JPH0761973B2 - 光学活性な2―フルオロアルカン酸およびそれを含む液晶組成物 - Google Patents

光学活性な2―フルオロアルカン酸およびそれを含む液晶組成物

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JPH0761973B2
JPH0761973B2 JP62077699A JP7769987A JPH0761973B2 JP H0761973 B2 JPH0761973 B2 JP H0761973B2 JP 62077699 A JP62077699 A JP 62077699A JP 7769987 A JP7769987 A JP 7769987A JP H0761973 B2 JPH0761973 B2 JP H0761973B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、新規な光学活性物質、およびそれを含有する
液晶組成物に関する。
〔背景技術〕
光学活性を有することを特徴とする種々の光学素子とし
ては、以下に例示するように多くのものが知られてい
る。
1)液晶状態においてコレステリツク・ネマテイツク相
転移効果を利用するもの(J.J.Wysoki,A.Adams and W.H
aas;Phys.Rev.Lett.,20,1024(1968))、 2)液晶状態においてホワイト・テイラー形ゲスト.ホ
スト効果を利用するもの(D.L.White and G.N.Taylor;
J.Appl.Phys.,45,4718(1974))、 3)液晶状態においてカイラル・スメクチツクC相、H
相、F相、I相、G相、K相、J相の強誘電性効果を利
用するもの(N.A.Clark and S.T.Lagerwall;Appl.Phys.
Lett.,36,899(1980))、 4)液晶状態においてコレステリツク相を持つものをマ
トリツクス中へ固定することにより、その選択散乱特性
を利用し、ノツチフイルターやバンドバスフイルターと
して利用するもの(F.J.Kahn,Appl.Phys.Lett.,18,231
(1971))、円偏光特性を利用した円偏光ビームスプリ
ツターとして利用するもの(S.D.Jacobs,SPIE,37,98(1
981));等。
個々の方式について詳細な説明は省略するが、いずれの
表示素子や変調素子として重要である。
これら光学素子を構成する機能性材料の主要成分とし
て、あるいは比較的少量成分ではあるが、重要な機能成
分として光学活性化合物が使用される。例えばH.Arnol
d,Z.Phys.Chem.,226,1446(1964)は、上記したような
光学素子材料、特に液晶材料に、他の光学活性物質ない
しは液晶性化合物を添加することにより、液晶状態にお
いて発現する液晶相の種類や温度範囲を制御することを
開示する。また電界応答により駆動される液晶材料に、
大きな双極子を持つ化合物を導入して、より電界応答性
の良好な液晶材料を得ることも期待される。
しかしながら、従来知られている光学活性物質は、導入
される基の長さの変更が容易でなく、液晶状態の制御に
は不向きなものが多かった。
このような光学活性機能性材料の多くは、それ自体、光
学活性の中間体を経て合成される。
従来、光学活性を有することを特徴とする光学素子に必
要な機能性材料を合成するための光学活性中間体として
は、2−メチルブタノール、2級オクチルアルコール、
2級ブチルアルコール、塩化p−(2−メチルブチル)
安息香酸、2級フエネチルアルコール、アミノ酸誘導
体、シヨウノウ誘導体、コレステロール誘導体等が知ら
れている。
しかし、これらは次のような欠点を有している。光学活
性な鎖状炭化水素誘導体は構造の変更が困難で、しかも
一部のものを除き非常に高価なものである。アミノ酸誘
導体は比較的安価な上に構造の変更も容易であるがアミ
ンの水素基が化学的に活性が強く、水素結合や化学反応
を生じやすいために機能性材料の特性を制限してしまい
やすい。シヨウノウ誘導体、コレステロール誘導体は構
造の変更が困難なうえに立体的な障害によって機能性材
料の特性に悪影響を与えやすい。
また、光学活性を有することを特徴とする光学素子のう
ち、液晶状態の電界応答光学効果を用いる方法において
は、応答性を高めるために極性基を導入することが行わ
れてきたが、上記従来の光学活性中間体は極性の小さい
ものか、あるいは極性基を有効に利用できないものがほ
とんどであった。
とくに強誘電性液晶においては、応答速度は自発分極に
比例することが知られており、高速化のために自発分極
を増加させることが望まれている。このような点からP.
Kellerらは不斉炭素に塩素基を導入することで自発分極
を増加させ応答速度の高速化が可能であることを示した
(C.R.Acad.Sc.Paris,282C,639(1976))。しかし、不
斉炭素に導入された塩素基は化学的に不安定であるうえ
に、原子半径が大きいことから液晶相の安定性が低下す
るという欠点を有しているためにその改善が望まれてい
る。
さらに、不斉炭素にフツ素基を導入したものとして、光
学活性な2−フルオロアルカノイツク酸が知られてい
る。これは、G.A.OLAHらにより、α−アミノ酸をフツ化
水素/ピリジン中でジアゾ化する方法〔J.Org.Chem.,Vo
l.44(2)3872〜3881(1979)〕が報告されているが、
2−フルオロアルカノイツク酸のアルカン部分は、出発
原料として光学活性なα−アミノ酸を使用するため、メ
チル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、se
c−ブチル基等が用いられている。しかしながら、これ
らアルカン部分はいずれも短く、直線性に欠けるため、
光学活性な機能性材料あるいは光学活性中間体として使
用される場合大きな制約となていた。
〔発明の目的〕
上述の事情に鑑み、本判明の主要な目的は、適当な光学
活性中間体として有用であるだけでなく、液晶性化合物
に誘導したときに高い安定性と大きな自発分極をもとろ
すところの有用な光学活性物質、およびこれを含む液晶
組成物を提供することにある。
また、本発明はアルキル基の長さを変更することが容易
で、このことによりH.Arnold,Z.Phys.Chem.,226,146(1
964)に示されるように液晶状態において発現する液晶
相の種類や温度範囲を制御することが可能な液晶性化合
物及びそれを少なくとも1種類配合成分として含有する
液晶組成物を提供することを目的とする。
〔発明の概要〕
本発明は、まず一般式(I) (ここで、Rは炭素数7〜12の直鎖状アルキル基であ
り、C*は不斉炭素原子を示す。) で表わされる光学活性な2−フルオロアルアン酸を提供
するものである。
上記一般式(I)で示される化合物は、前述したよう
な、液晶状態の制御ならびに電界応答性の改善効果を有
するほか、その光学活性を失うことなく、更に他の機能
性中間体と結合して種々の誘導体を合成することも期待
される。
しかしながら、現在までに式(I)で示されるような光
学活性な化合物は知られていない。
本発明者らは以上のような知見に基き、鋭意研究を重ね
た結果、下記一般式(II)で表わされる光学活性2−フ
ルオロ−1−アルカノールを適当な酸化剤を用いて部分
酸化することにより、前記式(I)で示される光学活性
な化合物の合成に成功し、本発明を完成した。
(上記一般式(II)中Rは炭素数7〜12の直鎖状アルキ
ル基を示し、C*は不斉炭素原子を示す。) 本発明の一般式(I)で表わされるところの新規な光学
活性物質は、上述したようにそれ自体で有用な液晶成分
となる。例えば、ツイステツド・ネマチツク(TN)型表
示素子用のネマチツク液晶組成物にごく少量添加するこ
とにより表示面のしま模様(リバースドメイン)の発生
を防止し、その表示の均一性を増大させることにも有効
に利用することが出来る。
すなわち本発明は、上記一般式(I)で表わされる光学
活性な化合物を少なくとも一種類含有することを特徴と
する液晶組成物をも提供するものである。
〔発明の具体的説明〕
本発明にしたがい、前記式(I)の光学活性化合物を製
造するには、まず出発原料として前記式(II)で表わさ
れる光学活性2−フルオロ−1−アルカノールを用い
る。この様な光学活性な2−フルオロ−1−アルカノー
ルは、例えば特願昭60−232886号の明細書に示すよう
に、光学活性1,2−エポキシアルカンに、フツ化水素を
負荷反応する方法等によって容易に得られる。
次いで上記光学活性2−フルオロ−1−アルカノールを
無水酢酸または塩化アセチルを作用させることにより、
酢酸エステルとした後、酢酸溶媒中での濃硝酸を作用さ
せることにより、目的とする光学活性2−フルオロアル
カン酸を得ることができる。
本発明の式(I)で示される光学活性化合物は出発物質
としての2−フルオロ−1−アルカノールのアルカン部
分の炭素数を変化させることにより、上記Rを幅広く変
更することが可能であるが、本発明では、Rが、特に炭
素数7〜12のアルキル基であるものが与えられる。
このようにして得られた式(I)で示される光学活性化
合物は先にも述べたように光学活性な鎖状炭化水素誘導
体、アミノ酸誘導体、シヨウノウ誘導体、コレステロー
ル誘導体等に代わり、カルボン酸基を利用してエステル
結合等により、他の中間体と結合させることができる。
このため光学素子を形成する機能性材料を製造するため
の中間体として有用であるほか、各種天然光学活性物質
の合成の中間体としても用いられる。
また式(I)の光学活性物質は、マネチツク液晶に添加
することにより、TN型セルにおけるリバースドメインの
発生を防止することに有効である。この場合、得られる
液晶組成物の0.01〜50重量%の割合となるように式
(I)の光学活性物質を使用することが好ましい。
またネマツチク液晶もしくはカイラルネマチツク液晶に
添加することにより、カイラルネマチツク液晶として、
相転移型液晶素子やホワイト・テイラー形ゲスト・ホス
ト型液晶素子に液晶組成物として使用することが可能で
ある。この場合、得られる液晶組成物の0.01〜80重量%
の割合となるように式(I)の光学活性物質を用いるこ
とが好ましい。
また、前記式(I)の光学活性物質は、それ自体で強誘
電性のカイラルスメクチツク液晶状態を呈する液晶組成
物に、例えば得られる液晶組成物の0.01〜80重量%の割
合となるように式(I)の光学活性物質を添加すること
により、耐久性等の特性を改善することができる。更に
は、以下に構造式および相転移温度を1)〜5)として
示すようなスメチツク液晶に添加して、強誘電性カイラ
ルスメクチツク相を呈する液晶組成物を与えることもで
きる。この場合、得られる液晶組成物の0.01〜80重量%
の割合となるように式(I)の光学活性物質を添加する
ことが好ましい。このようにカイラルスメクチツク液晶
組成物を与えるために、前記式(I)の光学活性物質を
添加して利用する場合には、大きな自発分極を得ること
が可能となり、応答時間を短くし、しきい値電圧を低く
することができる。
ここで、記号は、それぞれ以下の相を示す。
Cryst.:結晶相、SmA:スメクチツクA相 SmB:スメクチツクB相、SmC:スメクチツクC相 N :ネマチツク相、Iso.:等方相。
以下実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
〔実施例1〕 下記反応工程式に従い、光学活性な2−フルオロオクタ
ン酸を製造した。
(1)光学活性な2−フルオロオクチルアセテートの合
成 2−フルオロオクチルアルコール2.22g(15.5mmol)と
無水酢酸1.61g(15.8mmol)、酢酸ナトリウム0.56g(6.
8mmol)を乾燥ベンゼン5mlに加え、90℃で4時間環流し
た。反応終了後、水、5mlを加えベンゼン10mlで2回抽
出した。さらに抽出液を水10mlで2回洗浄したのち、乾
燥,溶媒留去,減圧蒸溜により、2−フルオロオクチル
アセテート2.19g(11.5mmol)を得た。
b.p.114℃−117℃/27mmHg 収率 77% ▲[α]22.8 D▼+3.91゜(C=1.124 Et2O) ▲[α]22.0 435▼+9.61゜(C=1.124 Et2O) (2)光学活性な2−フルオロオクタン酸の合成 2−フルオロオクチルアセテート2.14g(11.3mmol)に
酢酸5.6ml,16N硝酸6.8mlを加え、55℃−60℃で24時間、
撹拌した。反応終了後氷水40mlを加え、エーテル30mlで
1回、10mlで4回抽出した。その抽出液に2N−炭酸ナト
リウム水溶液50mlを加え、アルカリ性にしたのち有機層
を除き、水層に6N−塩酸を加え、酸性(PH=4)にし
て、エーテル30mlで1回、10mlで3回抽出した。抽出液
を水10mlで2回洗浄し、乾燥,溶媒留去,減圧蒸留によ
り2−フルオロオクタン酸1.26g(7.78mmol)を得た。
b.p.101℃−102℃/3mmHg 収率 69% ▲[α]22.8 D▼−13.6゜(C=1.060 Et2O) ▲[α]22.4 435▼−21.7゜(C=1.060 Et2O) IR(液膜)cm-1 2940,2880,1720,1460,1385,1340,1250,1140,1120,1090,
1040,930,720, 〔実施例2〕 光学活性2−フルオロ−1−ヘプタン酸の合成 光学活性2−フルオロ−1−ヘプタノールのアセテート
〔光学活性2−フルオロ−1−ヘプタノールから実施例
1と同様に合成。▲[α]15 D▼+2.6゜(C=2.0,アセ
トン)〕0.70g(4mM)、氷酢酸2mlおよび濃硝酸(d=
1.42)2.4mlの混合物を60℃で25時間加温撹拌した。こ
の反応液に冷水25mlを加えエーテル10mlで3回抽出し
た。このエーテル溶液を炭酸水素ナトリウム5.04gを水2
0mlを懸濁させた中へ少しずつ加え、よく撹拌したのち
エーテル層を分離し、水層を2規定の塩酸で酸性とし、
エーテル10mlで3回抽出し、エーテル層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥した。エーテルを減圧留去後、クーゲル
ロア蒸留装置を用いて蒸留し、2−フルオロ−1−ヘプ
タン酸0.33g(2.3mM)を得た。収率55%、沸点130〜140
℃/15mmHg、(ただしクーゲルロア蒸留装置のチユーブ
の温度) ▲[α]20 D▼−10.6゜(C=2.0 CH2Cl2) IR(液膜)cm-1; 2940,2860,1720,1450,1385,1340,1250,1140,1085,1030,
930,730 〔実施例3〜4〕 実施例1あるいは2に準じて、前記一般式(I)におけ
るRの異なる2−フルオロ−1−アルカノールのアセテ
ート、および2−フルオロ−1−アルカン酸を得た。表
−1および表−2にそれぞれの結果をまとめて示す。
〔実施例5〕 下記に構造を示すMORA8の95重量部に、上記実施例1の
光学活性物質5重量部を加えて液晶組成物を得た。この
液晶組成物は、SmC*相を示し、MORA8単独に比べて、自
発分極は1.8倍となり、応答時間は±15V印加の条件で25
msecと約60%となった。
〔実施例6〕 透明電極としてITO(Indium Tin Oxide)膜を形成した
ガラス基板上にポリイミド樹脂前駆体〔東レ(株)製SP
−510〕を用いスピンナー塗布により成膜した後、300℃
で60分間焼成してポリイミド膜とした。次にこの被膜を
ラビングにより配向処理を行い、ラビング処理軸が直交
するようにしてセルを作製した。(セル間隔8μm)上
記セルにネマチツク液晶組成物〔リクソンGR−63:チツ
ソ(株)製ビフエニル液晶混合物〕を注入し、TN(ツイ
ステツドネマチツク)型セルとし、これを偏光顕微鏡で
観察したところ、リバースドメイン(しま模様)が生じ
ていることがわかった。
前記リクソンGR−63(99重量部)に対して、本発明の実
施例1の光学活性物質(1重量部)を加えた液晶混合物
を用い、上記と同様にしてTNセルとし観察したところ、
リバースドメインはみられず均一性のよいネマチツク相
となっていた。このことから、本発明の光学活性物質は
リバース・ドメインの防止に有効であることがわかっ
た。
〔発明の効果〕
上述したように、本発明によれば、不斉炭素原子に直接
大きな双極子モーメントを有するフツ素基を導入した式
(I)で示される光学活性物質が提供される。
また、この光学活性物質は、それ自体で有用な液晶成分
となり、この光学活性物質の少なくとも一種を配合する
ことにより、TN型液晶組成物のリバースドメインの発生
防止あるいは、カイラルネマチツク液晶あるいはカイラ
ルスメクチツク液晶の電界応答性の改善等の特性を改善
し、また液晶状態の制御を行うことも可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片桐 一春 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 甲斐 真理子 東京都中央区日本橋室町3−1−10 山川 薬品工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I) (ここで、Rは炭素数7〜12の直鎖状アルキル基であ
    り、Cは不斉炭素原子を示す。) で表わされる光学活性な2−フルオロアルカン酸。
  2. 【請求項2】下記一般式(I) (ここで、Rは炭素数7〜12の直鎖状アルキル基であ
    り、Cは不斉炭素原子を示す。) で表わされる光学活性な2−フルオロアルカン酸を少な
    くとも一種類含有することを特徴とする液晶組成物。
JP62077699A 1987-03-31 1987-03-31 光学活性な2―フルオロアルカン酸およびそれを含む液晶組成物 Expired - Lifetime JPH0761973B2 (ja)

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