JPH0774084B2 - 無機生体材料の製造方法 - Google Patents

無機生体材料の製造方法

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JPH0774084B2
JPH0774084B2 JP1168869A JP16886989A JPH0774084B2 JP H0774084 B2 JPH0774084 B2 JP H0774084B2 JP 1168869 A JP1168869 A JP 1168869A JP 16886989 A JP16886989 A JP 16886989A JP H0774084 B2 JPH0774084 B2 JP H0774084B2
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zirconia
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alumina
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敏宏 春日
紀一 中島
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、人工骨、人工歯根などのインプラント材料と
して有用な無機生体材料の製造方法に関するものであ
る。
[従来の技術] セラミックスは高分子材料、金属材料に比べて生体為害
性がない点で生体材料として注目され、近年その進歩が
著しい。セラミックスの中には骨と化学結合をつくる、
バイオアクティブなものが知られている。これは、生体
と一体化するのでルーズニングが起こらない。バイオア
クティブセラミックスとしては、アパタイト焼結体[Ca
10(PO4)6OH2]あるいはアパタイト結晶[Ca10(PO4)6(O
0.5,F)2]とウォラストナイト結晶[CaSiO3]とを析出
させた結晶化ガラスが知られている。しかしながら、こ
れらのセラミックスの曲げ強度は、アパタイト焼結体
で、1000〜1400kg/cm2、結晶化ガラスで1200〜2300kg/c
m2程度である。そこで、高強度化をはかるため、生体活
性な結晶化ガラスとジルコニア系またはアルミナ系セラ
ミックスを複合結晶させた材料が開発されている(特開
昭62−231668号公報、同63−82670号公報)。これらの
複合材料は、2300〜3500kg/cm2と比較的高い曲げ強度を
有しているが、人工骨または人工歯根としては必ずしも
充分に満足できるほどのものではないので、その使用用
途についてはまだかなりの制限を受けている。
さらに高強度な材料を得るための方法として、特開平1
−115360号公報には、75μmよりも細かい粒度を有する
ガラス粉末と、このガラス粉末よりも細かい粒度を有す
るジルコニア系粉末とを混合し、この混合物を所定の形
に成形した後に、この成形体中のガラス部分を焼結、結
晶化した後、ジルコニア系粉末を焼結する方法が開示さ
れている。
[発明が解決しようとする課題] 特開平1−115360号公報に記載の方法は、ジルコニア系
粉末の配合量が大きい場合に有効であるが、ジルコニア
系粉末の配合量が小さい場合には、ガラス粉末が焼結す
る温度に達したとき、ガラスが流動してジルコニア系
粉末を取り囲んだり、また良好にガラスが流動しなか
った箇所では、ガラスとジルコニア系粉末との界面付近
に気孔ができることが多い。そして続いて結晶化が起こ
る温度に達すると、ガラスの流動が止って結晶化が始
り、,の状態はそのまま保持されてしまう。したが
って、ジルコニア系粉末が焼結する温度に達したとき、
の状態の箇所では、ジルコニア系粉末同志が焼結でき
ず、高強度性を発揮するジルコニア系セラミックスの骨
格を作ることができないので、高強度な複合材料が得ら
れない。また、の状態の箇所では、そのまま複合材料
中に気孔が残存するため、やはり高強度な材料は得られ
ない。
したがって、前記の方法では、生体活性に寄与する結晶
化ガラスの量を、補強材としてのジルコニア系セラミッ
クスの量より少なくしなければならないので、生体活性
を犠牲にしなければならず、骨と結合するまでにかなり
の時間がかかるという欠点があった。
したがって、本発明の目的は、上記の従来方法の欠点を
解消し、高強度で、かつ生体活性に優れた無機生体材料
を製造し得る方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明は、上記目的を達成するためになされたものであ
り、本発明の無機生体材料の製造方法は、以下の一連の
4工程からなることを特徴とする。
工程1.ガラス原料混合物を溶融、冷却することにより、
重量百分率で、 CaO 12〜56% P2O5 1〜27% SiO2 22〜50% MgO 0〜34% A12O3 0〜25% の範囲で上記成分を含有し、CaO、P2O5、SiO2、MgO及びA12
O3の含有量合計が90%以上である組成を有するガラスを
得る工程。
工程2.工程1で得られたガラスを、アパタイトと、ウォ
ラストナイト、ジオプサイド、フォルステライト、オケ
ルマナイト及びアノルサイトから選ばれるアルカリ土類
ケイ酸塩結晶の1種または2種以上とが析出する温度域
で熱処理して結晶化ガラスを得る工程。
工程3.工程2で得られた結晶化ガラスを粉砕すると同時
又は粉砕した後、ジルコニア系及び/又はアルミナ系粉
末と混合し混合粉末を得る工程。
工程4.工程3で得られた混合粉末を所定の形に成形した
後に、ジルコニア系及び/又はアルミナ系粉末の焼結温
度域で熱処理してセラミックス複合結晶化から成る無機
生体材料を得る工程。
以下、本発明の無機生体材料の製造方法を、工程別に順
次説明する。
先ず工程1は、上述の如く、ガラス原料混合物を溶融、
冷却することにより、重量百分率で、 CaO 12〜56% P2O5 1〜27% SiO2 22〜50% MgO 0〜34% A12O3 0〜25% の範囲で上記成分を含有し、CaO、P2O5、SiO2、MgO及びA12
O3の含有量合計が90%以上である組成を有するガラスを
得る工程である。
工程1で得られるガラスの組成を量的に限定した理由は
以下に述べるとおりである。
CaOが12%未満では、アパタイト結晶[Ca10(PO4)
6(O0.5,F)2]の析出量が極端に少なくなる上、失透傾向
が激しくなる。またCaOが56%を越えるとガラスの失透
傾向が著しくなる。したがって、CaOの含量は12〜56%
に限定される。P2O5が1%未満では、ガラスの失透傾向
が著しく、27%を越えるとウォラストナイト[CaOSi
O2]、ジオプサイド[CaO MgO 2SiO2]、フォルステラ
イト[2MgO SiO2]、オケルマナイト[2CaO MgO 2Si
O2]、アノルサイト[CaO A12O3 2SiO2]等のアルカリ
土類ケイ酸塩結晶の析出量が少なくなるので、P2O5の含
量は1〜27%に限定される。SiO2が22%未満では、アル
カリ土類ケイ酸塩結晶の析出量が少なくなる。またSiO2
が50%を越えるとガラスが失透しやすくなる。従って、
SiO2の含量は22〜50%に限定される。MgOは必須成分で
はないが、ジオプサイド結晶、フォルステライト結晶、
オケルマナイト結晶を析出させるときに用いられる。そ
の量は34%より多いとアパタイト結晶の生成量が少なく
なり、また失透しやすくなるので、34%以下に限定され
る。同様に、A12O3も必須成分ではないがアノルサイト
結晶を析出させるときに用いられる。その量は25%より
多いとアパタイト結晶の生成量が少なくなり、また失透
しやすくなるので25%以下に限定される。
上記した5成分に加えてガラスは、人体に有害ではない
K2O、Li2O、Na2O、TiO2、ZrO2、SrO、Nb2O5、Ta2O5、B2O3、Y
2O3、フッ素を10%の範囲内で1種または2種以上含有
することができる。これらの任意成分の合計が10%より
多いときには、アパタイト結晶及びアルカリ土類ケイ酸
塩結晶(ウォラストナイト、ジオプサイド、フォルステ
ライト、アノルサイト)の生成量が低下してしまう場合
があるので、好ましくは10%以下とするのがよい。ただ
し、フッ素はF2換算値が5%より多いとガラスが失透し
やすくなり、またY2O3が5%より多いとアパタイト結晶
及びアルカリ土類ケイ酸塩結晶の生成量が低下してしま
うので、フッ素及びY2O3はそれぞれ5%以下に限定され
る。
工程1において上記組成からなるガラスは、このガラス
を構成する金属酸化物それ自体および対応する炭酸塩、
リン酸塩、水和物、フッ化物などからなる原料を1300℃
以上に加熱することにより溶融し、次いで冷却すること
により得られる。
次に工程2は、工程1で得られたガラスを、アパタイト
と、ウォラストナイト、ジオプサイド、フォルステライ
ト、オケルマナイト及びアノルサイトから選ばれるアル
カリ土類ケイ酸塩結晶の1種または2種以上とが析出す
る温度域で熱処理して結晶化ガラスを得る工程である。
工程1で得られたガラスを室温から加熱していき、ガラ
ス転移温度を越えるとガラスが流動しやすくなり、ガラ
スの焼結が始まる。さらに加熱温度を上げると、ガラス
の結晶化が始まる。十分に結晶化したガラスを再度加熱
しても殆ど焼結は進まない。これらの現象は、ガラスの
示差熱分析によって確認できる。一般に結晶化の進行度
を熱処理温度、時間によって制御することにより、ガラ
スの焼結性も制御することができるが、工程2において
はガラスの結晶化を十分に行ないガラスが再度焼結しな
いようにした方が好ましい。これは後続の工程4におけ
るジルコニア系及び/又はアルミナ系粉末の焼結性を十
分に活用するためである。
アパタイト結晶及びアルカリ土類ケイ酸塩結晶の析出温
度域は例えばガラスの示差熱分析により求められる。示
差熱分析曲線における発熱ピークの温度で熱処理したガ
ラス粉末のX線回析データを解析することにより、それ
ぞれの発熱ピークに対応する析出結晶を同定し、その発
熱温度から発熱終了温度までをそれぞれの結晶の析出温
度域とする。これらの結晶の析出温度域は例えば750〜1
260℃である。なお、工程2においては、上記結晶の他
にα又はβ型リン酸三カルシウム結晶[Ca3(PO4)2]が
場合により析出する。
次に工程3は、工程2で得られた結晶化ガラスを粉砕す
ると同時又は粉砕した後、ジルコニア系及び/又はアル
ミナ系粉末と混合する工程である。
結晶化ガラスの粉砕はボールミル等を用いる公知の手段
で行なわれる。得られた結晶化ガラス粉末の粒度は500
μm以下が望ましい。その理由は、得られた結晶化ガラ
ス粉末中に500μmより大きな粒子があると、この後で
結晶化ガラス粉末をジルコニア系及び/又はアルミナ系
粉末と、ボールミル等を用いる公知の手段で混合し粉砕
したときに、結晶化ガラス粉末の粒度が所望の75μm以
下とならないからである。ここに75μm以下を所望値と
した理由は、75μmを越える結晶化ガラス部分は欠陥と
なることが多く、最終的に得られるセラミックス複合結
晶化ガラスの機械的強度を大きくすることができないか
らである。
以上、結晶化ガラスを粉砕した後、得られた結晶化ガラ
ス粉末をジルコニア系及び/又はアルミナ系粉末と混合
する場合について述べたが、結晶化ガラスの粉砕と、ジ
ルコニア系及び/又はアルミナ系粉末との混合をボール
ミル等を用いる公知の手段で同時に行なっても良い。こ
の場合にも得られる結晶化ガラスの粒度は75μm以下で
あるのが望ましい。
この工程において、結晶化ガラスに混合されるジルコニ
ア系粉末は、部分安定化ジルコニアである。部分安定化
ジルコニアは、通常Y2O3、MgO、CaO、CeO2のうちの1種又
は2種以上を固溶した正方晶ジルコニア結晶粒子の応力
誘起変態(マルテンサイト変態)を利用して高強度、高
靱性化を図ったものであり、10000〜20000kg/cm2もの高
強度を示す。さらに、部分安定化ジルコニアにα−アル
ミナを複合させて緻密に焼結すると、マイクロクラック
・タフニングの効果も加わって1500〜24000kg/cm2もの
強度を示す。α−アルミナを複合させた部分安定化ジル
コニアの粉末も本発明に用いられるジルコニア系粉末に
含まれる。ジルコニアを部分安定化させるためには、Zr
O2100モルに対して、モル数で、 Y2O3:1.5〜5 MgO : 7 〜10 CaO : 7 〜10 CeO2:4〜15 のうちの1種または2種以上を固溶させれば良い。部分
安定化ジルコニアにα−アルミナを複合させる場合に
は、部分安定化ジルコニア:α−アルミナの比率は重量
比で、100:0〜10:90である。これは、部分安定化ジルコ
ニアが10%より少ないと、ジルコニアの応力誘起変態に
よる強化の効果が薄く強度の向上に効果的でないためで
ある。さらに特に好ましい範囲は100:0〜20:80である。
結晶化ガラスに混合されるジルコニア系粉末は、結晶化
ガラス粉末よりも細かい粒度を有するのが望ましい。こ
れは、ジルコニア系粉末の粒度が結晶化ガラス粉末の粒
度より大きいとジルコニア粒子と結晶化ガラスが接する
近傍で、気孔ができやすく、機械的強度の高いジルコニ
ア系セラミックス複合結晶化ガラスを得るのがむずかし
いからである。共沈法、加水分解法、アルコキシド法等
による湿式法によれば、1μm以下の微細なジルコニア
系粉末が得られるので、このようにして得られたジルコ
ニア系粉末を用いるのが望ましい。
ガラスに対するジルコニア系粉末の量を多量にする必要
がある前記特開平1−115360号公報に記載された従来方
法と異なり、本発明の方法においては、結晶かガラスに
混合されるジルコニア系粉末の量は特に限定されない。
その理由は、ジルコニア系粉末の量が少ない場合でもガ
ラスが流動してジルコニア系粉末を取り囲んだり、ガラ
スとジルコニア系粉末との界面付近で気孔が生じること
がなく、ジルコニア系セラミックスの骨格を持つ高強度
のジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラスが得ら
れ、またジルコニア系粉末の量が多い場合にはもちろん
高強度のジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラスが
得られるからである。
しかし、得られる無機生体材料としては、結晶化ガラス
が体積百分率で5%より少ないと複合化によって生体活
性機能を付加させた効果がほとんど現れず、また、95%
より多いと骨格となるジルコニア系セラミックス部分が
少なくなるため、機械的強度の向上を期待できない。よ
って、結晶化ガラス:ジルコニア系セラミックスの配合
比は体積百分率で5:95〜95:5が好ましい。さらに、生体
活性と強度の両立した材料として、とくに好ましい範囲
は、40:60〜90:10である。
以上、結晶化ガラスにジルコニア系粉末を混合する場合
について述べてきたが、ジルコニア系粉末の代りにアル
ミナ系粉末を用いても従来の方法で製造したセラミック
ス複合結晶化ガラスよりも高強度のものが得られる。ま
たジルコニア系粉末とアルミナ系粉末との混合物を用い
ても良い。
次に工程4は、工程3で得られた混合粉末を所定の形に
成形した後に、ジルコニア系及び/又はアルミナ系粉末
の焼結温度域で熱処理してセラミックス複合結晶化ガラ
スから成る無機生体材料を得る工程である。
この工程において、結晶化ガラス粉末とジルコニア系及
び/又はアルミナ系粉末との混合粉末は、金型成形、冷
間等方加圧成形(ラバープレス)、射出成形、押出成形
等の任意の公知手段で成形された後、ジルコニア系及び
/又はアルミナ系粉末の焼結温度域で焼結される。ジル
コニア系及び/又はアルミナ系粉末の焼結時には、ガラ
スの流動・焼結は起らないため緻密で高強度なセラミッ
クス複合結晶化ガラスが得られる。ジルコニア系及び/
又はアルミナ系粉末の焼結温度域は結晶化ガラス−ジル
コニア系及び/又はアルミナ系粉末混合物の成型体を一
定速度で加熱し、その間の熱収縮を測定することにより
求めることができる。熱収縮の開始温度から終了温度ま
でが焼結温度域である。例えばジルコニアの焼結は約80
0℃から始まり、最も良く緻密化する温度は、一般的に
は1300℃以上である。ただし、焼結温度が1500℃を越え
ると結晶化ガラス部分が融解して気孔ができたり、ジル
コニア系粉末と反応して生体活性機能を失う場合がある
ので、1500℃以下が好ましい。また、最近では、わずか
に亜鉛、マンガン、銅、コバルト、ニッケルなどの遷移
金属酸化物を添加することにより1000〜1300℃という低
い温度で緻密に焼結できるジルコニア系セラミックスが
開発されている[内田老鶴圃発行の「ジルコニアセラミ
ックス9」、第1〜12頁(発行日:1987年4月10日)等
参照]。結晶化ガラスは、組成によっては1300℃で融解
が始まるものもあり、このような場合には1000〜1300℃
で緻密に焼結できるジルコニア系粉末は好適である。工
程4における焼結方法としては任意の公知手段を用いて
良いが、ホットプレス法やHIP(熱間等方加圧成形)法
を用いると焼結がより促進されて気孔が少なくなり、よ
り機械的強度の大きいものが得られる。
[実施例] 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などをガ
ラス原料に用いて、得られるガラスが重量百分率で、Ca
O 47.8、SiO2 44.0、MgO 1.5、P2O5 6.5、フッ素(F2換算
値)0.2となるようにガラス原料のバッチを調合し、こ
れを白金ルツボに入れて1550℃で2時間溶融した。次い
で融液を水中に投入しガラスを得た(工程1)、次に、
このガラスを乾燥後、電気炉で室温から1200℃まで一定
の昇温速度3℃/minで加熱し、1200℃で2時間保持して
ガラスを結晶化させた(工程2)。次に、この結晶化ガ
ラスをボールミルに入れて500μm以下の粒度に粉砕し
た後、これと、共沈法により得られた、2.5モル%のY2O
3を含む部分安定化ジルコニア系粉末(平均粒径0.3μ
m)とを種々の割合でボールミルに入れ、さらに数時間
湿式混合し、結晶化ガラスの粒度を75μm以下にした
後、乾燥した(工程3)。次に、この混合物を黒鉛型に
入れ、300kg/cm2の圧力をかけながら、室温から1300℃
まで一定の昇温速度3℃/minで加熱し、1300℃で2時間
保持して成型体の焼結を行なった。しかる後、炉内で室
温まで冷却し、種々のジルコニア径セラミックス複合結
晶化ガラスを得た(工程4)。こうして製造されたジル
コニア径セラミックス複合結晶化ガラスの相対比重は97
%以上と気孔の少ないものであった。また、これらジル
コニア径セラミックス複合結晶化ガラスを粉砕し、粉末
X線回析により析出結晶相を同定したところ、ガラスか
らはアパタイトとウォラストナイトが析出していた。さ
らに、これらジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラ
スを3×4×36mmの角柱に加工し、JIS R1601に従って
三点曲げ強度試験を行なった。ジルコニア径粉末の配合
量(体積百分率)と三点曲げ強度の関係を第1図の1に
示す。なお第1図の2には、特開平1−115360号公報記
載の従来法により作製した無機生体材料の、ジルコニア
系セラミックス含有量と三点曲げ強度の関係を示す。図
から明らかなように、本実施例の無機生体材料は、従来
の無機材料に比べて高い曲げ強度を有し、特にジルコニ
ア量の少ない場合でも高い強度を有していた。
[実施例2] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などをガ
ラス原料に用いて、重量百分率で、Ca0 47.8、SiO2 44.
0、MgO 1.5、P2O2 6.5、フッ素(F2換算値)0.2となるよ
うにガラス原料のバッチを調合し、これを白金ルツボに
入れて1550℃で2時間溶融した。次いで融液を水中に投
入しガラスを得た(工程1)。次に、このガラスを乾燥
後、電気炉で室温から1200℃まで一定の昇温速度3℃/m
inで加熱し、1200℃で2時間保持してガラスを結晶化さ
せた(工程2)。次に、この結晶化ガラスをボールミル
に入れて500μm以下の粒度に粉砕した後、これと、2.5
モル%のY2O3を含み、α−アルミナを種々の割合で含有
する、共沈法により得られた部分安定化ジルコニア系粉
末(平均粒径0.3μm)とを体積比で結晶化ガラス:部
分安定化ジルコニア系粉末=70:30となるように秤量し
てボールミルに入れ、さらに数時間湿式混合し、結晶化
ガラスの粒度を75μm以下にした後、乾燥した(工程
3)。次に、この混合物を黒鉛型に入れ、300kg/cm2
圧力をかけながら、室温から1350℃まで一定の昇温速度
3℃/minで加熱し、1350℃で2時間保持して成型体の焼
結を行なった後、炉内で室温まで冷却し、ジルコニア系
セラミックス中のα−アルミナ含有量(重量百分率)が
異なる種々のジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラ
スを得た(工程4)。こうして製造された各ジルコニア
系セラミックス複合結晶化ガラスの相対比重は96〜99%
と気孔の少ないものであった。また、これらジルコニア
系セラミックス複合結晶化ガラスを粉砕し、粉末X線回
析により析出結晶相を同定したところ、ガラスからはア
パタイトとウォラストナイトが析出していた。さらに、
これらジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラスを3
×4×36mmの角柱に加工し、JIS R1601に従って三点曲
げ強度試験を行なった。ジルコニア系セラミックス中の
α−アルミナ含有量(重量百分率)と三点曲げ強度の関
係を第2図に示す。図から明らかなように、本実施例の
無機生体材料は従来の無機生体材料に比べて高い曲げ強
度を有していた。
[実施例3] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などをガ
ラス原料に用いて、ガラス原料のバッチを調合し、これ
を白金ルツボに入れて1450〜1550℃で2時間溶融した。
次いで融液を水中に投入し表−1に示す組成を有する、
合計32種のガラスを得た(工程1)。次に、このガラス
を乾燥後、電気炉で室温から1200℃まで一定の昇温速度
3℃/minで加熱し、1200℃で2時間保持してガラスを結
晶化させた(工程2)。次にこの結晶化ガラスをボール
ミルに入れて500μm以下の粒度に粉砕した後、得られ
た粒度500μm以下のガラスと、共沈法により得られ
た、2.6モル%のY2O3と0.3モル%のZnOを含む部分安定
化ジルコニア系粉末(平均粒径0.6μm)とを、体積比
で、結晶化ガラス粉末:部分安定化ジルコニア系粉末=
70:30となるよう秤量して、ボールミルに入れ数時間湿
式混合し、結晶化ガラスの粒度を75μm以下にした後、
乾燥した(工程3)。次に、この混合物を金型にて50mm
φの円板状に成形し、電気炉内で室温から1200℃まで一
定の昇温速度3℃/minで加熱し、1200℃で2時間保持し
た後、炉内で室温まで冷却し予備焼成した。次に、この
予備焼成体を、アルゴンガスで2000kg/cm2の圧力をかけ
ながら、室温から1200℃まで一定の昇温速度3℃/minで
加熱し、1200℃で2時間保持して熱間等方加圧成形(HI
P)した。しかる後、炉内で室温まで冷却し、ジルコニ
ア系セラミックス複合結晶化ガラスを得た(工程4)。
こうして製造されたジルコニア系セラミックス複合結晶
化ガラスの相対比重はいずれも98.5%以上と気孔の少な
いものであった。また、これらジルコニア系セラミック
ス複合結晶化ガラスを粉砕し、粉末X線回析により析出
結晶相を同定した結果、表−1にそれぞれ示すような結
晶が析出していた。さらに、これらジルコニア系セラミ
ックス複合結晶化ガラスを3×4×36mmの角柱に加工
し、JIS R1601に従って三点曲げ強度試験を行なった。
ガラス組成、ガラスからの析出結晶相及び三点曲げ強度
を表1に示す。表−1から明らかなように、本実施例の
32種の無機生体材料は、少ないジルコニア量でありなが
ら、従来の無機生体材料に比べて高い曲げ強度を有す
る。
[実施例4] 酸化物、炭酸塩、リン酸塩、水和物、フッ化物などをガ
ラス原料に用いて、重量百分率で、CaO 47.8、SiO2 44.
0、MgO 1.5、P2O5 6.5、フッ素(F2換算値)0.2となるよ
うにガラス原料のバッチを調合し、これを白金ルツボに
入れて1550℃で2時間溶融した。次いで融液を水中に投
入しガラスを得た(工程1)。次に、このガラスを乾燥
後、電気炉で室温から1200℃まで一定の昇温速度3℃/m
inで加熱し、1200℃で2時間保持してガラスを結晶化さ
せた(工程2)。次に、この結晶化ガラスをボールミル
に入れて500μm以下の粒度に粉砕した後、これと、α
−アルミナ系粉末(平均粒径0.2μm)とを体積比で、
結晶化ガラス:α−アルミナ粉末=60:40となるよう秤
量してボールミルに入れて、数時間湿式混合し、結晶化
ガラスの粒度を75μm以下にした後、乾燥した(工程
3)。次に、この混合物を黒鉛型に入れ、300kg/cm2
圧力をかけながら、室温から1350℃まで一定の昇温速度
3℃/minで加熱し、1350℃で2時間保持して成型体の焼
結を行なった。しかる後、炉内で室温まで冷却し、アル
ミナ系セラミックス複合結晶化ガラスを得た(工程
4)。こうして製造されたアルミナ系セラミックス複合
結晶化ガラスの相対比重は96%であった。また、アルミ
ナ系セラミックス複合結晶化ガラスを粉砕し、粉末X線
回析により析出結晶相を同定したところ、ガラスからは
アパタイトとウォラストナイトが析出していた。さら
に、アルミナ系セラミックス複合結晶化ガラスを3×4
×36mmの角柱に加工し、JIS R1601に従って測定した三
点曲げ強度は3700kg/cm2であった。
[発明の効果] 本発明の無機生体材料の製造方法によればP2O5とCaOを
含有する結晶化ガラスの、骨と直接化学結合する生体活
性機能と、ジルコニア系及び/又はアルミナ系セラミッ
クスの高強度性をともに両立させることができ、従来の
無機生体材料と比較して非常に高い強度を持つ人工骨・
人工歯根用生体材料を製造するのに極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図はジルコニア系セラミックス複合結晶化ガラス中
のジルコニア系セラミックス含有量(体積百分率)と曲
げ強度の関係図、第2図はジルコニア系セラミックス結
晶化ガラスを構成するジルコニア系セラミックス中のα
−アルミナ含有量(重量百分率)と曲げ強度の関係図で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の一連の4工程からなる無機生体材料
    の製造方法。 工程1.ガラス原料混合物を溶融、冷却することにより、
    重量百分率で、 CaO 12〜56% P2O5 1〜27% SiO2 22〜50% MgO 0〜34% A12O3 0〜25% の範囲で上記成分を含有し、CaO、P2O5、SiO2、MgO及びA12
    O3の含有量合計が90%以上である組成を有するガラスを
    得る工程。 工程2.工程1で得られたガラスを、アパタイトと、ウォ
    ラストナイト、ジオプサイド、フォルステライト、オケ
    ルマナイト及びアノルサイトから選ばれるアルカリ土類
    ケイ酸塩結晶の1種または2種以上とが析出する温度域
    で熱処理して結晶化ガラスを得る工程。 工程3.工程2で得られた結晶化ガラスを粉砕すると同時
    又は粉砕した後、ジルコニア系及び/又はアルミナ系粉
    末と混合して混合粉末を得る工程。 工程4.工程3で得られた混合粉末を所定の形に成形した
    後に、ジルコニア系及び/又はアルミナ系粉末の焼結温
    度域で熱処理してセラミックス複合結晶化ガラスから成
    る無機生体材料を得る工程。
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