JPH0776376B2 - 焼付硬化性鋼板の製造方法 - Google Patents

焼付硬化性鋼板の製造方法

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JPH0776376B2
JPH0776376B2 JP2005980A JP598090A JPH0776376B2 JP H0776376 B2 JPH0776376 B2 JP H0776376B2 JP 2005980 A JP2005980 A JP 2005980A JP 598090 A JP598090 A JP 598090A JP H0776376 B2 JPH0776376 B2 JP H0776376B2
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篤樹 岡本
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、プレス成形後の塗装焼付け工程で降伏応力が
上昇する焼付硬化性鋼板の製造方法に関し、本発明によ
り製造される鋼板は乗用車のパネル、メンバー類、その
他鋼板構造物に適用されその成形加工の容易さを保ちつ
つ、使用時の強さと軽量化に本発明は寄与するものであ
る。
(従来の技術) 乗用車その他鋼製構造物の軽量化のため高張力鋼板を使
用するのは永年の課題となっている。しかしながら高張
力鋼板を使用すると、一般に加工性が低下し所望の形状
がでないことが多い。
そこで開発されたのが焼付硬化性鋼板であり、プレス成
形前には軟質で成形し易く、プレス成形後の塗装焼付け
工程(170℃、20分前後)で硬くなる性質を有している
ため、最終製品は高強度でかつ軽量化することができ
る。このような焼付硬化性鋼板は、主に鋼中の固溶炭素
量を制御することにより達成でき、プレス成形で導入さ
れた転位線上に、塗装焼付の熱処理(170℃)中に炭素
が偏析し、それら転位を不動化して固着し、変形を難し
くすることが焼付け硬化の機構である。
本発明者らはそのような観点にたって固溶炭素量を制御
した焼付硬化性鋼板を開発し(日本特許登録第1389236
号、特公昭61−7452号公報)、既に乗用車に多量に使用
されている。この発明は炭素量を制御した低炭素Alキル
ド鋼を箱焼鈍する方法であるが、近年冷延鋼板は生産性
のよい連続焼鈍法で製造されつつあり、また乗用車には
最近溶融Znめっき鋼板も使用されつつあり、連続焼鈍あ
るいは溶融Znめっきのようないわゆる短時間の連続焼鈍
ラインに適した材料成分と製法の開発が急がれていた。
このような状況下で本発明者は先に(日本特許登録第13
93891号、特公昭61〜14218号公報)で冷延鋼板を一旦箱
焼鈍し、ついで溶融Znめっきする方法を提案し、実際に
現在その方法で焼付硬化性のある溶融Znめっき鋼板が量
産されているが、プロセスが長いため冷延鋼板を直接連
続焼鈍あるいは溶融Znめっきしても所望の特性が得られ
る方法の開発が必要となっている。このため製鋼段階で
炭素を著しく低くして深絞り性、r値を向上させた成分
をベースにした焼付硬化性鋼板がいくつか提案されてい
る。
例えば、特公昭61−2732号公報および特公昭63−4899号
公報では炭素含有量を30〜100ppmにして微量のTiを添加
する方法が、特公昭61−45689号公報では炭素含有量が7
0ppm以下の鋼に微量のTiとNbを複合添加する方法が提案
されている。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような鋼においては高いr値が得ら
れるものの焼付硬化性が不安定であり、所望とする焼付
硬化量3〜6kgf/mm2を鋼板全長全幅にわたって安定して
得ることは難しいという問題があり、なかなか量産実用
化されなかった。
なお、ここで焼付硬化量が3kgf/mm2未満であると焼付硬
化性が不足して最終部品の硬さが不足することになる。
また6kgf/mm2超では常温時効性が発生し、成形前の母材
の降伏応力が上昇し、伸びが低下し、成形加工性が劣化
することが本発明者らの研究により明らかになってい
る。
ここに、本発明の目的は、鋼板全長全幅にわたって焼付
硬化量3〜6kgf/mm2を安定して得ることができる、実用
的な焼付硬化性鋼板の製造方法を提供することである。
(課題を解決するための手段) そこで、本発明者らは焼付硬化性を支配する要因を詳細
に研究した結果、焼付硬化量が変動するのは、これら従
来の技術においてはTiはTi Nとして析出し、それ以上過
剰のTiはTi Cとして析出すると仮定しTiの成分範囲を決
めているからであるとの結論に達した。
すなわち、本発明者らの新知見によれば TiはTi NとしてではなくTi(C,N)として析出しその
CとNの量は連続鋳造スラブの加熱条件およびN量によ
り変動すること またそれより過剰のTiはTi S、Ti C、Ti4C2S2、FeTiP
として析出しこれらの析出物は鋼中S量、P量、Mn量お
よびスラブ加熱条件により変動すること であり、一方、従来技術ではN量が多いこととP量、S
量が少ない上、スラブ加熱条件に注目していないために
焼付硬化量の変動が生じると推定される。
本発明者らは製鋼時の成分挙動、スラブ加熱条件の挙動
などを考慮にいれて安定して所望の焼付硬化量を得るた
めの研究を重ねた結果を特願平1−11177号(特開平2
−194126号)にて特許出願をしたが、さらにBを適量添
加することにより特願平1−11177号(特開平2−19412
6号)の方法において所望の焼付硬化量を得るための最
適範囲が広がること、さらに、特に近年塗装焼付温度が
従来の170℃から130℃位まで低下する傾向にあり、この
ような低い焼付温度でも所望の降伏応力の上昇をさせる
ためには特に適量のBの添加が必要であるとの知見を得
て、本発明を完成するに至った。
なお、極低炭素鋼でTiとB、場合によりNb、Pを複合添
加した例としては、特開昭59−140333号公報、特開昭59
−193221号公報、特公昭61−52218号公報、特公昭61−6
133号公報などがあるが、これはTiを多量に添加しCをT
i Cとして固着するもの、あるいは炭素量が本願より多
いもので、本願の目的とする焼付硬化量が得られる方法
ではない。また焼付硬化性を付与することを目的とした
極低炭素、Ti、Nb、B複合添加鋼としては特公昭60−47
328号公報があるが炭素量、窒素量供30ppm以上であり焼
付硬化量が不安定であり、また多量のNbを添加している
ため焼鈍温度をかなり高くしないと加工性が悪く、今後
の使用者側での塗装焼付け温度の低下、および製造側で
の焼鈍温度の低下に対応できないため、実用に適しない
方法であった。
ここに、本発明の要旨とするところは、重量%で、 C:0.0005〜0.0030%、Mn:0.04〜0.25%、 P:0.03〜0.20%、S:0.002〜0.015%、 sol.Al:0.15以下、N:0.0020%以下、 Ti:0.003〜0.025% B:0.0002〜0.0015%、 48/14N≦Ti≦48/14N+48/32S あるいは、さらにNb:0.001〜0.004%以下およびV:0.001
〜0.020%以下の1種または2種、 残部Feおよび不可避的不純物 よりなる鋼を溶製し、連続鋳造スラブとなした後、熱間
圧延を800℃以上で終了し、脱スケール後、冷間圧延と
再結晶焼鈍を行うことを特徴とする焼付硬化性鋼板の製
造方法、ならびに前記と同じ鋼を溶製し、連続鋳造スラ
ブとなした後 800℃より低温に低下しないようにして800〜1300℃に
て均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 800℃より低温に低下したスラブを1130〜1300℃に均
熱保持した後熱間圧延を開始するか あるいは 800℃より低温に低下しないようにして均熱保持する
ことなく800℃以上で熱間圧延を開始するか のいずれかを採用し、次いで、熱間圧延を800℃以上で
終了する上記の焼付硬化性鋼板の製造方法にある。
(作用) 本発明の構成をより具体的に詳述する。
まず、本発明の骨子は合金成分量、すなわちC、Mn、
N、S、P、Ti、Bの含有量を厳密に制御すること、お
よび連続鋳造から熱間圧延までの工程で前述のTi析出物
の反応を高温で行わせることにより硫化物の種類を制御
する点にある。すなわち連続鋳造スラブは熱間圧延開始
までの間に、鋳造後長時間の均熱保持が行われない
か、均熱保持しても温度を高温にしTi−C系の析出反
応が起らないゆにするか、あるいは、一旦析出物が生
成しても高温に加熱し溶解させるかの方法であり、さ
らに合金成分においてはN量の低減、P量およびS量の
増加の他にMn量を著しく低減しMn Sをなるべく形成させ
ないことである。このようにするとTi(C,N)中のCが
減少し、また過剰のTiはTi CやTi4C2S2を形成させずTi
Sのみを形成させることになる。Mnが多いとMn Sが多量
にできるためTi Sが形成されず過剰のTiはTi Cを形成し
易く望ましくなく、またN量が多いとTi(C,N)の量が
多くなりCが析出してしまう上にBがNと結合し、B添
加の効果が得られないので望ましくないのである。
すなわち、Ti系析出反応を高温で起こさせることおよび
Mnと結合していないSを多量に含有させることの両者の
作用により熱間圧延前の段階でTi−C系の析出物は存在
しないようにすることが可能であり、この結果スラブ加
熱条件により固溶炭素量が変動することはなくなる。
すなわち、焼付硬化量3〜6kgf/mm2を得るために必要な
固溶炭素量は10〜30ppm(望ましくは15〜25ppm)である
が、本発明にかかる方法によれば、溶製時に投入した炭
素量がそのまま焼付硬化量に寄与することによりTi添加
量の変動、N量、S量の変動があっても、またスラブの
位置により多少の加熱履歴の変動があっても焼付硬化量
は変わらないことになる。また、従来の技術においては
投入炭素がすべて焼付硬化に有効に利用されるわけでは
ないので、所望の焼付硬化量を得るのに投入炭素量を30
ppm以上にしなければならなかったが、本発明にかかる
方法によれば投入炭素量は必要最低限となりそれだけ軟
質でr値が高く加工性の良い焼付硬化性鋼板を製造でき
ることになる。さらに、本発明によればBを適量複合添
加することにより、同一固溶炭素量でも焼付硬化量を増
し、固溶炭素量が5〜10ppmであっても、従来の方法に
おいて固溶炭素量が30ppm以上の場合と同様の焼付硬化
量が得られるとの知見を得、これを活用すれば投入する
C量の制御範囲が広くなり工業上の利点がある。
以下、本発明において用いる鋼の組成および製造条件を
限定した理由を説明する。なお、本明細書において
「%」はいずれも特にことわりがない限り「重量%」で
ある。
C: 本発明においてCは焼付硬化量を支配しているので少な
ければ焼付硬化量が低く、多ければ焼付硬化量が高い。
焼付硬化量が高いと常温時効を起こし降伏応力を上昇さ
せるとともに伸びを低下させるので、通常は焼付硬化量
3〜6kgf/mm2、多くても8kgf/mm2に制御する。
これに必要な炭素量は、本発明の如くにBを含む鋼にお
いては5〜30ppm、望ましくは10〜20ppmである。
Mn: Mnは鋼中にあってMn Sを形成しSによる熱間脆性を防止
する作用がある。しかし、本発明においてはスラブ加熱
時Mn Sの析出を少なくして固溶Sを増加させることが重
要である。このためにはMnの上限を0.25%以下、望まし
くは0.15%以下にする必要がある。0.25%超ではMn Sが
形成されTi Sの形成が制御され焼付硬化量の変動の原因
となる。一方、0.04%未満では熱間脆性の問題が生じる
ので下限を0.04%とした。したがって、Mn量は0.04%以
上0.25%以下と限定した。
P: Pは過剰のTiをFeTiPとして析出させTi Cの析出を抑制
する作用があるので多量に添加する必要がある。0.03%
未満ではFeTiPは形成されず焼付硬化量は変動し易い。
一方、0.20%超では鋼板が脆化する。よって、P量は0.
03%以上0.20%以下と限定した。
S: SはTi Sを形成させTi Cを形成させないために添加する
必要がある。Sが少ないと過剰のTiがTi4C2S2としてC
と結合し焼付硬化量の変動の原因となる。
0.002%未満ではTi S量が不充分となって焼付硬化量が
変動し、一方0.015%超では本発明において用いる、Mn
が少ない鋼では熱間脆性が生じる。よって、S量は0.00
2%以上0.015%以下と限定した。
sol.Al: 脱酸調整のため必要に応じ添加される。ただし、0.15%
超では鋼の延性が低下する。よってsol.Al含有量は0.15
%以下と限定した。
N: Nは少ない方が望ましい。その理由はNが0.0020%超で
あるとTi(C,N)を形成した際、Cを吸収するため焼付
硬化量が変動するためである。このためには、N含有量
は0.0020%以下と限定した。
Ti: NをTi Nとして固着し、Nによる時効を防止し、かつTi
Cを多量に形成しないよう成分調整される。Tiの最低限
は分析できる下限、すなわち0.003%、あるいはNをす
べてTi Nとして固着し得る量、すなわち48/14N以上とし
た。上限はS量が多いとTi Sを形成しTi Cを形成しにく
くなるので48/14N+48/32Sとした。これを超えるTi量で
はTi Cが形成されて焼付硬化性変動の原因となる。
一方、Ti量が0.025%超になってもTi Cが形成され易く
なるのでそれを上限値とした。
したがって、Ti含有量は、0.003〜0.025%であって、48
/14N≦Ti≦48/14N+48/32Sと限定した。
B: 本発明においてはBの添加は非常に重要である。Bには
同一炭素量を有した鋼においても焼付硬化量を大きくす
る作用があるので焼付硬化量の安定化に有効で添加が必
要である。ただし、0.0002%未満ではこの効果は小さ
く、一方0.0015%超では焼鈍板のr値を低下しせてしま
うので0.0002〜0.0015%の適量添加が必要となる。この
ようなBの作用は固溶C原子とB原子との相互作用によ
る転位線の強固な固着作用に起因していると考えられ、
本発明において用いる鋼のように少量の固溶炭素を含む
場合にのみ少量のB添加の効果が認められる。
Nb、V: Nb、VはNb C、VCを形成しない範囲で結晶粒の細粒化お
よび強化のために必要に応じ添加される。このためには
いずれも0.001%以上必要であり、一方Nb:0.004%超、
V:0.020%超ではNb C、VCが形成され焼付硬化量変動の
原因になるし、また再結晶温度が上昇し、高温焼鈍が必
要となる。よって、Nb、Vの含有量はそれぞれ0.001〜
0.004%、0.001〜0.020%とした。その他の不純物は極
力低減させる。ただし0.2%以下のSiやCaは添加しても
材料特性に影響を及ぼさない。
本発明にあって、スラブの熱間圧延までの熱履歴は前述
したように高温析出物のみを形成させるため必要に応じ
て限定される。すなわち、本発明によれば、 800℃より低温に低下しないようにして800〜1300℃に
て均熱保持した後熱間圧延を開始するか、 800℃より低温に低下したスラブを1130〜1300℃に均
熱保持した後熱間圧延を開始するか、あるいは 800℃より低温に低下しないようにして均熱保持する
ことなく800℃以上で熱間圧延を開始するか するのである。
ここに、スラブが800℃より低温になるとγ→α変態時
にTi−C系析出物が出るので焼付硬化量が不安定にな
る。したがって、連続鋳造スラブを800℃よりも低温に
低下させない場合はそのまま熱間圧延してもよいし、ま
た800〜1300℃の温度で均熱してから圧延してもよい。
しかし、800℃より低温になるとその部分はTi−C系の
析出物ができるのでこれを溶体化させる必要がある。こ
のためにはスラブ加熱温度を1130℃以上にする必要が生
じる。一方1300℃超ではエネルギ的にロスが多いだけで
効果がないのでその場合上限を1300℃とした。
なお、スラブの温度は位置により100℃程度異なること
が多い。本明細書に示した温度は実質的に最終成品とな
りかつ最終成品の材料特性に大きな影響を及ぼす部分の
温度である。スラブのコーナーなどの特殊な部分の温度
は除外される。大略スラブの幅および長さの中央部の表
面あるいは板厚中心温度で代表されると考えてよい。
熱間圧延の終了温度は800℃以上にする必要がある。こ
れにより低い温度で圧延すると、前述のように圧延中に
Ti−C系の析出物が出て焼付硬化量が不安定になるから
である。
このようにして得られた熱延鋼板は、次いで、脱スケー
ル、冷間圧延、そして再結晶焼鈍、例えば連続焼鈍によ
る再結晶焼鈍が行われる。
なお、冷間圧延は圧下率50〜90%がよい。再結晶焼鈍は
箱焼鈍でも連続焼鈍でも溶融Znめっき処理に先行する連
続熱処理により行ってもよい。この再結晶焼鈍は冷間圧
延組織を再結晶させ深絞り性を向上させるのが目的であ
る。このため焼鈍温度は600〜900℃が好ましい。
次いで、再結晶焼鈍済み鋼板は、特に制限はないが、必
要に応じて0〜2%程度の圧下率の調質圧延をして出荷
される。
(実施例) 実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、こ
れはあくまでも本発明の例示であり、これにより本発明
が限定されるものではない。
実施例1 第1表のAに示す成分に調整された鋼をスラブとなした
後、該スラブを800℃以下にしないようにして1000〜130
0℃に1時間保持し熱間圧延を開始し、仕上温度約910℃
で3.2mm厚まで熱間圧延し、550℃で巻取った。これを方
法とする。
一方、スラブを一旦500℃に冷却し次いで加熱し種々の
温度に1時間保持後同様の熱間圧延と巻取りを行った。
これを方法とする。
これら熱間圧延板を酸洗後、0.8mm厚にまで冷間圧延
し、次いで820℃、40secの連続焼鈍を行った。次いで伸
び率0.2%の調質圧延後焼付硬化性を測定した。すなわ
ち、焼付硬化性は、JIS5号引張試験片を採取後、2%の
予歪を加え、次いで170℃、20分の熱処理して再引張を
行いその時の降伏応力の上昇量を焼付硬化量とした。
これらの結果を第1図にグラフにまとめて示す。方法
の結果を●で、方法の結果を○で示す。
その結果、方法では1130℃以上の加熱により3kgf/mm2
の焼付硬化性が安定して得られているのに対し、方法
ではすべてのスラブ加熱温度で安定した焼付硬化性が得
られている。
なおこの他にスラブを鋳造後そのまま直ちに1100〜900
℃で熱間圧延した場合(方法とする)には同一処理後
4.9kgf/mm2の焼付硬化量が得られていた。本発明による
スラブの熱履歴を経た材料は熱間圧延、冷間圧延、再結
晶焼鈍後、所望の焼付硬化量を安定して得られることが
明らかである。
また第1表のB、Cに示す成分の鋼に関し前述の方法
、と同じ方法で冷延鋼板となした場合の結果を第2
図にグラフで示す。
▲鋼B(方法)、△鋼B(方法) ■鋼C(方法)、□鋼C(方法) 図示グラフからも分かるように、高温のスラブ加熱にし
た方が大略高い焼付硬化量が得られているが鋼Bは焼付
硬化量のレベルが低く、一方鋼Cは焼付硬化量の変動が
大きく不安定になっている。すなわち鋼B、鋼Cを使用
したのではスラブ加熱条件を調整しても安定して3〜6k
gf/mm2の焼付硬化性を得ることができない。この理由は
鋼BではC量が低くかつBが含まれていないためであ
り、また鋼CではN量が多すぎTi(C,N)、B、Nなど
の析出物の形成が不安定になるためである。
実施例2 第1表のAおよびDに示す成分をベースとしてN、Mn、
S、Pを変えた鋼を溶製し前述の方法でかつ1220℃に
スラブを加熱し同様の方法で冷延鋼板となし焼付硬化量
を測定した。なお、N量を変える場合は、Ti−48/14N量
が一定になるようにTi量も同時に変更した。その結果を
第3図に示す。
第3図において、●と実線は鋼Aに関する結果でBを添
加したものである。これに対し破線はBを含まない鋼D
に関する結果であり、比較として示している。これより
Bの有無によりN、Mn、S、P量の焼付硬化量への影響
の仕方はあまり変わらないが、Bを添加した鋼Aの方
が、Bを含まない鋼Bより焼付硬化量が0.5〜1.0kgf/mm
2高い傾向にあり、それだけ所望とする焼付硬化量を得
るためのMn、S、P量の許容範囲が広くなることが分か
る。
この結果、本発明の範囲外の成分でも高い焼付硬化量が
得られることもあるが、 N ≦25ppm Mn ≦0.25%(望ましくはMn≦0.15%) S ≧0.002% P ≧0.03% では焼付硬化量が安定して高いことがわかる。
実施例3 第2表に示す成分の鋼を種々のスラブ保持条件下で850
℃で以上で熱間圧延し3.2mm厚とし酸洗後、0.8mm厚まで
冷間圧延し次いで780℃、20secの連続焼鈍を行い、さら
に1.2%の調質圧延を行った。焼付硬化量の測定は実施
例1と同じである。引張試験はJIS5号試験片にてL、
C、T、3方向に引張って求めた。
本発明による鋼板はr値が高く焼付硬化量も3〜6kgf/m
m2の範囲内に入っていることがわかる。
これに対して 比較例13はC量が多すぎr値が低い上に焼付硬化量が高
すぎる。
比較例14はMn量が多すぎ焼付硬化量が不足している。
比較例15はP量が少なすぎr値が低い上に焼付硬化量が
不足している。
比較例16はS量が少なすぎ焼付硬化量が不足している。
比較例17はN量が多すぎ焼付硬化量が不足している。
比較例18はC量が少なすぎ焼付硬化量が不足している。
比較例19はTi量が多すぎ焼付硬化量が不足している。
比較例20はTi−48/14Nが負のためr値が低く焼付硬化量
が高すぎる。
比較例21はTi−48/14Nが正のため焼付硬化量が低すぎ
る。
比較例22はスラブ保持温度が低すぎるため焼付硬化量が
不足している。
比較例23はNb量が多すぎて焼付硬化量が不足している上
に伸びが低い。
比較例24はBを含まないため焼付硬化量が不足してい
る。
実施例4 第3表に示す2種の鋼を実施例1のの方法で熱間圧
延、冷間圧延、焼鈍、調圧し、それらの鋼板の焼付硬化
量に関し、焼付処理温度の影響を調査した。
この結果を第3図に示す。
鋼E(○)はBを含むため170℃での焼付硬化量は十分
大きく、焼付温度が低下しても3.0kgf/mm2以上の焼付硬
化性が得られるが、鋼F(△)はBを含んでいないた
め、170℃での焼付硬化量は十分あるが、焼付温度が低
下してくると焼付硬化量が3kgf/mm2以下となり、所望の
焼付硬化量が得られない。
このようにBの添加により、将来の焼付温度の低下にも
対応可能な焼付硬化性鋼板が製造可能となる。
(発明の効果) 以上のように本発明方法によれば良好なプレス成形性を
有しつつ適当な焼付硬化能を有した鋼板が安定して製造
可能となるわけで、自動車その他鋼板構造物の強度の確
保と軽量化に大きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第4図は、本発明の実施例の結果をまとめ
て示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で、 C:0.0005〜0.0030%、Mn:0.04〜0.25%、P:0.03〜0.20
    %、 S:0.002〜0.015%、sol.Al:0.15%以下、N:0.0020%以
    下、 Ti:0.003〜0.025% B:0.0002〜0.0015%、 48/14N≦Ti≦48/14N+48/32S 残部Feおよび不可避的不純物 よりなる鋼を溶製し、連続鋳造スラブとなした後、熱間
    圧延を800℃以上で終了し、脱スケール後、冷間圧延と
    再結晶焼鈍を行うことを特徴とする焼付硬化性鋼板の製
    造方法。
  2. 【請求項2】重量%で、さらにNb:0.001〜0.004%以下
    およびV:0.001〜0.020%以下の1種または2種を含む鋼
    を用いる請求項1記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記連続鋳造を、800℃より低温に低下し
    ないようにして800〜1300℃にて均熱保持した後熱間圧
    延を開始し、熱間圧延を800℃以上で終了する請求項1
    または請求項2記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記連続鋳造スラブを、800℃より低温に
    低下したスラブ1130〜1300℃に均熱保持した後熱間圧延
    を開始し、熱間圧延を800℃以上で終了する請求項1ま
    たは請求項2記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
  5. 【請求項5】前記連続鋳造を、800℃より低温に低下し
    ないようにして均熱保持することなく800℃以上で熱間
    圧延を開始し、熱間圧延を800℃以上で終了する請求項
    1または請求項2記載の焼付硬化性鋼板の製造方法。
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