JPH0819166B2 - 光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子の製造方法

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JPH0819166B2
JPH0819166B2 JP2675987A JP2675987A JPH0819166B2 JP H0819166 B2 JPH0819166 B2 JP H0819166B2 JP 2675987 A JP2675987 A JP 2675987A JP 2675987 A JP2675987 A JP 2675987A JP H0819166 B2 JPH0819166 B2 JP H0819166B2
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雅彦 森谷
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、ビニル系単量体から主としてなる原料液を
用い、型枠内に注入し迅速に重合硬化して、精度にすぐ
れ内部歪みのない光学素子の製造方法に関するものであ
る。
〈従来の技術〉 レンズ、光ディスクなどの光学素子は、透明性、形状
・寸法等の精度、光学的な歪み等について、特に要求さ
れる性能は厳しく、これらの要求を満足すべく、各種の
方法が提案されている。
無機ガラスを材料とする光学素子については、公知の
ように高温融解させ、型枠に鋳込む方法が、主として用
いられ、更には必要により研磨している。
一方、プラスチックを材料とする光学素子について
は、プラスチックエージ1980年6月号プラスチックエー
ジ社刊86〜92行内田舜二著「プラスチックによる光学素
子の製造」にも記載のごとく、重合体である板またはブ
ロックから切削、研磨する方法や重合体であるペレッ
ト、ビーズ、粉末などを射出成形、圧縮成形、板状の重
合体を鋳型にプレス成形等の軟化、溶融成形による方法
がある。
更に、レンズでは、単量体を型枠内で長時間を要して
重合する注型方法が用いられている。
その他、フレネルレンズや光ディスク基盤について
は、特定の単量体組織物について型枠内で加熱加圧下で
注型重合する方法が特開昭60-226511号公報、特開昭60-
258219号公報、特開昭61-207408号公報等で提案されて
いる。
これらの注型重合方法では、単量体と重合開始剤等の
各成分を一括混合し、混合物を型枠内に流し込んで重合
させている。
さらにはエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト、メタクリル酸メチル等の他、特開昭59-136309号公
報、特開昭59-136310号公報、特開昭59-136311号公報、
特開昭60-28412号公報、特開昭60-23408号公報等では、
芳香環を含有した単量体、ハロゲン原子を含有した単量
体等を用い、一般的な過酸化物、アゾ化合物等によって
数時間から20時間程度かけて重合する方法が提案されて
いる。
この注型重合方法の一つとして、反射射出成形に関す
ることは、プラスチックエージ25巻3号(1979)プラス
チックエージ社刊62〜69頁「内外の各種RIMシステムの
技術と装置」等の文献に記載された装置を用いる方法と
して知られている。
〈発明が解決しようとする問題点〉 従来から光学素子は、形状精度が良く内部歪みがない
ことは、重要な要件である。
プラスチックの板あるいはブロックから切削、研磨し
て得られる光学素子では、加工に時間を要し、また加工
時の歪みが残りやすく、生産性や光学的な性能が劣ると
いう問題がある。
更に、射出成形や、圧縮成形などの重合体を溶融成形
する方法においては、高温、高圧を必要とし、またこれ
らの重合体は、一般に高温下で熱分解が起るため、着
色、変質しやすく非常に狭い温度範囲の条件下で成形を
行なう必要がある。
また高温下でも溶融重合体の粘度は非常に高く、形状
精度に関する精密な型面の転写が容易でない。
従来の注型重合方法では、前述のように長時間かかり
生産性が劣るという問題がある。
注型重合の方法では、生産性を高めるため、重合速度
のきわめて速い重合開始剤等を用いると混合時、あるい
は保管中に反応が進行し、反応が不均一になりやすく、
また用いる液の可使時間が短くなる等の問題がある。
本発明は、ビニル系単量体から形状精度が高く歪みが
なく、光学的特性等に優れた光学素子を、効率良く製造
する方法を提供することにある。
〈問題を解決するための手段〉 本発明は、重合体を含むまたは含まないビニル系単量
体から主としてなる複数の原料液の内、一つの原料液に
重合開始剤を含有させ、該複数の原料液を一つに混合し
た後、ただちに型枠内に注入し、加熱加圧下重合硬化さ
せることを特徴とする光学素子の製造方法である。
本発明で用いる重合体を含むまたは含まないビニル系
単量体から主としてなる原料液とは、ビニル系単量体ま
たはビニリデン単量体を主とする単量体組成物、あるい
はこれらの単量体に可溶な重合体を溶存含有する単量体
組成物をいう。
かかる単量体組成物を複数すなわち少なくとも二つの
原料液に分割し、その一つの原料液に重合開始剤を含有
させ、さらに必要に応じ、分割した他の原料液に重合促
進剤等の各種補助剤、添加剤類を含有させる。
ビニル単量系またはビニリデン単量体とは、(メタ)
アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピ
ル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリ
ル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、
(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アク
リル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル
酸フルフリルなどの炭素数1〜25の脂肪族アルコール、
脂環式アルコール、複素環式アルコール、芳香族アルコ
ールまたはフェノール、ハロゲン含有芳香族アルコール
またはフェノールとのアクリル酸エステル類及びメタク
リル酸エステル類:あるいはスチレン、α−メチルスチ
レン、p−メチルスチレン、p−クロルスチレン、p−
ブロムスチレンなどの芳香族ビニル化合物:アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、クロトニトリルなどのビ
ニルニトリル類:酢酸ビニルなどのビニルエステル類:
(メタ)アクリル酸銅、(メタ)アクリル酸ネオジウ
ム、(メタ)アクリル酸鉛などのアクリル酸金属塩及び
メタクリル酸金属塩:アクリル酸、メタクリル酸、マレ
イン酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸類:N−
フェニルマレイミド、N−トリルマレイミド、N−シク
ロヘキシルマレイミド、N−O−ブロムフェニルマレイ
ミド、N−エチルマレイミド等のマレイミド類等を挙げ
ることができる。
かかるビニル単量体またはビニリデン単量体の選択
は、目的とする重合体の具備すべき性能によって定め
る。
例えば、耐熱性を要求されるレンズ、フレネルレン
ズ、光ディスク基盤、その自動車用ランプカバー等の光
学素子製品においては、その重合体のガラス転移温度が
高い単量体を、主として選べば良い。
かかる単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸イ
ソボルニル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)ア
クリル酸フェニル、メタアクリル酸フェンチル、(メ
タ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル
酸1−アダマンタン、(メタ)アクリル酸3,5ジメチル
アダマンタン、α−メチルスチレン、N−フェニルマレ
イミド、N−トリルマレイミド、N−(O−クロロフェ
ニル)マレイミド、無水マレイン酸、無水メタクリル酸
等が挙げられる。
また、例えば低吸湿性を要求されるレンズ、フレネル
レンズ、光ディスク基盤、ミラーなどの光学素子製品に
おいては、炭素数が6〜25の脂肪族アルコール、脂環式
アルコール、芳香族アルコールまたはフェノールとのア
クリル酸エステルまたはメタクリル酸エステルや芳香族
ビニル化合物から選ばれた単量体を主として選べば良
い。
また、更に高屈折率を要求されるレンズ、フレネルレ
ンズ、自動車用ランプカバーなどの光学素子製品におい
ては、芳香族アルコールまたはフェノール、ハロゲン含
有芳香族アルコールまたはフェノールとのアクリル酸エ
ステルまたはメタクリル酸エステル;あるいは芳香族ビ
ニル単量体から主として、選べば良い。
特に、重合硬化性および透明性等の点で、分子内にア
クリロキシ基、メタクリロキシ基を含有する単量体、芳
香族ビニル化合物から選ばれた少なくとも一種を主とし
て用いることが好ましい。
かかるビニルまたはビニリデン単量体は、また、単独
あるいは併用してもちいることができ、更に他の共重合
可能な単量体を併用することもできる。
かかる他の共重合可能な単量体としては、前記の単量
体類の他、アクリルアミド、メタクリルアミド等の不飽
和アミド類:グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレートなどを挙げること
ができる。
かかる他の共重合可能な単量体は、重合体の性能に支
障のない範囲で使用できるが、通常、全単量体組成物中
50重量%以下の範囲で使用する。
また、本発明において更に、成形品の強度や耐薬品性
などを向上させるため、分子内に少なくとも二つ以上の
重合可能な不飽和炭素結合を有する多官能のビニル系単
量体を用いることができる。
かかる多官能のビニル系単量体としては、エチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートなどのエチレングリコールまたは
そのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメタ
アクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ートなどの他の2価アルコールの水酸基をアクリル酸ま
たはメタクリル酸でエステル化したもの;ビスフェノー
ル−Aまたはビスフェノール−Aのアルキレンオキサイ
ド付加物またはこれらのハロゲン置換体の両末端水酸基
をアクリル酸またはメタアクリル酸でエステル化したも
の;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコールをアクリル酸またはメタアクリル酸で
エステル化したもの;およびこれらの2価アルコールま
たは多価アルコールの末端水酸基にグリシジルアクリレ
ートまたはグリシジルメタアクリレートのエポキシ基を
開環付加させたもの;コハク酸、アジピン酸、テレフタ
ール酸、フタール酸または、これらのハロゲン置換体等
の二塩基酸または、これらのアルキレンオキサイド付加
物にグリシジルアクリレートまたはグリシジルメタアク
リレートのエポキシ基を開環付加させたもの;アリール
メタクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
多官能のビニル系単量体は、全単量体組成物のうち、
30重量%以下の範囲で用いることができる。
30重量%を越えると重合が不均一となりやすく、内部
歪みが大きくなり、また機械的強度の維持が困難となる
ため、好ましくない。
本発明において用いられる単量体は、単量体のままで
も使用できるが、重合硬化性、取り扱い性の点で、一部
重合体を溶存含有する液として用いることも有用であ
る。
一部重合体を含有する液としては、重合体を単量体に
溶解する方法、あるいは単量体を予備重合する方法等の
公知の方法によりつくることができる。
重合体の含有量は、粘度によって限界があるが単量体
組成物中40重量%までである。
液の粘度としては、取り扱い上、また型枠への流れ
性、更には型枠の微細な形状の転写性の点から、10〜50
000センチポイズであることが好ましい。
10センチポイズ未満においては、型枠の流れ性は良好
であるが、原料液の重合硬化による収縮及び熱の発生が
大きく、製品内部においてボイドが発生しやすく、また
熱分解による副生物、分解物が多くなり、また50000セ
ンチポイズを越す場合においては、混合時において巻き
込まれた気泡が抜けにくく、また型枠の微細な転写が不
充分となりやすい。
本発明において用いられる重合開始剤としては、ベン
ゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ジ
サクシニックアシッドパーオキサイドなどのジアシルパ
ーオキサイド:ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブ
チルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドな
どのジアルキルパーオキサイド:t−ブチルパーオキシア
セテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチ
ルパーオキシベンゾエート、t−ブチルマレイン酸ヘミ
パーエステル等のパーオキシエステル:t−ブチルハイド
ロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイドなど
のハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオ
キサイドなどのケトンパーオキサイドなどの有機過酸化
物および、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、2,2−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系
化合物が挙げられる。
本発明において重合開始剤として、10時間半減温度が
50℃以上の温度である重合開始剤を主として用いること
が好ましい。
10時間半減温度が50℃未満の重合開始剤を主として用
いた場合は、保管中に重合が進みやすく好ましくない。
かかる重合開始剤は、全単量体組成物に対し、0.01〜
10重量%の範囲で使用する。
単量体と重合開始剤の組み合せによっても、温度条件
を適度に設定することにより充分な反応速度を得ること
ができる。
反応速度を高め、または重合温度を低く抑える場合に
は、前記の重合開始剤の他、重合促進剤、更に重合促進
剤の補助的成分も使用する。
かかる重合促進剤としては、還元性物質が、また重合
促進剤の補助的成分としては、金属含有有機化合物、ア
ミンまたはアミンのハロゲン化合物などがある。
かかる重合促進剤である還元性物質としては、ラウリ
ルメルカプタン、オクチルメルカプタン、2−エチルヘ
キシルメルカプタン、グリコールジメルカプトアセテー
ト、グリコールジメルカプトプロピオネートなどのメル
カプタン類:ジブチルチオ尿素、テトラメチルチオ尿素
などのチオ尿素類:トリメチルホスファイト、トリ−n
−ブチルホスファイトなどの亜リン酸エステル類などか
挙げられる。
また、金属含有有機化合物としては、鉄、銅、コバル
ト、ニッケル、スズ、アルミニウム、パラジウム、アン
チモンから選ばれた金属のナフテン酸のごとき有機酸塩
またはアセチルアセトン、フェニルアセチルセチトンと
の有機錯体、これらの金属のアリル化合物が挙げられ
る。
また、アミンまたはアミンのハロゲン化合物として
は、一級アミン、二級アミン、三級アミンあるいはそれ
らのハロゲン化水素塩、四級アンモニウム・ハロゲン化
物が挙げられる。
かかる重合促進剤及び重合促進剤の補助的成分は、各
々全単量体組成物に対し、0.00001〜1重量%の範囲で
使用する。
反応速度を高め、重合を早く完結する上で、重合開始
剤、重合促進剤及びその補助的成分の組み合せとして
は、具体的には、重合開始剤としてパーオキシエステル
類、重合促進剤として、メルカプタン類、チオ尿素類及
び重合促進剤の補助的成分として、アミン・ハロゲン化
水素塩あるいは、ハロゲン化四級アンモニウム及び銅含
有化合物の組み合せがあり、あるいは重合開始剤として
パーオキシエステルの内、ヘミパーエステル類、重合促
進剤としてメルカプタン類、重合促進剤の補助的成分と
して、アミンあるいはアミンのハロゲン化物、及びス
ズ、アルミニウム、アンチモンを含有する有機化合物の
組み合せが、特に好ましい。
これら重合促進剤等を用いる場合、単量体組成物を複
数分割し、その一部にあらかじめ重合開始剤を含有させ
てなる原料液としておき、残部に重合促進剤を含有させ
てなる原料液とを、混合する方法をとることができる。
重合促進剤の補助的成分は、重合開始剤を含有する原
料液または、重合促進剤を含有する液のいずれにも添
加、溶解して用いることができる。
また本発明において用いられるビニル系単量体から主
としてなる原料液には、前記の重合開始剤、重合促進剤
等の他、必要に応じて、紫外線吸収剤、熱安定剤、滑
剤、離型剤、着色剤を添加することもできる。
本発明においては、上記の分割した原料液を均一混合
した後、ただちに型枠内に注入する。
この混合は50℃以下の温度、10分間以下の時間で行な
うのが好ましい。
混合時の温度が50℃より高いと混合中に部分的に重合
が進むので好ましくない。
また混合時間が長いと混合中に重合が進み好ましくな
い。
充分混合されるのであれば混合時間は短い程好まし
い。
混合方法は、小さな成形体を成形するにはバッチ方式
で原料液を混合した後注型する方法でも行えるが、原料
液を連続的に混合しながら型枠の中へ注入するには、混
合は衝突混合器、ダイナミックミキサー、スタティック
ミキサーなどを用いた衆知慣用の液体の連続混合方法で
行なうのが適している。
混合装置及びこれに続く型枠への原料液の供給は、ギ
ヤポンプ、ダイヤフラムポンプ等定量性が有り、加圧で
きる公知の液体の送出装置を用いる。
いずれにしても混合した後注入までの時間は短い程望
ましい。
このため混合器と型枠は別々であっても、その間隔は
短い程よい。
混合器が型枠に取付けられているものがより望まし
い。
型枠の容器は少量から極めて多量まで広い範囲が可能
となる。
型枠は金型、樹脂型、ゴム型、木型等が使用されるが
精度、耐久性より金型が特に好ましい。
型枠の加熱は、型枠内にヒーターを埋め込み加熱する
ヒーター加熱、空冷により冷却する方法、型枠にジャケ
ットあるいは熱媒の通る通路を付け温水または熱媒油を
通す方法等、公知の方法によって行なわれる。
型枠内の加圧は、型枠内の原料液が注入され充填され
る空間の容積を外力により縮小しうる型枠構造により圧
縮する方法、例えば特開昭60-97815号公報、特開昭60-2
12318号公報等に記載の方法、あるいは、型枠内の原料
液に外部より圧縮空気などの圧縮された流体を導入する
方法、例えば特開昭56-146743号公報等に記載の方法等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。
型枠の温度条件は50〜150℃とする。
更には、70〜120℃の範囲が好ましい。
50℃未満の温度においては、重合硬化に長時間を要
し、また150℃を越える温度においては重合発熱の制御
が困難となり、分解を抑制しにくく、また歪みが残りや
すいため好ましくない。
加圧条件としては、重合硬化中、型枠内の反応性原料
を最高1〜100kg/cm2の圧力で加圧することが好まし
く、更には最高10〜50kg/cm2の圧力にすることがより好
ましい。
また、加圧は重合の進行と共に増大させ、重合完了後
は任意に下げて良い。
1kg/cm2未満の圧力においては、重合硬化における原
料液の収縮に対し、型枠の追従が充分できず製品にボイ
ドやへこみを生じたり、型枠の正確な転写ができにく
く、また急激な重合発熱により単量体の気化による気泡
が起きやすい。
100kg/cm2を越える圧力においては、成形品に圧縮応
力による歪みが残りやすいため好ましくない。
本発明において、型枠内で加熱加圧することにより重
合硬化が均一に行なわれ、成形品の表面、内部共に泡、
へこみ等の欠陥がなく、また重合収縮を補償し、型枠の
表面状態、形状が正確に反転され、精度が高く、且つ内
部歪みの少ない成形品を形成することができる。
更に、本発明における重合時間は、重合開始剤、更に
他の重合促進剤等の種類、濃度及び型枠の温度などの条
件を選ぶことによって決まり、10分以下の短時間で行う
こともできる。
尚、硬化した後、熱処理することもできる。
特に、本発明においては、光学的歪みを軽減するため
に、重合体のガラス転移温度以上で熱処理することが、
より好ましい。
本発明の方法は、前記ビニル系単量体から主としてな
る、重合体のあらゆる成形品の製造に適用できる。
すなわち、本発明の重合を型枠内で行なう方法におい
て、型枠を変えることにより各種の形状の成形品が得ら
れる。
本発明は特に、成形された重合体の内部ひずみが非常
に少いこと、及び型枠面の精密な転写が容易に可能であ
る。
本発明でいう光学素子としては、凸レンズ、凹レン
ズ、非球面レンズ等のレンズ;凸レンズ、凹レンズ性能
を有するフレネルレンズ;ビデオディスク、コンパクト
ディスク等の光ディスク基盤;ヘッドランプカバー、テ
ールランプカバー、サイドウィンカー、メーターカバ
ー、ハイマウントストップランプレンズ等の自動車用ラ
ンプカバー;車輌等の防眩ミラー、サイドミラー、バッ
クミラーやカーブミラーなどのミラー;プリズム等であ
る。
〈発明の効果〉 本発明によれば、数分〜数十分の短時間で重合を完結
し、内部歪みが非常に少なく、型枠の精密な転写によ
り、光の透過、反射などの光学的特性に優れた光学素子
が得られる。
また、光学素子の性能要求、屈折率、耐熱性、機械的
強度等に応じて、それぞれ対応した優れた光学素子を作
り分けることができる。
〈実施例〉 以下、本発明を実施例により説明する。
本実施例では原料液タンク、ピストンポンプ、衝突混
合器付金型を用いた。該金型は、油圧でスライドするコ
ア部材で一面を構成するキャビティ部を持つものであ
る。
金型内に原料液を注入完了したのち、混合器の原料液
出口を遮断し、重合の進行に従いキャビティー部の空間
容積を縮小しつつ、原料液を加圧した。
また、得られた成形品の性能評価として、全光線透過
率、曇価はASTM D1003により、また残留モノマーの定量
は、抽出液によるガスクロマトグラフにより、各々測定
した。
実施例1 (原シロップの調製) トロブロモフェニルメタクリレート1260g、p−クロ
ルスチレン740g及びアゾビルイソブチロニトリル0.2gを
反応容器内で混合溶解させ、60℃で撹拌しつつ重合さ
せ、粘度がやや上昇した時点で急冷させ、粘稠な均一な
溶液である原シロップを調製した。
(原料液Aの調製) 原シロップ600gに対し、ノナエチレングリコールジメ
タクリレート400g、グリコールジメルカプトアセテート
5g、ナフテン酸銅(Cu含有量10%)の1重量%ジメチル
フタレート溶液0.8gを加え、均一に混合させて原料液A
を調製した。
粘度(25℃)は、70センチポイズであった。
(原料液Bの調製) 原シロップ1000gに対し、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート15g、ジメチルオクチルアミン−塩酸塩1gを加
え、均一に混合溶解させて原料液Bを調製した。
粘度(25℃)は、100センチポイズであった。
(重合成形) 直径80mm、各々の表面の曲率半径が200mmであり、最
大厚みが15mmの凸レンズの形状を有する金型を用い、原
料液A及び原料液Bを1:1の重量比で衝突混合させなが
ら、80℃に温度調節された上記の金型内に注入した。
金型への注入は、約1秒で完了し、次いで混合器の原
料液出口を遮断し、金型内の原料液を徐々に加圧し、液
注入後5分で原料液に50kg/cm2の圧力が加わるように
し、その後徐々に圧力を減少させ、液注入後7分で金型
を開き、硬化した凸レンズ成形品を得た。
(成形品の性能) 得られた凸レンズ、成形品は、表面のヒケ、内部のボ
イドなどがなく、偏光板による肉眼観察でも、内部歪は
認められず、また全光線透過率91.0%、曇価1.0%、屈
折率nd1.58であり、光学的性質にすぐれ、金型面の転写
精度は、1.5μの誤差であり、精度の高いレンズ成形品
であった。
このレンズを米国FDAのメガネレンズ基準に準じた227
gの硬球を60cm高さから落す落球衝撃試験では、破断し
なかった。
成形品をエタノール中、1時間浸漬した後においても
クラック等の発生がなく、耐薬品性にもすぐれており、
光学用レンズとして好適な成形品であった。
実施例2 (原シロップの調製) メチルメタクリレート600g、トリブロモフェニルメタ
クリレート1400gを混合溶解させ、均一な溶液である原
シロップを調製した。
粘度(25℃)は、30センチポイズであった。
(原料液Cの調製) 原シロップ600gに対し、テトラデカエチレングリコー
ルジメタクリレート400g、グリコールジメチルカプトプ
ロピオネート10g、ナフテン酸銅(Cu含有量10%)の1
重量%メチルメタクリレート溶液1gを加え、均一に混合
させて原料液Cを調製した。
粘度(25%℃)は、25センチポイズであった。
(原料液Dの調製) 原シロップ1000gに対し、t−ブチルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート20g、ジメチルフェネチルアミ
ン塩酸塩1gを加え、均一に溶解させて原料液Dを調製し
た。
粘度(25℃)は、30センチポイズであった。
(重合成形) 直径1000mmで片面に曲率半径が1000mmの凸レンズに相
当するフレネルレンズの形状が反転された、厚み2mmの
フレネルレンズ成形品を得る金型を用い、原料液C及び
原料液Dを1:1の重量比で混合させながら、85℃に温度
調節された上記の金型内に注入した。
金型への注入は、約5秒で完了し、混合器の原料液出
口を遮断し、金型内の原料液を徐々に加圧し、液注入後
2分で原料液に10kg/cm2の圧力が加わるようにし、その
後圧力を減少させ、液注入後3分で金型を開き、硬化し
たフレネルレンズ成形品を得た。
(成形品の性能) 得られたフレネルレンズ成形品は、全光線透過率91.5
%と透明性に優れ、また表面のヒケ、内部のボイド等の
欠陥はなく、偏光板による肉眼観察では内部歪みは認め
られなかった。
また、成形品の反りは、直径1000mm当り1mmであり、
また重合成形による収縮率は、直径方向で、0.1%であ
り、型の転写精度に優れていた。
更に、成形品中の残留モノマーは、1.5%であり、重
合は完結しており、またエタノール中に1時間浸漬後も
クラック等の発生がなく、耐薬品性にも優れ、光学用フ
ルネルレンズとして好適な成形品であった。
実施例3 (原シロップの調製) メチルメタクリレート1200g、イソボニルメタクリレ
ート800g及びアゾビスイソブチロニトリル0.2gを反応容
器中60℃で撹拌しつつ、予備重合させ、粘度が少し上昇
した時点で氷水で急冷し、粘度(25℃)が20ポイズの粘
稠な溶液である原シロップを調製した。
(原料液Eの調製) 原シロップ900gに対し、1,6−ヘキサンジオールジメ
タクリレート100g、ペンタエリスリトールテトラ(メル
カプトプロピオネート)5g、ナフテン酸銅(Cu含有量10
%)の1重量%メチルメタクリレート溶液1gを加え、均
一に混合させて原料液Eを調製した。
粘度(25℃)は、15ポイズであった。
(原料液Fの調製) 原シロップ1000gに対し、t−ブチルパーオキシアセ
テート20g、ジメチルラウリルアミン塩酸塩1gを加え、
均一に混合溶解させて原料液Fを調製した。
粘度(25℃)は、20ポイズであった。
(重合成形) 250mm×400mm大、平均厚みが10mmの透光レンズ部を有
し、周辺に20mm巾、5mm厚みのリブを有する自動車用ヘ
ッドランプカバーの形状の成形品を得る金型を用い、原
料液E及び原料液Fを1:1の重量比で混合させながら、8
0℃に温度調節された上記金型内に注入した。
金型への注入は約3秒で完了し、混合器の原料液出口
を遮断し、金型内の原料液を徐々に加圧し、液注入後3
分で原料液に15kg/cm2の圧力が加わるようにし、その後
圧力を減少させ、液注入後4分で金型を開き、硬化した
自動車用ヘッドランプカバー成形品を得た。
(成形品の性能) 得られた自動車用ヘッドランプカバー成形品は、全光
線透過率91%と透明性に優れ、表面のヒケ、内部のボイ
ド等の欠陥はなく、成形品中の残留モノマーは、2.0%
と、重合は完結しており、更に、130℃に100時間加熱し
た後の変形、収縮が殆んどないため、耐熱性に優れた自
動車用ランプカバーとして好適な成形品であった。
実施例4 (原シロップの調製) メチルメタクリレート800g、シクロヘキシルメタクリ
レート1200g及びアゾビスイソブチロニトニル0.4gを反
応容器中で60℃に撹拌しつつ、予備重合させ、粘度が少
し上昇した時点で氷水で急冷し、粘度(25℃)が15ポイ
ズの粘稠な溶液である原シロップを調製した。
(原料液Gの調製) 原シロップ900gに対し、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート100g、メルカプトプロピオン酸2g、ナフ
テン酸銅(Cu含有量10%)の1重量%メチルメタクリレ
ート溶液2gを加え、均一に混合させて原料液Gを調製し
た。
粘度(25℃)は、12ポイズであった。
(原料液Hの調製) 原シロップ1000gに対し、t−ブチルパーオキシベン
ゾエート20g、ジメチルオクチルアミン塩酸塩1gを加
え、均一に混合溶解させて原料液Hを調製した。
粘度(25℃)は、15ポイズであった。
(重合成形) 直径300mm、厚み1.2mmのディスク形状を有し、片面に
巾1.6μ、長さ3.0μ、深さ0.8μのピット(凹部)を同
心円状に有する光ディスク基盤を形成する金型を用い、
原料液G及び原料液Hを1:1の重量比で混合器で混合さ
せながら、95℃に温度調節された上記金型内に注入し
た。
液の注入は、約0.5秒で完了した。
液注入後、混合器の原料液出口を遮断し、金型内の原
料液を徐々に加圧し、液注入後2分で原料液に10kg/cm2
の圧力を加わるようにし、その後圧力を減少させ、液注
入後3分で金型を開き、硬化した光ディスク基盤成形品
を得た。
(成形品の性能) 得られた成形品は、全光線透過率92.5%と透明性に優
れ、複屈折は1mm以下と内部歪みが非常に少ないもので
あった。
また成形品の反りは、0.1mm、重合成形による直径方
向の収縮率は0.05%で、更に転写されたピット深さは0.
75μ以上であり、精度の高い成形品であった。
また、成形品中の残留モノマーは、1.0%でで、JIS K
-6714準拠による24時間後の吸水率は0.20%と光ディス
ク基盤として好適な成形品であった。
実施例5 (原シロップの調製) メチルメタクリレート700g、フェニルメタクリレート
1200g、メチルアクリレート100g及びアゾビスイソブチ
ロニトニル0.2gを反応容器内で、60℃で撹拌しつつ予備
重合させ、粘度が少し上昇した時点で急冷させ、粘稠な
溶液である原シロップを調製した。
粘度(25℃)は30ポイズであった。
(原料液Iの調製) 原シロップ800gに対し、2,2−ビス〔4−(2−メタ
クロイルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン200g、グ
リコールジメルカプトアセテート10gを加え、均一に混
合させて原料液Iを調製した。
粘度(25℃)は、30ポイズであった。
(原料液Jの調製) 原シロップ1000gに対し、t−ブチルマレイン酸ヘミ
パーエステル10g、ジメチルオクチルアミン塩酸塩1g及
びアセチルアセトン−錫錯体を0.1gを加え、均一に混合
させて原料液Jを調製した。
粘度(25℃)は、30ポイズであった。
(重合成形) 下端の厚みが5mm、上端の厚みが10mmであり、高さ50m
m、巾300mmである防眩ミラーの形状を有する金型を用
い、原料液I及び原料液Jを1:1の重量比で混合器で混
合させながら、80℃に温度調節された上記金型内に注入
した。
液の注入は、約0.5秒で完了した。
液注入後、混合器の原料液出口を遮断し、金型内の原
料液を徐々に加圧し、液注入後3分で20kg/cm2の圧力を
原料液に加えた。
その後圧力を減少させ、液注入後5分で金型を開き、
硬化した防眩ミラー成形品を得た。
(成形品の性能) 得られた成形品は、全光線透過率91.5%と透明性に優
れ、偏光板による肉眼観察により内部歪みは認められ
ず、表面のヒケ、内部のボイド等の欠陥のない良好な成
形品であった。
また、表面の反射率は5.0%と高く、更に、像の歪み
がないため、ミラーとして好適な成形品であった。
また、アルミ、クロムを真空蒸着した成形品は、蒸着
膜の密着性が良好であった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 11:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重合体を含むまたは含まないビニル系単量
    体から主としてなる原料液を複数に分割し、その内の一
    つの原料液に重合開始剤を含有させ、該複数の原料液を
    互いに混合した後、ただちに型枠内に注入し加熱、加圧
    下重合硬化させることを特徴とする光学素子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】ビニル系単量体が、メタクリル酸エステ
    ル、アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物から選ば
    れた少なくとも一種であることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の方法。
  3. 【請求項3】ビニル系単量体から主としてなる原料液
    が、多官能のビニル系単量体を30重量%以下含有するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  4. 【請求項4】分割した原料液の1つに重合開始剤を含有
    させ、他の原料液に重合促進剤を含有させることを特徴
    とする特許請求の範囲第(1)項記載の方法。
  5. 【請求項5】光学素子が、レンズ、フレネルレンズ、自
    動車専用ランプカバー、光りディスク基盤、ミラー、プ
    リズムのいずれかである特許請求の範囲第(1)項記載
    の方法。
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