JPH08210521A - 摺動装置及びフォーセットバルブ - Google Patents

摺動装置及びフォーセットバルブ

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JPH08210521A
JPH08210521A JP7014811A JP1481195A JPH08210521A JP H08210521 A JPH08210521 A JP H08210521A JP 7014811 A JP7014811 A JP 7014811A JP 1481195 A JP1481195 A JP 1481195A JP H08210521 A JPH08210521 A JP H08210521A
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裕作 石峯
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Abstract

(57)【要約】 【構成】摺動面に非晶質硬質炭素膜を有する摺動部材
と、摺動面がセラミックスからなる摺動部材とを組み合
わせて成り、上記セラミックスの摺動面を、非晶質硬質
炭素膜の表面粗さ(Ra)以下の表面粗さ(Ra)と
し、かつ空孔占有面積を6%以下で空孔平均径を5μm
以下として摺動装置を構成する。 【効果】非晶質硬質炭素膜を摩耗・剥離させにくくでき
るため長期間優れた摺動性を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベアリング、ガイドレ
ール、エアスライド、スピンドル等の軸受やシール部
材、あるいはバルブ部材等の各種摺動装置に関し、特に
水栓、湯水混合栓、医療用サンプリングバルブ、薬液用
バルブ等の構成に用いる可動弁体と固定弁体からなるフ
ォーセットバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】水栓や湯水混合栓あるいは医療用サンプ
リングバルブや薬液用バルブに用いられるフォーセット
バルブは、2枚の円盤状弁体を互いに当接した状態で相
対摺動させることによって、各弁体に形成した流体通路
の開閉を行うようになっている。例えば、水栓や湯水混
合栓として使用されているフォーセットバルブは、図4
(A)に示されるように、固体弁体30と可動弁体20
を互いの摺接面21、31で接した状態としておいて、
図4(B)に示すようにレバー40の操作で可動弁体2
0を動かすことによって、互いの弁体20、30に形成
した流体通路22、32の開閉を行い、供給流体の流量
調整をするようになっている。
【0003】そして、上記可動弁体20及び固定弁体3
0は、摺動性やシール性を保つために高い寸法精度が要
求されるうえ、互いに流体通路の開閉のために絶えず摺
り合わされるために摩耗が激しく、また、常に流体にさ
らされるために腐食も激しいことから、近年、高精度に
加工することが可能であり、耐摩耗性や耐食性に優れた
セラミックスにより形成されている。
【0004】ところで、摺動性とシール性は相反する部
分があり、シール性を高めるために摺接面を極めて平滑
な面とし、これらの摺接面を持った一対の弁体同士を摺
り合わせると、引っかかりや異音が発生し、さらには互
いの弁体が張り付いて動かなくなるというリンキング
(凝着)が生じていた。また、リンキングまで至らなく
ても、摺動回数を重ねるにつれ次第に摺動トルクが上昇
していくことも知られていた。
【0005】そこで、リンキングを防ぐため、さまざま
な解決策が提案されている。
【0006】例えば、セラミックスの気孔率及び表面の
加工方法を適宜選択してセラミックス表面に微小な凹凸
を形成し、気孔占有率あるいはベアリングサーフェスの
占有比率を70±10%に規定することにより、リンキ
ング現象の改善を目指したもの、あるいは弁体を三次元
網目構造の多孔質セラミックスとし、この開気孔中に潤
滑材として樹脂やオイルなどを含浸させたものがある
(特開昭61ー206875号、61ー244980
号、62ー4949号、62ー37517号、特公平5
ー50475号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、摺接面に微
小な凹凸を形成したフォーセットバルブでは、摺動性を
保つために摺接面に潤滑剤の塗布が不可欠であるが、長
期使用中に潤滑剤の劣化及び流出が起こり、凹凸を有す
る母材同士の摺動となってしまうために、摺動トルクが
大きくなるといった問題があった。また、摺接面の凹凸
が摩耗してベアリングサーフェス率が大きくなり、リン
キングを発生して摺動トルクが大きくなるといった問題
や、摺動面の凹凸を大きくしすぎた結果、潤滑剤の流出
によりシール性が損なわれる等の問題があった。
【0008】また、潤滑剤及び適応流体の種類によって
は、長期使用中に劣化したり、ゴミ等の付着・堆積・固
化が発生して摺動特性の悪化を引き起こすことがあっ
た。
【0009】さらに、アルミナセラミックスの水中摺動
で見られるトライボケミカル摩耗によって摺動面が滑ら
かになり、リンキングが発生し、摺動特性の悪化を引き
起こすことがあった。
【0010】一方、多孔質体の開気孔中に樹脂を充填し
たものにおいては、硬度の低い樹脂部分が先に削られ、
その際マトリックス部を形成している硬質相のエッジ部
が相手材を摩耗させ、気孔部への摩耗粉の堆積や相互移
着を繰り返しながら、両部材の摩耗が急速に進行する現
象が起こる。そのため摺動特性が変動しやすく、また粒
子脱落も引き起こしやすく表面状態が悪化する結果、樹
脂の潤滑効果が得られずに摺動トルクが大きくなるとい
う問題があった。
【0011】さらに、フォーセットバルブの要求特性と
して、従来は10万回程度の摺動回数にわたって低い摺
動トルクを維持することが求められていたが、最近では
20万回まで維持することが求められている。これに対
し、上述したようなフォーセットバルブではこの要求特
性を満足できるものではなかった。
【0012】そこで、上述の摺動特性の改善に対して、
耐摩耗性に優れ、摩擦係数の小さい非晶質硬質炭素膜が
注目されており、この非晶質硬質炭素膜をセラミック部
材の摺動面に形成した摺動部材が提案されている(特開
平3−223190号公報等参照)。例えば、固定弁体
と可動弁体から成るフォーセットバルブにおける、可動
弁体側に非晶質硬質炭素膜を形成したものは、摺動トル
クを安定して低くすることができ、従来のセラミックス
同志のフォーセットバルブに比べて優れた摺動特性を示
している。
【0013】しかしながら、この非晶質硬質炭素膜を備
えたフォーセットバルブでも、上述した要求特性を十分
に満足できるものではなかった。その原因の一つに非晶
質硬質炭素膜の剥離及び摩耗がある。
【0014】このうち剥離の問題を解決するために、C
VD法で母材と非晶質硬質炭素膜の間に中間膜を形成し
て密着性を向上させる方法や、PVD法でイオン化した
元素を母材表面に打ち込むイオンプレーティング法を採
用することにより、母材との密着性を向上させる方法が
行われている。
【0015】上記方法により剥離に対する問題点は大き
く改善されたが、摩耗に対する具体的な改善方法は提案
されていない。ここで、非晶質硬質炭素膜の摩耗に影響
を与える要因としては、適正な相手材材質の組み合わせ
や、相互の摺動面表面の状態があげられる。即ち、摺動
トルクを低減させ、上記要求特性を満足させる為には、
相手材の選定及び摺動面表面の状態が重要な課題となっ
ているのである。
【0016】そこで本発明は、シール性が良好で、摺動
回数を重ねても摺動トルクが上昇せず、しかも非晶質硬
質炭素膜の剥離や摩耗を低減することが可能であり、且
つ長期間にわたり、リンキングを生じることなく滑らか
な摺動特性を備える摺動部材及びフォーセットバルブを
提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の摺動装置は、摺
動面に非晶質硬質炭素膜を有する摺動部材と、摺動面が
セラミックスからなる摺動部材とを組み合わせて成り、
該セラミックス摺動面の表面粗さが非晶質硬質炭素膜の
表面粗さ以下であり、かつセラミックス摺動面の空孔占
有面積が6%以下で空孔平均径が5μm以下であること
を特徴とする。
【0018】また、本発明のフォーセットバルブは、固
定弁体と可動弁体のいずれか一方の摺動面に非晶質硬質
炭素膜を備え、他方の摺動面をセラミックスで形成して
成り、該セラミックス摺動面の表面粗さが非晶質硬質炭
素膜の表面粗さ以下であり、かつセラミックス摺動面の
空孔占有面積が6%以下で空孔平均径が5μm以下であ
ることを特徴とする。
【0019】即ち、非晶質硬質炭素膜の剥離・摩耗を防
止するためには、相手材の摺動面の状態が重要であるこ
とから、上記のような条件を限定した。
【0020】まず、相手材であるセラミックスの摺動面
の表面粗さを非晶質硬質炭素膜の表面粗さ以下にしたの
は、セラミックスの摺動面側が粗いと非晶質硬質炭素膜
を摩耗させやすいためである。具体的には、セラミック
スの摺動面の表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra)と非晶
質硬質炭素膜の表面粗さ(Ra)をそれぞれ測定した
時、セラミックス摺動面の表面粗さが非晶質硬質炭素膜
の表面粗さ以下であれば良い。
【0021】またセラミックス摺動面に存在する空孔の
占有面積を6%以下、平均径を5μm以下としたのは、
この範囲よりも大きくなると空孔のエッジ部で非晶質硬
質炭素を傷つけて摩耗させやすくなるためである。
【0022】さらに、摺動トルクを小さくするために、
非晶質硬質炭素膜に対する摺動相手材として高硬度のセ
ラミックスを用いるているが、非晶質硬質炭素膜側の母
材もセラミックスで形成することが好ましい。
【0023】
【作用】本発明によれば、セラミックス摺動面側の表面
粗さを小さくすることにより、非晶質硬質炭素膜の摩耗
を低減することができる。またセラミックス摺動面の空
孔の占有面積及び平均径を小さくすることにより、弾性
接触による空孔部での切削作用を小さくできる結果、非
晶質硬質炭素膜の摩耗を低減できる。さらに、非晶質硬
質炭素膜を形成する母材および摺動相手材として高硬度
・高ヤング率のセラミックス材料を選定することによ
り、ヘルツの弾性接触理論で示される弾性接触による接
触面積を小さくできる結果、摩擦力・摺動トルクを低減
できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。なお、従
来例と同一の部分については同一符号で示す。
【0025】図1は、本発明に係るセラミックス製バル
ブの一例であるフォーセットバルブの弁体のみを示す図
であり、図2は可動弁体20のみを、図3は固定弁体3
0のみをそれぞれ示す図である。
【0026】可動弁体20、固定弁体30はいずれもセ
ラミックスから成る円盤状体であり、固定弁体30には
非晶質硬質炭素膜33を備えて摺動面31を形成し、一
方の可動弁体20はセラミックスの摺動面21としてあ
る。そして、該摺動面21のの表面粗さは非晶質硬質炭
素膜33からなる摺動面31の表面粗さ以下とし、かつ
セラミックスの摺動面21の空孔占有面積は6%以下、
平均空孔径は5μm以下としてある。
【0027】そして、図1に示すように、固定弁体30
と可動弁体20を互いの摺動面31、21で接した状態
としておいて、可動弁体20を動かすことによって、互
いの弁体20、30に備えた流体通路22、32の開閉
を行い、流体の流量調整を行うことができる。
【0028】この時、固定弁体30側の摺動面31が非
晶質硬質炭素膜33から成るため摺動トルクを小さく
し、しかも可動弁体20側の摺動面21は相手材を摩耗
させにくいような表面状態となっているため長期間にわ
たって低い摺動トルクを維持することができる。
【0029】なお、上記実施例では固定弁体30側に非
晶質硬質炭素膜33を備えたが、可動弁体20側に非晶
質硬質炭素膜を備え、固定弁体30側の摺動面はセラミ
ックスのままとすることもできる。
【0030】また、上記弁体20、30は、耐摩耗性に
優れ変形し難い材質が要求されることからセラミックス
により形成してあるが、具体的にはアルミナ、ジルコニ
ア、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化チタ
ン、あるいはその複合体を主成分とする焼結体であっ
て、助剤を所定量配合することで得られる。例えば、ア
ルミナに対してはCaO,SiO2 ,MgOのうち少な
くとも一種を、炭化珪素に対してはC,B,B4 C,A
2 3 ,Y2 3 等を、さらに窒化珪素に対しては周
期律表2a,3a族元素の酸化物や窒化物をそれぞれ焼
結助剤として添加し、ジルコニアに対してはY2 3
CaO,MgOなどの安定化剤を添加すれば良い。な
お、これらのセラミックスの中でも、高硬度や低コスト
等の点からアルミナセラミックスが好ましく、特にAl
2 3 含有量96重量%以上のアルミナセラミックスが
良い。
【0031】さらに、上記実施例ではフォーセットバル
ブについてのみ述べたが、本発明はこれに限るものでは
ない。例えば、図示していないが、各種軸受装置を構成
する軸と軸受のいずれか一方の摺動面に非晶質硬質炭素
膜を備え、他方の摺動面をセラミックスで形成し、この
セラミックス摺動面の表面粗さを非晶質硬質炭素膜の表
面粗さ以下とし、かつセラミックス摺動面の空孔面積占
有率を6%以下とし、空孔平均径を5μm以下とすれば
よい。あるいは、この他にシール装置等の各種摺動装置
に本発明を適用することができる。
【0032】実験例1 ここで、図1〜図4のフォーセットバルブを試作して摺
動トルクを求める試験を行った。
【0033】フォーセットバルブを構成する可動弁体2
0及び固定弁体30を共にAl2 3 含有量96重量%
のアルミナセラミックスで形成し、上記固定弁体30を
なす基体34の表面に非晶質硬質炭素膜33を形成し
た。また、可動弁体20は外径30mm、厚み10mm
の円盤状体に直径5mmの流体通路22を穿設し、固定
弁体30は外径40mm、厚み8mmの円盤状体に直径
5mmの流体通路32を穿設した。
【0034】非晶質硬質炭素膜33の形成方法として
は、ベンゼン(C6 6 )ガスを高真空中のアーク放電
プラズマで分解し、プラズマ中のイオンや励起分子を電
気的にイオン加速器で加速して固定弁体30の表面に蒸
着させるという、いわゆるイオンプレーティング法を採
用した。これは、加速したイオンの衝突により、局所的
に高温高圧状態を作りだし、強い密着力で非晶質硬質炭
素膜33が得られるものである。
【0035】上記フォーセットバルブにおいて、固定弁
体30の表面粗さを変化させることによって、非晶質硬
質炭素膜33の表面粗さ(中心線平均粗さ:Ra)を各
々0.15〜0.20μm,0.21〜0.30μm,
0.31〜0.40μmの3種類のものを用意した。な
お、非晶質硬質炭素膜33の厚みは0.8μmとし、こ
の程度の膜厚であれば、非晶質硬質炭素膜33の表面粗
さは母材である固定弁体30の表面粗さとほぼ同じとな
る。また、表面粗さ(Ra)が0.15μm未満の場合
は可動弁体20とのリンキングが生じ、表面粗さ(R
a)が0.05μmでは非晶質硬質炭素膜33が剥離す
るものが発生し、安定した実験結果が得られなかった。
【0036】一方、可動弁体20の摺動面21の表面粗
さ(Ra)を0.03〜0.30μmの範囲内で種々に
変化させ、かつ摺動面21の空孔の平均径及び占有面積
の異なる試料を作製した。なお、上記表面粗さや空孔の
状態は摺動面の研磨条件を変更することにより変化させ
た。また、空孔占有面積・平均径については画像解析装
置(ルーゼックス)を用いて、倍率400倍、評価面積
2.32×105 μm2 、コントラスト25%で、1試
料あたり10点を測定し、その平均値を算出した。
【0037】これらの固定弁体30と可動弁体20を表
1に示すように組合せ、ケーシングによって30kgf
の軸力で押さえつけながら、流体通路22、32に80
℃の温水を1kg/cm2 の圧力で注入し、可動弁体2
0を操作レバー40により摺動させるのに必要な操作力
を測定した。なお、操作レバー40の支点4aから作用
点4b迄の長さは、65mmとした。
【0038】この試験による評価基準は、可動弁体20
を固定弁体30に対し、20万回摺動させ、その摺動中
の操作レバー40の最大操作力が0.8kg以下のもの
を摺動性が良好であると判断した。それぞれの結果は、
表2に示す通りである。
【0039】表2よりわかるように、可動弁体20の摺
動面21の表面粗さ(Ra)が、固定弁体30に形成し
た非晶質硬質炭素膜33の表面粗さ(Ra)以下であ
り、かつ可動弁体20の摺動面21における空孔の占有
面積が6%以下で空孔平均径が5μm以下のものは優れ
た摺動特性を示すことがわかった。
【0040】また、試験後の摺動表面を顕微鏡で観察し
たところ、摺動性が劣化した組み合わせでは非晶質硬質
炭素膜33に摩耗が見られた。これは、セラミックスの
摺動面21における空孔のエッジが刃先となり、そのア
ブレッシブ作用により非晶質硬質炭素膜33を摩耗させ
ていると思われる。従ってアブレッシブ摩耗の観点から
摺動面21の空孔占有面積および平均径が小さいことが
必要となり、両者を満足する組み合わせにおいて優れた
摺動特性が実現できることになる。また、弾性接触の観
点からは、可動弁体20及び固定弁体30ともに高硬度
で高ヤング率のセラミックス材料であることが必要であ
る。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】実験例2 次に、上記フォーセットバルブにおいて、非晶質硬質炭
素膜33の表面粗さ(Ra)を0.21〜0.30μm
と固定し、相手材の可動弁体20の摺動面21の表面粗
さ(Ra)を0.1μm以下として、可動弁体20を成
すアルミナセラミックスのAl2 3 含有量を99.
9重量%、99.7重量%、96重量%、93重
量%の4種類に変化させたものを用いて摺動特性を評価
した。
【0044】その結果、Al2 3 含有量が低下するに
つれて、増加する不純物相は粒内破壊及び粒界破壊によ
る脱落粒子を発生させやすく、摺動中に脱粒している様
子が観察された。この脱粒の発生は表面の空孔の占有面
積を上昇させるとともに、脱落破砕粉によってダイヤモ
ンド状薄膜の摩耗を促進させている。その結果、基体の
アルミナの露出、摺動トルクの上昇を引き起こしてい
る。
【0045】そして、Al2 3 含有量が93重量%の
場合、摺動面21の空孔占有面積率は6〜8%であり、
空孔平均径は5〜6μmで標準偏差5μm以上と大きい
値を示していた。そのため、実験中に摺動トルクが上昇
して、0.8kgを超えてしまった。
【0046】これに対し、Al2 3 含有量が96重量
%以上のものでは、空孔占有面積は6%以下、平均径は
5μm以下を満足しており、空孔平均径の標準偏差も4
μm以下と小さい値を示していた。そのため、20万回
の摺動後も0.8kg以下の操作トルクを維持してい
た。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、摺動面に
非晶質硬質炭素膜を有する摺動部材と、摺動面がセラミ
ックスからなる摺動部材とを組み合わせて成り、上記セ
ラミックスの摺動面を、非晶質硬質炭素膜の表面粗さ
(Ra)以下の表面粗さ(Ra)とし、かつ空孔占有面
積を6%以下で空孔平均径を5μm以下として摺動装置
を構成したことによって、非晶質硬質炭素膜を摩耗・剥
離させにくくできるため長期間優れた摺動性を維持する
ことができる。
【0048】また、上記摺動部材をフォーセットバルブ
に適用したことによって、20万回以上摺動を繰り返し
ても0.8kg以下の低い操作トルクを維持し、かつ優
れた耐摩耗性とシール性を有し、長期間良好に使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るフォーセットバルブの弁体のみを
示す斜視図である。
【図2】図1の可動弁体を示す斜視図である。
【図3】図1の固定弁体を示す斜視図である。
【図4】一般的なフォーセットバルブの作動状態を示す
斜視図で(A)は流体通路を開通させた図であり、
(B)は流体通路を遮断した図である。
【符号の説明】
10 :フォーセットバルブ 20 :可動弁体 21 :摺動面 22 :流体通路 30 :固定弁体 31 :摺動面 32 :流体通路 33 :非晶質硬質炭素膜 40 :操作レバー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動面に非晶質硬質炭素膜を有する摺動部
    材と、摺動面がセラミックスからなる摺動部材とを組み
    合わせてなり、該セラミックス摺動面の表面粗さが非晶
    質硬質炭素膜の表面粗さ以下であり、かつセラミックス
    摺動面の空孔占有面積が6%以下で空孔平均径が5μm
    以下であることを特徴とする摺動装置。
  2. 【請求項2】固定弁体と可動弁体のいずれか一方の摺動
    面に非晶質硬質炭素膜を備え、他方の摺動面をセラミッ
    クスで形成してなり、該セラミックス摺動面の表面粗さ
    が非晶質硬質炭素膜の表面粗さ以下であり、かつセラミ
    ックス摺動面の空孔占有面積が6%以下で空孔平均径が
    5μm以下であることを特徴とするフォーセットバル
    ブ。
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