JPH078112U - 起動装置 - Google Patents
起動装置Info
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- JPH078112U JPH078112U JP4262893U JP4262893U JPH078112U JP H078112 U JPH078112 U JP H078112U JP 4262893 U JP4262893 U JP 4262893U JP 4262893 U JP4262893 U JP 4262893U JP H078112 U JPH078112 U JP H078112U
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 設計の自由度が高く、誤作動を防止して信頼
性を高めることができると共に、構造が簡単で組立て性
の良い安価な起動装置を提供する。 【構成】 非磁性体からなると共に雷管方向へ移動して
雷管10を着火可能な着火ピン32と、該着火ピン32を遊貫
する貫通孔33a が中心軸線に沿って設けられた円柱状の
永久磁石からなる慣性体33と、該慣性体33の外径よりも
大きな内径を有する円環状永久磁石34とをリトラクター
ベース18に固定されたトリガーケース35内に収容すると
共に、円環状永久磁石34の内周面34b を雷管10側に向か
って次第に拡径するテーパ状に形成する。慣性体33に所
定以上の雷管方向への加速度が生じた際に、該慣性体33
が円環状永久磁石34に対する磁力の反発力に抗して円環
状永久磁石34の開口内を雷管方向へ移動し、更に磁力の
吸引力を以て前記着火ピン32を雷管方向へ移動させるよ
うに配設する。
性を高めることができると共に、構造が簡単で組立て性
の良い安価な起動装置を提供する。 【構成】 非磁性体からなると共に雷管方向へ移動して
雷管10を着火可能な着火ピン32と、該着火ピン32を遊貫
する貫通孔33a が中心軸線に沿って設けられた円柱状の
永久磁石からなる慣性体33と、該慣性体33の外径よりも
大きな内径を有する円環状永久磁石34とをリトラクター
ベース18に固定されたトリガーケース35内に収容すると
共に、円環状永久磁石34の内周面34b を雷管10側に向か
って次第に拡径するテーパ状に形成する。慣性体33に所
定以上の雷管方向への加速度が生じた際に、該慣性体33
が円環状永久磁石34に対する磁力の反発力に抗して円環
状永久磁石34の開口内を雷管方向へ移動し、更に磁力の
吸引力を以て前記着火ピン32を雷管方向へ移動させるよ
うに配設する。
Description
【0001】
本考案は、リトラクター(巻取装置)の巻取り軸を車両衝突時にシートベルト 引込み方向へ回転させるシートベルト引締め装置、又はガスで急激に膨張させた エアバッグにより乗員を衝突時の衝撃から保護するエアバッグ装置を作動させる 起動装置の改良に関するものである。
【0002】
近年、車両衝突等の緊急時における乗員の保護を目的として、シートベルト引 締め装置及びエアバッグ装置等の受動的拘束装置が多く用いられている。 前記シートベルト引締め装置は、例えばリトラクターの巻取り軸(シャフト) に軸着したプーリーに掛回した索条体の一端にピストンを連結し、シリンダー内 に摺動可能に受容された前記ピストンに作用する気体の膨張圧力による推力をも って、索条体に張力を及ぼし、該索条体がリトラクターのシャフトをウェビング 巻取り方向へ引込み駆動することにより、乗員に掛け渡された状態にあるウェビ ングを緊急時に引き込むものである。従って、該シートベルト引締め装置の場合 には、シリンダー内のピストンに作用して索条体に張力を及ぼすためのガス圧を 供給するガス発生器を有しており、該ガス発生器は点火ヒーターと火薬を内蔵し ており、衝突センサーからの信号により点火ヒーターに通電し、該点火ヒーター の発熱により火薬を発火させてガスを発生させている。
【0003】 又、前記エアバッグ装置は、例えばステアリングホイールにセンターパッド、 折り畳まれたエアバッグ、インフレーター(ガス発生器)等で構成されたモジュ ールが収められており、車両衝突時にインフレーターに着火し、急速に燃焼した ガスによって前記エアバッグを瞬時に膨らませることにより、膨張したエアバッ グで乗員の身体を受け、人体に加わる衝撃力を低く抑えるものである。従って、 該エアバッグ装置の場合には、エアバッグを膨らませるための膨張ガスを供給す るガス発生器を有しており、該ガス発生器は点火薬を発火させて推薬に着火する ことにより、該推薬が急速に燃焼して膨張ガスを発生するものである。
【0004】 従って、上記の如きシートベルト引締め装置やエアバッグ装置の各ガス発生器 においては、車両衝突を検知した後、これらガス発生器を作動させるべく点火薬 に点火するための起動装置が必要となる。これら起動装置には、例えば、特開平 2−24242号及び同3−96456号公報等に開示されている点火装置のよ うに、衝突センサーからの信号により点火薬内に設けた点火ヒーターに通電し、 該点火ヒーターの発熱により点火薬を発火させるものが一般的に用いられていた 。
【0005】 ところが、これらは車両の衝突等を感知して点火信号を発する加速度センサー 等の車体加速度検知手段と、点火信号に基づいて点火ヒーターへの通電の可否を 判断する制御回路が必要となり部品点数が増加すると共に構造が複雑化し、その 上、各構成手段を結ぶ配線を確実に接続してシステムの信頼性を保証しなければ ならず組立て作業性が良くないので、高価なシステムとなってしまうという問題 があった。
【0006】 そこで、特開平4−108049号公報等に開示されている起動装置のように 、車体の加速度センサーを兼ねた重錘の移動により着火ピンを点火薬に設けた雷 管に衝突させ、その衝撃により点火薬を発火させることにより複雑な制御回路を 不要とした機械式の起動装置が開発された。 この機械式の起動装置は、慣性体である重錘の移動によりトリガーシャフトを 揺動させ、着火ピンの鍔部に当接した該トリガーシャフトのストッパ部を外すこ とにより、圧縮バネの力で飛び出した着火ピンが雷管をたたく構成となっていた 。
【0007】
しかしながら、上記の如き着火ピンを点火薬に設けた雷管に衝突させる起動装 置の場合は、トリガーシャフトのストッパ部と着火ピンの鍔部との当接部分が長 い間に錆びたり、固着する可能性があると共に、当接部分の摩擦係数を安定化さ せるのが困難であり、感度を高めようとすると誤作動の可能性が増えることにな り、作動感度の調整が困難で、設計自由度の小さいシステムとなってしまうとい う問題が指摘されていた。
【0008】 そこで、本考案の目的は上記課題を解消することにあり、設計の自由度が高く 、誤作動を防止して信頼性を高めることができると共に、構造が簡単で組立て性 の良い安価な起動装置を提供することである。
【0009】
本考案の上記目的は、ガス圧で駆動することによりリトラクターの巻取り軸を 車両衝突時にシートベルト引込み方向へ回転させるシートベルト引締め装置、又 はガスで急激に膨張させたエアバッグにより乗員を衝突時の衝撃から保護するエ アバッグ装置に用いられる起動装置であって、雷管方向へ移動可能に装備されて 雷管と衝突することにより該雷管を着火可能な着火ピンと、該着火ピンに運動エ ネルギーを供給する円柱状の永久磁石からなり雷管方向へ移動可能に装備された 慣性体と、該慣性体の外径よりも大きな内径を有する円環状永久磁石とを備える とともに、前記慣性体の外周面および前記円環状永久磁石の内周面の少なくとも 一方が、前記慣性体の移動方向の軸線に対してテーパ状に形成されてなり、前記 慣性体に所定以上の雷管方向への加速度が生じた際に、該慣性体が前記円環状永 久磁石に対する磁力の反発力に抗して該円環状永久磁石の開口内を雷管方向へ移 動し、更に磁力の吸引力を以て前記着火ピンを雷管方向へ移動させるように構成 されたことを特徴とする起動装置により達成される。
【0010】
本考案の上記構成によれば、車両衝突時に、所定以上の雷管方向への加速度が 生じた慣性体自体が直接、雷管に対する衝撃エネルギーを付与することができる ので、慣性体の移動に応じて着火ピンの移動規制を解除するトリガーシャフトや 着火ピンを雷管方向へ付勢する付勢部材が不要となる。
【0011】 また、慣性体に作用する加速度の大きさに応じて雷管に対する衝撃エネルギー を高めることができ、さらに、着火ピンや前記慣性体に対して圧接する部材が無 いので、圧接部分が長い間に錆びたり固着して起動装置が作動不良を起こす心配 もなくなる。 更に、慣性体の外周面および円環状永久磁石の内周面との少なくとも一方をテ ーパ状にすることによって、双方をストレートな円筒状とした場合と比較すると 磁力線の飛び方に変化が生じて、慣性体に作用する反発力と吸引力との相関を変 化させることが可能になり、例えば、反発力を小さくしつつ、吸引力を大きくす ることも可能になる。これによって、設計自由度が向上し、作動感度の決定要因 となる反発力と雷管発火の信頼性や発火までの所要時間の決定要因となる吸引力 とを互いに独立して任意に調整することが容易になり、作動感度を敏感化する一 方で、着火ピンの加速性能の低下を防止するといった変更が容易に実現できるよ うになる。
【0012】
以下、添付図面に基づいて本考案の一実施例を詳細に説明する。 図1に示した本考案の第1実施例に基づくプリテンショナー付きリトラクター 1は、ウェビング16を巻取り又は引き出し自在に巻回した巻取りリール2を備 えており、巻取りリール2はその巻取り軸に連結された巻取りバネ装置により、 ウェビング16が巻き取られる方向に常時付勢されている。衝突時には、緊急ロ ック機構13により巻取り軸の回転が阻止され、それ以上ウェビング16が引き 出されないようになっている。 そして、前記プリテンショナー付きリトラクタ ー1は、略コ字状に形成されたリトラクターベース18の一方のベース側壁には 車両衝突時に巻取り軸をシートベルトの弛みが除去される方向に回転させるシー トベルト引締め装置であるプリテンショナー3が配設されている。該プリテンシ ョナー3は、巻取り軸の一端部に軸着した図示しないプーリーに掛回した伝達部 材であるワイヤー7に張力を及ぼし、該ワイヤー7が巻取り軸をウェビング巻取 り方向へ引込み駆動することによって、乗員に掛け渡された状態にあるウェビン グ16を緊急時に引き込むものであり、ワイヤー7に張力を及ぼすための駆動手 段4を有している。
【0013】 前記駆動手段4は、ワイヤー7の一端に連結されたピストン6と、該ピストン 6を摺動可能に受容するシリンダー5と、該シリンダー5の基端部とガス発生器 8のガス噴出部とを連通連結するハウジング15と、所定以上の加速度に応動し てガス発生器8を作動させる起動装置31とから成る。 前記ハウジング15は、ほぼ直角に屈曲した略L字形状の管部材であり、その 一開口19にはシリンダー5の基端部が固定されており、該開口19に対向して 設けられた孔20にはピストン6に連結されたワイヤー7が挿通されている。
【0014】 前記ガス発生器8は、火薬11を収容してフレームに封着されるケース12内 に雷管10を組み込んだものである。そこで、雷管10を打撃されて火薬11が 点火されると膨張ガスがケース12先端のガス噴出部から噴出される。そして、 ガス発生器8の雷管10の側方には、雷管10を打撃する前記起動装置31が配 置されている。
【0015】 前記起動装置31は、図2にも示すように、ステンレス等の非磁性体からなる と共に雷管方向(図中、左方向)へ移動して雷管10と衝突することにより該雷 管10を着火可能な着火ピン32と、該着火ピン32を遊貫する貫通孔33aが 中心軸線に沿って設けられた円柱状の永久磁石からなり、着火ピン22に運動エ ネルギーを供給する慣性体33と、該慣性体33の外径よりも大きな内径を有す る円環状永久磁石34と、これらを内設してリトラクターベース18に固定され たトリガーケース35とから成る。
【0016】 前記着火ピン32は、図2に示すように、先端部に雷管10を打つための撃針 32aが形成されると共に、その基部に鍔部32bが形成されており、後端部が スリーブ36を介してトリガーケース35の後壁側のピン保持部35aに保持さ れている。ここで、前記スリーブ36は、雷管方向に向けられた着火ピン32の 中心軸線方向に摺動可能にピン保持部35aに嵌合保持されており、着火ピン3 2の後端には、該スリーブ36からの抜け落ちを防止する加締め部32cが設け られている。従って、着火ピン32はピン保持部35aによって、スリーブ36 と一体に雷管方向に移動可能に保持されていることになる。
【0017】 そこで、撃針32aがトリガーケース35の前壁側の開口35bを挿通して前 記雷管10に対向すると共に、前記鍔部32bがトリガーケース35の前壁に対 して間隙をもって対向している。従って、慣性体33が雷管10側に移動して鍔 部32bに衝突すると、慣性体33により運動エネルギーを供給された着火ピン 32が雷管側に移動して撃針32aが雷管10を打撃して、点火する。
【0018】 前記慣性体33の外周面33cおよび貫通孔33aの内周面は、この第1実施 例の場合、いずれも当該慣性体33の中心軸線を中心軸とした円筒面(即ち、母 線が慣性体33の中心軸線に平行)となっている。そして、慣性体33の外周面 33cは、前記トリガーケース35の後壁側の内壁面によって中心軸線に沿って 摺動自在に保持されている。また、慣性体33の磁極は雷管10側がS極、その 反対側がN極に設定されている。なお、慣性体33の貫通孔33aの径は、前記 スリーブ36の外径よりも小さく、慣性体33の後端面とスリーブ36とが当接 することによって、着火ピン32の雷管10側への移動を拘束する。従って、慣 性体33が雷管10側に移動しない状態では、着火ピン32が単独で雷管10側 に移動することはできない。
【0019】 前記円環状永久磁石34の外周面は、当該円環状永久磁石34の中心軸線を中 心軸とした円筒面(即ち、母線が、円環状永久磁石34の中心軸線に平行)とな っている。しかし、この円環状永久磁石34の内周面34bは雷管10側に向か って次第に拡径するテーパ状になっている。この円環状永久磁石34は、トリガ ーケース35内の前壁側(雷管10側)に固定された状態で、前記慣性体33に 対して同軸の配置となっている。また、この円環状永久磁石34の磁極は、慣性 体33に対して同極が対峙するように、雷管10側がN極、慣性体33側がS極 に設定されている。
【0020】 そこで、前記慣性体33に作用する加速度が予め想定した基準値(一定値)以 下の場合、同極が対峙する慣性体33と円環状永久磁石34との間には、磁力に よる反発力が作用し、この反発力による付勢によって慣性体33はトリガーケー ス35の後壁に密着した状態(図1および図2に示した状態)に保たれる。即ち 、慣性体33は、機構上では雷管10に対して進退可能に装備されているが、前 記反発力以上の大きさの雷管方向への力が慣性体33に作用しない限り、慣性体 33は雷管10側に移動することができない。そして、慣性体33が雷管10側 に移動しない限り、スリーブ36が慣性体33に当接している着火ピン32も雷 管10側に移動することができないので、起動装置31は作動しない。
【0021】 前記慣性体33がトリガーケース35の後壁に密着した状態の時、慣性体33 の雷管10側の端面33bと円環状永久磁石34の慣性体33側の端面34aと の間の離間距離Hは最大になる。 そして、慣性体33の重さと雷管方向の加速度を乗じた慣性体の慣性力が、磁 力の反発力よりも大きくなると、慣性体33は雷管方向へ移動する。そして更に 、慣性体33に磁力の吸引力が作用する領域まで慣性体33が移動すると、該慣 性体33は磁力の吸引力によって雷管方向へ加速され、円環状永久磁石34の開 口内に挿入されて鍔部32bに衝突する。
【0022】 即ち、車体の加速度を感知する慣性体33が直接、雷管10に対する衝撃エネ ルギーを付与するので、前記起動装置31は構造が簡単で組立て易くなると共に 、該慣性体33に作用する加速度の大きさに応じて雷管10に対する衝撃エネル ギーを高めることができる。又、前記着火ピン32や前記慣性体33に対して圧 接する部材が無いので、圧接部分が長い間に錆びたり、固着して起動装置31が 作動不良を起こす心配がなく、安定した作動を保障することができる。
【0023】 また、起動装置31は、最適の作動感度で、より短時間の内に確実に雷管発火 を成し得ることが望ましく、また、最適の作動感度は取り付け対象の車両特性等 に合せて適宜調整し得ることが好ましく、作動感度を調整した場合でも、雷管発 火までに要する動作時間はできる限り短縮化することが望まれる。従って、作動 感度の決定要因である慣性体33および円環状永久磁石34間の磁力による反発 力を任意に調整し得るとともに、動作時間の決定要因である慣性体33および円 環状永久磁石34間の磁力による吸引力を、設定した反発力とは独立に、自由に 設定できることが望ましい。
【0024】 以下にこれらの点について、詳述する。 例えば、起動装置の作動感度を変更するための対応としては、次の3つの対応 を考えることができる。 (1)慣性体33の重量を変更する。 (2)慣性体33の磁力強度を変更することによって、作用する反発力を変更 する。
【0025】 (3)円環状永久磁石34の磁力強度を変更することによって、作用する反発 力を変更する。 前記(1)の対応の場合、慣性体33は磁石であるため重量(体積)の変化に 応じて磁力も変化し、例えば、慣性体33の重量を増加させて作動感度を敏感に しようとしても、慣性体33の重量の増加に応じて磁力が増大し、磁力の増大に よる反発力の増大が作動感度を鈍化させる方向に作用し、結局、慣性体33の重 量増加による効果が相殺されてしまい、大した成果が得られない。又、重量を減 少させて作動感度を鈍化する場合も、同様の結果となる。
【0026】 前記(2)の対応の場合も、慣性体33の磁力の変更による効果が慣性体33 の重量の変化によって相殺され、結局、(1)の対応の場合と同様に大した成果 が得られない。 前記(3)の対応の場合は、反発力を比較的簡単に変更することができ、作動 感度を調整することが可能になるが、その半面、反発力と吸引力との相関が一定 で、反発力の増減に比例して吸引力が増減して着火ピン32の加速性能までが変 化してしまう。
【0027】 以上のように、慣性体33あるいは円環状永久磁石34の磁力強度を直接変更 する対応では、反発力と吸引力とが一定の相関をもって変化してしまい、最適の 作動感度のための反発力を確保すると同時に、この反発力とは独立に吸引力を調 整して動作時間の短縮を図るということは非常に困難になる。 しかしながら、前記第1実施例の起動装置31では、円環状永久磁石34の内 周面34bを雷管10側に向かって次第に拡径したテーパ状にしているが、この ような形状にすると、母線が中心軸線に平行な円筒面の場合と比較して磁力線の 飛び方が変化し、反発力を小さくしつつ、吸引力を大きくすることが可能になり 、例えば、作動感度を敏感化する一方で、着火ピン32の加速性能の低下を防止 するといった変更が可能になり、さらに、テーパの程度(テーパ率)を適宜選択 することによって、起動装置31の作動感度と着火ピン32の加速性能との相関 を微妙に調整することも可能になる。
【0028】 従って、吸引力を一定の範囲内に保つことが条件とされるような場合でも、反 発力の加減によって作動感度の最適化を図ることが可能になり、作動感度の設定 の自由度が高く、取り付け対象の車両に応じて作動感度を変更するといった要求 にも容易に応えることが可能になる。 なお、前記第1実施例においては、円環状永久磁石34の内周面34bをテー パ状にしたが、慣性体33の外周面33cをテーパ状にすることも考えられ、さ らに、円環状永久磁石34の内周面34bと慣性体33の外周面の双方をテーパ 状にすることも考えられる。また、テーパの方向も雷管10側に向かって拡径す る場合に限定するものではなく、雷管10側に向かって次第に縮径するテーパ状 を採用することも考えられる。
【0029】 図3乃至図11は、慣性体33の外周面33cや円環状永久磁石34の内周面 34bをテーパ状にする場合の組合わせを考えた他の実施例に基づくものであり 、図12は、これらをテーパ状にした場合の反発力と吸引力との相関の変化を示 している。尚、慣性体33の端面33bが円環状永久磁石34の端面34aより も雷管10側に位置している場合のこれらの端面間の離間距離Hは負(−)の値 で表し、慣性体33の端面33bが円環状永久磁石34の端面34aよりもトリ ガーケース35の後壁側に位置している場合のこれらの端面間の離間距離Hは正 (+)の値で表すものとする。
【0030】 以下、これら添付の図3乃至図12に基づいて各実施例を説明する。 図3に示した第2実施例は、慣性体33の外周面33cと円環状永久磁石34 の内周面34bとが共にストレートの円筒面の場合で、この場合における反発力 と吸引力の相関(磁力特性)は、図12に実線で示した曲線fのようになる。な お、図12において縦軸は上側が吸引力、下側が反発力を示し、横軸は慣性体3 3の端面33bと円環状永久磁石34の端面34aとの間の離間距離Hを示して いる。 即ち、慣性体33が雷管10側に移動し始めて離間距離Hが小さくなる に従って慣性体33に作用する反発力は小さくなり、慣性体33の端面33bが 円環状永久磁石34内に入る少し手前(0<H)で慣性体33に作用する磁力は 反発力から吸引力へと力の向きが逆転する。そして、慣性体33の円環状永久磁 石34への進入が深まるに連れて、吸引力が増大していく。
【0031】 図4は、慣性体33の外周面33cはストレートのままで、円環状永久磁石3 4の内周面34bのみ、雷管10側に向かって次第に拡径するテーパ状にした上 記第1実施例の場合で、この場合における慣性体33に作用する反発力と吸引力 との相関は、図12に破線で示した曲線aのようになり、図3に示した第2実施 例の場合と比較すると、反発力が小さく、かつ吸引力が大きくなる傾向を示す。
【0032】 図5に示した第3実施例は、円環状永久磁石34の内周面34bはストレート にして、慣性体33の外周面33cを、雷管10側に向かって次第に拡径するテ ーパ状にした場合である。そして、図6に示した第4実施例は、円環状永久磁石 34の内周面34bを雷管10側に向かって次第に拡径するテーパ状にするとと もに、慣性体33の外周面33cを雷管10側に向かって次第に拡径するテーパ 状にした場合である。
【0033】 即ち、図5および図6に示した第3,4実施例の場合は、いずれも、磁力特性 (即ち、慣性体33に作用する反発力および吸引力の相関)としては、図4に示 した第1実施例の場合と同様の傾向を示す。尚、ここで各実施例における反発力 および吸引力は、磁力特性として同様の傾向を示すものであって、絶対値が同じ になるのではない。
【0034】 図7に示した第5実施例の場合は、慣性体33の外周面33cはストレートの ままで、円環状永久磁石34の内周面34bのみ、雷管10側に向かって次第に 縮径するテーパ状にした場合である。この場合の磁力特性は、図12に一点鎖線 で示した曲線bのようになり、図3に示した第2実施例の場合と比較すると、反 発力が大きく、かつ吸引力が小さくなる傾向を示す。
【0035】 図8に示した第6実施例の場合は、円環状永久磁石34の内周面34bはスト レートにして、慣性体33の外周面33cを、雷管10側に向かって次第に縮径 するテーパ状にした場合である。そして、図9に示した第7実施例の場合は、円 環状永久磁石34の内周面34bと慣性体33の外周面との双方を、雷管10側 に向かって次第に縮径するテーパ状にした場合である。
【0036】 即ち、図8および図9に示した第6,7実施例の場合は、いずれも、磁力特性 としては、図7に示した第5実施例の場合と同様の傾向を示す。 図10に示した第8実施例の場合は、慣性体33の外周面33cを雷管10側 に向かって次第に拡径するテーパ状にするとともに、円環状永久磁石34の内周 面34bを雷管10側に向かって次第に縮径するテーパ状にした場合である。ま た、図11に示した第9実施例の場合は、慣性体33の外周面33cを雷管10 側に向かって次第に縮径するテーパ状にするとともに、円環状永久磁石34の内 周面34bを雷管10側に向かって次第に拡径するテーパ状にした場合である。
【0037】 即ち、これら図10および図11に示した第8,9実施例の場合では、磁力特 性としては、図12の曲線aと曲線bとを合成したような特性曲線となる。 このように、慣性体33の外周面33cと円環状永久磁石34の内周面34b とを必要に応じて適宜テーパ状にすることによって、起動装置31としての作動 感度をより多様に、調整することが可能になる。
【0038】 次に、上記プリテンショナー付きリトラクター1の動作について説明する。 車両の通常走行時状態では、前記プリテンショナー3が巻取り軸に非係合なの で、巻取り軸は自由に回転可能となっている。従って、ウェビング16を巻取り バネの付勢力で巻取り可能であると共に、バネ力に抗してウェビング16を引出 し自在となっている。
【0039】 そして、急ブレーキ等のある程度の大きさの減速度が車両に発生すると、リト ラクターの緊急ロック機構13が作動して巻取り軸の回転をロックする。これに より、ウェビングの伸び出しは阻止されるが、前記慣性体33に作用する慣性力 は円環状永久磁石34と慣性体33との間に作用している磁力の反発力よりも小 さく、起動装置31が作動しないので、前記プリテンショナー3の駆動手段4は 作動しない。
【0040】 一方、車両衝突時等におけるような極めて大きな所定の減速度が生じると、慣 性体33に作用する慣性力は円環状永久磁石34と慣性体33との間に作用して いる磁力の反発力よりも大きくなり、慣性体33が雷管方向へ移動して鍔部32 bに衝突するので、着火ピン32が雷管10を打撃し、点火する。この雷管10 の点火によって駆動手段4内のガス発生器8が発火させられ、ガス発生器8がシ リンダー5内に燃焼ガスを発生すると、生じたガスの圧力によって前記ピストン 6が急速に上方(矢印X方向)へ移動する。このピストン6の駆動力によって、 ワイヤー7が所定の大きさの力で矢印X方向へ急速に引っ張られると、巻取り軸 はウェビング巻取り方向へ駆動されるので、乗員に掛け渡された状態にあるウェ ビング16が引き込まれ、シートベルトの遊びが除去される。
【0041】 従って、車両の衝突等を感知して点火信号を発する加速度センサー等の車体加 速度検知手段や、点火信号に基づいて点火ヒーターへの通電の可否を判断する制 御回路が不要となって構造が簡単になり、各構成手段を結ぶ配線をも不要となる ので、前記プリテンショナー付きリトラクター1は高い信頼性を有しながら大幅 なコストダウンを図ることができる。
【0042】 なお、前述の実施例においては、本考案の起動装置をシートベルト引締め装置 のガス発生器を作動させる起動装置として適用しているが、これに限らずエアバ ッグ装置のガス発生器を作動させる起動装置に適用することもできる。 又、本考案の起動装置を構成する各部材は上記各実施例における形状に限定さ れるものではなく、本考案の主旨に基づいて種々の形態を採り得ることは勿論で ある。
【0043】 また、慣性体33および円環状永久磁石34における磁極の向きは、慣性体3 3が円環状永久磁石34から離間している平常時には、同極同士が対峙して反発 力が作用する関係であれば良く、慣性体33および円環状永久磁石34における 磁極の向きを前記実施例とは逆にしても良い。
【0044】
本考案の起動装置は、車体の加速度を感知する慣性体が直接、雷管に対する衝 撃エネルギーを付与するので、構造が簡単で組立て易くなると共に該慣性体に作 用する加速度の大きさに応じて雷管に対する衝撃エネルギーを高めることができ る。又、着火ピンや慣性体に対して圧接する部材が無いので、圧接部分が長い間 に錆びたり、固着して起動装置が作動不良を起こす心配がなく、安定した作動を 保障することができる。
【0045】 更に、慣性体の外周面および円環状永久磁石の内周面との少なくとも一方をテ ーパ状にすることによって、双方をストレートな円筒状とした場合と比較すると 磁力線の飛び方に変化が生じて、慣性体に作用する反発力と吸引力との相関を変 化させることが可能になる。これによって、設計自由度が向上し、作動感度の決 定要因となる反発力と雷管発火の信頼性や発火までの所要時間の決定要因となる 吸引力とを互いに独立して任意に調整することが容易になり、作動感動を最適化 する一方で、より短時間で確実に雷管を発火させるという理想の設計が容易に実 現し得ることになる。
【0046】 従って、設計の自由度が高く、誤作動を防止して信頼性を高めることができる と共に、構造が簡単で組立て性の良い安価な起動装置を提供できる。
【図1】本考案の一実施例に基づくプリテンショナー付
きリトラクターの要部断面正面図である。
きリトラクターの要部断面正面図である。
【図2】図1に示したプリテンショナー付きリトラクタ
ーの要部拡大断面図である。
ーの要部拡大断面図である。
【図3】本考案の第2実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図4】図1に示した本考案の第1実施例に係る起動装
置の縦断面図である。
置の縦断面図である。
【図5】本考案の第3実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図6】本考案の第4実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図7】本考案の第5実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図8】本考案の第6実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図9】本考案の第7実施例に係る起動装置の縦断面図
である。
である。
【図10】本考案の第8実施例に係る起動装置の縦断面
図である。
図である。
【図11】本考案の第9実施例に係る起動装置の縦断面
図である。
図である。
【図12】本考案に係る起動装置の円環状永久磁石と慣
性体との間の磁力特性の説明図である。
性体との間の磁力特性の説明図である。
1 プリテンショナー付きリトラクター 2 巻取りリール 3 プリテンショナー 4 駆動手段 5 シリンダー 6 ピストン 7 ワイヤー 8 ガス発生器 10 雷管 11 火薬 12 ケース 13 緊急ロック機構 15 ハウジング 16 ウェビング 18 リトラクターベース 19 開口 20 孔 31 起動装置 32 着火ピン 33 慣性体 34 円環状永久磁石 35 トリガーケース
Claims (1)
- 【請求項1】 ガス圧で駆動することによりリトラクタ
ーの巻取り軸を車両衝突時にシートベルト引込み方向へ
回転させるシートベルト引締め装置、又はガスで急激に
膨張させたエアバッグにより乗員を衝突時の衝撃から保
護するエアバッグ装置に用いられる起動装置であって、 雷管方向へ移動可能に装備されて雷管と衝突することに
より該雷管を着火可能な着火ピンと、該着火ピンに運動
エネルギーを供給する円柱状の永久磁石からなり雷管方
向へ移動可能に装備された慣性体と、該慣性体の外径よ
りも大きな内径を有する円環状永久磁石とを備えるとと
もに、 前記慣性体の外周面および前記円環状永久磁石の内周面
の少なくとも一方が前記慣性体の移動方向の軸線に対し
てテーパ状に形成されており、 前記慣性体に所定以上の雷管方向への加速度が生じた際
に、該慣性体が前記円環状永久磁石に対する磁力の反発
力に抗して該円環状永久磁石の開口内を雷管方向へ移動
し、更に磁力の吸引力を以て前記着火ピンを雷管方向へ
移動させるように構成されたことを特徴とする起動装
置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4262893U JPH078112U (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 起動装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4262893U JPH078112U (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 起動装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH078112U true JPH078112U (ja) | 1995-02-03 |
Family
ID=12641287
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4262893U Pending JPH078112U (ja) | 1993-07-08 | 1993-07-08 | 起動装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH078112U (ja) |
-
1993
- 1993-07-08 JP JP4262893U patent/JPH078112U/ja active Pending
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