JPH0811077B2 - 光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の製造法 - Google Patents

光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の製造法

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JPH0811077B2
JPH0811077B2 JP62298526A JP29852687A JPH0811077B2 JP H0811077 B2 JPH0811077 B2 JP H0811077B2 JP 62298526 A JP62298526 A JP 62298526A JP 29852687 A JP29852687 A JP 29852687A JP H0811077 B2 JPH0811077 B2 JP H0811077B2
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住友化学工業株式会社
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、一般式(I) (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示
し、nは4〜8の整数を示し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
製造法に関する。
〈従来の技術〉 上記一般式(I)で示される光学活性なヒドロキシシ
クロペンテノン類は農薬、香料あるいは医薬品の中間体
として有用であり、たとえばプロスタグランデイン誘導
体の重要中間体として用いることができる。
さらに又、これらの光学活性体はたとえばパラトルエ
ンスルホン酸やメタンスルホン酸などによりスルホン酸
エステルに導いたのち、塩基と反応させるか、あるいは
又酢酸ソーダ、ジクロル酢酸ソーダ、トリクロル酢酸ソ
ーダなどと反応させて対応するエステルとしたのち加水
分解することによって、もとの配位とは逆の立体配位を
有するヒドロキシシクロペンテノン類に導いて利用する
こともできる。
従来、かかる一般式(I)で示される光学活性なヒド
ロキシシクロペンテノン類の製造法についてはたとえば
以下に示されるような方法が知られている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 しかし、この方法については原料であるトリケトン体
の合成が容易でなく、その後の工程数も多く、収率も低
いものであって、決して工業的に有利な製造法とは言え
なかった。
このようなことから、本発明者らは製造工程数も短か
く、工業的にも容易に、好収率で一般式(I)で示され
る光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類を製造すべ
く検討の結果、本発明に至った。
〈問題点を解決するための手段〉 本発明は、一般式(II) (式中、R1はアルキル基を、R′は水酸基の保護基
を、nは4〜8の整数を示す) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を、微生物
が生産するエステラーゼあるいは動植物由来のエステラ
ーゼを用いて不斉加水分解することを特徴とする一般式
(I) (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示
し、nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
製造法を提供するものである。
ここで、原料となる一般式(II)で示されるdl−シク
ロペンテノンエステル類は、一般式(V) (式中、nは4〜8の整数を示す) で示される4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導
体の側鎖の水酸基を保護して、一般式(III) (式中、R′は水酸基の保護基を示し、nは前記と同
じ意味を有する) で示されるシクロペンテノン誘導体を得、これを脂肪族
カルボン酸類と反応させることにより得ることができ
る。
また、この反応に用いられる上記一般式(V)で示さ
れる4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導体は、
一般式(IV)および(V) (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物
を異性化するか、あるいは混合物から化合物(V)のみ
を分離することにより得ることができる。
更に、この反応原料である上記一般式(IV)および
(V)で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の
混合物は、一般式(VI) (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるフルフリルアルコール誘導体を、水を主溶媒
とする溶媒中、pHを3.5〜6の範囲に維持しながら転位
させることにより得ることができる。
一般式(VI)で示されるフルフリルアルコール誘導体
は、本発明者らにより初めて合成された新規化合物であ
るが、たとえば以下に示されるような反応により製造す
ることができる。
なお、一般式[II]で示されるdl−シクロペンテノン
エステル類のうち、R′がアルキルカルボニル基を示す
化合物については、一般式(V)で示される4−ヒドロ
キシ−2−シクロペンテノン誘導体を脂肪族カルボン酸
類と反応させることによって製造することができる。さ
らには又、一般式(IV)および(V)で示されるヒドロ
キシシクロペンテノン誘導体の混合物を低級脂肪族カル
ボン酸、その酸無水物およびその金属塩の存在下に反応
させて、アシル化反応とに異性化反応を同時的に行わせ
しめることによっても製造することができる。
以下、これらの反応を、反応工程を追って説明する。
一般式(VI)で示されるフルフリルアルコール誘導体
から一般式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシ
クロペンテノン誘導体の混合物を得る転位反応は、水を
主溶媒とする溶媒中、反応系のpHを3.5〜6の範囲に維
持しながら、触媒の存在もしくは非存在下に行われる。
この反応において用いられる溶媒は水を主溶媒とする
ものであって、水単独あるいは水に他の有機溶媒が少量
混入した水を主成分とする混合溶媒である。ここで他の
有機溶媒としては、たとえばエチレングリコール、1,3
−プロパンジオール、メタノール、エタノール、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、DMF、DMSO、酢酸エチル、
酢酸、ジクロルメタン、トルエン、クロルベンゼン、1,
2−ジクロルエタン、ジメチルエーテル等の脂肪族もし
くは芳香族炭化水素、アルコール、脂肪酸、エーテル、
エステル、ハロゲン化炭化水素等の反応に不活性な溶媒
があげられる。しかしながら、一般には水にこれらの有
機溶媒を共存させる有利さは特にみられない。
この反応は触媒を必ずしも必要としないが、触媒を添
加することにより反応速度が向上し、反応率が増大する
のでその使用は有効である。
この反応で触媒を用いる場合、その触媒としては例え
ば各種金属塩、有機第4級アンモニウム塩、界面活性
剤、アルコール等があげられる。
各種金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、
マグネシウム、亜鉛、鉄、カルシウム、マンガン、コバ
ルト、アルミニウム等のリン酸塩、硫酸塩、塩化物、臭
化物、酸化物、有機脂肪酸塩、有機スルホン酸塩等があ
げられ、有機第4級アンモニウム塩の例としては、テト
ラブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルア
ンモニウムクロリド、トリカプリルメチルアンモニウム
クロリド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、
カプリルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等があ
げられ、界面活性剤としては、高級脂肪酸塩、ポリオキ
シエチレンアルキルフェノールエーテル、高級脂肪族ア
ルコール等があげられ、アルコールとしては先に溶媒と
して例示したメタノール、エタノール、エチレングリコ
ールなどが触媒としても使用され、これらは単独または
混合物として使用される。
触媒を用いる場合、その使用量は通常一般式(VI)で
示されるフルフリルアルコール誘導体に対して0.005〜
5倍重量の範囲であるが、この範囲外でも適用可能であ
る。
ここで用いた触媒は、反応終了後回収して再使用する
ことができる。
反応pHは3.5〜6の範囲が好ましいが、更に好ましく
は3.5〜5.5の範囲である。
かかるpHを維持するために使用される酸としては、た
とえば塩酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン
酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の通常の
無機酸、有機酸があげられ、アルカリとしてはたとえば
苛性ソーダ、炭酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン酸1
水素カリ、有機アミン類等の通常の無機塩基、有機塩基
があげられる。
あるいはまた、上記酸−塩基の組合せによる緩衝溶液
があげられ、たとえばリン酸1水素カリ−リン酸、酢酸
ソーダ−酢酸、酢酸ソーダ−リン酸、フタル酸、炭酸カ
リ、リン酸1水素カリ−塩酸、リン酸2水素カリ−炭酸
水素カリ、コハク酸−炭酸水素ナトリウム等が例示され
る。
一般には、pH調整用に使用する酸あるいはアルカリは
塩酸、臭化水素酸等の強酸や苛性ソーダ、苛性カリ等の
強アルカリを避けるほうがより好ましい。
反応温度は0〜200℃で任意であるが、好ましくは20
〜160℃である。
この転位反応の反応方法としては反応原料を一括して
反応容器に仕込んだのち加熱する方法、水を主溶媒とす
る溶媒中にフルフリルアルコール誘導体を反応を要する
時間をかけて極めてゆっくりと滴下する方法など任意の
方法が採られるが、後者の方法による場合には収率面で
有利となる。
このようにして得られた反応混合物から、抽出、分
液、濃縮、クロマトグラフィー等の操作によって一般式
(IV)および(V)で示されるヒドロキシシクロペンテ
ノン誘導体の混合物が得られる。
一般式(V)で示される4−ヒドロキシ−2−シクロ
ペンテノン誘導体は、上記ヒドロキシシクロペンテノン
誘導体の混合物から、たとえばシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー等の分離手段によって(V)のみを分離す
ることができる。さらには又、上記ヒドロキシシクロペ
ンテノン誘導体を混合物のまま、溶媒中、触媒の存在下
に異性化することにより得られる。
この異性化反応で使用される溶媒としては、たとえ
ば、水、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトン、
ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、クロルベンゼン、ヘ
プタン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、ジエチルエ
ーテル、シクロヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化
水素、エーテル、ケトン、エステル、ハロゲン化炭化水
素のごとき反応に不活性な溶媒の単独または混合物が使
用される。
この反応で使用される触媒としては、たとえばトリエ
チルアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペリ
ジン、N,N′−ジメチルピペラジン、ピリジン、ルチジ
ンなどの有機第3級アミン、アルミナ、シリカゲルなど
の金属酸化物、苛性ソーダ、苛性カリ、炭酸ソーダ、炭
酸カリ、炭酸水素ナトリウム、リン酸1水素カリウムな
どの無機塩基類あるいは炭酸塩などの緩衝液などが適当
であり、これらは単独または2種以上で用いられる。
かかる触媒の使用量は特に制限されないが、通常は原
料であるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物に
対して0.005〜3倍モルであり、有機第3級アミンや緩
衝液は溶媒を兼ねて用いることもできる。
溶媒を兼ねて使用する場合には、その使用量は上記に
拘わらず、更に多量を用いてもよい。
反応温度は−20〜130℃の範囲であり、使用する溶
媒、触媒によって適当に選択される。
尚、この異性化反応において、触媒としてクロラール
を用いることもでき、この反応で溶媒を用いる場合に、
その溶媒としては前記例示溶媒が同様に使用される。
クロラールの使用量は、原料であるヒドロキシシクロ
ペンテノン誘導体の混合物に対して通常0.005〜1倍モ
ルである。
かかる一般式(V)で示される4−ヒドロキシ−2−
シクロペンテノン誘導体の側鎖水酸基を保護することに
より、一般式(III)で示されるシクロペンテノン誘導
体が得られる。
ここで用いられる水酸基の保護基としては、水酸基の
保護基として通常用いられるものが利用され、かかる例
としては、たとえばトリアルキルシリル基、ジフェニル
アルキルシリル基等のシリル基、テトラヒドロピラニル
基、エトキシエチル基、メトキシエチル基、メトキシメ
チル基、メトキシエトキシメチル基等のエーテル基、ア
セチル基、プロピオニル基、ブチリル基等のアシル基が
挙げられる。
かかる保護基を与える具体的な原料化合物として、た
とえばトリメチルシリルクロリド、t−ブチルジメチル
シリルクロリド、ジフェニルメチルシリルクロリドのご
ときシリル化剤、ジヒドロピラン、エチルビニルエーテ
ルのごときビニルエーテル類、メトキシエチルクロリ
ド、メトキシメチルクロリド、メトキシエトキシメチル
クロリドのごときアルコキシアルキルハライド類、無水
酢酸、酢酸クロリド、無水プロピオン酸、プロピオン酸
クロリド、ブチリルクロリド、クロルアセチルクロリド
のごとき低級脂肪族カルボン酸類等が例示される。
保護基の導入方法は、導入すべき保護基によって異な
り、以下、保護基別に保護基を導入するための一般的方
法を説明する。
保護基を与える化合物としてシリル化剤もしくはアル
コキシアルキルハライド類等を用いる場合には、通常、
溶媒の存在下に塩基触媒を用いて反応させることにより
行われる。
この反応において溶媒を使用する場合、その溶媒とし
てはたとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ア
セトン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、ク
ロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、ヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭
化水素、エーテル、ハロゲン化炭化水素等の反応に不活
性な溶媒の単独または混合物があげられ、その使用量に
ついては特に制限なく使用することができる。
シリル化剤もしくはアルコキシアルキルハライド類の
使用量は原料である4−ヒドロキシ−2−シクロペンテ
ノン誘導体(V)に対して通常0.8〜1.3当量倍、好まし
くは0.85〜1.1当量倍であり、過剰量の使用はシクロペ
ンテノン骨格の2級水酸基と反応するため好ましくな
い。
触媒としては、たとえばトリエチルアミン、エチルジ
イソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジ
ン、ジメチルアミノピリジン、イミダゾール、ピコリ
ン、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素カリ
ウム等の有機あるいは無機塩基触媒があげられ、その使
用量は特に制限されないが、通常4−ヒドロキシ−2−
シクロペンテノン誘導体(V)に対して0.8〜3当量倍
である。
溶媒として有機アミンを使用する場合には、該アミン
が触媒としても作用する。
反応温度は通常−40℃〜100℃であるが、好ましくは
−30〜90℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。
保護基を与える化合物としてビニルエーテル類を用い
る場合には、通常溶媒の存在下、酸触媒を用いて反応さ
せることにより行われる。
溶媒は先のシリル化剤と同様のものが単独または混合
物として用いられ、その使用量についても特に制限はな
い。
ビニルエーテル類の使用量は原料である4−ヒドロキ
シ−2−シクロペンテノン誘導体(V)に対して0.8〜
1.3当量倍、好ましくは0.85〜1.1当量倍であり、過剰量
の使用は、シクロペンテノン骨格の2級水酸基と反応す
るため好ましくない。
触媒としては、トルエンスルホン酸、クロル酢酸、ジ
クロル酢酸、ベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、
硫酸、リン酸、3フッ化ホウ素等の有機あるいは無機酸
があげられ、その使用量は、ビニルエーテル類に対して
通常0.002〜0.3当量倍である。
反応温度は通常−30℃〜120℃であるが、好ましくは
−20℃〜110℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。
保護基を与える化合物として脂肪族カルボン酸類を用
いる場合には、通常のエステル化の条件が適用され、溶
媒の存在下に触媒を用いて反応させることにより行われ
る。
溶媒を使用する場合、その溶媒としては先と同じもの
が単独または混合物として用いられ、その使用量につい
ても特に制限はない。
脂肪族カルボン酸類の使用量は原料である4−ヒドロ
キシ−2−シクロペンテノン誘導体(V)に対して0.8
〜1.3当量倍、好ましくは0.85〜1.1当量倍である。
尚、有機カルボン酸類を使用する場合には、次工程の
シクロペンテノン骨格の2級水酸基をエステル化する反
応も同時に行うことができ、この場合には有機カルボン
酸類の使用量は2当量倍以上必要であって、好ましくは
2〜8当量倍である。
触媒としては、たとえばトリエチルアミン、エチルジ
イソプロピルアミン、トリn−ブチルアミン、ピリジ
ン、ジメチルアミノピリジン、ピコリン、炭酸ナトリウ
ム、水酸化カルシウム、炭酸水素カリウム等の有機ある
いは無機塩基があげられ、その使用量は特に制限されな
いが、通常4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導
体(V)に対して1〜5当量倍であり、シクロペンテノ
ン骨格の2級水酸基も同時にエステル化する場合には2
〜10当量倍である。
溶媒として有機アミンを使用する場合には、該アミン
が触媒として作用することもある。
又、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等
の有機あるいは無機酸等を触媒として使用することがで
きる。
反応温度は通常−20℃〜150℃であるが、好ましくは
−10℃〜120℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。このような反応
により、一般式(III)で示されるシクロペンテノン誘
導体が容易に得られ、これらは通常の分離手段、たとえ
ば抽出、分液、濃縮、クロマトグラフィー等により反応
混合物から単離することができる。
かかるシクロペンテノン誘導体(III)から一般式(I
I)で示されるdl−シクロペンテノンエステル類へは一
般的な脂肪族カルボン酸類とのエステル化の条件が適用
され、溶媒の存在もしくは非存在下に触媒を用いて反応
させることにより行われる。
この反応において、溶媒を使用する場合、その溶媒と
してはたとえばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、
アセトン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、
クロルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、ク
ロロホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ヘキ
サン等の脂肪族もしくは芳香族炭化水素、エーテル、ハ
ロゲン化炭化水素等の反応に不活性な溶媒の単独または
混合物があげられる。その使用量については特に制限な
く使用することができる。
ここで使用される脂肪族カルボン酸類としては、飽和
または不飽和の脂肪族カルボン酸無水物、脂肪族カルボ
ン酸ハライドがあげられ、たとえば無水酢酸、酢酸クロ
リドまたはブロミド、プロピオン酸クロリドまたはブロ
ミド、無水プロピオン酸、ブチリルクロリドまたはブロ
ミド、カプロイルクロリドまたはブロミド、カプリル酸
クロリドまたはブロミド、ステアリン酸クロリドまたは
ブロミド、カプリノイルクロリドまたはブロミド、ドデ
カノイルクロリドまたはブロミド、パルミトイルクロリ
ドまたはブロミド、クロルアセチルクロリドまたはブロ
ミド、ジクロルアセチルクロリドまたはブロミドなどが
例示される。
反応に用いる脂肪族カルボン酸類は原料であるシクロ
ペンテノン誘導体(III)に対して1当量以上必要であ
り、上限については特に制限されないが、好ましくは4
当量である。
触媒としては、たとえばトリエチルアミン、トリn−
ブチルアミン、ピリジン、ピコリン、炭酸ナトリウム、
ナトリウムメチラート、炭酸水素カリウム等の有機ある
いは無機塩基性物質があげられる。その使用量は特に制
限されないが、通常シクロペンテノン誘導体に対して1
〜5当量である。
溶媒として有機アミンを使用する場合は、該アミンが
触媒として作用することもある。
又、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、硫酸等
の酸類を触媒として用いることもできる。
反応温度は通常−20℃〜150℃であるが、好ましくは
−10℃〜120℃の範囲である。
反応時間については特に制限はない。
このような反応により、一般式(II)で示されるdl−
シクロペンテノンエステル類が容易に、好収率で得ら
れ、これらは通常の分離手段、たとえば抽出、分液、濃
縮、クロマトグラフィー等により反応混合物から容易に
単離することができる。
尚、一般式(II)における置換基R′がアルキルカル
ボニル基である化合物を所望する場合は、一般式(V)
で示される4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導
体の2つの水酸基を同時にエステル化すればよく、この
場合には、上記脂肪族カルボン酸類および触媒の使用量
を2倍にすればよく、これにより一般式(V)で示され
る4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン誘導体から一
般式(II)で示されるdl−シクロペンテノンエステル類
を一段の反応で製造することができる。さらには又、置
換基R′がアルキルカルボニル基である化合物は、一般
式(IV)および(V)の混合物を低級脂肪族カルボン
酸、その酸無水物およびその金属塩の存在下に反応させ
て、アシル化反応と異性化反応を同時的に行わせしめる
ことによりシクロペンテノン誘導体(III)を経由する
ことなく、製造することもできる。
この反応において使用される低級脂肪族カルボン酸と
しては酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、クロル酢
酸、ジクロル酢酸等が例示され、その金属塩としてはこ
れら低級脂肪族カルボン酸のリチウム塩、ナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩、銅塩、亜鉛塩、パラジ
ウム塩、鉛塩、スズ塩、マンガン塩、コバルト塩が例示
される。
この反応において、原料ヒドロキシシクロペンテノン
誘導体の混合物に対する低級脂肪族カルボン酸の使用量
は通常2当量倍以上、金属塩の使用量は通常0.01〜5当
量倍以上、好ましくは0.01〜0.5当量倍である。また、
上記脂肪族カルボン酸の酸無水物の使用量は原料ヒドロ
キシシクロペンテノン誘導体の混合物に対して2当量倍
以上である。
本発明において、上記脂肪族カルボン酸、その金属塩
およびその酸無水物の三成分を使用することは非常に重
要であって、その何れの成分を欠除しても有効な方法と
はなり得ない。
かかる反応により、4−ヒドロキシ−2−シクロペン
テノン誘導体(V)についてはアシル化のみが、3−ヒ
ドロキシ−4−シクロペンテノン誘導体(IV)について
はアシル化と異性化が同時に進行してdl−シクロペンテ
ノンエステル類(II)が一工程の反応で得られる。
この反応において溶媒を使用する場合、その溶媒とし
ては例えばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、アセ
トン、メチルエチルケトン、トルエン、ベンゼン、クロ
ルベンゼン、ジクロルメタン、ジクロルエタン、クロロ
ホルム、四塩化炭素、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、ヘキサン等の脂肪族もしくは芳香族炭化
水素、エーテル、ハロゲン化炭化水素等の反応に不活性
な溶媒の単独または混合物あがげられ、その使用量につ
いては特に制限されない。また、脂肪族カルボン酸を溶
媒として使用することもできる。
反応温度は0〜150℃であるが、好ましくは30〜140℃
の範囲である。
反応時間は何ら限定的でないが、通常0.5〜10時間で
ある。反応時間が長くなると、生成した一般式(II)で
示されるdl−シクロペンテノンエステル類が一部分解さ
れるため、不必要な時間延長は好ましくない。
反応方法としては、たとえば 一般式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシク
ロペンテノン誘導体の混合物、脂肪族カルボン酸、その
酸無水物およびその金属塩を同時に反応容器に仕込み、
反応させる方法 一般式(IV)および(V)で示されるヒドロキシシク
ロペンテノン誘導体の混合物に脂肪族カルボン酸および
その酸無水物を加えて反応させ、一定時間(通常0.1〜
5時間であるが、特に限定されるものではない)後、脂
肪族カルボン酸の金属塩を加えて更に反応させる方法な
どの方法が例示される。
このような方法により、一般式(IV)および(V)で
示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物か
ら、目的とする一般式(II)で示されるdl−シクロペン
テノンエステル類が容易に、かつ好収率で得られる。
一般式(I)で示される光学活性なヒドロキシシクロ
ペンテノン類は、一般式(II)で示されるdl−シクロペ
ンテノンエステル類を加水分解する能力を有する微生物
エステラーゼもしくは動植物エステラーゼを用いて、該
エステル類の光学活性体の一方を加水分解することによ
り行われる。
この反応で用いられるエステラーゼを生産する微生物
としては、dl−シクロペンテノンエステル類を不斉加水
分解する能力を有するエステラーゼを生産する微生物で
あればよく、特に限定されるものではない(本発明にお
けるエステラーゼとはリパーゼを含む広義のエステラー
ゼを意味する。) このような微生物の具体例としては、たとえば以下の
属に属する微生物が挙げられる。
エンテロバクター属、アルスロバクター属、ブレビバ
クテリウム属、シュードモナス属、アルカリゲネス属、
ミクロコッカス属、クロモバクテリウム属、ミクロバク
テリウム属、コリネバクテリウム属、バシルス属、ラク
トバシルス属、トリコデルマ属、キャンディダ属、サッ
カロミセス属、ロドトルラ属、クリプトコッカス属、ト
ルロプシス属、ピヒア属、ペニシリウム属、アスペルギ
ルス属、リゾプス属、ムコール属、オーレオパシディウ
ム属、アクチノムコール属、ノカルディア属、ストレプ
トミセス属、ハンゼヌラ属、アクロモバクター属に属す
る微生物。
これらの各属に属する微生物としては、たとえば以下
のものがあげられる。
ロドトルラ属ミヌタ、ルブラ、ミヌタ、バルテキセン
シス、トリコデルマ属イオンギブラチアツム、キャンデ
ィダ属クルセイ、シリンドラッセ、トロピアリス、ユチ
ルス、シュードモナス属フラギ、プチダ、フルオレセン
ス、アルギノサ、バシルス属セレウス、サブチリス、プ
ルミルス、サブチルス バル ニガー、ノカルディア属
ユニホルミス サブツヤナレヌス、ユニホルミス、クロ
モバクテリウム属シュコラツム、イオジヌム、フラボバ
クテリウム属アルボネセンス、ヘパレヌム、リゾプス属
キネンシス、ムユール属ジャバニクス、アスペルギルス
属ニガー、フェーカリス、トルロプシス属キャンディ
ダ、コリネバクテリウム属セペドニクム、エズイサッカ
ロミセス属ローキシ、アルスロバクター属シンプレック
ス、ストロプトマイセス属グリセンス、ブレビバクテリ
ウム属アンモニアゲネス、ジバリカツム、ミクロコッカ
ス属バリアンス、イウテルス、エンテロバクター属クロ
アケ、ラクトバシルス属カセイ、クリプトコッカス属ア
ルビズス、ピヒア属ポリモルファ、ペニシリウム属フレ
ゼンタンス、オーレオバシディウム属プルランス、アク
チノムコール属エレガンス、ハンゼヌラ属アノマラ、バ
ル シフェルリ オウト、ハンゼヌラ属アノマラ、アク
ロモバクター属パルブルス、シンプレックス。
上記微生物の培養は、通常常法に従って液体培養を行
なうことにより培養液を得る。たとえば滅菌した液体培
地〔かび類、酵母類用には麦芽エキス・酵母エキス培地
(水1にペプトン5g、グルコース10g、麦芽エキス3
g、酵母エキス3gを溶解し、pH6.5とする)、細菌用には
加糖ブイヨン培地(水1にグルコース10g、ペプトン5
g、肉エキス5g、NaCl3gを溶解し、pH7.2とする)〕に微
生物を接種し、通常20〜40℃で1〜3日間往復振盪培養
を行なう。また必要に応じて固体培養を行なってもよ
い。
また、これらの微生物起源のエステラーゼのなかには
市販されているものがあり、容易に入手することができ
る。市販エステラーゼの具体例としては、たとえば以下
のものが挙げられる。シュードモナス属のリパーゼ〔リ
パーゼP(天野製薬社製)〕、アスペルギルス属のリパ
ーゼ〔リパーゼAP(天野製薬社製)〕、ムコール属のリ
パーゼ〔リパーゼM-AP(天野製薬社製)、キャンディダ
・シリンドラッセのリパーゼ〔リパーゼMY(名糖産業社
製)〕、アルカリゲネス属のリパーゼ〔リパーゼPL(名
糖産業社製)〕、アクロモバクター属のリパーゼ〔リパ
ーゼAL(名糖産業製)〕、アルスロパクター属のリパー
ゼ(新日本化学製)、クロモバクテリウム属のリパーゼ
(東洋醸造社製)、リゾプス・デレマーのリパーゼ〔タ
リパーゼ(田辺製薬社製)〕、リゾプス属のリパーゼ
〔リパーゼサイケン(大阪細菌研究所製)〕。
また、動物・植物エステラーゼを用いることもでき、
これらの具体的なエステラーゼとしては、以下のものを
挙げることができる。
ステアプシン、バンクレアチン、ブタ肝臓エステラー
ゼ、フィート ジャーム(Wheat Germ)エステラーゼ。
この反応で用いられるエステラーゼ(加水分解酵
素)、動物、植物、微生物から得られた酵素の使用形態
としては、精製酵素、粗酵素、酵素含有物、微生物培養
液、培養物、菌体、培養口液及びそれらを処理した物な
ど種々の形態で必要に応じて用いることができ、酵素と
微生物を組合わせて用いることもできる。あるいはま
た、樹脂等に固定化した固定化酵素、固定化菌体として
用いることもできる。
この加水分解反応は、dl−シクロペンテノンエステル
類(II)と上記酵素もしくは微生物を通常緩衝液中で激
しく攪拌することによって行なわれる。
緩衝液としては、通常用いられるリン酸ナトリウム、
リン酸カリウムのごとき無機酸塩の緩衝液、酢酸ナトリ
ウム、クエン酸ナトリウムの如き有機酸塩の緩衝液等が
用いられ、そのpHは、好アルカリ性菌の培養液やアルカ
リ性エステラーゼではpH8〜11、好アルカリ性でない微
生物の培養液や耐アルカリ性を有しないエステラーゼで
はpH5〜8が好ましい。
濃度は通常0.05〜2M、好ましくは0.05〜0.5Mの範囲で
ある。
反応温度は通常10〜60℃であり、反応時間は一般的に
は8〜70時間であるが、これに限定されることはない。
尚、加水分解の際、緩衝液に加えてトルエン、クロロ
ホルム、メチルイソブチルケトン、ジクロルメタン等の
反応に不活性な有機溶媒を使用することもでき、これら
を使用することによって不斉水解を有利に行うことがで
きる。
このような加水分解反応終了後、反応液から加水分解
生成物および加水分解残を分離するためには、加水分解
反応液をたとえばメチルイソブチルケトン、酢酸エチ
ル、エチルエーテル等の溶媒により抽出処理し、有機層
から溶媒を留去したのち濃縮残渣をカラムクロマトグラ
フィーで処理する等の方法により一般式(I)で示され
る光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類と加水分解
残である光学活性なアシルオキシシクロペンテノン類を
それぞれ分離することができる。
ここで回収された光学活性なアシルオキシシクロペン
テノンは、これを更に加水分解し、対掌体製造の原料と
して用いることができる。
〈発明の効果〉 かくして、本発明の方法によれば一般式(I)で示さ
れる光学活性な4−ヒドロキシ−2−シクロペンテノン
類を好収率で、容易に得ることができ、このものは医薬
であるプロスタグランディン誘導体の中間体として極め
て有用である。
〈実施例〉 以下、実施例により本発明を説明する。
実施例1 フラスコに水1000mlおよびリン酸2水素カリウム0.2g
を仕込み、5%リン酸にてpHを4.2に調整する。
これにα−(ω−ヒドロキシヘプチル)−フルフリル
アルコール21.2gを加え、100℃で12時間加熱攪拌する。
反応終了後、トルエン200mlにて2回抽出処理する。
有機層を減圧下に濃縮し、濃縮残渣20.5gを得る。
この濃縮残渣をジクロルメタン100mlに溶解し、クロ
ラール2.87g、トリエチルアミン0.98gを添加し、25℃で
5時間攪拌する。
反応終了後、反応混合物を1%希塩酸、水、1%重曹
水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧
下に溶媒を留去する。
濃縮残渣20.8gをジクロルメタン100mlに溶解し、ピリ
ジン30mlを加える。内温を0〜10℃に保ちながら塩化ア
セチル23.5gを2時間を要して加える。同温度で1時間
保温後、25〜30℃にて3時間反応させる。
反応終了後、水、1%希塩酸、1%重曹水および水で
順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下に濃縮して濃縮残渣28.6gを得る。
これを、トルエン:酢酸エチル(5:1)混合液を用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−
アセトキシ−2-(7−アセトキシヘプチル)‐2−シク
ロペンテノン16.6gを得た。
▲n20 D▼=1.4767 次に、4−アセトキシ−2-(7−アセトキシヘプチ
ル)‐2−シクロペンテノン4.0gをジクロルメタン2m
l、シュードモナス属リパーゼ(アマノリパーゼ
「P」)330mgおよび0.3M濃度リン酸バッファー(pH7.
5)100mlと混合し、30℃にて15時間激しく攪拌する。
反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトン40mlに
て2回抽出する。有機層を合わせて減圧下に濃縮する。
濃縮残渣をトルエン:酢酸エチル(5:3)を用いてカ
ラムクロマト精製し、d-4−ヒドロキシ−2-(7−ヒド
ロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン0.97gを得
た。
▲〔α〕20 D▼+16.2°(c=1,メタノール)m.p 58〜5
9℃ 実施例2 シュードモナス属リパーゼに代えてアルスロバクター
属リパーゼ(新日本化学社製)280mgを使用する以外は
実施例1と同様に反応、処理してd−4−ヒドロキシ−
2-(7−ヒドロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン
0.87gを得た。
▲〔α〕20 D▼+15.3°(c=1、メタノール)m.p 59
〜60℃ 実施例3 攪拌装置、温度計を備えた四つ口フラスコに、α−
(ω−ヒドロキシヘプチル)フルフリルアルコール106.
1g(0.5mol)、4lの水と4.0gの酢酸と1N水酸化ナトリウ
ム水溶液でpH4.2に調整した緩衝水溶液を仕込み、窒素
気流下にて、100℃で原料がなくなるまで加熱攪拌す
る。冷却後反応混合物を高速液体クロマトグラフィーで
分析したところ、3−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシ
ヘプチル)‐4−シクロペンテノンと4−ヒドロキシ−
2-(7−ヒドロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン
が組成比約3:1で存在していた。
この反応混合物を1N水酸化ナトリウム水溶液でpH7.6
に調整したのち、再び窒素雰囲気下に100℃にて、先の
反応で生成した3−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシヘ
プチル)‐4−シクロペンテノンがなくなるまで加熱攪
拌を続ける。
反応終了後、反応混合物を冷却し、メチルイソブチル
ケトン600gで2回抽出、分液処理し、得られた有機層か
らメチルイソブチルケトンを留去して4−ヒドロキシ−
2-(7−ヒドロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン
を76.8g(収率72.4%)得た。
上で得た4−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシヘプチ
ル)‐2−シクロペンテノン21.2g(0.1モル)をジメチ
ルホルムアミド100mlに溶解し、イミダゾール6.86g(0.
1モル)を加える。内温を10〜20℃に保ちながら、t−
ブチルジメチルシリルクロリド15.1g(0.1mol)のDMF10
ml溶液を30分かけて加える。同温度で12時間保温後、反
応混合物を氷水500mlにあけて、トルエンにて抽出す
る。トルエン層は水でよく洗浄したのち、有機層を無水
硫酸マグネシウムで乾燥後減圧下に濃縮して、濃縮残渣
35.3gを得た。
これを、トルエン:酢酸エチル(5:1)混合液を用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−
ヒドロキシ−2-(7-t−ブチルジメチルシロキシヘプチ
ル)‐2−シクロペンテノン17.9g(収率55%)を得
た。
さらに上記シリル体をトルエン200mlに溶解し、ピリ
ジン20mlを加える。内温を0〜10℃に保ちながら塩化ア
セチル7.0gを10分間を要して加える。同温度で1時間保
温後25〜30℃にて3時間反応させる。
反応終了後、水、1%希塩酸、1%重曹水および水で
順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下に濃縮して、濃縮残渣20.5gを得た。これをトル
エンを用いて、シリカゲルフラッシュカラムクロマト精
製により、4−アセトキシ−2-(7-t−ブチルジメチル
シロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン19.4g(収
率95.7%)を得た。
4−アセトキシ−2-(7-t−ブチルジメチルシロキシ
ヘプチル)‐2−シクロペンテノン3.68g(0.01モ
ル)、0.3M濃度リン酸バッファー(pH7.0)50ml、クロ
ロホルム2mlおよびアルスロバクター属リパーゼ(新日
本化学社製)180mgをフラスコに仕込み、35〜40℃にて1
2時間激しく攪拌する。反応終了後、反応液をトルエン4
0mlにて2回抽出する。有機層を合わせて減圧下に濃縮
し、濃縮残渣3.47gを得た。これをトルエン−酢酸エチ
ル混合系を用いて、カラムクロマト精製し、(R)‐
(+)‐4−ヒドロキシ−2-(7-t−ブチルジメチルシ
ロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン1.56g ▲〔α〕20 D▼+10.9°(c=1、メタノール) および(S)‐(−)‐4−アセトキシ−2-(7-t−ブ
チルジメチルシロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノ
ン1.90g ▲〔α〕20 D▼=−42.5°(c=1、メタノール)を得
た。
上記(R)‐(+)体は、テトラヒドロフラン10mlに
溶解し、テトラブチルアンモニウムフルオリド1gを加え
て15〜20℃にて脱シリル化をおこない、シリカゲルフラ
ッシュクロマト精製することにより、(R)‐(+)‐
4−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシヘプチル)‐2−
シクロペンテノンを得ることができた。
▲〔α〕20 D▼=+16.8°(c=1、メタノール) 融点59〜61℃ 実施例4 4−アセトキシ−2-(7-t−ブチルジメチルシロキシ
ヘプチル)‐2−シクロペンテノン3.68g、0.3M濃度リ
ン酸バッファー50ml、アルスロバクター属リパーゼ180m
gをフラスコに仕込み、35〜40℃にて12時間激しく攪拌
する。反応終了後、実施例3と同様の操作により、
(R)‐(+)‐4−ヒドロキシ−2-(7-t−ブチルジ
メチルシロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノン1.53
g ▲〔α〕20 D▼=+10.4°(c=1、メタノール) および(S)‐(−)‐4−アセトキシ−2-(7-t−ブ
チルジメチルシロキシヘプチル)‐2−シクロペンテノ
ン1.93g ▲〔α〕20 D▼=−40.1°(c=1、メタノール)を得
た。
実施例5 実施例1と同様の装置に水2000mlおよび酢酸3gを仕込
み、1N水酸化ナトリウム水溶液にてpHを4.5に調整す
る。これにα−(ω−ヒドロキシヘプチル)−フルフリ
ルアルコール50gを加え、15時間加熱攪拌する。
反応終了後、メチルイソブチルケトン800mlにて抽出
し、有機層を減圧下に濃縮することによって、3−ヒド
ロキシ−2-(7−ヒドロキシヘプチル)‐4−シクロペ
ンテノンと4−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシヘプチ
ル)‐2−シクロペンテノンの混合物の残渣48.8gを得
る。
この濃縮残渣40gに無水酢酸40g、酢酸ナトリウム10
g、酢酸40gを加え、120℃で5時間反応させる。反応終
了後、反応混合物を水300ml中にあけ、トルエン100mlに
て抽出する。以下、4%水酸化ナトリウム、水で順次洗
浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下
に濃縮して残渣50.2gを得る。
これを、実施例1に準じてトルエン−酢酸エチル(5:
1)混合液を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーで精製し、4−アセトキシ−2-(7−アセトキシヘプ
チル)‐2−シクロペンテノン37.7gを得る。
▲n20 D▼=1.4775 次に、4−アセトキシ−2-(7−アセトキシヘプチ
ル)‐2−シクロペンテノン3.0g、アルカリゲネス属リ
パーゼ〔PL-266(名糖産業(株)製)〕100mgおよび0.1
M濃度リン酸バッファー(pH6.0)100mlと混合し、40℃
にて15時間激しく攪拌する。
反応終了後、反応液をメチルイソブチルケトン40mlに
て2回抽出する。有機層を合わせて減圧下に濃縮する。
濃縮残渣を実施例1に準じてカラムクロマト精製す
る。d-4−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシヘプチル)
‐2−シクロペンテノン0.62gを得る。
▲〔α〕20 D▼+14.3°(c=1、メタノール) 実施例6〜11 アルカリゲネス属エステラーゼに代えて表1に示すエ
ステラーゼを用いる以外は実施例5と同様に反応、後処
理、精製して、表1に示す結果を得た。
実施例12 実施例3で得た4−ヒドロキシ−2-(7−ヒドロキシ
ヘプチル)‐2−シクロペンテノン21.2g(0.1モル)を
テトラヒドロフラン300mlに溶解し、ジクロル酢酸2gを
加える。室温にてジヒドロピラン9.3gを5時間かけて加
える。同温度にて5時間保温後、混合物を氷水500mlに
あけて、酢酸エチルにて抽出する。有機層は水でよく洗
浄したのち、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後減
圧下に濃縮して、濃縮残渣27.2gを得る。
これを、トルエン:酢酸エチル(5:2)混合液を用い
てシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、4−
ヒドロキシ−2−〔7-(2′−テトラヒドロピラニルオ
キシ)ヘプチル〕−2−シクロペンテノン12.6g(収率4
2.5%)を得る。
次に、上記テトラヒドロピラニルエーテル体11.8gを
トルエン50ml、ピリジン10mlに溶解し、内温を0〜10℃
に保ちながら塩化アセチル3.5gを30分間を要して加え
る。同温度で1時間保温後25〜30℃にて3時間反応させ
る。
反応終了後、水、1%希塩酸、1%重曹水および水で
順次洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
減圧下に濃縮して、濃縮残渣13.8gを得る。これをトル
エンを用いてシリカゲルフラッシュカラムクロマト精製
により、4−アセトキシ−2−〔7-(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ヘプチル〕−2−シクロペンテノン
12.7g(収率94.3%)を得る。
次に、4−アセトキシ−2−〔7-(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)ヘプチル〕−2−シクロペンテノン
3.38g(0.01モル)0.3Mリン酸バッファー(pH7.0)50ml
トルエン1mlおよびアルスロバクター属リパーゼ(新日
本化学社製)180mgをフラスコに仕込み、35〜40℃にて1
0時間激しく攪拌する。反応終了後、反応液を酢酸エチ
ル40mlにて2回抽出する。有機層を合わせて減圧下に濃
縮し、濃縮残渣2.87gを得る。これをトルエン−酢酸エ
チル混合系を用いて、カラムクロマト精製し、(R)‐
(+)‐4−ヒドロキシ−2−〔7-(2′−テトラヒド
ロピラニルオキシ)−ヘプチル〕−2−シクロペンテノ
ン1.15g ▲〔α〕20 D▼=+12.2°(c=1、メタノール)を得
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近藤 倫正 大阪府大阪市此花区春日出中3丁目1番98 号 住友化学工業株式会社内 (72)発明者 安藤 易光 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内 (72)発明者 光田 賢 兵庫県宝塚市高司4丁目2番1号 住友化 学工業株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′は水酸基の保護基を、
    nは4〜8の整数を示す) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類をエステラ
    ーゼを作用させて不斉水解することを特徴とする一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  2. 【請求項2】一般式 (式中、R′は水酸基の保護基を示し、nは4〜8の整
    数を示す) で示されるシクロペンテノン誘導体を脂肪族カルボン酸
    類と反応させて一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′は水酸基の保護基を、
    nは4〜8の整数を示す) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、つい
    でエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  3. 【請求項3】一般式 (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の2位の
    側鎖の水酸基を保護して一般式 (式中、R′は水酸基の保護基を示し、nは前記と同じ
    意味を有する) のシクロペンテノン誘導体を得、ついで脂肪族カルボン
    酸類と反応させて一般式 (式中、R1はアルキル基を示し、R′及びnは前記と同
    じ意味を有する) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、さら
    にエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  4. 【請求項4】一般式 (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物
    を異性化することにより一般式 (式中、nは前記と同じ意味を有する) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体を得、つ
    いで2位の側鎖の水酸基を保護して一般式 (式中、R′は水酸基の保護基を示し、nは前記と同じ
    意味を有する) のシクロペンテノン誘導体を得、ついで脂肪族カルボン
    酸類と反応させて一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′及びnは前記と同じ意
    味を有する) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、さら
    にエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  5. 【請求項5】一般式 (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるフルフリルアルコール誘導体を、水を主溶媒
    とする溶媒中、pHを3.5〜6の範囲に維持しながら転位
    させて一般式 (式中、nは前記と同じ意味を有する) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体を得、つ
    いで該混合物を異性化することにより一般式 (式中、nは前記と同じ意味を有する) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物
    を得、さらに2位の側鎖の水酸基を保護して一般式 (式中、R′は水酸基の保護基を示し、nは前記と同じ
    意味を有する) のシクロペンテノン誘導体を得、ついで脂肪族カルボン
    酸類と反応させて一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′及びnは前記と同じ意
    味を有する) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、さら
    にエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  6. 【請求項6】一般式 (式中、nは4〜8の整数を示す) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体に脂肪族
    カルボン酸類を反応させて、2位の側鎖の水酸基及び4
    位の水酸基を同時にアシル化して一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′は水酸基の保護基を、
    nは前記と同じ意味を有する) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、つい
    でエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
  7. 【請求項7】一般式 (式中、nは4〜8の整数を意味する) で示されるヒドロキシシクロペンテノン誘導体の混合物
    を、異性化とアシル化を同時に行って一般式 (式中、R1はアルキル基を、R′は水酸基の保護基を、
    nは前記と同じ意味を有する) で示されるdl−シクロペンテノンエステル類を得、つい
    でエステラーゼを作用させて不斉水解することを特徴と
    する一般式 (式中、Rは水素原子もしくは水酸基の保護基を示し、
    nは前記と同じ意味を有し、※は不斉炭素を示す) で示される光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の
    製造法。
JP62298526A 1986-11-27 1987-11-25 光学活性なヒドロキシシクロペンテノン類の製造法 Expired - Lifetime JPH0811077B2 (ja)

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