JPH08143570A - 細胞内転送阻害剤 - Google Patents

細胞内転送阻害剤

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JPH08143570A
JPH08143570A JP6319008A JP31900894A JPH08143570A JP H08143570 A JPH08143570 A JP H08143570A JP 6319008 A JP6319008 A JP 6319008A JP 31900894 A JP31900894 A JP 31900894A JP H08143570 A JPH08143570 A JP H08143570A
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JP
Japan
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complex salt
compound
glycoprotein
macrotetrolide
intracellular transfer
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Application number
JP6319008A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Sato
勉 佐藤
Yasuyo Shimizu
靖代 清水
昭 ▲高▼月
Akira Takatsuki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
RIKEN
Original Assignee
Yamanouchi Pharmaceutical Co Ltd
RIKEN
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】一般式(I)で示されるマクロテトロライド化
合物又はその錯塩を有効成分として含有する糖蛋白質細
胞内転送阻害剤、特に抗ウイルス剤、抗癌剤、及び抗ア
レルギー剤、並びに該化合物又はその錯塩の生産能を有
することを特徴とするストレプトミセス・エスピー Q
30101の微生物、並びにストレプトミセス属に属し
該化合物又はその錯塩の生産能を有する菌株を培養し培
養物より該化合物又はその錯塩の生産方法。 (式中、R、R、R及びRは同一又は異なって
メチル基又はエチル基を意味する) 【効果】上記の医薬は糖蛋白質の細胞内転送阻害が作用
機作となって治療活性を発揮する疾患、例えば各種のウ
イルス性疾患、各種の癌、各種のアレルギー性疾患など
の予防・治療剤として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マクロテトロライド化
合物又はその錯塩を有効成分として含有する医薬、該マ
クロテトロライド化合物又はその錯塩の生産能を有する
新規微生物、並びに該新規微生物を用いた発酵法による
該マクロテトロライド化合物又はその錯塩の生産方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、糖蛋白質がウイルス感染、癌化、
免疫、アレルギー等種々の細胞生理や病態において重要
な機能を担っていることが明らかにされてきた。例え
ば、ウイルス性疾患のウイルス感染過程や合胞体形成過
程において、ウイルス外被糖蛋白質の関与が指摘されて
いる。また、癌化により異常糖鎖の糖蛋白質が合成され
ていることが明らかにされるなど、糖蛋白質の糖鎖構造
と癌化、免疫反応の関連も予想されている。一方、抗真
菌薬として知られていたブレフェルジンA[Merck
Index、第11版、2g8頁、1363 Bre
feldin A 参照;1,6,7,8,9,11
a,12,13,14,14a−デカヒドロ−1,13
−ジヒドロキシ−6−メチル−4−シクロペント[f]
オキサシクロトリデカン−4−オン]が、最近に至り抗
ウイルス活性、抗アレルギー活性、抗癌活性を有するこ
と[Aids Res.Hum.Retrovirus
es,(8),707−712(1991)、J.I
mmunol.,147(10),3289−3295
(1991)、Proc.Am.Assoc.Canc
er Res.Annu.Meet.,32(0),4
00(1991)]、その後ゴルジ器官を経る糖蛋白質
の細胞内転送を妨げる作用を有することが報告された
[J.Gen.Virol.,73(10),2679
−2692(1992)]。細胞内転送とは、小胞体で
新たに合成された糖蛋白質が、ゴルジ器官を経て細胞表
層、細胞外あるいは細胞内オルガネラに転送されてい
き、あるものは分泌顆粒に蓄積され、外的な刺激に応答
して細胞表層あるいは細胞外へ運ばれる系である。レセ
プターのように細胞表層へ転送された後でエンドサイト
ースされるものもある。これら一連の転送の流れは概ね
明らかにされてきたが、その機構については現在活発な
研究が行なわれている。
【0003】一方、マクロテトロライド抗生物質群は、
32員環の大環状構造を有し、環内に4つのラクトンを
含む一群の抗生物質の総称であり、具体的にはノナクチ
ン、モナクチン、ダイナクチン、トリナクチン、テトラ
ナクチン等である。これらのマクロテトロライド化合物
がグラム陽性菌に対する抗菌活性、抗真菌活性、殺虫活
性を有することは既に知られている[J.Antibi
ot.,18,128(1965)、J.Antibi
ot.,17,11(1964)、J.Antibio
t.,23,105(1965)]。しかしながら、こ
れらの物質が糖蛋白質細胞内転送阻害作用を有し、抗ウ
イルス剤、抗アレルギー剤や制癌剤として有用であるこ
とは全く知られていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】抗ウイルス剤、抗アレ
ルギー剤、制癌剤の開発研究は未だ盛んであり、臨床効
果に優れた抗ウイルス剤、抗アレルギー剤、制癌剤を提
供することは、現在なお医療上の重要な課題となってい
る。
【0005】
【課題を解決した手段】本発明者らは、かかる技術水準
下、糖蛋白質の細胞内転送を阻害する物質が抗ウイルス
活性、抗アレルギー活性、制癌活性などを示すのではな
いかという点に着目し、ウィルスを用いた糖蛋白質の細
胞内転送系のスクリーニングにより活性物質を鋭意探索
した結果、土壌より分離した新種の放線菌生産物質が糖
蛋白質細胞内転送阻害作用を有し、抗ウイルス活性等を
示すことを見出した。本発明者らは、さらにその物質に
ついて同定を行ったところ、この糖蛋白質細胞内阻害物
質が従来マクロテトロライド抗生物質群として知られて
いるノナクチン、モナクチン、ダイナクチン、トリナク
チン、テトラナクチンであることを知見して本発明を完
成させるに至った。すなわち、本発明は下記一般式
(I)で示されるマクロテトロライド化合物又はその錯
塩を有効成分として含有する糖蛋白質細胞内転送阻害剤
に関する。
【0006】
【化1】
【0007】(式中、R、R、R、及びRは同
一又は異なってメチル基又はエチル基を意味する) また、本発明は糖蛋白質細胞内転送阻害作用を有するマ
クロテトロライド化合物(I)又はその錯塩の生産能を
有するストレプトミセス・エスピー Q30101に関
する。本発明は、さらに、ストレプトミセス属に属し糖
蛋白質細胞内転送阻害作用を有するマクロテトロライド
化合物(I)又はその錯塩の生産能を有する微生物を培
養し、培養物から該化合物(I)又はその錯塩を採取す
ることを特徴とする該化合物の生産方法に関する。
【0008】以下に、本発明新規微生物、生産方法及び
医薬につき詳述する。 (微生物)本発明の微生物は、ストレプトミセス属の一
種に属し、マクロテトロライド化合物(I)又はその錯
塩の生産能によって特徴づけられる。該微生物としては
具体的にはストレプトミセス・エスピー(Strept
omyces sp.)Q30101株が挙げられる。
このQ30101株は、沖縄県西表島の土壌より分離さ
れたものである。本菌株の菌学的性質は以下の通りであ
る。
【0009】Q30101株の菌学的性質 1. 形態 本菌株は各種有機及び無機培地において良く生育し、基
生菌糸の色調は、黄灰から黄茶色を呈する。気菌糸は、
スターチ・無機塩寒天培地、栄養寒天培地上でよく形成
される。気菌糸はほとんど分岐せず、その先端は波型
(Flexibilis)を示す。基生菌糸から分岐し
た胞子柄上に、10〜50個以上の胞子連鎖をつくる。
液体培養で、基生菌糸の断片化は見られない。電子顕微
鏡による観察では、胞子の形状は円筒形、大きさは0.
4〜0.6μm×0.5〜0.8μmで、その表面は平
滑である。胞子嚢、運動性胞子等の特殊な器官は観察さ
れない。
【0010】2.各種寒天培地上の性状 各種寒天培地上の性状は、下表1、2及び3に示すとお
りである。特に記載しないかぎり、28℃で21日間培
養し、常法にしたがって観察したものである。色調の記
載については色の標準(日本色彩研究所)によった。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【表3】
【0014】3.生理的性質
【0015】
【表4】
【0016】4.炭素源の資化性
【0017】
【表5】
【0018】5.菌体成分の化学分析 LECHVALIERらの方法(LECHVALIE
R,MP.et al;PP277−238 in D
IETZ,A et al ed., Actinom
ycete Taxcnomy,SIM Specia
l Publication No.6,1980)に
従い本菌株の酸加水分解物の分析を行なった結果、LL
−ジアミノピメリン酸が検出された(細胞壁タイプ
I)。主要な菌体メナキノンは、MK−9(H)であ
った。以上よりQ30101株の性状を要約すると、色
調は、基生菌糸が黄灰から黄茶で、気菌糸が白から黄灰
色を呈する。基生菌糸から延びた胞子柄上に、10から
50個以上の胞子連鎖を作り、基生菌糸は断片化しな
い。細胞壁タイプはI、主要なメナキノンはMK−9
(H)である。上記諸性状により、本菌株はストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する菌株
と判断される。各種文献(Bergey’s Manu
al of Systematic Bacterio
logy vol.4,1989等)により、ストレプ
トミセス(Streptomyces)属に属する既知
菌株との比較検討を行った結果、本菌株と類似した菌種
は見あたらなかった。そこで、本菌株をストレプトミセ
ス エスピー(Streptomyce sp.)Q3
0101と命名した。なお、本菌株は工業技術院生命工
学工業技術研究所に受託番号FERM P−14584
号として寄託されている。
【0019】本発明微生物は、自然的にあるいは紫外
線、X線、化学薬剤などにより人工的に変異を起こし易
い。従って、本発明の微生物としては、天然より分離さ
れた上記Q30101株や、Q30101株と同種に属
し糖蛋白質細胞内転送阻害物質(I)又はその錯塩の生
産能を有する微生物、これらの自然変異株、人工変異株
が包含される。また、本発明の生産方法に使用される微
生物としては、ストレプトミセス属に属し糖蛋白質細胞
内転送阻害物質(I)又はその錯塩の生産能を有する微
生物、これらの自然変異株、人工変異株が包含される。
なお、本発明微生物は天然の土壌より分離して取得した
ものであるが、前記生命工学工業技術研究所に寄託され
た菌株を復元することによって容易に入手できる。
【0020】(生産方法)本発明生産方法は、ストレプ
トミセス属に属し糖蛋白質細胞内転送阻害物質(I)又
はその錯塩の生産能を有する微生物を培養し、培養物よ
り該化合物(I)又はその錯塩を採取することにより行
われる。培養はその微生物が利用する栄養源を含有する
培地を用いて行うのが有利である。培地は合成、半合成
又は天然の、固体又は液体のいずれの培地を用いてもよ
いが、通常天然の栄養源を含む液体培地が好適である。
培地に添加される栄養源のうち、炭素源としてはL−ア
ラビノース、D−キシロース、D−グルコース、D−フ
ルクトース、シュークロース、イノシット、ラムノー
ス、ラフィノース、D−マンニット、D−ガラクトー
ス、マルトース、トレハロース、ラクトース、D−ソル
ビット、サリシン、グリセリン、キサンチン、キチン、
デンプン、スターチ、ブドウ糖、デキストリン、ヤシ
油、大豆油等が挙げられ、これらは単独又は組み合わせ
て用いられる。さらに、アルコール類、有機酸等を用い
ることもできる。また、無機窒素源としては、塩化アン
モニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素
等が、有機窒素源としてはペプトン、酵母エキス、乾燥
酵母、肉エキス、グルテンミール、コーンスチープリカ
ー、大豆粉、魚粉、落花生粉、綿実粕、カザミノ酸や各
種アミノ酸(例えば、グルタミン酸、アラニン、リジン
等)等が単独又は組み合わせて用いられる。また、培地
には必要に応じナトリウム、カリウム、マグネシウム、
カルシウム、亜鉛、鉄、コバルト等の金属の硫酸塩、硝
酸塩、塩化物、炭酸塩、リン酸塩等の無機塩やクエン酸
ナトリウム等の有機酸塩を添加することができる。培養
は好気的条件下に行うのが有利であり、静置、振盪、通
気攪拌培養のいずれも可能であるが、振盪あるいは通気
攪拌培養が特に好適である。培養温度はおよそ15〜5
0℃の範囲内が好ましく、殊に約25〜30℃が有利で
ある。また、培地のpHは約4.5〜8.5、とりわけ
約5.5〜7.5に保持するのが好適である。培養時間
は、培地の組成、温度等の培養条件によって異なるが、
通常約2〜14日程度、好ましくは3〜6日程度であ
り、上記生産物質が最高力価に達する時期を見計らって
適当な時期に終了する。
【0021】このようにして培養された培養物中に蓄積
された糖蛋白質細胞内転送阻害物質を単離精製するに
は、通常用いられる単離精製手段を適用すればよい。Q
30101株を製造例記載の培養条件下で培養すると、
少なくとも5種類の転送阻害物質が培養液中に蓄積され
る。糖蛋白質細胞内転送阻害物質の単離・精製は、培養
物を遠心分離あるいは濾過して菌体を除去した後、適当
な溶剤に対する溶解性及び溶解度の差、溶液からの析出
速度の差、種々の吸着剤に対する吸着親和性の差、2種
の液相間における分配の差等を利用する方法を適用して
行われる。これらの方法は、必要に応じて、単独で用い
られ、あるいは任意の順序に組み合わせ、また反復して
適用できる。Q30101株の培養による生産物質は、
溶剤に対する溶解性、各種担体に対する吸着親和性の差
を利用し、転送阻害活性を指標として分離される。ま
た、数種の転送阻害物質は最終的には高速液体クロマト
グラフィー(HPLC)に付し、それぞれ単離すること
ができる。
【0022】(糖蛋白質細胞内転送阻害物質)Q301
01株の培養により糖蛋白質細胞内転送阻害物質が生産
され、5種の活性物質が単離された。これらの物質につ
きその理化学的性質について確認し同定した結果、Q3
0101株の培養により生産された5種の糖蛋白質細胞
内転送阻害物質は、従来マクロテトロライド抗生物質群
に含まれるものとして公知の下記構造を有するノナクチ
ン、モナクチン、ダイナクチン、トリナクチン、及びテ
トラナクチンであることが確認された。
【0023】
【化2】
【0024】ノナクチン、モナクチン、ダイナクチン、
トリナクチン及びテトラナクチンの理化学的性質のう
ち、それぞれのマススペクトル[FAB(Pos.)]
及び紫外線吸収スペクトル(メタノール溶液)、並びに
ノナクチン、モナクチン、ダイナクチンの水素核磁気共
鳴スペクトル(CDCl)のデータを、図1〜図13
に示す。なお、マススペクトルを測定するに際しマクロ
テトロライド化合物のナトリウム及びカリウムの錯塩を
形成させ測定しており、マススペクトルの図中Naはそ
のマクロテトロライド化合物のナトリウム錯塩のピーク
を、Kはそのマクロテトロライド化合物のカリウム錯塩
のピークをそれぞれ示す。
【0025】マクロテトロライド化合物は、その32員
環の中に金属を含んで金属錯塩を形成することは周知で
あり、その金属錯塩も遊離のマクロテトロライド化合物
と同様の活性を有する。従って、本発明医薬の有効成分
としては、遊離のマクロテトロライド化合物(I)、す
なわちノナクチン、モナクチン、ダイナクチン、トリナ
クチン及びテトラナクチンだけでなく、これらの錯塩、
例えばナトリウム、カリウム、リチウム等化合物(I)
と金属キレートを形成することが可能な金属との錯塩も
包含される。また、化合物(I)又はその錯塩は水和
物、各種の溶媒和物、結晶多形の物質として単離される
場合が考えられる。従って、本発明医薬の有効成分
(I)又はその錯塩には、これらの物質も包含される。
さらに、化合物(I)又はその錯塩には不斉炭素原子が
存在する。本発明有効成分としては天然型の異性体が好
適であるが、本発明医薬の有効成分としては光学異性体
の混合物、あるいはその単離されたものの全てが含まれ
る。なお、本発明医薬の構成成分としてのマクロテトロ
ライド化合物(I)又はその錯塩は、Q30101株の
培養によって生産されたものに限定されるべきではな
く、従来マクロテトロライド抗生物質群に含まれる物質
を生産することが知られている公知の菌株の培養により
生産されたものであってもよいことは勿論である。
【0026】一般式(I)で示されるマクロテトロライ
ド化合物又はその錯塩を有効成分として含有する医薬組
成物は、通常製剤化に用いられる担体や賦形剤、その他
の添加剤を用いて調製される。製剤用の担体や賦形剤と
しては、固体又は液体状の非毒性医薬用物質が挙げられ
る。これらの例としては、例えばデンプン、乳糖、白
糖、マンニトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウ
ム、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、ステアリ
ン酸マグネシウム、タルク、繊維素グリコール酸カルシ
ウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ゼラチ
ン、寒天、ペクチン、蒸留水、エタノール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油、ゴ
マ油、カカオバター、ポリソルベート80(商品名:界
面活性剤)等やその他常用のものが例示される。投与
は、錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、液剤等に
よる経口投与、静注、筋注等の注射剤、坐剤、経皮剤等
による非経口投与のいずれの形態であってもよい。投与
量は、投与対象の年齢、性別、体重、疾患、症状等を考
慮して適宜決定される。
【0027】
【実施例】以下に実施例を掲記し、本発明を詳細に説明
する。 製造例 グルコース1.0%、ポテトスターチ2.0%,イース
トエキストラクト(オリエンタル酵母社製)0.5%,
ポリペプトン(日本製薬製)0.5%,炭酸カルシウム
0.4%を含む培地A(pH7.0)を作製した。これ
を500ml容三角フラスコに100mlづつ分注し1
20℃で20分間滅菌したものに、ベネット寒天培地上
に生育させたQ30101株の菌糸をかき取って接種
し、27℃で3日間振とう培養を行ない種培養液とし
た。次に培地Aを21(リットル)作製し、これを50
0ml容三角フラスコに100mlづつ分注して、12
0℃で20分間滅菌したものに種培養液を3.0%の割
合で植菌し、27℃で4日間培養を行なった。この様に
して得られた培養液を塩酸でpH3に調整した後、ラジ
オライト#600(昭和化学工業製)を加えて濾過し、
菌体と上清を分けた。上清のpHを7に調整した後、酢
酸エチル2lを加え、抽出を行なった。酢酸エチル層を
分けた後、再度酢酸エチル2lを加え抽出を行なった。
酢酸エチル層を合わせA液とした。菌体にはアセトン1
lを加えよくかきまぜ、2時間放置した。濾過した後、
上清を減圧下濃縮しアセトンをとばした。1lの水を加
え濃縮液を溶かした後、1lの酢酸エチルを加え抽出を
行なった。酢酸エチル層を分けた後、1lの酢酸エチル
を加え、再び抽出を行なった。酢酸エチル層を合わせた
ものをB液とした。A液とB液を合わせたものに無水硫
酸ナトリウムを加え脱水した。濾過した後、上清を減圧
下濃縮した後、シリカゲルにてカラムクロマトを行なっ
た。ヘキサン:酢酸エチル=1:0からはじめ9:1、
4:1,2:1および1:2と順次溶出を行ない、活性
画分は集めて濃縮を行なった。再度シリカゲルにてカラ
ムクロマトグラフィーを行なった。クロロホルム:メタ
ノール=1:0からはじめ100:1、25:1及び
3:1にて溶出を行ない、活性画分は集めた後減圧下濃
縮を行なった。最終的にはHPLCで分取を行なった。
カラム;センシュウパックODS−4251−N,10
φ×250mm, 展開溶媒;90%メタノール(0.
2%酢酸を含む),流速;1ml/分にて分取を行なっ
た。39.6分、44.8分、52.4分、61.2分
及び72分のピークを分取するとノナクチン、モナクチ
ン、ダイナクチン、トリナクチン、及びテトラナクチン
がそれぞれ5.8mg、11.3mg,16.8mg、
26mg及び2.4mg得られた。
【0028】本発明医薬の有効成分であるマクロテトロ
ライド化合物(I)又はその錯塩が糖蛋白質の細胞内転
送阻害作用を有しており抗ウイルス活性を示すことは、
以下の試験方法によって確認された。すなわち、小胞体
で合成されたウイルス糖蛋白質は細胞内を転送されて細
胞表層に出現し、細胞融合を誘起する。細胞内転送が阻
害されると、ウイルス糖蛋白質は合成されても細胞内に
蓄積し、細胞表面への出現が抑制されて細胞融合が阻害
される。従って、細胞内転送阻害物質は、被験試料の添
加により細胞融合をおこさないものでかつ糖蛋白質の生
合成は阻害しないものを選択することによって、選別が
可能である。
【0029】試験例 糖蛋白質細胞内転送阻害の検定 1.細胞の調製 株化したベビーハムスター腎細胞(BHK−21)をヌ
ンク社製700ml培養コルベンを用いて培養継代す
る。単層培養したBHK−21細胞を0.25%トリプ
シン液を用いて剥し、低速遠心を行って細胞を集める。
10%仔牛血清加イーグル最少必須培地(日水製薬社
製)を用いて5×10−4細胞/mlの浮遊液を調製す
る。細胞浮遊液をヌンク社製96穴プレートに100μ
l毎分注し、炭酸ガスインキュベーター中で3−4日培
養して密な単層培養細胞を調製した。
【0030】2.細胞融合検定 1の方法で調製した培養細胞の培地を捨て、感染多重度
2になるように細胞培養用培地で希釈したニューカッス
ル病ウイルス(NDV)液を各穴に100μl毎分注す
る。1時間37℃で孵置してウイルスを吸着させた後で
製造例で得られた5種の被験サンプルあるいはその希釈
物を含む培地を等量添加する。その後でさらに37℃で
20時間孵置することでウイルスを増殖させる。倒立顕
微鏡を用いて細胞融合の結果として形成される合胞体の
有無を検鏡する。結果を表5に示す。融合をおこしたも
のを++、融合をおこさなかったものを−で示した。
【0031】
【表5】
【0032】3.糖蛋白質合成検定 2の方法で細胞融合を検定した試料について超音波処理
を行って細胞破砕を行った後に、常法であるパターン法
でウイルス外被糖蛋白質である赤血球凝集素を定量する
ことによって糖蛋白質合成を検定した。その結果、いず
れの製造例化合物においても番号2以上の高濃度のドー
ズのものについては特異性が失われ糖蛋白質合成が抑制
されるが、最少有効濃度あるいはそれに近い低濃度領域
においては、糖蛋白質の合成はほとんど抑制されていな
いことが確認された。
【0033】なお、有効成分(I)又はその錯塩のウイ
ルス糖蛋白質細胞表層出現阻害作用は、固定した感染細
胞を二次蛍光抗体法で染める別法によっても確認した。
すなわち、カバーグラス上に生育させたBHK細胞にウ
シ水庖性口内炎ウイルス(VSV)を感染させ、37℃
で1時間孵置した後で、製造例で得られた被験試料を添
加し、37℃で8時間孵置し、ホルムアルデヒドで固定
した後、メタノールで処理し、抗VSV−G抗体処理し
た後、蛍光標識抗ウサギIg抗体処理して、蛍光顕微鏡
で検鏡した。その結果、図14のダイナクチン0.4μ
g/mlの二次蛍光抗体法確認試験結果からも明らかな
ように、コントロール群では細胞内においては糖蛋白質
の存在に基づく蛍光染色が認められないが、細胞表層に
おいては染色されている。これに対し、ダイナクチン処
置群では細胞内において蛍光染色が認められるが、細胞
表層では染色されていない。従って、コントロール群で
は細胞内で生合成されたウイルス外被糖蛋白質がその細
胞表層に出現しているのに対し、ダイナクチン処置群で
は細胞内で生合成されたウイルス外被糖蛋白質が細胞内
に蓄積され、その細胞表層には出現していないことか
ら、ダイナクチンの糖蛋白質細胞内転送阻害作用が確認
された。
【0034】
【発明の効果】本発明医薬の有効成分であるマクロテト
ロライド化合物(I)又はその錯塩は、糖蛋白質の細胞
内転送阻害作用を有しており、抗ウイルス活性を示す。
従って、化合物(I)又はその錯塩を有効成分として含
有する医薬は、糖蛋白質の細胞内転送阻害が作用機作と
なって治療活性を発揮する疾患、例えば各種のウイルス
性疾患、各種の癌、各種のアレルギー性疾患などの予防
・治療剤の提供を可能にするものとして有用である。ま
た、本発明の新規微生物は、本発明医薬の有効成分化合
物(I)又はその錯塩を生産する生産方法に利用できる
ものとして有用である。さらに、本発明の生産方法は、
本発明医薬の有効成分化合物(I)又はその錯塩を生産
する新たな方法を提供するものとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】はノナクチンの錯塩のマススペクトルを、
【図2】はノナクチンの紫外線吸収スペクトルを、
【図3】はノナクチンの核磁気共鳴スペクトルを、
【図4】はモナクチンの錯塩のマススペクトルを、
【図5】はモナクチンの紫外線吸収スペクトルを、
【図6】はモナクチンの核磁気共鳴スペクトルを、
【図7】はダイナクチンの錯塩のマススペクトルを、
【図8】はダイナクチンの紫外線吸収スペクトルを、
【図9】はダイナクチンの核磁気共鳴スペクトルを、
【図10】はトリナクチンの錯塩のマススペクトルを、
【図11】はトリナクチンの紫外線吸収スペクトルを、
【図12】はテトラナクチンの錯塩のマススペクトル
を、
【図13】はテトラナクチンの紫外線吸収スペクトル
を、
【図14】はダイナクチンの二次蛍光抗体法による確認
試験結果の図面に代わる代用写真を、それぞれ示す。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年4月10日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ノナクチンの錯塩のマススペクトルを示す。
【図2】 ノナクチンの紫外線吸収スペクトルを示す。
【図3】 ノナクチンの核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4】 モナクチンの錯塩のマススペクトルを示す。
【図5】 モナクチンの紫外線吸収スペクトルを示す。
【図6】 モナクチンの核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図7】 ダイナクチンの錯塩のマススペクトルを示
す。
【図8】 ダイナクチンの紫外線吸収スペクトルを示
す。
【図9】 ダイナクチンの核磁気共鳴スペクトルを示
す。
【図10】 トリナクチンの錯塩のマススペクトルを示
す。
【図11】 トリナクチンの紫外線吸収スペクトルを示
す。
【図12】 テトラナクチンの錯塩のマススペクトルを
示す。
【図13】 テトラナクチンの紫外線吸収スペクトルを
示す。
【図14】 ダイナクチンの二次蛍光抗体法による確認
試験結果の図面に代わる顕微鏡写真を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/20 A 8828−4B C12P 17/18 D 7432−4B //(C12N 1/20 C12R 1:465) (C12P 17/18 C12R 1:465) (72)発明者 ▲高▼月 昭 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で示されるマクロテトロライ
    ド化合物又はその錯塩を有効成分として含有することを
    特徴とする糖蛋白質細胞内転送阻害剤。 【化1】 (式中、R、R、R及びRは同一又は異なって
    メチル基又はエチル基を意味する)
  2. 【請求項2】抗ウイルス剤である請求項1記載の医薬。
  3. 【請求項3】抗癌剤である請求項1記載の医薬。
  4. 【請求項4】抗アレルギー剤である請求項1記載の医
    薬。
  5. 【請求項5】請求項1記載の糖蛋白質細胞内転送阻害物
    質マクロテトロライド化合物(I)又はその錯塩の生産
    能を有することを特徴とするストレプトミセス・エスピ
    ー Q30101。
  6. 【請求項6】ストレプトミセス属に属し、請求項1記載
    の糖蛋白質細胞内転送阻害物質マクロテトロライド化合
    物(I)又はその錯塩の生産能を有する菌株を培養し、
    培養物より請求項1記載の糖蛋白質細胞内転送阻害物質
    マクロテトロライド化合物(I)又はその錯塩を採取す
    ることを特徴とする請求項1記載の糖蛋白質細胞内転送
    阻害物質マクロテトロライド化合物(I)又はその錯塩
    の生産方法。
JP6319008A 1994-11-16 1994-11-16 細胞内転送阻害剤 Pending JPH08143570A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019064973A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 学校法人 愛知医科大学 No産生抑制剤及び固形腫瘍に対する転移・浸潤抑制剤

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019064973A (ja) * 2017-10-03 2019-04-25 学校法人 愛知医科大学 No産生抑制剤及び固形腫瘍に対する転移・浸潤抑制剤

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