JPH08238088A - 高温下で高活性を有するリパーゼ - Google Patents

高温下で高活性を有するリパーゼ

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JPH08238088A
JPH08238088A JP7045803A JP4580395A JPH08238088A JP H08238088 A JPH08238088 A JP H08238088A JP 7045803 A JP7045803 A JP 7045803A JP 4580395 A JP4580395 A JP 4580395A JP H08238088 A JPH08238088 A JP H08238088A
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lipase
pseudomonas
optimum
temperature
strain
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Takashi Kozuka
隆司 小塚
Kazumi Tanaka
計実 田中
Kazunori Sakimoto
和範 崎元
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    • C12N9/16—Hydrolases (3) acting on ester bonds (3.1)
    • C12N9/18—Carboxylic ester hydrolases (3.1.1)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 EDTAの有無に関わらず高温下で高活性を
有する新規リパーゼ、該リパーゼを生産する微生物、及
び該リパーゼの製造方法。 【効果】 高温下で十分な脂質の加水分解活性を有する
ため、医薬、食品加工、化粧品製造、洗剤配合、汚水処
理、油脂分解、ピッチコントロール等、広く工業的に利
用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規な耐熱性リパーゼお
よびそれを生産する微生物および製造方法に関する。さ
らに詳しく言えば、シュードモナス・ソラナセアルム
(Pseudomonassolanacearum )に属する細菌の生産する
耐熱性リパーゼおよびそれを生産する微生物およびその
リパーゼの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リパーゼは、トリグリセリドを加水分解
する酵素の総称であり、従来動物臓器、微生物などから
抽出、製造されている。リパーゼは、乳製品のフレーバ
ー形成のための食品加工用酵素、消化剤としての医療用
酵素、血中脂質測定のための診断用酵素、油脂の加水分
解や改質のための工業用酵素等広範囲に使用されてい
る。それぞれの用途に応じてリパーゼに要求される特性
も多岐にわたるが、耐熱性リパーゼの応用範囲は広くさ
まざまな用途に求められている。
【0003】食品加工用においては、食品衛生上の観点
から、雑菌汚染の危険性の少ない高温での酵素反応が望
まれている。また、油脂分解においてもリパーゼの応用
が考えられている。油脂の加水分解は洗剤、化粧品、界
面活性剤等の油化学工業製品の原料である脂肪酸および
グリセリンを提供するプロセスである。現在では250〜2
60 ℃、50〜55気圧の水蒸気に油脂を接触させるコルゲ
ート・エメリー法が主に行われているが、この方法は重
設備を要し中小規模の石鹸製造等には不向きである。そ
こで、リパーゼによる油脂分解の試みがなされている。
しかし、多くの油脂を構成するステアリン酸、パルミチ
ン酸は常温で固体である。このため反応時に油脂を融点
以上の温度で反応させなければならない。したがってこ
れらの油脂分解に使用されるリパーゼは、熱安定性が高
く、しかも高温下での反応性が高いものでなければなら
ない。
【0004】更に、近年では製紙工業におけるピッチト
ラブル解消にリパーゼが使用されている(特公平4-2979
4 )。従来用いられているピッチトラブル解消の為の酵
素反応は、35℃〜55℃が至適温度である。従来酵素を用
いると70℃以上で酵素が失活するため、製紙工程におけ
る酵素反応温度の制限があり、リパーゼを添加した製紙
工程中温度コントロールを常に行わなければならない。
また、酵素に耐熱性がないことが、グラインダー処理部
分でピッチトラブル解消のためのリパーゼの使用を妨げ
ている原因の一つとなっている。
【0005】公知の耐熱性リパーゼとして、用いられて
いる市販酵素はそのほとんどが熱に対して不安定であり
実用的でない。このため特開昭62-79782には耐熱性リパ
ーゼが提案されている。しかし、この酵素は至適温度が
60〜70℃であり、温度安定性が70℃・15分の処理で残存
活性が10% 以下になるなど熱安定性が不十分であり、さ
らにこの酵素はトリアセチンやトリブチリンにほとんど
作用しないため、用途が食品加工に限られていた。ま
た、リゾプス(Rhizopus)属由来の耐熱性リパーゼの記
載があるが(特開昭59-156282 )この酵素の至適温度は
60℃であり、高温での反応性が十分ではない。また、シ
ュードモナス・メフィティカ・ヴァリュタス・リポリテ
ィカ(Pseudomonas mephitica var.lipolytica)が生産
する、至適温度が70℃で、60℃・14時間の熱処理におい
ても失活を起こさないリパーゼ(特公昭50-25553)やシ
ュードモナス・フラジ(Pseudomonas fraji )の生産す
る至適温度が75〜80℃で、70℃・20分の熱処理によって
95%の活性を保持するリパーゼ(Agric.Biol.Chem. 41,
1353-1358 (1977))が報告されている。しかし、これら
の酵素も至適温度が80℃を超えるものではなく、また熱
安定性も、80℃・1hr処理ではある程度の活性の低下が
認められ、耐熱性において十分満足するものとはいえな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これまで述べた通り、
公知のリパーゼの熱安定性あるいは高温でのリパーゼの
反応性が充分ではないため、食品加工や工業用あるいは
製紙工程等に実用的にリパーゼを使用する機会がせま
く、またリパーゼを用いる工程での温度条件が制限され
る等のデメリットがあった。本発明は、高度の耐熱性を
有するリパーゼを提供しようとするものである。また、
該耐熱性リパーゼを製造する方法及び該耐熱性リパーゼ
生産菌を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱安定性
および高温反応性の高いリパーゼを得るべく、多数の微
生物を分離、培養して検索した結果、千葉県下の土壌よ
り分離した菌株であるシュードモナス・ソラナセアルム
(Pseudomonas solanacearum )SD709 株(FERM P-1478
6)に代表される菌株が、新規な耐熱性リパーゼを生産す
ることを見いだした。従来、種々の菌株により産生され
たリパーゼが知られているが、シュードモナス・ソラナ
セアルム(Pseudomonas solanacearum )に由来する、
耐熱性リパーゼは知られていない。本発明者らは、この
新規な耐熱性リパーゼが高温での脂質の加水分解に極め
て有効であることを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。
【0008】すなわち本発明は以下のものを提供するも
のである。 1)トリオレインエマルジョンを基質とし、30〜100 ℃
の範囲で測定した場合の作用温度が30〜100 ℃、至適温
度が85〜100 ℃であるリパーゼであり、好ましくは下記
の性質を有するリパーゼ (1)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質とし、pH4 〜12の範囲
で測定した場合の作用pHが4 〜12、至適pHが6.5 〜
9.5 である。 (2)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
した分子量が32,000±2,000 である。
【0009】2)トリオレインエマルジョンを基質と
し、5mM EDTA存在下30〜100 ℃の範囲で測定した場合の
作用温度が30〜100 ℃、至適温度が80〜90℃であるリパ
ーゼであり、好ましくは下記の性質を有するリパーゼ (1)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質とし、pH4 〜12の範囲
で測定した場合の作用pHが4 〜12、至適pHが6.5 〜
9.5 である。 (2)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
した分子量が32,000±2,000 である。
【0010】3)シュードモナス(Pseudomonas) 属に属
する細菌の培養液より得られる前記1)もしくは2)記
載のリパーゼであり、好ましくはシュードモナス(Pseud
omonas) 属に属する細菌がシュードモナス・ソラナセア
ルム(Pseudomonas solanacearum )であるリパーゼ。 4)シュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomonas s
olanacearum )SD709 株(FERM P-14786)の培養物より得
ることの出来る前記1)もしくは2)記載のリパーゼ。
【0011】5)前記1)もしくは2)記載のリパーゼ
を生産するシュードモナス(Pseudomonas) 属に属する細
菌であり、好ましくはシュードモナス・ソラナセアルム
(Pseudomonas solanacearum )、より好ましくはシュ
ードモナス・ソラナセアルム(Pseudomonas solanacea
rum )SD709 株(FERM P-14786)もしくはそれと菌学的に
同等な菌株またはそれらの変異株。 6)前記5)記載の細菌を培養し、培養液より前記1)
もしくは2)記載のリパーゼを製造する方法。
【0012】(生産菌)本発明のリパーゼを製造するた
めに使用する微生物は、後記の性質を有するリパーゼを
生産することが出来る細菌であれば特に限定されない。
この様な細菌は、保存菌株中から、または自然界から新
たに分離した微生物中から選択することが出来、好まし
くはシュードモナス(Pseudomonas )属細菌、より好ま
しくはシュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomonas
solanacearum )に属する細菌である。さらにより好ま
しくは、シュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomona
ssolanacearum )SD709 株と菌学的に同等な菌株であ
る。なお、この明細書において菌学的に同等な菌株とは
菌学的性質がほとんど一致する菌株を指す。またこれら
の細菌の自然または人工変異株であっても、後記の性質
を有するリパーゼの生産能を有する限り、当然包含され
るものである。
【0013】本発明の新規なリパーゼを生産する菌株の
一例として、本発明者らが千葉県下の土より分離したSD
709 株が挙げられる。このSD709 株は下記の性質を有す
る。 (1)形態:桿菌 (2)グラム染色性:陰性 (3)芽胞:なし (4)運動性:あり (5)鞭毛:極多毛 (6)オキシダーゼ:陽性 (7)カタラーゼ:陽性 (8)OFテスト:O (9)蛍光色素の産生:なし (10)水溶性色素の産生:あり (11)プロトカテキン酸の開裂:オルソ型 (12)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 (13)41℃での生育:不可 (14)脱窒反応:陽性 (15)ゼラチン液化:陽性 (16)デンプン分解:陰性 (17)PHB の蓄積:あり (18)資化性 グルコース :+ D-キシロース :− D-リボース :+ L-ラムノース :− レブリン酸塩 :+ シトラコン酸塩 :+ メサコン酸塩 :− アドニトール :− 2.3-ブチレングリコール:− m-ヒドロキシ安息香酸 :− トリプタミン :− シュークロース :+ カプリル酸塩 :+ L(+)- 酒石酸 :+ (19)キノン系:Q-8
【0014】上記の菌学的性質を有する本菌の分類学上
の性質をバージーズ・マニュアル・オブ・システマチッ
ク・バクテリオロジー(Bergey's Mannual of Systemat
ic Bacteriology, 1984 )を参考にして他の菌株と比較
した結果、本菌株はシュードモナス・ソラナセアルム
(Pseudomonas solanacearum )と同定された。本菌株
は工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM P-14786と
して寄託されている。
【0015】また、上記菌株を原菌株として自然または
誘発突然変異により、上記菌株が生産する後記の性質を
有するリパーゼを生産する変異株を得ることが出来、本
発明によるリパーゼ生産菌として用いることが出来る。
これらの変異株を調製する慣用の方法としては、例えば
原菌株を紫外線照射あるいはN−メチル−N’−ニトロ
−N−ニトロソグアニジン(NTG)等の薬剤による人
工的突然変異処理を施して、オリーブオイル等の油を含
む寒天培地に広げ、生育してくる菌株の中からコロニー
のまわりに形成されるクリアゾーンが、より大きいコロ
ニーを選抜し、リパーゼ生産培地にて培養して生産性の
優れた菌株を選抜する方法がある。
【0016】(製造方法)本発明のリパーゼは本リパー
ゼ生産菌を培養することで主として培養液中に得られ
る。培地の栄養源としては、通常培養に用いられている
ものが広く利用できる。炭素源としては同化できる炭素
化合物またはこれを含有するものであればよく、例えば
グルコース、油脂、コーンスティープリカー、Tween 系
界面活性剤などが用いられる。窒素源としては同化可能
な窒素化合物またはこれを含有するものであればよく、
例えばアンモニウム塩、硝酸塩、大豆粉、肉エキス、コ
ーンスティープリカー、ファーマメディアなどが用いら
れる。また、無機塩類としてはリン酸塩、マグネシウム
塩、カルシウム塩、マンガン塩などの塩類が適宜使用さ
れる。
【0017】培養条件は培地組成により多少異なるが、
生産の目的である本リパーゼの生産に適した条件を選択
する。通常は、培養温度は10〜35℃、好ましくは20〜30
℃の範囲であり、培養時間は8 時間〜100 時間程度であ
り、本リパーゼの生産が最高に達したときに培養を終了
すればよい。培地のpHは7 〜10が本リパーゼ生産に好
適である。この様な培養により、目的とするリパーゼは
主として菌体外(培養液中)に得られる。
【0018】(分離精製法)この様にして得られた培養
液からの本リパーゼの採取は、リパーゼを採取するため
の常法にしたがって分離、精製することにより行うこと
が出来る。すなわち、培養液からろ過法や遠心分離法な
どの公知の適当な方法により菌体や培地固形物を分離し
て得られる上清液またはろ液を分離し、これらの分離液
を濃縮しまたは濃縮することなく、可溶性塩類を添加し
て酵素を沈澱させる塩析法、親水性有機溶剤を添加し酵
素あるいは夾雑物を沈澱させる有機溶剤沈澱法、イオン
交換樹脂等を用いた吸着脱離法、ゲルろ過法、安定補助
剤を加えてまたは安定補助剤なしに噴霧乾燥する方法、
凍結乾燥法、等の分離もしくは精製手段を単独または複
数組み合わせて用いることにより、本リパーゼを得るこ
とができる。
【0019】(酵素力価の測定方法)リパーゼ活性の測
定は、本発明においてはトリオレイン−ポリビニルアル
コール(PVA )エマルジョンを基質とする測定法を用い
て実施した。本法による力価測定法は具体的には以下の
通りである。酵素液0.1ml 、200mM トリス緩衝液(pH9.
0 )0.4ml 、およびトリオレインエマルジョン0.5ml か
らなる混合液を共栓付き試験管中で37℃にて10分間加熱
して反応させ、反応停止液として1N塩酸0.2ml を用いて
反応を停止させた。ここで、トリオレインエマルジョン
としては、ポリビニルアルコール(PVA )2%水溶液(ポ
バールPVA117((株)クラレ商品名):ポバールPVA205
((株)クラレ商品名)=9:1 )10mlに2.5gのトリオレ
インを加え、氷冷しながら18000rpm、10分間ホモジナイ
ズしたものを用いた。反応停止後、n-ヘキサン2ml 、イ
ソプロピルアルコール2ml 、蒸留水1ml を加え激しく撹
はんし、静置後ヘキサン層をサンプリングし、TLC−
FID法(Minagawaら、Lipids,18,732,1983)にてオレ
イン酸を定量した。活性の単位は1 分間に1 マイクロモ
ルのオレイン酸を生成する酵素量をユニットと(U)と
した。
【0020】(酵素の性質)本発明に属するリパーゼの
一例として、前記のシュードモナス・ソラナセアルム
(Pseudomonas solanacearum )SD709 株の生産するリ
パーゼについて、その性質を記載する。 (1)作用 グリセリドに作用し、そのエステルを加水分解する。
【0021】(2)基質特異性 各種グリセリド、エステルなどを広範囲にわたり加水分
解する。グリセリド基質としては、各グリセリド−PVA
エマルジョンを用い、前記力価測定法により相対活性を
測定した。トリオレインの分解力を100 とするとトリブ
チリン180 、オリーブ油75、大豆油90、綿実油74の相対
活性を示した。またエステルに対する分解力は、p-ニト
ロフェニル脂肪酸エステルを基質とし、pH8.0 、30℃で
の加水分解反応により生じるp-ニトロフェノールの比色
(OD405 )より求めた。pNPP(p-ニトロフェニル
パルミテート)の分解力を100 とした場合、pNPL
(p-ニトロフェニルラウレート)170 、pNPV(p-ニ
トロフェニルバレレート)60の相対活性を示した。
【0022】(3)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質として、前記の力価測
定法により測定した。反応時のpHは、4 〜12の範囲で
異なるpHにおいて測定した。ただし緩衝液として、10
0mM ε- アミノカプロン酸、100mM ビストリス(Bis
(2-hydroxyethyl)iminotris(hydroxymethyl)methan
e)、100mM TAPS(N-Tris(hydroxymethyl)methyl
-3-aminopropanesulfonic acid )混合緩衝液を塩酸ま
たは水酸化ナトリウムでpH調整したものを用いた。反
応pHと相対活性の関係は図1に示すとおりであり、pH
4 〜12の範囲で測定した場合の作用pHは4 〜12であ
り、至適pHは6.5 〜9.5 である。
【0023】(4)pH安定性 pH4 〜12のpH範囲の異なるpHで37℃にて1 時間処理
した後の残存活性を前記の力価測定法で測定した。この
時の処理pHと残存活性の関係は図2に示すとおりであ
り、pH4 〜pH11で50% 以上の残存活性を有する。ただ
し、処理時の緩衝液は以下のものを使用した(pH4 〜5
酢酸−酢酸ナトリウム;pH6 〜7 リン酸;pH8 〜9
トリス−塩酸;pH10〜12 グリシン−水酸化ナトリウ
ム)。
【0024】(5)作用温度および至適温度 トリオレインエマルジョンを基質として、30〜100 ℃の
範囲の異なる反応温度にて行うこと以外は、前記の力価
測定法と同様の方法により測定した。反応温度と相対活
性の関係は図3に示すとおりであり、30〜100 ℃の範囲
で測定した場合の作用温度は30〜100 ℃、至適温度は85
〜100 ℃である。また、5mM EDTA( エチレンジアミン四
酢酸)存在下、トリオレインエマルジョンを基質とし
て、30〜100 ℃の範囲の異なる反応温度にて行うこと以
外は、前記の力価測定法と同様の方法により測定した結
果、反応温度と相対活性の関係は図5に示すとおりであ
り、30〜100 ℃の範囲で測定した場合の作用温度は30〜
100℃、至適温度は80〜90℃である。
【0025】(6)温度安定性 30℃〜100 ℃の温度範囲の異なる温度でpH7 にて1 時間
保温処理した後の残存活性を、前記の力価測定法で測定
した。この時の処理温度と残存活性の関係は図4に示す
とおりであり、80℃の処理でも100%の残存活性を示し
た。 (7)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により得ら
れた分子量は32,000±2,000 である。
【0026】(8)等電点ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法により得られた等電点は、8.8±0.5であ
る。
【0027】
【実施例】次に本発明を実施例を挙げて説明するが、本
発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0028】<実施例1>リパーゼ生産菌(SD709 株)
の培養 大豆粉2%、グルコース1%、リン酸水素二アンモニウム0.
1%、リン酸水素二カリウム0.5%、硫酸マグネシウム・7
水和物0.1%、炭酸ナトリウム0.3%の濃度の液体培地2ml
を18mm径の試験管にとり、121 ℃、20分間高圧蒸気滅菌
した後、シュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomona
s solanacearum)SD709 株を1白金耳接種し、30℃で24
時間、130rpmで培養した。培養後、遠心分離により菌体
を除去しリパーゼ液を得た。この液のリパーゼ活性は5U
/ml であった。
【0029】<実施例2>リパーゼ生産菌(SD709 株)
の培養およびリパーゼの取得 大豆粉2%、リン酸水素二アンモニウム0.1%、リン酸水素
二カリウム0.5%、硫酸マグネシウム・7 水和物0.1%、炭
酸ナトリウム0.3%、Tween85 1%の濃度の液体培地2 リッ
トルを5 リットル培養槽にとり、121 ℃、20分間高圧蒸
気滅菌した後、シュードモナス・ソラナセアルム(Pseu
domonas solanacearum)SD709 株を接種し、30℃で24時
間、1,000rpmで通気撹拌培養した。培養後、遠心分離に
より菌体を除去しリパーゼ液を得た。この液のリパーゼ
活性は20U/mlであった。このようにして得られたリパー
ゼ液から硫安沈澱法にて20〜30%画分の沈澱を得た。こ
れを常法により脱塩後、凍結乾燥によりリパーゼ原末を
得た。
【0030】<実施例3>リパーゼの精製 実施例2で得られたリパーゼ原末を10mMトリス−塩酸緩
衝液(pH7 )に溶解させ、10% 飽和硫酸アンモニウムを
含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7 )にて透析した後、
Butyl-Toyopearl 650M(東ソー(株)商品名)での疎水
クロマトグラフィーを行い活性画分を得た。この活性画
分を0.3mM の塩化カルシウム・2 水和物を含む10mMトリ
ス−塩酸緩衝液(pH8 )にて透析後、同緩衝液で平衡化
したDEAE-Cellulofine A-800(生化学工業(株)商品
名)でのイオン交換クロマト樹脂に吸着させ、塩化ナト
リウム溶液にて溶出し活性画分を得た。これを脱塩後凍
結乾燥により精製酵素を得た。この凍結乾燥品はポリア
クリルアミドゲル電気泳動法により単一であることが確
認された。
【0031】<実施例4>高温、EDTA存在下での活
性 実施例2で得られたリパーゼ原末を用いて、EDTA
(エチレンジアミン四酢酸)存在下・非存在下での活性
を、トリオレインエマルジョンを基質として30〜100 ℃
の範囲の異なる反応温度にて行った。EDTA非存在系
は、30℃〜100℃の範囲の異なる反応温度にて行う
こと以外は、前記の力価測定法と同様の方法で測定し
た。EDTA存在系は、5mMとなるようにEDTAを
添加したこと以外はEDTA非存在系と同様に測定し
た。EDTA非存在下、80℃における活性を100と
したときの相対活性と反応温度との関係を図5に示し
た。この図より、本発明リパーゼはEDTA存在下(カ
ルシウムイオン非存在下)でも作用温度が30〜100 ℃、
至適温度が80〜90℃であり、高温下で十分活性を有する
ことが認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明のリパーゼは高い熱安定性を有す
るため、高温での脂質の加水分解中十分にその活性を発
揮することが可能であり、工業的にきわめて有用な用途
を提供する。したがって本発明のリパーゼは、医薬、食
品加工、化粧品製造、洗剤配合、汚水処理、油脂分解、
ピッチコントロール等に広く利用されうる。本発明のリ
パーゼ製造方法により、本発明のリパーゼを効率良く取
得出来る。また本発明のリパーゼ生産菌は本発明のリパ
ーゼ製造方法に使用出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】SD709 株の生産するリパーゼの反応pHと相対活
性との関係を示すグラフである。
【図2】SD709 株の生産するリパーゼを種々のpHにて37
℃で1 時間保持した場合の残存活性を示すグラフであ
る。
【図3】SD709 株の生産するリパーゼの反応温度と相対
活性との関係を示すグラフである。
【図4】SD709 株の生産するリパーゼを種々の温度にて
pH7 で1 時間処理した場合の残存活性を示すグラフであ
る。
【図5】SD709 株の生産するリパーゼの、EDTA存在
・非存在下での反応温度と相対活性との関係を示すグラ
フである。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【書類名】 受託番号変更届
【提出日】 平成8年1月9日
【旧寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所
【旧受託番号】 微工研菌寄第P−14786
号
【新寄託機関の名称】 通商産業省工業技術院生命工
学工業技術研究所
【新受託番号】 FERM BP−5358
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:38)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリオレインエマルジョンを基質とし、
    30〜100 ℃の範囲で測定した場合の作用温度が30〜100
    ℃、至適温度が85〜100 ℃であるリパーゼ。
  2. 【請求項2】 トリオレインエマルジョンを基質とし、
    5mM EDTA存在下30〜100 ℃の範囲で測定した場合の作用
    温度が30〜100 ℃、至適温度が80〜90℃であるリパー
    ゼ。
  3. 【請求項3】 下記の性質を有する請求項1記載のリパ
    ーゼ (1)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質とし、pH4 〜12の範囲
    で測定した場合の作用pHが4 〜12、至適pHが6.5 〜
    9.5 である。 (2)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
    した分子量が32,000±2,000 である。
  4. 【請求項4】 下記の性質を有する請求項2記載のリパ
    ーゼ (1)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質とし、pH4 〜12の範囲
    で測定した場合の作用pHが4 〜12、至適pHが6.5 〜
    9.5 である。 (2)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
    した分子量が32,000±2,000 である。
  5. 【請求項5】 下記の性質を有する請求項1もしくは2
    記載のリパーゼ (1)作用pHおよび至適pH トリオレインエマルジョンを基質とし、pH4 〜12の範囲
    で測定した場合の作用pHが4 〜12、至適pHが6.5 〜
    9.5 である。 (2)分子量 SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法により測定
    した分子量が32,000±2,000 である。
  6. 【請求項6】 シュードモナス(Pseudomonas) 属に属す
    る細菌の培養液より得られる請求項1ないし5記載のリ
    パーゼ。
  7. 【請求項7】 シュードモナス(Pseudomonas) 属に属す
    る細菌がシュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomona
    s solanacearum )細菌である請求項6記載のリパー
    ゼ。
  8. 【請求項8】 シュードモナス・ソラナセアルム(Pseu
    domonas solanacearum )SD709 株(FERM P-14786)の培
    養物より得ることの出来る請求項1ないし5記載のリパ
    ーゼ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし5記載のリパーゼを生産
    するシュードモナス(Pseudomonas) 属に属する細菌。
  10. 【請求項10】 シュードモナス(Pseudomonas) 属に属
    する細菌がシュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomo
    nas solanacearum )である請求項9記載の細菌。
  11. 【請求項11】 シュードモナス(Pseudomonas) 属に属
    する細菌がシュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomo
    nas solanacearum )SD709 株(FERM P-14786)もしくは
    それと菌学的に同等な菌株またはそれらの変異株である
    請求項9記載の細菌。
  12. 【請求項12】 請求項9ないし11記載の細菌を培養
    し、培養液より請求項1ないし5記載のリパーゼを製造
    する方法。
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