JPH0784710B2 - 難燃性合成皮革とその製造方法 - Google Patents

難燃性合成皮革とその製造方法

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JPH0784710B2
JPH0784710B2 JP15440886A JP15440886A JPH0784710B2 JP H0784710 B2 JPH0784710 B2 JP H0784710B2 JP 15440886 A JP15440886 A JP 15440886A JP 15440886 A JP15440886 A JP 15440886A JP H0784710 B2 JPH0784710 B2 JP H0784710B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は難燃性を有する合成皮革、特に乗物用シート材
に好適な合成皮革に関する。
[従来の技術] 近年、合成皮革特に、乾式製法に係る合成皮革に難燃性
を付与する方法としては合成皮革を構成する各層中に各
種難燃材を添加したものが知られている。
また、一般に合成皮革は難燃剤を添加することによりポ
リウレタン樹脂の脆化,劣化を生じさせる原因となり、
通常の使用条件下でも長期間の使用に耐えられない。
一方、湿式製法に係る合成皮革の難燃化処理は乾式合成
皮革以上の技術的困難性があり、これが未解決のため、
現在まで耐久性,難燃性を有する合成皮革は得られてい
ない。
湿式合成皮革の難燃化処理の技術的困難性の具体的内容
は以下のとおりである。すなわち、繊維基材に難燃加工
処理を施しても湿式処理における微多孔性基体を形成さ
せる脱溶媒凝固時に難燃剤が水中に溶出されて効果がな
くなること、また、微多孔性層を形成するポリウレタン
中に難燃剤を添加しても、脱溶媒凝固時に同じく難燃剤
が水中に溶出されその効果がなくなること、さらに、難
燃剤を添加することにより著しく湿式成膜性能を低下さ
せることの3点が挙げられる。
従来よりポリウレタン系合成皮革は風合,外観が共に優
れ、鞄,袋,靴,衣料,あるいはベルト等の材料として
広く利用されている。しかしながら、従来はその原料と
して殆んどの場合、炭素数が2〜4個のグリコールと、
アジピン酸などの二塩基酸とのポリエステルをポリオー
ル成分とするポリウレタンを使用していたために、耐加
水分解性に劣り、家具,車輌用シートなど長期間に亘る
使用が必要とされる製品については到底使用に耐えられ
るものではなかった。
勿論、成分中に加水分解防止剤、例えばポリカルボジイ
ミドを添加しても若干の改善は可能であるが、本質的な
改善を期待することは出来ない。特にインテリア材料を
中心にこれを衣料,家具,車輌用材料などに適用した場
合、火災時の人的被害が大きいために、法的規制が厳し
く、特別のものを除いて実質的に実用できない。法的規
制としては、例えば自動車用内装材について、米国燃焼
規格のFMVSS-302や我国のJIS・D-1201,また、壁装材に
ついてはJIS・A-1321などがあり、その規制に合格しな
ければならない。そればかりか自動車メーカーでは法規
制よりも厳しい規格を独自に定めている場合が多い。し
かも、繊維と合成樹脂とから成る複合材料としての合成
皮革に難燃性を付与するためには燃焼機構が異なる繊維
と合成樹脂との療法の難燃化処理を要すること、一般に
難燃化を満足させるためには多量の難燃剤を含有させる
必要があるが、その結果生ずる風合の硬化,耐久性の低
下,更にはベタツキ感を生ずること、難燃剤は移行しや
すくベタツキ感と併せて表面へのブリードまたはブルー
ム現象が発生し、表面品位を損うことといった問題をあ
わせて解消しなければならない。
本発明の目的は合成皮革の風合,感触等を何等損うこと
なく難燃性を付与することができると共に、耐加水分解
性、および耐光性に優れた難燃性合成皮革を提供するこ
とにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明はポリウレタンの微多孔性組織を繊維質基材に形
成した微多孔性繊維基体上にポリウレタン接着層を介し
て積層した少くとも一層以上のポリウレタン皮膜層を有
し、前記微多孔性組織は臭素含有変性ウレタン化合物を
含む100%モジュラス20〜120Kg/cm2のポリカーボネート
系ポリウレタンからなり、微多孔性繊維基体は表面にハ
ロゲン化燐酸エステル系化合物および/または含燐含窒
素系化合物を含み、前記ポリウレタン接着層は三酸化ア
ンチモンおよび臭素含有変性ウレタン化合物を含む厚さ
10〜60μ、100%モジュラス20〜60Kg/cm2のポリカーボ
ネート系ポリウレタンからなり、前記ポリウレタン皮膜
層の一層を中皮層又は最外層として厚さ20〜80μ、100
%モジュラスが40〜180Kg/cm2のポリカーボネート系ポ
リウレタンにて構成したことを特徴とする難燃性合成皮
革およびこの合成皮革を製造する方法、すなわち、綿
布,織布,不織布などの繊維質基材に、臭素含有変性ウ
レタン化合物を含むポリカーボネート系ポリウレタン溶
剤溶液を塗布,含浸等の手段を用いて付着させた後、湿
式凝固処理して該ポリカーボネート系ポリウレタンの微
多孔化した組織を繊維質基材に形成し、得られた微多孔
性繊維基体にハロゲン化リン酸エステル系化合物および
/または含燐含窒素系化合物を付着させ、次いで微多孔
性繊維基体の表面に三酸化アンチモンおよび臭素含有変
性ウレタン化合物を含む接着層と、少くとも一層以上の
ポリカーボネート系ポリウレタン皮膜層を順次積層する
ことを特徴とする難燃性合成皮革の製造方法である。
本発明にいう微多孔性繊維基材とは、繊維質基材の表面
が起毛されたものにポリカーボネート系ポリウレタンの
溶剤溶液が含浸されおよび/または該起毛面上に同じく
ポリカーボネート系ポリウレタンの溶剤溶液を起毛面を
覆う様に塗布した後、湿式凝固処理することにより該ポ
リカーボネート系ポリウレタンを微多孔質体として積層
形成したものである。
上記繊維質基材は綿,麻等の天然繊維、レーヨン,ス
フ,アセテート等の再生繊維、ポリエステル,ポリアミ
ド,ポリアクリロニトリル等の合成繊維等の単独、又は
各種混紡繊維よりなる編布,織布,不織布等である。
まず、繊維質基材に用いた編布,織布,不織布等にポリ
カーボネート系ポリウレタンを含浸させる。ポリウレタ
ンの含浸量は対繊維重量当り100%範囲内が好ましい。
微多孔性繊維基体は上記の含浸布でもよいが、さらに含
浸布上にポリカーボネート系ポリウレタンの微多孔質被
覆層を湿式処理により基材の表面に形成させることもで
きる。微多孔質被覆層に形成される湿式セルを微細孔と
するための凝固調整剤として、一般にノニオン系界面性
剤が最も効果があるものとして知られている。なお、こ
のポリカーボネート系ポリウレタンの湿式成膜性及び風
合改良などを目的としてセルロース微粉末,炭酸カルシ
ウム着色剤,各種安定剤などを添加することができる
が、添加剤の種類及びその添加量は微多孔性繊維基体の
物性との関係で慎重に決定することが必要である。これ
らの添加剤を添加したポリカーボネート系ポリウレタン
の溶剤溶液をポリカーボネート系ポリウレタンを含浸し
た繊維質基材上に塗布して、水中で凝固,脱溶媒し、さ
らに温水中で洗浄を繰返し、脱水乾燥して微細孔を有す
る微多孔性繊維基材を形成する。
勿論ポリカーボネート系ポリウレタンを含浸をしない編
布,織布,不織布上に前記と同じ要領でポリカーボネー
ト系ポリウレタンの微多孔質被覆層を形成して微多孔性
繊維基体を得ることが出来る。含浸および塗布に用いる
ポリカーボネート系ポリウレタンは100%モジュラスが2
0〜120Kg/cm2である。
100%モジュラスが20Kg/cm2以下では風合はソフトにな
るが、物性が弱くなり実用的でなく、また120Kg/cm2
上では物性は向上するが風合がハード化して好ましくな
い。
また微多孔質被覆層の密度は0.3〜0.7g/ccが好ましい。
密度が0.3g/cc以下になると物性が弱くなり実用的では
なく、0.7g/cc以上になると風合が硬くなり好ましくな
い。
また、微多孔質被覆層の厚みは100μ〜1000μが好まし
い。厚みが100μ以下では柔軟性に欠けると共にボリュ
ーム感が乏しくなって好ましくなく、1000μ以上になる
と厚ぼったくなり、又しわ入りが大きくなって好ましく
ない。
また、本発明に使用するポリカーボネート系ポリウレタ
ンはポリカーボネート系ポリオールとジイソシアネート
化合物と鎖伸長剤との重合体であって、ポリカーボネー
ト系ポリオールは、一般にポリアルキレンポリカーボネ
ート系ポリオールが好ましく、具体的には1,6−ヘキサ
ンポリカーボネート系ポリオールが好ましい。
また、前記ポリアルキシンポリカーボネート系ポリオー
ルの一部をポリオキシアルキレンポリオール、例えば、
ポリプロピレングリコールまたはポリテトラメチレング
リコール等の変性ポリカーボネートで置換した共重合体
なども使用できる。また、このポリカーボネート系ポリ
オールに反応させるジイソシアネート化合物はトリレン
ジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,キシリレンジイソシアネート,テトラメチレンジイ
ソシアネート,ヘキサメチレンジイソシアネート,イソ
ホロンジイソシアネート,水素添加ジフェニルメタンジ
イソシアネート等が使用できる。
また、鎖伸長剤としてはエチレングリコール,1,4−ブタ
ンジオール,1,6−ヘキサンジオール,ネオペンチルグリ
コール,などの低分子グリコール又は、ピペラジン,エ
チレンジアミン,ヘキサメチレンジアミン,プロピレン
−1,2−ジアミン,N−メチル−ビス−(3−アミノプロ
ピル)アミン,1,4−ジアミノシクロヘキサン,1−アミノ
−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル・シクロヘキ
サン,などの第1級または第2級の脂肪族アミンが使用
できる。
含浸および塗布されるポリカーボネート系ポリウレタン
エラストマー溶剤溶液中に添加される難燃剤はウレタン
結合を分子中に有する臭素含有変性ウレタン化合物を使
用する。
その添加量は臭素含有率30〜40%の難燃剤をポリウレタ
ン固形分に対して10〜30重量%添加することが望まし
い。
その添加量が10%以下では難燃効果が期待出来ず、また
30%重量%以上では湿式成膜性能が著しく低下する。
さらに、微多孔性繊維基体をハロゲン化燐酸エステル系
化合物および含燐含窒素系化合物の単独または混合物で
後処理する方法としては、含浸法,コーティング法,グ
ラビア法等のいずれの加工法によってもよい。
微多孔性繊維基体に対する難燃剤の付着率は5〜20重量
%が好ましい。付着率を限定する理由は難燃剤が間接的
にではあるが、ポリウレタンエラストマーの劣化を生ぜ
しめる可能性があるからである。
ポリウレタン接着層に添加する難燃剤として前に基体に
含浸または塗布されるポリウレタンに添加される難燃剤
と同じ組成の臭素含有変性ウレタン化合物を用いる。
その添加量は臭素含有率30〜40%の難燃剤をポリウレタ
ン固形分に対して10〜30重量%添加することが好まし
い。
また、二酸化アンチモンは、臭素含有変性ウレタン化合
物と併用することにより、燃焼時に臭素系難燃剤と結合
し、相乗効果により高い難燃性を発揮するために用い
る。さらに、これはハロゲン化リン酸エステル系化合物
とも燃焼時に結合して相乗効果が発揮される。
三酸化アンチモンは臭素含有変性ウレタン化合物に対し
30〜60%添加することが好ましい。
本発明の最外層を、100%モジュラスが40〜18Kg/cm2
ポリウレタン皮膜層としたときには、細かなしわを有す
る天然皮革の外観を付与させることにおいて若干の難点
があるが、これを中皮層に用い、さらにその表面に100
%モジュラスが200〜600Kg/cm2の降伏値を有するポリウ
レタン皮膜層を設け、この形成された最外層としてのポ
リウレタン皮膜層に揉加工を施すことにより、しわ残り
を多くしてより天然皮革に酷似した外観を構成し得る。
この場合、中皮層に用いた皮膜層は着色剤にて着色し、
最外層の皮膜層を着色せずに透明層とするのが好まし
い。その理由は最外層が上記しわ残りの付与のほかに、
その皮膜層を着色しないことにより光による着色剤の変
退色を著しく改良出来る長所を有するからである。
本発明による難燃性を有する合成皮革は、前記の如く難
燃処理された微多孔性繊維基体上に、三酸化アンチモ
ン,臭素含有変性ウレタン化合物を含む100%モジュラ
ス20〜60Kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタンを、
厚み10〜60μで積層してポリカーボネート系ポリウレタ
ン接着層を形成するが、この場合、接着層に使用するポ
リカーボネート系ポリウレタンは、構成成分中のポリカ
ーボネート系ポリオールの一部をポリエーテル系ポリオ
ール例えば、ポリテトラメチレングリコール,ポリプロ
ピレングリコール等で置換した共重合体であってもよ
い。
さらに、前記接着層の表面に皮膜層として100%モジュ
ラスが40〜180Kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタ
ンを厚み20〜80μで積層する。さらにこれを中皮層に用
いて最外層を別に設けるときには、ポリカーボネート系
ポリウレタン接着層およびポリカーボネート系ポリウレ
タン中皮層は前記ポリウレタン接着層,ポリウレタン皮
膜層と同じモジュラス及び厚みに構成し、さらに中皮層
表面に最外層として100%モジュラス200〜600Kg/cm2
降伏値を有するポリカーボネート系ポリウレタン皮膜層
を厚み5〜10μで積層形成する。
なお、前記中皮層,最外層に使用されるポリカーボネー
ト系ポリウレタンはポリカーボネート系ポリオールと反
応するジイソシアネートとして黄変タイプ,難黄変タイ
プ及び無黄変タイプのいずれも使用することかできる
が、皮膜層に要求される耐光性を考慮して無黄変タイプ
のジイソシアネートを使用することが好ましい。
中皮層としてのポリウレタン皮膜層を着色するとき、こ
の層中、また必要により接着層中には着色のために顔
料,染料などの着色剤,その他の各種安定剤,充填剤等
を添加することができる。
[発明の効果] 本発明によれば各構成体層の硬さを変化させることによ
り、天然皮革に酷似した風合,感触,しわ入りが可能で
あり、耐加水分解性,耐光性に優れた合成皮革を得るこ
とができる。
また自動車シートの表面材に用いて万一火災事故が発生
した場合は、繊維基材中よりハロゲンガスが発生し、ま
たポリウレタン中より臭素ガスが発生してポリウレタン
中の三酸化アンチモンと直ちに反応するため、著しい難
燃効果を発揮することができる。
さらに本発明によれば構成体の最外層に降伏値を有する
ポリカーボネート系ポリウレタンを積層形成すれば天然
皮革に酷似した風合,感触しわ入りの他に、しわ残り性
に優れ、かつ耐加水分解性,耐光性に優れた合成皮革が
得られる。
[実施例] 以下、本発明の実施例を掲げるが、本発明はこれらの実
施例に限定されるものではない。
(実施例1) ポリエステル繊維とレーヨン繊維とを混紡した両面起毛
布に、100%モジュラス60Kg/cm2の1,6−ヘキサンジオー
ルポリカーボネート系ポリウレタン溶剤溶液(溶剤(DM
F)を下記配合よりなる含浸液を調合して含浸し、スク
イズロールにより対繊維重量当りポリウレタン固形分30
%となるように絞り、次いでこれを20℃の水中に浸漬
し、凝固,脱溶媒して脱水後130℃の熱風下で乾燥し含
浸布を得た。
〈含浸液配合〉 重量部 ポリウレタン溶剤溶液(固形分30%) 100 臭素含有変性ウレタン化合物(固形分70%)(DFR-10
02S臭素含有率31%:大日精化製) 10 着色剤 5 ノニオン系界面活性剤 1.5 DMF 200 次いで微多孔質被覆層形成用塗布液として100%モジュ
ラス40Kg/cm2の1,6−ヘキサンジオールポリカーボネー
ト系ポリウレタン溶剤溶液(溶剤DMF)からなる下記の
配合液を調合し、これを上記含浸布上の1.0m/mの厚みに
塗布した。
〈塗布液配合〉 重量部 ポリウレタン溶剤溶液(固形分30%) 100 臭素含有変性ウレタン化合物(固形分70%)(DFR-10
02S臭素含有率31%:大日精化製) 10 着色剤 5 ノニオン系界面活性剤 1.5 DMF 80 上記塗布液を含浸布に塗布した後、20℃の水中で凝固,
脱溶媒させ、脱水後、130℃の熱風下で乾燥して厚み1.2
m/mの極めて表面平滑性に優れる微多孔性繊維基体を得
た。
しかる後、上記微多孔性繊維基体に下記配合液から成る
難燃剤を含浸し、ウェットピックアップ率が80%になる
様に絞り、130℃で3分乾燥後、さらに150℃で2分熱処
理してポリエステル繊維及びレーヨン繊維を難燃処理し
た。
〈難燃剤配合〉 重量部 ハロゲン化リン酸エステル系化合物(フレームガード
5316-S:大日本インキ製) 15 含燐含窒素系化合物(フレームガードVF-74:大日本イ
ンキ製) 10 メラミン樹脂 2 触 媒 0.2 水 75 一方、絞付き離型紙上に、100%モジュラス90Kg/cm2
1,6−ヘキサンジオールポリカーボネート系ポリウレタ
ン溶液(着色剤25重量部含有)を乾燥厚みが40μになる
ようにナイフコーターにて塗布し、これを100℃で3分
間熱風乾燥させポリカーボネート系ポリウレタン皮膜層
を形成した。
さらに、前記皮膜層表面に100%モジュラスが25Kg/cm2
の1,6−ヘキサンジオールポリカーボネート−ポリテト
ラメチレングリコール共重合体のポリウレタン接着剤
(ポリウレタン溶液(固形分40%、100重量部)に対し
て三酸化アンチモン5重量部と臭素含有変性ウレタン化
合物15重量部含有)を乾燥厚みが30μになるようにナイ
フコーターにて塗布し、100℃で3分間熱風乾燥した
後、該ポリウレタン接着層の上面に前述の微多孔性繊維
基体の微多孔被覆層面を130℃で熱圧着して貼合せた
後、接着剤の硬化後離型紙を剥離して合成皮革を得た。
得られた合成皮革は米国燃焼規格FMVSS-302に合格し、
かつ耐加水分解性,耐光性に優れ、風合,外観も天然皮
革に酷似し、車輌用シート材として好適なものであっ
た。
(実施例2) ポリエステル繊維からなる起毛布上に100%モジュラス5
0Kg/cm2の1,6−ヘキサンジオールポリカーボネート系ポ
リウレタン溶剤溶液(溶剤DMF)からなる下記塗布液を
調合し、これを1.m/mの厚みに塗布した。
〈塗布液配合〉 重量部 ポリウレタン溶剤溶液(固形分30%) 100 臭素含有変性ウレタン化合物(固形分70%)(DFR-10
01S臭素含有率35%:大日精化製) 8 着色剤 5 ノニオン系界面活性剤 1.5 DMF 100 起毛布上に上記塗布液を塗布した後、20℃の水中で凝
固,脱溶媒させ、脱水後、130℃の熱風下で乾燥して厚
み1.0m/mの極めて表面平滑性に優れる微多孔性繊維基体
を得た。
しかる後、上記微多孔性繊維基体に下記配合液から成る
難燃剤を含浸し、ウェットピックアップ率が90%になる
様に絞り、130℃で3分乾燥後さらに150℃で2分熱処理
してポリエステル繊維を難燃処理した。
〈難燃剤配合〉 重量部 含燐含窒素系化合物(フレームガードVF-74:大日本イ
ンキ製) 10 メラミン樹脂 1.5 触媒 0.1 水 90 一方、絞付き離型紙上に、降伏値を有する100%モジュ
ラス250Kg/cm2の1,6−ヘキサンジオールポリカーボネー
ト系ポリウレタンの溶液(着色剤を含有しない透明液)
を乾燥厚味が6μになる様にナイフコーターにて塗布
し、これを100℃で2分間熱風乾燥させ、ポリカーボネ
ート系ポリウレタン皮膜層を形成した。
次に前記皮膜層表面に100%モジュラスが70Kg/cm2の1,6
−ヘキサンジオールポリカーボネート系ポリウレタン溶
液(着色剤20重量部含有)を乾燥厚みが35μになるよう
にナイフコーターにて塗布し、これを100℃で3分間熱
風乾燥させ、ポリカーボネート系ポリウレタン中皮層を
形成した。
さらに、前記中皮層表面に100%モジュラスが17Kg/cm2
の1,6−ヘキサンジオールポリカーボネート−ポリテト
ラメチレングリコール共重合体のポリウレタン接着剤を
下記配合で乾燥厚みが40μになるようにナイフコーター
にて塗布した。
〈接着剤配合〉 重量部 ポリウレタン溶液(固形分40%) 100 三酸化アンチモン 6 臭素含有変性ウレタン化合物(固形分70%)(DFR-10
01S臭素含有率35%:大日精化製) 14 これを100℃で3分間熱風乾燥した後、該ポリウレタン
接着層の上面に前述の微多孔性繊維基体の微多孔被覆層
面を130℃で熱圧着して貼合せた後、接着の硬化後離型
紙を剥離して合成皮革を得た。
得られた合成皮革に揉機で揉皺を入れたところ揉皺の入
りが良好で、かつ揉皺を長期にわたり保持するばかりで
なく、風合,外観とも天然皮革と酷似しており、米国燃
焼規格FMVSS-302に合格し、かつ耐加水分解性,耐光性
に優れ、車輌用シート材として好適なものであった。
(比較例1) 実施例1において、含浸液配合および塗布液配合の中に
臭素含有変性ウレタン化合物を添加しない以外は実施例
1と同様に加工して合成皮革を得た。
(比較例2) 実施例2において、ポリウレタン溶剤溶液からなる塗布
液配合において、臭素含有変性ウレタン化合物のかわり
に含ハロゲン縮合有機燐酸エステル(商品名CR-505:大
八化学製)をポリウレタン溶剤溶液100重量部に対し10
重量部を添加し、実施例2と同様に凝固,脱溶媒,脱水
乾燥して微多孔性繊維基体を得た。
得られた該微孔性繊維基体は厚み0.83m/mの極めて表面
平滑性に劣るものであり、風合の硬いものであった。
該微多孔性繊維基体をさらに実施例2と以下同様に処理
して合成皮革を得た。
(比較例3) 実施例1において、接着層中に三酸化アンチモン,臭素
含有変性ウレタン化合物のかわりに難燃剤としてハロゲ
ン化燐酸エステル化合物(商品名ファイロールFR-2:ス
トファ・ケミカル社製)をポリウレタン溶液100重量部
に対し、20重量部を添加する以外は、実施例1と同様に
加工して合成皮革を得た。
実施例1および2、並びに比較例1,2及び3によって得
られた合成皮革につき、次の条件で米国燃焼規格FMVSS-
302による燃焼試験結果及び耐加水分解性,耐光性試験
結果を第1表に示す。
燃焼試験方法 米国燃焼規格FMVSS-302に準ずる燃焼速度(インチ/
分)を測定した。
耐加水分解性の測定方法 合成皮革の試料片を相対湿度95%,温度70℃の条件下に
4週間放置し、その後試料片の樹脂層をテーバー型摩耗
試験機にて荷重1Kg,摩耗回数2000回にて表面状態を観察
した。
耐光性の測定方法 合成皮革の試料片をブラックパネル温度83℃のフェード
メーターで200時間照射し、その後、試料片の樹脂層を
テーバー型摩耗試験機にて荷重1Kg,摩耗回数2000回にて
表面状態を観察した。
以上第1表に明らかなとおり、本発明により耐加水分解
性,耐光性にあわせて特に難燃性に優れた合成皮革を得
ることができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリウレタンの微多孔性組織を繊維質基材
    に形成した微多孔性繊維基体上にポリウレタン接着層を
    介して積層した少くとも一層以上のポリウレタン皮膜層
    を有し、 前記微多孔性組織は臭素含有変性ウレタン化合物を含む
    100%モジュラス20〜120Kg/cm2のポリカーボネート系ポ
    リウレタンからなり、微多孔性繊維基体は表面にハロゲ
    ン化燐酸エステル系化合物および/または含燐含窒素系
    化合物を含み、 前記ポリウレタン接着層は三酸化アンチモンおよび臭素
    含有変性ウレタン化合物を含む厚さ10〜60μ、100%モ
    ジュラス20〜60Kg/cm2のポリカーボネート系ポリウレタ
    ンからなり、 前記ポリウレタン皮膜層の一層を中皮層又は最外層とし
    て厚さ20〜80μ、100%モジュラスが40〜180Kg/cm2のポ
    リカーボネート系ポリウレタンにて構成したことを特徴
    とする難燃性合成皮革。
  2. 【請求項2】綿布,織布,不織布などの繊維質基材に、
    臭素含有変性ウレタン化合物を含むポリカーボネート系
    ポリウレタン溶剤溶液を塗布,含浸等の手段を用いて付
    着させた後、湿式凝固処理して該ポリカーボネート系ポ
    リウレタンの微多孔化した組織を繊維質基材に形成し、
    得られた微多孔性繊維基体にハロゲン化リン酸エステル
    系化合物および/または含燐含窒素系化合物を付着さ
    せ、次いで微多孔性繊維基体の表面に三酸化アンチモン
    および臭素含有変性ウレタン化合物を含む接着層と、少
    くとも一層以上のポリカーボネート系ポリウレタン皮膜
    層を順次積層することを特徴とする難燃性合成皮革の製
    造方法。
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