JPH0822946B2 - 複合材料 - Google Patents

複合材料

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JPH0822946B2
JPH0822946B2 JP60217396A JP21739685A JPH0822946B2 JP H0822946 B2 JPH0822946 B2 JP H0822946B2 JP 60217396 A JP60217396 A JP 60217396A JP 21739685 A JP21739685 A JP 21739685A JP H0822946 B2 JPH0822946 B2 JP H0822946B2
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茜 岡田
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、機械的強度および耐熱性に優れた複合材料
に関し、さらに詳しくは、ポリアミドを含む樹脂組成物
と粘土鉱物を構成する珪酸塩層とがイオン結合を介して
互いに結合し、それらが均一に混合されてなり、樹脂の
みの成形品よりも機械的強度に優れた複合材料に関する
ものである。
〔従来の技術〕
従来より、有機高分子材料の機械的特性を改善する目
的で、炭酸カルシウムや粘土鉱物、雲母等の無機質材料
の添加・混合が検討されている。
しかし、これらの無機質材料は、添加・混合した場
合、有機高分子材料中での有機高分子母相との間の結合
が非常に弱いため、添加による脆化等の多くの問題があ
り、また、無機質材料の添加量にも限界がある。この無
機質材料と高分子材料との結合を強くする目的で、該無
機質材料のシランカップリング剤による処理等が知られ
ている。しかし、これらの方法により得られる有機高分
子材料と無機質材料との結合は、ファンデルワールス結
合によるものであって、両者の間のなじみを良くする程
度であり、補強効果や耐熱性改善のためには充分のもの
とすることはできない。
これらの問題を解決するため、本出願人は、先に、ポ
リアミドを含む樹脂と該ポリアミド中に分散したアスペ
クト比の平均が5以上のひる石薄片とからなる「ポリア
ミドを含む樹脂組成物」(特開昭57−83551号公報)を
提案した。この組成物は、樹脂中にアスペクト比(粒子
の大きさ/厚さ)の大きいひる石薄片を混入させること
により、有機高分子材料の機械的強度を向上させようと
するものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、この樹脂組成物は、従来のものに比較
して確かに機械的強度が向上したが、ひる石薄片を得る
ために機械的粉砕を必要とするため、充分なアスペクト
比が得られない。しかも、鉱物層と母相との結合力が弱
いため、必要な強度を得るには、脆化を犠牲にして添加
量を多くする必要があった。
また、粘度鉱物の層間でポリアミドやポリスチレンな
どの高分子を合成して複合材料を得ようとする試みがな
されている(「高分子」,19,759,1979;「工業材料」,2
5,「3」,58,1977)。しかし、これまでの方法では、有
機高分子鎖が充分には粘度鉱物の層間に侵入しないた
め、この層間距離を拡大することができず、珪酸塩層と
有機高分子とが均一に、さらには、該珪酸塩の構成単位
層が分子状に分散することはなかった。また、このよう
な場合には、層状鉱物のアスペクト比を小さくするの
で、機械的強度向上には逆効果になる。さらに、母相で
ある高分子材料と層間化合物との結合も充分ではないた
め、充分な補強効果が得られなかった。
また、少なくとも1個のアミノ基を含有しかつラクタ
ムの重合触媒作用を有する有機化合物をイオン交換反応
で粘土に結合せしめた粘土・有機複合体の存在下でラク
タムを重合せしめる「粘土・ポリアミド複合体の製造方
法」(特開昭51−109998号公報)が提案されている。し
かし、この粘土・ポリアミド複合体の製造方法により得
られる複合体は、樹脂中の粘土は何れも結晶単位層ごと
に分離されたものではなく、粘土層の層間距離が小さい
ため、引張り強さがマトリックスとしての樹脂の強度以
下である。すなわち、例えばナイロン6の引張り強さ以
下である(前記公報明細書中の実施例で開示された引張
り強度はナイロン6の30〜80%である)。従って、この
方法により得られる複合体は、強度機械的強度および耐
熱性が不十分であるという問題を有している。
そもそも、従来より、ポリアミド中に粘土を分散させ
ハイブリッド化すると、もともとの樹脂よりも引張り強
さ等の機械的強度が低下すると言われている。前記特開
昭51−109998号公報に開示された方法により得られる複
合体は、この従来の複合体の強度低下を改善し、マトリ
ックス樹脂単体で得られる成形体の強度に近づけようと
するものであり、換言すれば、何れも複合化によりもと
もとの樹脂単体で得られる成形体より機械的強度が低下
するものである。このように、上記方法では、マトリッ
クス樹脂単体で得られる成形体の強度より優れた強度特
性を有する複合体を得ることができないという問題を有
している。
そこで、本発明者らは、上述のごとき従来技術の問題
点を解決すべく鋭意研究し、各種の系統的実験を重ねた
結果、本発明を成すに至ったものである。
(発明の目的) 本発明の目的は、機械的強度および耐熱性に優れた複
合材料を提供するにある。
本発明の他の目的は、マトリックスとしての樹脂より
も優れた機械的強度や耐熱性を有する複合材料を提供す
るにある。
本発明者らは、上述の従来技術の問題点に関して、以
下のことに着眼した。すなわち、先ず、従来より提案さ
れている粘土−ポリアミド複合体は、ポリアミド中に粘
土を分散させハイブリッド化すると、もともとの樹脂よ
りも引張り強さ等の機械的強度が低下する。これは、従
来より提案されている粘土−ポリアミド複合体は、粘土
層とポリアミドの結合が弱く、粘土層の分散性が十分で
ないので、引張り強さがマトリックスとしての樹脂の強
度以下(例えばナイロン6の引張り強さ以下)となるこ
とが分かった。また、分散している粘土層そのものの構
成単位が大きいことが分かった。
本発明者らは、これら問題を解決する方法として、
樹脂中に分散させる珪酸塩層を構成単位の最小とし、珪
酸塩層とポリアミド分子鎖をイオン結合により結合させ
ることこと、珪酸塩層を樹脂中に均一に分散させるこ
と、樹脂中に分散させる珪酸塩層間の距離を100Å以
上とすること、に着眼した。
また、これを実現する方法として、陽イオン交換容
量が適量(例えば、50〜200ミリ当量/100g)の粘土鉱物
を用いること、ポリアミドモノマーと粘土鉱物以外
に、ポリアミドモノマー分子を層間に取り込む作用が大
変強い触媒作用を奏する物質を共存させること、粘土
層間距離を重合前に適度に拡大することができ、しかも
珪酸塩層とポリアミド分子鎖とがイオン結合で結合され
るような物質を共存させること、に着眼した。そして、
上記およびを満足する物質として、(a)銅イオ
ン,水素イオン,アルミニウムイオン等の無機陽イオン
からなる膨潤化剤、または(b)炭素数が12以上のアル
キレン基とカルボキシル基とを有する有機陽イオン(有
機アンモニウムイオン)からなる膨潤化剤に着目した。
そして、予め前記所定の陽イオン交換容量を有する粘土
鉱物と前記膨潤化剤とを接触させてこの両者をイオン結
合させ、モノマーの溶融温度以上の温度でモノマーによ
り膨潤する性質を有する複合体を作製し、該複合体とポ
リアミドモノマーとを混合し、該混合物を所定温度に加
熱して前記膨潤化剤の触媒作用のもとに重合することに
より、機械的強度および耐熱性に優れた複合材料に到達
し、本発明を成すに至った。
〔発明の構成〕
本発明の複合材料は、ポリアミドを含む樹脂と、該樹
脂中に均一にかつ分子レベルの厚さの単位で分散させた
珪酸塩層とからなる複合材料であって、 該珪酸塩層は厚さが7〜12Åで、珪酸塩層間の距離が
100Å以上であり、かつ前記珪酸塩層が前記ポリアミド
の高分子鎖の一部とイオン結合してなり、珪酸塩層の含
有量が樹脂100重量部に対して0.5〜150重量部であり、 前記複合材料は、陽イオン交換容量が50〜200ミリ当
量/100gの粘土鉱物と、アルミニウムイオン,水素イオ
ン,銅イオンの一種以上の無機陽イオンまたは炭素数が
12以上のアルキレン基とカルボシキル基とを有する有機
陽イオンからなる膨潤化剤とを接触させて得た複合体を
用いて得た複合材料であり、 機械的強度および耐熱性に優れていることを特徴とす
る。
〔発明の作用〕
本発明の複合材料が、優れた効果を発揮するメカニズ
ムについては、未だ必ずしも明らかではないが、次のよ
うに考えられる。
本発明の複合材料は、ポリアミド分子鎖が珪酸塩層と
のイオン結合により橋かけされた構造を有するため、そ
の熱的あるいは機械的に変形させることが困難である。
そのために、引張強度や弾性率などの機械的性質、軟化
温度や高温強度などの耐熱特性が優れている。また、層
状の無機物質が均一に分散しているため、寸法安定性、
耐摩耗性、表面潤滑性、透水性、耐水性に優れている。
また、無機層状物質である珪酸塩が10Å程度という分子
レベルの厚さの単位で分散、すなわち、分子長が10Å程
度の珪酸塩を樹脂中に均一に分子状に分散している。こ
れにより、本発明では、ポリアミドを含む樹脂中に、層
状珪酸塩を分子レベルで、すなわち結晶単位層ごとに分
離された状態で均一に分散させたことにより、複合体の
強度を向上させることができる。また、珪酸塩層は、有
機分子鎖と強く結合している。すなわち、珪酸塩層は、
ポリアミドの高分子鎖の一部とイオン結合しているの
で、従来の無機質による複合材料に見られるような脆化
のような悪影響を残すことがない。また、樹脂中に分散
した珪酸塩の層間の距離が100Å以上である。このよう
に、ポリアミドを含む樹脂中に、層状珪酸塩を100Å以
上の層間距離をもって分散させた複合材料としたことに
より、複合体の機械的強度および耐熱性を向上させ、通
常のナイロン以上の優れた強度および耐熱性を得ること
ができる。
ここで、ポリアミドを含む樹脂中の珪酸塩層の含有量
は、樹脂100重量部に対して0.5〜150重量部である。こ
れは、該含有量が0.5重量部未満の場合、珪酸塩層が少
なすぎため充分な補強効果が得られないからである。ま
た、前記含有量が150重量部を超えた場合、樹脂成分が
少ないため層間化合物粉体が得られるに過ぎず、これを
成形体として利用することが困難だからである。
以上により、本発明の複合材料は、機械的強度および
耐熱性に優れた複合材料とすることができたものと考え
られる。
〔発明の効果〕
本発明の複合材料は、機械的強度や耐熱性に優れた複
合材料である。
また、本発明の複合材料は、通常のナイロン以上の強
度および耐熱性を得ることができる。
〔発明の実施態様〕
本発明の複合材料における樹脂は、ポリアミドを含む
樹脂であり、ポリアミドまたはポリアミドとそれ以外の
重合体との混合物からなる樹脂である。
ここで、ポリアミドとは、酸アミド結合(−CONH−)
を有する重合体の総称で、具体的にはナイロン66、ナイ
ロン6、ナイロン11などがある。
この樹脂は、ポリアミド樹脂を含む割合が多ければ多
いほど本発明の効果を顕著に奏することができるが、そ
の含有割合が10重量%(wt%)であっても本発明の効果
を奏することができる。
また、珪酸塩層は、高分子材料に機械的特性および耐
熱性を付与するものであり、厚さが7〜12Åの珪酸マグ
ネシウム層または珪酸アルミニウム層より形成される層
状フィロ珪酸塩鉱物である。これらの珪酸塩層は、同形
イオン置換等により負に帯電している。この負電荷の密
度や分布などによりその特性が異なるが、本発明では、
負電荷1価当りの層表面の占有面積が25〜200Åの珪
酸塩層であることが好ましい。
本発明の複合材料は、上述したポリアミドを含む樹脂
と、該樹脂中に均一に分子状に分散させた珪酸塩層とか
らなる。
ここで、ポリアミドを含む樹脂中の珪酸塩層の含有量
は、樹脂100重量部に対して0.5〜25重量部であることが
好ましい。さらに、最適には、珪酸塩層の含有量が、樹
脂100重量部に対して0.5〜10重量部である。これによ
り、ポリアミドを含む樹脂中に、層間の距離が100Å以
上の珪酸塩層をより均一にかつ分子状に十分に分散させ
た複合材料を得ることができ、これにより、引張り強度
や弾性率などの機械的性質や、軟化温度や高温強度など
の耐熱特性により優れた複合材料を得ることができる。
この複合材料は、強度および耐熱性を従来のナイロンよ
りも格段に向上させることができるという、従来にはな
い顕著な効果を有する。
この複合材料は、負に帯電した粘土鉱物の構成単位で
ある珪酸塩層と、樹脂中のポリアミドの一部が持つ正電
荷を有する基とイオン結合を形成している。該正電荷に
は、有機イオン中に存在したアンモニウムイオン(−NH
3 +)基またはトリメチルアンモニウムイオン(−N+(CH
3)基、あるいはモノマー分子と無機分子との相互
作用で形成された陽イオン基(−NX+基:Xは、水素
(H)、メチル((CH3)、銅(Cu),アルミニウ
ム(Al)などの少なくとも一種以上からなり、併せて+
3価になる)などがある。
本発明の複合材料の製造方法について、以下に説明す
る。
先ず、陽イオン交換容量が50〜200ミリ当量/100gの粘
土鉱物と、銅イオン,水素イオン,アルミニウムイオン
等の無機陽イオンからなる膨潤化剤、または炭素数が12
以上のアルキレン基とカルボキシル基とを有する有機陽
イオンからなる膨潤化剤とを接触させてこの両者をイオ
ン結合させ、モノマーの溶融温度以上の温度でモノマー
により膨潤する性質を有する複合体とする(接触工
程)。これにより、粘土鉱物に膨潤化剤を吸着させて、
モノマーの溶融温度以上の温度でモノマーにより膨潤す
る性質を有する複合体を得る。
ここで、この接触方法としては、所望の膨潤化剤を
含む水溶液中に粘土鉱物を浸漬した後、該粘土鉱物を水
洗して過剰なイオンを除去する方法、予め所定の膨潤
化剤で交換した陽イオン交換樹脂と粘土鉱物の水懸濁液
を接触させてイオン交換する方法、などがある。
また、粘土鉱物は、陽イオンの交換容量が50〜200ミ
リ当量/100gと、反応させるモノマーとの接触面積が大
きい粘土鉱物である。具体的には、モンモリロナイト、
サポナイト、ハイデライト、ノントロナイト、ヘクトラ
イト、スティブンサイト等のスメクタイト系粘土鉱物
や、バーミキュライト、ハロイサイト、などがあり、天
然のものでも合成されたものでも良い。
ここで、本発明で用いる粘土鉱物の陽イオンの交換容
量を50〜200ミリ当量/100gとしたのは、該容量が200ミ
リ当量/100gを超える場合、その鉱物の層間の結合力が
強固なため、本発明の目的とする複合体を得ることが困
難となるからである。また、粘土鉱物の陽イオン交換容
量が50ミリ当量/100g未満の場合、本発明の製造方法に
おいて不可欠である有機陽イオンまたは無機陽イオンか
らなる上記膨潤化剤の交換吸着が充分に行えず、本発明
の目的する複合材料の合成が困難となるからである。な
お、この粘土鉱物は、ミキサー、ボールミル、振動ミ
ル、ピンミル、ジェットミル、叩解機等を用いて粉砕
し、予め所望の形状・大きさのものとしておくことが好
ましい。
さらに、膨潤化剤は、粘土鉱物の層間を拡げる役割お
よび粘土鉱物に層間ポリマーを取り込む力を与える役割
を有するものであり、(a)銅イオン(Cu2+),水素イ
オン(H+),アルミニウムイオン(Al3+)等の無機陽イ
オンの一種以上からなる膨潤化剤、または、(b)炭素
数が12以上のアルキレン基とカルボキシル基とを有する
有機陽イオンの一種以上からなる膨潤化剤を用いる。
(b)の炭素数が12以上のアルキレン基とカルボキシ
ル基とを有する有機陽イオンは、ラクタム化合物の重合
促進作用を有するもので、炭素数が12以上で、X+−R−
COOHで表される陽イオンで、X+はアンモニウムイオン
(−NH3 +)またはトリメチルアンモニウムイオン(−N+
(CH3)、R基は−(CH)n−で表されるアルキル
鎖を含むアレキレン基であり、その途中にフェニレン基 を含むビニレン基(HC=CH−)等の結合が含まれていて
もよい。具体的には、12−アミノドデカン酸イオン(NH
3 +・C12H22・COOH)、14−アミノテトラデカン酸イオン
(NH3 +・C13H26・COOH)、16−アミノヘキサデカン酸イ
オン(NH3 +・C15H30・COOH)、18−アミノオクタデカン
酸イオン(NH3 +・C17H34・COOH)などがあり、これらの
一種または二種以上の混合物を用いる。
これらのイオン吸着した上記の粘土鉱物は、ε−カプ
ロラクタムなどのラクタム化合物の開環重合の触媒作用
を有する。そればかりでなく、ラクタムの開環重合やア
ミノ酸あるいはナイロン塩の脱水縮合で生成されるポリ
アミドを粘土の層間へ取り込む能力を有する。従って、
これらのイオンを吸着した粘土鉱物を利用することによ
り、本発明にかかる超分散複合体が合成される。
この重合反応の開始あるいは重合反応においては、無
機陽イオンは、(Cu・NH+−)やアンモニウムイオン(H
3N+−)などの陽イオン基を形成し、この陽イオン粘土
層とイオン結合を形成する。
また、有機陽イオンは、 のアミド基を介して高分子鎖と結合する。従って、粘土
鉱物表面の親油化に利用される通常の界面活性剤では、
重合開始作用、ポリアミドの層間への取り込み作用、お
よび有機高分子鎖との結合能力が全くないため利用でき
ない。
ここで、カルボキシル基を有する有機陽イオンは、上
記条件を満足するものであればどのようなものを用いて
もよいが、ラクタム化合物を層間等へ引き込むため、
またはラクタムの蒸発を抑制するため、および粘土
鉱物による補強効果を充分とするために、該有機陽イオ
ンの投影面積が120〜500Å程度の大きさであることが
好ましい。例えば、R基が−(CH2)n−である場合に
は、12≦n≦20に対応する。なお、該n<12の場合、ま
たはこれに対応する大きさよりイオンの大きさが小さい
場合には、水溶液中で粘土鉱物が凝縮しにくいので、濾
過・水洗が困難となり、また、粘土鉱物の吸湿性の改善
が難しくなる。また、ラクタム分子の粘土層間への侵入
促進作用が小さいので好ましくない。一方、n>20の場
合、難溶となるのでイオン交換が困難となり、好ましく
ない。すなわち、炭素数が前記範囲内のカルボキシル基
の有機陽イオンとする膨潤剤を用いることにより、該膨
潤化剤はポリアミドモノマー分子を層間に取り込む作用
が大変強く、粘土層間距離を重合前に適度に拡大するこ
とができ、その結果層間の凝集力が減少させられるの
で、機械的性質や耐熱特性に優れた複合材料を得ること
がきる。さらに、これら膨潤化剤を用いることにより、
水溶液中で粘土鉱物が疎水化し、かつ粒子同志が凝集し
易いので、濾過、水洗が容易であり、該工程の所要時間
が著しく短縮されるという特有な効果を奏することがで
きる。
上記ような膨潤化剤として用いる無機陽イオンまたは
有機陽イオンは、ポリアミドモノマー分子を層間に取り
込む作用、およびラクタム化合物の開環重合開始作用を
有し、重合反応進行に伴い、生成ポリマーをも層間に取
り込む作用をも有する。上記イオンのみがポリマーを層
間に十分に取り込む作用、すなわち均一に分子状に珪酸
塩をポリマー中に分散させる作用を有する理由は必ずし
も明らかではないが、以下のようである。すなわち、有
機陽イオンの場合は、その分子の大きさがかなり大き
く、あらかじめ層間距離がある程度拡げられることと、
カルボキシル基とポリアミドモノマー中のアミノ基との
相互作用によりこれらを層間に取り込む力が強いからと
考えられる。また、Cu2+,Al2+,H+などの無機陽イオンの
場合も、上記モノマーを層間に取り込む力が強いことで
粘土層間距離が重合前にある程度拡げられ、その結果層
間の凝集力が減少させられるためではないかと考えられ
る。このように、凝集力を減ずることによって、はじめ
て珪酸塩を均一にかつ分子状に分散することができるも
のと考えられる。
次に、前記接触工程において得られた複合体とポリア
ミドモノマーとを混合する(混合工程)。
ここで、ポリアミドモノマーは、複合材料の基体をな
すものであり、重合後ポリアミドまたはポリアミドとそ
れ以外の重合体との混合物になる原料であり、具体的に
は、6−アミノ−n−カプロン酸,12−アミノドデカン
酸等のアミノ酸化合物、ヘキサメチレンジアミンのアジ
ピン酸塩等のナイロン塩化合物、ε−カプロラクタム,
バレロラクタム,カプリルラクタム,α−ピロリジノン
等のラクタム化合物である。
また、複合体とポリアミドモノマーとの混合は、通常
の混合方法を採用することができ、具体的には、自動乳
鉢や振動ミル等による機械混合により行う。
次に、前記混合工程において得られた混合物を、所定
温度に加熱して前記膨潤化剤の触媒作用のもとに重合す
る(重合工程)。ここで、この重合は、混合後直ちに所
定温度に昇温して行ってもよいが、一旦モノマー融点直
上に加熱し、その後均一に粘土鉱物をモノマー中に分散
させるとより効果的である。
以上のようにしてえられた複合材料は、直接射出成形
や加熱加圧成形などで成形して利用してもよいし、予め
他のポリアミド等の高分子と混合して所定の混合割合と
してもよい。また、上記の重合反応を所定の型中で進行
させて成形体を得てもよい。また、ポリアミドの重合工
程においては、燐酸や粋などの重合触媒をさらに添加し
てもよい。
本発明では、上記の方法により、ポリアミドを含む樹
脂と、該樹脂中に均一に分子状に分散させた珪酸塩層と
からなり、該珪酸塩層は厚さが7〜12Åで,珪酸塩層間
の距離が100Å以上であり、かつ前記珪酸塩層が前記ポ
リアミドの高分子鎖の一部とイオン結合してなる好適な
複合材料を得ることができる。これにより、引張り強度
や弾性率などの機械的性質や、軟化温度や高温強度など
の耐熱特性により優れた複合材料を得ることができる。
この複合材料は、強度および耐熱性を従来のナイロンよ
りも格段に向上させることができるという、従来にはな
い顕著な効果を有する。
すなわち、従来技術の粘土・ポリアミド複合体の製造
法により得られる複合体は、粘土層が本願発明のように
大きな層間距離をもって分散されたものではないので、
引張り強さがマトリックスとしての樹脂の強度以下(例
えばナイロン6の引張り強さ以下)となる。これは、そ
もそも、従来技術ではポリアミド中に粘土を分散させハ
イブリッド化すると、もともとの樹脂よりも引張り強さ
等の機械的強度が低下すると言われている。本発明は、
この従来技術の考え方によるのではなく、もともとの樹
脂単体で得られる成形体の機械的強度や耐熱性を向上さ
せることを目的としてなされたものであり、上記構成に
より、引張り強度や弾性率などの機械的性質や、軟化温
度や高温強度などの耐熱特性に優れたものを実現したも
のである。これにより、本発明は、機械的強度および耐
熱性を従来のナイロンよりも格段に向上させることがで
きるという、従来にはない顕著な効果を奏することがで
きる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を説明する。
(実施例1) 粘土鉱物として山形県産モンモリロナイト(陽イオン
交換容量:100ミリ当量/100g)を膨潤化剤として第1表
に示すものを用いて複合体を作製し、ラクタム化合物の
重合を行った。
先ず、モンモリロナイトに、膨潤化剤としての第1表
に示す無機陽イオンおよび有機陽イオンを吸着させた。
この場合、吸着陽イオンがアルミニウムイオン(Al3+
の場合には、予めイオン交換性樹脂に吸着させ、その樹
脂を充填したカラム中をモンモリロナイトの水懸濁液を
回流させることにより吸着させた。
また、それ以外の陽イオンの場合には、吸着させるイ
オンを含む塩化物の水溶液(濃度1規定)1中にモン
モリロナイト10gを浸漬した後、ブフナーロートを用い
て濾過−水洗を繰り返すことにより行った。
このイオン交換されたモンモリロナイトとε−カプロ
ラクタムとを所定の割合で乳鉢を用いて混合した後、ア
ルミニウム製の容器に入れ、80℃で3時間乾燥およびε
−カプロラクタムの溶融による均一を図った。得られた
ものをステンレス製の密封容器中に入れ、250℃で5時
間加熱処理をして生成物を得た。これを、DSC(示差走
査熱量計)を用いて2℃/分で加熱し、生成物の融解熱
を測定し、生成物中のポリアミドの転化率を推定した。
また、分散の程度を、X線回折により、珪酸塩層間の距
離を測定して求めた。得られた結果を、第1表に示す。
次に、試料番号7の複合材料を射出成形機により成形
して、試験片を得た。この試験片を用いて、引張り試験
(JISK7113)および熱変形温度の測定を行った。その結
果を、第2表に示す。
比較のため、上述の膨潤化剤のかわりに、ナトリウム
イオン(Na+)、マグネシウムイオン(Mg2+)、および
界面活性剤(NH3 +(CH217CH3)を用いた他は、上記の
実施例1と同様の方法で比較用複合体を得(試料番号:C
1〜C3)、ポリアミドの転化率の推定および珪酸塩層間
の距離の測定を行った。得られた結果を、第1表に併せ
て示す。
また、アミノシラン処理を施したモンモリロナイトを
同じ割合(モンモリロナイト:10g、ナイロン6:100g)で
混練した試料(試料番号:C4)およびナイロン6のみ
(試料番号:C5)を上記と同様に成形して、同様に引張
り試験および熱変形温度測定を行った。得られた結果
を、第2表に併せて示す。
第1表および第2表から明らかなように、本発明にか
かる本実施例の複合材料は、比較用材料に比べて機械的
強度および耐熱性に優れた材料であることが分かる。
すなわち、本実施例により得られた複合材料は、複合
体の機械的強度および耐熱性を向上させ、通常のナイロ
ン(比較例:C5)以上の強度および耐熱性が得られてい
ることが分かる。
また、比較例C1〜C3のように膨潤化剤のかわりに、Na
+やMg2+、NH3 +(CH217CH3を用いたものは、粘土層が
本実施例のように大きな層間距離をもって分散されたも
のではないので、引張り強さがマトリックスとしての樹
脂(ナイロン6)の強度以下となることが確認された。
これにより、本実施例では、引張り強度や弾性率など
の機械的性質や、軟化温度や高温強度などの耐熱特性に
優れた複合材料が得られ、しかもこの複合材料は、機械
的強度および耐熱性を従来のナイロンよりも格段に向上
させることができたことが分かる。
(実施例2) 中国産バーミキュライト(陽イオン交換容量:180ミリ
当量/100g)を、鋼製のボールを用いた振動ボールミル
で粉砕後、これを前記実施例1と同様の方法で12−アミ
ノドデカン酸イオン(NH3 +(CH211COOH)を膨潤化剤
としてイオン吸着させた。このバーミキュライト粉末25
gにアジピン酸のヘキサメチレンジアミン塩(6.6塩)20
0gを混合して、これを窒素(N2)気流中230℃で5時間
処理して、本発明にかかる本実施例の複合材料を得た。
得られた複合材料は、通常のX線回折法では層間距離
に対応するピークは観測されず(層間距離は100Å以
上)、バーミキュライト層が均一に分散していることが
確認された。
(実施例3) 群馬県産モンモリロナイト(陽イオン交換容量:80ミ
リ当量/100g)粉末を、前記実施例1と同様の方法で12
−アミノドデカン酸イオン(NH3 +(CH211COOH)を膨
潤化剤としてイオン吸着させた。この粉末50gに12−ア
ミノドデカン酸イオン(NH3 +(CH211COOH)50gを混合
後、窒素(N2)気流中240℃で10時間加熱処理して、本
発明にかかる本実施例の複合材料を得た。得られた複合
材料の層間距離を前記実施例2と同様にして確認したと
ころ、100Å以上であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉山 繁利 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1 株式会社豊田中央研究所内 審判の合議体 審判長 鳴井 義夫 審判官 近藤 兼敏 審判官 川上 美秀 (56)参考文献 特開 昭51−109998(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリアミドを含む樹脂と、該樹脂中に均一
    にかつ分子レベルの厚さの単位で分散させた珪酸塩層と
    からなる複合材料であって、 該珪酸塩層は厚さが7〜12Åで、珪酸塩層間の距離が10
    0Å以上であり、かつ前記珪酸塩層が前記ポリアミドの
    高分子鎖の一部とイオン結合してなり、珪酸塩層の含有
    量が樹脂100重量部に対して0.5〜150重量部であり、 前記複合材料は、陽イオン交換容量が50〜200ミリ当量/
    100gの粘土鉱物と、アルミニウムイオン,水素イオン,
    銅イオンの一種以上の無機陽イオンまたは炭素数が12以
    上のアルキレン基とカルボシキル基とを有する有機陽イ
    オンからなる膨潤化剤とを接触させて得た複合体を用い
    て得た複合材料であって、 機械的強度および耐熱性に優れていることを特徴とする
    複合材料。
  2. 【請求項2】珪酸塩層の含有量が、樹脂100重量部に対
    して0.5〜25重量部であることを特徴とする特許請求の
    範囲第(1)項記載の複合材料。
  3. 【請求項3】珪酸塩層は、負電荷を有し、樹脂中のポリ
    アミドの一部が持つ正電荷を有する基とイオン結合を形
    成してなり、前記負電荷1価当りの面積が25〜200Å
    であることを特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載
    の複合材料。
  4. 【請求項4】珪酸塩層の含有量が、樹脂100重量部に対
    して0.5〜10重量部であることを特徴とする特許請求の
    範囲第(2)項記載の複合材料。
  5. 【請求項5】珪酸塩層が、珪酸アルミニウム質フィロ珪
    酸塩または珪酸マグネシウム質フィロ珪酸塩であること
    を特徴とする特許請求の範囲第(1)項記載の複合材
    料。
  6. 【請求項6】樹脂中のポリアミドが、一部に陽イオン基
    (−NX+基)を有し、Xが水素(H)、メチル((CH3
    )、銅(Cu),アルミニウム(Al)の一種または二種
    以上の元素であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の複合材料。
  7. 【請求項7】樹脂中のポリアミドが、一部に陽イオン基
    (−R+基)を有し、R+基がアンモニウムイオン(−N
    H3 +)基またはトリメチルアンモニウムイオン(−N+(C
    H3)基であることを特徴とする特許請求の範囲第
    (1)項記載の複合材料。
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