)の分解活性を測定す
る方法等によって抗血栓性を評価することができる。
【0017】サブチリシンの基材表面への固定化量とし
ては、基材表面に形成された血栓を溶解するための必要
量が固定化されていればよく、例えば、Boc-Glu-Lys-Ly
s-MCAが分解されることにより遊離する7−アミノ−4
−メチル−クマリン(AMC)の生成量を測定したと
き、基材表面1cm2当たり、20pmol/min以
上であることが好ましい。
ては、基材表面に形成された血栓を溶解するための必要
量が固定化されていればよく、例えば、Boc-Glu-Lys-Ly
s-MCAが分解されることにより遊離する7−アミノ−4
−メチル−クマリン(AMC)の生成量を測定したと
き、基材表面1cm2当たり、20pmol/min以
上であることが好ましい。
【0018】本発明の医療材料は優れた抗血栓性が安定
に保持されるため、人工腎臓、人工肺、人工血管、人工
心臓、血液成分分離器、血液成分吸着器、血液回路、血
液ポンプ、脱血用カテーテル、冠動脈用バルーンカテー
テル、血管内留置針等のように血液と接触して使用され
る医療用具の材料等に好適である。
に保持されるため、人工腎臓、人工肺、人工血管、人工
心臓、血液成分分離器、血液成分吸着器、血液回路、血
液ポンプ、脱血用カテーテル、冠動脈用バルーンカテー
テル、血管内留置針等のように血液と接触して使用され
る医療用具の材料等に好適である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】実施例1 塩化ビニル製の血液回路を使用し、下記の方法に従って
血液接触部位にサブチリシンを固定化した。0.4%過
マンガン酸カリウムを含む20%硫酸溶液を、血液回路
の血液接触部位に充填し、5分間放置した後、蒸留水で
10分間洗浄した。次に3−(2−アミノエチルアミノ
プロピル)トリエトキシシラン(信越化学社製)の2%
エタノール溶液を血液回路の血液接触部位に充填し、5
分間放置した後、その溶液を捨て、40℃に加温した空
気を送り込んで2時間乾燥させた。その後蒸留水を2時
間流して洗浄した。次にこの血液回路の血液接触部位に
無水コハク酸の4%メタノール溶液を満たし、12時間
放置後、メタノールで洗浄した。更に、この血液回路に
N-ヒドロキシスクシンイミドの6%メタノール溶液を
満たし、12時間放置した後、メタノールで洗浄した。
サブチリシン〔ベーリンガー・マンハイム山之内(株)
製〕をpH7.5のリン酸緩衝液に0.5mg/mlに
なるように溶解した溶液を充填し、5℃で8時間反応さ
せることにより、サブチリシンを固定化した血液回路を
得た。上記の方法で作製したサブチリシン固定化血液回
路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材表面積1c
m2当たりAMCの遊離量は870pmol/minで
あった。さらに、サブチリシン固定化血液回路にウシ血
漿を20分間、40分間および60分間接触させた後、
該血液回路の繊維素溶解活性を測定し、活性保持率を求
めた結果を図1に示す。なお、繊維素溶解活性は下記の
方法に従って測定した。表面積が約1cm2の基材を、
0.1M NaClおよび0.01M CaCl2を含む
0.05M Tris緩衝液(pH8.0)2.5ml
に入れ、さらにこの溶液に10mMのペプチド(Boc-Gl
u-Lys-Lys-MCA、ペプチド研究所製)溶液を25μl加
え、37℃で10分間反応させた。続いて17%酢酸溶
液1.5mlを加えて反応を停止させた後、ペプチドの
分解により遊離したAMCの蛍光を、分光蛍光光度計
(励起波長380nm、蛍光波長460nm)にて測定
することにより繊維素溶解活性を求めた。
血液接触部位にサブチリシンを固定化した。0.4%過
マンガン酸カリウムを含む20%硫酸溶液を、血液回路
の血液接触部位に充填し、5分間放置した後、蒸留水で
10分間洗浄した。次に3−(2−アミノエチルアミノ
プロピル)トリエトキシシラン(信越化学社製)の2%
エタノール溶液を血液回路の血液接触部位に充填し、5
分間放置した後、その溶液を捨て、40℃に加温した空
気を送り込んで2時間乾燥させた。その後蒸留水を2時
間流して洗浄した。次にこの血液回路の血液接触部位に
無水コハク酸の4%メタノール溶液を満たし、12時間
放置後、メタノールで洗浄した。更に、この血液回路に
N-ヒドロキシスクシンイミドの6%メタノール溶液を
満たし、12時間放置した後、メタノールで洗浄した。
サブチリシン〔ベーリンガー・マンハイム山之内(株)
製〕をpH7.5のリン酸緩衝液に0.5mg/mlに
なるように溶解した溶液を充填し、5℃で8時間反応さ
せることにより、サブチリシンを固定化した血液回路を
得た。上記の方法で作製したサブチリシン固定化血液回
路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材表面積1c
m2当たりAMCの遊離量は870pmol/minで
あった。さらに、サブチリシン固定化血液回路にウシ血
漿を20分間、40分間および60分間接触させた後、
該血液回路の繊維素溶解活性を測定し、活性保持率を求
めた結果を図1に示す。なお、繊維素溶解活性は下記の
方法に従って測定した。表面積が約1cm2の基材を、
0.1M NaClおよび0.01M CaCl2を含む
0.05M Tris緩衝液(pH8.0)2.5ml
に入れ、さらにこの溶液に10mMのペプチド(Boc-Gl
u-Lys-Lys-MCA、ペプチド研究所製)溶液を25μl加
え、37℃で10分間反応させた。続いて17%酢酸溶
液1.5mlを加えて反応を停止させた後、ペプチドの
分解により遊離したAMCの蛍光を、分光蛍光光度計
(励起波長380nm、蛍光波長460nm)にて測定
することにより繊維素溶解活性を求めた。
【0021】比較例1 サブチリシン溶液を、pH7.5のリン酸緩衝液にプラ
スミン(シグマ社製)を0.2U/mlになるように溶
解した溶液に代えた以外は、実施例1と同様にしてプラ
スミン固定化血液回路を得た。得られたプラスミン固定
化血液回路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材表
面積1cm2当たりAMCの遊離量は860pmol/
minであった。さらに、プラスミン固定化血液回路に
ウシ血漿を20分間、40分間および60分間接触させ
た後、該血液回路の繊維素溶解活性を測定し、活性保持
率を求めた結果を図1に示す。
スミン(シグマ社製)を0.2U/mlになるように溶
解した溶液に代えた以外は、実施例1と同様にしてプラ
スミン固定化血液回路を得た。得られたプラスミン固定
化血液回路の繊維素溶解活性を測定したところ、基材表
面積1cm2当たりAMCの遊離量は860pmol/
minであった。さらに、プラスミン固定化血液回路に
ウシ血漿を20分間、40分間および60分間接触させ
た後、該血液回路の繊維素溶解活性を測定し、活性保持
率を求めた結果を図1に示す。
【0022】比較例2 サブチリシン溶液を、pH7.5のリン酸緩衝液にウロ
キナーゼ(ミドリ十字社製)を200U/mlになるよ
うに溶解した溶液に代えた以外は、実施例1と同様にし
てウロキナーゼ固定化血液回路を得た。得られたウロキ
ナーゼ固定化血液回路の繊維素溶解活性を測定したとこ
ろ、基材表面積1cm2当たりAMCの遊離量は600
pmol/minであった。さらに、ウロキナーゼ固定
化血液回路にウシ血漿を20分間、40分間および60
分間接触させた後、該血液回路の繊維素溶解活性を測定
し、活性保持率を求めた結果を図1に示す。なお、繊維
素溶解活性の測定には、基質のペプチドとしてGlt-Gly-
Arg-MCA(ペプチド研究所製)を用いた。
キナーゼ(ミドリ十字社製)を200U/mlになるよ
うに溶解した溶液に代えた以外は、実施例1と同様にし
てウロキナーゼ固定化血液回路を得た。得られたウロキ
ナーゼ固定化血液回路の繊維素溶解活性を測定したとこ
ろ、基材表面積1cm2当たりAMCの遊離量は600
pmol/minであった。さらに、ウロキナーゼ固定
化血液回路にウシ血漿を20分間、40分間および60
分間接触させた後、該血液回路の繊維素溶解活性を測定
し、活性保持率を求めた結果を図1に示す。なお、繊維
素溶解活性の測定には、基質のペプチドとしてGlt-Gly-
Arg-MCA(ペプチド研究所製)を用いた。
【0023】図1から、プラスミンまたはウロキナーゼ
を固定化した医療材料では、血液との接触により速やか
に繊維素溶解活性が失活するが、サブチリシンを固定化
した医療材料では、繊維素溶解活性はほとんど失活しな
いことがわかる。
を固定化した医療材料では、血液との接触により速やか
に繊維素溶解活性が失活するが、サブチリシンを固定化
した医療材料では、繊維素溶解活性はほとんど失活しな
いことがわかる。
【0024】実施例2 ポリメチルペンテン樹脂製人工肺用中空糸および血液接
触部分がポリウレタン、ポリカーボネートからなる部品
で構成される人工肺モジュールを使用し、下記の方法に
従って血液接触部位にサブチリシンを固定化した。0.
4%過マンガン酸カリウムを含む20%硫酸を人工肺モ
ジュールの血液接触部位に充填し、5分間放置した後、
蒸留水で10分間洗浄した。次に3−グリシドキシプロ
ピルメトキシシラン(信越化学社製)の2%エタノール
溶液を人工肺モジュールの血液接触部位に充填し、5分
間放置した後、その溶液を捨て、37℃に加温した空気
を送り込んで2時間乾燥させた。その後蒸留水を2時間
循環させて洗浄した。続いて、pH9.5のホウ酸緩衝
液にサブチリシンを1mg/mlになるよう溶解した溶
液を血液接触部位に充填し、10℃で18時間反応させ
ることによりサブチリシンを固定化した人工肺モジュー
ルを得た。得られたサブチリシン固定化人工肺モジュー
ルを分解して中空糸を取り出し、この中空糸をユーグロ
ブリン分画を含むもの、およびユーグロブリン分画を含
まないものの2種類のフィブリンプレート上にのせ、3
7℃で24時間加温した後、フィブリンの溶解量を目視
にて観察した。その結果、ユーグロブリン分画を含むも
の、およびユーグロブリン分画を含まないものいずれの
フィブリンプレートの場合も、中空糸と接触している部
分のフィブリンの溶解が観察され、中空糸表面が繊維素
溶解活性を有していることが確認された。さらに、ユー
グロブリン分画を含むフィブリンプレートにおいてもフ
ィブリンの溶解が観察されることから、血液中にはサブ
チリシンの繊維素溶解活性を阻害するような物質が存在
していないことがわかる。
触部分がポリウレタン、ポリカーボネートからなる部品
で構成される人工肺モジュールを使用し、下記の方法に
従って血液接触部位にサブチリシンを固定化した。0.
4%過マンガン酸カリウムを含む20%硫酸を人工肺モ
ジュールの血液接触部位に充填し、5分間放置した後、
蒸留水で10分間洗浄した。次に3−グリシドキシプロ
ピルメトキシシラン(信越化学社製)の2%エタノール
溶液を人工肺モジュールの血液接触部位に充填し、5分
間放置した後、その溶液を捨て、37℃に加温した空気
を送り込んで2時間乾燥させた。その後蒸留水を2時間
循環させて洗浄した。続いて、pH9.5のホウ酸緩衝
液にサブチリシンを1mg/mlになるよう溶解した溶
液を血液接触部位に充填し、10℃で18時間反応させ
ることによりサブチリシンを固定化した人工肺モジュー
ルを得た。得られたサブチリシン固定化人工肺モジュー
ルを分解して中空糸を取り出し、この中空糸をユーグロ
ブリン分画を含むもの、およびユーグロブリン分画を含
まないものの2種類のフィブリンプレート上にのせ、3
7℃で24時間加温した後、フィブリンの溶解量を目視
にて観察した。その結果、ユーグロブリン分画を含むも
の、およびユーグロブリン分画を含まないものいずれの
フィブリンプレートの場合も、中空糸と接触している部
分のフィブリンの溶解が観察され、中空糸表面が繊維素
溶解活性を有していることが確認された。さらに、ユー
グロブリン分画を含むフィブリンプレートにおいてもフ
ィブリンの溶解が観察されることから、血液中にはサブ
チリシンの繊維素溶解活性を阻害するような物質が存在
していないことがわかる。
【0025】比較例3 サブチリシン溶液を、pH7.5のリン酸緩衝液にプラ
スミン(シグマ社製)を0.2U/mlになるように溶
解した溶液に代えた以外は、実施例2と同様にしてプラ
スミン固定化人工肺モジュールを得た。得られたプラス
ミン固定化人工肺モジュールを分解して中空糸を取り出
し、実施例2と同様にユーグロブリン分画を含むもの、
およびユーグロブリン分画を含まないものの2種類のフ
ィブリンプレート上にのせ、フィブリンの溶解量を目視
にて観察した。その結果、ユーグロブリン分画を含まな
いフィブリンプレートではフィブリンの溶解が観察され
たが、ユーグロブリン分画を含むプレートではフィブリ
ンの溶解が観察されなかった。このことから、血液中に
はプラスミンの繊維素溶解活性を失活するような物質が
存在していることがわかる。
スミン(シグマ社製)を0.2U/mlになるように溶
解した溶液に代えた以外は、実施例2と同様にしてプラ
スミン固定化人工肺モジュールを得た。得られたプラス
ミン固定化人工肺モジュールを分解して中空糸を取り出
し、実施例2と同様にユーグロブリン分画を含むもの、
およびユーグロブリン分画を含まないものの2種類のフ
ィブリンプレート上にのせ、フィブリンの溶解量を目視
にて観察した。その結果、ユーグロブリン分画を含まな
いフィブリンプレートではフィブリンの溶解が観察され
たが、ユーグロブリン分画を含むプレートではフィブリ
ンの溶解が観察されなかった。このことから、血液中に
はプラスミンの繊維素溶解活性を失活するような物質が
存在していることがわかる。
【0026】
【発明の効果】本発明のサブチリシン固定化医療材料
は、優れた抗血栓性が安定に保持されており、血液と接
触して使用される医療用具の材料等に好適である。
は、優れた抗血栓性が安定に保持されており、血液と接
触して使用される医療用具の材料等に好適である。
【図1】実施例1で得られたサブチリシン固定化血液回
路、比較例1で得られたプラスミン固定化血液回路およ
び比較例2で得られたウロキナーゼ固定化血液回路にウ
シ血漿を接触させた時の、繊維素溶解活性の経時変化を
示すグラフである。
路、比較例1で得られたプラスミン固定化血液回路およ
び比較例2で得られたウロキナーゼ固定化血液回路にウ
シ血漿を接触させた時の、繊維素溶解活性の経時変化を
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浄原 法蔵 岡山県備前市伊里中246
Claims (1)
- 【請求項1】 基材表面にサブチリシンを固定化してな
る医療材料。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5211453A JPH0759842A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | サブチリシンを固定化した医療材料 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5211453A JPH0759842A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | サブチリシンを固定化した医療材料 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0759842A true JPH0759842A (ja) | 1995-03-07 |
Family
ID=16606200
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5211453A Pending JPH0759842A (ja) | 1993-08-26 | 1993-08-26 | サブチリシンを固定化した医療材料 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0759842A (ja) |
-
1993
- 1993-08-26 JP JP5211453A patent/JPH0759842A/ja active Pending
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