JPH0772936B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0772936B2
JPH0772936B2 JP13927785A JP13927785A JPH0772936B2 JP H0772936 B2 JPH0772936 B2 JP H0772936B2 JP 13927785 A JP13927785 A JP 13927785A JP 13927785 A JP13927785 A JP 13927785A JP H0772936 B2 JPH0772936 B2 JP H0772936B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、磁気記録媒体に関し、その目的は、磁性層の
耐摩耗性および耐久性が優れ、磁性層表面の平滑性,摩
擦抵抗低減性,並びに磁性粉の分散性及び配向性が改善
された特定のフッ素系共重合体を含有した磁気記録媒体
を提供することにある。
<従来の技術> 磁気テープ、磁気ディスク等の磁気記録媒体は、記録再
生時に磁気ヘッドと大きい相対速度で摺接する為、磁性
層には耐摩耗性が要求され、又磁気表面は平滑で、かつ
摩擦抵抗が小さいことが望まれる。しかしながら、磁性
粉の分散性が良く、ベースとの密着性に優れる汎用の磁
性用バインダー樹脂、例えばポリ(塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン)、ポリ(塩化ビニル−酢酸ビニル)、ポリウ
レタン、ポリエステル、フェノキシ樹脂、そしてこれら
の混合系樹脂等は一般に滑性及び非粘着性に乏しい。こ
のため、磁気ヘッドとの摺接時には摩擦力が増大する
為、磁気記録媒体の走行性は悪化し、又磁性層の耐久性
を著しく損ないという問題があった。
また一方、磁性粉とバインダー樹脂から成る磁性塗料を
ベースフィルム上に塗布する際、その表面張力が大きい
ためにレベリング性が悪く、塗布むらないし厚みむらが
生じて、磁気記録媒体としての出力変動が大きくなると
いう欠点があった。
これらの問題に対し、従来から、磁性塗料中にレシチ
ン等の界面活性剤や流動パラフィン又はステアリン酸、
シリコンオイル等の各種潤滑剤(以上のものを以後非フ
ッ素系添加剤と称する)を添加し、磁性層表面の活性を
向上させる方法。
磁性層表面にパーフロロアルキル基を含有しないフッ
素系樹脂粉末を含有せしめ摺動特性を向上させる方法
(特開昭59−162644号)、 パーフロロアルキル基含有界面活性剤を磁性層中に含
有せしめ、磁性層表面の平滑性、耐久性、そして磁性粉
の分散性を改善する方法(特開昭59−167837号、特開昭
59−167838号、特開昭59−167839号、特開昭59−167840
号、特開昭59−167841号、特開昭59−172140号等)、そ
して又ベースフィルム上に磁性塗料を塗布する際のレベ
リング性を改善し、平滑な塗面を得ることにより出力変
動を低下させる方法、(特開昭58−159232号)等の提案
がある。
<発明が解決しようとする問題点> しかしながら、従来から使用されてきた上記の非フッ素
系添加剤並びにフッ素系界面活性剤は、磁気ヘッドとの
摺接時に脱落しやすいために、滑性効果が比較的短時間
で消滅し、走行安定性等が損われるという問題があつ
た。また滑性効果の持続性を向上させる目的で、上記非
フッ素系添加剤並びにフッ素系界面活性剤を多量に使用
すると、磁性粉の分散性を悪化させ、磁気特性を低下さ
せたり、又磁性層そのものの機械的特性を悪化させ、耐
久性を損う等の問題があった。また一般的に従来のフッ
素系界面活性剤は、有機溶剤系においても起泡性が高
く、磁性塗料中に撹拌混合した際、泡を塗料中に抱き込
みやすく、作業性並びに平滑な磁性塗面を得るという点
で問題があった。
さらにまた、シリコンオイルの様に磁性層との相溶性に
乏しい滑剤を添加した場合には、過度の表面滲漏が発生
し、これに伴って磁性層内の分散剤の漏出が誘発され
る。このため、粉落ちに起因した出力変動やテープ鳴き
等が生じるという問題があった。
これに対して、磁性層との相溶性に優れた添加剤又は界
面活性剤を添加した場合には、これら滑剤の表面滲出量
が少ない為に、所期の滑性効果が得られないことが多か
った。
以上の様に、少量の添加で十分な表面滑性を発揮し、か
つ磁気ヘッドとの摺接時にも脱落せず、滑性持続性に優
れ、起泡性の少ない非フッ素系添加剤及びフッ素系界面
活性剤は見い出されていないのが現状であった。
<問題点を解決するための手段> 本発明者等は、上記問題点を解決すべく鋭意研究を行っ
た結果、分子中に炭素数3〜20のパーフロロアルキル基
を2個有する単量体と非フッ素系単量体とを共重合して
なるフッ素系共重合体、とりわけ前記非フッ素系単量体
の2種以上からなる場合、その一成分としてポリシロキ
サン鎖含有単量体を含んで成るフッ素系共重合体を使用
すれば、磁性塗料中への泡の抱き込みが極めて少なく、
磁性塗料ベース上に塗布する際のレベリング性を著しく
改善できて平滑な塗面が得られ、かつ従来よりも、磁性
粉の分散性及び配向性が向上し、表面滑性、滑性持続
性、さらに耐久性等の点で優れた磁性層並びに走行安定
性に優れ、出力変動やテープ鳴きが格段に少ない磁気記
録媒体が得られることを見い出した。
さらにまた、分子中に炭素数3〜20のパーフロロアルキ
ル基とポリシロキサン鎖を同時に有するフッ素系共重合
体が、パーフロロアルキル基又はポリシロキサン鎖のど
ちか一方のみを有する従来のフッ素系界面活性剤又はフ
ッ素系表面改質剤、あるいはシリコン系界面活性剤又は
シリコン系表面改質剤を単独使用又は併用した場合と比
較し、格段に磁性表面の滑性並びにその持続性を向上さ
せるという相乗効果を発見し、本発明を完成するに至っ
た。
即ち本発明は、磁性層中に、分子中に炭素数3〜20のパ
ーフロロアルキル基を2個有し、かつアクリロイル基又
はメタクリロイル基を有するフッ素系単量体と分子中に
アクリロイル基又はメタクリロイル基を有する非フッ素
系単量体とを共重合して成るフッ素系共重合体を含有せ
しめることを特徴とする磁気記録媒体、さらに前記非フ
ッ素系単量体が2種以上からなり、その1種がポリシロ
キサン鎖含有単量体を含んで成るフッ素系共重合体を含
有せしめることを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
本発明に係るフッ素系共重合体の構成単位である、分子
中に炭素数3〜20のパーフロロアルキル基を2個有する
単量体とは、炭素数3〜20のパーフロロアルキル基2個
が、アクリロイル基又はメタクリロイル基と3価の連結
基で結合された単量体であれば特に限定されないもので
ある。パーフロロアルキル基を1個だけしか含まないも
のや、パーフロロアルキル基の炭素数が3個未満のもの
は本発明に云う磁気記録媒体の表面特性は得難い。又、
パーフロロアルキル基の炭素数が20を越えた場合、磁性
塗料との相溶性が悪くなり、平滑な表面が得られない。
本発明に係る分子中に炭素数3〜20のパーフロロアルキ
ル基を2個有する単量体の具体例としては、一般式(I
−1) 〔式中、Rfは炭素数3〜20のパーフロロアルキル基であ
り、 Z1は、 (但し、R1は、水素原子もしくは炭素数1〜10のアルキ
ル基である。)、またはCH2 (但し、nは1〜6
の整数である。)であり、 Z2は、CH2 (但し、mは、2〜6の整数であ
る。)または であり、 Rは、水素原子、メチル基、又はハロゲン原子、例えば
Cl、Brであり、 Xは、 (但し、Yは炭素数が15以下で、X基中に占める重量割
合が35〜65%の間である2価の連結基である。)にて表
わされる2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R2は水素原子、メチル基、エチル基、またはニ
トロ基である。)または にて表わされる3価の連結基である。〕にて表わされる
化合物, そして一般式 〔式中、RfとR′fは、炭素数3〜20のパーフロロアル
キル基であり、 ▲Z ▼と▲Z ▼は、 (但し、▲R ▼は水素原子もしくは炭素数1〜10の
アルキル基である。)、またはCH2 (但し、nは
1〜6の整数である。)から選ばれた2価の連結基であ
り、 Z3は、CH2 (但し、mは2〜6の整数である。)
または であり、 Rは、水素原子、メチル基、またはハロゲン原子であ
り、 X1,X2,そしてX3は、 (但し、R2は水素原子、または炭素数1〜36のアルキル
基もしくはアルケニル基である。)または から選ばれた2価の連結基であり、 Aは、 (但し、R3は水素原子、ヒドロキシメチル基、メチル
基、エチル基、またはニトロ基である。)、 にて表わされる3価の連結基である。〕にて表わされる
化合物である。
分子中に炭素数3〜20のパーフロロアルキル基を2個有
する単量体の具体例として以下の如きものが挙げられる
が、これらの具体例によって本発明が何ら限定されるも
のでないことは勿論である。
本発明に係る非フッ素系単量体の内、ポリシロキサン鎖
を含まないものの具体例としては、アクリル酸、メタク
リル酸、またその誘導体として、アルキル基の炭素数が
1〜18の、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(以後
この表現はアクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸
アルキルエステルの両方を総称するものとする。)、即
ち(メタ)アクリル酸のメチル、エチル、プロピル、ブ
チル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシ
ル、ステアリルエステル等、また(メタ)アクリル酸の
炭素数1〜18のヒドロキシアルキルエステル、即ちヒド
ロキシエチル、エチルエステル、ヒドロキシプロピルエ
ステル、ヒドロキシブチルエステル等、また(メタ)ア
クリル酸の炭素数1〜18のアミノアルキルエステル、即
ちジメチルアミノエチルエステル、ジエチルアミノエチ
ルエステル、ジエチルアミノプロピルエステル等、また
(メタ)アクリル酸の、炭素数が3〜18のエーテル酸素
含有アルキルエステル、例えばメトキシエチルエステ
ル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステ
ル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステ
ル、ブチルカルビルエステル等、またアルキル炭素数が
1〜18のアルキルビニルエーテル、例えばメチルビニル
エーテル、プロピルビニルエーテル、ドデシルビニルエ
ーテル等、(メタ)アクリル酸のグリシジルエステル、
即ちグリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレー
ト等、またサートマー社製ステレンマクロモノマー450
0、新中村化学工業(株)製NKエステルM−230G等のマ
クロモノマー等が挙げられ、これらの中から一種又は二
種以上が選択され、単量体(I−1)又は(I−2)、
(I−3)との共重合に供せられる。
さらに本発明に係る非フッ素系単量体の内、ポリシロキ
サン鎖を含有する単量体としては、ポリシロキサン鎖の
片末端あるいは両末端に2価の連結基を介してアクリロ
イル基、あるいはメタクリロイル基のいずれかが連結さ
れたものであればいずれでも良く、その具体例としては 一般式(II−1) 〔式中、R′及びR4は炭素数1〜20のアルキル基又は
フェニル基で、それらは同一でも異なっていてもよく、
又シロキシ単位毎に同一でも異なっていてもよく、 pは3〜520の整数であり、 qは0又は1であり、 Y′は2価の連結基で、 であり、 R5は水素原子又はメチル基であり、 Z3はメチル基、フェニル基、又は である。〕にて表わされる化合物、または一般式 〔式中、▲R ▼,▲R ▼,▲R ▼,▲R
▼,▲R ▼,▲R ▼は炭素数1〜20のアルキ
ル基又はフェニル基で、これらは同一でも異なっていて
もよく、又シロキサン単位毎に同一でも異なっていても
よく、r,s,tは1〜200の整数で、これらは同一でも異な
っていてもよく、Y′,q,R5は前記と同意義である。〕
にて表わされる化合物が挙げられる。
ポリシロキサン鎖を含有する単量体のより具体的なもの
として以下の如きものが例示される。
但し、Me,Phはそれぞれメチル基,フェニル基を表わ
す。
本発明に係る、分子中に炭素数3〜20のパーフロロアル
キル基を2個有する単量体と非フッ素系単量体とを共重
合して成るフッ素系共重合体の製造には、何ら制限はな
く、公知の方法、即ちラジカル重合法、カチオン重合
法、アニオン重合法等が用いられるが、特にラジカル重
合法が簡便であり、工業的に好ましい。この場合重合開
始剤としては、当業界公知のものを使用することがで
き、例えば過酸化ベンゾイル、過酸化ジアシル等の過酸
化物、アゾビスイソブチロニトリル、フェニルアゾトリ
フェニルメタン等のアゾ化合物、Mn(acac)等の金属
キレート化合物等が挙げられ、必要に応じてラウリルメ
ルカプタン等の連鎖移動剤を併用することが可能であ
る。また光増感剤や光開始剤の存在下での光重合、ある
いは放射線や熱をエネルギー源とする重合によっても本
発明に係るフッ素系のランダムもしくはブロック共重合
体を得ることができる。
重合は、溶剤の存在下又は非存在下のいずれでも実施で
きるが、作業性の点から溶剤存在下の場合の方が好まし
い。溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶剤、1,1,1−ト
リクロルエタン、クロロホルム等のハロゲン系溶剤、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族類等のいずれも使用
できる。
分子中に炭素数3〜20のパーフロロアルキル基を2個有
する単量体と非フッ素系単量体との共重合組成比は、重
量比で、4:1〜1:100であり、1:1〜1:50の範囲が特に好
ましい。炭素数3〜20のパーフロロアルキル基を2個有
する単量体の割合が上記の範囲より少ない場合、本願発
明に云う十分な磁性表面の減摩性、平滑性、耐久性等が
得られない。また一方、炭素数3〜20のパーフロロアル
キル基を2個有する単量体の割合が上記の範囲を越えた
り、あるいはパーフロロアルキル基の炭素数が20を越え
た場合には、磁性塗料あるいはバインダー用樹脂との相
溶性が低下し、磁性表面の特性が劣悪なものとなる。
非フッ素系単量体の一成分としてポリシロキサン鎖含有
単量体を使用する場合、非フッ素系単量体中に占めるポ
リシロキサン鎖含有単量体の上限は、重量割合で90%迄
であり、より好ましくは85%迄である。この上限を越え
てポリシロキサン鎖含有単量体が含まれる場合、磁性塗
料又はバインダー用樹脂との相溶性が低下し、磁性表面
の滑性持続性並びに耐久性が低下する。
本発明に係るフッ素系共重合体の分子量としては、▲
▼=3,000〜500,000が好ましく、▲▼=3,000〜1
00,000が特に好ましい。
本発明に係るフッ素系共重合体の使用量は、磁性粉とバ
インダー(ポリウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビ
ニル樹脂等)と添加剤とからなる磁性層中の磁性粉100
重量部に対して、0.0001〜30重量部が好ましく、0.001
〜20重量部が特に好ましい。またフッ素系共重合体を磁
性層中に含有させる手段としては、例えばベンゼン、ト
ルエン等の芳香族系溶剤、フレオン−113、1,1,1−トリ
クロロエタン等のハロゲン系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エ
チル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、またはこれ
らの溶剤の混合系にフッ素系共重合体を適宜溶解させ、
この溶液を予め形成された磁性層の表面に塗布もしくは
噴霧する方法、または上記溶液中に磁性層を浸漬する方
法、あるいは上記有機溶剤系の如き磁性塗料中にフッ素
系共重合体を混合して磁性層を形成する方法、さらにま
た、予め磁性バインダー用樹脂例えば塩化ビニル−酢酸
ビニル系共重合体、ポリアミド樹脂、塩化ビニル−プロ
ピオン酸ビニル系共重合体、ポリビニルブチラール系樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹
脂、ニトロセルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂等の通
常使用される公知樹脂に混和しておく方法等がある。
又、磁性層にバインダー用樹脂と共に用いられる磁性粉
は、例ゑば、還元鉄粉、γ−Fe2O3粉、Fe3O4粉、Co含有
γ−Fe2O3粉、Co含有Fe3O4、CrO2粉、種々の合金粉末等
が挙げられ、従来公知の各種磁性粉が使用できる。
更に、磁性層を作る時にバインダー用樹脂中に添加配合
される各種の添加剤例えば補強剤(例えば酸化アルミニ
ウム、酸化ケイ素)、補強材(例えばグラファイト、二
硫化モリブデン)、潤滑剤(例えば高級脂肪酸及びその
エステル、シリコーンオイル類、オリーブ油、ポリエチ
レンオキサイド類)を本発明の効果を損わない程度に添
加しても良い。
<作用> 本発明に係るフッ素系共重合体が、これまでに開示され
てきた非フッ素系添加剤及びフッ素系界面活性剤と比較
して、何故に摩擦抵抗が少なく、滑性持続性及び耐久性
に優れた磁性層を与えるかについては十分に明確ではな
い。しかしながら本発明者等のこれまでの知見によれ
ば、従来の高分子量のフッ素系界面活性剤においては、
分子中に滑性効果を発揮するパーフロロアルキル基がラ
ンダムに配置されていたために、滑性部分と、磁性層の
樹脂成分との良い部分が、それぞれ明確なドメインを形
成し得ず、このために磁性層中の樹脂部分に対するアン
カー効果が不十分なために表面付近のフッ素系界面活性
剤は摺接時に容易に脱落し、充分な滑性効果及び滑性持
続性が得られなかったものと考えられている。また低分
子量のフッ素系界面活性剤についても、アンカー効果並
びにパーフロロアルキル基の磁性層表面での濃縮効果が
不十分なために、充分な滑性効果並びに滑性持続性がな
かったものと推定される。
これに対し、最近ではパーフロロアルキル基が密に集合
し、また非フッ素系部分も集合した構造の、パーフロロ
アルキル基を含有する櫛型ポリマー又はA−B型共重合
体が開発され、内添型表面改質剤としての応用が期待さ
れている。本発明者等の知見によれば、これらの表面改
質剤は或程度の表面滑性や平滑性を得ることはできる
が、磁性表面の滑性向上化という観点からすればその効
果は甚だ不十分である。さらにこれらの表面改質剤は起
泡性が高く、樹脂又は樹脂溶液、さらに磁性塗料に添加
混合した際に泡の抱き込みを生じ易く、又脱泡し難い等
の作業性の悪い面があり、平滑な表面が得られない等の
欠点がある。これは上記表面改質剤の構造に起因してい
ると考えられる。即ち、これらの表面改質剤は親油性の
低いパーフロロアルキル基部分と親油性の高い非フッ素
系部分とがそれぞれ明確な集合体を形成し、有機系にお
いても界面活性剤的挙動を取り易い為に起泡性が高いと
推定される。
これに対し、本発明に係るフッ素系共重合体は、分子中
にパーフロロアルキル基を2個含む単量体と非フッ素系
単量体とのランダム共重合体であるため、パーフロロア
ルキル基のミクロな集合体からなる滑性部分と、非フッ
素系かつ非ポリシロキサン鎖系部分からなる、磁性層の
樹脂成分との親和性の良い部分、即ちアンカー成分が適
度に存在するために充分な滑性効果並びに滑性持続性を
発現すると共に、起泡性も低いと考えられる。
また本発明の特徴の一つとして、分子中に炭素数3〜20
のパーフロロアルキル基とポリシロキサン鎖を同時に有
するフッ素系共重合体が相乗的に磁性媒体表面の滑性を
向上させることにあるが、これはパーフロロアルキル基
とポリシロキサン鎖とのミクロ的に緻密な混成集合体の
形成に因ると推定される。
尚、これらの考察は本発明の内容を理解する上での一助
となるものであり、本発明を何ら限定するものでないこ
とは勿論である。
<発明の効果> 本発明に係るフッ素系共重合体は、磁性塗料のレベリン
グ性を向上させるため、磁気テープ及び磁気デイスクの
生産性向上に大きく寄与し、又、均質性に富んだ塗面を
与えることから、テープの長尺化に伴って近年特に要請
されている、磁性層の薄層化も可能にすることができ
る。
また本発明に係る磁気記録媒体は、滑性及び滑性持続性
に優れていることから、従来よりも磁気テープ、フロッ
ピーデイスク、又は磁気デイスク等の走行安定性及び耐
久性を向上し、又、出力変動の少ない再生を可能にする
と共に、ビデオテープ等の長時間のスチル再生も可能に
した。
次に本発明をより詳細に説明するために、参考例、実施
例並びに比較例を掲げる。
参考例1. (フッ素系共重合体 1) 撹拌装置、コンデンサー、温度性を備えたガラスフラス
コに、本文中I−1−2に示すフッ素系単量体30重量
部、メチルメタクリレート(以後MMAと称す)10重量
部、β−ヒドロキシエチルメタクリレート(以後β−HE
MAと称す)15重量部、i−ブチルメタクリレート(以後
iBMAと称す)10重量部、そしてメチルイソブチルケトン
150重量部を仕込み、窒素ガス導入下、還流下に重合開
始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNと称
す)0.4重量部と連鎖移動剤としてラウリルメルカプタ
ン0.3重量部を添加した後7時間還流し重合を完結させ
た。
ゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下GPCと称す
る)によるポリスチレン換算分子量は▲▼=10,200
であった。
参考例 2〜6 前出の、分子中にパーフロロアルキル基を2個含有する
単量体と非フッ素系かつ非ポリシロキサン系単量体を使
用し、参考例1と同様にしてフッ素系共重合体を得た。
それらの性状を表−1に記す。
参考例7. (フッ素系共重合体 7) 撹拌装置、コンデンサー、温度計を備えたガラスフラス
コに、本文中I−1−2に示すフッ素系単量体40重量
部、本文中II−1−10に示すポリシロキサン鎖含有単量
体(▲▼=5,000)10重量部、新中村化学製M−230
G 10重量部、MMA50重量部、iBMA 38重量部、β−HEMA 2
0重量部、そしてメチルイソブチルケトン392重量部を仕
込み、窒素ガス導入下、還流下で重合開始剤としてAIBN
1.6重量部と連鎖移動剤としてラウリルメルカプタン1.
1重量部を添加した後7時間還流し重合を完結させた。G
PCによるスチレン換算分子量は▲▼=9,900であっ
た。
参考例8〜12 前出の、分子中にパーフロロアルキル基を2個含有する
単量体と非フッ素系単量体を使用し、参考例7と同様に
してフッ素系共重合体を得た。それらの性状を表−2に
示す。
実施例1 〔配合〕 上記配合組成物をボールミルで60時間混合し、3μフィ
ルターで過した後、11μm厚のポリエステルフイル上
に乾燥厚が5μmになるように塗布した。スーパーカレ
ンダーにて表面処理し、1/2インチ幅に裁断して磁気テ
ープを得た。
尚、フッ素系共重合体とは参考例1の化合物を示す。
実施例2〜12 実施例1に記載した配合組成物中のフッ素系共重合体を
下記化合物に代えて、同様にして磁気テープを得た。
尚フッ素系共重合体とは表−1,2中の化合物を示す。
比較例1〜3 実施例1に記載した配合組成物中のフッ素系共重合体を
下記化合物に代えて、同様にして磁気テープを得た。
比較例1 フッ素系界面活性剤 〃 2 フッ素系界面活性剤 〃 3 フッ素系界面活性剤 (C8F17CH2CH2OH) 〃 4 II−1−10のポリシロキサン鎖含有単量体20
重量部MMA/nBMA/β−HEMA(45/35/20重量部)の共重合
体 n=10,000 〃 5 MMA/nBMA/β−HEMA/ポリシロキサン鎖含有単
量体II−1−10(45/35/20/3重量部)の共重合体 n
=10,000 〃 6 22重量部、MMA78重量部の組成で、前者単量体が幹を構
成し、後者単量体がグラフト鎖を構成するグラフト共重
合体 n=8,000 比較例7 20重量部、MMA/nBMA/β−HEMA/II−1−10(45/35/20/3
重量部)の共重合体 n=10,000 〃 8 40重量部がA部分の構成成分、MMA/nBMA/β−HEMA(45/
35/20重量部)がB部分の構成成分であるA−B型ブロ
ックポリマー n=10,000 〃 9 ジメチルシリコンオイル n=約4,000 〃 10 ステアリン酸 〃 11 レシチン 〃 12 流動パラフィン 〃 13 比較例4と5の化合物を50wt%ずつ含有する
混合体 以上のようにして得られた各例の磁気テープについて、
角形比(即ち磁性粉の分散配向性)、動摩擦係数(即ち
滑性及び滑性持続性)、走行安定性、耐久性(即ち出力
変動)を測定した。その結果を表−3に示す。
尚、角形比は、Vibrating Sample Magnetmeterにて測定
した。動摩擦係数は、1回目の走行における磁気ヘッド
との間の動摩擦係数μK1と600回走行後の動摩擦係数μ
K600について求めた。走行安定性は、ビデオデッキにか
けた時の走行むらを画像より判断し、5段階(5;走行む
らがない、4;走行むらがほんの僅かにある、3;走行むら
が僅かにある、2;走行むらがある、1;走行むらが顕著で
ある)で評価した。耐久性試験は40℃、85%RHの条件下
で、各磁気テープをヘッド荷重10g、走行速度4.8cm/秒
で600回走行させた後再生し、初期出力に対する出力変
動値を測定して評価した。
またボールミルで混練した直後の、磁性塗料中の気泡抱
き込み程度を目視にて観察し、3段階で評価した。
○:気泡の抱き込みが全く認められない。
△:気泡の抱き込みがやや認められる。
×:気泡の溶き込みが顕著に認められる。
表−3の結果から明らかなように、本発明に係るフッ素
系共重合体を磁性層中に含有させることにより、従来の
添加剤と比較して角形比、動摩擦抵抗低減性、並びに走
行安定性が優れ、又、μK1とμK600の差並びに出力変動
値が少ないことから、本発明の磁気記録媒体は、磁性粉
の分散配向性、表面潤滑性、表面平滑性、走行安定性、
そして耐久性に優れたものであることが確認された。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁性層に、分子中に炭素数3〜20のパーフ
    ロロアルキル基を2個有し、かつアクリロイル基又はメ
    タクリロイル基を有するフッ素系単量体と分子中にアク
    リロイル基又はメタクリロイル基を有する非フッ素系単
    量体とを共重合して成るフッ素系共重合体を含有せしめ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】分子中にアクリロイル基又はメタクリロイ
    ル基を有する非フッ素系単量体が2種以上からなり、そ
    の1種がポリシロキサン鎖含有単量体であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の磁気記録媒体。
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