JPH08163990A - 油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法 - Google Patents
油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法Info
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- JPH08163990A JPH08163990A JP6310695A JP31069594A JPH08163990A JP H08163990 A JPH08163990 A JP H08163990A JP 6310695 A JP6310695 A JP 6310695A JP 31069594 A JP31069594 A JP 31069594A JP H08163990 A JPH08163990 A JP H08163990A
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- Fats And Perfumes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 簡便な製造方法により、高純度で、かつ、藻
体内にあるので、酸化作用を受けにくい状態で、不飽和
脂肪酸としてω−3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン
酸とω−6系不飽和脂肪酸のみを含む油脂含有藻体、そ
の藻体から得られる油脂およびその製造方法の提供。 【構成】 海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキサ
エン酸を産生する能力を有する藻類を培養して増殖させ
るに際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加してエ
イコサペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸とω−
6系不飽和脂肪酸とを同時に含む油脂含有藻体を製造す
る油脂含有藻体およびその藻体から得られる油脂、およ
びその製造方法。
体内にあるので、酸化作用を受けにくい状態で、不飽和
脂肪酸としてω−3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン
酸とω−6系不飽和脂肪酸のみを含む油脂含有藻体、そ
の藻体から得られる油脂およびその製造方法の提供。 【構成】 海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキサ
エン酸を産生する能力を有する藻類を培養して増殖させ
るに際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加してエ
イコサペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸とω−
6系不飽和脂肪酸とを同時に含む油脂含有藻体を製造す
る油脂含有藻体およびその藻体から得られる油脂、およ
びその製造方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ω−3系不飽和脂肪酸
であるドコサヘキサエン酸を産生する能力を有する藻類
を用いてω−3系不飽和脂肪酸と、ω−6系不飽和脂肪
酸とを同時に含む油脂含有藻体の製造方法に関するもの
である。ω−3系不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン
酸は、近年、コレステロール低下作用、抗血液凝固作用
など多彩な生理作用が報告され、特に学習機能向上作用
が注目され幼児期の摂取が重要視されている高度不飽和
脂肪酸である。一方、ω−6系不飽和脂肪酸には、アラ
キドン酸のように安定した組織の成長促進作用や動脈硬
化疾患の原因のコレステロール合成抑制作用の報告され
ている不飽和脂肪酸がある。
であるドコサヘキサエン酸を産生する能力を有する藻類
を用いてω−3系不飽和脂肪酸と、ω−6系不飽和脂肪
酸とを同時に含む油脂含有藻体の製造方法に関するもの
である。ω−3系不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン
酸は、近年、コレステロール低下作用、抗血液凝固作用
など多彩な生理作用が報告され、特に学習機能向上作用
が注目され幼児期の摂取が重要視されている高度不飽和
脂肪酸である。一方、ω−6系不飽和脂肪酸には、アラ
キドン酸のように安定した組織の成長促進作用や動脈硬
化疾患の原因のコレステロール合成抑制作用の報告され
ている不飽和脂肪酸がある。
【0002】
【従来の技術】ドコサヘキサエン酸は脳などの膜系組織
への取り込みによる学習機能向上作用が報告されている
高度不飽和脂肪酸であり、エイコサペンタエン酸などの
類似した高度不飽和脂肪酸の混在する魚油以外に起源を
求め、微生物などに高度不飽和脂肪酸としてドコサヘキ
サエン酸のみを選択的に産生させる検討が行なわれてき
た。中でも海洋性微細藻類に属するクリプテコディニウ
ム・コーニーを増殖させることによりドコサヘキサエン
酸を産生させることが検討されており、本発明者らは特
開平06−189743号で特定の糖類、有機窒素源
類、無機塩類および重金属元素を含有する成分を必須成
分とする培地を用いて、藻類の安定した増殖とドコサヘ
キサエン酸の高い生産性を開示した。
への取り込みによる学習機能向上作用が報告されている
高度不飽和脂肪酸であり、エイコサペンタエン酸などの
類似した高度不飽和脂肪酸の混在する魚油以外に起源を
求め、微生物などに高度不飽和脂肪酸としてドコサヘキ
サエン酸のみを選択的に産生させる検討が行なわれてき
た。中でも海洋性微細藻類に属するクリプテコディニウ
ム・コーニーを増殖させることによりドコサヘキサエン
酸を産生させることが検討されており、本発明者らは特
開平06−189743号で特定の糖類、有機窒素源
類、無機塩類および重金属元素を含有する成分を必須成
分とする培地を用いて、藻類の安定した増殖とドコサヘ
キサエン酸の高い生産性を開示した。
【0003】また、サンダースらによればアラキドン酸
に代表される高度不飽和脂肪酸には安定した組織の成長
促進作用が報告されている(Am.J.Clin.Nutr.,31,805-8
13(1978)参照)が、人間はこれを新規( de novo)に合
成することが不可能で、栄養源として摂取したω−6系
不飽和脂肪酸であるリノール酸のγ−リノレン酸を経る
代謝変換によって合成している。しかしながら、この代
謝変換は魚油中に著量含まれるω−3系不飽和脂肪酸で
あるエイコサペンタエン酸の存在によって阻害されるこ
とが報告されている。さらにω−6系不飽和脂肪酸のリ
ノール酸を多く含む油脂の摂取がコレステロールを低下
させ、致死的冠状心臓病の発生率を著しく減少させるの
に有効であることが報告(J.Am.Oil Chem.Soc.,51,260
(1974) 参照)された。
に代表される高度不飽和脂肪酸には安定した組織の成長
促進作用が報告されている(Am.J.Clin.Nutr.,31,805-8
13(1978)参照)が、人間はこれを新規( de novo)に合
成することが不可能で、栄養源として摂取したω−6系
不飽和脂肪酸であるリノール酸のγ−リノレン酸を経る
代謝変換によって合成している。しかしながら、この代
謝変換は魚油中に著量含まれるω−3系不飽和脂肪酸で
あるエイコサペンタエン酸の存在によって阻害されるこ
とが報告されている。さらにω−6系不飽和脂肪酸のリ
ノール酸を多く含む油脂の摂取がコレステロールを低下
させ、致死的冠状心臓病の発生率を著しく減少させるの
に有効であることが報告(J.Am.Oil Chem.Soc.,51,260
(1974) 参照)された。
【0004】このような作用を示すω−3系不飽和脂肪
酸とω−6系不飽和脂肪酸とを同時に含む油脂は、ω−
3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸が生合成経路
を異にするため、天然には、母乳乳脂が挙げられるほか
は存在せず、マーテック社らの報告のように起源を異に
する2種類以上の油脂を混合することによって調製して
いるにすぎない(WO92/12711)。また、このような高
度不飽和脂肪酸は酸化作用を受けやすく、この結果生ず
る過酸化物の毒作用が報告されており、高価なトコフェ
ロールの添加などによって回避している。
酸とω−6系不飽和脂肪酸とを同時に含む油脂は、ω−
3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸が生合成経路
を異にするため、天然には、母乳乳脂が挙げられるほか
は存在せず、マーテック社らの報告のように起源を異に
する2種類以上の油脂を混合することによって調製して
いるにすぎない(WO92/12711)。また、このような高
度不飽和脂肪酸は酸化作用を受けやすく、この結果生ず
る過酸化物の毒作用が報告されており、高価なトコフェ
ロールの添加などによって回避している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような問題点を解
決し、エイコサペンタエン酸のようなω−6系不飽和脂
肪酸の代謝変換を阻害する脂肪酸を含まず、生合成経路
が異なるω−3系とω−6系不飽和脂肪酸を酸化しにく
い形で同時に含む油脂の簡便でかつ有効な製造方法の開
発が望まれていた。本発明は、これらの課題のうち少な
くとも1つを解決することを目的とする。
決し、エイコサペンタエン酸のようなω−6系不飽和脂
肪酸の代謝変換を阻害する脂肪酸を含まず、生合成経路
が異なるω−3系とω−6系不飽和脂肪酸を酸化しにく
い形で同時に含む油脂の簡便でかつ有効な製造方法の開
発が望まれていた。本発明は、これらの課題のうち少な
くとも1つを解決することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明ではこれらの問題
点を解決するために鋭意検討した結果、ドコサヘキサエ
ン酸を産生する能力を有する海洋性微細藻類を培養する
に際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加して培養
すると、ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸
とを同時に含む海洋性微細藻体が産生されることを見い
だし本発明をなすに至った。
点を解決するために鋭意検討した結果、ドコサヘキサエ
ン酸を産生する能力を有する海洋性微細藻類を培養する
に際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加して培養
すると、ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸
とを同時に含む海洋性微細藻体が産生されることを見い
だし本発明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は、海洋性微細藻類に属
し、かつ、ω−3系不飽和脂肪酸の1つであるドコサヘ
キサエン酸を産生する能力を有する藻類を培養して増殖
させるに際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加し
て増殖させ、ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂
肪酸とを含む藻体を製造する油脂含有藻体の製造方法を
提供する。そして、藻類が、クリプテコディニウム・コ
ーニー(Crypthecodinium cohnii)種であるのが好まし
い。さらに、クリプテコディニウム・コーニー(Crypth
ecodinium cohnii)種が、クリプテコディニウム・コー
ニー(Crypthecodinium cohnii)ATCC30021で
あるのが好ましい。さらに、ω−6系不飽和脂肪酸類
を、前記藻類の細胞濃度が、3×105 個/ml以上で
ある時に添加するのが好ましい。
し、かつ、ω−3系不飽和脂肪酸の1つであるドコサヘ
キサエン酸を産生する能力を有する藻類を培養して増殖
させるに際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加し
て増殖させ、ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂
肪酸とを含む藻体を製造する油脂含有藻体の製造方法を
提供する。そして、藻類が、クリプテコディニウム・コ
ーニー(Crypthecodinium cohnii)種であるのが好まし
い。さらに、クリプテコディニウム・コーニー(Crypth
ecodinium cohnii)種が、クリプテコディニウム・コー
ニー(Crypthecodinium cohnii)ATCC30021で
あるのが好ましい。さらに、ω−6系不飽和脂肪酸類
を、前記藻類の細胞濃度が、3×105 個/ml以上で
ある時に添加するのが好ましい。
【0008】ω−6系不飽和脂肪酸類が、リノール酸、
γ−リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸およびアラ
キドン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種または
それ以上の組み合わせであるのが好ましい。また、ω−
6系不飽和脂肪酸類が遊離の脂肪酸、脂肪酸のメチルエ
ステル、エチルエステル、モノグリセリド、ジグリセリ
ド、トリグリセリドおよびこれらを構成成分に含む油脂
からなる群から選ばれる少なくとも1種またはこれらの
組み合わせであるのが好ましい。そして、上述の油脂含
有藻体から粗脂質を抽出してω−3系不飽和脂肪酸とω
−6系不飽和脂肪酸を含む油脂を製造すること油脂の製
造方法を提供する。海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコ
サヘキサエン酸を産生する能力を有する藻類であって、
ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸とを含む
油脂含有藻を提供する。
γ−リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸およびアラ
キドン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種または
それ以上の組み合わせであるのが好ましい。また、ω−
6系不飽和脂肪酸類が遊離の脂肪酸、脂肪酸のメチルエ
ステル、エチルエステル、モノグリセリド、ジグリセリ
ド、トリグリセリドおよびこれらを構成成分に含む油脂
からなる群から選ばれる少なくとも1種またはこれらの
組み合わせであるのが好ましい。そして、上述の油脂含
有藻体から粗脂質を抽出してω−3系不飽和脂肪酸とω
−6系不飽和脂肪酸を含む油脂を製造すること油脂の製
造方法を提供する。海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコ
サヘキサエン酸を産生する能力を有する藻類であって、
ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸とを含む
油脂含有藻を提供する。
【0009】海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキ
サエン酸を産生する能力を有する藻類中に得られる、一
つの分子にω−3系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とω−6系
不飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なくとも1つずつ含むグ
リセリドを含有する油脂を提供する。海洋性微細藻類に
属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する能力を有す
る藻類の培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加して培養
することにより、一つの分子にω−3系不飽和脂肪酸の
脂肪酸基とω−6系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なく
とも1つずつ含むグリセリドを含有する油脂を製造する
方法を提供する。
サエン酸を産生する能力を有する藻類中に得られる、一
つの分子にω−3系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とω−6系
不飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なくとも1つずつ含むグ
リセリドを含有する油脂を提供する。海洋性微細藻類に
属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する能力を有す
る藻類の培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加して培養
することにより、一つの分子にω−3系不飽和脂肪酸の
脂肪酸基とω−6系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なく
とも1つずつ含むグリセリドを含有する油脂を製造する
方法を提供する。
【0010】以下に、本発明を詳細に説明する。海洋性
微細藻類としてクリプテコディニウム・コーニーなどに
属する藻類を培養するに際し、海洋性微細藻類の細胞濃
度が3×105 個/ml以上であるときに、ω−6系不
飽和脂肪酸類を培地に添加して培養させると、藻体増殖
に影響を及ぼさずにω−3系不飽和脂肪酸であるドコサ
ヘキサエン酸の含有量を高く保ったまま、ω−6系不飽
和脂肪酸を同時に含む海洋性微細藻類の油脂含有藻体を
産生でき、これらの不飽和脂肪酸を含む油脂がその後の
酸化作用を受けにくい点で特質すべきである。
微細藻類としてクリプテコディニウム・コーニーなどに
属する藻類を培養するに際し、海洋性微細藻類の細胞濃
度が3×105 個/ml以上であるときに、ω−6系不
飽和脂肪酸類を培地に添加して培養させると、藻体増殖
に影響を及ぼさずにω−3系不飽和脂肪酸であるドコサ
ヘキサエン酸の含有量を高く保ったまま、ω−6系不飽
和脂肪酸を同時に含む海洋性微細藻類の油脂含有藻体を
産生でき、これらの不飽和脂肪酸を含む油脂がその後の
酸化作用を受けにくい点で特質すべきである。
【0011】本発明において利用される微生物は海洋性
微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する
ものであればいずれでもよく、例えばクリプテコディニ
ウム・コーニー種などがある。これらの微生物としてA
TCC(American Type Culture Collection)などの各
種保存機関から入手できる公知のものも利用することが
可能である。具体例としては、クリプテコディニウム・
コーニーATCC30021、30543、3055
6、30571、30572、30775、5005
1、50053、50055、50056、5005
8、50060等が挙げられる。このほか該微生物に例
えば、紫外線照射や各種変異剤による処理等の公知の変
異処理を施した変異株の使用も本発明に包含されるもの
である。中でも、ω−3系不飽和脂肪酸であるドコサヘ
キサエン酸の生産性が高いクリプテコディニウム・コー
ニーATCC30021を使用するのが好ましい。
微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する
ものであればいずれでもよく、例えばクリプテコディニ
ウム・コーニー種などがある。これらの微生物としてA
TCC(American Type Culture Collection)などの各
種保存機関から入手できる公知のものも利用することが
可能である。具体例としては、クリプテコディニウム・
コーニーATCC30021、30543、3055
6、30571、30572、30775、5005
1、50053、50055、50056、5005
8、50060等が挙げられる。このほか該微生物に例
えば、紫外線照射や各種変異剤による処理等の公知の変
異処理を施した変異株の使用も本発明に包含されるもの
である。中でも、ω−3系不飽和脂肪酸であるドコサヘ
キサエン酸の生産性が高いクリプテコディニウム・コー
ニーATCC30021を使用するのが好ましい。
【0012】本発明において海洋性微細藻類の培養して
増殖させる際の培養方法としては静置培養法を用いるこ
とも可能であるが、海洋性微細藻類の藻体生産性と脂質
中のドコサヘキサエン酸の含有量を考えると、振盪培養
法または深部通気攪拌培養法による培養が好ましい。
増殖させる際の培養方法としては静置培養法を用いるこ
とも可能であるが、海洋性微細藻類の藻体生産性と脂質
中のドコサヘキサエン酸の含有量を考えると、振盪培養
法または深部通気攪拌培養法による培養が好ましい。
【0013】本発明において用いられるω−6系不飽和
脂肪酸とは、アラキドン酸、リノール酸、γ−リノレン
酸、ビスホモ−γ−リノレン酸の遊離脂肪酸、これらの
脂肪酸メチルエステル、エチルエステル、モノグリセリ
ド、ジグリセリド、トリグリセリド、これらを構成成分
として含む油脂などを示し、1種のみを単独でしようし
てもよいし、またさらに、これらを組み合わせることも
可能である。具体例としては、アラキドン酸、アラキド
ン酸メチルエステル、アラキドン酸エチルエステル、ア
ラキドン酸モノグリセリド、アラキドン酸ジグリセリ
ド、アラキドン酸トリグリセリド、リノール酸、リノー
ル酸メチルエステル、リノール酸エチルエステル、リノ
ール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノ
ール酸トリグリセリド、γ−リノレン酸、γ−リノレン
酸メチルエステル、γ−リノレン酸エチルエステル、γ
−リノレン酸モノグリセリド、γ−リノレン酸ジグリセ
リド、γ−リノレン酸トリグリセリド、ビスホモ−γ−
リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸メチルエステ
ル、ビスホモ−γ−リノレン酸エチルエステル、ビスホ
モ−γ−リノレン酸モノグリセリド、ビスホモ−γ−リ
ノレン酸ジグリセリド、ビスホモ−γ−リノレン酸トリ
グリセリド等が挙げられる。さらに、これらを構成成分
として含む油脂としては、月見草油、あまに油、ゴマ
油、なたね油、大豆油、こめ油、綿実油、コーン油、落
花生油、紅花油、ひまわり油等が挙げられる。
脂肪酸とは、アラキドン酸、リノール酸、γ−リノレン
酸、ビスホモ−γ−リノレン酸の遊離脂肪酸、これらの
脂肪酸メチルエステル、エチルエステル、モノグリセリ
ド、ジグリセリド、トリグリセリド、これらを構成成分
として含む油脂などを示し、1種のみを単独でしようし
てもよいし、またさらに、これらを組み合わせることも
可能である。具体例としては、アラキドン酸、アラキド
ン酸メチルエステル、アラキドン酸エチルエステル、ア
ラキドン酸モノグリセリド、アラキドン酸ジグリセリ
ド、アラキドン酸トリグリセリド、リノール酸、リノー
ル酸メチルエステル、リノール酸エチルエステル、リノ
ール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノ
ール酸トリグリセリド、γ−リノレン酸、γ−リノレン
酸メチルエステル、γ−リノレン酸エチルエステル、γ
−リノレン酸モノグリセリド、γ−リノレン酸ジグリセ
リド、γ−リノレン酸トリグリセリド、ビスホモ−γ−
リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸メチルエステ
ル、ビスホモ−γ−リノレン酸エチルエステル、ビスホ
モ−γ−リノレン酸モノグリセリド、ビスホモ−γ−リ
ノレン酸ジグリセリド、ビスホモ−γ−リノレン酸トリ
グリセリド等が挙げられる。さらに、これらを構成成分
として含む油脂としては、月見草油、あまに油、ゴマ
油、なたね油、大豆油、こめ油、綿実油、コーン油、落
花生油、紅花油、ひまわり油等が挙げられる。
【0014】本発明においてω−6系不飽和脂肪酸を培
地に添加する方法としては、例えば、ω−6系不飽和脂
肪酸類をそのまま液状のまま添加する方法もあるが、ω
−6系不飽和脂肪酸類と各種栄養源を含んだ培地を調製
して、これを添加する方法が簡便で好ましい。また、添
加の回数は、1回のみであっても、複数回に分けて添加
してもよい。さらに、培地中の濃度が一定になるように
連続して添加してもよい。ω−6系不飽和脂肪酸の添加
は、海洋性微細藻類の細胞濃度が3×105 個/ml以
上である時に、培地に添加して培養することが肝要であ
る。さらに好ましいω−6系不飽和脂肪酸の添加時期
は、細胞濃度が5×105 〜1×108 個/mlであ
る。添加時期を細胞濃度が3×105 個/ml未満の時
にすると海洋性微細藻類の安定した増殖が行なわれな
い。ω−6系不飽和脂肪酸の添加量は、培地中の濃度が
0.01〜10g/l、特に0.1〜5.0g/lであ
るのが好ましい。
地に添加する方法としては、例えば、ω−6系不飽和脂
肪酸類をそのまま液状のまま添加する方法もあるが、ω
−6系不飽和脂肪酸類と各種栄養源を含んだ培地を調製
して、これを添加する方法が簡便で好ましい。また、添
加の回数は、1回のみであっても、複数回に分けて添加
してもよい。さらに、培地中の濃度が一定になるように
連続して添加してもよい。ω−6系不飽和脂肪酸の添加
は、海洋性微細藻類の細胞濃度が3×105 個/ml以
上である時に、培地に添加して培養することが肝要であ
る。さらに好ましいω−6系不飽和脂肪酸の添加時期
は、細胞濃度が5×105 〜1×108 個/mlであ
る。添加時期を細胞濃度が3×105 個/ml未満の時
にすると海洋性微細藻類の安定した増殖が行なわれな
い。ω−6系不飽和脂肪酸の添加量は、培地中の濃度が
0.01〜10g/l、特に0.1〜5.0g/lであ
るのが好ましい。
【0015】本発明に使用される培地に用いられる炭素
源としては例えば、ガラクトース、グルコースなどの炭
水化物、なたね油、大豆油などの油脂類、乳酸、酢酸な
どの有機酸類、エタノールなどのアルコール類などが挙
げられ、さらにこれらを組み合わせることも可能であ
る。窒素源としては例えば、酵母エキス、牛肉エキス、
ペプトン、廃糖蜜、コーンスティープリカーなど有機態
窒素や、硝酸カリウム、塩化アンモニウムなど無機態窒
素があげられ、さらにこれらを組み合わせることも可能
である。
源としては例えば、ガラクトース、グルコースなどの炭
水化物、なたね油、大豆油などの油脂類、乳酸、酢酸な
どの有機酸類、エタノールなどのアルコール類などが挙
げられ、さらにこれらを組み合わせることも可能であ
る。窒素源としては例えば、酵母エキス、牛肉エキス、
ペプトン、廃糖蜜、コーンスティープリカーなど有機態
窒素や、硝酸カリウム、塩化アンモニウムなど無機態窒
素があげられ、さらにこれらを組み合わせることも可能
である。
【0016】無機塩類としては、市販の人工海水の濃縮
物を用いることも可能であるが、例えば、塩化ナトリウ
ム、硫酸マグネシウムなどを組み合わせて用いることも
可能である。重金属元素を含む成分としては、例えば、
鉄、マンガン、コバルト、亜鉛などの単体、イオン、塩
化物、硝酸塩など種々の塩が挙げられる。以上のほか、
重金属元素を含む成分の安定化のために例えば、ホウ酸
やエチレンジアミン四酢酸を用いることも可能である。
物を用いることも可能であるが、例えば、塩化ナトリウ
ム、硫酸マグネシウムなどを組み合わせて用いることも
可能である。重金属元素を含む成分としては、例えば、
鉄、マンガン、コバルト、亜鉛などの単体、イオン、塩
化物、硝酸塩など種々の塩が挙げられる。以上のほか、
重金属元素を含む成分の安定化のために例えば、ホウ酸
やエチレンジアミン四酢酸を用いることも可能である。
【0017】培地のpHは通常4〜9、好ましくは5〜
8である。このpH安定化のために例えば、トリスヒド
ロキシメチルアミノメタン、モルホリノエタンスルホン
酸などの緩衝剤を用いることも可能である。振盪培養法
を行う場合は、回転振盪培養が好ましく、振盪回数は、
80〜300rpmであるのが好ましい。深部通気攪拌
培養法を行う場合は、攪拌速度50〜500rpm,通
気量は、0.2〜2.0vvmであるのが好ましい。培
養温度としては通常15〜34℃藻体生産を行なうこと
が可能である。本発明の培養による製造方法により得ら
れる藻体は、エイコサペンタエン酸以外のω−3系不飽
和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸を同時に含む油脂含有
藻体である。
8である。このpH安定化のために例えば、トリスヒド
ロキシメチルアミノメタン、モルホリノエタンスルホン
酸などの緩衝剤を用いることも可能である。振盪培養法
を行う場合は、回転振盪培養が好ましく、振盪回数は、
80〜300rpmであるのが好ましい。深部通気攪拌
培養法を行う場合は、攪拌速度50〜500rpm,通
気量は、0.2〜2.0vvmであるのが好ましい。培
養温度としては通常15〜34℃藻体生産を行なうこと
が可能である。本発明の培養による製造方法により得ら
れる藻体は、エイコサペンタエン酸以外のω−3系不飽
和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸を同時に含む油脂含有
藻体である。
【0018】培養終了後、培養液から藻体を回収する方
法は、一般的な方法、例えば、10℃、8000rp
m、10分間の遠心分離法や濾紙およびガラスフィルタ
ーによる濾過法等により行なうことが可能である。この
ように回収した藻体を生理食塩水で十分洗浄した後、そ
のままか、あるいは凍結乾燥法、熱風乾燥法などによ
り、エイコサペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸
とω−6系不飽和脂肪酸を同時に含み、かつ、これらの
脂肪酸を藻体内に有するのでその後の酸化作用を受けに
くい乾燥藻体を得ることが可能である。
法は、一般的な方法、例えば、10℃、8000rp
m、10分間の遠心分離法や濾紙およびガラスフィルタ
ーによる濾過法等により行なうことが可能である。この
ように回収した藻体を生理食塩水で十分洗浄した後、そ
のままか、あるいは凍結乾燥法、熱風乾燥法などによ
り、エイコサペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸
とω−6系不飽和脂肪酸を同時に含み、かつ、これらの
脂肪酸を藻体内に有するのでその後の酸化作用を受けに
くい乾燥藻体を得ることが可能である。
【0019】これらの油脂含有藻体からの抽出により、
ドコサヘキサエン酸などのω−3系不飽和脂肪酸類とω
−6系不飽和脂肪酸類を同時に高純度に含有する油脂を
得ることが可能である。
ドコサヘキサエン酸などのω−3系不飽和脂肪酸類とω
−6系不飽和脂肪酸類を同時に高純度に含有する油脂を
得ることが可能である。
【0020】培養によって得られた油脂含有藻体内に存
在する油脂は、本発明の別の態様である。本発明のω−
3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸を少なくとも
一分子づつ含むグリセリドは、グリセリンの脂肪酸エス
テルとして、少なくともω−3系不飽和脂肪酸とω−6
系不飽和脂肪酸を少なくとも1分子づつ含むもので、下
記式(1)の分子構造を有する。
在する油脂は、本発明の別の態様である。本発明のω−
3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸を少なくとも
一分子づつ含むグリセリドは、グリセリンの脂肪酸エス
テルとして、少なくともω−3系不飽和脂肪酸とω−6
系不飽和脂肪酸を少なくとも1分子づつ含むもので、下
記式(1)の分子構造を有する。
【0021】
【化1】 R1 CO−,R2 CO−,Xの位置は相互に入れ替わっ
ていてもよい。
ていてもよい。
【0022】本発明は藻体中の脂質の成分として、ω−
3系不飽和脂肪酸(R1 )とω−6系不飽和脂肪酸(R
2 )をそれそれ少なくとも1分子づつ含むグリセリドを
有するもので、Xが脂肪酸である場合はトリグリセリ
ド、リン酸または糖である場合は、それぞれリン脂質、
糖脂質となる。このグリセリドは、ドコサヘキサエン酸
を産生する能力を有する藻類の藻体内に油滴として存在
する。この油滴は、その成分がω−6系不飽和脂肪酸1
0重量%以上、ω−3系不飽和脂肪酸として、ドコサヘ
キサエン酸25重量%以上であり、エイコサペンタエン
酸1重量%以下であることが特徴である。ω−6系不飽
和脂肪酸としては、アラキドン酸、リノール酸、γ−リ
ノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸等が挙げられる。
この油滴は、ω−6系不飽和脂肪酸とドコサヘキサエン
酸とを多量に含みしかもアラキドン酸の代謝作用を阻害
するエイコサペンタエン酸の含有量が1重量%以下であ
るので、この混合物を特に各成分に精製することなくそ
のまま摂取しても栄養効果が非常に高い。
3系不飽和脂肪酸(R1 )とω−6系不飽和脂肪酸(R
2 )をそれそれ少なくとも1分子づつ含むグリセリドを
有するもので、Xが脂肪酸である場合はトリグリセリ
ド、リン酸または糖である場合は、それぞれリン脂質、
糖脂質となる。このグリセリドは、ドコサヘキサエン酸
を産生する能力を有する藻類の藻体内に油滴として存在
する。この油滴は、その成分がω−6系不飽和脂肪酸1
0重量%以上、ω−3系不飽和脂肪酸として、ドコサヘ
キサエン酸25重量%以上であり、エイコサペンタエン
酸1重量%以下であることが特徴である。ω−6系不飽
和脂肪酸としては、アラキドン酸、リノール酸、γ−リ
ノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸等が挙げられる。
この油滴は、ω−6系不飽和脂肪酸とドコサヘキサエン
酸とを多量に含みしかもアラキドン酸の代謝作用を阻害
するエイコサペンタエン酸の含有量が1重量%以下であ
るので、この混合物を特に各成分に精製することなくそ
のまま摂取しても栄養効果が非常に高い。
【0023】この油滴のその他の脂肪酸成分は、カプリ
ル酸(脂肪酸比率0.1〜2%、以下同様)、ラウリル
酸(0.5〜5%)、ミリスチン酸(10〜25%)、
パルミチン酸(10〜25%)、ステアリン酸(0.5
〜5%)などの飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸(0.
1〜2%)、オレイン酸(1〜10%)などのモノ不飽
和脂肪酸などが挙げられる。
ル酸(脂肪酸比率0.1〜2%、以下同様)、ラウリル
酸(0.5〜5%)、ミリスチン酸(10〜25%)、
パルミチン酸(10〜25%)、ステアリン酸(0.5
〜5%)などの飽和脂肪酸、パルミトオレイン酸(0.
1〜2%)、オレイン酸(1〜10%)などのモノ不飽
和脂肪酸などが挙げられる。
【0024】本発明の油脂の製造は、海洋性微細藻類に
属する藻類であって、ドコサヘキサエン酸を産生する能
力のある藻類の培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加し
て培養した藻体から粗脂質として油脂を回収することに
よって製造することができる。
属する藻類であって、ドコサヘキサエン酸を産生する能
力のある藻類の培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加し
て培養した藻体から粗脂質として油脂を回収することに
よって製造することができる。
【0025】さらに、藻体からドコサヘキサエン酸とω
−6系不飽和脂肪酸類を同時に高度に含有する粗脂質の
抽出の方法としては、Folch法やBligh−Dy
er法に代表されるクロロホルム/メタノール系等の有
機溶媒による一般的な抽出方法を用いることが可能であ
る。
−6系不飽和脂肪酸類を同時に高度に含有する粗脂質の
抽出の方法としては、Folch法やBligh−Dy
er法に代表されるクロロホルム/メタノール系等の有
機溶媒による一般的な抽出方法を用いることが可能であ
る。
【0026】粗脂質からドコサヘキサエン酸とω−6系
不飽和脂肪酸類を含む油脂を精製する方法は常法に従っ
て行なうことが可能である。例えば、粗脂質を各種溶剤
を用いて分別や分子蒸留、超臨界抽出などの方法によっ
て容易に不飽和脂肪酸としてほぼドコサヘキサエン酸と
ω−6系不飽和脂肪酸類のみを同時に含む油脂を得るこ
とが可能である。また、本発明で得られる油脂は、魚油
に多く含まれるエイコサペンタエン酸等の他の不要な不
飽和脂肪酸をほとんど含まないので、簡便な精製を行う
ことができる。
不飽和脂肪酸類を含む油脂を精製する方法は常法に従っ
て行なうことが可能である。例えば、粗脂質を各種溶剤
を用いて分別や分子蒸留、超臨界抽出などの方法によっ
て容易に不飽和脂肪酸としてほぼドコサヘキサエン酸と
ω−6系不飽和脂肪酸類のみを同時に含む油脂を得るこ
とが可能である。また、本発明で得られる油脂は、魚油
に多く含まれるエイコサペンタエン酸等の他の不要な不
飽和脂肪酸をほとんど含まないので、簡便な精製を行う
ことができる。
【0027】本発明の油脂含有藻体に含有されるω−3
系不飽和脂肪酸は、おもにドコサヘキサエン酸で、ほと
んどエイコサペンタエン酸は含まれない。これは、従来
の魚油とω−6系不飽和脂肪酸との混合などによる方法
では、ω−3系不飽和脂肪酸としてのドコサヘキサエン
酸やω−6系不飽和脂肪酸としてのアラキドン酸以外
に、ω−6系不飽和脂肪酸の(代謝)作用を阻害するω
−3系不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン酸も同時
に含まれてしまうのに対して、本発明の方法によれば、
ω−6系不飽和脂肪酸であるアラキドン酸とω−3系不
飽和脂肪酸の1つであるドコサヘキサエン酸を同時に含
有する油脂を有する藻体を得ることができるばかりか、
本発明の油脂含有藻体中にはω−3系不飽和脂肪酸とし
てほぼドコサヘキサエン酸のみを含んでいるので、同時
にω−6系不飽和脂肪酸としてリノール酸やγ−リノレ
イン酸を含有させても、魚油の混合物の場合と異なり、
エイコサペンタエン酸によるリノール酸やγ−リノレイ
ン酸からアラキドン酸への代謝の障害が問題とならない
ので、非常に簡便で効率良くω−6系不飽和脂肪酸類の
作用を阻害しないでω−6系とω−3系の不飽和脂肪酸
を同時に摂取できる油脂を得ることが可能である。
系不飽和脂肪酸は、おもにドコサヘキサエン酸で、ほと
んどエイコサペンタエン酸は含まれない。これは、従来
の魚油とω−6系不飽和脂肪酸との混合などによる方法
では、ω−3系不飽和脂肪酸としてのドコサヘキサエン
酸やω−6系不飽和脂肪酸としてのアラキドン酸以外
に、ω−6系不飽和脂肪酸の(代謝)作用を阻害するω
−3系不飽和脂肪酸としてエイコサペンタエン酸も同時
に含まれてしまうのに対して、本発明の方法によれば、
ω−6系不飽和脂肪酸であるアラキドン酸とω−3系不
飽和脂肪酸の1つであるドコサヘキサエン酸を同時に含
有する油脂を有する藻体を得ることができるばかりか、
本発明の油脂含有藻体中にはω−3系不飽和脂肪酸とし
てほぼドコサヘキサエン酸のみを含んでいるので、同時
にω−6系不飽和脂肪酸としてリノール酸やγ−リノレ
イン酸を含有させても、魚油の混合物の場合と異なり、
エイコサペンタエン酸によるリノール酸やγ−リノレイ
ン酸からアラキドン酸への代謝の障害が問題とならない
ので、非常に簡便で効率良くω−6系不飽和脂肪酸類の
作用を阻害しないでω−6系とω−3系の不飽和脂肪酸
を同時に摂取できる油脂を得ることが可能である。
【0028】以上のように本発明によれば、海洋性微細
藻類に属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する能力
を有する海洋性微細藻類を培養するに際し、ω−6系不
飽和脂肪酸類を添加して培養させることにより、エイコ
サペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸とω−6系
不飽和脂肪酸を同時に含む油脂含有藻体、さらにその油
脂含有藻体から粗脂質を抽出して油脂を製造することが
可能であるが、本発明の趣旨に従い通常行なわれる改変
は本発明に含まれる。
藻類に属し、かつ、ドコサヘキサエン酸を産生する能力
を有する海洋性微細藻類を培養するに際し、ω−6系不
飽和脂肪酸類を添加して培養させることにより、エイコ
サペンタエン酸以外のω−3系不飽和脂肪酸とω−6系
不飽和脂肪酸を同時に含む油脂含有藻体、さらにその油
脂含有藻体から粗脂質を抽出して油脂を製造することが
可能であるが、本発明の趣旨に従い通常行なわれる改変
は本発明に含まれる。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、これらの実施例が本発明の範囲を限定するも
のでないことは言うまでもない。下記の実施例中、海洋
性微細藻類の藻体生産性は培養後の藻体の乾燥藻体重量
で示し、また、脂肪酸の含有量は乾燥藻体からクロロホ
ルム/メタノール(2:1)で抽出される粗脂質を三フ
ッ化ホウ素メタノール錯体で脂肪酸メチルエステルと
し、ヘプタデカン酸を内部標準として産生した脂肪酸を
ガスクロマトグラフィーにより定量することにより測定
した。使用した培地は、下記表1に示される組成のもの
であった。
明するが、これらの実施例が本発明の範囲を限定するも
のでないことは言うまでもない。下記の実施例中、海洋
性微細藻類の藻体生産性は培養後の藻体の乾燥藻体重量
で示し、また、脂肪酸の含有量は乾燥藻体からクロロホ
ルム/メタノール(2:1)で抽出される粗脂質を三フ
ッ化ホウ素メタノール錯体で脂肪酸メチルエステルと
し、ヘプタデカン酸を内部標準として産生した脂肪酸を
ガスクロマトグラフィーにより定量することにより測定
した。使用した培地は、下記表1に示される組成のもの
であった。
【0030】
【0031】(比較例1)表1に示す培地を調製し、そ
れぞれ100mlを300ml容三角フラスコに入れて
減菌をした。冷却後、これにグルコース10g/l、酵
母エキス2g/lを人工海水アクアマリン(八洲薬品株
式会社製)に溶解しpH7.4に調製した培地で予め7
日間培養したクリプテコディニウム・コーニーATCC
30021の培養液5ml(細胞濃度8×106 個/m
l)を接種し、本培養として、28℃で5日間回転振盪
培養(180rpm)を行なった。培養藻体から得た乾
燥藻体重量、粗脂質収量と脂肪酸組成とその含量は表2
に示す結果を得た。
れぞれ100mlを300ml容三角フラスコに入れて
減菌をした。冷却後、これにグルコース10g/l、酵
母エキス2g/lを人工海水アクアマリン(八洲薬品株
式会社製)に溶解しpH7.4に調製した培地で予め7
日間培養したクリプテコディニウム・コーニーATCC
30021の培養液5ml(細胞濃度8×106 個/m
l)を接種し、本培養として、28℃で5日間回転振盪
培養(180rpm)を行なった。培養藻体から得た乾
燥藻体重量、粗脂質収量と脂肪酸組成とその含量は表2
に示す結果を得た。
【0032】(実施例1〜3)表1に示す培地を調製
し、培養開始後2日目(細胞濃度1.5×106 個/m
l)に表2に示す脂肪酸のエチルエステルを1g/lと
なるように培地に添加して28℃で5日間回転振盪培養
(180rpm)を行った。培養藻体から得た乾燥藻体
重量、粗脂質収量と脂肪酸組成とその含量は本培養を行
ない表2に示す結果を得た。
し、培養開始後2日目(細胞濃度1.5×106 個/m
l)に表2に示す脂肪酸のエチルエステルを1g/lと
なるように培地に添加して28℃で5日間回転振盪培養
(180rpm)を行った。培養藻体から得た乾燥藻体
重量、粗脂質収量と脂肪酸組成とその含量は本培養を行
ない表2に示す結果を得た。
【0033】(実施例4〜5)表1に示す培地を調製
し、培養開始後3日目(細胞濃度8×106 個/ml)
と4日目(細胞濃度1.8×107 個/ml)にアラキ
ドン酸エチルエステルを培地中の濃度が1g/lとなる
ように添加する以外は、実施例1〜4と同様にして本培
養を行ない表2に示す結果を得た。
し、培養開始後3日目(細胞濃度8×106 個/ml)
と4日目(細胞濃度1.8×107 個/ml)にアラキ
ドン酸エチルエステルを培地中の濃度が1g/lとなる
ように添加する以外は、実施例1〜4と同様にして本培
養を行ない表2に示す結果を得た。
【0034】(実施例6)表1に示す培地3Lを調製
し、これを5lジャーファーメンタに入れて減菌をし
た。冷却後、これにグルコース10g/l、酵母エキス
2g/lを人工海水アクアマリン(八洲薬品株式会社
製)に溶解しpH7.4に調製した培地で予め7日間培
養したクリプテコディニウム・コーニーATCC300
21の培養液300ml(細胞濃度6.4×106 個/
ml)を接種し、途中、培養開始後3日目(細胞濃度
1.8×106 個/ml)にγ−リノレン酸エチルエス
テルを3g添加して、7日間本培養(28℃・200r
pm・1vvm)を行ない表2に示す結果を得た。
し、これを5lジャーファーメンタに入れて減菌をし
た。冷却後、これにグルコース10g/l、酵母エキス
2g/lを人工海水アクアマリン(八洲薬品株式会社
製)に溶解しpH7.4に調製した培地で予め7日間培
養したクリプテコディニウム・コーニーATCC300
21の培養液300ml(細胞濃度6.4×106 個/
ml)を接種し、途中、培養開始後3日目(細胞濃度
1.8×106 個/ml)にγ−リノレン酸エチルエス
テルを3g添加して、7日間本培養(28℃・200r
pm・1vvm)を行ない表2に示す結果を得た。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明によって、ドコサヘキサエン酸を
産生する能力を有する海洋性微細藻類を培養するに際
し、ω−6系不飽和脂肪酸類を海洋性微細藻類の細胞濃
度が3×105 個/ml以上であるときに添加して培養
することにより、藻体の安定した増殖とともに、不飽和
脂肪酸としてω−3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン
酸とω−6系不飽和脂肪酸のみを同時に含む海洋性微細
藻体が産生されることを見いだしたものである。従来の
技術ではドコサヘキサエン酸を含むものの、ω−6系不
飽和脂肪酸の作用を阻害するエイコサペンタエン酸も同
時に含み、独特の臭気をもつ魚油と月見草などの植物油
の混合により得ていたω−3系不飽和脂肪酸とω−6系
不飽和脂肪酸を含む油脂、特に、ω−3系不飽和脂肪酸
とω−6系不飽和脂肪酸とを1分子に各々1つ以上有す
るグリセリドを含有する油脂を、簡便な製造技術によ
り、高純度で、かつ、藻体内にあるので、酸化作用を受
けにくい状態で製造できる点で工業的に有効な効果を奏
するものである。本発明は、上述の効果のうち少なくと
も1つを得るものである。
産生する能力を有する海洋性微細藻類を培養するに際
し、ω−6系不飽和脂肪酸類を海洋性微細藻類の細胞濃
度が3×105 個/ml以上であるときに添加して培養
することにより、藻体の安定した増殖とともに、不飽和
脂肪酸としてω−3系不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン
酸とω−6系不飽和脂肪酸のみを同時に含む海洋性微細
藻体が産生されることを見いだしたものである。従来の
技術ではドコサヘキサエン酸を含むものの、ω−6系不
飽和脂肪酸の作用を阻害するエイコサペンタエン酸も同
時に含み、独特の臭気をもつ魚油と月見草などの植物油
の混合により得ていたω−3系不飽和脂肪酸とω−6系
不飽和脂肪酸を含む油脂、特に、ω−3系不飽和脂肪酸
とω−6系不飽和脂肪酸とを1分子に各々1つ以上有す
るグリセリドを含有する油脂を、簡便な製造技術によ
り、高純度で、かつ、藻体内にあるので、酸化作用を受
けにくい状態で製造できる点で工業的に有効な効果を奏
するものである。本発明は、上述の効果のうち少なくと
も1つを得るものである。
Claims (10)
- 【請求項1】海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキ
サエン酸を産生する能力を有する藻類を培養して増殖さ
せるに際し、培地にω−6系不飽和脂肪酸類を添加して
ω−3系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸とを含む
藻体を製造することを特徴とする油脂含有藻体の製造方
法。 - 【請求項2】前記藻類が、クリプテコディニウム・コー
ニー(Crypthecodinium cohnii)種である請求項1に記
載の油脂含有藻体の製造方法。 - 【請求項3】前記クリプテコディニウム・コーニー(Cr
ypthecodinium cohnii)種が、クリプテコディニウム・
コーニー(Crypthecodinium cohnii)ATCC3002
1である請求項2に記載の油脂含有藻体の製造方法。 - 【請求項4】前記ω−6系不飽和脂肪酸類を、前記藻類
の細胞濃度が、3×105 個/ml以上である時に添加
する請求項1〜3のいずれかに記載の油脂含有藻体の製
造方法。 - 【請求項5】前記ω−6系不飽和脂肪酸類が、リノール
酸、γ−リノレン酸、ビスホモ−γ−リノレン酸および
アラキドン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種ま
たはそれ以上の組み合わせである請求項1〜4のいずれ
かに記載の油脂含有藻体の製造方法。 - 【請求項6】前記ω−6系不飽和脂肪酸類が遊離の脂肪
酸、脂肪酸のメチルエステル、エチルエステル、モノグ
リセリド、ジグリセリド、トリグリセリドおよびこれら
を構成成分に含む油脂からなる群から選ばれる少なくと
も1種またはこれらの組み合わせである請求項1〜5の
いずれかに記載の油脂含有藻体の製造方法。 - 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の油脂含有
藻体から粗脂質を抽出してω−3系不飽和脂肪酸とω−
6系不飽和脂肪酸を含む油脂を製造することを特徴とす
る油脂の製造方法。 - 【請求項8】海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキ
サエン酸を産生する能力を有する藻類であって、ω−3
系不飽和脂肪酸とω−6系不飽和脂肪酸とを含むことを
特徴とする油脂含有藻体。 - 【請求項9】海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘキ
サエン酸を産生する能力を有する藻類中に得られる、一
つの分子にω−3系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とω−6系
不飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なくとも1つずつ含むグ
リセリドを含有する油脂。 - 【請求項10】海洋性微細藻類に属し、かつ、ドコサヘ
キサエン酸を産生する能力を有する藻類の培地にω−6
系不飽和脂肪酸類を添加して培養することにより、一つ
の分子にω−3系不飽和脂肪酸の脂肪酸基とω−6系不
飽和脂肪酸の脂肪酸基とを少なくとも1つずつ含むグリ
セリドを含有する油脂を製造する方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6310695A JPH08163990A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6310695A JPH08163990A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08163990A true JPH08163990A (ja) | 1996-06-25 |
Family
ID=18008355
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6310695A Withdrawn JPH08163990A (ja) | 1994-12-14 | 1994-12-14 | 油脂含有藻体およびそれから得られる油脂の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH08163990A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7972855B2 (en) | 1999-08-13 | 2011-07-05 | Suntory Holdings Limited | Microorganisms that extracellularly secrete lipids and methods of producing lipid and lipid vesicles encapsulating lipids using said microorganisms |
| JP2020152690A (ja) * | 2019-03-22 | 2020-09-24 | 株式会社デンソー | 脂質吸収抑制剤 |
| US11746363B2 (en) | 2013-12-20 | 2023-09-05 | MARA Renewables Corporation | Methods of recovering oil from microorganisms |
| US11959120B2 (en) | 2016-06-10 | 2024-04-16 | MARA Renewables Corporation | Method of making lipids with improved cold flow properties |
| US12146180B2 (en) | 2016-12-22 | 2024-11-19 | MARA Renewables Corporation | Methods for producing biomass rich in DHA, palmitic acid and protein using a eukaryotic microorganism |
| US12359230B2 (en) | 2020-04-03 | 2025-07-15 | MARA Renewables Corporation | Microbial oils with high levels of omega-3 fatty acids |
-
1994
- 1994-12-14 JP JP6310695A patent/JPH08163990A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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