JPH0791323B2 - 新規なランダムスチレン−ブタジエン共重合体およびその組成物 - Google Patents

新規なランダムスチレン−ブタジエン共重合体およびその組成物

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JPH0791323B2
JPH0791323B2 JP61173919A JP17391986A JPH0791323B2 JP H0791323 B2 JPH0791323 B2 JP H0791323B2 JP 61173919 A JP61173919 A JP 61173919A JP 17391986 A JP17391986 A JP 17391986A JP H0791323 B2 JPH0791323 B2 JP H0791323B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はその共重合体鎖中におけるスチレン単位が特定
のスチレン連鎖分布を有し、かつ特定のスチレン組成分
布を有する、特定の官能基を結合する有機化合物で変性
されたランダムスチレン−ブタジエン共重合体、及びそ
の組成物に関するものである。
[従来の技術] 従来、ランダムスチレン−ブタジエン共重合体はタイヤ
用ゴムとして広く用いられてきたが、近年の自動車タイ
ヤに対する低燃費化の要求、走行安全性向上の要求、更
には耐久性向上の要求に伴ない、タイヤ用ゴムとしては
低燃費化に高反発弾性、走行安全性向上に高ウェットス
キッド抵抗性、耐久性向上に耐摩耗性の優れていること
が要求されている。
しかしながら、反発弾性とウェットスキッド抵抗性との
関係、また耐摩耗性とウェットスキッド抵抗性との関係
はそれぞれ相反する特性であるため、従来はこれら相反
する特性をバランスさせるために異種ゴムのブレンド組
成物が用いられてきた。例えば、スチレン−ブタジエン
共重合体ゴムとポリブタジエンとのブレンド組成物であ
る。しかし、これらのブレンド組成物では反発弾性、ウ
ェットスキッド抵抗性、耐摩耗性を高水準に満足される
には至っていない。
最近、スチレン−ブタジエン共重合体鎖中のスチレン分
布を制御することにより、反発弾性、ウェットスキッド
抵抗性および耐摩耗性の改良を意図した種々の方法が提
案されている。
例えば共重合体鎖中の末端部でスチレン濃度を大幅に増
大させる方法(特開昭56−143209号)、共重合体鎖中の
スチレン単位を高度に均一化する方法(特開昭57−1001
12号、特開昭57−179212号、特開昭59−140211号)、同
一共重合体鎖中でスチレン含量の異なる二種類の共重合
体をブロック化する方法(特開昭57−165445号、特開昭
57−200413号)、共重合体中のスチレン反応組成分布幅
とガラス転移点のピーク温度幅を特定化する方法(特開
昭58−154711号)である。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、これらの共重合体はある程度の改良効果
は見られるが、反発弾性、ウェットスキッド抵抗性およ
び耐摩耗性を高水準に満足させるには至っていない。
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、反発弾性、ウ
ェットスキッド抵抗性および耐摩耗性のバランスが大幅
に改良された新規なランダムスチレン−ブタジエン共重
合体と、その組成物を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段および作用] 本発明はその共重合体鎖中に官能基が結合したスチレン
−ブタジエン共重合体鎖中のスチレン単位のスチレン連
鎖分布およびスチレン組成分布について鋭意検討した結
果、その共重合体鎖中におけるスチレン単位が特定のス
チレン連鎖分布および、特定のスチレン組成分布を有す
る、特定の官能基を有する有機化合物で変性されたラン
ダムスチレン−ブタジエン共重合体が、反発弾性、ウェ
ットスキッド抵抗性、および耐摩耗性のバランスが著し
く優れ、更に引張強度が良好であることを見出してなさ
れたものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の特定の官能基を含有するランダムスチレン−ブ
タジエン共重合体のガラス転移温度域での変曲点間の温
度差(以下ΔTと呼ぶ)は15℃以上、好ましくは25℃以
上、特に好ましくは30℃〜70℃である。ΔTが15℃未満
では共重合体鎖中のスチレン組成分布幅が小さく、ウェ
ットスキッド抵抗性、耐摩耗性が十分に改良されない。
一方、ΔTが15℃以上においてはΔTが大きい程共重合
体鎖中のスチレン組成分布幅が大きく、優れた特性を有
し、かつ優れた他のゴムとのブレンド性を有するが、Δ
Tが100℃を越えて極端に大きくなるとスチレン単連鎖
が減少し、反発弾性、引張強度が低下して好ましくな
い。このように、本発明の共重合体は特定のスチレン連
鎖分布を満足し、かつΔTが15℃以上を満足する必要が
ある。ここでいうガラス転移温度域での変曲点間の温度
差(ΔT)とは差動走査熱量計(DSC)を用いて測定し
て得られる吸熱曲線におけるガラス転移温度近辺の最初
の変化点から最終の変化点までの温度幅である。DSC測
定はASTM−D3418−82に示される方法にて実施した。
第1図には実施例および比較例で得られたスチレン−ブ
タジエン共重合体のDSCによる吸熱曲線を示した。第1
図に示したように本発明実施例の(イ),(ロ)はΔT
が大きく、優れた特性を有する。
また本発明では2以上のガラス転移温度を有す共重合体
を含み、例えば(ハ)の様に同一共重合体鎖中にスチレ
ン含量の異なる2種類の共重合体がブロックで存在する
共重合体は2つのガラス転移温度を有し、ΔTも大きく
好ましい特性を有する。
本発明の共重合体のムーニー粘度(ML1+4,100℃)は10
〜150であり、好ましくは30〜100である。ムーニー粘度
が10未満では反発弾性、耐摩耗性および引張強度の改良
効果が十分ではない。
ムーニー粘度が150を越えると配合物のカレンダー加工
性、押出加工性等の加工性に問題が残る。
本発明の共重合体の重量平均分子量(w)と数平均分
子量(n)との比w/nは1.1〜3.0であり、好まし
くは1.3〜2.5である。w/nが3.0を越える場合には
加工性は改良されるものの反発弾性、耐摩耗性が低下し
て好ましくない。1.1未満では加工性が低下して好まし
くない。
本発明の共重合体の結合スチレンは10重量%〜45重量%
であり、好ましくは15重量%〜40重量%である。結合ス
チレンが10重量%未満ではウェットスキッド抵抗性、引
張強度が低下して好ましくない。一方、結合スチレンが
45重量%を越えると反発弾性、耐摩耗性が低下して好ま
しくない。
本発明の共重合体のスチレン単位が1個のスチレン単連
鎖(以下S1と呼ぶ)は、結合スチレンの65重量%以上、
好ましくは75重量%以上であり、かつスチレン単位が8
個以上連なったスチレン長連鎖(以下S8〜と呼ぶ)が結
合スチレンの5.0重量%以下、好ましくは2.5重量%以下
でなければならない。S1が全結合スチレンの65重量%未
満でも、S8〜が5.0重量%を越える場合でも、反発弾
性、耐摩耗性、ウェットスキッド抵抗性および引張強度
が低下して好ましくない。
本発明の共重合体は i)分子内に とN−R1基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物
(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R1は水素原
子又は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシアルキ
ル基、アリール基を表わす) ii)一般式R3−(−N=C=Y)nで示されるイソシア
ネート類(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R3
は脂肪族、環状脂肪族、芳香族、あるいは炭素数2〜20
個の炭化水素基を表わし、nは1,2,3の整数を表わす) iii)一般式(R4)3−M−Xで示される有機金属化合物
(式中R4は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシア
ルキル基、アリール基を表わし、Mは周期律表IV族bの
金属原子を表わし、Xはハロゲン原子を表わす) の群より選ばれる少なくとも1種の有機化合物で変性さ
れたランダムスチレン−ブタジエン共重合体であり、こ
のようにして得られる共重合体はカーボンブラック、プ
ロセス油等の配合剤と配合、混練、加流されると、その
加流物は優れた反発弾性、ウェットスキッド抵抗性、耐
摩耗性のバランスを示し、引張強度も優れるものとな
る。
また、リチウム末端重合体とイソシアネート化合物を反
応させる方法(特公昭42−24174号)は公知であるが、
本発明の様に限定したスチレン−ブタジエン共重合体に
することにより、本発明の目的とする性能が得られると
いうことは全く新しい知見であり、上記公知事実からは
容易に類推できない。また特開昭58−189203号ではリチ
ウム末端重合体とベンゾフェノン誘導体の反応からなる
重合体のゴム組成物、特開昭61−42552号ではリチウム
末端重合体とアミド化合物の反応からなる重合体のゴム
組成物、及びUSP−384503ではリチウム末端重合体と有
機金属化合物の反応からなる重合体の組成物が開示され
ている。しかし、該組成物では本発明の目的とする反発
弾性、ウェットスキッド抵抗性、耐摩耗性のバランス及
び引張強度を高度に発現するには至っていない。
本発明の共重合体のブタジエン部のビニル結合含有量は
特に限定するものではないが、好ましくは16%〜48%で
あり、特に好ましくは16%以上でかつ35%未満である。
ビニル結合含有量が16%未満では耐摩耗性は改良される
ものの、ウェットスキッド抵抗性が低下して好ましくな
い。
一方、ビニル結合含有量が48%を越えると反発弾性、耐
摩耗性および引張強度が低下して好ましくない。
また、共重合体鎖中における1,2−ビニル基の分布につ
いては、重合体鎖中に均一であっても、また特公昭48−
875号に示されるように重合体鎖に沿って漸減的に変化
するようなものでも良く、さらにはブロック的に分布し
ていても良く(USP−3301840)、要するに使用目的によ
って決めると良い。
本発明の共重合体は以下に述べる方法で製造される。一
つの方法は少なくとも1種のルイス塩基を含有する炭化
水素溶媒中で、スチレンとブタジエンとを有機リチウム
化合物で共重合する際して、重合系中のモノマー組成比
におけるスチレンモノマー含有量が特定濃度範囲になる
様にブタジエンを特定条件で重合系に連続的に供給し、
共重合終了後、次いで特定の官能基を有する有機化合物
を少なくとも1種添加させてなる変性されたランダムス
チレン−ブタジエンを得る方法である。
他の方法は、少なくとも1種のルイス塩基を含有する炭
化水素溶媒中で、スチレンとブタジエンとを有機リチウ
ム化合物で共重合するに際して、特開昭59−140211号に
記載されているように重合系中のモノマー組成比におけ
るスチレンモノマー含有量が特定濃度範囲になる様にブ
タジエンを連続的に供給して、あるモノマー組成比を有
する共重合体ブロックを得、次いで同様の重合法にて上
記共重合体とは異なるモノマー組成比を有する共重合体
ブロック、またはブタジエン重合体を得、次いで特定の
官能基を有する有機化合物を少なくとも1種添加させて
なる同一共重合体鎖中にモノマー組成比の異なる二種類
のランダム共重合体ブロックを有する変性されたランダ
ムスチレン−ブタジエン共重合体を得る方法である。
本発明のランダムスチレン−ブタジエン共重合体の重合
開始剤として使用される有機リチウム化合物としては、
n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブ
チルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリ
チウム等のモノ有機リチウム化合物、ジリチオメタン、
1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシク
ロヘキサン、1,2−ジリチオ−1,2−ジフェニルメタン、
1,3,5−トリリチオベンゼン等の多官能性有機リチウム
化合物等であるが、これらは単独で、または2種以上の
混合物で使用される。
また、本発明に使用される多官能性有機リチウム化合物
としては、上記のモノ有機リチウム化合物と他の化合物
を反応させることによって、実質的に多官能性有機リチ
ウム化合物となり得るものも使用される。例えば、モノ
有機リチウム化合物とポリビニル芳香族化合物との反応
生成物(特公昭55−6652号)、モノ有機リチウム化合物
と共役ジエン、および/またはモノビニル芳香族化合物
を反応させた反応生成物、或いはモノ有機リチウム化合
物、共役ジエン、および/またはモノビニル芳香族化合
物、およびポリビニル化合物の三者を同時に反応させた
反応生成物(西独特許2003384)等である。
本発明において用いられる炭化水素溶媒としては、脂肪
族、脂環族、および芳香族炭化水素を使用することがで
きる。例えば、炭化水素溶媒としてはプロパン、イソブ
タン、n−ヘキサン、イソオクタン、シクロペンタン、
シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン等であり、特に好
ましい溶媒はn−ヘキサン、シクロヘキサン、ベンゼン
である。これらは1種、または2種以上の混合物として
用いても良い。
本発明において用いられるルイス塩基としては、ジエチ
ルエーテル、エチレングリコール・ジメチルエーテル、
エチレングリコール・ジ−n−ブチルエーテル、エチレ
ングリコール・n−ブチル−tert−ブチルエーテル、ジ
エチレングリコール・ジメチルエーテル、トリエチレン
グリコール・ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、
α−メトキシメチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、
1,2−ジメトキシベンゼン、トリエチルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、ポタシウム
−tert−アミルオキサイドなどが挙げられる。これらの
化合物は単独、または2種類以上の混合物として用いら
れる。
本発明において使用する特定の官能基を有する有機化合
物で、分子中に とN−R1基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物
(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R1は水素原
子又は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシアルキ
ル基、アリール基を表わす)としては、4,4′−ビス
(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジ
メチルアミノ)チオベンゾフェノン、1,3−ジメチル−
2−イミダゾリジノン、1,3−ジエチル−2−イミダゾ
リジノン、1,3−ジプロピル−2−イミダゾリジノン、
1−メチル−3−(2−メトキシエチル)−2−イミダ
ゾリジノン、1−メチル−3−(2−エトキシエチル)
−2−イミダゾリジノン、1,3−ジ−(2−エトキシエ
チル)−2−イミダゾリジノン、1,3−ジメチルエチレ
ンチオウレア、N,N′−ジエチルプロピレンウレア、N
−メチル−N′−エチルプロピレンウレア、1,3−ジメ
チル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノ
ン、N−メチルアクリドン、テトラメチルウレア、テト
ラメチルチオウレア、N,N−ジフェニルアセトアミド、
N,N−ジメチルベンズアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、1,1,3,3−テトラブチルウレア、N,N′−カルボニル
ジミダゾール、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチ
ル−ε−カプロラクタム、コハクイミド、N−メチルコ
ハクイミド、カルバミン酸メチル等が挙げられる。
また、一般式R3−(−N=C=Y)nで示されるイソシ
アネート類(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、
R3は脂肪族、環状脂肪族、芳香族、あるいは炭素数2〜
20個の炭化水素基を表わし、nは1,2,3の整数を表わ
す)としてはイソシアン酸メチル、イソシアン酸エチ
ル、イソシアン酸−n−ブチル、イソシアン酸フェニ
ル、イソシアン酸−1−ナフチル、イソチオシアン酸メ
チル、イソチオシアン酸エチル、イソチオシアン酸−i
−ブチル、イソチオシアン酸−n−ブチル、イソチオシ
アン酸−tert−ブチル、イソチオシアン酸アリル、イソ
チオシアン酸フェニル、イソチオシアン酸ベンジル、イ
ソチオシアン酸−p−トリル、ジフェニルエーテル−4,
4′−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,
4′−ジフェニルメタンジイソシアナート、トルエンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチル
ヘキサメチレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジ
フェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、トルエン
ジイソシアナート、ベンゼン−1,2,4−トリイソシアネ
ート等が挙げられる。
更に、一般式(R4)3−M−Xで示される有機金属化合
物(式中R4は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシ
アルキル基、アリール基を表わし、Mは周期律表IV族b
の金属原子を表わし、Xはハロゲン原子を表わす)とし
ては、トリメチルクロルシラン、トリフェニルクロルシ
ラン、トリエトキシクロルシラン、トリエチルゲルマニ
ウムクロライド、トリフェニルゲルマニウムクロライ
ド、トリメチルスズクロライド、トリエチルスズクロラ
イド、トリ−n−ブチルスズクロライド、トリ−n−ブ
チルスズブロマイド、トリプロピルスズクロライド、ブ
チルジメチルスズアイオダイド、ジ−n−ブチルビニル
スズブロマイド、トリメトキシ−n−ブチルスズクロラ
イド、n−ブチルジシクロヘキシルスズブロマイド、ト
リフェニルスズクロライド、ジエチルフェニルスズブロ
マイド、トリ−n−ブチル鉛クロライド、トリフェニル
鉛クロライド等が挙げられる。
本発明で使用される特定の官能基を有する有機化合物の
使用量は、有機アルカリ金属化合物1モルに対して、通
常0.25モル〜2.0モルであり、好ましくは0.4モル〜1.5
モルであり、特に好ましくは1.0モルである。
本発明においては、全重合体分子の25重量%以上、好ま
しくは40重量%以上が特定の官能基を有する有機化合物
で変性されていることが必要である。
また、本発明で使用する官能基によって変性された共重
合体は、その一部が分岐構造を有していることも可能で
ある。かかる分岐構造は、重合体の低温流れの改良や、
加工性の改良のために導入される。分岐構造とするため
には、少量の二官能性以上の単量体、例えばジビニルベ
ンゼンを共重合する方法や、活性末端の一部を四塩化ケ
イ素、四塩化スズなどの三官能性以上の活性ハロゲン化
合物やポリエポキシ化合物、ポリエステル等と反応させ
る方法が採用される。これらの分岐構造は、変性共重合
体の特徴を失わせない範囲内で導入することが望まし
い。
また、これらの特定の官能基を有する有機化合物の添加
方法については特に限定はないが、スチレンとブタジエ
ンとの共重合において以下のような方法が好ましい。
例えば一つの方法は共重合終了後、有機化合物を添加す
る方法、或は有機化合物を添加し、次いでカップリング
剤を添加する方法、或はカップリング剤を添加し、次い
で有機化合物を添加する方法、或はブタジエンを添加
し、次いで有機化合物を添加する方法である。他の方法
はスチレンとブタジエンの共重合途中に、共重合反応を
停止させないような量の有機化合物を添加し、次いで共
重合終了後カップリング剤を添加する方法、或は有機化
合物を添加し、次いで有機リチウム化合物を添加する方
法である。
要するに特定の官能基を含有する有機化合物の添加方法
については使用目的によって決めると良い。
本発明における重合形式はバッチ重合方式、或は連続重
合方式のいずれでも良い。
本発明における重合温度は20〜130℃の範囲である。バ
ッチ重合方式では36〜87℃で重合が開始され、最高温度
が90〜125℃に到達するように上昇温度下で行うことが
推奨される。
所定の反応終了後2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾ
ールのような酸化防止剤を添加した後、生成重合体を分
離、洗浄、乾燥等通常の後処理を行ない、目的とする重
合体を得ることができる。
本発明の共重合体は、溶液状態でプロセス油と混合し、
混合後溶媒を除去せしめて油展ゴムとして使用しても良
い。
本発明の共重合体は単独または他の合成ゴムないし天然
ゴムとブレンドし、各種ゴム用途の原料ゴムとして、該
原料ゴム100重量部に対し、プロセス油5〜60重量部、
カーボンブラック30〜100重量部を配合して使用するこ
とができる。この場合、本発明の優れた特性を発現する
には少なくとも原料ゴムの30重量%は本発明の共重合体
であることを必要とする。また、ブレンドとして用いら
れる他の合成ゴムないし天然ゴムとして好ましいものは
スチレン−ブタジエン共重合体、シス−1,4−ポリブタ
ジエン、1,2−シンジオポリブタジエン、1,2−ビニル結
合含有量10%〜90%のポリブタジエンゴム、ポリイソプ
レンまたは天然ゴムが挙げられ、これらの中から1種ま
たは2種以上を用いることができる。
ゴムの配合に用いられるプロセス油は、石油留分のうち
高沸点成分から成り、油の炭化水素分子の化学構造によ
って通常3種に分類され、分類の基準は粘度比重恒数
(VGCと略す)の大小による。一般にVGCが0.790〜0.849
のものはパラフィン系、0.850〜0.899のものはナフテン
系、0.900以上はアロマチック系として分類される。こ
のうち、本発明の共重合体がカーボンブラックを配合し
て使用するため、プロセス油としては通常アロマチック
系が一般的であり、特に好ましくはVGC0.930以上のアロ
マチック系である。
本発明に使用されるプロセス油の添加量は原料ゴム100
重量部に対し5〜60重量部、好ましくは5〜35重量部で
ある。プロセス油が5重量部未満ではカーボンブラック
や加流促進剤等の他の配合剤の分散が良好でなく、逆に
60重量部を越えると得られた加流物の物性が劣る。
本発明に使用されるカーボンブラックは、FEF,HAF,ISAF
等、通常使用されているものであるが、その使用量は、
該原料ゴム100重量部に対し30〜100重量部、好ましくは
40〜75重量部である。30重量部未満では補強効果が十分
でなく、一方、100重量部を越えると反発弾性、破壊強
度などが低下してくる。
本発明の共重合体は、上記カーボンブラック、ゴム用プ
ロセス油の他に、さらにホワイトカーボン、炭酸カルシ
ウム、炭酸マグネシウム等の他の補強剤や充填剤を配合
することもできるし、また酸化亜鉛、ステアリン酸、酸
化防止剤、オゾン劣化防止剤、加流促進剤、加流剤、ワ
ックス等も必要に応じて選択し配合することもできる。
上記いずれの配合剤もその混合のためには、バンバリ
ー、ニーダーあるいはオープンロール等の通常の手段に
よって実施される。
かくの如く得られた本発明のゴム組成物は加流工程を経
た後、多くの有用な用途、例えばタイヤトレッド、カー
カス、サイドウォール等のタイヤ用途、或は押出製品、
自動車窓枠、工業用品等の用途に使用することができ
る。
[実施例] 以下、実施例によって本発明を説明するが、これらの実
施例は本発明を限定するものではない。なお各種特性の
測定は以下の方法にて実施した。
スチレン−ブタジエン共重合体のスチレン連鎖分布は、
最近田中らによって開発された方法で分析される。具体
的には、スチレン連鎖分布はブタジエン単位の二重結合
をすべてオゾン開裂して得た分解物のゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラム(GPC)によって分析される(高分
子学会予稿集29巻9号2055項)。
共重合体のガラス転移温度域での変曲点間の温度差(Δ
T)はセイコー電子工業(株)製のDSC(商品名:SSC58
0)を用いて測定して得られた吸熱曲線におけるガラス
転移温度近辺の最初の変化点から最終の変化点までの温
度幅にて求めた。測定条件はASTM−D3418−82に従っ
た。重量平均分子量(w)と数平均分子量(n)と
の比w/nはウォーター社製のGPC(商品名:204コン
パクト型)を用い、移動相としてテトラヒドロフランを
用いて得たGPC曲線からポリスチレン換算の重量平均分
子量(w)と数平均分子量(n)とを求めて計算し
た。重合系中のモノマー組成におけるスチレンモノマー
含有量および重合転化率は重合器内より抜き出したサン
プルを島津製作所製のガスクロマトグラフィ(商品名:G
C7A)を用いて分析して得られたモノマー転化率を用い
て計算した。
ムーニー粘度は通常の方法にてLローターを使用して10
0℃にて測定した。結合スチレンは紫外線吸収スペクト
ル法により、262nmのフェニル基に基づく吸収から算出
した。ブタジエン部のミクロ構造は赤外分光光度計を用
いて、ハンプトン法により計算した。加流物の引張強度
はJIS K6301によって測定した。反発弾性はダンロップ
トリプメーターを使用して試験温度70℃にて測定した。
耐摩耗性はピコ摩耗試験機を用いて測定した。ウェット
スキッド抵抗性は英国道路研究所製装置にて測定した。
実施例1〜11,比較例1〜11 表−2のサンプルを以下に示す方法で調整した。
サンプルA〜Sは窒素雰囲気下、内容積約10lのステン
レス製の攪拌機付の重合器に表−1に示すように所定量
のシクロヘキサン、スチレン(以下第1スチレンと呼
ぶ)、1,3−ブタジエン(以下第1ブタジエンと呼
ぶ)、およびテトラヒドロフランを仕込み、重合器内の
温度を調節した後、所定量のn−ブチルリチウムを添加
して共重合を開始し、重合温度が最高温度に到達して共
重合が終了した後、表−1に示すように所定量の有機化
合物を添加し約10分間の反応後、安定剤として2,6−ジ
−tert−ブチル−p−クレゾール5gを添加し、溶剤を加
熱除去して得た。但しサンプルA,C,D,F,G,H,I,K,M,N,O,
Q,R,Sはその共重合開始時から、またサンプルB,E,J,L,P
は表−1に示す重合転化率の時から表−1に示す所定量
の追加添加第1ブタジエンを連続的に追加供給し共重合
終了後、表−1に示す有機化合物を所定量添加して得
た。またサンプルJは第1段階の共重合終了後、第2ス
チレンと第2ブタジエンを表−1に示すように所定量を
同時に仕込み共重合を開始し、重合転化率が71%の時か
ら表−1に示す所定量の追加添加第2ブタジエンを連続
的に追加供給することにより得た。
また、サンプルIは共重合終了後、末端の活性リチウム
1モルに対して0.075モル(0.3当量)の塩化第2スズを
カップリング剤として添加して共重合体の一部を分岐状
とし、次いで表−1に示す所定量の有機化合物を添加し
て得た。
サンプルMは1,2−ブタジエン0.18gを第1スチレン、第
1ブタジエンと同時に重合系に添加した。またサンプル
Sは共重合開始時に重合系に、カリウム−tert−アミル
アルコラートを0.05g添加した。
サンプルA〜Sの基本特性を表−2に示す。これらのサ
ンプルを表−3の配合処方に従って、小型加圧ニーダー
にて混練、混合して得られた未加流ゴム組成物を145℃
にて加流し物性評価を実施した。その測定結果を表−4
に示す。
実施例1〜11は比較例1〜11に比較して、反発弾性、ウ
ェットスキッド抵抗性、耐摩耗性のバランスに特に優
れ、引張強度をも改良している。
なお、表−1中Tiは重合開始温度、Tpは最高到達温度を
示す。
[発明の効果] 本発明に係るランダムスチレン−ブタジエン共重合体
は、その共重合体鎖中に特定の官能基を結合させたもの
であり、共重合体鎖中のスチレン単位が特定のスチレン
連鎖分布を有し、かつ特定のスチレン組成分布を有する
ものであるため、この共重合体は反発弾性、ウェットス
キッド抵抗性、および耐摩耗性のバランスに優れ、かつ
引張強度に優れるためタイヤトレッド、カーカス、サイ
ドウォール等のタイヤ用途、或は押出製品、自動車窓
枠、防振ゴム、工業用品等の用途に使用することがで
き、その工業的意義は大きい。
【図面の簡単な説明】
第1図は、各実施例と比較例で得た共重合体のDSC測定
による吸熱曲線を示す。第1図中でのΔTはガラス転移
温度域での変曲点間の温度差を示し、(イ)はサンプル
A、(ロ)はサンプルC、(ハ)はサンプルJ、(ニ)
はサンプルLのDSC吸熱曲線を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一種のルイス塩基を含有した炭
    化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤とし
    てスチレンとブタジエンとを共重合し、次いで i)分子内に とN−R1基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物
    (式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R1は水素原
    子又は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシアルキ
    ル基、アリール基を表わす) ii)一般式R3−(−N=C=Y)nで示されるイソシア
    ネート類(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R3
    は脂肪族、環状脂肪族、芳香族、あるいは炭素数2〜20
    個の炭化水素基を表わし、nは1,2,3の整数を表わす) iii)一般式(R4)3−M−Xで示される有機金属化合
    物(式中R4は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシ
    アルキル基、アリール基を表わし、Mは周期律表IV族b
    の金属原子を表わし、Xはハロゲン原子を表わす) なる群より選ばれる有機化合物を少なくとも1種添加さ
    せてなるムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜150,GPCで
    測定される重量平均分子量(w)数平均分子量(
    n)との比w/nが1.1〜3.0、結合スチレン含有量が
    10重量%〜45重量%、該共重合体のスチレンモノマー単
    位1個のスチレン単連鎖が、全結合スチレンの65重量%
    以上で、スチレンモノマー単位が8個以上連なったスチ
    レン長連鎖が全結合スチレンの5重量%以下であり、か
    つ差動走査熱量計(DSC)によって分析される吸熱曲線
    におけるガラス転移温度域での変曲点間の温度差が15℃
    以上であるランダムスチレン−ブタジエン共重合体。
  2. 【請求項2】少なくとも一種のルイス塩基を含有した炭
    化水素溶媒中で、有機リチウム化合物を重合開始剤とし
    てスチレンとブタジエンとを共重合し、次いで i)分子内に とN−R1基とをそれぞれ少なくとも1つ有する化合物
    (式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R1は水素原
    子又は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシアルキ
    ル基、アリール基を表わす) ii)一般式R3−(−N=C=Y)nで示されるイソシア
    ネート類(式中Yは酸素原子又は硫黄原子を表わし、R3
    は脂肪族、環状脂肪族、芳香族、あるいは炭素数2〜20
    個の炭化水素基を表わし、nは1,2,3の整数を表わす) iii)一般式(R4)3−M−Xで示される有機金属化合
    物(式中R4は炭素数1〜20個のアルキル基、アルコキシ
    アルキル基、アリール基を表わし、Mは周期律表IV族b
    の金属原子を表わし、Xはハロゲン原子を表わす) なる群より選ばれる有機化合物を少なくとも1種添加さ
    せてなるムーニー粘度(ML1+4,100℃)が10〜150,GPCで
    測定される重量平均分子量(w)数平均分子量(
    n)との比w/nが1.1〜3.0、結合スチレン含有量が
    10重量%〜45重量%、該共重合体のスチレンモノマー単
    位1個のスチレン単連鎖が、全結合スチレンの65重量%
    以上で、スチレンモノマー単位が8個以上連なったスチ
    レン長連鎖が全結合スチレンの5重量%以下であり、か
    つ差動走査熱量計(DSC)によって分析される吸熱曲線
    におけるガラス転移温度域での変曲点間の温度差が15℃
    以上であるランダムスチレン−ブタジエン共重合体を少
    なくとも30重量%以上含有する原料ゴムに、該原料ゴム
    100重量部に対して、ゴム用プロセス油5重量部〜60重
    量部、カーボンブラック30重量部〜100重量部を配合し
    てなるゴム組成物。
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