JPH0796533B2 - 芳香族ニトロ化合物の製法 - Google Patents

芳香族ニトロ化合物の製法

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JPH0796533B2
JPH0796533B2 JP62056791A JP5679187A JPH0796533B2 JP H0796533 B2 JPH0796533 B2 JP H0796533B2 JP 62056791 A JP62056791 A JP 62056791A JP 5679187 A JP5679187 A JP 5679187A JP H0796533 B2 JPH0796533 B2 JP H0796533B2
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方彦 古谷
斉 中島
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、芳香族ニトロ化合物の製法に関するもので、
さらに詳しくは、ベンゼンまたはベンゼン誘導体をシリ
カ/アルミナモル比が少なくとも20の結晶性アルミノシ
リケート含有触媒の存在下に、硝酸の水溶液を用いて液
相状態でニトロ化することを特徴とする芳香族ニトロ化
合物の製法に関するものである。
(従来の技術) 芳香族ニトロ化合物は、芳香族アミノ化合物の原料等に
用いられる有用な有機化学品の中間体である。芳香族ニ
トロ化合物の工業的製法は、硝酸と濃硫酸の混合物であ
る混酸を用い実施されているが、多量の硫酸を用いるた
め、廃硫酸や廃水処理等の問題がある。一方、廃硫酸を
発生させない方法として気相ニトロ化法が提案されてい
る。例えば、特開昭50−121234号公報には、シリカ・ア
ルミナやアルミノシリケートを触媒に用い、ハロベンゼ
ンを気相ニトロ化する方法が、特開昭54−95521号公報
には、約5〜10Åの細孔径を有する分子ふるい触媒の存
在下で、クロロベンゼンを気相ニトロ化する方法が、特
開昭58−157748号公報、特開昭59−216851号公報には、
アルミノシリケートゼオライトを触媒とし、芳香族化合
物を気相ニトロ化する方法が開示されている。
(発明が解決しようとする問題点) 公知の気相ニトロ化方法は、廃硫酸等の処理の問題解決
にはつながるが、いずれも比較的高い反応温度を必要と
しているにもかかわらず、触媒当りのニトロ化合物の収
率も比較的低く、満足できる水準にない。さらに、気相
で比較的高い温度条件のためニトロ化剤の熱分解が生
じ、ニトロ化剤効率が低くなるし、発生する酸化窒素ガ
スは有害であり廃ガス処理が必要となる等の問題も有し
ている。
気相ニトロ化反応はインダストリー・アンド・エンジニ
ヤリングケミストリー,June,1936,662ページ等に記載の
反応式として、次式にしたがつていると推定されてい
る。
また、硝酸をニトロ化剤として用いても、硝酸は気相で
は次式にしたがつて酸化窒素への分解が生じること、水
和した硝酸はより安定であることがメラー著「インオー
ガニツク・アンド・セオレテイカルケミストリー」8
巻,572頁等に記載されている。
4HNO3→4NO2+2H2O+O2 ……(2) したがつて、気相ニトロ化反応においては、酸化窒素ガ
スの生成は本質的に避けられないものである。
これら酸素や酸化窒素の発生は、ニトロ化反応以外の副
反応を生じる恐れも有している。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、比較的低い温度で、かつ高い収率が得ら
れる芳香族化合物のニトロ化法について鋭意検討を加え
た結果、ベンゼンまたはベンゼン誘導体をシリカ/アル
ミナモル比が少なくとも20の結晶性アルミノシリケート
を触媒とし、硝酸水溶液を用いて液相状態でニトロ化す
ることにより目的が達成されることを見い出したもので
ある。すなわち、硝酸の水溶液をニトロ化剤に用い、し
かも液相状態で反応させることにより、酸化窒素等の有
害ガスの発生を抑制でき、かつ前述の触媒が比較的低温
の液相反応に高い活性を有することを見い出したもので
ある。
本発明方法は、従来公知のニトロ化方法に比べ、ジニト
ロ体等の副生物がほとんど生成しない特徴も有してい
る。また、モノハロベンゼン等のニトロ化において生成
するオルト体、メタ体、パラ体の異性体分布において有
用なパラ置換体を高い選択率で得ることができる等の特
徴も合せ有している。
本発明においては、芳香族化合物としてベンゼンおよび
ベンゼン誘導体が用いられる。ベンゼン誘導体として
は、トルエン、エチレンベンゼン等のアルキルベンゼ
ン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、モノブロ
モベンゼン、ジブロモベンゼン、モノヨウ化ベンゼン、
ジヨウ化ベンゼン等のハロゲン化ベンゼン類を例示する
ことができる。これら芳香族化合物は、液相状態で反応
に供する。
本発明で用いるニトロ化剤は硝酸水溶液であつて、硝酸
濃度としては10〜98%で、好ましくは30〜90%である。
硝酸濃度が低く過ぎると反応率が低く、98%を超えると
NOXの発生が生じ、ニトロ化剤の効率が減少する。
硝酸の使用割合は、ベンゼンまたはベンゼン誘導体1モ
ルに対して0.1〜10モル、好ましくは0.2〜3.0モルが用
いられる。
反応温度としては、用いられるベンゼンあるいはベンゼ
ン誘導体により異なるが、通常50〜150℃、好ましくは6
0〜120℃が用いられる。
反応圧力は通常常圧で実施されるが、反応系を液相に保
つため加圧にしてもさしつかえない。
本発明で用いる結晶性アルミノシリケートとしては、シ
リカ/アルミナモル比が少なくとも20で好ましくは30以
上のものであり、特に細孔径が約5〜6.5Åの中間細孔
径を有するものが好都合に用いられる。これら結晶性ア
ルミノシリケートを例示すれば、ZSM−5、ZSM−11、ZS
M−12、ZSM−23、ZSM−34、高シリカモルデナイト、脱
アルミ安定化Yゼオライト、AZ−1型ゼオライト(特開
昭59−128210号公報開始)等を挙げることができる。特
にZSM−5型が活性も高く、かつモノハロベンゼン類等
のニトロ化において有用なパラ置換体の選択率が高く、
好都合に用いることができる。これら結晶性アルミノシ
リケートは、通常プロトン交換型で用いるが、多価カチ
オンで交換したものも用いることができる。
これら触媒の使用形態としては、懸濁状態あるいは固定
床方式等通常の液相反応に用いられる形態で用いること
ができる。触媒の使用量としては、流通方式の場合はベ
ンゼンまたはベンゼン誘導体と硝酸の合計基準に対して
0.1〜20hr-1の重量空間速度(WHSV)が用いられる。懸
濁状態で用いる場合は、ベンゼンまたはベンゼン誘導体
と硝酸の合計重量に対して5〜50%、好ましくは10〜30
%の触媒が用いられる。
(発明の効果) 本発明の方法によれば、ベンゼンまたはベンゼン誘導体
のニトロ化を比較的低温で、かつ高い空時収率で実施す
ることができるとともに、廃硫酸の処理やNOX等の有害
ガスの処理も不要であり、その工業的利点は極めて大き
い。さらに、副生成物として取り扱いが困難なジニトロ
体の生成等もほとんどなく、分離操作上の利点もある。
さらに加えて、モノハロベンゼン等のニトロ化において
耐熱性高分子原料として有用なパラ異性体の選択率を高
められる等の利点も有している。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明を具体的に示すが、本発明
は、これに限定されるものではない。
実施例1 公知方法にしたがつてH型ZSM−5(SiO2/Al2O3=46)
を調製し、反応に供した。
クロロベンゼン6.8g、61%硝酸12.5gおよびH型ZSM−5
粉末4gを、ガラス製の50mlの撹拌器付きフラスコに入
れ、撹拌下90℃に加熱し2時間反応を行なつた。冷却
後、有機層を取り出し、ガスクロマトグラフを用い分析
を行なつた。その結果、ニトロクロロベンゼンの収率は
45モル%で、ニトロクロロベンゼンの異性体比率はオル
ト体:メタ体:パラ体=19:1:80であつた。なお、ジニ
トロ体の生成は見られなかつた。
実施例2 反応温度を80℃にした以外は、実施例1と同様にクロロ
ベンゼンのニトロ化反応を行なつた。その結果、ニトロ
クロロベンゼンの収率は30モル%で、オルト体:メタ
体:パラ体=19.7:0.8:79.5であつた。なお、ジニトロ
体の生成は見られなかつた。
実施例3 テフロン内張りのSUS製100mlオートクレーブを用い、ク
ロロベンゼン17g、61%硝酸30gおよび前述のH型ZSM−
5 10gを仕込み、窒素加圧2kg/cm3、撹拌下加熱し、12
0℃で2時間反応を行なつた。その結果、ニトロクロロ
ベンゼンの収率65.9モル%で、オルト体:メタ体:パラ
体=17.5:0.5:82.0であつた。
実施例4 実施例1と同様に、ただし、硝酸量を6.2g、H型ZSM−
5量を2gにし、反応温度80℃で2時間反応を行なつた。
その結果、ニトロクロロベンゼンの収率は14モル%で、
異性体比率はオルト体:メタ体:パラ体=19:0:81であ
つた。
実施例5 SiO2/Al2O3=90のH型ZSM−5を公知方法により調製
し、反応に用いた。クロロベンゼン6.4g、50%硝酸10g
およびH型ZSM−5 4gを実施例1と同様に、90℃で2
時間反応を行なつた。その結果、ニトロクロロベンゼン
の収率は21.6モル%で、オルト体:メタ体:パラ体=8:
0:82であつた。なお、ジニトロ体の生成は見られなかつ
た。
実施例6 実施例1と同様の方法で、ベンゼン5g、61%硝酸12.5g
および実施例5で用いたと同じH型ZSM−5 4gを用
い、75℃で2時間反応を行なつた。その結果、ニトロベ
ンゼンの収率は34モル%であり、ジニトロ体等の副生物
は見られなかつた。
実施例7 クロロベンゼンをブロモベンゼン9gに替えた以外は、実
施例1と同様にニトロ化反応を行なつた。その結果、ニ
トロブロモベンゼンの収率は24.8モル%でオルト体:メ
タ体:パラ体=14.3:0.3:85.4であつた。なお、ジブロ
モベンゼン0.3モル%の生成が認められたがジニトロ体
の生成は見られなかつた。
実施例8 石英製反応管(10mmφ)に実施例1で用いたと同じH型
ZSM−5を圧縮成形し、10〜20メツシユに砕いたものを4
g充填して90℃に加熱し、クロロベンゼン4.2cc/Hr、61
%硝酸1.8cc/Hrを同時に供給し、反応を行なつた。通液
後6時間目の反応流出液(有機相)の分析結果は、ニト
ロクロロベンゼンの収率17モル%で、オルト体:メタ
体:パラ体=16:0:84であり、ジニトロ体の生成は見ら
れなかつた。また、反応中NOXガスの発生は見られなか
つた。
実施例9 市販の高シリカモルデナイト(SiO2/Al2O3=22)を公知
方法によりH型として触媒に用いた以外は、実施例2と
同様に行なつた。その結果、ニトロクロロベンゼンの収
率25モル%でオルト体:メタ体:パラ体=39.2:0.2:60.
6であつた。
実施例10 市販の脱アルミY型ゼオライト(SiO2/Al2O3≒100)を
触媒とし、実施例1と同様に、クロロベンゼンのニトロ
化反応を85℃で2時間行なつた。その結果、ニトロクロ
ロベンゼンの収率は24モル%で、オルト体:メタ体:パ
ラ体=30:0:70であつた。
実施例11 実施例8と同様に、ただし、触媒として実施例5で用い
たと同じ触媒を成形して用い、クロロベンゼン4.2cc/H
r、硝酸0.9cc/Hrを供給して反応を行なつた。通液6時
間目の反応流出液(有機相)の分析結果は、ニトロクロ
ロベンゼンの収率9モル%で、オルト体:メタ体:パラ
体=13.8:0:86.2であり、ジニトロ体の生成は見られな
かつた。また、反応中NOXガスの発生は見られなかつ
た。
比較例1 実施例1と同様で、ただし、触媒を用いず反応を行なつ
た結果、クロロベンゼンの転化率は7%であり、ニトロ
クロロベンゼンの異性体比はオルト体:メタ体:パラ体
=41.5:0.1:58.4であつた。
比較例2 実施例1と同様に、ただし、触媒として市販のシリカ・
アルミナ(Al2O3含有量13重量%)を乳鉢で粉末状にし
たもの4gを用い、クロロベンゼンのニトロ化反応を行な
つた。その結果、ニトロクロロベンゼンの収率8%で、
オルト体:メタ体:パラ体=40:0:60であつた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ベンゼンまたはベンゼン誘導体をシリカ/
    アルミナモル比が少なくとも20の結晶性アルミノシリケ
    ート含有触媒の存在下に、硝酸水溶液を用いて液相状態
    でニトロ化することを特徴とする芳香族ニトロ化合物の
    製法。
  2. 【請求項2】結晶性アルミノシリケートが5〜6.5Åの
    有効細孔径を有するものである特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
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