JPH0767302B2 - ブラシレスモータの駆動回路 - Google Patents

ブラシレスモータの駆動回路

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JPH0767302B2
JPH0767302B2 JP1172547A JP17254789A JPH0767302B2 JP H0767302 B2 JPH0767302 B2 JP H0767302B2 JP 1172547 A JP1172547 A JP 1172547A JP 17254789 A JP17254789 A JP 17254789A JP H0767302 B2 JPH0767302 B2 JP H0767302B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ブラシレスモータの駆動回路に関する。
(従来の技術) ブラシレスモータの駆動回路として電流駆動方式を採用
したものが従来公知である。この電流駆動方式ブラシレ
スモータは、一定電流でドライブされるためトルクリッ
プルが発生する問題が伴う。そこで、このトルクリップ
ルを補正できるブラシレスモータの駆動回路の一例とし
て、従来第8図に示すような回路が提案されている(特
開昭59-76192号公報)。
このブラシレスモータの駆動回路は、指令信号発生手段
1からの指令信号を電流供給手段2に与えると共に指令
電流発生手段3に与えている。駆動コイル4に流れる電
流値は、コイル電流検出手段5で検出して合成手段6に
与えている。合成手段6では、指令電流発生手段3から
の電流信号とコイル電流検出手段5で検出した駆動コイ
ル4に流れる電流値とを比較し、前記電流値が電流信号
に一致するような電流誤差信号を形成している。この合
成手段6で形成した電流誤差信号は供給電流を変化させ
る手段7に供給される。
このような電流帰還機能があるため、供給電流を変化さ
せる手段7は、指令信号発生手段1からのモータ指令信
号が一定の場合には、常に一定の電流値で駆動コイルが
駆動されることになる。
この電流帰還機能の働きのため、特にブラシレスモータ
の場合、供給電流を変化させる手段7側に相間アンバラ
ンス等があっても、これによるトルク変動を抑えること
ができる。しかしながら、一定電流でモータを駆動する
場合の宿命として、固定子の駆動コイル極数と、回転子
の磁極数の最小公倍数回のトルクリップルが、モータ一
回転当たり総トルクに対して約14%発生する。
そこで、このブラシレスモータの駆動回路では、モータ
可動部8の状態を変調信号発生手段9のホール素子等を
利用して検出して上記トルクリップルと略逆位相の信号
を形成し、指令電流発生手段3からの電流値に変調手段
10で適当な比率で重畳して被変調電流信号として合成手
段6に与え、電流帰還を行いながら、結果的にモータ電
流を、トルクリップルが打ち消される方向に脈動させる
ことにより、トルクリップルの補正を行っている。尚、
トルクリップルを補正できる従来のブラシレスモータの
駆動回路としては、他に特公昭56-34551号、特開昭58-1
92490号、特開昭59-35585号等がある。
(発明が解決しようとする課題) 上記各ブラシレスモータの駆動回路は、集積回路化され
て提供されているが、トルクリップル補正回路等の追加
により、集積回路内部の素子数が増加し、回路が複雑化
・大型化してしまうという欠点がある。
また、従来のブラシレスモータの駆動回路は、回転子の
位置検出手段であるホール素子の出力信号の波形を利用
してトルクリップル補正信号を形成しているので、ホー
ル素子出力波形のばらつき、歪み、温度特性等の影響を
受けやすく、トルクリップル補正効果がホール素子の精
度に影響されるという欠点がある。
本発明は、回路構成が複雑化せずに、トルクリップル補
正信号を形成するための検出手段の精度に影響されない
ブラシレスモータの駆動回路を提供することを目的とす
る。
(課題を解決するための手段) かかる目的を達成するため、本発明のブラシレスモータ
の駆動回路は、m相の駆動コイルを有する固定子と、磁
極を有する回転子と、前記固定子と回転子との相対的位
置関係に応じたm相の正弦波様の出力信号を得る位置検
出手段と、前記位置検出手段の出力信号を対数圧縮して
変曲点をなまらせた矩形波パルス様に波形成形するとと
もにm相のソフトスイッチング信号に合成する信号処理
手段と、前記信号処理手段の出力信号により上記m相の
駆動コイルへの通電を切り換える正側・負側スイッチン
グ素子群と、前記正側・負側スイッチ素子群により前記
駆動コイルへの通電量を制御する電流制御手段と、前記
駆動コイルに流れる電流と共に前記駆動コイルには流れ
ずに前記両正側・負側スイッチ素子群のみを流れる無効
電流を検出し前記電流制御手段に負帰還をかけるように
接続された電流検出手段とを備え、かつ前記信号処理手
段は、前記電流検出手段に駆動コイルへの通電電流と無
効電流とを流させる信号を出力するようにしている。
また、本発明の信号処理手段は、m相120度通電を行う
とともに、各相の駆動コイルへの各無通電領域となる通
電タイミングに正側・負側のスイッチング素子群を同時
に通電状態にできる信号を出力するようにして前記電流
検出手段に無効電流を流すようにしている。
更に、本発明は、上記構成において、上記駆動コイルに
発生する逆起電圧波形に第5高調波成分を重畳したこと
を特徴としている。
(作用) 以上の如く構成されることによって、本発明のブラシレ
スモータの駆動回路は、信号処理手段からの出力信号で
前記正側・負側スイッチ素子群を動作させることによ
り、電流検出手段に駆動コイルへの通電電流の他に無効
電流を流させる。電流検出手段は、駆動コイルに流れる
電流を検出するとともに、前記駆動コイルには流れずに
前記両正側・負側スイッチ素子群のみを流れる無効電流
も検出している。この電流検出手段で検出された駆動コ
イルへの通電電流と無効電流は電流制御手段に負帰還さ
れて電流制御手段により一定電流を流すように正側・負
側スイッチ素子群の駆動制御を行う。ここで、電流検出
手段には一定の電流が流れるので、駆動コイルには流れ
ない無効電流分だけモータの総トルクが減少する。この
現象は、m相すべてにおいて同様である。したがって、
無効電流によるトルクの減少が合成トルクのピークを抑
えることになるので、トルクリップルが減少することに
なる。
また、本発明の信号処理手段は、m相120度通電を行う
とともに、一定の通電区間として各相の駆動コイルへの
各無通電領域となる通電タイミングに同相の正側および
負側スイッチング素子群を同時に通電状態にする出力信
号を得られるようにしている。したがって、同相の正側
および負側スイッチング素子群は、信号処理手段からの
出力信号に応じて各相の駆動コイルへの無通電領域とな
る通電タイミングに同時に通電状態になる。これによ
り、電源正極−同相の正側スイッチング素子−同相の負
側スイッチング素子−電源負極という経路で電流が流れ
ることになり、駆動コイルには電流が流れないことにな
る。
更に、上記のように無効電流を流しながら、上記駆動コ
イルに発生する逆起電圧波形に第5高調波成分を重畳さ
せることにより、さらにトルクリップルを減少させてい
る。
(実施例) 以下、本発明の構成を図面に示す実施例に基づいて詳細
に説明する。尚、本明細書において、正側、負側とは駆
動コイルに流れる電流に着目し、コイル側に進入する方
を正側、コイル側から流出する方を負側としている。
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図である。第
1図の実施例は、三つの位置検出手段を有する三相120
度ソフトスイッチング通電方式の例である。また、第2
図(I)及び(II)は、同位置検出手段で検出される信
号及び同信号処理手段で処理された信号を示す波形図で
ある。
第1図において、ブラシレスモータの駆動回路は、図示
しない固定子と、図示しない回転子と、位置検出手段と
してのホール素子11u,11v,11wと、ホール増幅回路16u,1
6v,16wと信号合成回路12とからなる信号処理手段20と、
正側のスイッチング素子群13a及び負側のスイッチング
素子群13bと、電流検出手段である電流検出抵抗14と、
電流制御手段15とを少なくとも備えている。
以下、上記要素について説明する。
前記固定子は、この実施例では、第1図に示すようにm
(=3、以下同じ)相の駆動コイルLu,Lv,Lwを有してい
る。回転子は、図示しないが磁極を有している。前記ホ
ール素子11u,11v,11wは、三相の駆動コイルLu,Lv,Lwを
有する固定子と回転子との相対的位置関係に応じて第2
図(I)に示すような三相の正弦波様の信号Vu,Vv,Vwを
出力する素子であり、その出力信号がホール増幅回路16
u,16v,16wに入力されている。ホール増幅回路16u,16v,1
6wでそれぞれ対数圧縮された各信号は、信号合成回路12
に供給されている。ホール増幅回路16u,16v,16wと信号
合成回路12とからなる信号処理手段20は、ホール素子11
u,11v,11wからの出力信号Vu,Vv,Vwを対数圧縮して変曲
点をなまらせた矩形波パルス様に波形成形して第2図
(II)に示すような三相のソフトスイッチング信号に合
成できる。前記信号合成回路12の出力信号は、信号回路
17aおよび信号回路17bに供給される。信号回路17a,17b
は、電流誤差信号Scに応じて上記三相のソフトスイッチ
ング信号の振幅を調整して信号Sda,Sdbを得る回路であ
る。信号回路17aからの出力信号Sdaは正側のスイッチン
グ素子群13aに、信号回路17bからの信号Sdbは負側のス
イッチング素子群13bにそれぞれ供給される。正側のス
イッチング素子群13aは、信号合成回路12から信号回路1
7aを介して出力された信号Sdaにより、上記三相の駆動
コイルLu,Lv,Lwへの通電を切り換える。また、負側のス
イッチング素子群13bは、信号合成回路12から信号回路1
7bを介して出力された信号Sdbにより、上記三相の駆動
コイルLu,Lv,Lwへの通電を切り換える。正側のスイッチ
ング素子群13aは、この実施例では、トランジスタQ31
Q33で構成してある。負側のスイッチング素子群13bは、
この実施例では、トランジスタQ34〜Q36で構成してあ
る。尚、正側のスイッチング素子群13aおよび負側のス
イッチング素子群13bでは、上記実施例ではトランジス
タQ31〜Q36で構成したが、電界効果トランジスタ、サイ
リスタ等で構成しても良い。
電流検出抵抗14は、駆動コイルLu,Lv,Lwに流れる電流と
共に該駆動コイルLu,Lv,Lwには流れずに正側・負側の両
スイッチ素子群13a,13bのみを流れてトルク発生に寄与
しない無効電流を検出する電流検出手段を構成する。電
流制御手段15は、正側のスイッチング素子群13aおよび
負側のスイッチング素子群13bにより駆動コイルLu,Lv,L
wへ通電される通電量を制御できるように構成されてお
り、例えば電流帰還アンプが採用される。この電流制御
手段15は、当該実施例では、電流検出抵抗14からの検出
信号と、駆動コイルLu,Lv,Lwに流すべき電流基準値とを
比較して駆動コイルLu,Lv,Lwへの通電量を制御するため
の電流誤差信号Scを得て信号回路17a、信号回路17bに与
える構成となっているが、このようなフィードバック系
の構成に限定されるものではなく、上記駆動コイルLu,L
v,Lwへの通電量を制御できるものなら、どのような構成
であってもよい。
以上のように構成されているので、次のように作動す
る。
ホール素子11u,11v,11wからは、固定子と回転子との相
対的位置関係に応じて第2図(I)に示すような三相の
正弦波様の出力信号Vu,Vv,Vwが生じる。ホール素子11u,
11v,11wからの出力信号Vu,Vv,Vwは、ホール増幅回路16
u,16v,16wに入力される。ホール増幅回路16u,16v,16wか
らの信号は、信号合成回路12に入力される。これによ
り、前記ホール素子からの出力信号Vu,Vv,Vwは対数圧縮
され変曲点をなまらせた矩形波パルス様に波形成形され
て、第2図(II)に示すような三相のソフトスイッチン
グ信号(VU,VV,VW)に合成される。また、この合成さ
れた三相のソフトスイッチング信号は、信号回路17aに
おいて電流誤差信号Scに応じて独立に振幅が調整されて
正側の信号Sdaにされると共に信号回路17bにおいて電流
誤差信号Scに応じて独立に振幅に調整されて負側の信号
Sdbにされる。この信号回路17aからの正側信号Sdaは正
側のスイッチング素子群13aを、信号回路17bからの負側
信号Sdbは負側のスイッチング素子群13bにそれぞれ与え
られ、上記三相の駆動コイルLu,Lv,Lwに通電を切り換え
る。そして、駆動コイルLu,Lv,Lwに流れる電流は、電流
検出抵抗14により検出される。
前記電流制御手段15では、電流検出抵抗14での検出信号
と当該駆動コイルLu,Lv,Lwに流すべき電流基準値VCTL
を比較して、駆動コイルLu,Lv,Lwへの通電量を制御する
ための電流誤差信号Scを形成する。この電流誤差信号Sc
は、信号回路17aおよび信号回路17bに与えられる。
本実施例では、上述のように動作すると共に電流検出抵
抗14に無効電流を流している。この無効電流は、ある一
定の通電区間、即ちタイミング領域において正側のスイ
ッチング素子群13aおよび負側のスイッチング素子群13b
を同時に通電状態にすることにより得られる。そして、
本実施例では、上述のように電流検出抵抗14に無効電流
を流し、駆動コイルLu,Lv,Lwに流れる電流の一部をカッ
トすることにより、特別な回路構成とすることなく、か
つホール素子等の位置検出手段の精度に影響されずに、
トルクリップルを減少させることができる。
また、上記実施例を具体的に示す第3図の回路図で更に
本発明を詳細に説明する。尚、第4図ないし第6図は、
同実施例の作用を説明するための波形図である。
第3図において、ホール増幅回路16u,16v,16wおよび信
号合成回路12は、トランジスタQ1〜Q6と、電流源回路I0
と、抵抗R0及びダイオードD21,D22とから構成されてい
る。信号回路17aはトランジスタQ7〜Q12と可変電流源回
路ICTLとから構成されている。信号回路17bはトランジ
スタQ13〜Q18と可変電流源回路ICTLとダイオードD13〜D
15と抵抗R15とから構成されている。正側のスイッチン
グ素子群13Aはダーリントン接続されたトランジスタQ31
〜Q33,Q37〜Q39で構成され、負側のスイッチング素子
群13bはダーリントン接続されたトランジスタQ34
Q36,Q40〜Q42で構成されている。
ホール素子11u,11v,11wは、第2図(I)に示すよう
に、それぞれ120度位相差の正弦波信号を仮に出力する
ものとする。ホール素子11uの出力信号をVu、ホール素
子11vの出力信号をVv、ホール素子11wの出力信号をVwと
すると、 Vu=0.2sinθ …(1) Vv=0.2sin(θ−120°) …(2) Vw=0.2sin(θ−240°) …(3) となり、これらが夫々トランジスタQ1〜Q6からなる三相
ホール増幅器16u,16v,16wに入力される。
また、信号合成回路12では、トランジスタQ1,Q4のコレ
クタ電流、トランジスタQ2,Q5のコレクタ電流及びトラ
ンジスタQ3,Q6のコレクタ電流をそれぞれ互いに合成
し、抵抗R0でそれぞれ電圧変換する。このときの電圧波
形は第2図(II)に示すようになり、その電圧VU,VV
VWは、次の第(4)〜(6)式で表される。
ただし、eは自然対数の底、Kはボルツマン定数[J/°
K]、Tは絶対温度[°K]、qは電子の電荷[C]で
あり、以下同じである。
これら電圧VU,VV,VWは、信号回路17a内のNPNトランジ
スタQ7〜Q9からなる差動増幅回路と、信号回路17b内のP
NPトランジスタQ16〜Q18からなる差動増幅回路とに供給
される。信号回路17aは可変電流源回路ICTLに比例した
電流I′u,I′v,I′wをNPNトランジスタQ7〜Q9のコレ
クタから、信号回路17bは可変電流源回路ICTLに比例し
た電流Iu,Iv,IwをPNPトランジスタQ16〜Q18のコレクタ
から出力する。この可変電流源回路ICTLに比例した電流
Iu,Iv,Iwは次の第(7)〜(9)式で、電流I′u,I′
v,I′wは次の第(10)〜(12)式で表される。
電流I′u,I′v,I′wは、トランジスタQ31〜Q33,Q37
〜Q39からなる電流増幅率αの正側のスイッチング素子
群13aに入力されて、それぞれα倍された電流αI′u,
αI′v,αI′wを三相の駆動コイルLu,Lv,Lwのソース
電流として流入させる。
電流Iu,Iv,Iwも、トランジスタQ34〜Q36、Q40〜Q42から
なる電流増幅率αの負側のスイッチング素子群13bに入
力されて、それぞれα倍された電流αIu,αIv,αIwを三
相の駆動コイルLu,Lv,Lwからシンク電流として流出させ
る。
このようにして得られた各相のソース電流およびシンク
電流のうち、例えばU相の電流αI′u,αIuを第4図の
波形図として示す(なお、V相、W相の電流は、それぞ
れ120度位相差を持つ同形の波形となる)。この第4図
の波形図から分かるように、一定期間毎に無通電領域と
なる通電タイミング(第4図にt0で示す)が存在する。
この無通電領域となる通電タイミングが存在する点は、
V相、W相も同様である。このように回転位置検出手段
としてのホール素子11u,11v,11wの出力信号Vu,Vv,Vwに
応じて三相の駆動コイルLu,Lv,Lwの通電を順次切り換え
ることにより、回転子が回転する。
一方、三相の駆動コイルLu,Lv,Lwを流れた電流は、電流
検出抵抗14に集められて電圧E1に変換される。この電圧
E1は電流検出信号として使用され、電流制御手段15に供
給される。電流制御手段15では、前記電圧E1と、電流基
準値VCTLとを比較し、電圧E1が電流基準値VCTLと常に等
しくなるように各信号回路17a,17bの可変電流源回路I
CTLを制御する。そして、電流基準値VCTLが一定値を保
っているときには、電流検出抵抗14に発生する電圧E1
固定され、駆動コイルLu,Lv,Lwには常に一定の電流が供
給される。このようにしてブラシレスモータは回転する
ことになる。
ここで、駆動コイルLu,Lv,Lwに発生する三相逆起電圧を
正弦波とすると、各相に発生するトルクTu,Tv,Twは次
のように表すことができる。
TU∝(αI′u−αIu)sin(θ+30°) TV∝(αI′v−αIv)sin(θ−90°) Tw∝(αI′w−αIw)sin(θ−210°) …(13) したがって、合成トルクTは、 T=Tu+Tv+Tw …(14) となる。この合成トルクTは、第4図に示すようにな
り、このときのトルクリップルは約14.3%となる。この
とき、信号合成回路12から出力される電圧VU,VV,V
Wは、第(4)〜(6)式で表され、電圧VU,VV,VW
振幅は、400[mVP-P]であった。
次に、信号合成回路12において、抵抗R0を調整するか、
あるいは電流源回路I0の値を調整することによって、第
(4)〜(6)式の電圧VU,VV,VWの振幅を、100[mV
P-P]としたときには、次のように動作する。
このように信号合成回路12の出力電圧VU,VV,VWの振幅
を100[mVP-P]にすると、信号回路17aからの電流I′
u,I′v,I′wと、信号回路17bからの電流Iu,Iv,Iwとの
波形が更になまることになる。したがって、正側のスイ
ッチング素子群13aにより流入するソース電流αI′u,
αI′v,αI′wと、負側のスイッチング素子群13bに
より流出させるシンク電流αIu,αIv,αIwとの波形が変
化することになる。ソース電流αI′u,αI′v,αI′
wと、シンク電流αIu,αIv,αIwの波形のうちU相に着
目したものを第5図に示す。この第5図からも分かるよ
うに、ソース電流αI′uと、シンク電流αIuとが同時
に発生するタイミング領域t0が存在する。このタイミン
グ領域t0の中心点前後では、αI′u≒αIuとなってお
り、このときのU相電流は駆動コイルLuにほとんど流れ
ることなく、電源VCCからトランジスタQ31・Q34を介し
て電流検出抵抗14に流入することになる。このことは、
トルク発生に寄与しない無効電流が比較的多く発生して
いることを意味する。また、一定電流を流す電流帰還が
かかっていれば、電流検出抵抗14を流れる電流は一定で
あるから、この無効電流の分だけモータの総トルクが減
少することになる。この現象は、V相、W相も同様であ
り、60度に一回の割合で発生し、かつ第5図からも分か
るように合成トルクのピーク周期と同期している。した
がって、無効電流によるトルクの減少が合成トルクのピ
ークを抑えるので、トルクリップルが減少することにな
る。この場合のトルクリップルは、9.7%まで低下し
て、従来のものよりも約32%もリップルが改善されてい
る。
第6図は、第(4)〜(6)式の電圧VU,VV,VWの振幅
[mVP-P]に対するトルクリップル[%]の関係を示す
特性図である。
信号合成回路12の抵抗R0あるいは電流源回路I0の値を変
化させることにより、第(4)〜(6)式の電圧VU
VV,VWの振幅[mVP-P]を変化させると、トルクリップ
ル[%]は、第6図に示すように変化する。図から分か
るように、20[mVP-P]から600[mVP-P]まで変化させ
たときに、300[mVP-P]以下でトルクリップルが改善
し、80[mVP-P]前後で最低値となり、その後は上昇に
転ずる。したがって、信号合成回路12の抵抗R0あるいは
電流源回路I0の値を変化させることにより、第(4)〜
(6)式の電圧VU,VV,VWの振幅を80[mVP-P]前後に
調整することにより、トルクリップルが大幅に改善され
ることになる。
以上のことから分かるように、本実施例では、トルクリ
ップルを補正するための新たな追加回路は必要とせず、
単に信号合成回路12の抵抗R0あるいは電流源回路I0の調
整のみで済む。また、ホール素子11u,11v,11wは、ホー
ル増幅回路16u,16v,16wを飽和領域で使用しているの
で、トルクリップル補正機能とは無関係となり、素子の
ばらつき、ホール出力精度の悪化等の影響を受けない。
以上のように本実施例では、トルクリップル補正のため
に新たに追加回路が必要としないので、回路規模が大き
くならず、コストも上昇しない。また、本実施例では、
ホール素子11u,11v,11wでトルクリップル補正信号を形
成していないので、ホール素子11u,11v,11wの精度の影
響を受けない。本実施例では、電流帰還機能自体は基本
的に変わらないので、回路が安定している。また、図示
していないが大型のブラシレスモータの場合には各スイ
ッチング素子群13a,13bの前段にプリドライバを設ける
こともある。
第7図は、本発明の他の実施例を説明するために示す特
性図であって、横軸には逆起電圧波形の第5高調波成分
n[%]が、縦軸にはトルクリップル[%]がそれぞれ
示されている。
ブラシレスモータのトルクリップル改善において、第5
高調波成分(n/100)sin5θを含んだ逆起電圧Eaを駆動
コイルLu,Lv,Lwに発生させるものが既に提案されてい
る。逆起電圧Eaは、次のように表される。
Ea=sin θ+(n/100)sin5 θ …(15) このように逆起電圧sin θに第5高調波成分を含ませる
ことにより、トルクリップルが減少する。更に、具体的
に第7図を用いて説明する。第7図では、第5高調波成
分n[%]を変化させていったときのトルクリップルの
状態が示されている。この図からも分かるように、逆起
電圧Eaの中に第5高調波成分nが含まれる割合を変化さ
せることにより、グラフAに示すように、トルクリップ
ルが減少している。
そこで、上記ブラシレスモータに本発明を適用すると、
グラフBの如くなり、トルクリップルの最低値が1%切
ることになる。しかも、逆起電圧波形に与える第5高調
波歪も小さくてよい。
このように本実施例では、トルクリップルの最低値が従
来よりも小さくてよい他に、逆起電圧波形に与える第5
高調波歪も小さくてすむので、回転子の磁石に無理な補
正着磁をする必要がなく、かつモータの効率も向上す
る。特に、多極の周対向モータでは、補正着磁の余地が
ないことから効果的である。
(発明の効果) 以上の説明より明らかなように、本発明は、信号合成回
路出力の操作のみで駆動コイルに流れる電流と共に駆動
コイルに流れず同相の正側及び負側スイッチング素子群
のみを流れる無効電流の電流検出手段に流し、駆動コイ
ルに流さない無効電流により回転子に発生するトルクを
減少させたので、このトルクの減少に伴って合成トルク
のピークを抑えてトルクリップルを減少させることがで
きる。しかも、トルクリップルを減少させるために回路
規模を拡大する必要がない。
本発明によれば、回転位置検出手段からの検出信号でト
ルクリップル補正信号が形成していないので、回転位置
検出手段の精度の影響を受けることがない。
また、本発明によれば、無通電領域となる通電タイミン
グに正側および負側の同相のスイッチング素子を同時に
通電状態にしているので、この通電タイミングでは駆動
コイルには電流を流すことなく、電流検出手段に確実に
無効電流を流すことができる。
更に、本発明によれば、信号合成回路により一定の通電
区間に同相の正側および負側のスイッチング素子を同時
に通電状態にして前記電流検出手段に無効電流を流させ
るようにしたブラシレスモータの駆動回路に対して、前
記駆動コイルに発生する逆起電圧に第5高調波を重畳さ
せるようにしたので、トルクリップルを著しく改善でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示すブロック図、第2図
(I),(II)はそれぞれ同実施例を説明するための波
形図、第3図は同実施例の具体例を示す回路図、第4図
ないし第6図は同具体例の動作を説明するための波形図
及び特性図、第7図は本発明の他の実施例を説明するた
めの特性図、第8図は従来の駆動回路を示すブロック図
である。 11u,11v,11w……ホール素子(回転位置検出手段)、12
……信号合成回路、13a……正側のスイッチング素子
群、13b……負側のスイッチング素子群、14……電流検
出抵抗(電流検出手段)、15……電流制御手段、20……
信号処理手段。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】m相の駆動コイルを有する固定子と、磁極
    を有する回転子と、前記固定子と回転子との相対的位置
    関係に応じたm相の正弦波様の出力信号を得る位置検出
    手段と、前記位置検出手段の出力信号を対数圧縮して変
    曲点をなまらせた矩形波パルス様に波形成形するととも
    にm相のソフトスイッチング信号に合成する信号処理手
    段と、前記信号処理手段の出力信号により上記m相の駆
    動コイルへの通電を切り換える正側・負側スイッチング
    素子群と、前記正側・負側スイッチ素子群により前記駆
    動コイルへの通電量を制御する電流制御手段と、前記駆
    動コイルに流れる電流と共に前記駆動コイルには流れず
    に前記両正側・負側スイッチ素子群のみを流れる無効電
    流を検出し前記電流制御手段に負帰還をかけるように接
    続された電流検出手段とを備え、前記信号処理手段は、
    前記電流検出手段に駆動コイルへの通電電流と無効電流
    とを流させる信号を出力するようにしたことを特徴とす
    るブラシレスモータの駆動回路。
  2. 【請求項2】前記信号処理手段は、m相120度通電を行
    うとともに、各相の駆動コイルへの各無通電領域となる
    通電タイミングに正側・負側のスイッチング素子群を同
    時に通電状態にできる信号を出力するようにして前記電
    流検出手段に無効電流を流すようにしたことを特徴とす
    る請求項1記載のブラシレスモータの駆動回路。
  3. 【請求項3】上記駆動コイルに発生する逆起電圧波形に
    第5高調波成分を重畳したことを特徴とする請求項1記
    載のブラシレスモータの駆動回路。
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