JPH0762220A - 生分解性樹脂組成物 - Google Patents

生分解性樹脂組成物

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JPH0762220A
JPH0762220A JP5234249A JP23424993A JPH0762220A JP H0762220 A JPH0762220 A JP H0762220A JP 5234249 A JP5234249 A JP 5234249A JP 23424993 A JP23424993 A JP 23424993A JP H0762220 A JPH0762220 A JP H0762220A
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修治 高木
Hideki Nakanishi
秀樹 中西
Manabu Osada
学 長田
Shinichi Takemori
信一 竹森
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Abstract

(57)【要約】 【構成】生分解性プラスチックス20〜80重量部と架
橋ポリアルキレンオキシド80〜20重量部を混合して
得られる生分解性樹脂組成物。 【効果】本発明の生分解性樹脂組成物を用いて得られる
フィルム、シート等の成型品は、水中あるいは土壌中な
どの自然環境中で従来の生分解性プラスチックスに比べ
て分解速度を速くさせることができる。そのため、例え
ば釣り餌容器、食品包装材料、その他各種の包装材料な
どに使用された後に廃棄された場合でも環境に悪影響を
与えることなく自然に早く順化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生分解性樹脂組成物に
関する。更に詳しくは、分解速度の速い生分解性プラス
チックス成型物を製造するための組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】食品の包
装フィルム、包装容器をはじめ農業用フィルム、土木用
シートなど従来使用されている合成プラスチックスは、
自然界で長時間にわたり分解しないため環境に好ましく
ない影響を与えている。近年、これらの合成プラスチッ
クスに代わる新しい生分解性プラスチックスを提供しよ
うとする研究が行なわれている。例えば、ポリヒドロキ
シブチレート/ポリヒドロキシバルレート共重合体等の
いわゆるバイオ合成由来のもの、ポリカプロラクトン、
脂肪族ポリエステル等の合成高分子、熱可塑性樹脂−澱
粉混合物、熱可塑性樹脂−キチンまたはキトサン混合物
等である。
【0003】しかしながら、これらの生分解性プラスチ
ックスの中には分解に要する時間が数年に亘るものもあ
り、その間には廃棄された未分解のプラスチックスを動
物が食した場合、動物に被害が生じるなど必ずしも分解
速度の点において満足できるものではなく、分解速度の
速い生分解性プラスチックスの開発が望まれていた。ま
た先に、本願発明者らは、特定のエチレン含有量、特定
のメルトインデックスを有するエチレン/ビニルアルコ
ール共重合体と、ゼラチン、コラーゲン、カゼイン等の
天然蛋白質と多官能性アルコールとを反応させて得られ
た蛋白質のエステル化物あるいはエステル化蛋白質誘導
体を混合して得られる生分解性樹脂組成物を特許出願し
た(特願平4−297724号)。しかし、この樹脂組
成物においても得られる成型物の土中における分解速度
にはまだ十分満足できるものではなく、更に改良の余地
が残されている。従って、本発明の目的は、分解速度の
速い生分解性樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記した
状況に鑑み前記課題を解決するために、鋭意検討した。
その結果、生分解性プラスチックスとして公知の樹脂
に、さらに架橋ポリアルキレンオキシドを混合すること
により得られる組成物が前記の目的に合致したものであ
ることを見出した。即ち、前記組成物を成型して得られ
るプラスチックスを水中あるいは土壌中に廃棄した場合
に、プラスチックス中の架橋ポリアルキレンオキシドが
水に溶解あるいは膨潤し、場合によってはプラスチック
スが崩壊し、さらに生分解を起こす細菌類が生息しやす
い雰囲気をつくったり、プラスチックス内に空隙が生じ
細菌が生息する空間を多くすることができ、これにより
プラスチックスの生分解速度を早くすることができるこ
とを見出し、本発明の生分解性樹脂組成物を完成するに
至った。
【0005】即ち、本発明の要旨は、生分解性プラスチ
ックス20〜80重量部と架橋ポリアルキレンオキシド
80〜20重量部を混合して得られる生分解性樹脂組成
物である。
【0006】本発明で用いる生分解性プラスチックスと
しては、特に限定されるものではなく、例えば前述のバ
イオ合成由来のポリヒドロキシブチレート/ポリヒドロ
キシバルレート共重合体、化学合成由来のポリカプロラ
クトン、脂肪族ポリエステル、熱可塑性樹脂−澱粉混合
物、熱可塑性樹脂−キチンまたはキトサン混合物あるい
は熱可塑性樹脂−エステル化蛋白質混合物などが挙げら
れる。
【0007】本発明で用いられるエステル化蛋白質とし
ては、植物由来のグルテン、動物由来のコラーゲン、ゼ
ラチンなどの天然蛋白質と多官能性アルコールとを反応
させて得られる、蛋白質の側鎖のカルボキシル基を鎖延
長した蛋白質のエステル化物、あるいは前記蛋白質のエ
ステル化物側鎖に存在する多官能性アルコール由来の官
能基を更に反応させて得られるエステル化蛋白質誘導体
等が挙げられる。なかでも蛋白質がゼラチンであるエス
テル化ゼラチンおよびその誘導体が好適に使用される。
【0008】本発明におけるエステル化タンパク質誘導
体としては、具体的には次のようなものが例示される
(特願平4−297724号)。 (1)タンパク質の水溶液、微粉末あるいはその懸濁液
と過剰の多官能性アルコールを反応させてエステル化を
行い、タンパク質側鎖のカルボキシル基を鎖延長したタ
ンパク質のエステル化物、(2)多官能性アルコールと
して多価アルコールを用い、鎖延長された側鎖に存在す
る多価アルコール由来の水酸基にイソシアネート基を持
つ化合物を反応させウレタン化したタンパク質誘導体、
(3)多官能性アルコールとして多価アルコールを用
い、鎖延長された側鎖に存在する多価アルコール由来の
水酸基にエポキシ基を持つ化合物を反応させ、次いで樹
脂化したタンパク質誘導体、並びに、(4)多官能性ア
ルコールとして不飽和結合を有するアルコールを用い、
鎖延長された側鎖に存在する該アルコール由来の不飽和
基に重合開始剤の存在下、ビニルモノマーを付加重合さ
せるか、または合成高分子をグラフト重合させるか、あ
るいは合成高分子に該不飽和基を有するタンパク質のエ
ステル化物をグラフト重合させたタンパク質誘導体であ
る。
【0009】このようなエステル化タンパク質を合成す
るには、まず第一段階として、タンパク質を構成するア
ミノ酸の側鎖のカルボキシル基に、多官能性アルコール
を反応させてエステル化により鎖延長させ、タンパク質
側鎖に多官能性アルコール由来の官能基を持つ、タンパ
ク質のエステル化物を調製する。そして、第二段階とし
て、有機溶媒、たとえばトルエン、ジメチルホルムアミ
ド、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、シクロヘキサ
ン、ジメチルスルホキシドなど従来、タンパク質自体で
は親和性が乏しく用いられることの少なかった溶媒中
で、第一段階で得られたエステル化物にエポキシ樹脂
や、ウレタン樹脂の原料化合物あるいは他の重合性ビニ
ルモノマーなどを付加重合させ、あるいは合成高分子と
グラフト重合させるなどいわゆる従来の重合技術を組み
合わせて、タンパク質誘導体を製造する。
【0010】本発明において澱粉、キチンまたはキトサ
ンあるいはエステル化蛋白質と混合して生分解性プラス
チックスとする熱可塑性樹脂としては、ポリエチレンま
たはエチレン/ビニルアルコール共重合体などが挙げら
れるが、好ましくはエチレン/ビニルアルコール共重合
体である。なかでも、エチレン/ビニルアルコール共重
合体において、エチレン含有量が10〜70モル%であ
り、ケン化度が30%以上好ましくは80%以上のもの
が好適である。エチレン含有量が10モル%未満ではフ
ィルム成形性が悪くなり、70モル%を越えると生分解
性が悪くなる。ケン化度が30%未満では、フィルムに
成形した場合ガスバリヤー性が悪くなり、用途が限られ
る場合がある。また、230℃、2160g荷重下での
メルトインデックスが0.2〜30のものが本発明の生
分解性樹脂組成物における熱可塑性樹脂として優れた材
料である。メルトインデックスが0.2未満あるいは3
0を越えると、フィルム成形性が悪いため好ましくな
い。これらの熱可塑性樹脂と澱粉、キチン、キトサン、
エステル化蛋白質との混合割合は、通常前記の熱可塑性
樹脂100重量部に対し、澱粉、キチン、キトサン、エ
ステル化蛋白質1〜30重量部が好ましい範囲である。
【0011】本発明の特徴である生分解性速度を速くす
る目的で混合する架橋ポリアルキレンオキシドとして
は、例えば、ポリアルキレンオキシドとジオールをイソ
シアネート化合物で反応させて得られる架橋ポリアルキ
レンオキシド、またはポリアルキレンオキシドとイソシ
アネート化合物を反応させて得られる架橋ポリアルキレ
ンオキシドなどが挙げられる。なお、本発明において、
架橋ポリアルキレンオキシドとは、狭義の架橋構造、即
ち網目構造を有するものに限られず、イソシアネート化
合物を介して、相互に結合し又はジオール成分と結合さ
れた線状構造をも含む、広義の架橋構造を有するものと
する。このような架橋ポリアルキレンオキシドは、生分
解性プラスチックスとの相溶性に優れ、成膜性も良好で
あるため、フィルム状等に成型して薄膜化した場合でも
強度が優れる。
【0012】ポリアルキレンオキシドとしては、重量平
均分子量が1000〜100万のものが用いられ、例え
ば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体、ポリ
ブチレンオキシドおよびこれらの混合物等を挙げること
ができる。特に、重量平均分子量2000〜10万のポ
リエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシドおよびこ
れらの混合物またはこれらの共重合体が好ましく用いら
れる。重量平均分子量が1000未満の場合、イソシア
ネート化合物との反応により得られた架橋ポリアルキレ
ンオキシドの可塑性が乏しいため、生分解性プラスチッ
クスとの混合がうまくできなかったり、親水性が乏しい
ため、本発明の目的である分解速度の速い生分解性プラ
スチックスを得ることができない。一方、重量平均分子
量が100万を越える場合には、イソシアネート化合物
との反応により得られた架橋ポリアルキレンオキシドの
架橋密度が低くなり、やはり可塑性が乏しくなるため、
生分解性プラスチックスとの混合がうまくできなかった
り、得られた生分解性樹脂組成物がべとつくなどの影響
が出るため、用途が限定されるため好ましくない。
【0013】ジオールとしては、同一分子内に水酸基
(−OH)を2個有する有機化合物、例えば、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジプロピレングリコール、トリメチレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール、グ
リセリルモノアセテート、グリセリルモノブチレート、
1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、
ビスフェノールA等を挙げることができる。好ましく
は、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,
9−ノナンジオール等が用いられる。
【0014】上記したポリアルキレンオキシドとジオー
ルを架橋するのに用いるイソシアネート化合物として
は、同一分子内にイソシアネート基を2個以上有する有
機化合物、例えば、キシリレンジイソシアネート(XD
I)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジ
メチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート、2,4
−トリレンジイソシアネート(TDI)、TDIの3量
体、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリメ
チロールプロパンなどのポリオールにその活性水素の数
に対応するモル数のジイソシアネートを反応させて得ら
れるウレタンイソシアネート化合物、ポリイソシアネー
トアダクト等を挙げることができる。好ましくは、4,
4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイ
ソシアネート(TDI)等が用いられる。
【0015】上記のポリアルキレンオキシド、ジオール
およびイソシアネート化合物の使用割合は、ポリアルキ
レンオキシドの末端水酸基とジオールの有する水酸基の
数の和とイソシアネート化合物の有するイソシアネート
基の数の比(R値)(−NCO基/−OH基)が、0.
5〜2.0となる範囲、好ましくは、0.8〜1.7と
なる範囲から選択される。R値が0.5未満の時は、充
分に架橋した架橋ポリアルキレンオキシドが得られず、
従って生分解性樹脂組成物にしたときに、組成物がべと
つくなどの影響があり好ましくない。一方、R値が2.
0を越えると架橋密度が高くなり、生分解性プラスチッ
クスとの混合が難しくなり、やはり好ましくない。ここ
で、ポリアルキレンオキシドのモル数は、重量を平均分
子量で割ることにより求めることができる。
【0016】ジオールを添加する場合は、ポリアルキレ
ンオキシドとイソシアネート化合物との架橋反応時に添
加する。ジオールの添加量は、ポリアルキレンオキシド
100重量部に対して、通常0〜20重量部、好ましく
は0.1〜10重量部である。この範囲でジオールを添
加することにより、得られる架橋ポリアルキレンオキシ
ドの溶融粘度の低下を図ることができ、生分解性プラス
チックスとの混合性が向上する。
【0017】上記イソシアネート化合物の使用量は、イ
ソシアネート化合物の種類および反応等の条件によって
も異なるが、一般に、ポリアルキレンオキシド100重
量部に対して、通常0.5〜80重量部、好ましくは、
1〜50重量部の範囲である。0.5重量部より少ない
量では、得られる架橋ポリアルキレンオキシドの架橋密
度が低くなり、生分解性樹脂組成物にしたときに、組成
物がべとつくなど好ましくない。一方、80重量部より
多量に用いた場合、得られる架橋ポリアルキレンオキシ
ドの溶融粘度が高くなりすぎ、生分解性プラスチックス
との混合性が悪くなり好ましくない。
【0018】ポリアルキレンオキシド又はポリアルキレ
ンオキシド及びジオールをイソシアネート化合物と反応
させる方法としては、適当な溶媒を用いた溶液状で反応
させる方法が一般的であるが、分散状で反応させる方法
や、粉末状または固体状で両者を均一に混合した後、所
定温度に加熱して架橋反応させることもできる。反応温
度は、通常50〜150℃である。なお、この反応系に
トリエチルアミン、トリエタノールアミン、ジブチルス
ズラウレート、ジブチルスズアセテート、トリエチレン
ジアミンなどを少量添加することにより、反応をより促
進させることもできる。
【0019】生分解性プラスチックスと架橋ポリアルキ
レンオキシドとの混合割合は、生分解性プラスチックス
20〜80重量部と架橋ポリアルキレンオキシド80〜
20重量部を混合して100重量部にする。架橋ポリア
ルキレンオキシドが80重量部を越えると本来の生分解
性プラスチックスとしては機能せず、また成型品の強度
が低下するなど好ましい結果が得られない。また、架橋
ポリアルキレンオキシドが20重量部未満では、生分解
性の速度を速くするという本発明の特徴が明確でなくな
る。架橋ポリアルキレンオキシドの配合割合を20〜8
0重量部にまで適宜調整することにより、生分解性速度
を数週間〜数ヶ月に速めることができる。
【0020】この機構は、本発明の生分解性樹脂組成物
を成型して得られる生分解性プラスチックスを水中ある
いは土壌中に廃棄した場合に、まずプラスチックス中の
架橋ポリアルキレンオキシドが水に溶解あるいは膨潤
し、生分解を起こす細菌類が生息しやすい雰囲気を作っ
たり、生分解性プラスチックス内に空隙が生じ、細菌類
が生息する空間を多くすることによるものである。ま
た、プラスチックスの生分解までには至らなくとも本発
明組成物を用いて製造されたフィルム、シート等の成型
品中の架橋ポリアルキレンオキシドが水に溶解あるいは
膨潤することにより、フィルム、シート等の成型品が破
断、場合によっては粒状にまで崩壊し、小さくなるため
生分解性速度を早めることができる。
【0021】本発明において、生分解性プラスチックス
と架橋ポリアルキレンオキシドとの混合には通常用いら
れる混合方法が採用される。例えばバンバリーミキサ
ー、多軸ロール、スクリュー型押出機などの混練機で両
者を混合すればよい。また生分解性プラスチックスとし
て熱可塑性樹脂と澱粉、キチン、キトサンまたはエステ
ル化蛋白質などの混合物を用いる場合には、これらの熱
可塑性樹脂、澱粉、キチン、キトサン、エステル化蛋白
質を混合する際に架橋ポリアルキレンオキシドを混練す
ることもできる。
【0022】本発明の組成物中には、必要によりグリコ
ール類、グリセリン類、尿素類などの可塑剤、熱安定
剤、紫外線吸収剤、顔料さらに水なども適宜混合するこ
とができる。本発明の組成物は、インフレーションなど
の方法によりフィルム、シートに成型したり、インジェ
クションなどの方法により成型品にして各種の用途に使
用される。このような本発明の組成物より得られるフィ
ルム、シート等の成型品は、水中あるいは土壌中などの
自然環境中で従来の生分解性プラスチックスに比べて分
解速度を速くさせることができる。従って、例えば釣り
餌容器、食品包装材料、その他各種の包装材料などに使
用された後に廃棄された場合でも環境に悪影響を与える
ことなく自然に順化させることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によ
りなんら限定されるものではない。なお、実施例等で得
られたフィルムの水中あるいは土壌中における生分解性
の評価は、10cm×10cmに裁断した厚み50ミク
ロンのフィルム3枚を、活性汚泥水中に浸漬するか、あ
るいは土壌中表層下約10cmに埋設したものを所定の
日数毎に取り出し、その外観を目視により観察し、下記
の4段階で評価した。 A.損傷の程度がフィルムの80%以上に亘り、原形を
留めないもの。 B.損傷の程度がフィルムの30〜80%に亘るが、原
形を留めるもの。 C.損傷の程度がフィルムの30未満であるもの。 D.ほとんど損傷が認められないもの。
【0024】製造例1 冷却器、窒素導入管、温度計および撹拌翼を備えた1リ
ットルの4つ口セパラブルフラスコに重量平均分子量2
0000のポリエチレンオキシド100g、トルエン5
50mlを仕込んだ後、水分除去のため蒸留により20
0mlのトルエンを留出させた。そこへ、4,4’−ジ
フェニルメタンジイソシアネート3.1gと1,4−ブ
タンジオール0.72gとトリエチレンジアミン0.0
23gを添加し、110℃にて3時間反応を行った。そ
の後、ヘキサン175mlを添加し、室温まで冷却し
て、ポリマーを析出させた。このスラリーを加圧濾過
し、減圧乾燥して架橋ポリアルキレンオキシド100g
を得た。
【0025】製造例2 重量平均分子量20000のポリエチレンオキシドの代
わりに重量平均分子量100000のポリエチレンオキ
シドを用い、架橋剤として4,4’−ジフェニルメタン
ジイソシアネートの代わりにヘキサメチレンジイソシア
ネート1.6gを用い、ジオールとして1,4−ブタン
ジオールの代わりに1,6−ヘキサンジオール1.0g
を用いた以外は、製造例1と同様にして架橋ポリアルキ
レンオキシド100gを得た。
【0026】製造例3 重量平均分子量20000のポリエチレンオキシドの代
わりに重量平均分子量11000のポリエチレンオキシ
ド80gと、重量平均分子量4000のポリプロピレン
オキシド20gを用い、架橋剤として4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート7.5gを用い、ジオール
として1,4−ブタンジオール0.73gを用いた以外
は、製造例1と同様にして架橋ポリアルキレンオキシド
100gを得た。
【0027】製造例4 重量平均分子量20000のポリエチレンオキシド10
0gと、架橋剤として4,4’−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート1.5gを用い、ジオール成分を用いず
に、製造例1と同様にして架橋ポリアルキレンオキシド
100gを得た。
【0028】実施例1 3−ヒドロキシブチレート/3−ヒドロキシバルレート
共重合体(商品名:バイオポール、ICI社製)80重
量部と製造例1で得た架橋ポリアルキレンオキシド20
重量部をヘンシェルミキサーで混合して本発明の生分解
性樹脂組成物を得た。次いで本組成物をバンバリーミキ
サーにて溶融混合し、インフレーションにより厚み50
ミクロンのフィルムを得た。土壌中におけるフィルムの
崩壊性、生分解性の評価結果を表1に示す。
【0029】比較例1 実施例1において架橋ポリアルキレンオキシドを添加し
ない以外は、実施例1と同様にして厚み50ミクロンの
フィルムを得た。土壌中におけるフィルムの崩壊性、生
分解性の評価結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】実施例2 エチレン/ビニルアルコール共重合体−澱粉混合物(商
品名:マタビー、ノバモント社製)30重量部と製造例
2で得た架橋ポリアルキレンオキシド70重量部をヘン
シェルミキサーで混合して本発明の生分解性樹脂組成物
を得た。次いで実施例1と同様にして厚み50ミクロン
のフィルムを得た。土壌中におけるフィルムの崩壊性、
生分解性の評価結果を表2に示す。
【0032】比較例2 実施例2において架橋ポリアルキレンオキシドを添加し
ない以外は、実施例2と同様にして厚み50ミクロンの
フィルムを得た。土壌中におけるフィルムの崩壊性、生
分解性の評価結果を表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 脂肪族ポリエステル(商品名:ビオノーレ、昭和高分子
社製)40重量部と製造例3で得た架橋ポリアルキレン
オキシド60重量部をヘンシェルミキサーで混合して本
発明の生分解性樹脂組成物を得た。次いで実施例1と同
様にして厚み50ミクロンのフィルムを得た。活性汚泥
水中でのフィルムの崩壊性、生分解性の評価結果を表3
に示す。
【0035】比較例3 実施例3において架橋ポリアルキレンオキシドを添加し
ない以外は、実施例3と同様にして厚み50ミクロンの
フィルムを得た。活性汚泥水中でのフィルムの崩壊性、
生分解性の評価結果を表3に示す。
【0036】
【表3】
【0037】実施例4〜8 生分解性プラスチックスと架橋ポリアルキレンオキシド
とを表4に示す割合で混合して本発明の生分解性樹脂組
成物を得た。次いで、実施例1と同様にして厚み50ミ
クロンのフィルムを得た。土壌中でのフィルムの崩壊
性、生分解性の評価結果を表4に示す。
【0038】
【表4】
【0039】実施例9 (エステル化ゼラチンの製造)攪拌機付きの反応器にア
ルカリ処理ゼラチン(コニカゼラチン(株)製、分子量
約10万のαゼラチン)45重量部(乾物量)を入れ、
これを蒸留水100重量部に溶解した。次に50重量部
のアリルアルコールを加え、50℃で24時間反応させ
た。このエステル化物を回収するため、溶媒である水
と、反応にあずからなかった過剰のアリルアルコールを
50℃減圧下で蒸発させた後、引き続き、80℃で24
時間減圧下で完全に乾燥除去した。得られたエステル化
物を再び蒸留水100重量部で溶解し、上記と同様の操
作を3回繰り返した結果、48重量部のゼラチンのカル
ボキシル基の約91%がエステル化されたゼラチン/ア
リルアルコールエステル化物(エステル化ゼラチン)を
得た。
【0040】(熱可塑性樹脂−エステル化ゼラチン混合
物の製造)エチレン/ビニルアルコール共重合体(エチ
レン含有量25モル%、ケン化度99%、メルトインデ
ックス(230℃、2160g荷重)1.5g/10
分)100重量部と上記で得たエステル化ゼラチン20
重量部とをヘンシェルミキサーでよく混合した後、尿素
3重量部、水5重量部を添加して、二度目の混合を行い
熱可塑性樹脂−エステル化ゼラチン混合物からなる生分
解性プラスチックスを得た。
【0041】(生分解性プラスチックスフィルムの製
造)上記の生分解性プラスチックス60重量部と製造例
2で得た架橋ポリアルキレンオキシド40重量部をヘン
シェルミキサーで混合して本発明の生分解性樹脂組成物
を得た。次いで本組成物をバンバリーミキサーにて溶融
混合し、インフレーションにより厚み50ミクロンのフ
ィルムを得た。土壌中におけるフィルムの崩壊性、生分
解性の評価結果を表5に示す。
【0042】
【表5】
【0043】比較例4 実施例9の生分解性プラスチックスフィルムの製造にお
いて架橋ポリアルキレンオキシドを添加しない以外は、
実施例9と同様にして厚み50ミクロンのフィルムを得
た。土壌中におけるフィルムの崩壊性、生分解性の評価
結果を表5に示す。
【0044】実施例10 実施例9で得た熱可塑性樹脂−エステル化ゼラチン混合
物50重量部と製造例3で得た架橋ポリアルキレンオキ
シド50重量部をヘンシェルミキサーで混合して本発明
の生分解性樹脂組成物を得た。次いで実施例1と同様に
して厚み50ミクロンのフィルムを得た。活性汚泥水中
でのフィルムの崩壊性、生分解性の評価結果を表6に示
す。
【0045】比較例5 実施例10において架橋ポリアルキレンオキシドを添加
しない以外は、実施例10と同様にして厚み50ミクロ
ンのフィルムを得た。活性汚泥水中でのフィルムの崩壊
性、生分解性の評価結果を表6に示す。
【0046】
【表6】
【0047】
【発明の効果】本発明の生分解性樹脂組成物を用いて得
られるフィルム、シート等の成型品は、水中あるいは土
壌中などの自然環境中で従来の生分解性プラスチックス
に比べて分解速度を速くさせることができる。そのた
め、例えば釣り餌容器、食品包装材料、その他各種の包
装材料などに使用された後に廃棄された場合でも環境に
悪影響を与えることなく自然に早く順化させることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 67/04 LPF 101/00 LTA (72)発明者 竹森 信一 兵庫県姫路市飾磨区入船町1番地 住友精 化株式会社第2研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生分解性プラスチックス20〜80重量
    部と架橋ポリアルキレンオキシド80〜20重量部を混
    合して得られる生分解性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 架橋ポリアルキレンオキシドがポリアル
    キレンオキシドとジオールをイソシアネート化合物で架
    橋させたものである請求項1記載の生分解性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 架橋ポリアルキレンオキシドがポリアル
    キレンオキシドをイソシアネート化合物で架橋させたも
    のである請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 ポリアルキレンオキシドが重量平均分子
    量1000〜100万の、ポリエチレンオキシド、ポリ
    プロピレンオキシド、これらの混合物およびこれらの共
    重合体からなる群より選ばれた少なくとも1種である請
    求項2または3記載の生分解性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 生分解性プラスチックスがポリヒドロキ
    シブチレート/ポリヒドロキシバルレート共重合体また
    はポリカプロラクトンである請求項1記載の生分解性樹
    脂組成物。
  6. 【請求項6】 生分解性プラスチックスが脂肪族ポリエ
    ステルである請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 生分解性プラスチックスが、熱可塑性樹
    脂−澱粉混合物または熱可塑性樹脂−エステル化蛋白質
    混合物である請求項1記載の生分解性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 熱可塑性樹脂がエチレン含有量10〜7
    0モル%であり、230℃、2160g荷重でのメルト
    インデックスが0.2〜30の範囲にあるエチレン/ビ
    ニルアルコール共重合体である請求項7記載の生分解性
    樹脂組成物。
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