JPH0824043B2 - 非水電解質二次電池とその正極活物質の製造法 - Google Patents
非水電解質二次電池とその正極活物質の製造法Info
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- JPH0824043B2 JPH0824043B2 JP63291161A JP29116188A JPH0824043B2 JP H0824043 B2 JPH0824043 B2 JP H0824043B2 JP 63291161 A JP63291161 A JP 63291161A JP 29116188 A JP29116188 A JP 29116188A JP H0824043 B2 JPH0824043 B2 JP H0824043B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、非水電解質二次電池、特に、その正極の改
良に関する。
良に関する。
従来の技術 リチウムまたはリチウム合金を負極とする非水電解質
二次電池の正極活物質については、これまで、Ti,V,Cr,
Mo等の層状もしくはトンネル構造を有する酸化物及びカ
ルコゲン化合物が知られている。これらの構造を有する
化合物では、電池の充放電により、リチウムイオンが化
合物の層もしくはトンネル内へ出入りする。このため、
化合物自体の結晶格子は単に膨張,収縮するのみで、結
晶構造が著しく破壊されることがないため、二次電池用
正極活物質に適する。
二次電池の正極活物質については、これまで、Ti,V,Cr,
Mo等の層状もしくはトンネル構造を有する酸化物及びカ
ルコゲン化合物が知られている。これらの構造を有する
化合物では、電池の充放電により、リチウムイオンが化
合物の層もしくはトンネル内へ出入りする。このため、
化合物自体の結晶格子は単に膨張,収縮するのみで、結
晶構造が著しく破壊されることがないため、二次電池用
正極活物質に適する。
ところで、MnO2は、高い電圧,大きい放電容量、すな
わち、高エネルギー密度を有する正極活物質として非水
電解質一次電池に適用され、小型電子機器用電源をはじ
めとし広く利用されている。
わち、高エネルギー密度を有する正極活物質として非水
電解質一次電池に適用され、小型電子機器用電源をはじ
めとし広く利用されている。
MnO2はルチル型の結晶構造であり、上述のトンネル構
造を有する。電池の放電にともない、リチウムイオンが
このトンネル内に侵入,移動し、いわゆる挿入反応が起
きる。この放電過程では、MnO2の結晶格子は膨張するが
結晶構造そのものの破壊はない。したがって、、放電過
程でMnO2内に侵入したリチウムイオンはMnO2内を容易に
移動できる状態にある。にもかかわらず、充電により、
リチウムイオンをMnO2内からとり出すことが困難であ
る。これは、放電にともなうMnO2粒子自体の電子伝導性
の低下と、充電の際のMnO2粒子の収縮によるMnO2粒子と
カーボンブラック等の導電剤粒子の分離による集電不良
である。特に、MnO2粒子と導電剤粒子の分離は、放電過
程で生成したLiXMnO2が絶縁体に近いため、充電過程で
のリチウムイオンの放出を一層困難にする。したがっ
て、MnO2を二次電池に用いた場合、充放電サイクルによ
る充放電容量を減少が著しく、寿命が短いため、MnO2は
二次電池用正極活物質には不向きである。
造を有する。電池の放電にともない、リチウムイオンが
このトンネル内に侵入,移動し、いわゆる挿入反応が起
きる。この放電過程では、MnO2の結晶格子は膨張するが
結晶構造そのものの破壊はない。したがって、、放電過
程でMnO2内に侵入したリチウムイオンはMnO2内を容易に
移動できる状態にある。にもかかわらず、充電により、
リチウムイオンをMnO2内からとり出すことが困難であ
る。これは、放電にともなうMnO2粒子自体の電子伝導性
の低下と、充電の際のMnO2粒子の収縮によるMnO2粒子と
カーボンブラック等の導電剤粒子の分離による集電不良
である。特に、MnO2粒子と導電剤粒子の分離は、放電過
程で生成したLiXMnO2が絶縁体に近いため、充電過程で
のリチウムイオンの放出を一層困難にする。したがっ
て、MnO2を二次電池に用いた場合、充放電サイクルによ
る充放電容量を減少が著しく、寿命が短いため、MnO2は
二次電池用正極活物質には不向きである。
以上のようなMnO2の充放電サイクルでの容量減少を防
止するためMnO2にあらかじめLiを添加,加熱し、充放電
過程での結晶格子の膨張,収縮の度合がMnO2に比べ小さ
い、スピネル型の結晶構造を有するLiMn2O4を正極の活
物質に用いることが提案されており、特に、放電容量の
点から、低温で加熱することにより得たLiMn2O4が好ま
しいとされている(英国公開公報GB2196785A)。この低
温でのLiMn2O4の製造法は概ね次のようである。Li2CO3
とMnO2、混合し、430℃〜520℃の温度範囲で加熱する
が、または、LiIとMnO2の混合物を300℃で加熱後、有機
溶媒で洗浄することによりLiMn2O4を得る。
止するためMnO2にあらかじめLiを添加,加熱し、充放電
過程での結晶格子の膨張,収縮の度合がMnO2に比べ小さ
い、スピネル型の結晶構造を有するLiMn2O4を正極の活
物質に用いることが提案されており、特に、放電容量の
点から、低温で加熱することにより得たLiMn2O4が好ま
しいとされている(英国公開公報GB2196785A)。この低
温でのLiMn2O4の製造法は概ね次のようである。Li2CO3
とMnO2、混合し、430℃〜520℃の温度範囲で加熱する
が、または、LiIとMnO2の混合物を300℃で加熱後、有機
溶媒で洗浄することによりLiMn2O4を得る。
発明が解決しようとする課題 しかし、このような製造法によって得たLiMn2O4を正
極活物質として用い、リチウムまたはリチウム合金を負
極に用いた電池を組み立て、充放電サイクルをくり返し
た場合、リチウム負極と腐食が著しく、サイクル寿命が
短いという問題点があった。これは次の理由による。
極活物質として用い、リチウムまたはリチウム合金を負
極に用いた電池を組み立て、充放電サイクルをくり返し
た場合、リチウム負極と腐食が著しく、サイクル寿命が
短いという問題点があった。これは次の理由による。
Li2CO3とMnO2を混合,加熱してLiMn2O4を得る場合、L
i2CO3の融点は618℃であるため、Li2CO3がMnO2と十分に
反応できる状態になるためにはこの融点近傍まで加熱す
る必要がある。しかし、MnO2はこのような温度ではβ型
の構造に移転するか、または、Liとの反応が著しく不活
性なMn2O3に変化する。β型のMnO2はLiがMnO2内に拡散
可能なトンネル構造を有するが、Liは十分にMnO2内に取
り込むことができない。これは、β型MnO2を正極活物質
に用いる非水電解質一次電池の充電容量が極端に小さい
ということからもうかがえる。したがって、Li2CO3とMn
O2からLiMn2O4を調製する場合、MnO2粒子表面に過剰なL
iが堆積した電気化学的に不活性なLi2MnO3が形成される
一方、Li2CO3粒子とMnO2粒子が接触していなかったMnO2
粒子表面上は依然としてMnO2として残る。すなわち、Li
2CO3とMnO2の反応では、同一粒子上にLi2MnO3とMnO2が
混在したものが生成しやすい。Li2MnO3やMnO2は電解質
中に含まれる微量の水分により若干溶出するため、リチ
ウムまたはリチウム合金負極に到達し、この結果、負極
表面上でリチウム・マンガン酸化物が形成されることに
より、リチウム負極が腐食するため、サイクル寿命が短
くなるのである。さらに、MnO2は上述したように、充放
電サイクルでの容量減少がが大きいことから、Li2CO3と
MnO2の反応によって得たLiMn2O4を用いても、なお、充
放電容量の減少が見られる。このような、同一粒子上に
LiMn2O4とMnO2が混在したLiMn2O4の生成を回避するため
には、英国公開公報GB2196785Aの実施例1に開示されて
いるように、Li/Mn原子比を、LiMn2O4の組成より与えら
れる値、すなわち、0.5よりも十分大きい0.7の比率でLi
2CO3とMnO2を混合する必要がある。この理由は明らかで
はないが、Li2CO3をMnO2に比べ過剰に加えることで、加
熱時のLiのMnO2内への拡散をMnO2粒子表面全体から行う
ことになり、LiMn2O4の形成が容易になると考えられ
る。しかし、材料調製のコスト面から見て、余分の試薬
を使用することは不利であり、材料の組成式に従う試薬
量またはその近傍で、材料調製を行うことが最も望まし
い。
i2CO3の融点は618℃であるため、Li2CO3がMnO2と十分に
反応できる状態になるためにはこの融点近傍まで加熱す
る必要がある。しかし、MnO2はこのような温度ではβ型
の構造に移転するか、または、Liとの反応が著しく不活
性なMn2O3に変化する。β型のMnO2はLiがMnO2内に拡散
可能なトンネル構造を有するが、Liは十分にMnO2内に取
り込むことができない。これは、β型MnO2を正極活物質
に用いる非水電解質一次電池の充電容量が極端に小さい
ということからもうかがえる。したがって、Li2CO3とMn
O2からLiMn2O4を調製する場合、MnO2粒子表面に過剰なL
iが堆積した電気化学的に不活性なLi2MnO3が形成される
一方、Li2CO3粒子とMnO2粒子が接触していなかったMnO2
粒子表面上は依然としてMnO2として残る。すなわち、Li
2CO3とMnO2の反応では、同一粒子上にLi2MnO3とMnO2が
混在したものが生成しやすい。Li2MnO3やMnO2は電解質
中に含まれる微量の水分により若干溶出するため、リチ
ウムまたはリチウム合金負極に到達し、この結果、負極
表面上でリチウム・マンガン酸化物が形成されることに
より、リチウム負極が腐食するため、サイクル寿命が短
くなるのである。さらに、MnO2は上述したように、充放
電サイクルでの容量減少がが大きいことから、Li2CO3と
MnO2の反応によって得たLiMn2O4を用いても、なお、充
放電容量の減少が見られる。このような、同一粒子上に
LiMn2O4とMnO2が混在したLiMn2O4の生成を回避するため
には、英国公開公報GB2196785Aの実施例1に開示されて
いるように、Li/Mn原子比を、LiMn2O4の組成より与えら
れる値、すなわち、0.5よりも十分大きい0.7の比率でLi
2CO3とMnO2を混合する必要がある。この理由は明らかで
はないが、Li2CO3をMnO2に比べ過剰に加えることで、加
熱時のLiのMnO2内への拡散をMnO2粒子表面全体から行う
ことになり、LiMn2O4の形成が容易になると考えられ
る。しかし、材料調製のコスト面から見て、余分の試薬
を使用することは不利であり、材料の組成式に従う試薬
量またはその近傍で、材料調製を行うことが最も望まし
い。
本発明はこのような従来の欠点を除去するものであ
り、Li2MnO3やMnO2の混在が少なく、充放電サイクルを
くり返しても容量減少が小さいLiMn2O4を正極活物質に
用いることで信頼性の高い非水電解質二次電池を提供
し、さらに、このように非水電解質二次電池の正極活物
質としてすぐれた特性を示すLiMn2O4の製造法について
も提供することを目的とする。
り、Li2MnO3やMnO2の混在が少なく、充放電サイクルを
くり返しても容量減少が小さいLiMn2O4を正極活物質に
用いることで信頼性の高い非水電解質二次電池を提供
し、さらに、このように非水電解質二次電池の正極活物
質としてすぐれた特性を示すLiMn2O4の製造法について
も提供することを目的とする。
課題を解決するための手段 本発明の非水電解質二次電池は、正極活物質に結晶格
子定数aが8.22Å以下のLiMn2O4を用いることを特徴と
する。さらに、このLiMn2O4を得るため、本発明の製造
法は、リチウム酸化物,リチウム水酸化物、または、リ
チウム・マンガン酸化物と、γ型のMnO2と、必要に応じ
て、水を混練し、加熱することを特徴とし、さらに、特
性を向上するため、生成LiMn2O4をPH4以上の酸性溶液相
中で洗浄することを特徴とする。
子定数aが8.22Å以下のLiMn2O4を用いることを特徴と
する。さらに、このLiMn2O4を得るため、本発明の製造
法は、リチウム酸化物,リチウム水酸化物、または、リ
チウム・マンガン酸化物と、γ型のMnO2と、必要に応じ
て、水を混練し、加熱することを特徴とし、さらに、特
性を向上するため、生成LiMn2O4をPH4以上の酸性溶液相
中で洗浄することを特徴とする。
作用 本発明の結晶格子定数aが8.22Å以下のLiMn2O4を正
極活物質として用い、充放電によってリチウムイオンを
結晶格子内に出入りさせた場合、ASTMカード(35−78
2)に記載される結晶格子定数aが8.24762ÅのLiMn2O4
に比べ、結晶格子が収縮、すなわち、単位胞が小さくな
っているため、膨張,収縮の度合が小さい。したがっ
て、充放電過程での、カーボンブラック等の導電剤粒子
とLiMn2O4粒子との分離が小さく、極板内での集電は良
好に保たれることになり、充放電サイクルをくり返して
も充放電容量の減少は少ない。
極活物質として用い、充放電によってリチウムイオンを
結晶格子内に出入りさせた場合、ASTMカード(35−78
2)に記載される結晶格子定数aが8.24762ÅのLiMn2O4
に比べ、結晶格子が収縮、すなわち、単位胞が小さくな
っているため、膨張,収縮の度合が小さい。したがっ
て、充放電過程での、カーボンブラック等の導電剤粒子
とLiMn2O4粒子との分離が小さく、極板内での集電は良
好に保たれることになり、充放電サイクルをくり返して
も充放電容量の減少は少ない。
上記の結晶格子定数aが8.22Å以下で、しかも、LiMn
2O4やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を得るため、リチウム
酸化物等とγ型のMnO2と、必要に応じて、水を混練して
加熱する。例えば、LiOHの場合、LiOHの融点はLi2CO3に
比べ445℃と著しく低温であり、MnO2がリチウム拡散が
困難なβ型に移転する前に、LiOHとMnO2は容易に反応す
ることができる。ここで、LiOHは加熱により溶解するこ
と、さらに、MnO2内に含まれる少量の水分が加熱時、Mn
O2内より放出され、LiOHを溶かすことにより、MnO2粒子
はLiOHによってその表面のほとんどを覆われることにな
り、LiOHとMnO2の反応は均一に進む。したがって、Li2M
n2O4やMnO2の混在の少ないLiMn2O4が生成する。Li2OやL
i3MnO4等のリチウム・マンガン酸化物は、融点が高くMn
O2と反応しにくいが、これらは溶解度は小さいものの水
に溶解するためMnO2との混練時に水を加えることによ
り、MnO2との反応を均一に行わせることができ、Li2MnO
3やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を得ることができる。Li
OHの場合にも、MnO2と混練時、水を加えるとさらに均一
な反応を行わせることが可能である。
2O4やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を得るため、リチウム
酸化物等とγ型のMnO2と、必要に応じて、水を混練して
加熱する。例えば、LiOHの場合、LiOHの融点はLi2CO3に
比べ445℃と著しく低温であり、MnO2がリチウム拡散が
困難なβ型に移転する前に、LiOHとMnO2は容易に反応す
ることができる。ここで、LiOHは加熱により溶解するこ
と、さらに、MnO2内に含まれる少量の水分が加熱時、Mn
O2内より放出され、LiOHを溶かすことにより、MnO2粒子
はLiOHによってその表面のほとんどを覆われることにな
り、LiOHとMnO2の反応は均一に進む。したがって、Li2M
n2O4やMnO2の混在の少ないLiMn2O4が生成する。Li2OやL
i3MnO4等のリチウム・マンガン酸化物は、融点が高くMn
O2と反応しにくいが、これらは溶解度は小さいものの水
に溶解するためMnO2との混練時に水を加えることによ
り、MnO2との反応を均一に行わせることができ、Li2MnO
3やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を得ることができる。Li
OHの場合にも、MnO2と混練時、水を加えるとさらに均一
な反応を行わせることが可能である。
ここで、MnO2にγ型の構造を有するMnO2を用いると、
γ型MnO2はリチウム拡散のためのトンネル径が大きく、
リチウム化合物と反応した場合、リチウムはMnO2粒子内
部まで十分に拡散することができ、粒子表面には過剰の
Liが堆積せず、LiMnO3が形成されにくい。したがって均
一はLiMn2O4が生成する。
γ型MnO2はリチウム拡散のためのトンネル径が大きく、
リチウム化合物と反応した場合、リチウムはMnO2粒子内
部まで十分に拡散することができ、粒子表面には過剰の
Liが堆積せず、LiMnO3が形成されにくい。したがって均
一はLiMn2O4が生成する。
以上のような、リチウム化合物とMnO2との反応で、結
晶格子定数aが通常の8.24762Åより収縮したLiMn2O4が
生成する理由は明らかではないが、リチウム化合物とMn
O2との反応を低温で進めるため、上記で述べたように、
反応途中で、粒子表面にLiMn2O3と結晶構造の似たLi2Mn
O3が形成されやすく、加熱を続けてもこの影響が残るた
めと考えられる。実際、上記の反応を430℃以下で行う
と、反応生物はLiMn2O4が生成し、さらに、510℃を超え
る温度で加熱すると、結晶格子定数aが8.22Åより大き
いLiMn2O4が生成する。
晶格子定数aが通常の8.24762Åより収縮したLiMn2O4が
生成する理由は明らかではないが、リチウム化合物とMn
O2との反応を低温で進めるため、上記で述べたように、
反応途中で、粒子表面にLiMn2O3と結晶構造の似たLi2Mn
O3が形成されやすく、加熱を続けてもこの影響が残るた
めと考えられる。実際、上記の反応を430℃以下で行う
と、反応生物はLiMn2O4が生成し、さらに、510℃を超え
る温度で加熱すると、結晶格子定数aが8.22Åより大き
いLiMn2O4が生成する。
さらに、生成したLiMn2O4を酸性溶液相中で洗浄する
ことにより、LiMn2O4粒子表面に一部形成したLi2MnO3や
未反応残留物のLiOH等のリチウム化合物を除去すること
ができ、リチウムまたはリチウム合金負極の腐食を防ぐ
ことになるため、電池のサイクル寿命が延びる。この酸
性溶液相中での洗浄は、溶液相のpHが4以上であること
が好ましい。溶液相のpHが4未満であると、LiMn2O4粒
子中のLi+と溶液中のH3O+の交換反応が起きるため、こ
のようにして得たLiMn2O4を用いて電池を構成しても、
交換反応によってLiMn2O4粒子内に入ったH2Oがリチウム
またはリチウム合金負極を腐食する。したがって、電池
のサイクル寿命は短くなる。
ことにより、LiMn2O4粒子表面に一部形成したLi2MnO3や
未反応残留物のLiOH等のリチウム化合物を除去すること
ができ、リチウムまたはリチウム合金負極の腐食を防ぐ
ことになるため、電池のサイクル寿命が延びる。この酸
性溶液相中での洗浄は、溶液相のpHが4以上であること
が好ましい。溶液相のpHが4未満であると、LiMn2O4粒
子中のLi+と溶液中のH3O+の交換反応が起きるため、こ
のようにして得たLiMn2O4を用いて電池を構成しても、
交換反応によってLiMn2O4粒子内に入ったH2Oがリチウム
またはリチウム合金負極を腐食する。したがって、電池
のサイクル寿命は短くなる。
実施例 以下、本発明の実施例について説明する。
実施例1 本発明のLiMn2O4を次のようにして作製した。
LiOH・H2O 12.066gとγ型MnO2 50.000gをボールミル
で混合した後、H2O 20mlを加えペースト状にし、470℃
で5時間加熱した。さらに、この生成物を粉砕し、再び
H2O 20mlを加えペースト状にした後、470℃で加熱し
た。この化合物の粉末X線回折は図1のように得られ、
この化合物は、容易にLiMn2O4であると同定でき、Li2Mn
O3やMnO2の混在は認められない。このようにして得たLi
Mn2O4のX線回折指数(111)の面間隔は4.731Åであ
り、LiMn2O4は立方晶系であることから、結晶の格子定
数aは次式により (h,k,lは面指数,dは面指数(hkl)の面間隔)8.194Å
と計算される。
で混合した後、H2O 20mlを加えペースト状にし、470℃
で5時間加熱した。さらに、この生成物を粉砕し、再び
H2O 20mlを加えペースト状にした後、470℃で加熱し
た。この化合物の粉末X線回折は図1のように得られ、
この化合物は、容易にLiMn2O4であると同定でき、Li2Mn
O3やMnO2の混在は認められない。このようにして得たLi
Mn2O4のX線回折指数(111)の面間隔は4.731Åであ
り、LiMn2O4は立方晶系であることから、結晶の格子定
数aは次式により (h,k,lは面指数,dは面指数(hkl)の面間隔)8.194Å
と計算される。
このLiMn2O4を正極活物質として、第3図に示すよう
な扁平型電池を組み立て充放電試験を行った。以下、第
3図に基づき説明する。
な扁平型電池を組み立て充放電試験を行った。以下、第
3図に基づき説明する。
LiMn2O4,導電剤であるカーボンブラック、及び、結着
剤である四沸化エチレン樹脂粉末を重量比で、70対20対
10の割合で混合した。この混合物50mgをチタンエキスパ
ンドメタルから成る正極集電体1をスポット溶接した電
池ケース2内に成型,圧着し、正極3とした。正極板の
直径は14.3mmである。負極4には、厚さ0.35mmのリチウ
ムシートを用い、ステンレスメッシュから成る負極集電
体5をスポット溶接した封口板6に加圧圧着した。電解
液には、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンを
等体積の割合で混合したものに、1モル/の割合でLi
ClO4を溶解したものを用いた。また、セパレータ7には
ポリプロピレン不織布を用いた。又電池ケース2と封口
板6の外周部はガスケット8で封止した。このようにし
て構成した本発明の電池をAとする。
剤である四沸化エチレン樹脂粉末を重量比で、70対20対
10の割合で混合した。この混合物50mgをチタンエキスパ
ンドメタルから成る正極集電体1をスポット溶接した電
池ケース2内に成型,圧着し、正極3とした。正極板の
直径は14.3mmである。負極4には、厚さ0.35mmのリチウ
ムシートを用い、ステンレスメッシュから成る負極集電
体5をスポット溶接した封口板6に加圧圧着した。電解
液には、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンを
等体積の割合で混合したものに、1モル/の割合でLi
ClO4を溶解したものを用いた。また、セパレータ7には
ポリプロピレン不織布を用いた。又電池ケース2と封口
板6の外周部はガスケット8で封止した。このようにし
て構成した本発明の電池をAとする。
次に比較例として、Li2CO3とMnO2を原料としてLiMn2O
4を作製した。Li2CO3 10.624gとγ型MnO2 50.000gをボ
ールミルで混合した後、470℃で5時間加熱した。この
化合物の粉末X線回折は図2のように得られ、この化合
物は、LiMn2O4の他に、Li2MnO3,MnO2が混在している。
このようにして得たLiMn2O4を正極活物質として、上記
で述べた扁平型電池を同様に構成した。この比較例の電
池をBとする。
4を作製した。Li2CO3 10.624gとγ型MnO2 50.000gをボ
ールミルで混合した後、470℃で5時間加熱した。この
化合物の粉末X線回折は図2のように得られ、この化合
物は、LiMn2O4の他に、Li2MnO3,MnO2が混在している。
このようにして得たLiMn2O4を正極活物質として、上記
で述べた扁平型電池を同様に構成した。この比較例の電
池をBとする。
以上のように構成した本発明の電池Aと比較例の電池
Bにおいて、0.8mAと定電流,放電下限電圧2.0V,充電上
限電圧3.8Vの条件で充放電試験を行った。
Bにおいて、0.8mAと定電流,放電下限電圧2.0V,充電上
限電圧3.8Vの条件で充放電試験を行った。
第4図は、本発明の電池Aと比較例の電池Bの各充放
電サイクルの放電容量をプロットした図である。第4図
により、比較例の電池Bでは、本発明の電池Aに比べ
て、各サイクルでの放電容量が少なく、充放電サイクル
での放電容量の減少の度合も大きいことがわかる。これ
は、比較例の電池Bに用いたLiMn2O4では電気化学的に
不活性なLi2MnO3が含まれるため放電容量が少なくな
り、また、充放電サイクルでの放電容量減少の度合が大
きいMnO2が混在するためである。さらに、比較例の電池
Bにおいて、サイクル寿命が約130サイクルと短いの
は、混在するLi2MnO3,MnO2が電解液中に含まれる微量の
水分によって溶出し、リチウム負極を腐食するためであ
る。以上のような比較例の電池Bの特性に比べ、本発明
の電池Aは、放電容量,各サイクルでの容量減少の度
合,サイクル寿命のいずれにおいても優れることがわか
る。
電サイクルの放電容量をプロットした図である。第4図
により、比較例の電池Bでは、本発明の電池Aに比べ
て、各サイクルでの放電容量が少なく、充放電サイクル
での放電容量の減少の度合も大きいことがわかる。これ
は、比較例の電池Bに用いたLiMn2O4では電気化学的に
不活性なLi2MnO3が含まれるため放電容量が少なくな
り、また、充放電サイクルでの放電容量減少の度合が大
きいMnO2が混在するためである。さらに、比較例の電池
Bにおいて、サイクル寿命が約130サイクルと短いの
は、混在するLi2MnO3,MnO2が電解液中に含まれる微量の
水分によって溶出し、リチウム負極を腐食するためであ
る。以上のような比較例の電池Bの特性に比べ、本発明
の電池Aは、放電容量,各サイクルでの容量減少の度
合,サイクル寿命のいずれにおいても優れることがわか
る。
実施例2 実施例1で本発明のLiMn2O4を得る過程で、種々の結
晶形態のMnO2を用いたほかは、扁平型電池の構成,充放
電試験条件は同様にして行った。
晶形態のMnO2を用いたほかは、扁平型電池の構成,充放
電試験条件は同様にして行った。
表1は、種々の結晶形態のMnO2を用いてLiMn2O4を作
製した場合の、10サイクル目での放電容量、及びγ型Mn
O2を用いて作製したLiMn2O4の放電容量を100とした時の
容量比率を記載したものである。表1より、Liとの反応
の活性度が小さいα型やβ型のMnO2を用いて作製したLi
Mn2O4では放電容量が少ないことがわかる。δ型のMnO2
を用いて作製したLiMn2O4において放電容量が少ないの
は、加熱によってδ型MnO2は容易に活性度の小さいβ型
MnO2に転移するためと考えられる。以上のことから、リ
チウム化合物とMnO2を反応させLiMn2O4を得る場合、MnO
2の結晶形態はγ型が特に優れることがわかる。
製した場合の、10サイクル目での放電容量、及びγ型Mn
O2を用いて作製したLiMn2O4の放電容量を100とした時の
容量比率を記載したものである。表1より、Liとの反応
の活性度が小さいα型やβ型のMnO2を用いて作製したLi
Mn2O4では放電容量が少ないことがわかる。δ型のMnO2
を用いて作製したLiMn2O4において放電容量が少ないの
は、加熱によってδ型MnO2は容易に活性度の小さいβ型
MnO2に転移するためと考えられる。以上のことから、リ
チウム化合物とMnO2を反応させLiMn2O4を得る場合、MnO
2の結晶形態はγ型が特に優れることがわかる。
実施例3 実施例1で本発明のLiMn2O4を得る過程で、LiOH・H2O
とMnO2の混合比率を変えたほかは、扁平型電池の構成,
充放電条件は同様にして行った。
とMnO2の混合比率を変えたほかは、扁平型電池の構成,
充放電条件は同様にして行った。
第5図は、Li/Mn原子比(LiOH・H2OとMnO2の混合比
率)に対する生成物の10サイクル目での放電容量、及
び、Li/Mn原子比に対する電池のサイクル劣化率をプロ
ットした図である。また、各Li/Mn原子比における生成
物のX線回折分析結果も示した。ここで、サイクル劣化
率は次式によって計算した。
率)に対する生成物の10サイクル目での放電容量、及
び、Li/Mn原子比に対する電池のサイクル劣化率をプロ
ットした図である。また、各Li/Mn原子比における生成
物のX線回折分析結果も示した。ここで、サイクル劣化
率は次式によって計算した。
第5図より、Li/Mn原子比が3/7未満のときは、放電容
量が大きいものの、サイクル劣化率が極めて悪くなる。
これは、サイクル劣化率の大きいMnO2が混在するためで
ある。さらに、第5図より、Li/Mn原子比が4/6を超える
と、サイクル劣化率は小さく良好であるが、放電容量が
著しく減少する。以上のことから、放電容量が大きく、
サイクル劣化率が小さい領域は、MnO2やLi2MnO3が混在
しない領域であり、Li/Mn原子比では3/7〜4/6である。
ここで、4/6(=0.667)という値は、Li2CO3とMnO2では
Li/Mn原子比が0.7でLi2MnO3やMnO2の混在が認められな
いLiMn2O4が生成する(英国公開公報GB21967854A及び本
出願明細書中の実施例1における比較例参照)のに対し
て、5%もLi/Mn原子比が小さく、また、3/7(=0.42
9)という値はLiMn2O4の組成より与えられるLi/Mn原子
比=0.5よりも14%小さい。すなわち、本発明のLiMn2O4
の製造法を用いれば、従来より少ないLi/Mn原子比のリ
チウム化合物/MnO2混合比で、しかも、低温でLiMn2O4を
作製することができるという特徴がある。
量が大きいものの、サイクル劣化率が極めて悪くなる。
これは、サイクル劣化率の大きいMnO2が混在するためで
ある。さらに、第5図より、Li/Mn原子比が4/6を超える
と、サイクル劣化率は小さく良好であるが、放電容量が
著しく減少する。以上のことから、放電容量が大きく、
サイクル劣化率が小さい領域は、MnO2やLi2MnO3が混在
しない領域であり、Li/Mn原子比では3/7〜4/6である。
ここで、4/6(=0.667)という値は、Li2CO3とMnO2では
Li/Mn原子比が0.7でLi2MnO3やMnO2の混在が認められな
いLiMn2O4が生成する(英国公開公報GB21967854A及び本
出願明細書中の実施例1における比較例参照)のに対し
て、5%もLi/Mn原子比が小さく、また、3/7(=0.42
9)という値はLiMn2O4の組成より与えられるLi/Mn原子
比=0.5よりも14%小さい。すなわち、本発明のLiMn2O4
の製造法を用いれば、従来より少ないLi/Mn原子比のリ
チウム化合物/MnO2混合比で、しかも、低温でLiMn2O4を
作製することができるという特徴がある。
実施例4 実施例1で本発明のLiMn2O4を得る過程で、加熱温度
を変化させたほかは、扁平型電池の構成,充放電試験条
件は同様にして行った。
を変化させたほかは、扁平型電池の構成,充放電試験条
件は同様にして行った。
第6図は、加熱温度を変化させて得られたLiMn2O4に
おいて、加熱温度に対する結晶格子定数a、及び、加熱
温度に対するサイクル劣化率をプロットした図である。
ここで、結晶格子定数aは、X線回折指数(111)の面
間隔から式(1)を用いて算出し、サイクル劣化率は式
(2)によって計算した。
おいて、加熱温度に対する結晶格子定数a、及び、加熱
温度に対するサイクル劣化率をプロットした図である。
ここで、結晶格子定数aは、X線回折指数(111)の面
間隔から式(1)を用いて算出し、サイクル劣化率は式
(2)によって計算した。
第6図より、加熱温度に対する結晶格子定数aは、加
熱温度が510℃を超えると急激に増加し、一定値8.248Å
になる。これに対応して、サイクル劣化率も著しく増加
する。この理由は、加熱温度が510℃を超える範囲で得
たLiMn2O4では、充放電過程での結晶格子の膨張,収縮
の度合が大きく、導電剤であるカーボンブラック粒子と
の分離による集電不良のため、サイクル劣化率が大きい
のである。第6図より、サイクル劣化率が十分に小さい
ためには、結晶格子定数aが8.22Å以下でなければなら
ないことがわかる。一方、加熱温度が430℃以下の領域
では、結晶格子定数aが8.22Åよりも十分に小さいにも
かかわらず、サイクル劣化率は上昇している。これは、
この温度領域では、LiOH・H2OとMnO2の反応が速やかに
進まず、LiMn2O4のほかに、Li2MnO3,MnO2が混在するよ
うになるからである。
熱温度が510℃を超えると急激に増加し、一定値8.248Å
になる。これに対応して、サイクル劣化率も著しく増加
する。この理由は、加熱温度が510℃を超える範囲で得
たLiMn2O4では、充放電過程での結晶格子の膨張,収縮
の度合が大きく、導電剤であるカーボンブラック粒子と
の分離による集電不良のため、サイクル劣化率が大きい
のである。第6図より、サイクル劣化率が十分に小さい
ためには、結晶格子定数aが8.22Å以下でなければなら
ないことがわかる。一方、加熱温度が430℃以下の領域
では、結晶格子定数aが8.22Åよりも十分に小さいにも
かかわらず、サイクル劣化率は上昇している。これは、
この温度領域では、LiOH・H2OとMnO2の反応が速やかに
進まず、LiMn2O4のほかに、Li2MnO3,MnO2が混在するよ
うになるからである。
以上のように、結晶格子定数aは8.22Å以下で、Li2M
n2O4やMnO2の混在しないLiMn2O4を得るためには、加熱
温度を430℃〜510℃の間に設定することが望ましい。
n2O4やMnO2の混在しないLiMn2O4を得るためには、加熱
温度を430℃〜510℃の間に設定することが望ましい。
実施例5 実施例1で本発明のLiMn2O4を得る過程で、リチウム
化合物を、Li2O,LiOH,LiOH・H2O,Li3MnO4,Li2MnO3,LiMn
O2より少なくとも1種選択し、単独または混合物として
用いるほかは、扁平型電池の構成,充放電試験条件は同
様にして行った。
化合物を、Li2O,LiOH,LiOH・H2O,Li3MnO4,Li2MnO3,LiMn
O2より少なくとも1種選択し、単独または混合物として
用いるほかは、扁平型電池の構成,充放電試験条件は同
様にして行った。
表2は、各種のリチウム化合物または混合物と、γ型
MnO2を用いて、結晶格子定数aが8.22Å以下で、Li2MnO
3やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を作製する条件を記載し
たものであり、さらに、作製したLiMn2O4を使用した電
池の充放電サイクル寿命(放電容量が初期容量の半分と
なったときのサイクル数)を記載した。
MnO2を用いて、結晶格子定数aが8.22Å以下で、Li2MnO
3やMnO2の混在の少ないLiMn2O4を作製する条件を記載し
たものであり、さらに、作製したLiMn2O4を使用した電
池の充放電サイクル寿命(放電容量が初期容量の半分と
なったときのサイクル数)を記載した。
表2より、リチウム化合物がリチウム酸化物またはリ
チウム水酸化物の場合には、リチウム化合物とMnO2の混
合比はLi/Mn原子比で3/7〜4/6、加熱温度範囲は430℃〜
510℃であることがわかる。リチウム化合物に、リチウ
ム・マンガン酸化物が含まれる場合、Li/Mn原子比の上
限は3.5/6.5とリチウム酸化物または水酸化物に比べや
や低くなり、また、加熱温度は下限が概ね460℃と高く
なる。この理由は、リチウム・マンガン酸化物では、リ
チウム酸化物または水酸化物に比べ、Liを放出しにくい
ためである。さらに、リチウム・マンガン酸化物を用い
て作製した電池のサイクル寿命がやや短くなっているの
は、X線回折分析では認められない程度のLi2MnO3をは
じめとするリチウム・マンガン酸化物が残留しており、
電解液中に含まれる微量の水分によって溶出し、リチウ
ム負極を腐食するためと考えられる。
チウム水酸化物の場合には、リチウム化合物とMnO2の混
合比はLi/Mn原子比で3/7〜4/6、加熱温度範囲は430℃〜
510℃であることがわかる。リチウム化合物に、リチウ
ム・マンガン酸化物が含まれる場合、Li/Mn原子比の上
限は3.5/6.5とリチウム酸化物または水酸化物に比べや
や低くなり、また、加熱温度は下限が概ね460℃と高く
なる。この理由は、リチウム・マンガン酸化物では、リ
チウム酸化物または水酸化物に比べ、Liを放出しにくい
ためである。さらに、リチウム・マンガン酸化物を用い
て作製した電池のサイクル寿命がやや短くなっているの
は、X線回折分析では認められない程度のLi2MnO3をは
じめとするリチウム・マンガン酸化物が残留しており、
電解液中に含まれる微量の水分によって溶出し、リチウ
ム負極を腐食するためと考えられる。
なお、表2の条件で得られたLiMn2O4において、X線
回折指数(311)の回折ピークの半値幅は、FeKα線換算
でいずれも1.1゜未満であって、英国公開公報GB2196785
Aに開示されたLiMn2O4より結晶性が高く、電解液中の水
分による溶出が困難であり、したがってリチウム負極の
腐食が少ないので、充放電サイクル寿命が長くなるとい
う利点がある。
回折指数(311)の回折ピークの半値幅は、FeKα線換算
でいずれも1.1゜未満であって、英国公開公報GB2196785
Aに開示されたLiMn2O4より結晶性が高く、電解液中の水
分による溶出が困難であり、したがってリチウム負極の
腐食が少ないので、充放電サイクル寿命が長くなるとい
う利点がある。
実施例6 リチウム化合物とγ型MnO2を混合する過程で、水の添
加の有無のほかに、実施例1と同様にしてLiMn2O4の作
製,扁平型電池の構成,充放電試験を行った。
加の有無のほかに、実施例1と同様にしてLiMn2O4の作
製,扁平型電池の構成,充放電試験を行った。
表3において、リチウム化合物とγ型MnO2の混合比
は、Li/Mn原子比でいずれも1/2であり、加熱温度は470
℃である。
は、Li/Mn原子比でいずれも1/2であり、加熱温度は470
℃である。
表3より、いずれのリチウム化合物を用いても、γ型
MnO2との混練時にH2Oを添加する方が、添加しない場合
に比べ放電容量が5〜10%程度増加しており、特に、リ
チウム・マンガン酸化物,リチウム酸化物において顕著
であることがわかる。この理由は、混練時に添加したH2
Oによって、溶解度は小さいものの、これらのリチウム
・マンガン酸化物は溶出し、MnO2粒子を覆うことになる
ため、均一にLiMn2O4が生成し、電気化学的に不活性なL
i2MnO3が混在しなくなるからである。
MnO2との混練時にH2Oを添加する方が、添加しない場合
に比べ放電容量が5〜10%程度増加しており、特に、リ
チウム・マンガン酸化物,リチウム酸化物において顕著
であることがわかる。この理由は、混練時に添加したH2
Oによって、溶解度は小さいものの、これらのリチウム
・マンガン酸化物は溶出し、MnO2粒子を覆うことになる
ため、均一にLiMn2O4が生成し、電気化学的に不活性なL
i2MnO3が混在しなくなるからである。
実施例7 実施例6と同様に、種々のリチウム化合物とγ型MnO2
とH2Oを混練し、加熱してLiMn2O4を得た。このようにし
て得たLiMn2O4 30.000gをイオン交換水400ml中に投入,
撹拌し、4NH2SO4溶液を溶液相中のpHが約5に落ち着く
まで滴下した。次に、この酸性LiMn2O4溶液を過し、
洗浄後の廃液のpHが6〜7になるまでLiMn2O4をくり返
しイオン交換水で洗浄した。電池の構成及び充放電試験
は実施例1と同様にして行った。
とH2Oを混練し、加熱してLiMn2O4を得た。このようにし
て得たLiMn2O4 30.000gをイオン交換水400ml中に投入,
撹拌し、4NH2SO4溶液を溶液相中のpHが約5に落ち着く
まで滴下した。次に、この酸性LiMn2O4溶液を過し、
洗浄後の廃液のpHが6〜7になるまでLiMn2O4をくり返
しイオン交換水で洗浄した。電池の構成及び充放電試験
は実施例1と同様にして行った。
表4は、各リチウム化合物から得たLiMn2O4の酸性溶
液処理前後における10サイクル目の放電容量を記載した
ものである。これより、酸性溶液で処理したLiMn2O
4は、処理前のLiMn2O4に比べ放電容量が増加しており、
約5.7mAhの一定値になっている。これは、リチウム化合
物とMnO2の加熱によって得たLiMn2O4中には、X線回折
分析では認められない程度の少量のLi2MnO23やLiOH等の
リチウム化合物が残留しており、酸処理によって除去さ
れるためである。また、表4には記載していないが、酸
性溶液で処理したLiMn2O4にはLi2MnO3が残留していない
ため、全般に、電池のサイクル寿命が処理しないLiMn2O
4に比べ延びるという効果があった。
液処理前後における10サイクル目の放電容量を記載した
ものである。これより、酸性溶液で処理したLiMn2O
4は、処理前のLiMn2O4に比べ放電容量が増加しており、
約5.7mAhの一定値になっている。これは、リチウム化合
物とMnO2の加熱によって得たLiMn2O4中には、X線回折
分析では認められない程度の少量のLi2MnO23やLiOH等の
リチウム化合物が残留しており、酸処理によって除去さ
れるためである。また、表4には記載していないが、酸
性溶液で処理したLiMn2O4にはLi2MnO3が残留していない
ため、全般に、電池のサイクル寿命が処理しないLiMn2O
4に比べ延びるという効果があった。
第7図は、リチウム化合物としてLiOH・H2Oを用いたL
iMn2O4を処理する酸性溶液相中のpHに対して電池のサイ
クル寿命、及び、処理して得られたリチウム・マンガン
酸化物中の水分量をプロットした図である。ここで、酸
性溶液で処理した後のLiMn2O4をリチウム・マンガン酸
化物と記した理由は、pHの低い酸性溶液相中で処理した
LiMn2O4は、LiMn2O4粒子内からLiが放出されており、単
純な組成式で表わせないためである。
iMn2O4を処理する酸性溶液相中のpHに対して電池のサイ
クル寿命、及び、処理して得られたリチウム・マンガン
酸化物中の水分量をプロットした図である。ここで、酸
性溶液で処理した後のLiMn2O4をリチウム・マンガン酸
化物と記した理由は、pHの低い酸性溶液相中で処理した
LiMn2O4は、LiMn2O4粒子内からLiが放出されており、単
純な組成式で表わせないためである。
第7図から、酸性溶液相中のpHが4未満では電池のサ
イクル寿命は短いことがわかる。これは、第7図より明
らかなように、pHが4未満では処理して得られたりチウ
ム・マンガン酸化物中の水分量が急激に増加し、この水
分がリチウム負極を腐食するためである。以上のことか
ら、LiMn2O4を処理する酸性溶液相中のpHは4以上でな
ければならない。
イクル寿命は短いことがわかる。これは、第7図より明
らかなように、pHが4未満では処理して得られたりチウ
ム・マンガン酸化物中の水分量が急激に増加し、この水
分がリチウム負極を腐食するためである。以上のことか
ら、LiMn2O4を処理する酸性溶液相中のpHは4以上でな
ければならない。
なお、第7図では、リチウム化合物としてLiOH・H2O
を用いたLiMn2O4について述べたが、他のリチウム化合
物を用いて得られたLiMn2O4においても同様な結果であ
った。さらに、本実施例では、酸としてH2SO4を使用し
たが、他の酸、例えば、HCl,H2NO3,CH3COOH等を用いて
も同様な効果を得る。
を用いたLiMn2O4について述べたが、他のリチウム化合
物を用いて得られたLiMn2O4においても同様な結果であ
った。さらに、本実施例では、酸としてH2SO4を使用し
たが、他の酸、例えば、HCl,H2NO3,CH3COOH等を用いて
も同様な効果を得る。
発明の効果 以上のように、本発明の非水電解質二次電池は、結晶
格子定数aが8.22Å以下のLiMn2O4を正極活物質として
用いるため、充放電サイクルでの容量減少の小さい信頼
性の高い非水電解質二次電池が得られる。また、本発明
のLiMn2O4の製造法により、Li2MnO3やMnO2の存在が少な
いLiMn2O4を得、リチウム負極の腐食が抑制され、電池
のサイクル寿命が長くなるLiMn2O4が得られる。
格子定数aが8.22Å以下のLiMn2O4を正極活物質として
用いるため、充放電サイクルでの容量減少の小さい信頼
性の高い非水電解質二次電池が得られる。また、本発明
のLiMn2O4の製造法により、Li2MnO3やMnO2の存在が少な
いLiMn2O4を得、リチウム負極の腐食が抑制され、電池
のサイクル寿命が長くなるLiMn2O4が得られる。
第1図は本発明の一実施例における正極活物質であるLi
Mn2O4のX線回折図、第2図は比較例における正極活物
質であるLi2MnO3及びMnO2の混在したLiMn2O4のX線回折
図、第3図は本発明の一実施例及び比較例に用いた扁平
型電池の断面図、第4図は本発明の電池A及び比較例の
電池Bにおける各サイクルでの放電容量をプロットした
図、第5図はLi/Mn原子比(リチウム化合物/MnO2混合
比)に対して放電容量及びサイクル劣化率をプロットし
た図、第6図はリチウム化合物・MnO2混合物の加熱温度
に対する生成LiMn2O4の結晶格子定数a及びサイクル劣
化率をプロットした図、第7図はLiMn2O4処理溶液相中
のpHに対して電池のサイクル寿命及びリチウム・マンガ
ン酸化物中の水分量をプロットした図である。 1……正極集電体、2……電池ケース、3……正極、4
……負極、5……負極集電体、6……封口板、7……セ
パレータ、8……ガスケット。
Mn2O4のX線回折図、第2図は比較例における正極活物
質であるLi2MnO3及びMnO2の混在したLiMn2O4のX線回折
図、第3図は本発明の一実施例及び比較例に用いた扁平
型電池の断面図、第4図は本発明の電池A及び比較例の
電池Bにおける各サイクルでの放電容量をプロットした
図、第5図はLi/Mn原子比(リチウム化合物/MnO2混合
比)に対して放電容量及びサイクル劣化率をプロットし
た図、第6図はリチウム化合物・MnO2混合物の加熱温度
に対する生成LiMn2O4の結晶格子定数a及びサイクル劣
化率をプロットした図、第7図はLiMn2O4処理溶液相中
のpHに対して電池のサイクル寿命及びリチウム・マンガ
ン酸化物中の水分量をプロットした図である。 1……正極集電体、2……電池ケース、3……正極、4
……負極、5……負極集電体、6……封口板、7……セ
パレータ、8……ガスケット。
Claims (4)
- 【請求項1】正極、リチウムイオン伝導性の非水電解
質、およびリチウムを活物質とする負極を構成要素とす
る電池であって、前記正極は、結晶の格子定数aが8.22
Å以下のLiMn2O4を活物質とすることを特徴とする非水
電解質二次電池。 - 【請求項2】Li2O,LiOH,LaOH・H2O,Li3MnO4,Li2MnO3お
よびLiMnO2よりなる群から選択される少なくとも1種の
リチウム化合物と、γ型MnO2とをLi/Mn原子比で3/7〜4/
6の割合で混合し、430℃〜510℃の温度で加熱すること
により、結晶の格子定数aが8.22Å以下であるLiMn2O4
を得ることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物
質の製造法。 - 【請求項3】リチウム化合物とγ型MnO4に、さらに水を
混練し、加熱することを特徴とする特許請求の範囲第2
項記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造法。 - 【請求項4】さらに、生成LiMn2O4をpH4以上の酸性溶液
相中で処理する工程を有する特許請求の範囲第2又は第
3項記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63291161A JPH0824043B2 (ja) | 1988-11-17 | 1988-11-17 | 非水電解質二次電池とその正極活物質の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63291161A JPH0824043B2 (ja) | 1988-11-17 | 1988-11-17 | 非水電解質二次電池とその正極活物質の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02139860A JPH02139860A (ja) | 1990-05-29 |
| JPH0824043B2 true JPH0824043B2 (ja) | 1996-03-06 |
Family
ID=17765235
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63291161A Expired - Fee Related JPH0824043B2 (ja) | 1988-11-17 | 1988-11-17 | 非水電解質二次電池とその正極活物質の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0824043B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102015115137A1 (de) | 2014-09-12 | 2016-03-17 | Jtekt Corporation | Anlage und Verfahren zur Herstellung eines Elektrizitätsspeichermaterials |
Families Citing this family (17)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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