JPH0797455B2 - 基板上に超伝導層を形成する方法 - Google Patents

基板上に超伝導層を形成する方法

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JPH0797455B2
JPH0797455B2 JP63069972A JP6997288A JPH0797455B2 JP H0797455 B2 JPH0797455 B2 JP H0797455B2 JP 63069972 A JP63069972 A JP 63069972A JP 6997288 A JP6997288 A JP 6997288A JP H0797455 B2 JPH0797455 B2 JP H0797455B2
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    • C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明は、任意のタイプの基板を高Tc超伝導体で被覆す
る方法に関し、より詳しくは、これらの超伝導材料をす
ぐれた超伝導特性をもつ広い被覆を与えるような様式で
被覆する熱的スプレー方法に関するものである。
B.従来技術 超伝導性とは通常、ある厳密に決定された温度で物質の
電気抵抗を完全に失うことであると定義される。そのこ
とは、周期律表におる元素の約1/4、及び1000以上の合
金、さらに他の多重成分システムを含む多くの物質にお
いて知られている。一般的に超伝導性とは物質の金属状
態の性質であると考えられいる。というのは、知られて
いるすべての超伝導体は、超伝導性になさしめる条件下
で金属状態であるからである。
超伝導体は、ジヨセフソン型スイツチなどの高速スイツ
チング・デバイスと、高密度パツケージ及び回路レイア
ウト、電気的装置と、磁気遮蔽と、電送線などの多くの
応用分野がきわめて魅力的であると知られている。しか
し、超伝導体の利点は科学者にも技術者にも明白である
けれども、超伝導材料に共通の欠点は転位温度がきわめ
て低いということであつた。その温度はしばしば臨界温
度Tcと呼ばれ、その温度以上では超伝導性が存在しない
ような温度である。長年に亘つて、知られている最高の
Tcをもつ組成は、23゜KというTcを呈するNb3Geであつ
た。これらの材料についての概観は、M.R.Beasleyらに
よる、Phys.Today、37(10),60(1984)に述べられて
いる。
ところが、1986年になつて、Z.Phys.B−Condensed Matt
er、64、189ページ(1986)において、J.G.BednorzとK.
A.Muellerによつて著しい技術的突破口が開かれた。こ
の突破口は、ここ10年間の超伝導転位温度における最初
の主要な向上であり、BednorzとMuellerによつて述べら
れている物質は、希土類または近希土類と、アルカリ土
類置換体を含むような遷移金属酸化物である。これらの
物質は、しばしば酸素欠乏または酸素過剰によつて特徴
づけられる層状結晶構造を呈する。遷移金属は多価であ
ると考えられており、希土類、近希土類及びアルカリ土
類元素には多くの選択が可能である。そのような高Tc超
伝導体の例としては、La−Sr−Cu−O及びY−Ba−Cu−
Oシステムにおける酸化物がある。特に、きわめて良好
な超伝導材料は、化学式YBa2Cu3Oyによつて与えられる
いわゆる1−2−3相を呈するものであり、ここでy
は、組成の価電子条件を満たすために必要な値である。
これらの物質について述べている他の刊行物としては、
J.G.Bednorz他の、Euro−Physics Letters、3(3)、
379ページ(1987)がある。以下では、BednorzとMuelle
rによつて最初に報告され上記に例示されたような類の
ものを高Tc超伝導体と呼ぶことにする。これは、この分
野で仕事をしている人々によつてこれらの物質を記述す
るために一般的に使用されている名称であり、それらの
物質は、約30゜Kよりも高い超伝導性転移温度をもつ遷
移金属酸化物として特徴づけられる。MuellerとBednorz
の先駆的な業績以来、これらの超伝導体をさらに発展さ
せ、さらに高い臨界転移温度をもつ組成を提供するため
に、適当な技術的活動が行なわれている。尚、これに関
して、77゜K以上の温度で超伝導性を呈する単相Y−Ba
−Cu−Oシステムを記述する、本出願人に係る1987年3
月11日出願の米国特許出願第024653号(対応日本特許出
願昭和63−8600号(特開昭63−237313))がある。これ
らの高Tc超伝導体、特にLa−Sr−Cu−O及びY−Ba−Cu
−Oシステムについて記述する別の文献としては次のも
のがある。
Cave et al、Phys.Rev.Letters、58、408(1987). Cu et al、Phys.Rev.Letters、58、405(1987). 高Tc超伝導体の分野の別の重要な発展としては、高Tc組
成物の皮膜、特にLa−Sr−Cu−O及びY−Ba−Cu−Oシ
ステムに属する皮膜を作製することに成功したという最
初の報告がある。これらの皮膜はニユーヨーク市でのAm
erican Physical Societyの会合で1987年3月18日に発
表され、より詳しい記述は、R.B.Laibowitzらによつて
発表用に提出された論文にある。Laibowitzらが教示す
るところは、酸素雰囲気にある基板に対して金属原子の
気相輪送を行なうために複数の金属源が使用されるよう
な気相付着技術である。これによれば、例えば、電子ビ
ームにより加熱される源が所望の金属、例えばLa、Sr、
及びCu、あるいはY、Ba及びCuて満たされる。そして、
気化の比率は、基板に所望の公称の組成を与えるように
調節される。その後、付着された皮膜において所望の化
学量論を与えるために約900℃の酸素雰囲気でアニーリ
ングが行なわれる。これら皮膜及び製造工程のより詳し
い説明については、本出願人に係る1987年3月18日出願
の米国特許出願第027584号(対応日本特許出願昭和63−
27817号(特開昭63−230565))に記載されている。
これらの高Tc超伝導体の興味は非常に大きいけれども、
(ワイヤやリボン)などの広面積で不規則な形状をこれ
らの物質で迅速に被覆することができるような技術は今
のところない。さらに、これらの物質を広い面積に亘つ
て厚膜として与えるような技術は従来教示も示唆もなさ
れていない。しかるに広域磁気遮蔽などの多くの応用分
野では、広い領域に亘つて高品質の高Tc超伝導皮膜を与
えるような技術が提供されるなら、それは好都合であろ
う。このことはまた、大型で高価な真空付着源を不用と
させ、そのようなシステムの複雑さを回避することにも
つながる。
C.発明が解決しようとする問題点 本発明の目的は、高Tc超伝導体を基板上に、広い面積に
わたつて迅速に被覆する技術を提供する事にある。
本発明の別の目的は、任意の幾何形状をもつ基板を被覆
するために技術を提供する事にある。
本発明の別の目的は、任意に選択れた基板上に、高Tc超
伝導体の厚膜を、処理における出発材料よりも高い品質
で形成するために方法を提供する事にある。
本発明の別の目的は、高Tc超伝導体が厚膜として広い面
積の基板上に被覆される時に極めて大きい歩留りを可能
ならしめる処理を提供することにある。
D.問題点を解決するための手段 本発明は、高Tc超伝導材料の皮膜を、様々な幾何形状を
もつ基板上に広い面積にわたつて付着するための熱的ス
プレー技術であり、より詳しくは優れた特性を持つ高Tc
超伝導体の皮膜を付着するためのプラズマ・スプレー付
着処理である。この処理において、高Tc超伝導材料はバ
ルク(基体)として用意され、約1ミクロンと60ミクロ
ンの間の粒子サイズをもつ粉末に粉砕される。この粉末
は次にガスによつて運ばれ、熱いプラズマガス流に注入
されてそこで加熱され、被覆すべき基板へと運ばれる。
この皮膜の厚さは、一般的に約2ミクロンないし250ミ
クロンである。
基板上に付着される材料は理想的な超伝導特性(即ち高
Tc)をもたないかもしれず、場合によつては超伝導性で
ないこともありうる本発明の実施に際しては、付着され
た皮膜は、通常、酸素雰囲気中でアニールされて、高Tc
超伝導的な振舞いを回復し、或は呈するようになる。な
お、このようにして作製された皮膜が、粉末を作製する
ために粉砕された出発材料に対比して優れた超伝導特性
を持ちうる事が判つた。一般的に、アニールされた皮膜
は、被覆処理に使用するための粉末の形成の基となる出
発材料よりも所望の超伝導相をより高い割合で含む。驚
くべき事に、この結果は、付着された皮膜が所望の構造
を持たないときにすらもたらされる。
一般的には、付着すべき高Tc超伝導体は、粒子の形態で
用意されて装置に入れられ、そこで、粒子はプラズマま
たはアークにより加熱される。加熱された粒子は次に高
速で基板へと輸送され、そこで粒子は基板上で凝縮して
接着し、基板皮膜となる。次に基板は、皮膜を均一化し
より完全に超伝導相を形成するためにアニールされる。
E.実施例 本発明は、一般的には熱的スプレー付着の原理を利用
し、特に、プラズラ付着と、広い領域に亘つてすぐれた
高Tc超伝導体を達成するための付着後のアニールとを使
用する。プラズマ及び起爆ガン被覆は長年に亘つて産業
界で使用されており、次の文献に述べられている。
R.F.Bunshah他著、Deposition Technologies for Films and Coatings、Noyes Publica
tions刊、Parkridge、New Jersey、1982、pp.454−488. James H.Clare他著、Metal Handbook,9版、vol5−Surfa
ce Cleaning,Finishing and Coating,American Society
for Metals刊、Metals Park、Ohio、pp.361−374、198
2年10月 プラズマ及び起爆ガン処理は、粉末が融点付近またはそ
れ以上まで加熱され、(爆発波またはプラズマ、ガス流
によつて)基板へと加速される視準(line−of−sigh
t)処理である。粉末は、被覆するべき基板へと指向さ
れ、そこで衝撃により、薄い両面凸状の粒子または平板
常粒子に積重なる多くの層からなる被覆を形成する。こ
の処理において、皮膜の厚さは約1μmないし250μm
である。
ここで第1図を参照すると、アノード12とカソード14を
もつプラズマ・トーチ10を使用したプラズマ・スプレー
付着装置が使用されている。このアノード12は通常銅で
あり、カソード14は通常タングステンからなる。プラズ
マと、粒子の基板へと輸送用に使用されるガスは、入口
チューブ16を介してトーチヘと導入される。このガスは
通常アルゴン、窒素または、これらと水素またはヘリウ
ムの混合物である。以下で説明する例では、Ar+He、Ar
+H及びAr単独という異なるガスの組合わせが使用され
た。プラズマ・ガスは、カソード14の周囲から、限定用
ノズル18として働くアノード12の方へ流れる。通常高周
波放電によつて開始される、電圧源22によつてあらわさ
れる直流電流アーク20が形成されたとき、粉末がアノー
ド12とカソード14との間に供給される。この使用される
アーク電流と電圧は、この技術分野でよく知られている
ように、アノード/カソードの設計と、ガス流と、ガス
の組成に応じて異なる。使用される電力は、トーチのタ
イプと動作パラメータに応じて約5から80kwまでに亘
る。以下では、約20〜50kwの範囲の電力を用いる例が説
明される。
アークは、プラズマ24を生じさせる。アークによつて発
生されるガス・プラズマは、遊離電子と、イオン化原子
と、中性原子と、(窒素または水素が使用される場合に
は)双原子分子からなる。アノード/カソード構成と、
ガス密度と、質量流量と電流及び電圧が、プラズマ温度
と速度を決定する。ほとんとどの慣用トーチによるプラ
ズマ・ガス速度は音速以下であり、プラズマの温度は可
変であるが場合によつては5000゜Kを超える。例で示す
例では、プラズマ温度は約5000゜Kである。
基板26上に皮膜を付着するためには、付着すべき材料の
粉末が、入口チューブ28を通つてトーチ10に入る。粉末
粒子30はArなどのキヤリア・ガスによつて運ばれ、第1
図の構成におけるトーチ開口付近のプラズマに入つてゆ
く。粉末粒子は次に基板26へと運ばれ、そこで被覆32を
形成する。
粉末粒子30がプラズマ流24中で到達する速度は、主とし
てプラズマ・ガス流速度に依存し、副次的にはプラズマ
の質量流量と、粉末がガス流に運ばれる距離との統合的
結果に依存する。同様に粉末が到達する温度は、プラズ
マ温度(より詳細にはエンタルピー)と、プラズマの組
成と、プラズマ流中の走行時間との統合効果の関数であ
る。一方、粉末の速度と温度は、粒子のサイズ、粉末の
組成、熱容量、密度、発射率などの要因の関数である。
多くの応用技術において、プラズマ流への粉末の加入点
がが重要であつて、それの理想的な位置は、アノードの
のど34の均一パターンの上流である。というのは、その
地点だとおそらく、プラズマ流中に粉末を最良に分布さ
せることができ、粉末が最高のプラズマ温度にさらさ
れ、最長の走行経路あるいは時間が与えられると考えら
れるからである。しかしながら、ノズルののどまたは入
口への粉末の付着及び過剰加熱の問題があるので粉末は
通常ノズルの発散部分、またはトーチ出口のすぐ前であ
る(第2図)。
既述のように、粒子は基板26上での衝撃の際に溶融し、
あるいは部分的に溶融する。粒子の可塑性と流動性と速
度の組み合わせは、粒子が両凸の薄い形状に流動し、基
板または前に付着した材料の形状に従つて粒子自体が鋳
造されることをある程度可能ならしめる。そして、これ
が達成される程度が、皮膜32の強度と密度を決定する。
粉末は、プラズマ中での走行時間が短いのでプラズマに
よつて、過剰な温度まで加熱されることはない。走行中
の粉末が、プラズマのガス状雰囲気と反応する程度は、
プラズマ・ガスの組成と、プラズマ・ガスがノズルのの
ど34と基板26の間の雰囲気ガスと混合される量に依存す
る。プラズマ・ガスとして、アルゴンやヘリウムなどの
不活性ガスが使用されるとき、実質的に粉末の劣化が生
じることはない。
プラズマ・トーチ10、プラズマ・ガス制御装置、電源、
及び粉末30をトーチ10に供給する装置はすべて市販され
ている。プラズマ・スプレーを最適に実施するために
は、粉末は、プラズマ流に一定速度で均一に分配されな
くてはならない。このために設計された市販の粉末供給
装置にはさまざまなものがある。基板26上に均一の皮膜
を形成するために、基板を手動または全自動で回転また
は横方向移動させることができる。一般的には、プラズ
マ付着は視準的処理であるから、皮膜の構造は、付着の
角度、すなわちプラズマ・ジエツト流の軸と基板26の表
面の間の角度の関数である。最高の密度と接着強度をも
つ皮膜は、典型的には90゜の付着で達成される。しか
し、付着の角度にはいくらかのずれがあり、もしトーチ
の速度が十分に大きいなら、約60゜程度の小さい角度で
も許容できる。
本発明に使用することのできるトーチ10のサイズは容易
変更することができ、変更しても満足のゆく皮膜32を与
える。典型的な離隔距離、すなわちトーチのノズルまた
は前面から基板26までの距離は、約1インチ(25.4mm)
から約3インチ(76.2mm)あるいはそれ以上でよい。
粉末中の粒子30のサイズは、一般的には約1ミクロンと
約60ミクロンの間である。均一な加熱と加速を達成する
ためには、粒子サイズの分布がなるべく狭い方が望まし
い。粉末の加熱特性はしばしば、使用される粉末のサイ
ズに影響を受ける。一般的には、微細な粉末粒子はプラ
ズマ流24中できわめて迅速に加熱されるが、微細な粒子
は一方では、スプレーが長距離であるときに容易に慣性
を失う傾向にある。一般的に、微細粉末を使用するとよ
り集密であるがより応力の大きい皮膜がもたらされる。
後で詳細に説明する例においては、325メツシユ(約0.5
μm〜40μm)を通過する狭い分布範囲の粒子サイズを
用いて良好な品質のY−Ba−Cu−O皮膜が形成された。
一般に、小さいサイズの粒子を使用することは製造され
る皮膜を改善することになる。
尚、第1図には図示されていないけれども、基板26の選
択された領域に付着を限定するためにマスクを使用する
ことができる。使用されるマスクのタイプは、この技術
で知られているように、プラズマと粒子速度と離隔距離
に依存する。粒子が高速で距離が短いほど、より強靭な
マスクが必要とされる。
基板は、付着の間に、熱により歪みや容量変化しないよ
うに冷却してもよい。しかし、本願発明者の実験におい
ては、基板は通常、基板から含有ガスを除去するために
被覆の前に加熱され、付着の間も加熱された。高Tc超伝
導体の付着の場合、基板は例えば200℃から700℃への上
昇温度に保持された。
第2図は、第1図のプラズマ・スプレー付着装置の変形
である。これらの図の比較を容易ならしめるために、同
様の働きをする要素については同一の参照番号が使用さ
れている。第1図の構造との構造上の違いの1つとし
て、粉末とキヤリア・ガスの入口チユーブが、アノード
12の部分ではなくて、トーチ10の出口開口34のすぐ外側
に位置付けられている、ということがある。別の相違点
としては、酸素などのさらに別のガスを供給するために
プラズマ流24の付近にさらにガス入力ポート36A及び36B
が配置されているということがある。この酸素は、粒子
30が基板26に走行する間に失われる酸素を補償するべく
酸素を供給するために使用される。プラズマ中にガスを
供給することにより、ガスの反応性が高まる。
第3図は、本発明によつてアルミナ基板上に付着された
高Tc超伝導皮膜の抵抗対温度をプロツトした図である。
この皮膜は、酸素雰囲気中で932℃、12時間加熱し、皮
膜を3時間かけて473℃まて冷却し、次にさらに8時間4
73℃に皮膜を保つておくという、2段階の付着後アニー
リングにさらされた。この皮膜の超伝導性の開始温度は
95゜Kであり、完全な超伝導性は72.7゜Kで得られた。
この皮膜はYBa2Cu3Oyという公称組成を有し、yは、組
成の価電子条件を満足をする値である。典型的には、y
=7である。基板はアルミナであつた。
第4図は、Cu基板上に被覆された YBa2Cu3Oyのプロツトである。この皮膜も酸化雰囲気中
でアニールされ、101.4゜Kの超伝導開始温度を呈し、8
2.4゜Kで完全な超伝導性を呈した。
第3図に示す皮膜を作製するために、高Tc超伝導性YBa2
Cu3Oyの基体セラミツクを形成するべく標準的なセラミ
ツク技術が使用された。この基体セラミツクは、酸化銅
と、酸化イツトリウムと、炭酸バリウムを組み合わせる
ことによつて形成された。これらの材料は次に粉砕さ
れ、オーブンに入れられて数時間上昇温度で(約1600゜
F(871℃)まで)加熱された。良好な超伝導特性を得
るために、結果のセラミツクは約900℃の温度で酸素雰
囲気中でアニールされた。このあと、その材料は、プラ
ズマ・スプレー技術で使用するための粉末を作製するた
めに微細粒子に粋砕された。典型的な皮膜の場合、−32
5メツシユが使用され、このことは、粉末中の最大の粒
子がこの325メツシユふるいをちょうど通過するような
ものであることを意味する。
プラズマと、粒子を輸送するために使用されるガスは、
典型的にはArとHeの混合物である。約20〜50kwの電力を
印加し、粉末をArキアリア・ガス中に導入することによ
り、粒子は溶融状態になり、基板26上に付着されること
になる。使用し得る基板としては、アルミナ、酸化マグ
ネシウム、Cu、石英などがある。基板は200〜700℃まで
加熱してもよいけれども、そのような加熱は必須ではな
い。付着後、皮膜は、高Tc超伝導相を完成されるべくア
ニール・サイクルにさらされる。
付着された被覆は、被覆を均一化し被覆中に超伝導相を
形成するためにアニールされる。尚、出発原料が注意深
く精製されアニールされていた場合ですらも、プラズマ
付着後のアニールにより、出発材料よりもはるかに高い
割合の超伝導相が被覆中に形成されることがわかつた。
この相当に驚くべき結果は、プラズマ中を走行する間に
粒子に生じる変化、及びアニール工程によるものと考え
られ、アニール工程は、被覆材料の格子中の適切な原子
配列のために重要であると思われる。
アニール工程と、それが高Tc超伝導体の皮膜に及ぼす効
果は、前述の米国特許出願第027584号に詳細に記載され
ている。
通常は、2段階アニールは、La及びSrを含む超伝導性酸
化物に使用される。これらの被覆の場合、第1のアニー
ルが約400℃で純粋酸素雰囲気中で使用される。このア
ニールは約6〜30分間である。そのあと第2のアニール
が約700℃で純粋酸素雰囲気中で、やはり約6〜30分間
行なわれる。最初の低温アニールは皮膜に酸素を付与す
るものであり、次のより高温のアニール、超伝導性のた
めの適切な相を形成するために使用される。これらのLa
−Sr−Cu−O皮膜においては、もしアニール温度が約55
0℃よりも高いと、皮膜は酸素を失い始める。しかし、
これより高いアニール温度は、超伝導性のための適切な
ペロブスカイト状相を与えるために必要であることがし
ばしばある。それゆえ、約400℃の第1のアニール工程
が余分の酸素を組み込むことを可能ならしめ、第2のよ
り高温のアニール工程が、いくらかの酸素が失われても
適正な相が形成されることを可能ならしめるのである。
Y−Ba−Cu−O皮膜の場合、一般的に、これらの皮膜が
十分な酸素を含有しているがゆえに中間的なアニール工
程が必要である。それゆえ、一般的にY−Ba−Cu−O皮
膜は酸素雰囲気中でいきなり高温(約900℃)で数分間
アニールすることが可能である。これは次にゆるやかに
(約3時間で)室温まで冷却することができる。これと
は別の工程では、Y−Ba皮膜が先ず100%He雰囲気中で
約900℃まで加熱される。ヘリウムの存在は、皮膜中に
存在する組成の不均一をとり除くように混合を促し、以
て皮膜をより均一にする。この後で、約900℃の100%酸
素中での数分間のアニールを行うことができる。
前述のように、良好な品質の皮膜を与えるために基板の
加熱を利用することができる。基板の加熱と、プラズマ
組成と、温度と、走行距離等がアルカリ土類元素に対す
る希土類(または希土類に近い)元素の比、すなわち金
属元素の比を制御すると考えられている。この比の制御
は、高Tc超伝導体を得るために重要である。これらの付
着条件はまた、付着された皮膜の結晶化度及び結晶相を
制御するためにも使用することができる。この比を粉末
粒子中で制御することはしばしば困難であるので、金属
原子の適正な相と補正は、処理条件によつて制御するこ
とができる。基板の加熱はまた、しばしば適切な比を得
るために基板で必要な反応を生ぜしめる。このように、
基板温度は、前述の米国特許出願第027584号(対応日本
特許出願昭和63−27817号(特開昭63−230565))で指
摘されているように変動要因を揃えて調節するために使
用することができる。
前述のように、本発明の処理は、任意のタイプの高Tc超
伝導体を付着するために使用することができる。これを
行うためには、超伝導体の基体セラミツクが先ずよく知
られているセラミツク技術を用いて作製され、その後小
さな粒子を作製するためにセラミツクが粉砕される。こ
れらは、プラズマ中に組み込まれ加熱され基板へと輸送
され、そこで付着される。このとき、粉末を与えるため
に、粉砕の前に最適な出発セラミツクを使用することは
必要ではない。はじめのセラミツクは、未反応の材料す
なわち高Tcを呈さない材料でもよいと考えられる。そし
て、付着条件及びその後の被覆のアニールを適切に制御
することにより高品質の超伝導体が作製されることにな
る。
以下に示す表は、異なる付着条件を用いて基板上に付着
されたいくつかのY−Ba−Cu−O被覆の代表的な例を示
すものである。これらの例において、−325メツシユを
通過するような特定の粒子サイズのものが使用され、約
100gの粉末が使用された。プラズマ源はMetco 3MBとMet
co 7MB源であつた。基板温度とプラズマ・ガンの距離は
図示するとおりである。「O2シールド・ガス」という列
は、第2図の入口ポート36A及び36Bに酸素を与えること
をいう。付着された皮膜のシート抵抗がすべての例につ
いて測定された。表1においては、プラズマと輸送ガス
はArとHeの混合であり、表2においては、プラズマと輸
送ガスが、ある例に対してはArとH2の混合であり、ある
例に対しては、Arであつた。
別の驚くべき要因としては、プラズマ・ガスがHeとArの
混合物であるとき組成制御の程度がきわめて良好であつ
た、ということがある。しかしプラズマ・ガスがArとH
のときは、付着された皮膜が(出発材料から)しばしば
変更された。このように、ガスの組成を変更することに
よつて、異なる特性をもつ層状構造を形成することがで
きる。すなわち、出発材料が高品質のときは、HeとArを
使用することができ、出発材料が高品質でないときは、
組成を変更するためにArとHのプラズマ・ガスを使用す
ることができる。
尚、高Tc超伝導材料の粉末を用いた例を示してきたけれ
ども、粉末は、最終の被覆に含有させるべき非超伝導性
化合物から成っていてもよい。例えば、粉末は酸化銅の
粒子と、イツトリウムまたは酸化イツトリウムの粒子
と、酸化バリウム、炭酸バリウムなどを含んでいてもよ
い。従つて粒末を形成する出発原料は、酸化物、硫化物
または他の化合物であつてよい。これらの粉末は、被覆
中で所望される化学量論を保持するように酸素濃度が調
節されてなる酸素含有プラズマ中に供給することができ
る。さらに、基板は、使用すべき最終部品の形状で(例
えば、ワイヤ、リボン、プレート中の貫通孔など)あつ
てもよく、基板は、被覆が付着された後にさらに形成を
被るようなものでもよい。プラズマまたは基板の温度
は、付着の間にアニールと焼結を生じさせること(その
ためには、高温となされる)あるいは、制御された炉環
境において付着後のアニールを促すこと(そのために
は、低プラズマ温度となされる)のどちらかのために、
プラズマ源10に印加される電力を調節することによつて
調節することができる。被覆の均一さを保証するため
に、また基板温度を制御するために、付着の間に基板を
回転し操作することができる。それと同様であるが、基
板を固定しておいてプラズマ源を移動してもよい(ある
いは、それらの組合せ)。
プラズマ温度はまた、粒子が付着の間に固体または液滴
のどちらかであるように調節してもよい。このとき、選
択される温度は付着後のアニールの計画と、被覆に所望
される微細構造制御の量に依存する。一般的には、粒子
サイズが小さくなりプラズマ温都が高くなるほど一層被
覆が制御される。また、構成要素としての酸化物、硫化
物、炭酸塩または他の化合物の粒子は、被覆が(約400
℃以上に加熱された)熱い基板上に付着されてゆくにつ
れて、あるいは付着後に、均一な組成をもたらすべき焼
結のための粉末供給材料として使用することができる。
さらに、粒子の基板への衝突速度を調節することによつ
て、被覆において、基板表面と平行な方向に長細い粒形
の材料を形成することができる。そのような長細い粒形
は、被覆の超伝導性のみならず、機械的特性をも向上さ
せる。上述のように、付着は、非酸化性プラズマでも実
行することができる。例えば、被覆を減少するために水
素を使用することができる。しかし、一般的には、酸素
に富む雰囲気が好ましいようである。また、上述のよう
に、皮膜の組成は、水素分有プラズマによつてきわめて
容易に変更することができる。
あるいは、第2図のガス入口管36A及び36Bは、出口開口
34の付近の位置に酸素などのガスを与えるために使用す
ることができる。
これにより、入力された酸素分子は、プラズマ24中を或
る程度螺旋状に進行し、このことは、酸素分子よりも反
応性が高い酸素イオンと原子を生じさせる。そしてこれ
により、基板に一層多くの酸素が組みこまれる。
Cu上に形成された被膜が極めて良好な超伝導特性と高い
Tcをもち、本発明の固有的な応用例を与える事が判つ
た。そのようなCu上の被覆は、磁気遮蔽又は電力電送線
などに使用される。
以上、本発明を特定の実施例に関連して説明してきた
が、この分野の当業者なら、本発明の技術思想を逸脱す
る事なく様々な変更を為しうる事が明らかである。例え
ば、基板に組みこむべき様々な材料の相対的な量は、出
発粉末組成を変更し、プラズマ中に異なるガスを組みこ
む事により変更する事ができる。また、アニール雰囲気
は、酸素のみならずCO2、N2Oなどのガスを含んでいても
良い。さらに本発明は、10ミクロン又はそれ以上の厚さ
の被覆を与えるために特に有用であるけれども、より薄
い被覆を形成するためにも使用することができる。
また、低圧(即ち1気圧以下)の熱スプレー処理は、皮
膜の冷却の間に粒子の冷却速度をより一層制御しうるの
であつて、本願発明者らは、その事が、良好な高Tc超伝
導特性を作り出すために重要であることを見出した。
F.発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、任意の形状の広
い面に優れた超伝導特性を有する層を比較的短時間で形
成する事ができるという効果が与えられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に使用される装置の概要図、 第2図は、本発明に使用される他の実施例の装置の概要
図、 第3図は、Al2O3基板上に被覆されたYBa2Cu3Oyの温度−
抵抗曲線を示す図、 第4図は、Cu上に被覆されたYBa2Cu3Oyの温度−抵抗曲
線を示す図である。 (符号の説明)10……プラズマ・トーチ、12……アノー
ド、14……カソード、16……ガス入口チューブ、18……
ノズル、20……直流電流アーク、22……電圧源、24……
プラズマ、26……基板、28……粉末入口チューブ、30…
…粉末粒子、34……出口、36……ガス入口ポート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート・ローゼンバーグ アメリカ合衆国ニユーヨーク州ピークスキ ル、ウエスト レイクビユー・アヴエニユ ー101番地 (72)発明者 デニス・セクーオン・イー アメリカ合衆国ニユーヨーク州プツツナ ン・ヴアレイ、ケネース・ドライブ、ボツ クス519、アール・アール3番地 (72)発明者 ジヨージ・フレデリツク・ワーカー アメリカ合衆国ニユーヨーク州ニユーヨー ク、ヨークアヴエニユー1540番地 (56)参考文献 特開 昭63−230565(JP,A) 特開 昭63−237313(JP,A) 特開 昭63−270450(JP,A) 特開 平1−86414(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】高TcのLa−Sr−Cu−O超伝導セラミックの
    原材料を粉砕して、約1ないし60μmの範囲のサイズを
    もつ粉末を作製し、 上記粉末を加熱されたプラズマ中に導入する事により、
    上記粉末を加熱するとともに該プラズマにより上記粉末
    を基板へと搬送し、以て上記粉末を該基板に衝突させて
    接着させる事により該基板上に層を形成し、 上記層のTcを向上させるべく上記層を、酸素雰囲気中で
    第1の温度で第1のアニールをして上記層に酸素を付与
    した後、酸素雰囲気中で上記第1の温度よりも高い第2
    の温度で第2のアニールをして超伝導相の形成を促進さ
    せる2段階アニールを施すことを特徴とする、基板上に
    超伝導層を形成する方法。
  2. 【請求項2】高TcのY−Ba−Cu−O超伝導セラミックの
    原材料を粉砕して、約1ないし60μmの範囲のサイズを
    もつ粉末を作製し、 上記粉末を加熱されたプラズマ中に導入する事により、
    上記粉末を加熱するとともに該プラズマにより上記粉末
    を基板へと搬送し、以て上記粉末を該基板に衝突させて
    接着させる事により該基板上に層を形成し、 上記層のTcを向上させるべく上記層を、(a)酸素雰囲
    気中で高温でアニールして超伝導相の形成を促進し、そ
    の後約3時間かけてゆるやかに冷却するか、または
    (b)組成の均一化のために不活性雰囲気中で高温に加
    熱した後酸素雰囲気中で高温でアニールして超伝導相の
    形成を促進することを特徴とする、基板上に超伝導層を
    形成する方法。
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