JPH08154601A - ゼリー及びゼリーベース - Google Patents

ゼリー及びゼリーベース

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JPH08154601A
JPH08154601A JP6329429A JP32942994A JPH08154601A JP H08154601 A JPH08154601 A JP H08154601A JP 6329429 A JP6329429 A JP 6329429A JP 32942994 A JP32942994 A JP 32942994A JP H08154601 A JPH08154601 A JP H08154601A
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JP
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jelly
alginate
calcium
chelating agent
acid
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JP6329429A
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English (en)
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Hideaki Iwasaki
英明 岩崎
Hideyoshi Cho
秀吉 長
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Lion Corp
Original Assignee
Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給する
塩及びキレート剤を含有してなることを特徴とするゼリ
ー及びゼリーベース。 【効果】 本発明によれば、加熱することなく、また熱
水を使用することなく、室温下で簡単にゼリーを調製す
ることができ、特に炭酸ガス入りゼリーを家庭でも簡単
に製造し得ると共に、得られたゼリーは食感的に良好な
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、家庭において手作りで
ゼリーを作る際に、果実ジュースやその他の食品と混ぜ
るだけで、加熱すること無く簡単にゼリーを作ることが
できるゼリーベース及びこのゼリーベースを用いて得ら
れるゼリーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】家庭
で、手作りでなおかつ簡単にゼリーを作りたいという消
費者の声を反映して、現在市販のゼリーの素は多数商品
化されている。
【0003】しかしながら、これまでの手作りゼリーの
素として商品化されているものは、ゲル化剤としてゼラ
チンのように熱により可逆性のものを使用したり、ある
いはカラギナンやローカストビーンガムといった加熱す
ることにより溶解するものを使用しているために、何ら
かの形で加熱工程をとった後に冷却してゲル化させる工
程を行うことが必須であった。その結果、家庭の主婦が
調理するには何等問題はないが、小さな子供などが調理
する際には、加熱器具を使用することに伴う危険があっ
た。
【0004】この点を改善するために、各メーカーで
は、溶解温度を下げたゼラチンを使用したり、その他様
々な工夫を行っているが、いまだ前記問題を完全に解決
し得る商品は見られていない。
【0005】なお、従来から加熱工程をとることなくゲ
ル化させるゲル化剤としては、低メトキシルペクチンや
アルギン酸ナトリウムなどの素材が知られていた。これ
らは水系でカルシウムイオンと架橋結合しネットワーク
構造を形成することによりゲルを形成する素材である
が、低メトキシルペクチンで調製したゼリーは、食感的
に現在の主流であるカラギナンとローカストビーンガム
系のゼリーとは大きな差があり、使用が難しい面があっ
た。
【0006】また、アルギン酸ナトリウムは食感的には
良好なものを調製し得る素材であったが、数々の問題点
があり、それゆえにその使用を困難なものとしていた。
その理由として、具体的にはアルギン酸ナトリウムの親
水性が非常に強いため、粉末の状態では均一に分散・溶
解させる事はかなり機械的なシェアをかけてやらなけれ
ば困難であり、通常の方法で混ぜて使用すると、いわゆ
る「ままこ」になってしまい、ゲル化がうまく行われな
かったり、またこれらの点を改善したとしても、アルギ
ン酸ナトリウムがカルシウムイオンとの結合によりゲル
を形成する反応が非常に早いため、速度をコントロール
しながら均一なゲル形成を行わせることが難しかったと
いう点などが挙げられる。
【0007】また、ゼリーとして、見た目の新規性や、
香味的に清涼感を付与する事により嗜好性を高めるため
の手段として、従来から炭酸ガス入りのゼリーについて
様々な検討が行われている。例を挙げれば、まずゲル化
性食品組成物を炭酸ガスとともに耐圧容器に密封充填
し、加熱・振とうした後、冷却・ゲル化させる方法(特
開昭50−69247号)や、炭酸塩を含むアルカリ性
の系と有機酸を含む酸性の系を混合密封後、加熱・振と
うし、冷却・ゲル化させる方法(特開昭56−1027
62号)などがある。しかしながら、これらの方法は製
造するのに多大な設備が必要であり、加熱工程を必要と
するため炭酸ガスのゼリー中への封入が困難であり、工
程的にも非常に煩雑であるため、実現化するのは非常に
難しかった。そこで、ゲル化時の加熱を極力低温で抑え
るために、低温においてゼラチン溶液に炭酸ガスを吹き
込み、密封後加熱し、冷却しながら振とうし、ゲル化の
直前に振とうを中止する方法(特開昭54−22501
号)が提案されたが、この方法ではゼラチンの固化条件
を一定に管理する事が難しいと共に、ゼラチンの食感が
好まれない傾向にあることなど、解決されない問題点を
多数含むものであった。また、加熱を必要としない方法
として、ゲル化剤として低メトキシルペクチンを使用し
て2価の金属イオンと反応させて炭酸ガスを含有させる
方法(特開昭63−160559号)も提案されたが、
ゼリーのpHをコントロールしなければならず、応用範
囲がかなり狭められると共に、食感的にも現在主流のカ
ラギナンとローカストビーンガムを組み合わせたものと
はかなり違っており、好ましいものではなかった。それ
に、アルギン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸ガス
系のものも提案されている(特開平2−5833号)
が、これはゲル化速度の点で問題があった。
【0008】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、加熱の必要なく、また熱水を使用することなく、室
温下において簡単にゼリーを得ることができ、特に炭酸
ガス入りゼリーを容易に調製することができるゼリーベ
ース、及びかかるゼリーベースを用いて得られ、食感の
良好なゼリーを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は、加
熱工程を必要とせず、低メトキシルペクチン以上の食感
と汎用性を有し、また一般的なゼリーの製造設備と炭酸
ガス供給設備だけで製造可能なゼリーベース及びゼリー
について鋭意検討を行った結果、本発明に到達したもの
で、アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給する塩類、
キレート剤をゼリーベース成分として用いることによ
り、例えば家庭において手作りでゼリーを作る際に、ベ
ースとする果実ジュースやその他液状食品と混ぜるだけ
で加熱すること無く簡単にゼリーを作ることができ、し
かも家庭においても簡単に炭酸ガス入りゼリーを得るこ
とを見い出したものである。
【0010】即ち、本発明は、 (1)アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給する塩及
びキレート剤を含有してなることを特徴とするゼリー。 (2)炭酸ガスを含有する上記(1)のゼリー。 (3)アルギン酸塩として、マンニュロン酸とグルロン
酸との割合が重量比として0.6以上であるものを用い
た上記(1)又は(2)のゼリー。 (4)アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給する塩及
びキレート剤を含むことを特徴とするゼリーベース。 (5)カルシウムイオンを供給する塩がpH6以上で不
溶性又は難溶性のカルシウム塩であり、ベースのpHが
6以上の液状である上記(5)のゼリーベース。 (6)キレート剤を含む酸性のA液と、アルギン酸塩、
pH6以上で不溶性又は難溶性のカルシウム塩及びキレ
ート剤を含有するpH6以上のB液とからなる上記
(4)のゼリーベース。 (7)アルギン酸塩として、マンニュロン酸とグルロン
酸との割合が重量比として0.6以上であるものを用い
た上記(4),(5)又は(6)のゼリーベース。を提
供する。
【0011】以下、本発明を更に詳細に説明する。
【0012】本発明の特徴は、果実ジュースもしくはそ
の他液状またはペースト状食品をゲル化させる際に、ゲ
ル化剤としてアルギン酸塩、典型的にはアルギン酸ナト
リウムを使用し、必要に応じて他の冷水可溶性のゲル化
剤を組み合わせて使用し、その際、ゲル化させようとす
る物に対して、前記ゲル化剤に加えると共に、キレート
剤、カルシウムイオンを供給し得る成分を配合し、これ
を室温下に添加混合し、その後は静置するだけで、適切
なゲル化物を調製させようとするものである。
【0013】ここで使用するアルギン酸ナトリウムは、
海藻からの抽出物を処理して製造される多糖類として古
くから知られる食品添加物であり、通常の液状食品の増
粘やゲル化を目的として使用されるものを用いることが
できる。このアルギン酸ナトリウムは、主成分としてD
ーマンニュロン酸とL−グルロン酸によって構成され、
それらがβ1→4結合した長鎖として存在するものであ
り、それぞれのウロン酸のカルボニル基の部分にカルシ
ウムイオンが架橋結合する事により液系でネットワーク
構造を形成し、ゲルを形成するものであるが、使用する
アルギン酸ナトリウムを構成するウロン酸の中のマンニ
ュロン酸とグルロン酸の比率や分子量も最終的なゲル化
物の食感や香味に影響を与えると共に、ゼリーベースを
液状とした場合、その粘性にも影響を与える場合がある
ため、本発明においては、アルギン酸ナトリウムを構成
するウロン酸のマンニュロン酸とグルロン酸の比率(以
下、M/G比という)が、重量比として0.6以上、好
ましくは1以上、更に好ましくは1.2〜2の範囲にあ
るものを使用することが推奨される。M/G比が0.6
より小さい場合、ゲル強度が脆くなり、また、経時によ
りゲルの収縮が生じ易いと共に、それに伴って離水が生
じ易いため、ゼリー調製後の保存性に問題が生じる場合
がある。また、マンニュロン酸が多くなるほど、ゲルの
弾力性は高くなり、強度は低くなる傾向にあるが、食感
的にはM/G比が1.2〜2であることが好ましい。
【0014】また、アルギン酸ナトリウムの分子量は、
通常12,000〜190,000程度の範囲のものが
中心であり、本発明においていずれも使用可能である
が、最終的なゲルの食感や操作上の点から、分子量が8
0,000〜150,000程度であることが好まし
い。分子量が大きいほどゲルの食感は硬くなり、またベ
ース液の粘性も高くなる。逆に分子量の小さいものは液
の粘性は下がるが、ゲルの強度が弱くなる場合が生じ
る。
【0015】なお、本発明においては、上記アルギン酸
塩に加えて他のゲル化剤を配合することもでき、例えば
さらに食感を改良したい場合には、他の冷水可溶性の多
糖類を組み合わせて使用しても良い。具体的には冷水可
溶性のペクチンやカラギナン、グルコマンナン、キサン
タンなどをアルギン酸ナトリウムと併用することによ
り、ゲル調整時の温度を上げること無く食感の改良を行
う事が可能となる。なお、これらアルギン酸ナトリウム
以外のゲル化剤成分は、アルギン酸ナトリウムの配合量
に対して1/2以下に抑えることが、アルギン酸ナトリ
ウムの有する炭酸ガスを封入するのに適した特性や根本
的な食感の付与機能を妨げるものとはならないことから
好ましく、これを越えて添加した場合には、アルギン酸
ナトリウム以外のゲル化剤の特性に支配される場合もあ
り、特に炭酸ガスを封入し、適切な食感の形成を形成す
る上で離水が生じてしまったりして好ましくない場合が
生じる。
【0016】次に、カルシウムイオンを供給し得る原料
としては、可溶性、不溶性または難溶性のカルシウム塩
のいずれでもかまわない。特に、ゼリーを製造する場合
は、可溶性、不溶性、または難溶性のいずれも使用でき
るが、ゼリーベースに添加するカルシウムイオンとして
はpH6以上で不溶性又は難溶性のカルシウム塩でなけ
ればならない。具体的には、可溶性カルシウム塩として
は塩化カルシウム6水和物、グルコン酸カルシウム、乳
酸カルシウムなど、pH6以上で不溶性カルシウム塩と
しては無水リン酸1水素カルシウムなど、pH6以上で
難溶性カルシウム塩としてはリン酸水素カルシウム2水
和物、クエン酸カルシウム、硫酸カルシウム2水和物な
どが挙げられる。これらの中から1種または2種以上を
組み合わせて使用する事が望ましい、カルシウム塩の選
定については最終ゲル化物のpHや使用するキレート剤
の種類と量により大きく影響を受けるため、これらを踏
まえて選定すればよい。
【0017】特に、ゼリーベースを液状に調製した場合
は、アルギン酸ナトリウムを含むベースの液系の状態で
ゲル化せず、かつ最終的に混合した際にゲル化するとい
う条件を満たさなければならない事から、pHの変化に
より解離し、アルカリ性域で不溶性または難溶性のカル
シウム塩を使用することが好ましい。
【0018】このカルシウム塩の使用量は、ゼリー調製
時においてカルシウムイオンをアルギン酸塩に対して5
〜50%(重量%、以下同じ)、特に8〜20%溶出し
得る量であることが好ましい。特に、上記アルカリ性域
で不溶性又は難溶性のカルシウム塩の場合、pH3.0
〜4.2の範囲においてカルシウムイオンを上記量で溶
出し得る配合量となることが望ましい。
【0019】キレート剤としては、アルギン酸ナトリウ
ムがカルシウムイオンに代表される2価以上の金属イオ
ン(水銀イオン、マグネシウムイオンを除く)との反応
性が非常に強いため、これら金属イオンのキレート効果
が高いものである事が望ましい。具体的には、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、乳酸、フマル酸などの有機酸や
クエン酸3ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムなどの有機
酸の塩類、リン酸ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、
ポリリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウムな
どのリン酸塩などから選定される1種または2種以上を
組み合わせて使用する事が望ましいが、ゲル化させる食
品の香味や特徴を損なう事がないようにすることはもち
ろん、キレート剤によっては系のpHに影響を与えるた
め、最終的なゼリーのpH、製造過程のpHも考慮しな
がら選定する必要がある。さらに、キレート剤のキレー
トできる金属イオンの量もpHに依存するものも存在す
るため、これら諸条件を加味して選定する事が好まし
い。
【0020】キレート剤の使用量も以上の点から選定す
ることができるが、通常カルシウムイオンに対して20
〜1,000%、特に40〜500%であることが好ま
しい。
【0021】本発明のゼリーベースは、以上の成分を含
有し、これをジュース、コーヒーなどの液状もしくは流
動状食品と混合することにより、ゼリーを調製するもの
であるが、上記ゼリーベースは、調製上の容易さ等の点
から液状とすることが好適である。
【0022】このようにゼリーベースを液状とする場
合、カルシウム塩としてpH6以上で不溶性又は難溶性
のカルシウム塩を用い、これにアルギン酸塩、キレート
剤を加えて、pHを6以上、好ましくは8以上とした液
状ゼリーベースを用いるか、又は、キレート剤を含む酸
性、好ましくはpH2〜5、特に3〜4のA液とアルギ
ン酸塩、カルシウム塩及びキレート剤を含むpH7以
上、好ましくはpH8以上の液状とからなるゼリーベー
スを用い、これらゼリーベースを酸性域にある食品と混
合するようにすることが好ましい。
【0023】特に、後者の2液タイプのゼリーベースを
用いる場合、ゲル化させようとする食品にA液を添加し
た段階でのpHが酸性域でなければならず、またマグネ
シウムイオンと水銀イオンを除く多価の金属イオンが極
力少ない系であることが望ましい。これら条件を満たさ
ない場合には、添加したカルシウムイオンの解離がなか
なか行われないためにゲル化までかなり時間がかかって
しまったり、また金属イオンの存在のため添加したアル
ギン酸ナトリウムがこれらと瞬時に反応してしまい、ゲ
ルが不均一になってしまったりという現象が見られるこ
とがある。このため、中性域やアルカリ性域の食品をゲ
ル化させたり、ゲル化させるものに由来する2価以上の
金属イオンの影響をなくして均一なゲル化を行わせるた
めには、まず上記酸性A液、具体的には有機酸やリン酸
からなるキレート剤を含むA液を用いて中性域又はアル
カリ性域にある食品を酸性域とする一方、その食品に含
まれる金属イオンを封鎖した後、B液を加えてゲル化さ
せるように、上記A液、B液の2液タイプのゼリーベー
スを用いることが有効である。
【0024】すなわち、まずゲル化させようとするもの
に含まれるカルシウムイオンなどの2価の金属イオンを
封鎖するために、また最終的なゲルのpHを下げること
を目的として有機酸やリン酸を含むA液を混合し、後に
アルギン酸ナトリウムを含み、ゲル化速度をコントロー
ルさせるためのキレート剤、ゲル形成に必要なカルシウ
ムイオンを供給し得る塩類を添加したB液を段階的に添
加する事により、目標とする酸性〜中性域までの範囲を
対象とした場合の、最終的なゲル化物の適切な食感の形
成と、適当なゲル化速度のコントロールが可能となる。
【0025】ここで、A液、B液とも液状化したのは、
分散・溶解性を向上させるためであるが、A液について
は溶解性の高いキレート剤を使用した際には粉末状態で
も良好なゲル化物を調製することが可能となる。しか
し、瞬時に効果を発揮させるためには液状であるほうが
望ましい。
【0026】なお、A液中のキレート剤濃度はゲル化さ
せようとするものに対してA液をどの程度配合するかに
より異なるが、A液添加時点でのキレート剤濃度が0.
2〜3.0%となるように配合することが好ましく、ま
たB液中のキレート剤濃度はそのアルカリ域においてカ
ルシウム塩から溶出する微量のカルシウムイオンを封鎖
し得る量で、通常添加したカルシウムイオンに対して2
0〜1,000%、特に40〜500%であることが好
ましい。
【0027】このように2液化することにより、ゲル化
速度の調整ができるが、2液化することにより適当なゲ
ル化速度の設計が可能になった理由としては、ゲル化対
象物の金属イオンを封鎖するためのキレート剤と、アル
ギン酸ナトリウムのゲル形成の為に添加したカルシウム
イオンを供給し得る塩類の解離速度をコントロールする
キレート剤を分割して投入することにより、両者の機能
を合わせ持たせて配合するよりも少量のキレート剤です
み、その結果、ゲルを形成するまでの時間の設計がより
容易になったものである。
【0028】本発明においては、ゼリーベースに対し、
更に必要に応じて香味や食感、あるいは微生物的な安定
性を付与するような原料の添加が可能である。具体的に
は、グラニュー糖、白糖、果糖、ぶどう糖、液糖、水飴
などの糖類や甘味料、水溶性・油溶性の香料類、アミノ
酸などの呈味料類、酸味料、果実成分、牛乳、発酵乳、
その他の乳成分、コーヒー、紅茶、緑茶などの香味特徴
を付与する成分に加え、果実や植物由来のパルプ質やポ
リデキストロースなどの食物繊維、乳化剤や油脂成分と
いった食感改良の為の成分、アルコールやそれを含有す
る酒類、食塩などの微生物安定性を向上させる成分、香
味料やその溶剤抽出物、色素などが挙げられる。この他
にも、一般的にゼリーを調整する際に通常使用される原
料であれば、ベースの安定性に著しい影響を与えない限
り、種々成分を配合し得る。
【0029】本発明のゼリーベースは、通常、ジュース
等の液状、流動状食品に混ぜて、これら食品のゼリーを
調製するものであるが、必要によりこれら食品を予めゼ
リーベースに配合しておくこともできる。
【0030】また、本発明のゼリーベースは、炭酸ガス
入りのゼリーの調製に好適に使用されるものである。こ
の場合、炭酸ガスのゼリー中への封入の方法については
様々な方法が挙げられる。具体的には、カーボネーター
を利用する方法や、既に炭酸ガスの溶け込んだ炭酸水や
炭酸飲料などを使用する方法、また化学反応により炭酸
ガスを発生する塩類を添加する方法などが挙げられる
が、炭酸ガスの混入量を増やし、且つこれらを一定量に
制御する目的の場合は、カーボネーターを使用する事
が、制御上最も簡素な方法である。
【0031】封入する炭酸ガスの量については、特に限
定するものではない。本発明のベースを使用すれば効率
よく炭酸ガスを封入する事が可能となるため、量的にも
かなりの量を封入することが可能であるが、最近の飲料
市場に見られるように、微炭酸含有ということを訴求す
る商品も見られる事から、官能的に炭酸ガス特有の清涼
感を認知し得る量以上であれば、特に制約を受けるもの
ではない。
【0032】また、ゲルを製造する工程において、炭酸
ガスを効率よく封入する目的から、製造過程の温度を常
温以下で行うこと、望ましくは2〜15℃の範囲で行う
ことが望ましい。
【0033】なお、本発明においてゲルを形成させる場
合、最終的なゲルのpHについては添加したカルシウム
塩が解離する状態にあることが好ましく、このためには
最終ゲル化物のpHは5.8以下、望ましくは3.0〜
4.2である。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。なお、下記の例において%は重量%を示
し、部は重量部を示す。
【0035】〔実施例1〕 オレンジゼリーの調製 下記組成の液状ゼリーベースを調製し、その70gを市
販100%オレンジジュース300gに添加し、よく攪
拌した後、冷蔵庫に1時間静置した。これにより、オレ
ンジゼリーが得られた。
【0036】組成 グラニュー糖 15.0 アルギン酸ナトリウム 3.0 無水リン酸カルシウム 2.8 クエン酸3ナトリウム 4.0 香料 0.2 常水 75.0 ─────────────────────────────── 100.0% 得られたゼリーは食感的にも優れ、香味的にも良好であ
った。
【0037】なお、オレンジジュースのpHは3.7、
ゼリーベースのpHは7.5、調製したゼリーのpHは
4.2であった。
【0038】〔実施例2〕 コーヒーゼリーの調製 下記A液及びB液からなるゼリーベースを調製した。一
方、コーヒー豆から通常法にてコーヒーを抽出した(p
H=6.5)。これを5℃に冷却し、コーヒー500g
に対してA液80gを添加して撹拌混合した後、B液1
20gを添加し均一になるまで攪拌した。その後冷蔵庫
にて30分静置し、コーヒーゼリーを調製した。
【0039】A液組成 (pH=3.1) 果糖ブドウ糖液糖 50.0 クエン酸結晶 0.5 酸性メタリン酸ナトリウム 0.3 脱脂粉乳 1.0 香料 0.1 色素 0.1 常水 48.0 ─────────────────────────────── 100.0%B液組成 (pH=7.5) アルギン酸ナトリウム 2.8 リン酸水素カルシウム2水和物 2.5 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.4 香料 0.2 クエン酸3ナトリウム 0.1 乳化剤 0.1 常水 93.9 ─────────────────────────────── 100.0% このようにして調製したコーヒーゼリーは、ゲル化させ
る際に加熱工程を必要とせず、香味・食感とも良好なも
のであった。なお、調製したゼリーのpHは4.5であ
った。
【0040】〔実施例3〕 プルーンゼリーの調製 下記A液及びB液からなるゼリーベースを調製した。一
方、市販プルーンジュース500gに対して、まずA液
100gを添加し、混合溶解した後に、B液120gを
添加し、均一化させた。次いで冷蔵庫にて2時間冷却さ
せ、ゼリーを調製した。
【0041】A液組成 (pH=3.5) 水飴 30.0 果糖ブドウ糖液糖 25.0 メタリン酸ナトリウム 1.0 リンゴ酸 0.5 リンゴ酸ナトリウム 0.1 常水 43.4 ─────────────────────────────── 100.0%B液組成 (pH=8.0) アルギン酸ナトリウム 2.4 低メトキシルペクチン 0.3 クエン酸カルシウム 3.0 メタリン酸ナトリウム 0.2 リンゴ酸ナトリウム 0.5 ポリデキストロース 0.5 ブランデー 1.0 常水 92.1 ─────────────────────────────── 100.0% 調製したゼリーは、香味・食感とも優れたものであっ
た。なお、調製後のゼリーのpHは4.4であった。
【0042】〔実施例4〕市販オレンジ果汁81.3部
に対してアルギン酸ナトリウム0.5部、グラニュー糖
8部、クエン酸0.2部、メタリン酸ナトリウム0.3
部を加え、10〜15℃の範囲で攪拌・溶解させること
により溶液を調製した。これをカーボネーターを通すこ
とにより炭酸ガスを混入させ、さらにこれに9.5部の
水に対して0.5部の塩化カルシウムを溶かした溶液を
前記温度条件にて緩やかに攪拌しながら添加した。均一
になったことを確認した後、容器に注ぎ、1時間冷蔵庫
にて静置して、炭酸入りゼリーを調製した。これを評価
した結果、調製した炭酸入りゼリーは食感的にも優れて
おり、炭酸ガスを混入することによって得られる清涼感
の非常に強いものであった。
【0043】〔実施例5〕下記ゼリーベースを用いてゼ
リーを調製した。 市販炭酸飲料(レモンスカッシュ) 88.1 クエン酸結晶 0.2 クエン酸3ナトウリム 0.2 ピロリン酸4ナトリウム 0.1 乳酸カルシウム 0.5 香料 0.1 75%液糖 10.0 アルギン酸ナトリウム 0.8 ─────────────────────────────── 100.0% 上記炭酸飲料にクエン酸、クエン酸3ナトリウム、ピロ
リン酸4ナトリウム、乳酸カルシウム、香料を順次添加
し、炭酸ガスの気散が少ないように8〜10℃の温度範
囲にて緩やかに攪拌溶解させた。これに、別途液糖にア
ルギン酸ナトリウムを分散させて調製したものを前記温
度範囲にて添加混合し、均一化させた後に1時間冷蔵庫
にて静置することにより、ゼリーを調製した。
【0044】〔比較例1〕アルギン酸ナトリウムの代り
に低メトキシルペクチンを用いた以外は実施例5と同様
にしてゼリーを調製した。
【0045】〔比較例2〕アルギン酸ナトリウムの代り
に粉末ゼラチンを用い、これを75%液糖に分散させ、
80℃まで加熱してゼランを溶解させた後、ゲル化する
直前の35℃まで冷却し、以下実施例5と同様にしてゼ
リーを調製した。
【0046】次に、上記実施例5及び比較例1,2のゼ
リーについて、専門パネル10名にて食感と炭酸ガス混
入による清涼感についての官能評価を行った。結果を表
1に示す。評価は5段階にて行い、数値のその平均値を
記した。
【0047】
【表1】
【0048】評価基準 (食感) (清涼感) 5:極めて良好 5:清涼感強く良好 4:良好 4:かなり清涼感あり良好 3:どちらともいえない 3:やや清涼感を感じ良好 2:不良 2:ほとんど清涼感を感じない 1:極めて不良 1:全く清涼感無し この結果から、アルギン酸ナトリウムを使用して調製し
たゼリーは、食感・清涼感とも低メトキシルペクチンや
ゼラチンで調製したゼリーよりも優れていることが確認
された。
【0049】〔実施例6〜10〕下記に示すリンゴ果汁
を使用した系で、アルギン酸ナトリウムをゲル化剤とし
て用いてゼリーを調製した。なお、その際使用するアル
ギン酸ナトリウムのM/Gを変えてそれぞれ炭酸入りゼ
リーを調製した。それぞれのM/Gと、調製したゼリー
の調製後24時間たった時の官能評価の結果をそれぞれ
表2に記す。
【0050】 リンゴ果汁 84.75 リンゴ酸 0.2 リンゴ酸ナトリウム 0.5 白ワイン 5.0 赤キャベツ色素 0.05 アルギン酸ナトリウム 1.0 (表2に記載したM/G比の異なるアルギン酸ナトリウム) グラニュー糖 7.0 ぶどう糖 1.0 無水リン酸水素カルシウム 0.5 ─────────────────────────────── 100.0% リンゴ果汁にリンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、白ワイ
ン、赤キャベツ色素、アルギン酸ナトリウムを添加し、
10℃以下の範囲で攪拌溶解させ、この溶液をカーボネ
ーターに通し、グラニュー糖、ぶどう糖、無水リン酸水
素カルシウムを混合したプレミックスに添加し、10℃
以下の温度範囲にコントロールしながらゆるやかに混合
溶解させ、均一化した後に容器に注ぎ、ゼリーを調製し
た。
【0051】官能評価結果 調製後24時間経過した時点でのゼリーの炭酸ガス添加
による清涼感の残り具合について官能による評価を行っ
た。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
【0053】この結果より、炭酸入りゼリーを調製する
場合には使用するアルギン酸ナトリウムのM/Gを0.
6以上にすることにより、安定的に炭酸ガスを封入し、
目的とする清涼感の付与が可能となることが明確になっ
た。
【0054】〔実施例11〜13〕市販炭酸入りグレー
プジュースを使用して、下記組成の炭酸入りゼリーを調
製した。その際、ゲル化剤としてアルギン酸ナトリウム
に加え、冷水可溶性のλ−カラギナンを組み合わせて使
用し、量的なバランスを変えた時の食感と炭酸由来の清
涼感について評価を行った。
【0055】 市販炭酸入りグレープジュース 85.4 酒石酸 0.3 クエン酸3ナトリウム 0.6 リン酸水素カルシウム・2水和物 0.4 食塩 0.1 ブランデー 2.0 75%液糖 10.0 表5に示すゲル化剤 1.2 ─────────────────────────────── 100.0% 市販炭酸入りグレープジュースに対して、酒石酸、クエ
ン酸3ナトリウム、リン酸水素カルシウム・2水和物、
食塩、ブランデーを順次添加し、5〜10℃の範囲でこ
れらを緩やかに混合溶解させた。さらにあらかじめ75
%液糖にゲル化剤を混合分散させたものを前述の温度範
囲内で混合溶解させて炭酸入りゼリーを調製した。なお
ゲル化剤の配合は下記の様に設定した。
【0056】
【表3】
【0057】評価結果 上記にて調製したゼリーについて食感と清涼感について
官能評価を行った。その結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】〔実施例14〕実施例4において、オレン
ジ果汁81.3部のうちの10部を乳酸菌による発酵乳
におきかえてゼリーを調製した結果、効率よく炭酸ガス
を含有し、なおかつ乳酸菌自体も熱による損傷を受ける
こと無く色味・食感的に良好な炭酸入りゼリーを製造す
ることができた。
【0060】〔実施例15〕実施例4において、オレン
ジ果汁81.3部のうちの0.1部を30%β−カロチ
ンを含有する製剤に置き換えてゼリーを調製した結果、
β−カロチン自体が熱による損傷を受けないため、結果
的に添加量から殆ど減少することの無い炭酸入りゼリー
を調製することができた。
【0061】
【発明の効果】本発明によれば、加熱することなく、ま
た熱水を使用することなく、室温下で簡単にゼリーを調
製することができ、特に炭酸ガス入りゼリーを家庭でも
簡単に製造し得ると共に、得られたゼリーは食感的に良
好なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給
    する塩及びキレート剤を含有してなることを特徴とする
    ゼリー。
  2. 【請求項2】 炭酸ガスを含有する請求項1記載のゼリ
    ー。
  3. 【請求項3】 アルギン酸塩として、マンニュロン酸と
    グルロン酸との割合が重量比として0.6以上であるも
    のを用いた請求項1又は2記載のゼリー。
  4. 【請求項4】 アルギン酸塩、カルシウムイオンを供給
    する塩及びキレート剤を含むことを特徴とするゼリーベ
    ース。
  5. 【請求項5】 カルシウムイオンを供給する塩がpH6
    以上で不溶性又は難溶性のカルシウム塩であり、ベース
    のpHが6以上の液状である請求項4記載のゼリーベー
    ス。
  6. 【請求項6】 キレート剤を含む酸性のA液と、アルギ
    ン酸塩、pH6以上で不溶性又は難溶性のカルシウム塩
    及びキレート剤を含有するpH6以上のB液とからなる
    請求項4記載のゼリーベース。
  7. 【請求項7】 アルギン酸塩として、マンニュロン酸と
    グルロン酸との割合が重量比として0.6以上であるも
    のを用いた請求項4,5又は6記載のゼリーベース。
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