JPH0819134B2 - 三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導体 - Google Patents

三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導体

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JPH0819134B2
JPH0819134B2 JP4126706A JP12670692A JPH0819134B2 JP H0819134 B2 JPH0819134 B2 JP H0819134B2 JP 4126706 A JP4126706 A JP 4126706A JP 12670692 A JP12670692 A JP 12670692A JP H0819134 B2 JPH0819134 B2 JP H0819134B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、哺乳動物の中枢神経に
影響し、抗不安効果、学習改善効果を有する向精神薬と
して有用な三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン
誘導体であるN−ピペロニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミドまたはその酸付加塩に関するもので
あ。
【0002】
【従来の技術】下記の(1)、(2)、(3)、
(4)、(5)、(6)、(7)の公報で示される化合
物は既知化合物であり、抗不安薬、向精神薬として有用
であることが知られている。
【0003】(1)特開昭56−43283号公報 下記化1式
【化1】 で示されるβ−カルボリン−3−カルボン酸誘導体が抗
攻撃作用を有する精神病医薬として有用であることは知
られている。
【0004】(2)特開昭61−236779号公報 下記化2式
【化2】
【0005】(3)特開昭63−096188号公報 下記の化3式
【化3】
【0006】(4)特開昭63−096189号公報 下記化4式
【化4】
【0007】(5)特開平1−100172号公報 下記化5式
【化5】
【0008】(6)特開平2−149583号公報 下記化6式
【化6】
【0009】(7)WO89−12447号公報 下記化7式
【化7】
【0010】(2)、(3)、(4)、(5)、
(6)、(7)で示されるテトラヒドロピリジン誘導体
及びピリジン誘導体の化合物は、向精神作用を有するこ
とも知られている。また、1,2,3,4−テトラヒド
ロベンゾ[b]チエノ[2,3−c]ピリジンまたはそ
の誘導体の合成研究はゲルハルト ウォルフ,フェリッ
クスチモ−ルコブスキ−,ア−チブ.ベア.ファ−マジ
ィ(Gerhard Wolf and Felix
Zymalkowski,Arch.Pharm.)2
79,309(1976)又は、脳に対する生化学的研
究はクリネシュミット.ブラッドレイ.ブイ,レイス.
デュア−ネ.ア−ル,ぺチボ−ン.ドウグラス.ジェ
−,ロビンソン.ジャネット.エル,ジャ−ナル オブ
ファマコロジ− アンド エクスペリメンタル ゼラ
ペウティクス(Brandley VClinesch
midt,Duane R.Reiss,Dougla
s J.Pettibone and Janet
L.Robinson,J.Pharmacol Ex
p.Ther.,)696−708,235(3)(1
985)などに示されるように多くなされているが、本
発明のような三環に置換基を有するテトラヒドロピリジ
ン誘導体はいまだ知られていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、抗不
安作用及び学習改善作用を有する医薬として有用な新規
な三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導体を
提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この種の
三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導体で、
抗不安作用及び学習改善作用を有する化合物を開発する
ために鋭意研究を重ねた結果、3位に特異的な置換基を
有する三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導
体が、その目的に適合しうることを見いだし、この知見
に基づいて本発明をなすに至った。
【0013】すなわち、本発明は、下記式(1)で示さ
れるN−ピペロニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カル
ボアミドまたはその酸付加塩である。
【化8】
【0014】本発明化合物とは別に、本発明者らは、関
連する一群の化合物を同時に検討し、それらが抗不安作
用を示すことを確認したが、参考にそれらの化合物を示
すと以下のとおりである。 (1) (+)−N−(trans−4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベン
ゾ[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボア
ミド (2) (+)−N−(cis−4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ
[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボアミ
ド (3) (−)−N−(trans−4−ヒドロキシシ
クロヘキシル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベン
ゾ[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボア
ミド (4) (−)−N−(cis−4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ
[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボアミ
【0015】本発明化合物は、上記の化合物からも明ら
かなとおり、1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ
〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン環の3位の炭素原
子が不斉炭素原子であるので、(+)−体(R体に相当
する)および(−)−体(S体に相当する)の光学活性
体ならびにそれらの混合物であるラセミ体として存在す
る。したがって、本発明においては、各々の光学活性体
およびラセミ体が包含される。また、酸付加塩として
は、薬理上許容されるものが好ましく、例えば、塩酸、
硫酸、リン酸等の無機酸、または酢酸、p−トルエンス
ルホン酸、メタスルホン酸、酒石酸、マレイン酸等の有
機酸との酸付加塩を挙げることができる。
【0016】本発明化合物は、例えば、下記の(合成方
法1)により得ることができる。下記(合成方法1)に
おいて、Rは6個までの炭素原子を有する低級アルキル
基を表わす。また、HX1 のX1 、Boc−X2
2 、HX3 のX3 はハロゲン原子、メタンスルホン酸
等の水素原子と結合して酸になるものか、4,6−ジメ
チルピリミジニルメルカプト基等のような脱離基として
優れたものを表わす。
【0017】
【化9】
【0018】(合成方法1)において化合物(2)から
化合物(3)を得る方法は、ゲルハルトウォルフ,フェ
リックス チモ−ルコブスキ−,ア−チブ.ベア.ファ
−マジィ(Gerhard Wolf and Fel
ix Zymalkows−ki,Arch.Phar
m.)279,309(1976)と同様にして合成し
た。
【0019】化合物(2)から化合物(3)を合成する
方法において用いられる溶媒は、ジエチルエ−テル、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン等のエ−テル類である。
この反応は10〜120℃で行われ、一般には1〜30
時間程度で終了する。アセトアミノマロン酸ジエチルエ
ステルは1〜3当量用い、また、金属ナトリウムの代わ
りにリチウム、カリウム等のアルカリ金属も用いてもよ
い。
【0020】化合物(3)から化合物(4)および
(5)を得る方法は、エッチ.ア−ル.シナイダ−,ク
ルチュ−ス ダブリュウ スミス,ジャ−ナル オブ
アメリカン ケミストリ− ソサイアティ(H.R.S
nyder and Curt−is W.Smith
J.Am.Chem.Soc.,)66,350(1
944)を参考にした。
【0021】化合物(3)から化合物(4)を得るエス
テル加水分解反応において用いられる溶媒は、水または
メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル等の低級アルコ
−ルと水の混合溶媒である。また、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等が用いられる。この
反応は10〜100℃で行われ、一般には1〜10時間
程度で終了する。アルカリを中和する酸としては、クエ
ン酸、酢酸等が用いられる。
【0022】化合物(4)から化合物(5)を得る脱炭
酸反応およびアミド加水分解反応において用いられる溶
媒は水である。脱炭酸反応は60〜100℃で行われ、
一般には1〜30時間程度で終了する。アミド加水分解
反応は水酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウムを用
いてもよい。この反応は10〜100℃で行われ、一般
には1〜30時間程度で終了する。
【0023】化合物(5)から化合物(6)を得る方法
は、泉屋信夫、加藤哲夫、大野素徳、青柳東彦、合成化
学シリ−ズ ペプチド合成(丸善)66、実験例3・2
を参考にした。この方法において用いられるアルコ−ル
(ROH)としては、メチルアルコ−ル、エチルアルコ
−ル、プロピルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル等の低
級アルコ−ルであり、このアルコ−ルは溶媒としても作
用している。また、酸触媒として塩化チオニル、硫酸、
塩酸ガス、p−トルエンスルホン酸等が用いられる。こ
の反応温度は10〜100℃で行われ、好ましくは20
〜30℃で行われるのがよい。一般には1〜48時間で
終了する。
【0024】化合物(6)から化合物(7)を得る方法
において用いられる溶媒は、メチルアルコ−ル、エチル
アルコ−ル、プロピルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル
等の低級アルコ−ル類または酢酸エチルである。また、
HX1 としては硫酸、塩酸、p−トルエンスルホン酸等
を用いて酸付加塩とする。この反応温度は−10〜30
℃で行われ、好ましくは0〜10℃で行われるのがよ
い。一般には1日以内に終了する。
【0025】化合物(7)から化合物(8)を合成する
方法は、ディ−.ゾ−エレンズら、ジャ−ナル オブ
オ−ガニック ケミストリ−(D.Soerens e
t.al.J.Org.Chem.,)44(4),5
35−545(1979)を参考にした。化合物(7)
に対してホルマリンは、通常1〜10当量、好ましくは
1.5〜2当量用いる。この方法において用いられる溶
媒は、水およびメタノ−ル、エタノ−ル、プロピルアル
コ−ル、ヘキシルアルコ−ル等の低級アルコ−ル類溶媒
の混合溶媒がよい。この反応温度は10〜100℃で行
われ、好ましくは50〜70℃である。反応時間は、一
般には1〜30時間であり、好ましくは20〜25時間
である。また、反応触媒として10〜100当量の塩
酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等の酸を用いる。
【0026】化合物(8)から化合物(9)を得る方法
は、ティ−.ナカガワ,ケ−.クロイワ,ケ−.ナリ
タ,ワイ.イソワ,ブルテン オブ ザ ケミカル ソ
サアティ オブ ジャパン(T.Nakagawa,
K.Kuroiwa,K.Na−rita,Y.Iso
wa,Bull.Chem.Soc.Japan)12
69,46(1973)を参考にした。
【0027】化合物(8)から化合物(9)を合成する
方法において用いられる溶媒は、クロロホルム、塩化メ
チレン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等
の有機溶媒である。この反応は0〜100℃で行われ、
一般には1〜48時間で終了する。化合物(8)のHX
1 を中和するために、トリエチルアミン、N−メチルモ
ルホリン等の三級アミンが用いられ、三級アミンは2〜
3当量使用される。また、タ−シャリ−ブトキシカルボ
ニル基(Boc基)を導入する方法として、Boc−ア
ジド等のBoc−化剤を用いてもよい。X2 はチオ−
4,6−ジメチルピリミジン等である。あるいはBoc
基の代わりにベンジルオキシカルボニル等の他のアミノ
基の保護基を用いてもよい。
【0028】化合物(9)から化合物(10)を得る方
法は、イ−.ブランド,ビ−.エフ.エルランガ−,エ
ッチ.サックス,ジェ−.ポラスック,ジャ−ナルオブ
アメリカン ケミストリ− ソサイアティ (E.B
rand,B.F.Erlanger,H.Sack
s,J.Polathick,J.Am.Chem.S
oc.,)73,3510(1951)を参考にした。
【0029】化合物(9)から化合物(10)を合成す
る方法は、水酸化ナトリウムで加水分解した後、酸で中
和する。この反応において溶媒として、メタノ−ル、エ
タノ−ル等のアルコ−ルか水が用いられる。この反応は
0〜80℃で行われ、一般には1〜48時間で終了す
る。水酸化ナトリウムは1〜3当量用いられる。また水
酸化ナトリウムの代わりに水酸化カリウム等を用いても
よい。アルカリを中和する酸としては、クエン酸、酢酸
が用いられる。
【0030】化合物(10)から化合物(11)を得る
方法において用いられるピペロニルアミンは、公知化合
物であり、アルドリッチ社を初めとする市販品が利用で
きる。また、その反応に用いられる溶媒は、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキサイド等の非プロトン性
極性溶媒である。縮合剤として、1,3−ジシクロヘキ
シルカルボジイミド(DCC),ジフェニルリン酸アジ
ド(DPPA)等が用いられる。この反応は10〜10
0℃で行われ、好ましくは20〜30℃で行われるのが
よい。一般には1〜10時間で終了する。
【0031】化合物(11)から三環に置換基を有する
テトラヒドロピリジン誘導体の酸付加塩(1−1)を得
る方法において用いられる溶媒は、酢酸エチルまたはメ
チルアルコ−ル,エチルアルコ−ル等のアルコ−ル系溶
媒の有機溶媒である。また、HX3 としては硫酸、塩
酸、p−トルエンスルホン酸等が用いられる。この反応
は10〜100℃で行われ、好ましくは40〜60℃で
行われるのがよい。一般には1〜10時間で終了する。
三環に置換基を有するテトラヒドロピリジン誘導体(1
ー1)は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエ
チルアミン等の塩基で中和することでHX3 を除いた化
合物を得ることができる。
【0032】N−ピペロニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミドまたはその酸付加塩を向精神薬として
用いる場合、単独または薬剤として許容されうる担体と
複合して投与される。その組成は、投与経路や投与計画
によって決定される。投与量は患者の年令、健康状態、
体重、症状の程度、同時処理があるならばその種類、処
置頻度、所望の効果の性質等により決定される。治療量
は一般に、非経口投与で0.01〜20mg/kg・日、経
口投与で0.02〜40mg/kg・日である。
【0033】N−ピペロニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン−
3−カルボアミドまたはその酸付加塩を経口投与する場
合は、錠剤、カプセル剤、粉剤、顆粒剤、液剤、エリキ
シル剤等の形態で、また、非経口投与の場合、液体の殺
菌した状態の形態で用いられる。上述のような形態で用
いられる場合、固体または液体の毒性のない製剤的担体
が成分に含まれうる。
【0034】固体担体の例としては、通常ゼラチンタイ
プのカプセルが用いられる。また、有効成分を補助薬と
ともに、あるいはそれなしに錠剤化、顆粒化、粉末包装
される。これらの際に併用される賦形剤としては、水:
ゼラチン:乳糖,グルコース等の糖類:コーン,小麦,
米,とうもろこし澱粉等の澱粉類:ステアリン酸等の脂
肪酸:ステアリン酸カルシウム,ステアリン酸マグネシ
ウム等の脂肪酸塩:タルク:植物油:ステアリルアルコ
ール,ベンジルアルコール等のアルコール:ガム:ポリ
アルキレングリコール等が挙げられる。
【0035】これらのカプセル,錠剤,顆粒,粉末は、
一般的に1〜80重量%、好ましくは1〜60重量%の
有効成分を含む。液状担体としては、一般に、水,生理
食塩水,デキストロースまたは類似の糖類溶液,エチレ
ングリコール,プロピレングリコール,ポリエチレング
リコール等のグリコール類が液状担体として好ましい。
非経口的に筋肉内注射,静脈内注射,皮下注射で投与す
る場合、化1式で示される化合物は溶液を等張にするた
めに、食塩またはグルコース等の他の溶質を添加した無
菌溶液として使用される。
【0036】注射用の適当な溶剤としては、滅菌水,塩
酸リンドカイン溶液(筋肉内注射用),生理食塩水,ブ
ドウ糖,静脈内注射用液体,電解質溶液(静脈内注射
用)等が挙げられる。これらの注射液の場合には、通常
0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量
%の有効成分を含むようにすることがよい。経口投与の
液剤の場合、0.01〜20重量%の有効成分を含む懸
濁液またはシロップがよい。この場合の担体としては、
香料,シロップ,製剤学的ミセル体等の水様賦形剤を用
いる。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
【0038】実施例1 まず、2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イ
ル)−プロピオン酸エチルエステル・塩酸塩の合成を示
す。エッチ.ア−ル.シナイダ−,クルチュ−スダブリ
ュウ スミス,ジャ−ナル オブ アメリカン ケミス
トリ− ソサイアティ(H.R.Snyder and
Curtis W.Smith J.Am.Che
m.Soc.,)66,350(1944)を参考にし
て、下記の反応を行った。
【0039】なお、原料の3−クロロメチルベンゾ
[b]チオフェンは、ゲルハルト ウォルフ,フェリッ
クス チモ−ルコブスキ−,ア−チブ.ベア.ファ−マ
ジィ(Gerhard Wolf and Felix
Zymalkowski,Arch.Pharm.)
279,309(1976)に記載された方法で合成し
た。
【0040】金属ナトリウム5.30gを小さく切っ
て、乾燥ジオキサン700mlに加え、室温でアセトア
ミノマロン酸ジエチルエステル50gをさらに加える。
1日リフラックス撹拌し、3−クロルメチルベンゾ
[b]チオフェン32.3gを加え、1.5日リフラッ
クス撹拌した。反応液はろ過し、濾液を減圧濃縮した。
濃縮物はシリカゲルカラムで分離精製し、30.5gを
得た。この生成物のNMR、IRデ−タ−は、以下に示
すとおりであり、この生成物は、エチル−α−アセトア
ミノ−α−カルベトロキシ−β−(3−ベンゾ[b]チ
オフェン)−プロピオネ−トであることを確認した(収
率 47%)。
【0041】IR(νmax ,cm-1) : 327
5,1740,1640,1510. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.30(t,J=6
Hz,6H),1.95(s,3H),3.67(s,
2H),4.17(q,J=6Hz,4H),6.50
〜8.00(m,5H).エチル−α−アセトアミノ−
α−カルベトロキシ−β−(3−ベンゾ[b]チオフェ
ン)−プロピオネ−ト30.5gをメタノ−ル250m
lに加え、水酸化ナトリウム13.45gを水500m
lに溶解した液をメタノ−ル溶液に加えた。2時間リフ
ラックス撹拌した。メタノ−ルを減圧留去した。水層を
クロロホルム300mlで2回抽出した。クロロホルム
層は硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧留去し、16.7
5gを得た。この生成物のNMR、IRデ−タ−は、以
下に示すとおりであり、この生成物は、α−アセトアミ
ノ−α−カルボキシ−β−(3−ベンゾ[b]チオフェ
ン)−プロピオン酸であることを確認した(収率 65
%)。
【0042】IR(νmax ,cm-1) : 173
0,1635,1540. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.87(s,3
H),3.45(s,2H),7.17〜8.00
(m,5H),9.33(s,2H).
【0043】α−アセトアミノ−α−カルボキシ−β−
(3−ベンゾ[b]チオフェン)−プロピオン酸30g
を水200mlに加え、3時間リフラックス撹拌した。
反応温度を室温の戻し、水酸化ナトリウム15.6gを
少しずつ加えた。2.5日間リフラックス撹拌した。反
応終了後、室温に戻し、クロロホルム100mlで洗浄
した。水層を濃塩酸でpH4.0にした。1晩冷蔵庫で
放置後、濾過し、16.0gを得た。この生成物のNM
R、IRデ−タ−は、以下に示すとおりであり、この生
成物は、2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェン−3−
イル)−プロピオン酸であることを確認した(収率 7
4%)。
【0044】IR(νmax ,cm-1) : 159
0,1420,1020. NMR(δ,D2 O,(CH3 3 Si(CH2 3
3 Na) : 3.00〜4.00(m,3H),
7.20〜8.00(m,5H).
【0045】泉屋信夫、加藤哲夫、大野素徳、青柳東
彦、合成化学シリ−ズ ペプチド合成(丸善)66、実
験例3・2を参考にして、下記の反応を行った。乾燥エ
タノ−ル920mlを0℃に冷却し、塩化チオニル2
0.8mlを徐々に加える。30分間、0℃で撹拌し、
2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−
プロピオン酸16.0gを0℃で加え、30分間撹拌し
た。室温で2日間撹拌し、エタノ−ルを減圧留去した。
残渣に塩化メチレン300ml、5%炭酸水素ナトリウ
ム水150mlを加え抽出した。塩化メチレン層は硫酸
マグネシウムで乾燥後、減圧留去し、16.9gを得
た。この生成物のNMR、IRデ−タ−は、以下に示す
とおりであり、この生成物は2−アミノ−(ベンゾ
[b]チオフェン−3−イル)−プロピオン酸エチルエ
ステルであることを確認した(収率 94%)。
【0046】IR(νmax ,cm-1) : 306
0,2950,1760,1590. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.44(t,J=5
Z ,3H),3.0〜3.36(m,3H),4.
45(q,J=5 HZ ,2H),7.18〜8.01
(m,5H).
【0047】2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェン−
3−イル)−プロピオン酸エチルエステル16.9gを
酢酸エチル50mlに溶解し、5N−塩酸/酢酸エチル
13.6mlをこの溶液に加え、室温で12時間放置し
た。析出した結晶を濾取し、18.8gを得た。この生
成物のNMR、IRデ−タ−は、以下に示すとおりであ
り、この生成物は2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェ
ン−3−イル)−プロピオン酸エチルエステル・塩酸塩
であることを確認した(収率 97%)。
【0048】IR(νmax ,cm-1) : 307
0,2950,2810,1760,1595.NMR
(δ,D2 O,(CD3 2 S=O) : 1.45
(t,J=5Hz,3H),3.01〜3.40(m,
3H),4.47(q,J=5 Hz,2H)7.11
〜8.00(m,5H).N−ピペロニル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−
c]ピリジン−3−カルボアミド・塩酸塩は次の方法で
得られた。
【0049】2−アミノ−(ベンゾ[b]チオフェン−
3−イル)−プロピオン酸エチルエステル・塩酸塩2
3.24gとホルマリン10.2mlをエタノ−ル20
0mlと水200mlの混合溶液に溶解し、撹拌しなが
ら3時間還流した。反応液を約半分に濃縮し、炭酸水素
ナトリウムでpHを9〜10に調整した後、クロロホル
ム300mlで3回抽出した。クロロホルム層は飽和食
塩水100mlで2回洗浄した後、硫酸マグネシウムで
乾燥し、クロロホルムを減圧留去した。残渣をクロロホ
ルム/エ−テル(1:1)100mlより再結晶し、1
4.84gを得た。この生成物のNMR、IRデ−タ−
は、以下に示すとおりであり、この生成物は、1,2,
3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−
c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエステルであるこ
とを確認した(収率 69%)。
【0050】IR(νmax ,cm-1) : 297
0,2900,1720,1430,1195,76
0,740. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.35(t,J=6
Hz,3H),2.25(s,2H),3.10(d
d,2H) 3.70〜4.00(m,1H),4.3
0(q,2H),7.30〜8.00(m,4H).
【0051】1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ
[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−カルボン酸エチ
ルエステル6gと2−(タ−シャリ−ブトキシカルボニ
ルチオ)−4,6−ジメチルピリミジン6.63gを乾
燥クロロホルム20mlに溶解し、30分間環流した。
クロロホルムを減圧留去した後、残渣を酢酸エチル30
0mlに溶解し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液50m
lで3回、5%クエン酸水溶液で2回、飽和食塩水で2
回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エチル
を減圧留去し、残渣をクロロホルム−石油エ−テルで再
結晶し、6.18gを得た。この生成物のNMR、IR
デ−タ−は、以下に示すとおりであり、この生成物は、
2−tert−ブトキシカルボニル−1,2,3,4−
テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−c]ピリ
ジン−カルボン酸エチルエステルであることを確認した
(収率 76%)。
【0052】IR(νmax ,cm-1) : 297
0,1720,1695,1400,760,740. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.10(t,J=6
Hz,3H),1.50(s,9H),3.40(m,
2H),4.05(q,J=6Hz,2H),4.70
(d,J=9Hz,2H),5.10〜5.50(m,
1H),7.10〜7.70(m,4H).
【0053】2−tert−ブトキシカルボニル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,
3−c]ピリジン−カルボン酸エチルエステル6gをメ
タノ−ル30mlとクロロホルム20mlの混合溶液に
溶解し、5規定水酸化ナトリウム水溶液4mlをいれ、
5時間環流した。溶媒を減圧留去し、5%クエン酸30
0mlとクロロホルム300mlを入れ、クロロホルム
層を飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥した。
クロロホルム層を減圧留去し、残渣をクロロホルム−ヘ
キサンで再結晶し、4.15gを得た。この生成物のN
MR、IRデ−タ−は以下に示すとおりであり、この生
成物は、2−tert−ブトキシカルボニル−1,2,
3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−
c]ピリジン−カルボン酸であることを確認した(収率
75%)。
【0054】IR(νmax ,cm-1) : 297
0,2860,1700,1695,1400,76
0,740. NMR(δ,CDCl3 ) : 1.50(s,9
H),3.40(s,2H),4.60(d,J=9H
z,2H),5.10〜5.50(m,1H),7.1
0〜7.70(m,4H).
【0055】2−tert−ブトキシカルボニル−1,
2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,
3−c]ピリジン−カルボン酸2.0gを乾燥ジメチル
ホルムアミド12mlに溶解し、ピペロニルアミン1.
01gとトリエチルアミン0.92mlを0℃にてさら
に加え、30分間撹拌した。ジフェニルホスホリルアジ
ド1.98g/乾燥ジメチルホルムアミド10ml溶
液、トリエチルアミン0.92mlをさらに加え、1日
室温で撹拌した。反応液を酢酸エチル500mlに溶解
し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液25mlで3回、5
%クエン酸水溶液25mlで2回、飽和食塩水25ml
で2回洗浄した後、硫酸ナトリウムで乾燥した。酢酸エ
チルを減圧留去し、残渣を薄層カラムクロマトグラフィ
−(展開溶媒クロロホルム/メタノ−ル=9/1)で確
認したところ,1スポットの化合物を取得し、この生成
物を1N−塩酸/エタノ−ル15mlに溶解し、2日間
室温にて撹拌した。白色結晶が析出し、濾取しN−ピペ
ロニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ[b]
チエノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボアミド・塩
酸塩1.66gを得た(収率 69%)。この生成物の
NMR、IRデ−タ−は、以下に示すとおりであり、こ
の生成物は、N−ピペロニル−1,2,3,4−テトラ
ヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−c]ピリジン−
3−カルボアミド・塩酸塩であることを確認した。
【0056】IR(νmax ,cm-1) : 325
0,2900,1685,1435,760. NMR(δ,CD30D) : 2.33〜4.12
(m,5H),5.93(s,2H),6.77〜8.
07(m,9H). Mass(m/z) : 367,188.
【0057】本発明による化合物は、以下の特異的な抗
不安作用、学習改善作用を示す。ウィスタ−雄性ラット
(6週令)を用い、フォ−ゲル.ジェ−.ア−ル,ベ
ア.ビ−,クロ−ディ−.ディ−.イ−,サイコファル
マコロジア (VogelJ.R.,Beer B,.
and Clody D.E.,Psychop−ha
rmacologia.)1−7 21(1971)を
参考にした ウォ−タ−リック コンフリクト テスト
(Water lick conflicttest)
を用い、本化合物の抗不安作用、学習改善作用を調べ
た。本テストは絶水したラットを用い、ラットが水を飲
む毎に電気ショックがかかるようにして、ラットを葛藤
(不安)状態にして、それに対する薬物の作用を調べる
ものである。
【0058】(抗不安作用) テスト前24時間絶水させたラットに飲水させる。4−
5時間後に薬物を投与し、処置時間をおいて試験を開始
した。被ショック数とは、ラットが水を飲み始めてから
5分間に受けた電気ショックの数であり、飲水すると電
気ショックを被るという葛藤(不安)を抑えるか否かを
示すものである。すなわち、被ショック数が増加すると
いうことは、抗不安作用が増強されたことを意味する。
表1に薬物無投与ラットを100とした時の値を示した
(n=5)。また、従来技術との比較のために、特開昭
56−43283号公報の代表化合物であるβ−カルボ
リン−3−エチルエステル(β−CCEと略す)、特公
昭50−2519号公報の代表化合物である6−クロロ
−1,2,3,4−テトラヒドロベンゾチエノ〔2,3
−c〕ピリジン(C−1と略す)、特開昭61−236
779号公報の代表化合物であるベンゾチエノ〔2,3
−c〕ピリジン−3−カルボン酸エチルエステル(A−
1と略す)、特開昭63−096188号公報の代表化
合物である1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾチエ
ノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボン酸エチルエス
テル(A−2と略す)、特開昭63−096189号公
報の代表化合物であるヘキサヒドロ−1−(ベンゾチエ
ノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボニル)−1H−
1,4−ジアゼピン(A−3と略す)、特開平1−10
0172号公報の代表化合物であるN−(2−アミノエ
チル)−ベンゾチエノ〔2,3−c〕ピリジン−3−カ
ルボアミド(A−4と略す)、特開平2−149583
号公報の代表化合物であるN−エチル−1,2,3,4
−テトラヒドロ−ベンゾチエノ〔2,3−c〕ピリジン
−3−カルボアミド(A−5と略す)、特開平2−14
9583号公報の代表化合物であるN−シクロヘキシル
−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾ〔b〕チエノ
〔2,3−c〕ピリジン−3−カルボアミド・塩酸塩
(A−6と略す)等と本発明の化合物も付記した。この
結果より、本化合物は抗不安作用を有することが明らか
になった。
【0059】
【表1】
【0060】(学習改善作用) この試験にはマウスを使用する。ステップスルータイプ
の明暗ボックスの明室に、マウスを入れると数秒で暗室
に移動するが、その際、暗室でマウスは電気ショックを
被る(獲得試行)。翌日、再びマウスを明室に入れる
と、前日のショックを覚えていて、マウスは暗室になか
なか入らない(再生試行)。この翌日の明室から暗室に
入るまでの時間(潜時)を、学習記憶の指標として試験
を実施する。この潜時が長いほど、学習記憶能力が高ま
っていると考える。薬物は1日目の獲得試行前に投与す
る。表2に薬物無投与マウスの平均値を100とした時
の値を示した(n=8)。この結果より、本化合物は、
有意に潜時時間を延長し、学習改善作用を有することが
示された。このことは、本化合物が抗不安薬、抗痴呆薬
となり得ることを示唆した。
【0061】
【表2】
【0062】[本発明の有用性] I.有用性−1 (抗不安作用)の項目で記載したように、抗不安作用の
用量で比較すると、表1から明らかなように、特開昭5
6−43283号公報の代表化合物であるβ−カルボリ
ン−3−エチルエステル(β−CCEと略す)、特公昭
50−2519号公報の代表化合物である6−クロロ−
1、2、3,4−テトラヒドロベンゾチエノ〔2,3−
c〕ピリジン(C−1と略す)、特開昭61−2367
79号公報の代表化合物であるベンゾチエノ〔2,3−
c〕ピリジン―3−カルボン酸エチルエステル(A−1
と略す)、他に特開昭63−096188号公報の代表
化合物である1,2,3,4−テトラヒドロ−ベンゾチ
エノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボン酸エチルエ
ステル(A−2と略す)、特開昭63−096189号
公報の代表化合物であるヘキサヒドロ−1−(ベンゾチ
エノ[2,3−c]ピリジン−3−カルボニル)−1H
−1,4−ジアゼピン(A−3と略す)、特開平1−1
00172号公報の代表化合物であるN−(2−アミノ
エチル)−ベンゾチエノ[2,3−c]ピリジン−3−
カルボアミド(A−4と略す)、特開平2−14958
3号公報の代表化合物であるN−エチル−1,2,3,
4−テトラヒドロ−ベンゾチエノ[2,3−c]ピリジ
ン−3−カルボアミド(A−5と略す)までの化合物群
とは、本発明化合物はt検定より、有意に差があること
は明白である。特開平2−149583号公報の代表化
合物であるN−シクロヘキシル−1,2,3,4−テト
ラヒドロ−ベンゾ[b]チエノ[2,3−C]ピリジン
−3−カルボアミド塩酸塩(A−6と略す)とは、用量
(mg/kg)の比較において、A−6は30mg/k
gで効果を示しているのに対して、本発明化合物は2/
3倍の20mg/kgで効果を示している。したがっ
て、本発明化合物は公開されている化合物に対して有意
に有用性がある。
【0063】I.有用性−2 (明暗探索試験) (実験方法) 動物は、ddY系雄性マウス(6週令)を用いてクロウ
レイ ジェイ グッドウイン エフ ケイ ファ−マコ
ロジィ− バイオケミストリ− ビヘイビア(Craw
ley J.and Goodwin F.K.Pha
rmacol.Biochem.Behav.)(19
80)13,167−170を参考にして、試験を実施
した。
【0064】生理食塩水投与群は10匹、その他の投与
群は一群各20匹のマウスを使用した。マウスに生理食
塩水または各薬物を経口投与し、その一時間後アクリル
製明暗探索試験装置(明室:20×20×10cm,
暗室:10×20×10cm)の暗室にいれた。その後
10分間観察し、マウスの明室における滞在時間を測定
し結果を表3に示した。
【0065】
【表3】
【0066】
【結果および考察】特開平2−149583号公報のN
−シクロヘキシル−1,2,3,4−テトラヒドロ−ベ
ンゾ[b]チエノ[2,3−C]ピリジン−3−カルボ
アミド・塩酸塩(A−6と略す)投与によって、用量依
存的に明室での滞在時間を延長した。その作用は30m
g/kgで有意なものであった。一方、本発明化合物で
あるN−ピペロニル−1,2,3,4−テトラヒドロ−
ベンゾ[b]チエノ[2,3−C]ピリジン−3−カル
ボアミド・塩酸塩(A−7と略す)の投与によっても、
表3に示すように用量依存的な明室滞在時間延長作用が
認められた。その作用はA−6に比較してより低用量で
認められ、3mg/kgから有意な効果が認められた。
また、A−7 3mg/kgによる延長作用は、A−6
3mg/kgによって認められる延長作用に比較し
て、有意に強力なものであった。
【0067】今回用いた探索試験は、明室と暗室の2つ
のコンパートメントから成る装置である。マウスにとっ
ては明らかに、暗室内が好ましい環境であり、透明アク
リルで作製され蛍光灯照明下にある明室は、暗室と比較
して不慣れな環境と考えられる。したがって、明室に滞
在することはマウスにとって明らかにストレスであり、
ある種の不安を伴うものと考えられる。実際、抗不安作
用を発揮する薬物によって、この明室における滞在時間
は延長されることが エム カーリー,シィープロンテ
ラ,アール サマニン ブリティシュ ジャーナル オ
ブ ファーマコロジィー(M.Carli,C.Pro
ntera and R.SamaninBr,J.P
harmacol.)(1986)96,829−83
6 ビィー.コストール,エイ.エム.ドメニィー,ピ
ィ.エイ.ジェラード,エム.イー.ケリー,アール.
ジィ.ネイラー.ジャーナル オブ ファーマシィ ア
ンドファマコロジー(B.Costall,A.M.D
omeney,P.A.Gerard,M.E.Kel
ly,R.J.Naylor J.Pharm.Pha
rmacol.)40,302−305(1988)に
よって報告されている。したがって、A−6,A−7は
共に抗不安作用を発揮した結果、この明室滞在時間を延
長したものと考えられる。特にA−7の効果は、すでに
抗不安作用が報告されているA−6の効果に比較し、有
意に強いものであり、A−7の抗不安作用がA−6の作
用に比べ有意に強いことを示唆するものである。
【0068】また、前臨床レベルで抗不安作用を評価す
る方法としては、コンフリクト試験法が良く用いられ
る。この方法は、スキナー箱を用い、ラットに餌や水報
酬と罰(電流ショック)を組み合わせた実験的葛藤(コ
ンフリクト)状況を設定して行うものである。この系
は、ベンゾジアゼピン系薬物の評価に適しており、広く
用いられている。しかしながら、最近セロトニンの各種
受容体に作用する抗不安薬が、この系において必ずしも
強い抗コンフリクト作用を示さないことが知られてい
る。実際、この系においては不安というよりも電流ショ
ックという罰を直接身体に被ることに対する恐怖が反映
される一種のストレス環境であると考えられる。従って
最近では、このような直接身体に刺激を与えない、より
自然に近い状況での不安評価方法が検討されている。本
試験に用いた明暗探索法は、ラットやマウスが本来暗い
所に比較して新規な明るい環境を嫌う自然の性質を利用
したもので、身体には刺激を与えないことが特徴であ
る。この系を用いると、ベンゾジアゼピン系のみなら
ず、セロトニン受容体に作用する抗不安薬も同様に評価
できることが知られている。明るいコンパートメントで
の滞在時間の延長は、この明るい環境に対する不安が解
消された結果と考えられる。A−7は、コンフリクト系
ではA−6と同等の抗コンフリクト作用を示している
が、この明暗探索系では明らかに強い作用を示してい
る。したがって、本発明の化合物であるA−7は、この
ように非ストレス環境下における抗不安作用が、特開平
2−149583号公報の代表化合物A−6に比較し有
意に強いことが示唆された。また、本発明の化合物であ
るA−7が抗不安作用において公知文献よりも優れてい
ることは、(抗不安作用)の表1のところで述べてい
る。本発明化合物をラットに、20mg/kg経口投与
したところ、死亡例は全く見られず、一般症状において
も、全く変化は見られず、非常に安全性の高い化合物で
あることが確認された。
【0069】
【発明の効果】本発明の化合物は、遊離状またはその塩
の形で人や動物に投与した場合、強力な抗不安および学
習改善作用を示し、しかも、低い毒性を有するので、抗
不安薬および学習改善作用薬として好適である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ピペロニル−1,2,3,4−テト
    ラヒドロ−ベンゾ〔b〕チエノ〔2,3−c〕ピリジン
    −3−カルボアミドまたはその酸付加塩。
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