JPH08242105A - 静磁波装置 - Google Patents

静磁波装置

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JPH08242105A
JPH08242105A JP7324002A JP32400295A JPH08242105A JP H08242105 A JPH08242105 A JP H08242105A JP 7324002 A JP7324002 A JP 7324002A JP 32400295 A JP32400295 A JP 32400295A JP H08242105 A JPH08242105 A JP H08242105A
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田 剛 和 岡
Satoru Niimura
村 悟 新
Fumio Kanetani
谷 文 夫 金
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化および低価格化を図ることができる、
静磁波装置を提供する。 【解決手段】 静磁波装置としてのS/Nエンハンサ1
0は、フェリ磁性基体としてたとえば矩形板状のYIG
薄膜12を含む。このYIG薄膜12は、たとえば矩形
板状のGGG基板14の一方主面に形成される。YIG
薄膜12およびGGG基板14の周囲には、たとえば導
線からなるトランスデューサ16が、たとえば5回巻か
れる。したがって、このトランスデューサ16は、YI
G薄膜12の一方主面側にほぼ平行に配置される5つの
部分とYIG薄膜12の他方主面側にほぼ平行に配置さ
れる5つの部分とを有する。トランスデューサ16の一
端には、入力端子18の一端が接続され、トランスデュ
ーサ16の他端には、出力端子20の一端が接続され
る。入力端子18の他端および出力端子20の他端は、
それぞれ接地される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は静磁波装置に関
し、特にフェリ磁性基体が用いられ、たとえばS/Nエ
ンハンサやフィルタとして使用される静磁波装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】この発明の背景となる従来のS/Nエン
ハンサの一例が、1980 IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETIC
S, VOL. MAG-16, PP. 1168-1170 のA BROADBAND MICROW
AVE SIGNAL TO NOISE ENHANCERや米国特許第4,28
3,692号に開示されている。図17はこのような従
来のS/Nエンハンサの一例を示す斜視図である。図1
7に示すS/Nエンハンサ1は、フェリ磁性基体として
矩形板状のYIG薄膜2を含む。このYIG薄膜2は、
矩形板状のGGG基板3の一方主面に形成される。ま
た、YIG薄膜2の表面は、矩形板状の誘電体基板4の
一方主面の中央に接着される。この誘電体基板4の一方
主面には、その幅方向の中央に、トランスデューサとし
て直線状のマイクロストリップライン5が、YIG薄膜
2を横切るように形成されている。マイクロストリップ
ライン5の一端には、入力端子(図示せず)の一端が接
続され、マイクロストリップライン5の他端には、出力
端子(図示せず)の一端が接続される。また、誘電体基
板2の他方主面には、アース電極6が形成される。な
お、入力端子の他端および出力端子の他端は、それぞれ
接地される。
【0003】図17に示すS/Nエンハンサ1には、フ
ェリ磁性基体としてのYIG薄膜2に、直流磁界H0
トランスデューサとしてのマイクロストリップライン5
の長手方向に印加される。そして、このS/Nエンハン
サ1では、入力端子に高周波電力を入力すると、マイク
ロストリップライン5の周囲に高周波磁界が発生し、Y
IG薄膜2内に表面静磁波(MSSW)が励振される。
入力端子に入力される高周波電力が小さい場合、高周波
電力の大部分が静磁波に変換されるため、出力端子から
得られる出力電力は非常に小さい。一方、入力端子に入
力される高周波電力が大きい場合、高周波電力から静磁
波への変換が飽和するため、高周波電力の大部分が、マ
イクロストリップライン5を通して出力端子から得られ
る。このため、このS/Nエンハンサ1では、入力電力
の小さいノイズ成分はほとんど出力されず、入力電力の
大きい信号成分は大部分が出力される。したがって、こ
のS/Nエンハンサ1では、S/Nが高められる。な
お、このS/Nエンハンサ1において、−6dBmおよ
び10dBmの周波数特性を図18に示し、3.3GH
zの入出力特性を図19に示す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図17に示すS/Nエ
ンハンサ1では、フェリ磁性基体としてのYIG薄膜2
とトランスデューサとしてのマイクロストリップライン
5との対向する部分の長さLによって、ノイズの減衰量
が決定される。なお、このS/Nエンハンサ1では、そ
の長さLは2.1cmである。そして、このS/Nエン
ハンサ1において、ノイズの減衰量を大きくしたい場
合、その長さLを増やすのが有効であるが、YIG薄膜
2などの高価なフェリ磁性基体が大きくなるという問題
がある。言い換えると、このS/Nエンハンサ1では、
小型化および低価格化を図るためにYIG薄膜2を小さ
く形成すると、YIG薄膜2とマイクロストリップライ
ン5との対向する部分の長さLが短くなり、ノイズの減
衰量が小さくなってしまう。
【0005】また、図17に示すS/Nエンハンサ1で
は、変換された静磁波がYIG薄膜2の端部でマイクロ
ストリップライン5側に反射され、その反射された静磁
波がマイクロストリップライン5などによって高周波電
力に変換されることがある。このように反射された静磁
波が存在すると、S/Nエンハンサ1の伝搬帯域内にお
いて振幅や位相のリップルとなって表れる場合がある。
したがって、このS/Nエンハンサ1では、静磁波の反
射を減らすために、静磁波の伝搬方向の長さすなわちY
IG薄膜2の幅Wを増やしたり、YIG薄膜2の端部に
静磁波吸収体を置いたりするなどの工夫が要求される場
合がある。
【0006】それゆえに、この発明の主たる目的は、小
型化および低価格化を図ることができる、静磁波装置を
提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる静磁波
装置は、フェリ磁性基体と、フェリ磁性基体の一方主面
側に配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配
置される部分とを有するトランスデューサと、その一端
がトランスデューサの一端に接続され、その他端が接地
される入力端子と、その一端がトランスデューサの他端
に接続され、その他端が接地される出力端子とを含む、
静磁波装置である。
【0008】この発明にかかる静磁波装置において、フ
ェリ磁性基体が円板状に形成されることが、後述の理由
によって好ましい。
【0009】また、この発明にかかる静磁波装置におい
て、フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分とフ
ェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有し、
トランスデューサに並列に接続される別のトランスデュ
ーサを含むことが、後述の理由によって好ましい。
【0010】さらに、この発明にかかる静磁波装置にお
いて、フェリ磁性基体がGGG基板の一方主面に形成さ
れ、GGG基板の他方主面に別のフェリ磁性基体が形成
されてもよい。
【0011】この発明にかかる他の静磁波装置は、フェ
リ磁性基体と、フェリ磁性基体の一方主面側に配置され
る部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分
とを有するトランスデューサと、フェリ磁性基体の他方
主面側に配置される部分とフェリ磁性基体の一方主面側
に配置される部分とを有する別のトランスデューサと、
その一端がトランスデューサの一端に接続され、その他
端が別のトランスデューサの一端に接続される入力端子
と、その一端がトランスデューサの他端に接続され、そ
の他端が別のトランスデューサの他端に接続される出力
端子とを含む、静磁波装置である。
【0012】この発明にかかる他の静磁波装置におい
て、フェリ磁性基体が円板状に形成されることが、後述
の理由によって好ましい。
【0013】また、この発明にかかる他の静磁波装置に
おいて、フェリ磁性基体がGGG基板の一方主面に形成
され、GGG基板の他方主面に別のフェリ磁性基体が形
成されてもよい。
【0014】
【作用】この発明にかかる静磁波装置では、フェリ磁性
基体に直流磁界を印加し、入力端子に高周波電力を入力
すると、トランスデューサの周囲に高周波磁界が発生
し、フェリ磁性基体内に静磁波が励振される。入力端子
に入力される高周波電力が小さい場合、高周波電力が静
磁波に変換されるが、トランスデューサがフェリ磁性基
体の一方主面側に配置される部分とフェリ磁性基体の他
方主面側に配置される部分とを有するので、高周波電力
から静磁波への変換効率がよくなる。そのため、フェリ
磁性基体を小さく形成しても、従来例と同様のノイズの
減衰量が得られる。一方、入力端子に入力される高周波
電力が大きい場合、高周波電力から静磁波への変換が飽
和するため、高周波電力の大部分が、トランスデューサ
を通して出力端子から得られる。このため、この発明に
かかる静磁波装置では、入力電力の小さいノイズ成分は
ほとんど出力されず、入力電力の大きい信号成分は大部
分が出力される。すなわち、この発明にかかる静磁波装
置では、S/Nが高められる。
【0015】また、この発明にかかる他の静磁波装置で
は、フェリ磁性基体に直流磁界を印加し、入力端子に高
周波電力を入力すると、トランスデューサおよび別のト
ランスデューサの周囲に高周波磁界が発生し、フェリ磁
性基体内に静磁波が励振される。入力端子に入力される
高周波電力が小さい場合、高周波電力が静磁波に変換さ
れるが、トランスデューサがフェリ磁性基体の一方主面
側に配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配
置される部分とを有し、別のトランズデューサがフェリ
磁性基体の他方主面側に配置される部分とフェリ磁性基
体の一方主面側に配置される部分とを有するので、高周
波電力から静磁波への変換効率がよくなる。そのため、
フェリ磁性基体を小さく形成しても、従来例と同様のノ
イズの減衰量が得られる。一方、入力端子に入力される
高周波電力が大きい場合、高周波電力から静磁波への変
換が飽和するため、高周波電力の大部分が、トランスデ
ューサおよび別のトランスデューサを通して出力端子か
ら得られる。このため、この発明にかかる他の静磁波装
置では、入力電力の小さいノイズ成分はほとんど出力さ
れず、入力電力の大きい信号成分は大部分が出力され
る。すなわち、この発明にかかる他の静磁波装置でも、
S/Nが高められる。
【0016】
【発明の効果】この発明によれば、高周波電力から静磁
波への変換効率がよくなるので、小型化および低価格化
を図ることができる静磁波装置が得られる。
【0017】また、この発明にかかる静磁波装置におい
て、フェリ磁性基体を円板状に形成すれば、変換された
静磁波が、フェリ磁性基体の端部でトランスデューサ側
に反射されにくくなる。そのため、フェリ磁性基体の端
部で反射された静磁波が、トランスデューサなどによっ
て高周波電力に変換されにくくなる。そのため、静磁波
装置の伝搬帯域内において振幅や位相のリップルが少な
くなり、特性がよくなる。なお、この発明にかかる他の
静磁波装置において、フェリ磁性基体を円板状に形成し
ても、同様のことがいえる。
【0018】さらに、この発明にかかる静磁波装置にお
いて、フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分と
フェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有
し、トランスデューサに並列に接続される別のトランス
デューサを含めば、トランスデューサおよび別のトラン
スデューサが入力端子および出力端子間で並列に接続さ
れるので、入力端子および出力端子間のインピーダンス
が減少し、挿入損失が減少する。
【0019】また、この発明にかかる他の静磁波装置で
は、トランスデューサがフェリ磁性基体の一方主面側に
配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配置さ
れる部分とを有し、別のトランスデューサがフェリ磁性
基体の他方主面側に配置される部分とフェリ磁性基体の
一方主面側に配置される部分とを有し、入力端子の一端
および他端がトランスデューサの一端および別のトラン
スデューサの一端にそれぞれ接続され、出力端子の一端
および他端がトランスデューサの他端および別のトラン
スデューサの他端にそれぞれ接続されるので、すなわ
ち、入力端子および出力端子がフィーダ線で接続された
ような状態となるので、ノイズの減衰量を大きくするた
めにトランスデューサおよび別のトランスデューサの長
さを長くしても、入力端子および出力端子間のインピー
ダンスがほとんど変わらず、挿入損失があまり大きくな
らない。
【0020】この発明の上述の目的、その他の目的、特
徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明の実施
の形態の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0021】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の一実施例を示す
斜視図である。静磁波装置としてのS/Nエンハンサ1
0は、フェリ磁性基体としてたとえば矩形板状のYIG
薄膜12を含む。このYIG薄膜12は、たとえば矩形
板状のGGG基板14の一方主面に形成される。YIG
薄膜12およびGGG基板14の周囲には、たとえば導
線からなるトランスデューサ16が、たとえば5回巻か
れる。したがって、このトランスデューサ16は、YI
G薄膜12の一方主面側にほぼ平行に配置される5つの
部分とYIG薄膜12の他方主面側にほぼ平行に配置さ
れる5つの部分とを有する。また、トランスデューサ1
6の一端には、入力端子18の一端が接続され、トラン
スデューサ16の他端には、出力端子20の一端が接続
される。さらに、入力端子18の他端および出力端子2
0の他端は、それぞれ接地される。
【0022】図1に示すS/Nエンハンサ10には、フ
ェリ磁性基体としてのYIG薄膜12に、直流磁界H0
がYIG薄膜12の主面に平行しかつトランスデューサ
16に平行する方向に印加される。そして、このS/N
エンハンサ10では、入力端子18に高周波電力を入力
すると、トランスデューサ16の周囲に高周波磁界が発
生し、YIG薄膜12内に表面静磁波が励振される。入
力端子18に入力される高周波電力が小さい場合、高周
波電力が静磁波に変換されるが、トランスデューサ16
がYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とYI
G薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有するの
で、高周波電力から静磁波への変換効率がよくなる。そ
のため、YIG薄膜12を小さく形成しても、従来例と
同様のノイズの減衰量が得られる。一方、入力端子18
に入力される高周波電力が大きい場合、高周波電力から
静磁波への変換が飽和するため、高周波電力の大部分
が、トランスデューサ16を通して出力端子20から得
られる。このため、このS/Nエンハンサ10では、入
力電力の小さいノイズ成分はほとんど出力されず、入力
電力の大きい信号成分は大部分が出力される。すなわ
ち、このS/Nエンハンサ10では、S/Nが高められ
る。また、このS/Nエンハンサ10では、高周波電力
から静磁波への変換効率がよくなるので、小型化および
低価格化を図ることができる。
【0023】図2は図1に示す実施例の変形例を示す斜
視図である。図2に示す実施例では、図1に示す実施例
と比べて、YIG薄膜12がGGG基板14の一方主面
の中央に円板状に形成され、さらに、トランスデューサ
16がYIG薄膜12およびGGG基板14の周囲に4
回巻かれる。
【0024】図3は図2に示す実施例の変形例を示す斜
視図である。図3に示す実施例では、図2に示す実施例
と比べて、トランスデューサ16がYIG薄膜12およ
びGGG基板14の周囲に3回巻かれる。
【0025】図4は図2に示す実施例の他の変形例を示
す斜視図である。図4に示す実施例では、図2に示す実
施例と比べて、トランスデューサ16がYIG薄膜12
およびGGG基板14の周囲に2回巻かれる。
【0026】図5は図2に示す実施例のさらに他の変形
例を示す斜視図である。図5に示す実施例では、図2に
示す実施例と比べて、トランスデューサ16がYIG薄
膜12およびGGG基板14の周囲に1回巻かれる。
【0027】図2〜図5に示す各実施例でも、図1に示
す実施例と同様に、トランスデューサ16がYIG薄膜
12の一方主面側に配置される部分とYIG薄膜12の
他方主面側に配置される部分とを有するので、入力され
た高周波電力から静磁波への変換効率がよくなり、小型
化および低価格化を図ることができる。
【0028】さらに、図2〜図5に示す各実施例では、
YIG薄膜12が円板状に形成されているので、変換さ
れた静磁波が、YIG薄膜12の端部でトランスデュー
サ16側に反射されにくくなる。そのため、YIG薄膜
12の端部で反射された静磁波が、トランスデューサ1
6などによって高周波電力に変換されにくくなる。その
ため、S/Nエンハンサの伝搬帯域内において振幅や位
相のリップルが少なくなり、特性がよくなる。
【0029】図6は比較例を示す斜視図である。図6に
示す比較例では、図2に示す実施例と比べて、直線状の
トランスデューサ16がYIG薄膜12の一方主面側の
みに配置されている。
【0030】また、図2〜図5に示す各実施例および図
6に示す比較例の周波数特性を図7に示し、図2〜図5
に示す各実施例および図6に示す比較例の入出力特性を
図8に示す。なお、図2〜図5に示す各実施例および図
6に示す比較例において、YIG薄膜12の厚みは95
μmであり、YIG薄膜12の直径は2.2mmであ
り、YIG薄膜12の飽和磁化4πMsは1780Ga
ussである。
【0031】図7に示す周波数特性および図8に示す入
出力特性から明らかなように、トランスデューサ16の
巻き数を増やせば、ノイズの減衰量が大きくなり、周波
数特性および入出力特性がよくなることがわかる。な
お、トランスデューサ16の巻き数を増やせばインピー
ダンスが大きくなるので、ノイズの減衰量とインピーダ
ンスの大きさとを考慮して、トランスデューサ16の巻
き数を適当に選ぶことが好ましい。
【0032】図9はこの発明の他の実施例を示す分解斜
視図である。図9に示す実施例では、特に、YIG薄膜
12およびGGG基板14が、絶縁性を有する非磁性体
からなる4角筒形のケース22の中に収納され、導線か
らなるトランスデューサ16が、ケース22の周囲に4
回巻かれる。図9に示す実施例でも、トランスデューサ
16がYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分と
YIG薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有す
るので、入力された高周波電力から静磁波への変換効率
がよくなり、小型化および低価格化を図ることができ
る。
【0033】図10はこの発明のさらに他の実施例を示
す斜視図であり、図11はその平面図であり、図12は
その要部を示す分解斜視図である。図10〜図12に示
す実施例では、特に、YIG薄膜12の表面に直線状の
4つのライン電極24aが間隔を隔てて平行に形成され
る。また、GGG基板14の表面は、誘電体基板26の
一方主面の中央に接着される。この誘電体基板26の一
方主面の中央にも、直線状の4つのライン電極24b
が、間隔を隔てて平行に形成される。そして、これらの
ライン電極24aおよび24bの所定の端部を導線24
cで接続することによって、YIG薄膜12およびGG
G基板14を4周するコイル状のトランスデューサが構
成される。また、トランスデューサの一端すなわち1つ
のライン電極24aの一端部は、誘電体基板26の一方
主面上の端子電極28aに導線28bで接続される。こ
の端子電極28aは、入力端子の一端として用いられ
る。また、トランスデューサの他端すなわち1つのライ
ン電極24bの他端部30は、誘電体基板26の端部に
延びて形成される。この他端部30は、出力端子の一端
として用いられる。さらに、誘電体基板26の他方主面
には、アース電極32が形成される。このアース電極3
2は、入力端子の他端および出力端子の他端として用い
られる。
【0034】図10〜図12に示す実施例でも、トラン
スデューサがYIG薄膜12の一方主面側に配置される
部分とYIG薄膜12の他方主面側に配置される部分と
を有するので、入力された高周波電力から静磁波への変
換効率がよくなり、小型化および低価格化を図ることが
できる。
【0035】図13はこの発明の別の実施例を示す斜視
図である。図13に示す実施例では、YIG薄膜12お
よびGGG基板14の半分の周囲に、導線からなるトラ
ンスデューサ16aが2回巻かれる。同様に、YIG薄
膜12およびGGG基板14の残りの半分の周囲にも、
導線からなる別のトランスデューサ16bが2回巻かれ
る。そして、トランスデューサ16aの一端および別の
トランスデューサ16bの一端は、入力端子18の一端
に接続される。また、トランスデューサ16aの他端お
よび別のトランスデューサ16bの他端は、出力端子2
0の一端に接続される。また、入力端子18の他端およ
び出力端子20の他端は、それぞれ接地される。
【0036】図13に示す実施例でも、トランスデュー
サ16aおよび別のトランスデューサ16bがそれぞれ
YIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とYIG
薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有するの
で、入力された高周波電力から静磁波への変換効率がよ
くなり、小型化および低価格化を図ることができる。
【0037】また、図13に示す実施例では、トランス
デューサ16aおよび別のトランスデューサ16bが入
力端子18および出力端子20間で並列に接続されるの
で、入力端子18および出力端子20間のインピーダン
スが減少し、挿入損失が減少する。
【0038】図14はこの発明のさらに別の実施例を示
す斜視図である。図14に示す実施例では、YIG薄膜
12およびGGG基板14の周囲に、導線からなるトラ
ンスデューサ16aが2回巻かれる。さらに、YIG薄
膜12およびGGG基板14の周囲には、導線からなる
別のトランスデューサ16bが、YIG薄膜12および
GGG基板14を挟んでトランスデューサ16aに対向
するように、2回巻かれる。そして、トランスデューサ
16aの一端および別のトランスデューサ16bの一端
は、入力端子18の一端および他端にそれぞれ接続され
る。また、トランスデューサ16aの他端および別のト
ランスデューサ16bの他端は、出力端子20の一端お
よび他端にそれぞれ接続される。
【0039】図14に示すS/Nエンハンサ10には、
フェリ磁性基体としてのYIG薄膜12に、直流磁界H
0 がYIG薄膜12の主面に平行しかつトランスデュー
サ16aおよび16bに平行する方向に印加される。そ
して、このS/Nエンハンサ10では、入力端子18に
高周波電力を入力すると、トランスデューサ16aおよ
び別のトランスデューサ16bの周囲に高周波磁界が発
生し、YIG薄膜12内に表面静磁波が励振される。入
力端子18に入力される高周波電力が小さい場合、高周
波電力が静磁波に変換されるが、トランスデューサ16
aがYIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とY
IG薄膜12の他方主面側に配置される部分とを有し、
別のトランズデューサ16bがYIG薄膜12の他方主
面側に配置される部分とYIG薄膜12の一方主面側に
配置される部分とを有するので、高周波電力から静磁波
への変換効率がよくなる。そのため、YIG薄膜12を
小さく形成しても、従来例と同様のノイズの減衰量が得
られる。一方、入力端子18に入力される高周波電力が
大きい場合、高周波電力から静磁波への変換が飽和する
ため、高周波電力の大部分が、トランスデューサ16a
および別のトランスデューサ16bを通して出力端子2
0から得られる。このため、図14に示すS/Nエンハ
ンサ10では、入力電力の小さいノイズ成分はほとんど
出力されず、入力電力の大きい信号成分は大部分が出力
される。すなわち、図14に示すS/Nエンハンサ10
でも、S/Nが高められる。
【0040】また、図14に示すS/Nエンハンサ10
でも、高周波電力から静磁波への変換効率がよくなるの
で、小型化および低価格化を図ることができる。
【0041】さらに、図14に示すS/Nエンハンサ1
0では、トランスデューサ16aがYIG薄膜12の一
方主面側に配置される部分とYIG薄膜12の他方主面
側に配置される部分とを有し、別のトランスデューサ1
6bがYIG薄膜12の他方主面側に配置される部分と
YIG薄膜12の一方主面側に配置される部分とを有
し、入力端子18の一端および他端がトランスデューサ
16aの一端および別のトランスデューサ16bの一端
にそれぞれ接続され、出力端子20の一端および他端が
トランスデューサ16aの他端および別のトランスデュ
ーサ16bの他端にそれぞれ接続されるので、すなわ
ち、入力端子18および出力端子20がフィーダ線で接
続されたような状態となるので、ノイズの減衰量を大き
くするためにトランスデューサ16aおよび別のトラン
スデューサ16bの長さを長くしても、入力端子18お
よび出力端子20間のインピーダンスがほとんど変わら
ず、挿入損失がほとんど大きくならない。
【0042】また、図14に示すS/Nエンハンサ10
では、平衡伝送線路におけるS/Nを改善することがで
きるが、図14に示すS/Nエンハンサ10において、
図15に示すように、入力側の前段および出力側の後段
にバラン回路40aおよび40bをそれぞれ設ければ、
不平衡伝送線路におけるS/Nを改善することができ
る。逆に、図14に示す実施例以外の実施例では、不平
衡伝送線路におけるS/Nを改善することができるが、
それらの実施例において、入力側の前段および出力側の
後段にバラン回路をそれぞれ逆向きに設ければ、平衡伝
送線路におけるS/Nを改善することができる。
【0043】図16は図1に示す実施例の他の変形例を
示す斜視図である。図16に示す実施例では、図1に示
す実施例と比べて、別のフェリ磁性基体としての別のY
IG薄膜13がGGG基板14の他方主面に形成され
る。
【0044】図16に示す実施例でも、トランスデュー
サ16がYIG薄膜12,13の一方主面側に配置され
る部分とYIG薄膜12,13の他方主面側に配置され
る部分とを有するので、図1に示す実施例と同様に、入
力された高周波電力から静磁波への変換効率がよくな
り、小型化および低価格化を図ることができる。
【0045】なお、図2〜図5に示す各実施例ではYI
G薄膜が円板状に形成されているが、他の実施例におい
ても、フェリ磁性基体としてのYIG薄膜が円板状に形
成されてもよい。この場合も、図2〜図5に示す実施例
と同様な効果を奏する。
【0046】図9に示す実施例ではYIG薄膜を囲むケ
ースの周囲にトランスデューサが形成されているが、他
の実施例においても、フェリ磁性基体としてのYIG薄
膜を囲むケースの周囲にトランスデューサが形成されて
もよい。
【0047】図10〜図12に示す実施例ではトランス
デューサの一部が電極で形成されているが、他の実施例
においても、トランスデューサおよび別のトランスデュ
ーサの少なくとも一部が電極で形成されてもよい。
【0048】図13に示す実施例では2つのトランスデ
ューサが入力端子および出力端子間で並列に接続されて
いるが、この発明では、フェリ磁性基体の一方主面側に
配置される部分とフェリ磁性基体の他方主面側に配置さ
れる部分とを有する複数のトランスデューサが、入力端
子および出力端子間で並列に接続されてもよい。
【0049】図16に示す実施例では別のフェリ磁性基
体としての別のYIG薄膜がGGG基板の他方主面に形
成されているが、他の実施例においても、別のフェリ磁
性基体としての別のYIG薄膜がGGG基板の他方主面
に形成されてもよい。
【0050】なお、上述の各実施例において、入力側の
前段および出力側の後段に、インピーダンスの整合をと
るための整合回路が、それぞれ設けられてもよい。
【0051】また、上述の各実施例では、YIG薄膜
に、直流磁界が、YIG薄膜の主面に平行しかつトラン
スデューサに平行する方向に印加される。そのため、Y
IG薄膜には、表面静磁波が励起される。しかしなが
ら、フェリ磁性基体としてのYIG薄膜には、直流磁界
が、たとえば、YIG薄膜の主面に直交する方向やYI
G薄膜の主面に平行しかつトランスデューサに直交する
方向などの他の方向に印加されてもよい。直流磁界がY
IG薄膜の主面に直交する方向に印加される場合には、
YIG薄膜に体積前進静磁波(MSFVW)が励起さ
れ、直流磁界がYIG薄膜の主面に平行しかつトランス
デューサに直交する方向に印加される場合には、YIG
薄膜に体積後退静磁波(MSBVW)が励起される。
【0052】なお、上述の各実施例は、高周波信号のS
/Nを高める機能を有するが、バンドストップフィルタ
の機能も有するので、バンドストップフィルタとしても
使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示す実施例の変形例を示す斜視図であ
る。
【図3】図2に示す実施例の変形例を示す斜視図であ
る。
【図4】図2に示す実施例の他の変形例を示す斜視図で
ある。
【図5】図2に示す実施例のさらに他の変形例を示す斜
視図である。
【図6】比較例を示す斜視図である。
【図7】図2〜図5に示す各実施例および図6に示す比
較例の周波数特性を示すグラフである。
【図8】図2〜図5に示す各実施例および図6に示す比
較例の入出力特性を示すグラフである。
【図9】この発明の他の実施例を示す分解斜視図であ
る。
【図10】この発明のさらに他の実施例を示す斜視図で
ある。
【図11】図10に示す実施例の平面図である。
【図12】図10に示す実施例の要部を示す分解斜視図
である。
【図13】この発明の別の実施例を示す斜視図である。
【図14】この発明のさらに別の実施例を示す斜視図で
ある。
【図15】図14に示す実施例の応用例を示すブロック
図である。
【図16】図1に示す実施例の他の変形例を示す斜視図
である。
【図17】この発明の背景となる従来のS/Nエンハン
サの一例を示す斜視図である。
【図18】図17に示すS/Nエンハンサの周波数特性
を示すグラフである。
【図19】図17に示すS/Nエンハンサの入出力特性
を示すグラフである。
【符号の説明】
10 S/Nエンハンサ 12 YIG薄膜 13 別のYIG薄膜 14 GGG基板 16,16a トランスデューサ 16b 別のトランスデューサ 18 入力端子 20 出力端子 22 ケース 24a ライン電極 24b ライン電極 24c 導線 26 誘電体基板 28a 端子電極 28b 導線 30 他端部 32 アース電極

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェリ磁性基体、 前記フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分と前
    記フェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有
    するトランスデューサ、 その一端が前記トランスデューサの一端に接続され、そ
    の他端が接地される入力端子、およびその一端が前記ト
    ランスデューサの他端に接続され、その他端が接地され
    る出力端子を含む、静磁波装置。
  2. 【請求項2】 前記フェリ磁性基体は、円板状に形成さ
    れる、請求項1に記載の静磁波装置。
  3. 【請求項3】 前記フェリ磁性基体の一方主面側に配置
    される部分と前記フェリ磁性基体の他方主面側に配置さ
    れる部分とを有し、前記トランスデューサに並列に接続
    される別のトランスデューサを含む、請求項1または請
    求項2に記載の静磁波装置。
  4. 【請求項4】 前記フェリ磁性基体はGGG基板の一方
    主面に形成され、前記GGG基板の他方主面に別のフェ
    リ磁性基体が形成される、請求項1ないし請求項3のい
    ずれかに記載の静磁波装置。
  5. 【請求項5】 フェリ磁性基体、 前記フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分と前
    記フェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分とを有
    するトランスデューサ、 前記フェリ磁性基体の他方主面側に配置される部分と前
    記フェリ磁性基体の一方主面側に配置される部分とを有
    する別のトランスデューサ、 その一端が前記トランスデューサの一端に接続され、そ
    の他端が前記別のトランスデューサの一端に接続される
    入力端子、およびその一端が前記トランスデューサの他
    端に接続され、その他端が前記別のトランスデューサの
    他端に接続される出力端子を含む、静磁波装置。
  6. 【請求項6】 前記フェリ磁性基体は、円板状に形成さ
    れる、請求項5に記載の静磁波装置。
  7. 【請求項7】 前記フェリ磁性基体はGGG基板の一方
    主面に形成され、前記GGG基板の他方主面に別のフェ
    リ磁性基体が形成される、請求項5または請求項6に記
    載の静磁波装置。
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