JPH08142181A - ポリエステルフィルムおよびその製造方法 - Google Patents

ポリエステルフィルムおよびその製造方法

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JPH08142181A
JPH08142181A JP28029594A JP28029594A JPH08142181A JP H08142181 A JPH08142181 A JP H08142181A JP 28029594 A JP28029594 A JP 28029594A JP 28029594 A JP28029594 A JP 28029594A JP H08142181 A JPH08142181 A JP H08142181A
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JP
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film
polyester
protrusions
particles
polyester film
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JP28029594A
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English (en)
Inventor
Shoji Nakajima
彰二 中島
Koichi Abe
晃一 阿部
Toru Miyake
徹 三宅
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ポリエステルAを主成分とする二軸配向ポリ
エステルフィルムであって、その少なくとも一方の表面
における突起の個数と該表面を形成する表層に含有され
る粒子の個数との比である突起個数/粒子個数(NR )
が5以上であり、かつ該表面における表面粗さパラメー
タRp/Raが4以上20未満であることを特徴とする
ポリエステルフィルム。 【効果】 ボイド生成を抑制して破壊されにくい均一な
突起を効率良く形成することができるとともに、平坦性
も確保でき、耐摩耗性の良好な、かつ、磁気記録媒体用
途に用いた場合に、極めて優れた電磁変換特性を与える
ことを可能とするポリエステルフィルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステルフィルム
およびその製造方法に関し、とくに、表面に微細な突起
を形成したポリエステルフィルムおよびその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルフィルムは、種々の用途に
幅広く用いられている。ポリエステルフィルムの加工工
程、たとえば包装用途における印刷工程、磁気記録媒体
用途における磁性層塗布工程、あるいは感熱転写用途に
おける感熱転写層塗布などの工程における加工速度の増
大に伴い、あるいは最終製品の要求品質の高度化に伴
い、ポリエステルフィルムには、一層良好な走行性やハ
ンドリング性、耐摩耗性などの表面特性が要求さるとと
もに、特に磁気記録媒体用途においては高い電磁変換特
性を得るためにフィルム表面うねりが小さい平坦面化が
強く望まれている。良好な走行性および電磁変換特性を
得るためには、フィルム表面に微細な突起を均一に形成
することが有効であることが知られている。
【0003】フィルム表面に微細な突起を形成するため
に、コロイド状シリカに起因する実質的に球形のシリカ
粒子を含有せしめたポリエステルフィルムが知られてい
る(例えば特開昭59−171623号公報)。また、
表面突起形成のための粒子を含有する薄層を基層に積層
したポリエステルフィルムも知られている(例えば特開
平2−77431号公報)。すなわち、従来のポリエス
テルフィルムの表面突起形成法の基本は粒子を添加して
表面に微細な突起を形成することである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の、粒子(たとえば不活性粒子)により突起
を形成したポリエステルフィルムには、次のような大き
な問題がある。
【0005】まず、ポリエステルにポリエステルとは異
質の不活性粒子等の粒子を添加して表面突起を形成する
ので、種々の副作用が生じる。その最大の問題点は、含
有粒子はポリエステルにとっては異物であるので、延伸
によって粒子周りにボイド(亀裂、空隙)が生じ易い。
このボイドが、各種トラブル、たとえば、透明性の悪
化、コンデンサ用途における電気絶縁破壊電圧の低下、
また、形成された突起が破壊され易くなりフィルムの加
工工程において、あるいは最終製品の使用段階におい
て、ガイドロールやガイドピンなどのガイド上を走行さ
せたときにフィルム表面が削りとられ易くなったり、突
起の下部に存在する粒子が脱落し易い。削り取られた粒
子は接触相手の表面に付着し、汚れの問題が生じるだけ
ではなく、その粒子が刃となりフィルム表面を傷つけた
り、摩擦係数が上昇することにより、フィルム表面の走
行性やハンドリング性を悪化させるという問題を生じ
る。
【0006】また、粒子の種類、粒径、含有量を変え
て、フィルム表面を粗面化し、摩擦係数を小さくするこ
とにより、走行性やハンドリング性、耐摩耗性の向上は
認められるが、今後ますます高性能化が予測される磁気
記録媒体用途においては、表面が粗面化することは、磁
性層供与面であれ、あるいは走行面であっても電磁変換
特性(出力、S/N)に大きな影響を及ぼす。
【0007】本発明の目的は、本質的に含有粒子に頼る
ことなくポリエステルの結晶化を利用して表面に所望の
微細突起を形成したポリエステルフィルムおよびその製
造方法を提供することにあり、究極的には、破壊されに
くい均一な表面突起が形成された、耐摩耗性の良好な、
かつ、磁気記録媒体として用いられた場合に極めて優れ
た電磁変換特性を与えることを可能とするポリエステル
フィルムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的に沿う本発明の
ポリエステルフィルムは、ポリエステルAを主成分とす
る二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少なく
とも一方の表面における突起の個数と該表面を形成する
表層に含有される粒子の個数との比である突起個数/粒
子個数(NR )が5以上であり、かつ該表面における表
面粗さパラメータRp/Raが4以上20未満であるこ
とを特徴とする第一の発明又はポリエステルAを主成分
とする二軸配向ポリエステルフィルムであって、その少
なくとも一方の表面における突起の個数と該表面を形成
する表層に含有される粒子の個数との比である突起個数
/粒子個数(NR )が5以上であり、かつ該表面におけ
る表面粗さパラメータRt/Rpが1.5未満であるこ
とを特徴とする第二の発明からなる。
【0009】すなわち、本発明のポリエステルフィルム
は、表面に形成された突起の個数とその表層の含有粒子
個数との比(NR )が5以上であり、表面突起は本質的
に、粒子含有によって形成されるのではなく、ポリエス
テルA自身の結晶化を利用して形成される。したがっ
て、粒子を添加する場合のボイド発生の問題は実質的に
無くなり、破壊されにくい突起が形成される。NR が5
未満であると含有粒子によって形成される突起の割合が
多くなり、ボイド生成による破壊され易い突起の割合が
増大するので、望ましい耐摩耗性が得られない。
【0010】第一の発明では、このように大部分あるい
は全部の表面突起が、ポリエステルAの結晶化を利用し
て形成され、表面粗さパラメータRp/Raが4以上2
0未満であることが必要である。好ましくはRp/Ra
が4.5以上18未満、さらに好ましくはRp/Raが
5以上16未満であることが必要である。表面粗さパラ
メータRp/Raが上記範囲より小さくても大きくても
耐摩耗性、優れた電磁変換特性を得ることができないの
で好ましくない。表面粗さパラメータRp/Raを上記
範囲にすることにより、微細な突起がフィルム表面に均
一に形成され、さらに極めて高い平坦性が達成される。
その結果、表面の耐摩耗性が高いとともに、優れた電磁
変換特性を達成し得るポリエステルフィルムが得られ
る。すなわち上記のように、結晶化を利用した突起形成
によれば、従来の粒子による突起形成と比較して、1つ
1つの突起の強度が著しく向上するため、(突起個数が
少なくRaが小さい場合でも)ガイドロールなどと接触
した場合の、突起破壊によるフィルム表面のダメージは
改善され、耐摩耗性と優れた平坦性との両立が可能とな
る。
【0011】また、結晶化を利用して形成される表面突
起は含有粒子を核とするものではないから、ポリエステ
ルAと同等あるいはそれに近い硬さ、つまり含有粒子に
よって形成された突起に比べ低い硬度を有する。形成さ
れる突起が比較的柔らかいので、フィルムがプラスチッ
ク製ガイド上を走行される場合であっても、該ガイド表
面を削ることが極めて少なくなり、ガイド表面削れに伴
う問題も解消される。本第一の発明においては、少なく
とも一方の該表面における表面粗さパラメータRt/R
pが2未満、好ましくは1.5未満である場合に電磁変
換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0012】本第一の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRpは特に限定さ
れないが、30以上250nm未満である場合に耐摩耗
性、電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0013】本第一の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRtは特に限定さ
れないが、60以上350nm未満である場合に耐摩耗
性、電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0014】本第一の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRaは特に限定さ
れないが、6以上60nm未満である場合に耐摩耗性、
電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0015】本第一の発明においては、フィルム全体の
ヘイズが20%未満である場合に、電磁変換特性がより
一層良好となるので特に望ましい。
【0016】また、第二の発明では、このように大部分
あるいは全部の表面突起が、ポリエステルAの結晶化を
利用して形成され、表面粗さパラメータRt/Rpが
1.5未満であることが必要である。好ましくはRt/
Rpが1.45以下、さらに好ましくはRt/Rp1.
4以下である。表面粗さパラメータRt/Rpが上記範
囲を外れると耐摩耗性、優れた電磁変換特性を得ること
ができないので好ましくない。表面粗さパラメータRt
/Rpを上記範囲にすることにより、本第一の発明と比
較して、フィルム表面に微細な突起が、より均一な高さ
で形成され、さらにフィルム表面突起数が少なく、Ra
が小さい場合でも表面うねりが生じることなく、超平滑
な面が達成される。その結果、表面の耐摩耗性が高いと
ともに、より優れた電磁変換特性を達成し得るポリエス
テルフィルムが得られる。すなわち上記のように、結晶
化を利用した突起形成によれば、従来の粒子による突起
形成と比較して、粒子の粒度分布や凝集による粗大突起
がないため、ガイドロールなどと接触した場合の、突起
破壊によるフィルム表面のダメージはさらに改善され、
耐摩耗性と優れた平坦性との両立が可能となる。
【0017】また、結晶化を利用して形成される表面突
起は含有粒子を核とするものではないから、ポリエステ
ルAと同等あるいはそれに近い硬さ、つまり含有粒子に
よって形成された突起に比べ低い硬度を有する。形成さ
れる突起が比較的柔らかく、粗大突起がないので、フィ
ルムがプラスチック製ガイド上を走行される場合であっ
ても、該ガイド表面を削ることが極めて少なくなり、ガ
イド表面削れに伴う問題も解消される。
【0018】本第二の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRp/Raは、特
に限定されないが、4以上20未満である場合に電磁変
換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0019】本第二の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRpは特に限定さ
れないが、10以上200nm未満である場合に耐摩耗
性、電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0020】本第二の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRtは特に限定さ
れないが、15以上300nm未満である場合に耐摩耗
性、電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0021】本第二の発明においては、少なくとも一方
の該表面における表面粗さパラメータRaは特に限定さ
れないが、1以上50nm未満である場合に耐摩耗性、
電磁変換特性がより一層良好となるので望ましい。
【0022】本第二の発明においては、フィルム全体の
ヘイズが20%未満である場合に、電磁変換特性がより
一層良好となるので特に望ましい。
【0023】上記のようなポリエステルAの結晶化を利
用した本第一の発明又は第二の発明の表面突起の形成
は、次のように行われる。
【0024】ポリエステルAを主成分とする二軸配向フ
ィルムを作製するに際し、未延伸フィルムの少なくとも
片面に熱処理を施し、その後に該未延伸フィルムを二軸
延伸する事によって所望の表面突起が形成される。
【0025】未延伸フィルムに先ず熱処理を施すことに
より、未延伸フィルムの特に表面の結晶化が進められ、
微細な結晶が生成する。この未延伸フィルムが二軸延伸
され、フィルムが二軸に配向されて目標とするフィルム
自身の強度が達成されるとともに、結晶とそうでない部
分の硬さの差によって、上記微細結晶に起因する均一な
微細表面突起が形成される。
【0026】ここで表面突起がポリエステルAの微細結
晶からなるものか否かについては、対象となる突起の下
を、フィルム厚さ方向に適切な溶媒でエッチングしてい
き、その突起を形成する起因物が不溶物として残存する
場合は、外部から添加された粒子、あるいは、内部析出
した粒子とする(I)。不溶物として残存するものが実
質的になかった場合は、その突起を形成する起因物は微
細結晶であると推定できる(II)。上記の溶媒として
は、例えば、フェノール/四塩化炭素(重量比:6/
4)の混合溶媒などが好ましく用いられる。この方法で
視野を約1mm2 とした時のIの頻度、IIの頻度を求
め、II/(I+II)の値が70%以上である場合が好ま
しい。ただし、表面突起がポリエステルAの微細結晶か
らなるものか否かの判定法については、上記の方法に限
定されるものではなく、適切な方法を選択することがで
きる。
【0027】本第一の発明又は第二の発明においては、
ポリエステルAの種類は特に限定されないが、結晶化パ
ラメータ△Tcgが70℃以下、好ましくは65℃以下で
あることが望ましい。
【0028】本第一の発明又は第二の発明においては、
ポリエステルAの種類は特に限定されないが、エチレン
テレフタレート、エチレンα,β−ビス(2−クロルフ
ェノキシ)エタン−4,4’−ジカルボキシレート、エ
チレンナフタレート単位から選ばれた少なくとも一種の
構造単位を主要構成成分とする場合に特に好ましい。中
でもエチレンテレフタレートを主要構成成分とするポリ
エステルの場合が特に好ましい。また、短い熱処理時間
で、多数の突起を形成させるためには、結晶核剤効果に
より結晶化速度の速いポリエチレンテレフタレートが特
に好ましい。結晶核剤効果を高めるためには、エステル
交換、重合時に酢酸リチウム、酢酸マグネシウム、酢酸
カリウム、亜リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸あるい
はそれらの誘導体、酸化アンチモン、酸化ゲルマニウム
を存在させることが有効である。特に望ましい組み合わ
せは、酢酸マグネシウムとホスホン酸(またはその誘導
体)および酸化アンチモンであり、ホスホン酸誘導体と
してフェニルホスホン酸ジメチルなどがあげられる。添
加量としてはポリエステルAを用いて製膜したフィルム
の重量に対して酢酸マグネシウム2〜150ppm、フ
ェニルホスホン酸ジメチル5〜350ppm添加すると
良い。但し、ポリエステルAの製造方法は上記に何等限
定されるものではない。なお、本発明の目的を阻害しな
い範囲内で、二種以上のポリエステルを混合してもよい
し、共重合ポリマを用いても良い。また、ポリエステル
Aには実質的に粒子が含有されていないことが望まし
い。
【0029】本第一の発明又は第二の発明のポリエステ
ルフィルムは、ポリエステルAを主成分とする二軸配向
フィルム単層で用いられてもよいし、ポリエステルBを
主成分とするフィルムの少なくとも片面に積層された積
層フィルムとして用いられてもよい。
【0030】ポリエステルBの種類は特に限定されな
い。ポリエステルBには、粒子が含有されないことが望
ましいが、含有されていても良い。
【0031】次に、本第一の発明又は第二の発明のポリ
エステルフィルムの製造方法について、より具体的に説
明する。
【0032】本第一の発明又は第二の発明においては、
未延伸フィルムの少なくとも片面に熱処理を施し、その
後に二軸延伸する。ここで未延伸フィルムとは、口金か
ら押し出された直後の冷却固化される前の状態から、冷
却固化後、一軸方向にわずかに微延伸(2倍程度まで)
されたものまでを指す。この熱処理の目的は、延伸前の
フィルム表面を好ましい結晶化度にまで結晶性を高める
ことであり、処理方法としては、押出し直後の温度の
高いフィルムを徐冷することにより結晶化させる方法、
一旦冷却、固化したフィルムを再加熱して結晶化させ
る方法、一軸方向に微延伸させた状態で加熱処理する
方法、がある。これらの方法の一つをフイルムの製膜プ
ロセスのなかで実施し、目標とする表面形態を得ること
ができるが、これらの方法を二つ以上併用して、フイル
ムの製膜プロセスのなかで実施してもよい。
【0033】本目的に沿う表面形態を得るためには、
の方法が好ましいが、またはの方法を用いても、適
切な条件を採用することにより望ましい表面形態を得る
ことができる。の処理方法については、特に限定され
ないが、加熱ロールに巻き付けて熱処理する方法、ロー
ルに巻き付けた状態でロールと接触する反対の面から熱
風処理する方法、あるいはロールに巻き付けた状態でロ
ールと接触する反対の面から赤外線ヒータで熱処理する
方法、ロール/ロール間で赤外線ヒータで熱処理する方
法、ステンタを用いて加熱する方法等があるが、特にこ
れらの方法に限定されるものではない。処理条件として
は、100〜240℃の温度下で、0.5〜100秒熱
処理することが望ましい。より好ましくは、120〜2
20℃で1〜50秒の熱処理条件が目標とする表面形態
を、フィルムの製膜プロセス中で効率良く得るために望
ましい条件である。
【0034】本発明における二軸配向ポリエステルフィ
ルムは、特に磁気記録用の支持体として好適に用いられ
るが、汎用性ビデオテープの支持体、デジタルビデオあ
るいはデジタルオーディオなどの高級メタルテープ用の
支持体、ダビング工程において強度の磨耗負荷をうける
高速ダビング用のビデオテープの支持体として用いると
特に有効である。また、フィルムにボイドが非常に少な
いので、コンデンサー用、包装用にも適している。さら
に表面が緻密かつ均一に粗れていることから、描画性フ
ィルムや液晶画面用に用いられる光拡散フィルムなどに
も好適である。[物性の測定法法ならびに効果の評価方
法]本発明の特性値の測定方法ならびに効果の評価方法
は次の通りである。
【0035】(1)フィルム表面の突起個数、突起高さ 2検出方式の走査型電子顕微鏡の走査型電子顕微鏡[E
SM−3200、エリオニクス(株)製]と断面測定装置
[PMS−1、エリオニクス(株)製]においてフィル
ム表面の平坦面の高さを0として走査したときの突起の
高さ測定値を画像処理装置[IBAS2000、カールツァ
イス(株)製]に送り、画像処理装置上にフィルム表面
突起画像を再構築する。次に、この表面突起画像で突起
部分を2値化して得られた個々の突起部分の中で最も高
い値をその突起の突起高さとし、これを個々の突起につ
いて求める。この測定を場所を変えて500回繰り返
し、20nm以上のものを突起とし、突起個数および平
均突起高さを求めた。また走査型電子顕微鏡の倍率は、
1000〜8000倍の間を選択する。なお、場合によっては、
高精度光干渉式3次元表面解析装置(WYKO社製TO
PO−3D、対物レンズ:40〜200倍、高精度カメ
ラ使用が有効)によって得られる高さ情報やピークカウ
ントなどの個数情報を上記SEMの値に読み変えても良
い。また、突起個数に関しては、突起を立体的にとらえ
るため、フィルムを82.5゜傾けて、倍率1万〜50
万倍で電子顕微鏡(SEM)による写真を撮影し、10
0視野測定を行った平均値から突起数を1mm2 あたり
に換算してもよい。
【0036】(2)表層に含有される粒子個数 本発明で表層とは、フィルム表面より、深さ3Dまでの
部分をいう。ここで、3Dとは、フィルム中に含有され
る粒子の平均粒径D×3を意味する。またここで言う粒
子とはフィルムの断面をTEMで観察した際に、観測さ
れる粒子の厚み方向の差し渡しが上記方法で求めた平均
突起高さ以上のものを粒子と定義し、厚み方向の差し渡
しがそれより小さいものは粒子とはしない。
【0037】フィルム断面を透過型電子顕微鏡(TE
M)により観察し、表面より深さ3Dまでの部分に存在
する粒子個数を倍率3000〜10000倍で500視
野について観察し、1mm2 あたりに換算してもよい。
【0038】(3)結晶化パラメータ△Tcg パーキンエルマー社のDSC(示差走査熱量計)II型を
用いて測定した。DSCの測定条件は次のとおりであ
る。すなわち、試料10mgをDSC装置にセットし、3
00℃の温度で5分間溶融した後、液体窒素中に急冷す
る。この急冷試料を10℃/分で昇温し、ガラス転移点
Tgを検知する。さらに昇温を続け、ガラス状態からの
結晶化発熱ピーク温度をもって冷結晶化温度Tccとした
TccとTgの差(Tcc−Tg )を結晶化パラメータ△Tc
gと定義する。
【0039】(4)フィルムヘイズ ヘイズメーターを用い、JIS−K−6714に準じて
測定を行なった。
【0040】(5)表面粗さパラメータ、Rp/Ra、
Rt/Rp (株)小坂研究所製の高精度薄膜段差測定器ET−10
を用いて測定した。条件は下記のとおりであり、20回
の測定の平均値をもって値(単位nm)とした。 ・触針先端半径 : 0.5 μm ・触針荷重 : 5 mg ・測定長 : 1 mm ・カットオフ : 0.08 mm ・触針スピード : 4 μm /sec なお、Ra、Rt、Rpの定義は例えば、奈良治郎著
「表面粗さの測定・評価法」(総合技術センター、19
83)にしめされているものである。
【0041】(6)耐摩耗性 フィルムを幅1/2インチのテープ状にスリットしたも
のをテープ走行試験機を使用して、ガイドピン上を繰り
返し走行させる。(ガイド材質:SUS、表面粗度:
0.3S)フィルムの一端に200gの荷重を掛け、巻
き付け角:90度、走行速度3.3cm/秒で20パス
走行させた後、ガイドピン上に付着した白粉量を評価
し、さらにフィルム表面を微分干渉顕微鏡で観察し、突
起破壊および粒子の脱落状況の評価を行なった。倍率1
000倍で10視野について観察を行ない全突起数に対
する突起破壊および粒子の脱落箇所の割合をもって3段
階評価とした。
【0042】 ・突起破壊および粒子の脱落がほとんど認められない :優 ・突起破壊および粒子の脱落箇所が全突起数の2%未満 であり、白粉付着量はほとんどない :良 ・突起破壊および粒子の脱落箇所が全突起数の2%以上 であり、白粉付着がある :不良 面粗さRaの小さい面側に下記組成物をボールミルで4
8時間混合分散した後、硬化剤6部を添加して得られた
混練物をフィルターで瀘過した磁性塗料をグラビヤロー
ルにより塗布し、磁気配向させ、110℃で乾燥させ
る。さらに、小型テストカレンダ−装置(スチ−ルロー
ル/ナイロンロール、5段)で、温度:70℃、線圧:
200kg/cmでカレンダ−処理した後、70℃、4
8時間キュアリングする。上記テ−プ原反をスリット
し、パンケーキを作成した。このパンケーキからVTR
カセットに組み込みVTRカセットテープとした。
【0043】 (磁性塗料の組成) ・Fe 100部 平均粒子サイズ 長さ :0.3μm 針状比:10/1 抗磁力 :2000Oe ・ポリウレタン樹脂 15部 ・塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体 5部 ・ニトロセルロース樹脂 5部 ・酸化アルミ粉末 3部 平均粒径 :0.3μm ・カーボンブラック 1部 ・レシチン 2部 ・メチルエチルケトン 100部 ・メチルイソブチルケトン 100部 ・トルエン 100部 ・ステアリン酸 2部 得られたテープを家庭用VTRを用いて、評価を行っ
た。テレビ試験波形発生器により100%クロマ信号を
記録し、その再生信号からカラービデオノイズ測定器で
クロマS/Nを測定した。このクロマS/Nを市販され
ているスタンダードビデオテープと比較して、同等のも
の(差が+0dB以下のもの)を出力特性:不良。差が
+0dBを超え+2dB以下のものを出力特性:良。差
が+2dBを超えるものを出力特性:優とした。
【0044】(7)電磁変換特性(出力特性) 本発明のフィルムを磁気テープとした場合の電磁変換特
性について、(a)メタル塗布型テープ、(b)メタル
蒸着型テープの2種類について測定を行なった。
【0045】(a)メタル塗布型テープ(MP) 本発明のフィルム表裏の表面粗さを、前記(5)の方法
で測定して表 (b)メタル蒸着型テープ(ME) 本発明のフィルム表裏の表面粗さを、前記(5)の方法
で測定して表面粗さRaの小さい面側に真空蒸着機内で
微量の酸素の存在下にコバルト・ニッケル合金(Ni2
0重量%)を高周波スパッタリング法により蒸着し、厚
さ0.2μmの蒸着層を形成させた。次いで反対面にバ
ックコート層を公知の手段で形成させた後、テープ幅に
スリットし蒸着テープのパンケーキを作成した。このパ
ンケーキをVTRカセットに組み込みVTRカセットと
した。このテープに家庭用VTRを用いてシバソク製の
テレビ試験波形発生器(TG7/U706)により10
0%クロマ信号を記録し、その再生信号からシバソク製
カラービデオノイズ測定器(925D/1)でクロマS
/Nを測定した。このクロマS/Nを市販されている8
mmビデオテープ(120分ME)と比較して同等のも
の(差が+0dB以下のもの)を出力特性:不良。差が
+0dBを超え+1dB以下のものを出力特性:良。差
が+1dBを超えるものを出力特性:優とした。
【0046】(8)積層厚さ 透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加
速電圧100kVで、フィルム断面を、超薄切片法(R
uO4 染色)で観察し、その界面をとらえ、その積層厚
さを求める。倍率は、判定したい積層厚さによって選ぶ
ことが通常であり、特に限定されないが、1万〜10万
倍が適当である。
【0047】
【実施例】次に本第一の発明又は第二の発明を実施例に
基づいて説明する。
【0048】実施例 ポリエステルAとして、常法により重合したポリエチレ
ンテレフタレート(重合触媒:酢酸マグネシウム0.1
重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リン化合物
としてジメチルフェニルホスホネート0.30重量%を
用いた。)を用いた(固有粘度:0.62、融点:25
9℃)。これをポリエステルA(I)とした。
【0049】また前記の重合触媒の酢酸マグネシウムを
0.14重量%、三酸化アンチモン0.03重量%、リ
ン化合物としてジメチルフェニルホスホネート0.34
重量%に変更して、常法により重合したポリエチレンテ
レフタレート(固有粘度:0.61、融点:258℃)
をポリエステルA(II)とした。
【0050】さらに前記ポリエステルA(I)のペレッ
トと下記ポリエステルBのペレットを5:95の割合で
混合したものをポリエステルA(III )とした。
【0051】ポリエステルBとして、酢酸マグネシウム
0.06重量%、三酸化アンチモン0.008重量%、
トリメチルホスフェート0.02重量%を用いて、常法
により重合したポリエチレンテレフタレートを用いた
(固有粘度:0.62、融点:259℃)。
【0052】実施例1、2、3 ポリエステルAの単層フィルムとした。ポリエステルA
(I、II、III )のペレットをそれぞれ180℃で3時
間乾燥後、公知の押出機を用いて、290℃で溶融押出
しを行い、静電印加キャスト法を用いて、表面温度25
℃のキャスティングドラム上に巻き付けて、冷却、固化
し、未延伸フィルムを作った。この未延伸フィルムをシ
リコーンの加熱ロールに巻き付けて以下の温度条件で熱
処理を行った。
【0053】実施例1:ポリエステルA(I)、ロール
表面温度:125℃、8秒間熱処理 実施例2:ポリエステルA(II)、ロール表面温度:1
40℃、3.5秒間熱処理 実施例3:ポリエステルA(III )、ロール表面温度:
130℃、8秒間熱処理 熱処理後フィルムを、温度90℃にて、長手方向に3.
5倍延伸し、さらに公知のステンタを用いて、延伸速度
2000%/分で、95℃で、幅方向に4.5倍延伸
し、さらに定長下で210℃にて5秒間熱処理を行い、
厚さ10μmの2軸配向フィルムを得た。
【0054】実施例4、5 A/B/A3層構成の積層フィルムとした。180℃で
3時間乾燥したポリエステルA(I)とポリエステルB
のぺレットを、それぞれ2台の押出機に供給し、290
℃で溶融し、3層用の矩形の合流ブロック(フィードブ
ロック)で、合流積層した。以下、実施例1、2、3と
同様のプロセスで下記の温度条件で熱処理を行った。総
厚さ10μm (A層厚さ0.7μm )の二軸配向積層フ
ィルムとした。また、実施例4においては、延伸倍率を
長手方向に3.5倍、幅方向に4.0倍とした。
【0055】 実施例4:ロール表面温度130℃、8秒間熱処理 実施例5:ロール表面温度140℃、8秒間熱処理 比較例1、2 ポリエステルA(I)に不活性粒子を添加(エチレング
リコール中に平均粒径0.3μm のコロイダルシリカ粒
子を分散させ、重合時に添加)せしめたペレット(粒子
含有量:0.5重量%)を用いて、上記実施例1、2、
3と同様のプロセスにて、総厚さ10μmの二軸配向単
層フィルムを得た。ただし未延伸フィルムの熱処理条件
は、比較例1、2とも130℃、3.5秒とした。
【0056】比較例3 ポリエステルA(II)のみを用いて、上記実施例1、
2、3と同様のプロセスにて、総厚さ10μmの二軸配
向単層フィルムを得た。未延伸フィルムの熱処理条件
は、115℃、30秒とした。
【0057】比較例4、5 ポリエステルA(II)に不活性粒子を添加(平均粒径
0.6μm の炭酸カルシウム粒子、重合時に添加)せし
めたペレットを用いて、、実施例4と同様のプロセスで
下記の熱処理条件で、A/B/A3層構成の積層フィル
ムとした。総厚さ10μm (A層厚さ0.7μm )の二
軸配向積層フィルムとした。また、比較例5において
は、延伸倍率を長手方向に3.3倍、幅方向に3.5倍
とした。
【0058】 比較例4:ロール表面温度130℃、8秒間熱処理 比較例5:ロール表面温度140℃、8秒間熱処理 上記実施例、比較例において調製したフィルムを評価し
た結果を表1に示す。本発明の範囲に属するサンプル
は、耐摩耗性、電磁変換特性において優れていることが
分かる。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】本第一の発明又は第二の発明のポリエス
テルフィルムおよびその製造方法によれば、含有粒子に
頼ることなく、ポリエステルAの結晶化を利用して表面
粗さパラメータを特定範囲とし、微細突起を形成するよ
うにしたので、ボイド生成を抑制して破壊されにくく均
一な突起を効率良く形成することができるとともに、平
坦性も確保でき、耐摩耗性の良好な、かつ、磁気記録媒
体用途に用いた場合に、極めて優れた電磁変換特性を与
えることを可能とするポリエステルフィルムが得られ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 9:00 C08L 67:02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルAを主成分とする二軸配向
    ポリエステルフィルムであって、その少なくとも一方の
    表面における突起の個数と該表面を形成する表層に含有
    される粒子の個数との比である突起個数/粒子個数(N
    R )が5以上であり、かつ該表面における表面粗さパラ
    メータRp/Raが4以上20未満であることを特徴と
    するポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 前記該表面における表面粗さパラメータ
    Rt/Rpが2未満であることを特徴とする請求項1の
    ポリエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 ポリエステルAを主成分とする二軸配向
    ポリエステルフィルムであって、その少なくとも一方の
    表面における突起の個数と該表面を形成する表層に含有
    される粒子の個数との比である突起個数/粒子個数(N
    R )が5以上であり、かつ該表面における表面粗さパラ
    メータRt/Rpが1.5未満であることを特徴とする
    ポリエステルフィルム。
  4. 【請求項4】 前記表面の突起が主に結晶に起因する突
    起であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載のポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 ポリエステルBを主成分とするフィルム
    の少なくとも片面に、請求項1〜4のいずれかに記載の
    ポリエステルフィルムが積層されてなることを特徴とす
    るポリエステルフィルム。
  6. 【請求項6】 未延伸フィルムの少なくとも片面に熱処
    理を施し、その後にその未延伸フィルムを二軸延伸する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリ
    エステルフィルムの製造方法。
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